JP2004324003A - 衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】縁の部分が厚くならず、縁始末不要な縁を有する衣料の利点を有し、非弾性糸による編み組織が変化する領域のパターンと縁始末不要な縁ラインの方向が比較的自由に設計できる衣料を提供する。
【解決手段】伸縮性経編地からなり裁断した状態で縁始末不要な縁12、13を有する部片(P)11を少なくとも一部に用いた衣料であり、部片(P)は、第1及び第2の非弾性糸と弾性糸から編成され、地編組織が第2の非弾性糸と弾性糸とを同行させた1×1のトリコット組織であって且つ各編針において第2の非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成されており、部片(P)中には、第1の非弾性糸による編み組織が異なる部分23を有しており、縁始末不要な縁12、13の部分は、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分を含む衣料。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ伸縮パワーないしは伸縮方向が部分的に異なる部片を使用した衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、衣料の裾部などの縁は、裁断したままの状態では、縁部が解れてしまうので、解れを防止するために、何らかの縁始末をする必要があった。この始末のことを、縁始末をする、ヘミングなどと称し、その方法は部位や素材によって様々であって、例えば、布端を折り返して2重にし縫合したり、別布やテープ状物を断面略U字状に生地の縁部に被せて縫合するなど、縁始末がされているのが一般的である。しかし、この作業は衣類の縫製において可成りの負担であり、しかもこのように縁始末を施すと、その部分が厚くなり、タイトなアウターウェアーをその上に着用した場合など、下着の縁ラインが凸条になって外衣に現れ、外観を損なったり、分厚くなった縁部が着用感を損なうなどの問題になっている。
【0003】
そこで、近年、例えば縁始末不要な裾を有するガードルなど、縁始末不要な生地の当該縁部がガードル裾部になるように、縁始末不要な生地からなる部片を少なくとも当該衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた衣料が使用されてきている。また、身体に密着して着用し、体形補整機能を付与した衣料についても、伸縮パワーを強くしたい部分に、他の当て布をあてがうのではなく、伸縮パワーを強くしたい部分に、挿入される弾性糸の太さを太くしたり、同じウェールに挿入される弾性糸の本数を多くしたり、当該弾性糸の挿入される領域の幅を大きくしたりすることによって、当て布を用いた場合の様に段差を生じさせることなく、ヒップアップ機能などの、体形補整機能を付与する方法も採用されてきている。しかし、挿入する弾性糸の太さや弾性糸の本数を多くすることにより伸縮パワーを強くした領域などを形成する場合には、当該領域は、編み方向、即ち、糸の供給方向に平行な方向を向いた領域にならざるを得ない。言い換えれば、伸縮パワーの異なる領域の境界ラインの方向は、編み方向、即ち、糸の供給方向に平行になる。従って、挿入する弾性糸の太さや弾性糸の本数を多くすることにより伸縮パワーの異なる領域を形成する場合には、その領域の境界ラインは直線状になり、帯状のパターンの伸縮パワーが強められた領域を形成した場合には、カーブした帯状パターンの様な領域は、形成することは出来ず、真っ直ぐな帯状のパターンの領域しか形成することが出来ない。
【0004】
そこで、伸縮パワーが異なる領域の境界ラインの少なくとも一部を曲線状とするため、言い換えれば、伸縮パワーが強められた、あるいは、弱められたカーブした帯状のパターンの領域を形成するため、非弾性糸による編み組織を変化させることにより、非弾性糸の編み組織変化による伸縮パワーが強い、あるいは、伸縮パワーが弱い、カーブした形状のパターンも含む任意のパターンの領域を形成する方法が提案されている(例えば特許文献1、その対応米国特許の特許文献2参照。)。
【0005】
前記特許文献1、2に示された方法は、非弾性糸の編み組織変化による伸縮パワーが強い、あるいは、伸縮パワーが弱い、カーブした形状のパターンも含む任意のパターンの領域を形成でき、また、それらの領域と、弾性糸による伸縮パワーが強められた、あるいは、弱められた真っ直ぐな帯状のパターンの領域と併用して、種々の伸縮パワーの強弱の領域を形成できる。従って、必要な部位に、必要な伸縮パワーの領域をある程度自由に配置することができる。尚、以後「伸縮パワーが強い、あるいは、弱い領域」をまとめて「伸縮パワーが変化する領域」と略称することがある。
【0006】
ところで、前記特許文献1、2に示された方法において、縁始末不要な縁を形成する場合には、通常、いわゆる糸抜きなどの手法が用いられる(例えば、下記特許文献3参照)。従って、編み込んだ糸を抜くことによって、その部分を境にして、編地を2分し、当該2分された対向するそれぞれの縁の部分が、ほつれの生じない縁始末不要な縁となる。それ故、縁始末不要な縁は、糸の供給方向、すなわち、編み方向に実質上平行なラインの縁とならざるを得ない。当該生地の上下の縁を共に縁始末不要な縁とする場合も、共に編み方向に平行なラインの縁とならざるを得ない。従って、非弾性糸の編み組織変化による伸縮パワーが強い、あるいは、伸縮パワーが弱い、カーブした形状のパターンも含む任意のパターンの領域を形成する上記手法と上記の糸抜きによる縁始末不要な縁の形成手法とを組み合わせて採用しても、縁始末不要な縁のラインの方向は、編み方向と平行な方向(これを、以下、編み方向と同一の方向と表示することもある。)にならざるを得ず、縁始末不要な縁のラインの方向や形状を所望の方向に比較的自由に設計することができないので、カーブした形状のパターンも含む任意のパターンの伸縮パワーの異なる領域を形成する手法と組み合わせても、衣料設計の自由度がまだかなり制限されるという問題がある。
【0007】
一方、上述したように、伸縮パワーを強くしたい部分に、より太い弾性糸を挿入するなどの手法によって、弾性糸により伸縮パワーの強い領域を形成する場合も、より太い弾性糸の挿入などの手段で当該領域を形成するのであるから、前記伸縮パワーの切り替えラインの方向は、糸の供給方向、すなわち、編み方向にほぼ平行な実質上直線ラインに沿った方向にならざるを得ないのが通常である。
【0008】
従って、1枚の編地中に、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域を形成すると同時に1枚の同じ編地中に縁始末不要な縁を形成する場合には、弾性糸による伸縮パワーの強い領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な縁のラインの方向とが、実質上平行な方向を向いた生地とならざるを得ない。言い換えれば、縁始末不要な縁の方向は、編み方向に限定されてしまうと言う問題がある。
【0009】
図16に、一モデルサンプルとして、上述した、従来法(前記特許文献1、2に示された方法)により、1枚の編地中に、非弾性糸の編み組織変化による伸縮パワーが変化する領域と、弾性糸により伸縮パワーが変化する領域と、いわゆる糸抜きなどの手法により、ほつれの生じない縁始末不要な縁(この場合、裾部分がこれに該当する)を形成したものを、適宜の形状に裁断した、衣料の一部を構成する部片の模式的平面図を示した。尚この部片の形状は、単に、説明のために取り上げた形状であり、ある特定の衣料の部片に適用する厳密な形状ではない。しかし例えば、ある種のショートガードルの前脇から脇をカバーし背部のヒップ部をカバーするための左側の部片に近い形状の部片を説明用のモデルとして採用したものである。図の右側部分が、後中心側となり、上側がウェストライン、左下側が裾ラインとなる。後述する図17や図14、図15も同様の趣旨の図面である。
【0010】
図16に示した編地300は、301の縁が、縁始末不要な縁(例えば裾ライン)であり、303が非弾性糸の編み組織変化により形成された伸縮パワーの強い領域でカーブした帯状パターンの領域、304が弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域(例えば、他の部分より太い弾性糸が挿入されて伸縮パワーが強められた領域)、302が上縁(例えばウェストライン)であり、弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域304の伸縮パワーの切り替えライン304a、304b(以下、特に断らない限り両者をまとめて単に304abと略称する)の方向と、縁始末不要な縁301の方向306とは平行になっている。以後、このような編み組織あるいは伸縮パワーが変化する領域の「切り替えライン」のことを「境界ライン」と称することもある。この編地の編み方向は、305の矢印で示された方向であり、伸縮パワーの切り替えライン304abの方向と同様である。そして、縁始末不要な縁301の方向306は、編み方向305と同一方向(平行な方向)に限定されてしまう。また、仮に上縁302ラインの方向307を、伸縮パワーの強い領域304の伸縮パワーの切り替えラインの方向304abや、縁始末不要な縁301の方向306とは異なる図示した様な307の方向の形状にしようとすると、上縁302は、縁始末不要な縁とすることはできず、2重に折り返して縫合するなど、縁始末(ヘミング)を必要とする縁になる。
【0011】
図17に、別の一モデルサンプルとして、従来法により、1枚の編地中に、非弾性糸の編み組織変化による伸縮パワーの強い領域と、弾性糸による伸縮パワーの強い領域とを形成すると共に、同時に1枚の同じ編地中に縁始末不要な縁を形成したものを、適宜の形状に裁断した、衣料の一部を構成する部片の別の模式的平面図を示した。
【0012】
図17に示した編地300は、301の縁が、縁始末不要な縁であり、しかも、スカラップ状に波形形状になっている。このスカラップ状の縁始末不要な縁は、例えば日本特許第3099085号などの手法によって実現可能である。
【0013】
そしてこの場合も弾性糸による伸縮パワーの強い領域304(例えば、太い弾性糸が挿入されて伸縮パワーが強められた領域)を設ける場合には、当該伸縮パワーの強い領域304の伸縮パワーの切り替えラインの方向304abと、縁始末不要な縁301の方向306とは実質上平行になっている。縁始末不要な縁301のスカラップ状部分は波形形状の曲線であるが、その波の進行方向に相当する全体としての縁301の方向は、矢印306の方向と言える。光は波動するが、全体として直線で進行方向を描いているのと同じ扱い方である。矢印306は、縁始末不要な縁301のスカラップ状の波の頂点を結ぶ接線ラインをもって全体としての方向としたが、波を上下に分割する中央線をもってしても全体としての方向が示せる。すなわち、縁始末不要な縁301をスカラップ状にしても、その全体としての方向306と、伸縮パワーの強い領域304の境界ライン(伸縮パワーの切り替えライン)304abの方向とは、実質上平行になっている。尚、この編地の編み方向は、305の矢印で示された方向であって伸縮パワーの切り替えラインの方向と同一方向である。そして、縁始末不要な縁301の方向306は、編み方向305に限定されてしまう。また仮に上縁302ラインの方向307を、弾性糸による伸縮パワーの強い領域304の伸縮パワーの切り替えライン304abの方向や、縁始末不要な縁301の方向306と異なる図示した様な307の方向の形にしようとすると、上縁302は、縁始末不要な縁とすることはできず、2重に折り返して縫合するなど、縁始末を必要とする縁になる。
【0014】
また、図示していないが、弾性糸による伸縮パワーの強い領域304の伸縮パワーの切り替えライン304abの方向と、縁始末不要な縁301の方向306とを非平行にしようとすると、縁301を目的の方向になるように裁断せざるを得ず、裁断した裁ち端は、そのままではほつれが生ずるので、縁始末を施した縁とせざるを得なくなる。すなわち縁始末不要な縁とすることはできなくなる。また、仮に上縁302を縁始末不要な縁とする場合にも、上縁302のラインの方向307を弾性糸による伸縮パワーの強い領域304の伸縮パワーの切り替えライン304abの方向や編み方向305と平行な方向に限定されてしまう。すなわち縁始末不要な縁の方向は、編み方向や、弾性糸による伸縮パワーの切り替えラインの方向と同一方向にせざるを得ないのが実状である。
【0015】
従って、従来は、衣料の縁始末不要な縁の方向を例えばほぼ水平方向など、特定の方向に決めてしまうと、弾性糸による伸縮パワーの強い領域の方向(弾性糸による伸縮パワーの切り替えラインの方向)を目的の体形補整を行うに好適な角度にするなど自由に設定することはできず、裾ラインやウェストラインの縁などを縁始末不要な縁とする場合には、弾性糸による伸縮パワーの強い領域の方向がそれと平行な方向に制限され、裾ラインやウェストラインの方向とは関係なしに弾性糸による伸縮パワーの強い領域の方向を当該衣料の最適な方向とすることはできないと言う問題もある。
【0016】
すなわち、縁始末不要な縁からなる裾ライン又はウェストラインの方向は、編み方向に限定され、これらの縁の向きを目的とする衣料に最適な方向に設計すると、弾性糸による伸縮パワーの強い領域の方向を、自由に変えることはできず、目的の体形補整を行うに好適な角度で配置することができないと言うような問題がある。
【0017】
従って、従来の衣料においては、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域の方向を、目的の体形補整を行うに好適な角度で配置し、しかも裾ラインなどの衣料下縁部ないしウェストラインなどの衣料上縁部など方向も、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域の方向にとらわれずに自由に変える場合には、縁部の形状は、目的の形に裁断して、縁始末をしなければならなかった。
【0018】
即ち、従来の衣料においては、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域の方向は、縁始末不要な縁の方向と同一の方向に固定されていて、設計の自由度がかなり制限されていた。図16や図17で示した様な弾性糸による伸縮パワーの変化する領域の方向を、例えば、後述する図14や図15で示した様な方向など、縁始末不要な縁の方向に拘束されない、比較的自由な方向に設定することもできなかった。
【0019】
言い換えれば、非弾性糸による編み組織が変化する領域を有し、更に必要に応じて弾性糸による伸縮パワーの変化する領域も有し、しかも縁始末不要な縁を裁断により比較的自由な方向又は形状に形成し得る部片を用いた、比較的設計の自由度が高い衣料は得られていなかった。
【0020】
【特許文献1】
日本特許第3023354号公報。
【0021】
【特許文献2】
米国特許第6,401,497号公報。
【0022】
【特許文献3】
日本特開2000−303331号([0020]の説明及び図2参照)。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の問題点を解決し、非弾性糸による編み組織が異なる部分を有しており、当該非弾性糸による編み組織が異なる部分の領域の境界ラインが直線状又はその少なくとも一部が曲線状である様な、非弾性糸による編み組織が異なる部分(これを、非弾性糸による編み組織が変化する領域と言うこともある)のパターンを比較的自由に設計でき、しかも、縁始末不要な縁ラインの方向が編み方向と平行な方向に限定されずに、前記非弾性糸による編み組織が変化する領域のパターンが好適な部位に配置出来るよう縁始末不要な縁が裁断により比較的自由に設計できる衣料を提供することを目的とする。尚、ここで、非弾性糸による編み組織が異なる部分(すなわち非弾性糸による編み組織が変化する領域)は、非弾性糸による編み組織を適宜変えることにより、伸縮パワーや伸縮方向などを適宜異ならせたものである。
【0024】
また更には、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な縁の方向とを、平行にせずに、それぞれのラインを必要に応じた好適な方向に自由に設計することができ、しかも非弾性糸による編み組織が変化する領域の境界ラインが直線状ないしはその少なくとも一部が曲線状である様な伸縮パワーないしは伸縮方向が変化する領域も合わせて有し、種々のグレードの伸縮パワーの変化を有する領域や伸縮方向などの変化を有する領域を比較的自由に設計でき、しかも裁断したままでほつれの生じにくい縁始末不要な縁を少なくとも一部に有する体形補整機能あるいはフィット性向上などの機能を加味した衣料を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本発明の衣料は、
(1)伸縮性の経編地からなり裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有する部片(P)を、衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた衣料であって、前記部片(P)は、第1の非弾性糸と、地編組織を形成する第2の非弾性糸及び弾性糸とから編成され、前記地編組織が前記第2の非弾性糸と前記弾性糸とを同行させた1×1のトリコット組織であって且つ各編針において第2の非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成されており、前記部片(P)中には、第1の非弾性糸による編み組織が異なる部分を有しており、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の部分は、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分を含む衣料である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の衣料においては、衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いる部片(P)は、第1の非弾性糸と、地編組織を形成する第2の非弾性糸及び弾性糸とから編成され、前記地編組織が前記第2の非弾性糸と前記弾性糸とを同行させた1×1のトリコット組織であって且つ各編針において第2の非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成されており、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の部分は、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分を含む衣料であるので、編み方向にとらわれずに、比較的自由な方向に、あるいは、比較的自由な形状に衣料の縁となる部分を、裁断により形成でき、しかも、当該裁断されたままの縁は、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分を含むので、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁とすることができる。
【0027】
しかも、前記部片(P)中には、第1の非弾性糸による編み組織が異なる部分を有しており、所望の位置に所望の形状の第1の非弾性糸による編み組織を異ならしめた領域を設けることにより、伸縮パワーまたは伸縮方向などを適宜変化させた領域を形成でき、適宜の位置に適宜の体形補整機能あるいはフィット性向上などの機能を加味した衣料を容易に提供することができる。しかも、衣料の当該縁の部分が厚くならず、衣料の当該縁の部分が外衣に反映して凹凸となって現れることがなく、本衣料の着用者の外観を良好に保つことができるなどの縁始末不要な縁を有する衣料の利点を発揮できる。
【0028】
(2)前記(1)項に記載の衣料においては、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3以上が、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分であることが好ましい。
【0029】
(3)前記(1)項に記載の衣料においては、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの全部が、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分であることが好ましい。
【0030】
(4)また、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の衣料においては、前記部片(P)中の(S)から成る領域以外の領域(H)が、下記(H1)〜(H4)から選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。
【0031】
(H1)第1の非弾性糸による編み組織が、ハーフ編みである領域
(H2)第1の非弾性糸による編み組織が、鎖編みである領域
(H3)第1の非弾性糸による編み組織が、シンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットである領域
(H4)第1の非弾性糸と更に第3の非弾性糸が重ねて編みこまれた領域であり、第1の非弾性糸による編み組織が、ハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であり、第3の非弾性糸がハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であって前記第1の非弾性糸による編み組織とは異なる編み組織である領域。
【0032】
(5)また、前記(4)に記載の衣料においては、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3より小さい範囲が、(H3)から成る部分であることが好ましい。
【0033】
(6)また、前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の衣料においては、伸縮性の経編地からなる部片(P)において、第1の非弾性糸による編み組織が異なる領域のうちの、少なくとも1つの境界ラインの少なくとも一部が曲線状であることが好ましい。
【0034】
(7)また、前記(4)に記載の衣料においては、部片(P)として、伸縮パワーを比較的弱くしたい領域に(S)からなる領域を配置し、伸縮パワーを比較的強めたい領域に(H)からなる領域を配置した部片(P)を用いることが好ましい。
【0035】
(8)また、前記(1)〜(7)項のいずれかに記載の衣料においては、前記部片(P)が、伸縮パワーの強弱の要求に応じて、用いる弾性糸の太さ、編み込み本数の少なくともいずれかを変えた弾性糸による伸縮パワーの異なる領域が更に形成されている部片(P)であることが好ましい。
【0036】
かかる好ましい態様とすることにより、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な縁の方向とを、平行にせずに、それぞれのラインを必要に応じた好適な方向に自由に設計することができ、しかも非弾性糸による編み組織の変化する領域も合わせて有し、種々のグレードの伸縮パワーを有する領域あるいは伸縮方向などを特定の方向に制御した領域を比較的自由に設計でき、しかも裁断したままでほつれの生じない縁始末不要な縁を少なくとも一部に有する衣料を容易に提供でき好ましい。
【0037】
(9)また、前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の衣料においては、前記部片(P)の地編みの、第2の非弾性糸が閉じ目により、弾性糸が開き目により編成されていることが好ましい。
【0038】
(10)また、前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の衣料においては、前記部片(P)の地編みの、第2の非弾性糸と弾性糸のいずれもが、閉じ目により編成されていることが好ましい。
【0039】
(11)また、前記(4)〜(10)項のいずれかに記載の衣料においては、領域(H1)の第1の非弾性糸によるハーフ編みが、閉じ目により編成されているハーフ編みであることが好ましい。
【0040】
(12)また、前記(4)〜(10)項のいずれかに記載の衣料においては、領域(H2)の第1の非弾性糸による鎖編みが、開き目により編成されている鎖編みであることが好ましい。
【0041】
(13)また、前記(4)〜(10)項のいずれかに記載の衣料においては、領域(H3)の第1の非弾性糸による編み組織が、シンカーループの方向が前記地編のシンカーループの方向と逆向きの閉じ目の1×1のトリコットであることが好ましい。
【0042】
(14)また、前記(1)〜(13)項のいずれかに記載の衣料においては、衣料がガードル、ショーツ、ボディスーツ、水着、レオタード、スパッツ、スポーツ用タイツ、ブラジャーから選ばれた衣料であることが好ましい。
【0043】
(15)また、前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の衣料においては、衣料が、衣料全体が身体に密着するヒップ部を有する衣料であることが好ましい。
【0044】
(16)また、前記(1)〜(15)項のいずれかに記載の衣料においては、前記伸縮性の経編地からなる部片(P)において、第1の非弾性糸による編み組織が異なる領域のうちの少なくとも1つが、帯状であり且つカーブした連続パターンの領域であることが好ましい。
【0045】
(17)また、前記(16)項に記載の衣料においては、帯状であり且つカーブした連続パターンの領域が、(H1)、(H2)、(H3)及び(H4)から選ばれた領域(H)からなる領域であることが好ましい。
【0046】
(18)また、前記(17)項に記載の衣料においては、衣料が、ショーツ又はガードルであり、当該ショーツ又はガードルの裾部及びウェストライン部が前記部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、帯状であり且つカーブした連続パターンの領域が領域(H)からなっていて且つショーツ又はガードルの左右のヒップ部の膨らみの下から脇にかけての部分であることが好ましい。
【0047】
(19)また、前記(8)〜(18)項のいずれかに記載の衣料においては、衣料が、ショーツ又はガードルであり、当該ショーツ又はガードルの裾部及びウェストライン部の少なくとも一方が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、当該裾部及びウェストライン部の縁のラインの方向の少なくとも一方が、当該部片(P)の当該弾性糸により伸縮パワーが変化する領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と非平行であることが好ましい。
【0048】
(20)また、前記(1)〜(13)項のいずれかに記載の衣料においては、衣料が、ブラジャーであって、ブラジャーのバック布が、前記部片(P)からなり、当該バック布の上下の縁が、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなっていることが好ましい。
【0049】
(21)また、前記(1)〜(20)項のいずれかに記載の衣料においては、非弾性糸として、ブライト糸とダル糸を使用し、ブライト糸を編み込んだ部分とダル糸を編み込んだ部分を編み分けにより形成し、所望箇所にブライト糸とダル糸の光沢の差異による、線状ないし帯状の目視可能な模様が形成されていることが好ましい。
【0050】
(22)また、前記(1)〜(21)項のいずれかに記載の衣料においては、地編組織が、前記(1)項に記載の地編組織に変えて、弾性糸のみから編成された1×1のトリコット組織からなる地編組織を用いることもできる。
【0051】
本発明の衣料においては、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁は、前述した糸抜きなどの方法で形成された縁始末不要な縁ではなく、裁断されたままの状態でほつれの生じない縁始末不要な縁となる経編地からなる部片(P)を用いた裁断されたままの縁である。
【0052】
このように裁断されたままの状態でも、その裁ち端(裁断されたままの縁)が縁始末不要な縁とすることができ、且つ第1の非弾性糸による編み組織が異なる部分を有しているような経編地からなる部片(P)を説明するために、それぞれの領域を構成するに好ましく採用される編み組織の例について、説明する。
【0053】
上記本発明で用いる部片(P)の経編地の編み組織を、図5、図6、図7を用いて説明する。
【0054】
図5、図6、図7においては、いずれも矢印Rで示される方向が、編み方向(言い換えれば、糸の供給方向、ウェール方向、編地の縦方向)であり、それと直角の方向が経編地のコース方向(編地の横方向)になる。100がジャカード筬L1に通糸されて編まれる第1の非弾性糸であり、図はその編み組織を示している。同様に101が地筬L2に通糸されて編まれる第2の非弾性糸であり、図はその編み組織を示している。102がもう一つの地筬L3に通糸されて編まれる弾性糸であり、図はその編み組織を示したものである。
【0055】
図5、図6、図7において共通しているのは、第2の非弾性糸101と弾性糸102からなる地編み組織であり、第2の非弾性糸と弾性糸とを同行させた1×1トリコットであって、かつ各編針において第2の非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成されている。図5、図6、図7において図示したものは、各編針において第2の非弾性糸が閉じ目により、弾性糸が開き目により編成されている例を示した。この様に地編みの編糸として非弾性糸と弾性糸とを用いて適度の伸縮性を付与している。地編みを1×1トリコットの編み組織とし、且つ、各編針において非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方を閉じ目により編成することにより、編目の安定、裁断されたままの縁のほつれの防止を達成し易くできる。1×1のトリコット編みとしては、ジャカードシングルラッセル編機やジャカードトリコット編機で編まれた1×1のトリコット編みであるが、ジャカードシングルラッセル編機で編まれた1×1のトリコット編みであることがテンションをかけやすく編み密度の高い編地とすることができ好ましい。
【0056】
尚、第1の非弾性糸による編み組織が変化した領域が、編み方向と同じ、まっすぐな帯状の領域とする場合には、ジャカード機構を具備しない、シングルラッセル編機やトリコット編機、好ましくは、シングルラッセル編機を使用してもよい。
【0057】
そして上記伸縮性経編地の地編み組織の態様のみ、別途、図8、図9、図10に示した。図8は、第2の非弾性糸101が閉じ目により、弾性糸102が開き目により編成されている地編組織(A)、図9は、第2の非弾性糸101と弾性糸102のいずれもが閉じ目により編成されている地編組織(B)、図示していないが地編組織(A)とは逆の組み合わせ、即ち、第2の非弾性糸101が開き目により、弾性糸102が閉じ目により編成されている地編組織(C)、及び図10に示した地編組織(D)のように、第2の非弾性糸101と弾性糸102とがともに開き目と閉じ目とを交互に、ただし、同じ編針において第2の非弾性糸101の開き目に対して弾性糸102は閉じ目、同様に第2の非弾性糸101の閉じ目に対して弾性糸102は開き目が組み合わされ編成されている伸縮性たて編地(D)が採用できる。上記のうち、地編組織(A)が、伸縮パワーの強弱差が明確に発揮されやすいと言う観点から好ましい。また、地編組織(B)は、ウェール方向の編み密度を高密度にしやすく、裁断されたままの縁のほつれが特に少ないと言う点で優れている。地編組織(C)や地編組織(D)は、伸度の高い地編組織とすることができるが、伸縮パワーの強弱差が付与しにくくなる傾向になる。地編組織としては、本発明においては(A)が最も好ましく、その次に好ましいのが(B)である。
【0058】
図5のジャカード筬L1に通糸されて編まれる第1の非弾性糸100は、105で示したコースの部分が、第1の非弾性糸と前記地編の前記第2の非弾性糸と前記弾性糸とを同行させた1×1のトリコットであり、前記領域(S)を形成する際に適用される編み組織である。この組織は、特にほつれが生じにくいので、前記部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の部分の少なくとも一部はこの組織で形成されていることが必要であり、好ましくは裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3以上、より好ましくは裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの全部がこの組織で形成されていることが好ましい。
【0059】
特に限定するものではないが、この組織は比較的伸縮パワーが弱い領域を形成しやすい傾向にある。
【0060】
上記編み組織において、第1の非弾性糸による1×1のトリコットは、閉じ目により編成されていることが、裁断されたままの縁のほつれがより一層生じにくくなり好ましい。
【0061】
そして、第1の非弾性糸100において106で示したコースの部分は、ハーフ編みであり、編地の伸縮パワーを比較的強めにしたり、あるいは伸縮方向を主として特定の方向に規制する領域(H)の一つとして用いられる。特に限定するものではないが、主として編地の横方向の伸縮方向を伸びにくくしたり、主として編地の横方向の伸縮パワーを強めた領域(H1)を形成しやすい傾向の編み組織である。尚、図5に示した106のハーフ編みは、閉じ目とすることが、伸縮パワーを比較的強めたり伸縮方向を規制する機能をより発揮しやすくできるという観点から好ましい。ハーフ編みは、言い換えれば、1×1のトリコットに比べて横方向に一針多く振った組織であり、伸びが小さくなる傾向がある。このハーフ編みのシンカーループの方向は、地編組織のシンカーループの方向と同方向になる。即ち地編組織のシンカーループの方向が左下から右斜め上に向いている部分においては、ハーフ編みのシンカーループの方向も同様に左下から右斜め上に向き、地編組織のシンカーループの方向が右下から左斜め上に向いている部分においては、ハーフ編みのシンカーループの方向も同様に右下から左斜め上に向いている。
【0062】
尚、ここで編地の横方向とか縦方向とかの基準として、経編地において縦方向とは、編地の編み方向(矢印Rで示される方向)、即ちウェール方向が縦方向であり、従って、ここで言う横方向とは、編地の編み方向と直角の方向、即ち、コース方向であり、完成された衣料の、縦方向、横方向とは無関係である点注意すべきである。仮にこの経編地の縦方向、すなわち編地の編み方向(矢印Rで示される方向)が衣料の横方向になるように使用した場合、その衣料においては、この経編地の縦方向は、衣料の横方向を向いていることになる。
【0063】
図6のジャカード筬L1に通糸されて編まれる第1の非弾性糸100は、105で示したコースは、図5の105で示したと同様に、前記地編の前記第2の非弾性糸と前記弾性糸と第1の非弾性糸とを同行させた1×1のトリコットであり、領域(S)を形成する際に適用される編み組織である。そして、図6において第1の非弾性糸100において107で示したコースは、鎖編みであり、編地の伸縮パワーを比較的強めにしたり、あるいは伸縮方向を主として特定の方向に規制する領域(H)の一つとして用いられる。特に限定するものではないが、主として編地の縦方向の伸縮方向を伸びにくくしたり、主として編地の縦方向の伸縮パワーを強めた領域(H2)を形成しやすい傾向の編み組織である。尚、図6に示した107の鎖編みは、開き目とする方が、糸切れなどが発生しにくく、編成性の点で好ましい。閉じ目とした場合には、編地の縦方向の伸縮パワーがやや強くなるが、編成性の点で劣る傾向になる。前述したようにここで言う縦方向とは、編地の編み方向(矢印Rで示される方向)、即ち、ウェール方向であり、完成された衣料の、縦方向、横方向とは無関係である点は、上記したとおりである。
【0064】
次に図7のジャカード筬L1に通糸されて編まれる第1の非弾性糸100は、105で示したコースは、図5の105で示したと同様に、前記地編の前記第2の非弾性糸と前記弾性糸と第1の非弾性糸とを同行させた1×1のトリコットであり、領域(S)を形成する際に適用される編み組織である。そして、図7の第1の非弾性糸100において108で示したコースは、第1の非弾性糸による編み組織は、シンカーループの方向が前記地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコット(これを、「逆行1×1のトリコット」と略称することがある。)であり、編地の伸縮パワーをやや強めにしたり、あるいは伸縮性を変える領域(H)の一つとして用いられる。特に限定するものではないが、(H1)や(H2)に比べて裁断したままの縁がほつれにくい傾向を有するので、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の編み組織の一部として用いても良い。その場合には、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3より小さい範囲が、(H3)から成る部分であることが好ましい。
【0065】
尚、シンカーループの方向を105の部分から、108の部分の様に逆向きに変更する際には、例えば109で示したコースに鎖編みなどの組織を介して向きを変更することになる。第1の非弾性糸100のあるコースに沿った部分のシンカーループ100aに注目すると、図7では、シンカーループ100aの方向は、左下から右斜め上に向いている。同じコースに沿った部分の第2の非弾性糸101のシンカーループ101aと、弾性糸102のシンカーループ102aの方向は、いずれも右下から左斜め上に向いている。従ってシンカーループ100aの方向が前記地編のシンカーループ101a、102aの方向と逆向きになっている。
【0066】
図7に示した108のシンカーループの方向が前記地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットは、閉じ目とする方が好ましい。しかし、必要に応じて、開き目としてもよい。
【0067】
以上に説明したのは、第1の非弾性糸による編み組織が異なる領域の編み組織などの理解を容易にするために、図5の106のハーフ編み、図6の107の鎖編み、図7の108のシンカーループの方向が逆向きの1×1のトリコットを別々に説明したが、同一ウェールに、これらを混在させて、ある所定のコースまでは、ハーフ編み、続いて次のコースから一定コースは鎖編みを採用し、更に続いて、その後のコースは逆行1×1のトリコットとするなど連続して変化させても良い。
【0068】
図示していないが、更に、領域(H)の一つとして、第1の非弾性糸と更に第3の非弾性糸が重ねて編みこまれた領域であり、第1の非弾性糸による編み組織が、ハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であり、第3の非弾性糸がハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であって前記第1の非弾性糸による編み組織とは異なる編み組織である領域(H4)も用いることができる。特に限定するものではないが、主として編地の縦方向の伸びを低下させ編地の横方向の伸びはあまり低下させずに、主として編地の縦方向の伸縮パワーを更に強めた領域(H4)を形成するのに好適な編み組織である。
【0069】
本発明で用いる経編地は、実際にはピエゾ変換素子などによるジャカード制御装置を有する経編機(例えば米国特許第5,390,512号、対応日本特開平6−166934号、など参照)、より具体的にはジャカード制御装置を有するシングルラッセル編機、ジャカード制御装置を有するトリコット編機などを用いて、ジャカード筬L1に第1の非弾性糸、地筬L2に第2の非弾性糸、地筬L3に弾性糸を供給して同時に編まれるのであるが、伸縮パワーの変化や伸縮方向の変化の要求に応じて、第1の非弾性糸による編み組織を変化させることにより、編み組織の変化する領域の境界ラインを、要求に応じて、直線状にしたり、その少なくとも一部が曲線状であるものも含めて、任意のパターンの上述した第1の非弾性糸による、領域(S)、並びに任意のパターンの(H1)〜(H3)から選ばれた少なくとも1つの領域(H)を形成する方法を図面をもちいて説明する。なお、ジャカード制御装置を有するシングルラッセル編機で編まれたものが、テンションをかけやすく、編み密度が高く、平均的に伸度の大きい経編地とすることができ、好ましい。しかし、第1の非弾性糸による編み組織が変化した領域が、編み方向と同じ、まっすぐな帯状の領域とする場合には、ジャカード機構を具備しない、シングルラッセル編機やトリコット編機、好ましくは、シングルラッセル編機を使用してもよい。前述した第1の非弾性糸と更に第3の非弾性糸が重ねて編みこまれた領域を形成する場合も同様である。
【0070】
以下、ジャカード筬L1に通糸されて編まれる第1の非弾性糸の編み組織の変化により、所定部分に領域(H)と領域(S)をパターン状に形成する場合に、領域(H)のパターンが帯状であり且つカーブした連続パターンを形成する様なケースを例にとって説明する。
【0071】
図11に上述した様な領域(H)のパターンが帯状であり且つカーブした連続パターンを有する経編地1の一例の平面図を示した。ここで仮に2が領域(H)、3が領域(S)、4も領域(S)とする。この経編生地を形成するための糸の供給方向は矢印Rの方向である。すなわち、ジャカード経編機によって編まれて経編機から排出される生地の排出方向(編み方向)が矢印Rの方向である。
【0072】
図11のW番目のウェールを編む場合は、m番目のコースからm番目のコースまでは、領域(S)で採用する組織、すなわち地編と同じ1×1のトリコット(図5の第1の非弾性糸100の105の部分の編み組織参照)で編み、m番目のコースとm番目のコースの間は例えばハーフ編(図5の第1の非弾性糸100の106の部分の編み組織参照)で編み、m番目のコースからm番目のコースは地編と同じ1×1のトリコットで編むことになる。同様に図1のWn+x番目のウェールを編む場合は、m番目のコースからq番目のコースまでは、地編と同じ1×1のトリコットで編み、q番目のコースとq番目のコースの間はハーフ編で編み、q番目のコースからm番目のコースは地編と同じ1×1のトリコットで編むことになる。かかる編み方は、前述の様なジャカード制御装置を有する経編機のコンピーターに各ウェールと各コースについて上述の様な指令を入力することにより実現できる。尚、上記のハーフ編の部分を鎖編み(図6の第1の非弾性糸100の107の部分の編み組織参照)にしたり、シンカーループの方向が前記地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコット(図7の第1の非弾性糸100の108の部分の編み組織参照)にしたり、適宜、要求に応じて変更できる。
【0073】
また、例えば、領域(H)を2種類以上[上記(H1)、(H2)、(H3)から選ばれた2種類以上]設ける場合の例としては、例えば次の様な手法で実現できる。
【0074】
図12に領域(H)のパターンが帯状であり且つカーブした連続パターンを有する経編地1で、2種類の異なる領域(H)が形成されている経編地1の一例の平面図を示した。ここで2が領域(H)、3が領域(S)、4も領域(S)であり、図11の場合と異なるのは、領域(H)2が2種類の領域2aと、領域2bとからなる点である。
【0075】
この様な領域(S)と2種類の領域(H)のパターンを有する経編地を形成するための糸の供給方向は矢印Rの方向である。すなわち、ジャカード経編機によって編まれて経編機から排出される生地の排出方向(編み方向)が矢印Rの方向である。
【0076】
ここで仮に領域(H)2のうち2aで示される領域がハーフ編(図5の第1の非弾性糸100の106の部分の編み組織参照)で編まれた領域(H1)、2bで示される領域がシンカーループの方向が前記地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコット(図7の第1の非弾性糸100の108の部分の編み組織参照)で編まれた領域(H3)と仮定すると、この地編生地は例えば次の様な方法で製造される。尚、領域(S)の3と4の領域の形成方法は、図11で説明した場合と同様なので、重複を避ける為、説明を省略する。従って図12では主として領域2aと2bとを所望のパターン状に形成する手法の一例について、3、4の領域の説明は省略して2aと2bの領域のみ注目して説明する。
【0077】
図12のW番目のウェールを編む場合は、m10番目のコースからm11番目のコースまでは、ハーフ編で編み、m11番目のコースとm12番目のコースの間はシンカーループの方向が前記地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットで編む。同様に図12のWn+x番目のウェールを編む場合は、q10番目のコースからq11番目のコースまでは、ハーフ編で編み、q11番目のコースとq12番目のコースの間はシンカーループの方向が前記地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットで編む。かかる編み方は、前述の様なジャカード制御装置を有する経編機のコンピーターに各ウェールと各コースについて上述の様な指令を入力することにより実現できる。
【0078】
上記の例では、領域2aと2bとをハーフ編、並びにシンカーループの方向が逆向きの1×1のトリコットの組み合わせの例を示したが、ハーフ編、鎖編、並びにシンカーループの方向が逆向きの1×1のトリコットの組み合わせのいずれか2つの組み合わせとすることができる。
【0079】
図13に、更に、領域(H)のパターンが帯状であり且つカーブした連続パターンを有する経編地1で、領域(H)が3種類形成されている経編地1の一例の平面図を示した。ここで2が領域(H)、3が領域(S)、4も領域(S)であり、図11の場合と異なるのは、領域(H)である領域2が3種類の領域2c、2d、2eとからなる点である。
【0080】
ここで仮に領域2のうち2cで示される領域がハーフ編(H1)、2dで示される領域が鎖編(H2)、2eで示される領域がシンカーループの方向が地編と逆向きの1×1のトリコット(H3)で形成すると仮定すると、上記と同様に、WからW番目のウェールの間の2cの領域は、ハーフ編で編まれ、WからW +x番目のウェールの間の2dの領域は、鎖編で編まれ、Wn+xからWn+z番目のウェールの間の2eの領域は、前記地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットで編まれ、領域3と4は、領域(S)で採用する組織、すなわち地編と同じ1×1のトリコットで編まれることになる。
【0081】
第1の非弾性糸による編み組織を変化させた領域を形成する場合に、例えば、上述のようにして、編み組織が変化する領域の境界ラインの少なくとも一部が曲線状であるパターン、例えば領域(H)が、カーブした帯状の様なパターンの領域や直線状の帯状パターンの領域など、そのほか任意のパターンの編み組織が変化する領域を形成することができ、しかも、裁断されたままの状態でほつれの生じにくい縁始末不要な縁を形成することができるのである。
【0082】
以上は、第1の非弾性糸の編み組織の変化により、所定部分に領域(H)と領域(S)をパターン状に形成する場合について説明したが、次に、前記第1の非弾性糸の編み組織の変化とともに弾性糸による伸縮パワーの異なる複数の領域が更に形成されていて、裁断されたままの状態でほつれの生じない縁始末不要な縁を有する部片(P)について説明する。
【0083】
図14に、一モデルサンプルとして、前記第1の非弾性糸の編み組織の変化とともに弾性糸による伸縮パワーの異なる複数の領域が更に形成され適宜の形状に裁断されて、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有する本発明で用いる衣料の一部を構成する部片(P)の一態様の模式的平面図を示した。
【0084】
尚この部片(P)の形状は、単に、説明のために取り上げた形状であり、ある特定の衣料の部片に適用する厳密な形状ではない。しかし例えば、ある種のショートガードルの前脇から脇をカバーし背部のヒップ部をカバーするための左側の部片に近い形状の部片を説明用のモデルとして採用したものである。図の右側部分が、後中心側となり、上側がウェストライン、左下側が裾ラインとなる。後述する図15なども同様の趣旨の図面である。
【0085】
図14に示した部片(P)200は、201下縁(例えば裾ライン)及び202上縁(例えばウェストライン)の縁が、裁断されたままの状態でほつれの生じない縁始末不要な縁であり、203が第1の非弾性糸の編み組織変化により形成された領域(H)でカーブした帯状パターンの領域、204が弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域(例えば、他の部分より太い弾性糸が編み込まれて伸縮パワーが強められた領域)であり、弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域204の伸縮パワーの切り替えライン204a、204b(以下、特に断らない限り両者をまとめて単に204abと略称する)の方向と、縁始末不要な縁201の方向206や縁始末不要な縁202の方向207とは非平行になっている例を示した。尚、この編地の編み方向は、205の矢印で示された方向であり、従って弾性糸による伸縮パワーの切り替えライン204abの方向は編み方向と同方向になる。しかし、図16や図17で示した従来例と異なり、縁始末不要な縁201や202の方向206や207が、編み方向205の方向と同一方向(平行方向)に限定されてしまうと言うことはない。縁始末不要な縁201や202は、裁断により、比較的自由な方向や形状に裁断できるからである。
【0086】
しかも、第1の非弾性糸による編み組織の変化する領域(H)の境界ラインの少なくとも一部が曲線状である様な伸縮パワーないしは伸縮方向が変化する領域と弾性糸による伸縮パワーの変化する領域も合わせて有し、種々のグレードの伸縮パワーを有する領域あるいは伸縮方向が変化する領域を比較的自由に設計でき、且つ裁断したままでほつれの生じにくい縁始末不要な縁を少なくとも一部に有する部片(P)を形成できる。第1の非弾性糸による編み組織の変化による領域203と弾性糸による伸縮パワーの強められた領域204が重なった領域が最も伸縮パワーの強い領域となる。尚、この態様では、領域203以外の領域は、領域(S)を示している。
次に図15に、前記図14と同様に、前記第1の非弾性糸の編み組織の変化とともに弾性糸による伸縮パワーの異なる複数の領域が更に形成され適宜の形状に裁断されて、裁断されたままの状態でほつれの生じない縁始末不要な縁を有する本発明で用いる衣料の一部を構成する部片(P)の別の一態様の模式的平面図を示した。
図15に示した編地200は、202と201の上下の縁が、裁断により形成された縁で、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁であり、以下、図14と同一の部分には同一の符号を付して重複説明は省略した。下側の縁201が、波形形状になっている点が、図14に示した部片(P)と異なるのみである。
【0087】
そしてこの場合も弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域204の伸縮パワーの切り替えライン204a、204bの方向と、縁始末不要な縁201の方向206や縁始末不要な縁202の方向207とは非平行になっている。縁201は波形形状の曲線であるが、その波の進行方向に相当する全体としての縁201の方向は、矢印206の方向と言える。光は波動するが、全体として直線で進行方向を描いているのと同じ扱い方である。矢印206は、縁始末不要な201の波形の波を上下に分割する中央線をもって全体としての方向としたが、図17で説明したように波形の波の頂点を結ぶ接線ラインをもってしても全体としての方向が示せる。この場合においても縁始末不要な縁201や202の方向206や207が、編み方向205の方向と同一方向(平行方向)に限定されてしまうと言うことはない。縁始末不要な縁201や202は、裁断により、比較的自由な方向や形状に裁断できるからである。尚、図示したものは、波形状の波の形が均等な波の例を示しているが、波形状は波の形が均等になっている形状でも不均等になっている形状でもよい。
【0088】
また、本発明の衣料で用いる前記部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなる衣料上端又は下端の縁の少なくとも一方の縁が、当該編地の編み方向に対し、好ましくは20〜80度、より好ましくは30〜60度、より一層好ましくは40〜50度、最も好ましくは45度前後(具体的には43〜47度)の角度で裁断された縁とすることが好ましい。この角度は、図14や図15においては、角αで示した。これらの図では示していないが、衣料上端(特にウェストライン)の方向207が、当該編地の編み方向に対し、上記範囲の角度で裁断されていることも同様に極めて好ましい。かかる本発明の好ましい態様とすることにより、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の身体へのフィット性が向上し、当該縁部分が、着用者の身体外側にカールすることを防止でき好ましい。即ち、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を、衣料の上端又は下端、例えば、ウェストや裾などに有する衣料は、当該縁部分が、着用者の身体外側にカールする場合がある。このようなカールを生じないようにするには、上記縁始末不要な縁となる部分の裁断ラインを、当該編地の編み方向に対し上述の角度となるように裁断することが好ましい。編地の編み方向とは、編地を編む場合の糸の供給方向に相当する。上記において編み方向に対し20〜80度とは、編み方向のラインを仮定した場合にその左右のいずれか側に20〜80度の角度であること、言い換えれば編み方向の進行方向側に角の頂点側が向いている角の角度で、編み方向の進行方向ラインに対し±20〜80度の角度である。
一方、裁断されたままの縁のほつれが目立ちにくいという別の観点からは、縁始末不要な縁のラインの方向は、編み方向に対し、45度を超えない範囲の角度で裁断されている縁であることも好ましい。尚、裁断されたままで端始末不要な縁を、身体外側にカールすることを防止する必要性の少ない部位に使用する場合には、45度を超えない範囲で裁断した縁を有する部片を使用することも好ましい。また、裁断縁を直線状ではなく、波形などに裁断した部片を使用すれば、縁部が身体外側にカールすることを防止でき好ましい。
【0089】
衣類の部片(P)を裁断する際に、複数の縁部を裁断したままで縁始末不要な縁とする場合、いずれかの箇所は、編み方向に対し20〜80度では裁断できず、編み方向に20度未満の角度で裁断せざるを得ない箇所がある。その様な縁部は波形に裁断すれば、波形のカーブとなった縁部の裁断角度が20〜80度とすることもでき、縁部全体を実質的に20〜80度で裁断した効果を得られる。例えばショートガードルのウエストラインと裾を共に裁断したままで縁始末不要な縁とする場合など、両方の端部を20〜80度で裁断できないこともあり、かかる場合に、一方の縁を波状の縁にすることは好ましい。
【0090】
また、裁断されたままの縁の部分の編み組織は、当該縁の少なくとも一部が、第1の非弾性糸と前記地編の前記第2の非弾性糸と前記弾性糸とを同行させた1×1のトリコットの組織、即ち前述した領域(S)で採用している組織であることが必要であり、好ましくは裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3以上、より好ましくは裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの全部がこの組織で形成されていることが、縁のほつれがより一層少なくでき好ましい。縁始末不要な縁の長さの一部が領域(S)でない場合には、縁始末不要な縁の長さの一部は、逆行1×1のトリコットである(H3)で採用される編み組織としてもよい。その場合には、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3より小さい範囲が、(H3)から成る部分であることが好ましい。
【0091】
本発明で用いる部片(P)用の経編地を製造するのに使用する第1及び第2の非弾性糸ないしは第3の非弾性糸としては、伸縮性衣類の種類により異なるが、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維、レーヨンなどの半合成繊維、絹や綿などの天然繊維のいずれでも、またフィラメント糸、紡績糸のいずれも使用することができる。なかでも吸水性に富むナイロンはインナーウエア用編地として好ましく用いられる。弾性糸についてもとくに制限はないが、一般にポリウレタン弾性糸や当該弾性糸を非弾性糸でカバーしたカバリング糸等が使用できる。
【0092】
そして、かかる伸縮性経編地においては、編み目の安定性、裁断されたままの縁のほつれ防止効果などを得る目的でプレセット処理または/およびヒートセット処理の施されているものが、好適である。処理温度は、装置の形状、プレセット処理時間、ヒートセット処理時間、素材の種類、編地の厚さなどにもよるが、180℃以上、好ましくは185℃以上の温度で、さらに確実に前記の効果を得るには190℃〜195℃の範囲で前記処理が施されていると、編地の一部が軟化し編目が軽く融着して編地の形態が安定し、裁断されたままの縁のほつれが特に生じにくくなり好ましい。ヒートセット処理時間は、たとえば6〜8チャンバー構成(チャンバーの合計長さが約15〜30m)の装置を用いた場合、15〜40m/分程度、好ましくは15〜24m/分程度がよい。
【0093】
また、一般的な編地では仕上巾を160cm前後にするが、この伸縮性経編地では可能な範囲で仕上巾を短くし(例えば、110〜130cm程度)、高密度に編成したものが、伸縮性衣類において編目の美しさを保持しつつ、その安定性を向上するために望ましい。使用する編糸の繊度等にもよるが、2.54cm(1インチ)当たり55ウエール以上、好ましくは60ウエール以上、より好ましくは65ウエール以上、更に好ましくは70ウエール前後の高密度に編地を編成することが好ましい。ただし、非弾性糸としてセルロース糸や綿糸が編み込まれている場合はこの限りではない。
【0094】
さらに、通常に較べて非弾性糸の使用糸量を増やし、長くし、且つ弾性糸は短くし、非弾性糸のランナー長を弾性糸のランナー長に比べてかなり長くした伸縮性経編地を好ましく使用する。具体的には、通常80cm/ラック以下の非弾性糸のランナーを85〜120cm/ラック、好ましくは95〜115cm/ラックとし、通常60cm/ラック以下の弾性糸のランナーを70〜110cm/ラック、好ましくは75〜105cm/ラックにして編成することが好ましい。
【0095】
尚、ここで、「ランナー」とは、一定コース数(これを「ラック」と言い、通常、480コースを1ラックとする)を編むのに使用する糸の長さ(cm)を言う。
【0096】
尚、本発明で用いる裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を形成しうる部片(P)の経編地は、レース生地ではない。
【0097】
そして、上記の如く裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を形成しうる生地に、弾性糸により部分的に伸縮パワーの強い領域など、伸縮パワーの変化している領域を設けるには、(a)編み込む弾性糸の太さが異なる複数の領域を形成する方式、(b)編み込む弾性糸の本数が異なる複数の領域を形成する方式、(c)前記(a)又は(b)の各領域の幅を変化させる方式、(d)前記(a)、(b)、(c)の方式の少なくとも2つ以上を組み合わせた方式のいずれかの方式により弾性糸による伸縮パワーの強い領域と前記領域より伸縮パワーの弱い領域を形成することができる。
【0098】
例えば、前記経編地に編み込まれる弾性糸のうち、伸縮パワーの強い領域には他の部分よりも繊度の大きな弾性糸を編糸に用いたり、又は、同じウェールに編み込む弾性糸の本数を多くしたりすることにより、上記のように弾性糸により締付パワーを強化した領域が一体に編成された伸縮性経編地とすることができる。
【0099】
この際、前記経編地全体に編み込まれている弾性糸を繊度の比較的小さい弾性糸とし、伸縮パワーを強めたい領域には、繊度の大きい弾性糸を更に編み込んで、伸縮パワーの強い領域とすることもできる。
【0100】
また、前述の様な伸縮パワーの強い領域の幅を細幅にした領域と伸縮パワーの弱い領域の幅を広幅にした領域を交互に設け、一方、伸縮パワーの強い領域の幅を広幅にした領域と伸縮パワーの弱い領域の幅を細幅にした領域とを交互に設けるなど、伸縮パワーの異なる領域の幅を調整することによって全体的に伸縮パワーの強弱を調整することも可能である。
【0101】
なお、弾性糸による伸縮パワーの強弱のグレードを3段階以上にしてもよく、その場合には、上述した弾性糸による伸縮パワーを変化させる手法を3段階以上になるように調整すればよい。
【0102】
特に限定するものではないが、前記伸縮性の経編地全体に編み込まれている非弾性糸の繊度は、22〜132dtexが好ましく、より好ましくは33〜55dtexである。非弾性糸は、細い方が編目を高密度としやすい。一方、細すぎると強度が弱くなってしまう。よって、33〜55dtexが編地を高密度とでき、かつ安定し強度のある編み組織とすることができるので好ましい。
【0103】
また、弾性糸により伸縮パワーが変化する領域の伸縮パワーの弱い領域に編み込まれている弾性糸の繊度は、特に限定するものではないが、好ましくは33〜77dtex、より好ましくは、44〜55dtexのものであり、弾性糸による伸縮パワーの強い領域に編み込まれている弾性糸の繊度は、好ましくは66〜231dtex、より好ましくは88〜154dtexのものである。
【0104】
部片(P)の伸縮性の経編地において、前記経編地全体に編み込まれている弾性糸の繊度を、好ましくは33〜77dtex、より好ましくは44〜55dtexの弾性糸とし、弾性糸による伸縮パワーの強い領域には、好ましくは66〜231dtex、より好ましくは88〜154dtexの太さの弾性糸が更に編み込まれている態様とすることも好ましい。
【0105】
尚、伸縮パワーの強弱の領域の形成とは無関係に、ないしは、伸縮パワーの強弱の領域の形成(例えば弾性糸により伸縮パワーの強弱の領域の形成)と連動させて、非弾性糸として、ブライト糸とダル糸を使用し、ブライト糸を編み込んだ部分とダル糸を編み込んだ部分を編み分けにより形成し、所望箇所にブライト糸とダル糸の光沢の差異による、線状ないし帯状の目視可能な模様を形成させることも好ましい。ブライト糸は光沢を有し、ダル糸は、つや消し糸であるので、ブライト糸を編み込んだ領域とダル糸を編み込んだ領域とが、光沢の差異により、目視可能に区別され、線状ないし帯状の目視可能な模様が形成され、デザイン上、衣料の美感を向上させることができ好ましい。
【0106】
以上で説明した部片(P)は、第1の非弾性糸又は第1の非弾性糸及び第3の非弾性糸と、地編組織を形成する第2の非弾性糸及び弾性糸とから編成されている3種類又は4種類の糸を用いる経編地について説明したが、地編組織を形成する第2の非弾性糸は必ずしも使用しなくてもよい。すなわち、より薄い経編地としたい場合など、上記で説明した地編組織は第2の非弾性糸と前記弾性糸とを同行させた1×1のトリコット組織としたが、第2の非弾性糸を用いずに、弾性糸のみから編成された1×1のトリコット組織とすることも可能である。従って、部片(P)は、第1の非弾性糸と弾性糸とから編成されているものであってもよい。このような部片(P)を衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた本発明の衣料を表現するならば、部片(P)は、(第1の)非弾性糸と弾性糸とから編成され、前記弾性糸は1×1のトリコット組織で編成されており、前記部片(P)中には、非弾性糸による編み組織が異なる部分を有しており、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の部分は、前記非弾性糸と前記弾性糸が同行した1×1のトリコットであって且つ各編針において非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成されているトリコット組織(S)から成る部分を含む衣料ということができる。かかる部片を用いる場合には、第2の非弾性糸を用いないだけで、その他の点は第2の非弾性糸を用いる場合と同様である。もちろん前述した第3の非弾性糸が第1の非弾性糸とともに重ねて編みこまれている領域を有するような部片(P)においても、同様に、第2の非弾性糸を用いない態様とすることもできる。
【0107】
本発明の衣料において、以上のような部片(P)における裁断されたままの状態で縁始末不要な縁は、目的とする衣料の種類やデザインに応じて、前述した経編地を適宜裁断することで形成しうる。
【0108】
本発明の衣料において、以上のような裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し、且つ弾性糸により伸縮パワーの強い領域が少なくとも1つ形成されている場合において、弾性糸による伸縮パワーの切り替えラインは編み方向と同一方向を向いた直線状であるが、当該部片(P)は、その当該弾性糸による伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な裁断されたままの状態の縁のラインのうち衣料上端(ウェストライン部など)又は下端(裾部など)の縁の少なくとも一方の縁を構成するラインの方向とが、相互に非平行とすることができる。これは、衣料上端又は下端の縁の少なくとも一方の縁を目的とするデザインに応じて、比較的自由に目的とする方向に裁断することで形成しうるからである。尚、必ずしも衣料を構成する部片のすべてをかかる生地で構成する必要はないし、衣料の部位によっては、衣料上端(ウェストライン部)又は下端(裾部)の縁の少なくとも一方の縁のラインの方向と、その当該伸縮パワーの切り替えラインの方向とが、平行である部片が用いられている部分があっても差し支えない。また、衣料の一部の部位に縁始末が必要な生地(以下、この生地を、「本発明とは別の生地」と略称することがある)を用いてもよい。
【0109】
また、以上、説明した部片(P)の態様は、美観を向上させるための模様(柄)を付与することについては言及していないが、実質的に本発明の目的が発現できる限り、適宜、編組織を変更して、例えば女性用衣類によく用いられる小柄の花柄模様その他の適宜の柄を入れることは任意である。こうすることにより、一層美観の向上した衣類に仕上げることが出来、好ましい。また、例えば図11や図12に示した様な領域(H)からなる“帯状であり且つカーブした連続パターン”の部分を、複数の花柄模様などその他の適宜の複数の小柄意匠模様が密集して各それぞれの小柄模様と小柄模様の間がつながっているか、または密集している小柄の連続模様または密集模様によって形成してもよい。かかる小柄の連続模様やまたは密集模様は図11や図12の帯状パターンのみに限定されるものではなく、他の態様にも適用できることは勿論である。
【0110】
本発明において、第1の非弾性糸による編み組織が変化する領域の境界ラインの少なくとも一部が曲線状である伸縮性の経編地からなる部片(P)の編み組織が変化する領域の境界ラインが曲線状である部分の当該曲線の長さは、衣料の種類や適用部位、サイズによって異なるので何ら限定するものではないが、例えば、5cm以上、10cm以上、15cm以上、20cm以上など、必要に応じて適宜、選択可能である。
【0111】
また、前記帯状であり且つカーブした連続パターンの部分の幅も衣料の種類や適用部位、サイズによって適当な幅とすればよい。具体的には幅が、ほぼ全域にわたって2cm以上であることが好ましく、ほぼ全域にわたって2cm以上とは、少々の部分でそれ以下の幅の部分があってもかまわないことを意味している。平均幅で3〜7cmの幅のものがより好ましい。例えば、帯状であり且つカーブした連続パターンの部分の模様が、植物の花と葉の柄模様などの場合、茎部分だけのところは幅が1cm程度になることもあり、大きな花柄や、花が多数集まった花柄の集合体模様の場合には、例えば、12〜13cmの幅になるところも存在する場合があるが、部分的であれば何ら差し支えない。
【0112】
また、弾性糸により形成された伸縮パワーの強められ領域を有する場合の、当該領域の幅についても、衣料の種類や適用部位、サイズによって適当な幅とすればよい。具体的には2cm以上15cm以下が好ましい。尚、これらの幅の数値は、64サイズ(Mサイズ)における数値を目安とした数値である。
【0113】
第1の非弾性糸による帯状であり且つカーブした連続パターンの部分が領域(H)であり、この領域が、弾性糸により形成された伸縮パワーの強められた領域と部分的に重なる場合には、重なった部分の伸縮パワーがより一層強くなる。この場合においては、帯状であり且つカーブした連続パターンの部分の幅と、弾性糸により形成された伸縮パワーの強められた領域の幅とがほぼ同等の幅であることが好ましい。
【0114】
また、領域(H)はまっすぐな帯状の連続パターンであってもよく、更に、この領域(H)を、第1の非弾性糸と更に第3の非弾性糸が重ねて編みこまれた領域であり、第1の非弾性糸による編み組織が、ハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であり、第3の非弾性糸がハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であって前記第1の非弾性糸による編み組織とは異なる編み組織である領域(H4)とすることもできる。かかる領域(H4)を設ける場合には、第3の非弾性糸を供給するための筬をもう一つ使用すればよい。かかる(H4)の領域を、例えば編地の縦方向(編み方向)にまっすぐなかなり広幅の領域とした部片の場合などは、この部片の編み方向が衣料の横方向に向くようにして、腹部充当部片などに使用した場合には、腹部の膨出を形よく抑えることができ好ましい。尚、腹部充当部片のウェスト部は、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を形成するので前述した領域(S)としておく。
【0115】
本発明の衣料としては、ガードル、ショーツ、ボディスーツ、水着(ボトム部分のみのものも、セパレートタイプのものも含む)、レオタード、スパッツ、スポーツ用タイツなどの股部を有する衣料や、ブラジャーなどが挙げられる。
【0116】
衣料全体が身体に密着するヒップ部を有する衣料は、体形補整機能を効果的に発揮でき、しかも、縁始末不要な縁部などを有し縁部の厚みが厚くならず、伸縮パワーの切り替えラインにも段差がなく、着用しても段差による凸状部などが生じにくいので、タイトなアウターウェアーを着用した場合においても、下着の凹凸ラインが、アウターウェアーに反映して、アウターウェアーの外側からも下着の段差が見えてしまうと言う問題もなく好ましい。
【0117】
第1の非弾性糸による編み組織の変化により形成される領域(H)の少なくとも1つが、帯状であり且つカーブした連続パターンの領域であり、且つ伸縮パワーが強められた領域である態様は、ガードル、ショーツ、ボディスーツ、水着(ボトム部分のみのものも、セパレートタイプのものも含む)、レオタード、スパッツ、スポーツ用タイツなどの股部を有する衣料に好適に適用でき、これらに衣料の左右のヒップ部の膨らみの下から脇にかけての部分に、この伸縮パワーが強められたカーブした帯状の連続パターンの領域が充当される様に配置することにより、ヒップの形状を美しく整える体形補整機能を有する衣料が提供でき好ましい。
【0118】
また、部片(P)をブラジャーに適用する場合には、例えば、ブラジャーのバック布を、前記部片(P)で構成し、当該バック布の上下の縁が、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなっているブラジャーなどとすることにより、バック布の上下の縁部が、アウターウェアーに反映してしまい、アウターウェアーの外側からも下着の段差が見えてしまうと言う問題もなく好ましい。しかも、バック布の例えば身体脇側に当接される部分の、伸縮パワーを強めるなど、所望部分の伸縮パワーを所望のパワーに調整した設計とすることにより、例えば、胸脇部の贅肉の膨出を抑えてすっきりしたスリムな胸部シルエットを実現できるなど補整機能が発揮され好ましい。尚、ブラジャーのバック布に強度を持たせるため、2枚の前記部片(P)を樹脂などで接着して用いることも好ましい。2枚の前記部片(P)を樹脂などで接着して用いる場合には、2枚の部片(P)の編み方向が同じとなる様に重ねて接着すると、接着しやすい。
【0119】
また、ガードルとしては、ショートタイプのガードル、セミロングタイプのガードル、ロングタイプのガードルなど、いずれにも適用でき、スパッツなどにおいては、脚部が膝上丈のものから、長いものでは、足首丈のものにも適用できる。
【0120】
尚、本発明の衣料においては、衣料の縁部(ボトム衣料の場合の裾あるいはウエスト部、ブラジャーのバック布の上緑あるいは下縁)の全長が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁となっていることが好ましいが、テンションのかかり易い箇所を、各々の縁部全長の10%以下の長さで部分的に、縁部始末、もしくは縫い目を入れることによって縁部の強化を図ってもよい。例えば、ブラジャーのカップとバック布との縫合箇所付近や、左右のバック布の先端部に設けられたフックアンドアイなどを有する左右のバック布相互の開閉用連結部との縫合箇所付近、ショーツやショートガードルなどのショートボトム衣料のクロッチとの縫合箇所付近などは、着用時にテンションがかかりやすいため、縁部を裁断したままにないで、長さ5〜20mm程度は、縫い目を入れて、強化しても差し支えない。
【0121】
次に、本発明の衣料の具体的実施の形態例について、図面を引用しながら説明するが、本発明はこれら図示したもののみに限定されるものではない。
【0122】
尚、以下の説明においては、前述したような、部片(P)からなる伸縮パワーの変化する領域と同時に1枚の同じ編地中に裁断されたままの状態で当該裁断された縁が縁始末不要な縁を形成した部片を単に「ヘミングレス部片」とか、「部片(P)」と略称を用いて記述することがある。
【0123】
尚、比較的伸縮パワーの強い部分と比較的伸縮パワーの弱い部分などの伸縮パワーは、衣料の種類、衣料の部位、着用者の好みによって、適宜設定すればよいので、特に制限はない。近年は、比較的女性の体型もスリムになってきているので、平均的にやや伸縮パワーの弱めのものが好まれる傾向にある。
【0124】
実施の形態例1
図1は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有する衣料の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図、図2は図1に示したセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図である。
【0125】
図1〜図2において、11が前脇−脇−ヒップ部−脚部をカバーする前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片、16は腹部をカバーする腹部充当部片である。左右の前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片11は、脚部を除いて後中心の縫合ライン14で相互に縫合されており、前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片11の前側の側縁は、腹部充当部片16の側縁と縫合ライン15で互いに縫合されている。
【0126】
前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片11は、前述した部片(P)を用いた。その他の、腹部充当部片16とかクロッチ部片(図示せず)の生地は、本発明で用いる部片(P)と同じ生地を用いても良いが、異なる生地を用いても良く、ここでは本発明で用いる部片(P)とは別の生地を用いた。クロッチ部片の素材は、従来よりガードルのクロッチ部片に用いられている各種のものが使用できる。
【0127】
図1〜図2に示したガードルにおいては、前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片11として、ヘミングレス部片が用いられている。この前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片11は、左右のヒップの膨らみの下から脇側にかけての帯状でカーブした領域23を、比較的伸縮パワーが強められた領域(H1)(第1の非弾性糸が、図5の106で示したハーフ編み、地編組織は第2の非弾性糸101と弾性糸102とを同行させた1×1のトリコットで第2の非弾性糸101は閉じ目、弾性糸102は開き目)、後部から脇側のウェスト部分及び臀部の膨らみの部分22と脚部24を、領域(S)(第1の非弾性糸100が、図5の105で示した部分の如く第2の非弾性糸101と弾性糸102と共に同行した1×1のトリコットで第2の非弾性糸101は閉じ目、弾性糸102は開き目)で構成した。
【0128】
前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1を構成する経編地の編み方向は、矢印Rで示す方向である。
【0129】
第1及び第2の非弾性糸には、44dtexのナイロン糸、弾性糸として77dtexのポリウレタン糸を用いた。
【0130】
そしてこの実施の形態において、前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁は、12の裾ラインの縁と13のウェストラインの縁の部分である。裾ライン12の方向は編み方向Rとは非平行となっている。ウェストライン13の方向も編み方向Rの方向に対し約20度の角度で裁断されている。裾ライン12の方向とウェストライン13の方向も互いに非平行である(図1、図2の図面上ではわかりにくいが、そのように設計した。)。
【0131】
腹部充当部片16は、この例では16aの部分が図9に示したような非弾性糸と弾性糸とがともに閉じ目により編成された1×1のトリコット組織であり、従って上側の縁のウェストライン17は裁断されたままの状態で縁始末不要な縁になっている(上述の組織で、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁が形成できる。)。また、16bの部分が16aの部分の非弾性糸と弾性糸とがともに閉じ目により編成された1×1のトリコット組織に更に非弾性糸からなる鎖編みが重ねて編みこまれている言わば図6の107のコースで示した組織とした。腹部充当部片16は必要に応じ、他の縁始末の必要な生地を用いても良い。腹部充当部片16はいずれの部位の非弾性糸も44dtexのナイロン糸を用い、弾性糸として44dtexと132dtexのポリウレタン糸を2本引きそろえて用いた。ナイロン糸とポリウレタン糸の混率は、ナイロン糸73重量%、ポリウレタン糸27重量%であった。尚、腹部充当部片16の編み方向は、そのウェストライン17の方向に平行な方向である。腹部充当部片の16bの部分は横方向には伸度が低く(すなわち伸縮パワーが大きく)、腹部の膨出を形よく抑えることができ、一方、腹部縦方向には伸度を有する(すなわち伸縮パワーが比較的小さい)ので、運動追従性がある衣料を提供できる。腹部は身体を前に屈めたり、後ろ側に身体を反ったりした場合には、腹部の皮膚の伸び縮みが大きくなり、腹部縦方向には伸度を有する(すなわち伸縮パワーが比較的小さい)部片とすることにより、運動追従性がある衣料を提供できる。一方、腹部充当部片の16aの部分は縦横方向に伸度を有することから、ウェストを圧迫せず着用を良好に保つことができる。
【0132】
後部から脇側のウェスト部分及び臀部の膨らみの部分22に、伸縮パワーが比較的弱い領域(S)を充当し、しかもその周囲の左右のヒップの膨らみの下から脇側にかけての帯状でカーブした領域23として、比較的伸縮パワーが強められた領域(H1)を充当したので、領域23がヒップアップ機能を発揮し、22の部分により、ヒップの丸い膨らみをつぶさずにより自然な美しい形に整えることが出来る。
【0133】
上述の様に、裾ライン12やウェストライン13は、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁になっており、縁始末が不要で、またゴムテープなどを用いていないので、ゴムテープの様に線状にウェストを強く締め付けることがなく、厚みが増大しないので着用時のウェストまわりのシルエットをすっきりとしたシルエットにすることができると共に、ゴムテープの締め付け跡が肌に残ることがない。また、上記裾まわりも同様である。
【0134】
また、ウェストライン部や裾部は裁断されたままの状態で縁始末不要な縁になっており、凹凸の段差が外衣に反映して見苦しくなると言うこともなくすっきりとしたシルエットにすることができる。
【0135】
しかもこのガードルは、ウェストライン13の縁が着用者の身体外側にカールすることがない、フィット性が良好なガードルを提供できる。
【0136】
実施の形態例2
実施の形態例1のセミロングタイプのガードルにおいて、帯状でカーブした領域23を、第1の非弾性糸による編み組織が鎖編である領域(H2)に代えた以外は、実施の形態例1と同様のセミロングタイプのガードルを作成した。ほぼ、同様のガードルが得られた。
【0137】
実施の形態例3
実施の形態例1のセミロングタイプのガードルにおいて、帯状でカーブした領域23を、第1の非弾性糸による編み組織が、シンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットである領域(H3)に代えた以外は、実施の形態例1と同様のセミロングタイプのガードルを作成した。ほぼ、同様のガードルが得られた。
【0138】
実施の形態例4
図3は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図、図4は図3に示したセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図である。
【0139】
図3、図4に示したガードルは、図1、図2に示したガードルと、ヘミングレス部片を用いた前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1における、前記部片(P)が、第1の非弾性糸による編み組織の変化により伸縮パワーが変化する領域のみならず、用いる弾性糸の太さ、編み込み本数の少なくともいずれかを変えた弾性糸による伸縮パワーの異なる領域が更に形成されている部片(P)である点を除いては、前記図1、図2で説明したセミロングタイプのガードルと実質上同一であるので、図1、図2に示したセミロングタイプのガードルと同一の部分には同一の符号を付して、同一部分の重複説明を省略した。
【0140】
すなわち、前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片11は、左右のヒップの膨らみの下から脇側にかけての帯状でカーブした領域23を、第1の非弾性糸による編み組織の変化により比較的伸縮パワーが強められた領域(H1)(第1の非弾性糸が、図5の106で示したハーフ編み、地編組織を第2の非弾性糸101と弾性糸102とを同行させた1×1のトリコットで第2の非弾性糸101は閉じ目、弾性糸102は開き目)、後部から脇側のウェスト部分及び臀部の膨らみの部分22と脚部24を、領域(S)(第1の非弾性糸100が、図5の105で示した部分の如く第2の非弾性糸101と弾性糸102と共に同行した1×1のトリコットで第2の非弾性糸101は閉じ目、弾性糸102は開き目)で構成した。第1及び第2の非弾性糸には、44dtexのナイロン糸、弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域31と32の部分を除いて弾性糸として77dtexのポリウレタン糸を用いた点は上記実施の形態例1で示したガードルとほぼ同様である。
【0141】
図3、4に示されたガードルにおいては、弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域31は、前記22の部分の一部に、バック側のウェスト部を底辺とする逆三角形状に形成されており、逆三角形の頂点の位置が後中心の縫合ライン14上でウェストラインから下に7cmのところにある。この比較的伸縮パワーが強い領域31が当接される部分は、身体後側で身体が窪んでいる領域である。より具体的には身体の仙骨部位近傍は、身体が窪んでいるが、これら身体後側の窪んでいる部位へのフィット性を向上できる。比較的伸縮パワーが強められた領域31の伸縮パワーの切り替えラインを31aとして示した。また、弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域32は、後中心のヒップの膨らみの下から脇側にかけて伸縮パワーの切り替えライン32a、32bが直線状に斜めに上がるような帯状の領域であり、左右のヒップの膨らみの下から脇側にかけての帯状でカーブした比較的伸縮パワーが強められた領域(H1)23と一部重なるように形成され、ヒップを下部から持ち上げる機能をより一層強化している。弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域31と32に用いられている弾性糸は、143dtexのものを用いている。
【0142】
弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域31と32の伸縮パワーの切り替えライン31a、32a、32bの方向は、編み方向Rと同じ方向である。従って伸縮パワーの切り替えラインを31a、32a、32bは縫製前の生地の状態では互いに平行な方向となっている(ガードルのような立体形状に仕上げた後は、これを図に描くと、必ずしも平行な方向には描けない。)
第1の非弾性糸による編み組織の変化により比較的伸縮パワーが強められた領域23と弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域32とが一部重なるように形成されているので、その両者が重なった領域が最も伸縮パワーの強い領域となり、その他23のみの領域の部分と、32のみの領域の部分など、種々のグレードの伸縮パワーを有する領域が形成される。従って伸縮パワー変化のグラデーションも達成できる。
【0143】
図3、図4で説明したガードルは、上述したように、身体後側の窪んでいる部位へのフィット性を向上でき、ヒップを下部から持ち上げる機能をより一層強化できるとともに、上記の実施の形態例1のガードルの有する効果を同様に達成できる。
【0144】
実施の形態例5
実施の形態例4のセミロングタイプのガードルにおいて、帯状でカーブした領域23を、第1の非弾性糸による編み組織が鎖編である領域(H2)に代えた以外は、実施の形態例4と同様のセミロングタイプのガードルを作成した。ほぼ、同様のガードルが得られた。
【0145】
実施の形態例6
実施の形態例4のセミロングタイプのガードルにおいて、帯状でカーブした領域23を、第1の非弾性糸による編み組織が、シンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットである領域(H3)に代えた以外は、実施の形態例4と同様のセミロングタイプのガードルを作成した。ほぼ、同様のガードルが得られた。
【0146】
尚、上記各実施の形態例で用いた裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有する伸縮性の経編地からなる部片用の経編地は、ヒートセット処理を7チャンバー構成(チャンバーの合計長さが約21m)の装置を用いて、温度190℃で18m/分で行った。
【0147】
【発明の効果】
本発明の体形補整機能を有する衣料は、衣料の縁の部分が厚くならず、衣料の縁が外衣に反映して凹凸となって現れることなどのない縁始末不要な縁を有する衣料の利点を有し、非弾性糸による編み組織の変化により編み組織が異なる部分を有しており、所望の位置に所望の形状の非弾性糸による編み組織を異ならしめた領域を設けることにより、伸縮パワーまたは伸縮方向などを適宜変化させた領域を形成でき、適宜の位置に適宜の体形補整機能あるいはフィット性向上などの機能を加味した衣料を容易に提供することができる。従って、伸縮パワーまたは伸縮方向などの変化する領域のパターンを比較的自由に設計でき、また、裁断されたままで縁始末不要な縁のラインの方向や形状を編み方向にとらわれずに比較的自由に設計できる。従って、求める体型補整機能やフィット性などに応じ、種々の特性領域を適宜組み合わせることができ、目的に応じて比較的自由に、設計した衣料が提供できる。
【0148】
更に、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域を設けた場合においては、弾性糸による伸縮パワーの変化する領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な縁の方向とを、平行にせずに、それぞれのラインを必要に応じた好適な方向に自由に設計することもでき、しかも非弾性糸による編み組織の変化する領域も合わせて有し、種々のグレードの伸縮パワーや伸縮方向を有する領域を比較的自由に設計でき、かつ裁断したままでほつれの生じにくい縁始末不要な縁を少なくとも一部に有する衣料を提供できる。
【0149】
従って、必要部位に必要な伸縮パワーまたは伸縮方向などを特定した領域を配置した体形補整機能、または、フィット性の改善された衣料を容易に提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衣料の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図2】図1に示したセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図3】本発明の衣料の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図4】図3に示したセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図5】伸縮性経編地の部片(P)中で使用される編み組織の一態様。
【図6】伸縮性経編地の部片(P)中で使用される編み組織の他の一態様。
【図7】伸縮性経編地の部片(P)中で使用される編み組織の更に他の一態様。
【図8】部片(P)の地編み組織の一態様。
【図9】部片(P)の地編み組織の別の一態様。
【図10】部片(P)の地編み組織の更に別の一態様。
【図11】帯状であり且つカーブした連続パターンの領域(H)を有する経編地の一例の平面図。
【図12】帯状であり且つカーブした連続パターンの2種類の異なる領域(H)を有する経編地の一例の平面図。
【図13】帯状であり且つカーブした連続パターンの3種類の異なる領域(H)を有する経編地の一例の平面図。
【図14】本発明で用いる衣料の一部を構成する部片(P)の一態様の模式的平面図。
【図15】本発明で用いる衣料の一部を構成する部片(P)の別の一態様の模式的平面図。
【図16】従来技術を適用した場合の衣料の一部を構成する部片の模式的平面図。
【図17】従来技術を適用した場合の衣料の一部を構成する部片の別の模式的平面図。
【符号の説明】
1 経編地
2、2a、2b 領域(H)
2c、2d、2e 領域(H)
3 領域(S)
4 領域(S)
11 前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片
12 裾ライン
13 ウェストライン
14 後中心の縫合ライン
15 縫合ライン
16 腹部充当部片
17 ウェストライン
22 臀部の膨らみの部分
23 帯状でカーブした領域
24 脚部
31 弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域
31a 伸縮パワーの切り替えライン
32 弾性糸による比較的伸縮パワーが強められた領域
32a、32b 伸縮パワーの切り替えライン
100 第1の非弾性糸
100a シンカーループ
101a シンカーループ
102a シンカーループ
101 第2の非弾性糸
102 弾性糸
105 第1の非弾性糸100における第2の非弾性糸及び弾性糸と同行させた1×1のトリコットの部分
106 第1の非弾性糸100におけるハーフ編みの部分
107 第1の非弾性糸100における鎖編みの部分
108 第1の非弾性糸100におけるシンカーループの方向が地編のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットの部分
109 向きを変更するコース
200 部片(P)
201 下縁
202 上縁
203 第1の非弾性糸の編み組織変化により形成された伸縮パワーの強い領域でカーブした帯状パターンの領域
204 弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域
204a、204b 伸縮パワーの強い領域204の伸縮パワーの切り替えライン
205 編み方向
206 下縁201の方向
207 上縁202の方向
300 編地
301 縁始末不要な縁
302 上縁
303 非弾性糸の編み組織変化により形成された伸縮パワーの強い領域
304 弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域
304a、304b 弾性糸により形成された伸縮パワーの強い領域304の伸縮パワーの切り替えライン
305 編地の編み方向
306 縁始末不要な縁301の方向
307 上縁302ラインの方向

Claims (22)

  1. 伸縮性の経編地からなり裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有する部片(P)を、衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた衣料であって、
    前記部片(P)は、第1の非弾性糸と、地編組織を形成する第2の非弾性糸及び弾性糸とから編成され、前記地編組織が前記第2の非弾性糸と前記弾性糸とを同行させた1×1のトリコット組織であって且つ各編針において第2の非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成されており、前記部片(P)中には、第1の非弾性糸による編み組織が異なる部分を有しており、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の部分は、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分を含む衣料。
  2. 裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3以上が、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分である請求項1に記載の衣料。
  3. 裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの全部が、第1の非弾性糸も前記地編の第2の非弾性糸と弾性糸とともに同行した1×1のトリコット組織(S)から成る部分である請求項1に記載の衣料。
  4. 前記部片(P)中の(S)から成る領域以外の領域(H)が、下記(H1)〜(H4)から選ばれた少なくとも1つである請求項1〜3のいずれかに記載の衣料。
    (H1)第1の非弾性糸による編み組織が、ハーフ編みである領域
    (H2)第1の非弾性糸による編み組織が、鎖編みである領域
    (H3)第1の非弾性糸による編み組織が、シンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットである領域
    (H4)第1の非弾性糸と更に第3の非弾性糸が重ねて編みこまれた領域であり、第1の非弾性糸による編み組織が、ハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であり、第3の非弾性糸がハーフ編み、鎖編み及びシンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの1×1のトリコットから選ばれた1種であって前記第1の非弾性糸による編み組織とは異なる編み組織である領域。
  5. 裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の長さの2/3より小さい範囲が、(H3)から成る部分である請求項4に記載の衣料。
  6. 伸縮性の経編地からなる部片(P)において、第1の非弾性糸による編み組織が異なる領域のうちの、少なくとも1つの境界ラインの少なくとも一部が曲線状である請求項1〜5のいずれかに記載の衣料。
  7. 部片(P)として、伸縮パワーを比較的弱くしたい領域に(S)からなる領域を配置し、伸縮パワーを比較的強めたい領域に(H)からなる領域を配置した部片(P)を用いた請求項4に記載の衣料。
  8. 前記部片(P)が、伸縮パワーの強弱の要求に応じて、用いる弾性糸の太さ、編み込み本数の少なくともいずれかを変えた弾性糸による伸縮パワーの異なる領域が更に形成されている部片(P)である請求項1〜7のいずれかに記載の衣料。
  9. 前記部片(P)の地編みの、第2の非弾性糸が閉じ目により、弾性糸が開き目により編成されている請求項1〜8のいずれかに記載の体型補整機能を有する衣料。
  10. 前記部片(P)の地編みの、第2の非弾性糸と弾性糸のいずれもが、閉じ目により編成されている請求項1〜8のいずれかに記載の衣料。
  11. 領域(H1)の第1の非弾性糸によるハーフ編みが、閉じ目により編成されているハーフ編みである請求項4〜10のいずれかに記載の衣料。
  12. 領域(H2)の第1の非弾性糸による鎖編みが、開き目により編成されている鎖編みである請求項4〜10のいずれかに記載の衣料。
  13. 領域(H3)の第1の非弾性糸による編み組織が、シンカーループの方向が前記地編組織のシンカーループの方向と逆向きの閉じ目の1×1のトリコットである請求項4〜10のいずれかに記載の衣料。
  14. 衣料がガードル、ショーツ、ボディスーツ、水着、レオタード、スパッツ、スポーツ用タイツ、ブラジャーから選ばれた衣料である請求項1〜13のいずれかに記載の衣料。
  15. 衣料が、衣料全体が身体に密着するヒップ部を有する衣料である請求項1〜13のいずれかに記載の衣料。
  16. 伸縮性の経編地からなる部片(P)において、第1の非弾性糸による編み組織が異なる領域のうちの少なくとも1つが、帯状であり且つカーブした連続パターンの領域である請求項1〜15のいずれかに記載の衣料。
  17. 帯状であり且つカーブした連続パターンの領域が、(H1)、(H2)、(H3)及び(H4)から選ばれた領域(H)からなる請求項16に記載の衣料。
  18. 衣料が、ショーツ又はガードルであり、当該ショーツ又はガードルの裾部及びウェストライン部が前記部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、帯状であり且つカーブした連続パターンの領域が領域(H)からなっていて且つショーツ又はガードルの左右のヒップ部の膨らみの下から脇にかけての部分である請求項17に記載の衣料。
  19. 衣料が、ショーツ又はガードルであり、当該ショーツ又はガードルの裾部及びウェストライン部の少なくとも一方が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、当該裾部及びウェストライン部の縁のラインの方向の少なくとも一方が、当該部片(P)の当該弾性糸により伸縮パワーが変化する領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と非平行である請求項8〜18のいずれかに記載の衣料。
  20. 衣料が、ブラジャーであって、ブラジャーのバック布が、前記部片(P)からなり、当該バック布の上下の縁が、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなっている請求項1〜13のいずれかに記載の衣料。
  21. 非弾性糸として、ブライト糸とダル糸を使用し、ブライト糸を編み込んだ部分とダル糸を編み込んだ部分を編み分けにより形成し、所望箇所にブライト糸とダル糸の光沢の差異による、線状ないし帯状の目視可能な模様が形成されている請求項1〜20のいずれかに記載の衣料。
  22. 地編組織が、請求項1に記載の地編組織に変えて、弾性糸のみから編成された1×1のトリコット組織からなる地編組織を用いた請求項1〜21のいずれかに記載の衣料。
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