JP4884061B2 - 弾性繊維を含有する編地 - Google Patents

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Description

本発明は熱融着可能な弾性繊維と非弾性繊維とが交編されてなる、伸縮性を有する弾性経編地であって、更に詳しくはファンデーション、ランジェリーなどのインナーウェアの身生地やスポーツウェアなどのアウターウェアに有用な伸縮性弾性繊維を含有する経編地に関するものである。
ポリウレタンなどの弾性繊維を混用した編地は、伸びが大きく、伸長した状態からの回復力やフィット性がよいため、特に下着類に広く利用されている。
従来、伸縮性弾性経編地として、経編機の第1筬及び第2筬の前筬に合成繊維マルチフィラメント、第3または第3及び第4筬の中筬と後筬双方に弾性繊維を配列したサテンネット、トリコネットやパワーネット等の経編地が知られている。これらの伸縮性弾性経編地は、弾性繊維が単に経方向に挿入され、ニットループが編成されずに、編地の長さ方向に直線状に配置されているだけのものであって、編地の経方向の伸長性は比較的大きいが、緯方向の伸長性は少ないものであった。また、弾性繊維相互の絡みや接触がないために編地中の弾性繊維は動きやすく、着用時の伸縮繰り返しで弾性繊維が抜けるというスリップイン、編地表面が凹凸になる組織崩れ、いわゆるワライの問題があった。
そこで、編地緯方向の伸長性が不足している欠点を解決するために2種類の弾性繊維を異なった振幅で地組織中へ挿入編成するものが提案されている。
代表的な編組織としては、少なくとも1種類の非弾性繊維がループを形成してなる経編組織と第1の弾性繊維がループあるいは挿入されて形成してなる経編組織とで構成される地組織に第2の弾性繊維が同一ウェールにおいて1コース以上ごとにジグザグを繰り返して経方向に挿入されている弾性経編地が挙げられる(特許文献1〜4)。
これらに提案されている経編地では編地緯方向の伸長性は向上するが、伸縮を繰り返すことでワライ、スリップインが発生し、編地の形態安定性は低い。
また、ワライ、スリップインを防止するために熱融着する弾性繊維を用いた提案がなされている(特許文献5〜7)。
これらに提案された編地では、着用した初期段階では弾性繊維相互が熱融着しているがおり、ワライやスリップインの抑制効果があるが、着衣や洗濯の繰り返しにより弾性繊維相互の熱融着箇所がずれたり剥離したりするために、経時的にワライ、スリップインが発生する問題が残っていた。一方、強固な熱融着を得ようとしてより高温条件で熱処理を行い、弾性繊維相互の熱融着を剥離不可能な状態にしようとすると、編地の風合いが硬くなる、弾性繊維の伸縮性が低下する、更に熱融着が集中している箇所で弾性繊維が断糸するなどの問題があった。
出願人は、特許文献8において高融着ポリウレタン弾性繊維の提案をしており、これによって、前記した多くの問題は解決できたが、複数の熱融着箇所が集中した編地からなる製品を繰り返し使用中に、弾性繊維の断糸が発生しやすい問題の解決方法については触れられていない。
実公昭59−2148 特開平5−339855 特開平7−300749 特開平10−121354 特公昭63−3059 実公平7−54312 特開平8−27650 WO2004/053218 A1
本発明は、上記の問題の解決を図ったもので、熱融着可能な弾性繊維を使用して熱融着させた編地において、編地経緯方向の伸長性に優れ、繰り返し着用時のワライ、スリップイン、裁断箇所でのほつれ抑制、かつ弾性繊維の断糸を防ぎ、物性、風合い、耐久性に優れた編地を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明の弾性繊維を含有する編地は、少なくとも1種類の非弾性繊維がループを形成してなる経編組織に、熱融着可能な複数の弾性繊維が異なった振幅でループ及び/または挿入されており、前記非弾性繊維で束ねられている部分で弾性繊維が接触または交差している箇所において隣接するn本の弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1箇所であることを特徴としている。
前記複数の弾性繊維が、第1弾性繊維と第2弾性繊維であり、一方の弾性繊維の給糸長を1としたとき他方の弾性繊維の給糸長を1.5〜2.2の間にし、前記非弾性繊維で束ねられている部分で弾性繊維が接触または交差している箇所において、n本の弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1箇所となるように調整した構成としたり、前記編地を経方向1.20〜1.35倍に、緯方向1.00〜1.20倍に伸長した状態で熱融着させた構成とすることができる。


〔作用〕
本発明においては、編地の経伸度を出すための弾性繊維と、緯伸度を出すための弾性繊維が、経編組織に対し、ループ及び/又は挿入される。それらの複数の弾性繊維は、非弾性繊維のループによって束ねられ、編地中で接触あるいは交差しており、複数の弾性繊維が隣接している状態になっている。弾性繊維組織はネット状になっており、熱融着処理を施した場合に、複数の弾性繊維が接触、交差している箇所で相互に結合することとなる。そのため、編地が伸長されることで発生する伸長応力は、熱融着箇所を介して編地に伝播する。このとき、非弾性繊維で束ねられて隣接する弾性繊維がn本で、且つ弾性繊維相互の熱融着箇所がn箇所以上の場合は、熱融着箇所への応力の集中を免散させることができず、編地を繰り返し伸縮させたとき、熱融着が集中している箇所の弾性繊維の疲労が大きく、断糸が発生する。
隣接する熱融着可能な弾性繊維がn本で、その弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1箇所の場合、熱融着部及びその周囲への伸長応力の集中は減ることになり、これらの箇所の疲労の蓄積も軽減され断糸が防がれる結果、優れた伸長性、伸長回復性が保持され、編地の耐久性は向上する。
本発明によれば、隣接するn本の弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1箇所であることで、熱融着箇所の弾性繊維の耐久性を向上させることができる。その結果、得られた編地は、弾性繊維の断糸が発生しにくく、十分な経緯伸度を有しており、かつ着用、洗濯を繰り返してもワライ、スリップイン、裁断箇所の糸のほつれがないという優れた効果を奏する。
以下に本発明の実施例について、説明する。
図1は、複数の弾性繊維を用いた経編における弾性繊維相互が隣接する状態を模式的に示す図である。図中の曲線は弾性繊維a,b,c,dを示し、小さい黒丸は弾性繊維相互の熱融着箇所を示している。
図1(a)は、隣接する弾性繊維が3本で、弾性繊維相互の熱融着箇所が2箇所の場合である。引張応力がかかると、3本の弾性繊維は熱融着により結合されているため、発生した応力はそれぞれの弾性繊維に伝播されるが、隣接する弾性繊維3本に対し熱融着箇所を2箇所しか持たないため、熱融着箇所にかかる応力の集中を免散することが可能となる。すなわち、弾性繊維の耐久性が向上する。
図1(b)は、弾性繊維が同じくa,b,cの3本で、隣接する熱融着箇所も3箇所になっている。弾性繊維aとb,bとc、cとa3箇所で結合されているため、引張応力がかかった時に熱融着箇所に応力が集中し、繰り返し伸長時に熱融着部やその周囲は疲労しやすくなり、弾性繊維の断糸が発生する危険性が高くなる。
図1(c)は、熱融着可能な弾性繊維がa,b,c,dの4本で、熱融着箇所が3箇所である。引張応力がかかると、熱融着箇所で弾性繊維が結合されていることから、発生した応力は熱融着箇所を介してそれぞれの弾性繊維に伝播されるが、隣接する弾性繊維4本に対し、熱融着箇所を3箇所しか持たないため、熱融着箇所にかかる応力の集中を免散することが可能となる。すなわち、弾性繊維の耐久性が向上する。
図1(d)は、4本の弾性繊維a,b,c,dが、弾性繊維aとb、aとc、aとd、cとdとで熱融着しているため、4本の弾性繊維が4カ所で熱融着していることになる。弾性繊維a,c,dのいずれかに引張応力がかかると、熱融着部位に応力が集中し、繰り返し伸長時に熱融着部やその周囲は疲労しやすくなり、弾性繊維の断糸が発生する危険性が高くなる。
本発明の編地は、弾性繊維と非弾性繊維を交編した編地で、複数の弾性繊維が、非弾性繊維のループの部分で束ねられることで、編組織が解けないようになっている。一般に、隣接する弾性繊維がn本の場合、その弾性繊維相互の融着点がn−1であれば図1(a)又は(c)のようになり、熱融着箇所にかかる応力の集中を免散され、弾性繊維は断糸しにくく、当該編地の耐久性は向上する。
本発明では、非弾性繊維として、ナイロン、ポリエステル等の長繊維、あるいは、綿、アクリル等の短繊維からなる紡績糸の何れもが使用でき、経編地の用途や要求品質に合わせて、任意の素材が用いられる。非弾性繊維の伸度は比較的小さなものが用いられ、通常は、伸度が60%以下のものを用いる。非弾性繊維の太さは、長繊維の場合、12〜85デシテックスのものが好ましく、さらに好ましくは33デシテックス〜78デシテックスである。短繊維の紡績糸の場合、40〜150Sのものが好ましく、さらに好ましくは60〜100Sである。非弾性繊維が太いと、編成時の編機上での密度に比べて、製造された経編地の仕上がり密度が入り難くなり、伸びが出にくくなるので好ましくない。
熱融着可能な弾性繊維としては、伸長性や伸長回復性に優れた熱融着可能な各種の弾性繊維を用いることができ、熱融着可能な弾性繊維は優れた伸長性および伸長回復性を持っており好ましい。また、熱融着可能な弾性繊維を芯としたコアスパンヤーン、カバーリング糸、熱融着可能なポリウレタン弾性繊維と非弾性繊維を合燃した糸条でも用いることができる。さらに、耐熱性に優れた熱融着可能な弾性繊維が好ましく、例えば、WO2004/053218に記載されている耐熱強力保持率が50%以上であり、かつ180℃以下の融点を有する高融着性ポリウレタン弾性繊維が好ましい。
経方向の伸縮に寄与する弾性繊維(以下、第1弾性繊維という)には44〜620デシテックス、好ましくは78〜620デシテックスが良く、緯方向の伸縮に寄与する弾性繊維(以下、第2弾性繊維という)には17〜115デシテックス、好ましくは22〜78デシテックスが良い。また、通常は、第1弾性繊維が、第2弾性繊維より太い糸を用いるが、第1弾性繊維と第2弾性繊維に同じ太さの糸を用いる場合もある。第1弾性繊維が44デシテックス未満では、編地経方向において、密度が入り難い、伸度が低下する等の問題があり、好ましくない。第2弾性繊維が17デシテックス未満では、編地緯方向において、密度が入り難い、伸度が低下する、伸長回復率が弱くなる等の問題があるので好ましくない。また、第1弾性繊維が620デシテックスを超えると、生地が厚く重くなり、パワーが強くなり過ぎるので好ましくない。第2弾性繊維が115デシテックスを超えると、生地がゴワゴワしてゴムライクになり衣服用途としては適当でない。
弾性繊維はすべてのコースでループを形成してもよいし、挿入糸として用いてもよく、ループと挿入の併用であってもよい。
本発明においては、隣接するn本の弾性繊維相互の熱融着箇所をn−1個にする。そのための方法は次に例を示すが、これらに限定されるものではない。
まず、編み方について説明する。編成時における第1と第2以降の弾性繊維の給糸長比率を調整する。給糸長比率は編地の状態を見て調整すればよいが、例えば経編機として、3枚の筬を備えたものを用い、手前側の筬に非弾性繊維を、その後ろ側に第1弾性繊維及び第2弾性繊維を通糸して、第1弾性繊維を1針振りの挿入、第2弾性繊維を3針振りの挿入として編成したラッセル編地を編む。第2弾性繊維の給糸長比率は、第1弾性繊維の給糸長を1とした場合、1.5〜2.2の間になるように調整することが好ましい。
第1弾性繊維の給糸長が少な過ぎると、弾性繊維を熱融着させる前の編地に断糸やスリップ、カールが発生し易くなる。第1弾性繊維の給糸長が多すぎると、経方向の密度が入らず、経方向の伸びが少ない編地になる。第2弾性繊維の給糸長比率が1.5より小さいと、編地幅が入りコスト高になり、緯方向に編地を強く伸長したときに糸切れを生じる。第2弾性繊維の給糸長比率が2.2より大きいと、弾性繊維が一箇所に集中する傾向があり好ましくない。集中した状態で熱融着させた場合、非弾性繊維で束ねられて隣接する弾性繊維がn本で、弾性繊維相互の熱融着箇所がn箇所以上になり、編地を繰返し伸縮させると負荷が集中して断糸が発生しやすくなる。
給糸長比率は、第1弾性繊維と第2以降の弾性繊維の整経ストレッチ率が異なる場合、第1弾性繊維の整経ストレッチ率を基準として第2以降の弾性繊維の給糸長を換算して設定する。
例えば、第1弾性繊維のランナー長が80〜100mm/ラックの場合、第2弾性繊維のランナー長を170〜190mm/ラックとするがこれに限定するわけではない。ここでランナー長は1ラック(480コース)当たりの給糸長を意味する。
上記の給糸長の設定は、試行的に行って、編地の組織を拡大して観察し、隣接するn本の弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1個にする条件を見つけることで設定できる。
次に、熱融着のさせ方について説明する。本発明の編地には非弾性繊維とポリウレタン弾性繊維などの熱融着可能な弾性繊維が含まれているので、編地を熱処理により加熱して弾性繊維を融解し弾性繊維相互、あるいは、これに加えて弾性繊維と他の非弾性繊維とを熱融着することができる。
その際、編成された編地を経緯の押し込み、または引っ張ることにより編地密度を以下のようにして調整する。
弾性繊維を熱融着させる工程で、編地経方向に編地の状態を見て伸長させ密度を調整する。セット倍率が低い場合は弾性繊維の熱融着箇所が集中しやすく、弾性繊維相互を熱融着させた場合、隣接する弾性繊維がn本とすると、弾性繊維相互の熱融着箇所がn箇所以上になり、編地を繰返し伸縮させると応力が集中して断糸が発生しやすくなる。また、セット倍率が高すぎると、非弾性繊維が伸びきり、編地の経方向伸度が著しく悪くなり、得られた経編地は衣料用途には適さない。
例えば得られた生機密度が162コース/インチ、50ウェール/インチの場合、編地のセット倍率を経1.20〜1.35×緯1.00〜1.20倍として仕上がり密度を120〜135コース/インチ、42〜50ウェール/インチにする。経セット倍率が1.20以下では弾性繊維の熱融着箇所が集中しやすく、1.35倍以上では経方向の伸度低下を起こすため、好ましくない。緯セット倍率が1.00以下の場合は編地をたるんだ状態で熱処理することになり、皺が発生しやすく、1.20以上の場合は緯方向伸度の低下がおこるため好ましくない。このように編地状態から判断した、適切なセット倍率を選択して熱融着させるがこの限りではない。
上記のセット倍率の設定は、試行錯誤的に行って、編地の組織を拡大して観察し、隣接するn本の弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1個にする条件を見つけることで設定できる。
本発明において弾性繊維を熱融着させるには、染色前のプレセット工程でも最終工程であるファイナルセット工程でも行えるが、好ましくはプレセット工程である。熱処理は一般的な乾熱処理または湿熱処理で熱融着させることができる。
ここで、乾熱処理の方法は、ピンテンターのようなセット機を使い、熱風により行うことができる。この場合、セット温度は130〜210℃、特に160〜200℃であり、セット時間は10〜180秒、特に15〜120秒とすることができる。セット温度が130℃未満の場合、セットが甘く、編地しわが取れない、後加工で新たにしわが発生する、染色堅牢度が低下するなどの問題があり好ましくない。またセット温度が210℃より高くなると、例えば非弾性繊維の硬化や劣化により編地風合いを損ねてしまうため好ましくない。セット時間が10秒未満、あるいは180秒より長くなると同様の理由により好ましくない。
また、湿熱処理の場合、セット温度は80〜140℃、特に90〜135℃であり、セット時間は10〜180秒、特に15〜120秒とすることができる。
〔実施例1〕
下記の方法で編地を作製し、熱処理及び染色加工後、ポリウレタン弾性繊維の熱融着状況、耐ほつれ効果、耐伸長カール性、耐伸縮疲労性(断糸、ワライ)、弾性繊維のずれ、を評価した。
〔編地の作製〕
6−ナイロン33デシテックスと6−ナイロン28デシテックスを第1、第2筬にして、溶融紡糸にて得られた熱融着可能な弾性繊維としてポリウレタン78デシテックス(融点168℃、耐熱強力保持率65%)を第1弾性繊維として第3筬にして1針振りの挿入、上記と同じポリウレタン系弾性繊維44デシテックスを第2弾性繊維として第4筬にして3針振りの挿入をして編成したラッセル編地を185℃で乾熱処理した後、染色加工した。編地の密度は120コース/インチ、50ウェール/インチであった。
図2は、実施例1の経編地中における弾性繊維相互が近接する状態を模式的に示す図である。図中の曲線は実線が第1弾性繊維,点線が第2弾性繊維を示し、第1弾性繊維と第2弾性繊維が接触或いは交差する位置に描かれた小さい黒丸は弾性繊維相互の熱融着箇所を示している。
図2は、隣接する弾性繊維が3本の場合である。丸で囲む中では、第1弾性繊維と、2本の第2弾性繊維が隣接する部分(たとえば、非弾性繊維で束ねられている部分)を示している。丸の中では、3本の弾性繊維が隣接し、弾性繊維相互の熱融着箇所は2箇所となっている。熱融着部では相互の弾性繊維は強く熱融着しており、分離することは不可能であった。
〔ポリウレタン弾性繊維の熱融着状況〕
編地をカットし、カット部を解編して、ポリウレタン弾性繊維の解編具合を確認した。ポリウレタン弾性繊維の解編が困難な場合は、「熱融着良好」とし、容易に解編できる場合は、「熱融着不良」とした。
〔耐ほつれ効果判定〕
上記実施例1の編地について下記の条件で洗濯試験を行い、裁断箇所の状態を目視で判定する。
〔洗濯方法〕
タテ5cm×ヨコ40cmの編地サンプルを取り、筒状に縫製した後、家庭用2槽式洗濯機(TOSHIBA(株)製 商品名:GINGA4.5)を使用して下記条件にて洗濯を行った。
洗濯(300分)→遠心脱水(5分)→注水すすぎ(10分)→遠心脱水(5分)
液温:常温(40℃),水流:強水流
洗剤:ライオン(株)製、商品名:トップ(登録商標),水量:30リットル
洗濯水1リットルに対して洗剤1.3g使用
負荷布:綿とポリウレタン系弾性繊維混用ベア天竺編地1.0kg分
次に、編地のコース方向カット部の編地端のほつれ程度を観察し、下記の4段階で評価した。尚、△と×は衣料として着用をためらう程度の傷みであり、◎又は○が洗濯耐久性の点で好ましい。
〈評価基準〉
◎:傷みが認められない
○:やや傷みが認められる
△:傷みが認められる
×:傷みが激しい
〔耐伸長カール性〕
編地の経方向に寸法、巾25mm×長さ160mmの試料を100mm間隔で把持し、編地の伸長が止まるまで手で引っ張る。この動作を5回繰り返す。繰り返し伸長後の編地巾を投影して採寸し、次式で耐伸長カール性を算出する。数値が低いほど耐伸長カール性は良好である。
{(25−測定寸法)÷25}×100(%)
〔耐伸縮疲労性〕
試料:弾性繊維の入った方向に170mm×90mmの試料片を採取する。
試験条件:把握間隔を70mmとし、設定伸度130%で弾性繊維の入った方向と直交する方向に200回/分、7500回繰り返し伸長後の弾性繊維の断糸、ワライを目視で判定。
〔弾性繊維のずれ〕
耐伸縮疲労試験後の試料から非弾性繊維を除去し、弾性繊維の熱融着状態を目視で確認する。試験後、熱融着箇所がずれていれば×、試験後も熱融着箇所のずれがなければ○とする。
〔実施例2〕
下記の方法にて編地を作製し、熱処理及び染色加工後、ポリウレタン弾性繊維の熱融着状況、耐ほつれ効果、耐伸長カール性、耐伸縮疲労性(断糸、ワライ)、弾性繊維のずれを評価した。
〔編地の作製〕
熱融着可能なポリウレタン弾性繊維78デシテックスを第1弾性繊維として第3筬、44デシテックスを第2弾性繊維として第4筬、更に第5筬として、44デシテックスを第3弾性繊維として第4筬とは逆方向から2針振りした以外は実施例1と同じ方法で熱融着した編地を作製して評価した。
図4は、実施例2の経編地における弾性繊維相互が近接する状態を模式的に示す図である。実線は第1弾性繊維を示し、仮想線は第2弾性繊維を示し、点線は第3弾性繊維を示す。丸で囲った中は、弾性繊維が隣接する部分(たとえば、非弾性繊維で束ねられている部分)を示す。丸の中では、隣接する弾性繊維は4本(第1弾性繊維1本a、第2弾性繊維1本b、第3弾性繊維2本c,d)であり、弾性繊維相互の熱融着箇所は黒丸で示すように3箇所となっている。
〔比較例1〕
編地の密度を168コース/インチ、52ウェール/インチとし、非弾性繊維と第1弾性繊維は実施例1と同じとし、第2弾性繊維と同じポリウレタン弾性繊維44デシテックスを第3弾性繊維とし、第5筬にして2針振りの挿入をして編成したラッセル編地を得た。これを実施例1と同様にして熱融着した編地を作製して評価した。
図3は、比較例1の編地の構成において、弾性繊維だけを模式的に示す図である。実線が第1弾性繊維、点線が第2弾性繊維、一点鎖線が第3弾性繊維を示している。丸で囲む中は、弾性繊維が隣接する部分(たとえば、非弾性繊維で束ねられている部分)を示し、隣接して重なり合う弾性繊維同士が接触或いは交差する黒丸で示す部分が熱処理により熱融着している部分である。ここでは編地の密度が高いので、第2と第3弾性繊維相互が熱融着し、隣接する弾性繊維の数は3本で、熱融着箇所は3箇所になっている。
〔比較例2〕
編地の密度を168コース/インチ、52ウェール/インチとした以外は実施例2と同様にして熱融着した編地を作製して評価した。
図5は、比較例2の編地の構成を模式的に示す図である。丸で囲む隣接した中(たとえば、非弾性繊維で束ねられている部分)では、実施例2の3箇所の融着箇所に加えて、第3弾性繊維cとdとが熱融着し、隣接する弾性繊維の数は4本で、熱融着箇所は4箇所になっている。
以上の実施例1,2と比較例1,2とをまとめると表1のようになる。
Figure 0004884061
実施例1,2の編地はポリウレタン系弾性繊維相互で強く熱融着しており、洗濯試験後でも編地裁断箇所でほつれは発生しなかった。編地中のポリウレタン系弾性繊維相互の熱融着状態は、実施例1は隣接するポリウレタン系弾性繊維は3本で熱融着箇所は2箇所であった。実施例2は隣接するポリウレタン系弾性繊維は4本で熱融着箇所は3箇所であった。いずれも熱融着が集中している箇所の弾性繊維にかかる応力の集中を免散ができ、耐伸縮疲労性も良好で、耐久性に優れた編地であった。
比較例1の編地は洗濯試験後で編地裁断箇所のほつれがなく良好であったが、隣接するポリウレタン系弾性繊維は3本で熱融着箇所は3箇所であり、熱融着が集中している箇所の弾性繊維にかかる応力の集中を免散することができず、耐伸縮疲労性試験(断糸)でポリウレタン系弾性繊維の断糸が編地全体に多数発生した。
比較例2の編地は洗濯試験後で編地裁断箇所のほつれがなく良好であったが、隣接するポリウレタン系弾性繊維は4本で熱融着箇所は4箇所であり、熱融着が集中している箇所の弾性繊維にかかる応力の集中を免散することができず、耐伸縮疲労性試験(断糸)でポリウレタン系弾性繊維の断糸が編地全体に多数発生した。
以上に本発明の実施例を例示したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
複数の弾性繊維を用いた経編における弾性繊維相互が隣接する状態を模式的に示す図である。 本発明の実施例1の編組織中の弾性繊維を模式的に示す図である。 本発明の比較例1の編組織中の弾性繊維を模式的に示す図である。 本発明の実施例2の編組織中の弾性繊維を模式的に示す図である。 本発明の比較例2の編組織中の弾性繊維を模式的に示す図である。

Claims (3)

  1. 少なくとも1種類の非弾性繊維がループを形成してなる経編組織に、熱融着可能な複数の弾性繊維が異なった振幅でループ及び/又は挿入されており、前記非弾性繊維で束ねられている部分で弾性繊維が接触または交差している箇所において隣接するn本の弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1箇所であることを特徴とする弾性繊維を含有する編地。
  2. 前記複数の弾性繊維が、第1弾性繊維と第2弾性繊維であり、一方の弾性繊維の給糸長を1としたとき他方の弾性繊維の給糸長を1.5〜2.2の間にし、前記非弾性繊維で束ねられている部分で弾性繊維が接触または交差している箇所において、n本の弾性繊維相互の熱融着箇所がn−1箇所となるように調整したことを特徴とする請求項1記載の弾性繊維を含有する編地。
  3. 前記編地を経方向1.20〜1.35倍に、緯方向1.00〜1.20倍に伸長した状態で熱融着させたことを特徴とする請求項1又は2記載の弾性繊維を含有する編地。
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