請求項1に記載の発明は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、前記収納室内の収納量を推定する収納量推定部と、前記収納量推定部の推定結果を記憶する記憶部と、前記記憶部のデータから前記収納室内の将来の収納量の変化を予測する収納量変化予測部と、前記収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データに基づいて電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部と、を備えたものであり、収納室内の将来の収納量の変化を予測して適切に対応することができ、省エネ性を高めながら、保鮮性を向上した使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記演算制御部は、前記記憶部に記憶された一定期間の収納量のデータと前記収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データとに基づいて利用者の収納量増加予測日時を推定し、前記収納量増加予測日時の所定時間前から前記収納室内の冷却量を高めるものであり、省エネ性を高めながら、さらに保鮮性を向上した使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記演算制御部は、前記収納量増加予測日時の所定時間後に、前記収納量推定部が前記収納室内の収納量が変化なしと判断した時は、前記収納室内の冷却量を低めるものであり、さらに省エネ性を高めながら、保鮮性を向上した使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の正面図である。
図1に示したように、冷蔵庫50は、冷蔵庫本体11を備えている。冷蔵庫本体11は断熱箱体であり、主に鋼板を用いた外箱と、ABS等の樹脂で成形された内箱と、外箱と内箱との空間には、ウレタン等の断熱材とを有する構造で、周囲とは断熱されている。
冷蔵庫本体11は、複数の貯蔵室に断熱区画されている。最上部には、冷蔵室12が設けられ、冷蔵室12の下部には製氷室13および切換室14が横並びに設けられている。製氷室13および切換室14の下部には冷凍室15、最下部には野菜室16が、それぞれ配置されている。
各貯蔵室の前面には、外気と区画するための扉が、冷蔵庫本体11の前面開口部に構成されている。冷蔵室12の冷蔵室扉12aの中央部付近には、各室の庫内温度設定や、製氷および急速冷却等の設定を行うための操作部17と、使用者にさまざまな情報を報知するための報知手段の一例である表示部91とが配置されている。
図2は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の、図1における2−2線断面図である。
図2に示したように、冷蔵室12内には、複数の収納棚18が設けられ、一部の収納棚18は、上下に可動できるように構成されている。
また、冷蔵室12内には、ランプや複数のLED等で構成された照明部19、ならびに、LED等の発光部20および照度(光)センサ等の光量検知部21で構成された収納状況検知部が設けられている。
照明部19は、冷蔵庫50内の扉開放側前面から見て、庫内の奥行寸法の1/2より手前で、かつ、収納棚18の先端よりも前方(手前)に位置するように、左側壁面および右側壁面にそれぞれ縦方向に配置されている。また、発光部20は、照明部19と近接する位置に隣接配置されており、光量検知部21は、冷蔵室12内の後方位置に配置されている。
なお、光量検知部21の配置は、上述の例に限定されず、収納物33(図4参照)、および、庫内の構造物を介して、発光部20により照射される光を受光可能な位置に配置されている限り、庫内の何れの位置に配置しても構わない。
冷蔵室12内の最上部の後方領域に形成された機械室内には、圧縮機30、および、水分除去を行うドライヤ等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収納されている。
冷凍室15の背面には、冷気を生成する冷却室が設けられ、冷却室内には、冷却器、および、冷却器で冷却した冷却手段である冷気を、冷蔵室12、切換室14、製氷室13、野菜室16および冷凍室15に送風する冷却ファン31(図3参照)が配置されている。また、冷却器やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためにラジアントヒータ(除霜部68(図3参照))、ドレンパンおよびドレンチューブ蒸発皿等が構成されている。
冷蔵室12は、冷蔵保存を行うために、凍らない温度を下限として通常1℃〜5℃に温度制御され、最下部の野菜室16は、冷蔵室12と同等または若干高い2℃〜7℃に温度制御されている。
また、冷凍室15は、冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃に温度制御されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温に温度制御されるように設定される場合もある。
製氷室13は、冷蔵室12内の貯水タンク(図示せず)から送られた水により、室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷をつくり、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
切換室14は、1℃〜5℃に設定される冷蔵温度帯、2℃〜7℃に設定される野菜温度帯、通常−22℃〜−15℃に設定される冷凍の温度帯以外にも、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる。切換室14は、製氷室13に並設された、独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
なお、本実施の形態では、切換室14を、冷蔵および冷凍の温度帯を含めた温度に調整可能な貯蔵室であるとしているが、冷蔵機能は冷蔵室12と野菜室16に、冷凍機能は冷凍室15に、それぞれ委ねて、冷蔵と冷凍の中間の温度帯のみの切り換えに特化した貯蔵室としてもよい。また、特定の温度帯、例えば、近年冷凍食品の需要が多くなってきたことに伴い、冷凍に固定された貯蔵室としてもよい。
以上のように構成された冷蔵庫50について、その動作および作用を説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の制御ブロック図である。
図3に示したように、冷蔵庫50は、光量検知部21、温度センサ61、扉開閉検知部62、演算制御部22、発光部20、圧縮機30、冷却ファン31、温度補償ヒータ32、ダンパ67、除霜部68および表示部91を備えている。
なお、外部環境を測定するために、外気温度センサ63および庫外照度センサ72をさらに備えていてもよいが、必須ではない。
また、演算制御部22は、収納量推定部23、温度情報判定部70、扉開閉情報判定部71、比較情報判定部24、変化情報判定部25、記憶部64、運転開始判定部65および運転終了判定部66を有している。
本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作が行われると扉開閉検知部62により開動作または閉動作を検知し、その信号をマイコン等で構成される演算制御部22に入力し、扉開閉情報判定部71によって、扉の開閉動作が判定される。扉が閉じたと判定された場合には、演算制御部22は、あらかじめ決められたプログラムにより、発光部20を順次動作させる。
光量検知部21は、近傍の光量を検知し、その情報を演算制御部22に入力し、収納量推定部23によって収納量や収納物の位置等の収納情報が得られる。
得られた収納情報は、比較情報判定部24によって、例えば、扉開閉動作前後の収納情報の比較がなされ、その結果、比較情報が得られる。
次に、変化情報判定部25によって、比較情報と所定の閾値とが比較されて、収納量や収納物の位置等の収納情報の変化情報が得られる。
そして、演算制御部22の運転開始判定部65は、得られた変化情報に基づいて、節電運転・急冷運転の開始判断を行い、冷却運転にまつわる圧縮機30、冷却ファン31、温度補償ヒータ32、ダンパ67、除霜部68、および表示部91の動作を決定し、運転を開始する。また、演算制御部22の運転終了判定部66は、節電運転・急冷運転の終了判断を行い、上述した各構成要素の運転を終了させる。
ここで、収納状況検知手段を構成する発光部20および光量検知部21の動作を詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納状況検出動作を説明するための図である。
冷蔵庫50の左右両壁面に配置された発光部20から出力された照射光34aは、冷蔵室12内および冷蔵室12内部に収納された収納物33を照射する。また、この照射光34aの一部は、冷蔵室12内に配置した光量検知部21に入射する。図4は、冷蔵室12内に収納物33が収納されている場合に、収納物33の存在により、左右両壁面からの照射光34aが共に遮蔽される領域A、何れか一方の照射光34aが遮蔽される領域B、および左右の何れの照射光34aも遮蔽されない領域Cが発生する様子を示している。
この場合、光量検知部21は、何れか一方の照射光34aが遮蔽される領域Bにあり、該当する光量を検知して出力する。また、収納物33の量が多い場合には、共に遮蔽される領域Aが増加するため、光量検知部21の検知光量は減少する。
また、収納量が少ない場合には、何れの照射光34aも遮蔽されない領域Cが増加するため、光量検知部21の検知光量は増加する。
このように、収納物33の存在、および収納物33の量の違いに起因した光量変化を光量検知部21で検出し、検知結果を、予め設定した所定の閾値を用いて判別することにより、庫内の収納物33の量(例:多いか少ないか)を分類することができる。
なお、発光部20を、冷蔵庫50内に設けられている照明部19と兼用する、または、発光部20の基板と照明部19の基板とを兼用することにより、新たな光源、材料を設けることなく、より簡易な構成で収納状態の検知が可能となる。
次に、冷蔵庫50の貯蔵室の温度制御の動作を説明する。
図5Aおよび図5Bは、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の動作を示す、時間に対する温度変化を示す図である。
図5Aは、収納量の増加量が標準よりも多い場合の冷蔵庫50の温度変化を示し、図5
Bは、収納量の増加量が標準より少ない場合の冷蔵庫50の温度変化を示している。なお、実線は、本実施の形態における庫内の収納物33の温度および貯蔵室の代表温度を示し、破線は従来の冷蔵庫の制御を行った場合の収納物33の温度および貯蔵室の代表温度の時間依存性を示している。
設定温度Koは、予め設定した収納物33の保存温度である。収納量の増加量が標準よりも多い場合および少ない場合に、収納量推定部23における収納量の判別結果に基づいて、演算制御部22が、冷蔵庫50の運転状態を切り換えるものとする。なお、説明を簡単にするため、それぞれの収納物33の種類は、同じであるとしている。また、収納量の増加量の「多い・標準・少ない」の判定基準は、冷蔵庫のサイズ・構成・制御方式によって異なるため、本明細書中に示した例に限定されるものではない。
図5Aにおいて、収納物33を貯蔵室に保存するために、冷蔵庫50の扉を開け、食品等の収納物33を貯蔵室に投入して扉を閉めると想定する。そうすると、同種の収納物33を標準よりも多く収納した場合には、光量検知部21の検知光量は標準の場合よりも減少する。この検知光量の減少の度合いにより、変化情報判定部25は、庫内の収納量の増加量が多いと判別する。この場合、図5Aに示すように、従来の冷却運転(破線)では、収納物が保持する熱容量が多く、また、従来の温度検知手段では時間遅れ等が発生するため、急速に冷却量を増加させることはできない。このため、ある程度温度上昇が生じ、その後冷却量が増加し、冷却に転じ、設定温度Koに近づくが、冷却量が増加しているためある程度の過冷状態を生じ、その後Koで安定する。
一方、本実施の形態の冷蔵庫50は、扉閉時に食品の投入量を迅速に検知することができるので、例えばある一定の収納量増加以上の増加を検知したときは、急速に冷却量を増加させて、庫内温度の上昇を抑えるとともに、投入した収納物33を急速に冷却することができる。また、過冷防止のために、設定温度近傍に到達すれば冷却量を減少させることもできる。これにより、過冷状態を防止して節電を図ることができる。
また、収納量の増加量が標準よりも少ない場合には、光量検知部21の検知光量は標準の場合よりも増加する。この検知光量の増加の度合いにより、変化情報判定部25は、庫内の収納量の増加量が少ないと判別する。
この場合、図5Bに示すように、従来の冷却運転(破線)では、収納物33が設定温度に至るまでの時間が早く、必要以上に電力を消費して冷却運転を行ってしまう場合がある。また、扉開閉等の信号によって冷却量を増加させて、過冷状態になってしまう場合もある。
よって、既定した時間内に設定温度に至るように、演算制御部22は、圧縮機30の回転数を抑制、または冷気の循環量を低減し、節電運転に自動的に切り換える。この動作により、庫内の温度挙動を緩慢にすることにより省エネルギー化効果が得られるとともに、冷却ファン31の回転速度を抑制する等の静音化を図ることができる。
次に、発光部20および光量検知部21を使った収納量検知制御を説明する。 図6は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納量検知制御を示すフローチャートである。
図6において、演算制御部22は、通常のメイン制御(S100)から、扉開閉動作を検知した場合には(S101)、扉が閉状態であることを確認し(S102)、閉状態であれば、収納量検知制御(S103)をスタートさせる。
収納量検知制御(S103)においては、複数ある発光部20を順次点灯し(S104)、その都度、光量検知部21は光量や照度を検知して、演算制御部22に出力する(S105)。
そして、収納量推定部23で貯蔵室の収納情報が得られる(S106)。そして、比較情報判定部24で、扉開閉動作前後、過去複数回の扉開閉動作前後、または、一定時間前後の収納情報の比較がなされ、比較情報が得られる(S107)。 そして、変化情報判定部25によって、ステップS106で得られる収納情報とステップS107で得られる比較情報とに基づいて、収納状況の変化情報が得られる(S108)。そして、得られた収納状況の変化情報を記憶部64に記憶し(S109)、ある一定期間のデータベースを構築する。
そして、そのデータベースに基づいて、演算制御部22は、冷却運転の判別制御を行う(S110)。
次に、前述した収納量検知制御にもとづいて、冷却運転制御を行う具体例について、図7から図9を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納量検知制御を利用した冷却運転判定制御を示すフローチャートである。図7の例では、収納物33の収納量の相対評価を行っている。
図7において、メイン制御(S110)中に、扉開閉動作が検知される(S111)と、収納検知制御(S112)が開始される。
具体的には、図6のステップS104〜S109に示したように、収納情報と比較情報とに基づいて収納状況の変化情報が得られる。
次に、演算制御部22は、変化情報から得た収納変化量データAに対して閾値判定を行う(S113)。そして、収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量Bを超えると判定した場合(S114,Yes)、運転開始判定部65が急冷運転を行う(S116)。急冷運転では、例えば、圧縮機30の回転数を増加させることにより冷媒循環量を増加させて、冷却量を増加させたり、冷却ファン31の回転数を増加させて、風量を増やしたり、冷蔵室ダンパ67aの開度を大きくしたりする等の動作を行う。
一方、収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量B以下であると判定した場合(S114,NO)には、演算制御部22は、収納変化量データAが事前に設定した基準収納変化量C(C<B)よりも小さいか否かを判定する。収納変化量データAが事前に設定した基準収納変化量Cよりも小さい場合(S115,YES)には、運転開始判定部65が節電運転を行う(S117)。節電運転では、例えば圧縮機30の回転数を低下させることにより冷媒循環量を減少させて、冷却量を低下させたり、冷却ファン31の回転数を減少させて風量を絞ったり、冷蔵室ダンパ67aの開度を小さくしたりする等の動作を行う。それ以外の場合(S115,NO)には、通常運転を継続する(S118)。
ステップS117、または、ステップS118に移行した場合には、次に、温度検知制御へ移行する(S119)。なお、基準収納変化量Bと基準収納変化量Cとは(C<B)の関係を満たす。
また、収納量の変化情報から得られる収納変化量データAとしては、扉開閉動作前後の光量検知部21での照度減衰に関連する受光量の絶対変化量、相対変化量、変化割合、あ
るいは変化パターンを用いることができる。変化パターンによって判定を行う場合には、収納量を例えば、「大・中・小」等の複数段階に分類して、扉開閉前後の収納量が「小→大」や「小→中」に変化したことを判定し、この収納変化パターンに合わせて、演算制御部22が冷却量を調節することができる。
上述した例においては、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉とによって区画され、収納物33を収納する収納室である冷蔵室12を備えている。また、冷蔵庫50は、収納室内の収納量を推定する収納量推定部23と、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64とを備えている。また、冷蔵庫50は、記憶部64に記憶された前回までの収納量の推定結果と、収納量推定部23の推定結果とに基づいて収納変化量を演算し、電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部22を備えている。また、演算制御部22は、予め定められた閾値と収納変化量とを比較し、収納変化量が閾値を越えたときに収納量が変化したと判断し、電気機能部品の出力動作を制御する。
この例では、収納変化量(相対値)が閾値を越えたときに、収納量が変化したと判断して出力制御を行う。これにより、省エネルギーを意識した運転率をアップし(換言すれば、収納量の変化が少ない場合は、設定温度を高めた節電運転状態を維持し)、実使用時の省エネルギー性を高めることができる。また、閾値を用いることで、頻繁なON/OFF運転による電気機能部品の出力動作のチャタリングや圧縮機30のトリップ現象を防止することができる。さらに、予め定められた閾値と収納変化量とを比較して、閾値を越えた時に収納量が変化したと判断することにより、収納量推定部23が潜在的に持つ特有のバラツキを吸収でき、適切に出力側を制御することができる。
また、収納変化量が閾値を越えない場合には、演算制御部22は、電気機能部品の出力動作を変更しない構成としてもよい。この構成によれば、収納変化量が閾値を越えない場合には、収納量に変化がないと判定して、収納量推定部23の推定結果前の記憶部64の収納量を維持することで、小さな変化(小分け収納)に適切に対応することができる。
さらに、電気機能部品としては、収納室内の冷却量を変化させる冷却ファン31、ダンパ67および圧縮機30の少なくともひとつを含むことができる。これにより、省エネルギー化を意識した運転率を向上し、実使用時の省エネルギー性を向上することができるとともに、収納量増加により、冷却能力が必要となった場合には、庫内温度上昇検知に比べリアルタイムに素早くキャッチすることができ、すばやい冷却能力アップで食品の温度上昇の抑制が可能となる。さらに負荷減少時のオーバーシュート(冷え過ぎ)を抑制でき、省エネ性を向上することができる。
具体的な冷却能力アップとしては、圧縮機30の回転数を上げたり、冷却ファン31の回転数を上げたり、ダクト内のダンパ67の開度を高めたりする。
また、収納量増加した場合は、冷却能力アップに対応して、冷凍サイクルの凝縮能力も高める必要があり、凝縮器用ファンの回転数も高めることが望ましい。
また、収納量増加した場合は、庫内の温度も一時的に上昇するので、冷蔵庫前面開口部に備えた発汗防止用のヒータ等も収納量増加に応じて、発熱量を低減してもよい。この場合、更なる省エネを図ることができる。
図8は、本発明の実施の形態1における、冷蔵庫50の収納量検知制御を利用した冷却運転判定制御の他の例を示すフローチャートである。
図8の例においては、収納物33の収納量の絶対評価を行っている。
図8において、メイン制御(S120)を行っている際に、扉開閉動作が検知される(S121)と、収納量検知制御(S122)がスタートする。収納量検知制御においては、収納量推定部23によって収納情報が得られる。この例では、比較情報および変化情報の算出は行わない。よって、この例では、比較情報判定部24および変化情報判定部25は必ずしも必要ではない。
次に、演算制御部22は、収納情報から得られた収納量データGに対して閾値判定を行う(S123)。収納量データGが、事前に設定した基準収納量Hより多いと判定した場合(S124,YES)、運転開始判定部65が急冷運転を行う(S126)。
一方、収納量データGが、事前に設定した基準収納量H以下であり(S124、NO)、収納量データGが事前に設定した基準収納量Iよりも小さい場合(S125,YES)には、運転開始判定部65が節電運転を行う(S127)。それ以外の場合(S125,NO)には、通常運転を継続する(S128)。ステップS127、または、ステップS128に移行した場合には、温度検知制御へ移行する(S129)。なお、基準収納量Hと基準収納量IとはI<Hの関係を満たすものとする。
図9は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納量検知制御を利用した冷却運転判定制御のさらに別の例を示すフローチャートである。
図9においても、収納物33の収納量の絶対評価を行う例を示している。
図9においては、メイン制御(S130)中に、扉開閉動作が検知される(S131)と、基準収納量データJを記憶部64より読み込む(S132)。
このとき、記憶部64には、ある一定期間(例えば3週間分)の収納量のデータが記憶されているものとする。この収納量のデータを演算し、基準収納量データJを算出する。
次に、収納量検知制御をスタートし(S133)、収納情報を判定する。そして、収納情報から得た収納量データKに対して閾値判定を行う(S134)。収納量データKが、基準収納量データJに決められた係数α(例えば1.15)を乗じた値よりも大きい場合(S135,YES)、運転開始判定部65は急冷運転を行う(S137)。一方、収納量データKが、基準収納量データJに決められた係数α(例えば1.15)を乗じた値以下の場合(S135,No)であって、収納変化量データKが、基準収納量データJに決められた係数β(例えば1.05)を乗じた値より小さい場合(S136,YES)に、運転開始判定部65は節電運転を行う(S138)。それ以外の場合(S135,NO)には、通常運転を継続する(S139)。そして、ステップS138、ステップS139に移行した場合には、次に温度検知制御へ移行する(S140)。
ここで、係数αおよび係数βは、β<αの関係を満たす。
上述の例において、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内の収納量を予め保有する基準値を基に推定する収納量推定部23とを有している。また、収納量推定部23の推定結果に基づいて、収納室内の収納量を演算し、電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部22を備えている。そして、演算制御部22は、予め定められた閾値と収納量とに基づいて電気機能部品の出力動作を制御する。
これにより、収納量推定に適する部分のみを演算に用いることができ、出力動作の適正化を図ることができる。また、絶対量を出力することができるので、時系列に、または、
相対比較で生じるばらつきを考慮する必要がない。
また、閾値を複数保有し、複数の閾値に基づいて収納室内の収納量を複数のグループに判別し、電気機能部品の出力動作を制御する構成とすることもできる。
これにより、複数の閾値に基づいて、収納室内の収納量を複数のグループに判別して出力することができ、制御の簡素化、表示機能等の使い勝手向上を図ることができる。
次に、図7から図9までに説明した温度検知制御S119,S129,S140について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の、温度検知制御後に冷却運転判定を行う制御を示すフローチャートである。
図10において、温度検知制御がスタートすると、所定時間経過しているかが確認される(S141)。経過していない場合には、経過するまで待機する(S141,NO)。
所定時間が経過した場合(S141,YES)には、温度センサ61(図3参照)で冷蔵庫内の温度を検知する。温度情報判定部70によって温度情報が判定され(S143)、判定された情報は、記憶部64に記憶され、ある一定期間のデータベースが構築される(S144)。
次に、温度情報から得られた温度情報データDに対して閾値判定が行われる(S145)。温度情報データDが事前に設定した基準温度Eよりも高い場合(S146,YES)、運転開始判定部65が急冷運転を行う(S148)。一方、温度情報データDが事前に設定した基準温度E以下の場合(S146,No)、かつ、温度情報データDが事前に設定した基準温度Fよりも低い場合(S147,YES)には、運転開始判定部65が節電運転を行う(S149)。これ以外の場合(S147,NO)には、通常運転を継続する(S150)。なお、基準温度Eおよび基準温度Fは、E>Fの関係を満たすものとする。
以上の動作により、買物時の食品収納量変化および冷蔵庫の使用状況に対応した自動急冷、自動節電の冷却運転が実現できる。
次に、収納量変化および温度変化の判定結果による冷却運転判定について説明する。
図11Aおよび図11Bは、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納量変化および温度変化と、冷却運転判定との関係を示す図である。
なお、図11Aおよび図11Bにおいて、基準収納変化量Bおよび基準収納変化量Cの間、および、基準温度Eおよび基準温度Fの間については、それぞれ通常運転が行われるので、図示を省略している。
なお、図11Aに示したように、扉開閉前後の収納量変化を検知・判定して、例えば、得られた収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量Bよりも大きい場合には急冷運転が行われる。
一方、得られた収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量B、および事前に設定した基準収納変化量Cよりも小さい場合には、基本的に節電運転を行う。
図11Aに示したように、温度センサ61によって得られる温度情報を検知・判定し、例えば、得られた温度情報データDが事前に設定した基準温度Eよりも大きい場合には急冷運転を行う。一方、得られた温度情報データDが事前に設定した基準温度E、および事前に設定した基準温度Fよりも小さい場合には、節電運転を行う。
なお、基準収納変化量B、基準収納変化量C、基準温度Eおよび基準温度Fは外気温、または収納量別に設定してもよい。例えば、外気温が低い場合には、扉開閉や食品投入があった場合でも庫内温度が上昇しにくいので、基準温度Eまたは基準温度Fを高く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを大きく設定し、節電運転に入りやすくすることで、省エネルギー化を実現することができる。逆に、外気温が高い場合には、扉開閉や食品投入により庫内温度が高くなるので、基準温度Eまたは基準温度Fを低く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを小さく設定し、急冷運転に入りやすくすることで、収納物の高い保鮮性を実現することができる。
また、冷蔵庫50内の収納量が多い場合には、食品の蓄冷効果により扉開閉や食品投入があった場合でも庫内温度が上昇しにくいので、基準温度Eまたは基準温度Fを高く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを多く設定し、節電運転に入りやすくすることで、省エネルギー化を実現することができる。逆に、冷蔵庫50内の収納量が少ない場合には、扉開閉や食品投入により庫内温度が高くなるので、基準温度Eまたは基準温度Fを低く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを小さく設定し、急冷運転に入りやすくすることで、収納物の高い保鮮性を実現することができる。
また、図11Bに示したように、収納変化量、または庫内の温度上昇に合わせて、基準温度E,F、または基準収納変化量B,Cの設定を変更してもよい。
例えば、まとめ買い等により収納量が大きく増加した場合や、加熱した後の調理品を冷蔵庫で保存する等収納量の増加は少ないが冷蔵庫50内の温度に大きく影響を与える場合に急冷運転を行う。また、食品を小分けにして冷蔵庫50に収納する等、一回の扉開閉前後の収納量の増加は少ないが徐々に冷蔵庫50内の温度が変化する場合や、半ドア等、長時間、冷蔵庫50の扉が開けられたことによって冷蔵庫50内の温度が大きく変化した場合等にも、急冷運転を行う。これによって、収納物33を短時間で最適保存温度まで冷やすので、収納物33の高い保鮮性を実現することができる。
一方、例えば、冷蔵庫50の収納物を確認するだけの場合や、飲み物を取り出す、戻す等収納量の変化が少なく、かつ冷蔵庫内の温度変化が小さい場合には、節電運転を行うことで、「冷えすぎ」を防止し、各家庭の生活パターンに合わせた最適な冷却運転を実現できる。
上述の例においては、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内の温度を検知する温度検知手段である温度センサ61と収納室内の収納量を推定する収納量推定部23とを備えている。また、冷蔵庫50は、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64と、収納室内を冷却する冷却部と、温度センサ61と収納量推定部23と記憶部64との入力データに基づいて演算し冷却部を制御する演算制御部22とを備えている。演算制御部22は、通常運転時は温度センサ61の温度に基づいて冷却部の出力動作を制御するとともに、収納室内の収納量が変化したと判断した場合には温度変化よりも優先して冷却部を制御する。
これにより、収納量変化をサーミスタのみによって検知する場合と比べて、リアルタイムに素早く検知することができ、すばやい冷却能力制御で食品の温度上昇の抑制が可能である。また、負荷減少時のオーバーシュート(冷え過ぎ)を抑制でき、省エネルギー性の
向上が図れる。
次に、図12から図14を用いて、急冷運転および節電運転について詳細を説明する。
図12は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の冷蔵室冷凍室同時冷却時に収納物を投入した際の温度センサ61の温度挙動を模式的に示す図であり、図13は、冷蔵庫50の冷凍室単独冷却時に、収納物を投入した際の温度センサ61の温度挙動を模式的に示す図であり、図14は、冷蔵庫50の冷却停止時に、収納物を投入した際の温度センサ61の温度挙動を模式的に示す図である。
急冷運転には2つの方法がある。ひとつは、冷蔵室の風量を増加させる方法であり、もうひとつは、冷蔵室の吐出空気温度を低下させる方法である。前者の具体的な手段としては、冷却ファン31の回転数を上げる、または、冷蔵室12のダンパ67の開度を大きくすることで、冷蔵室12の風量を増加させ、急冷運転を行う。これにより、各家庭の収納状況に合わせて冷却ファン31の回転数等の最適化を行うことができるので、消費電力量を抑制することができる。一方、後者の具体的な手段としては、圧縮機30の回転数を増加させることで、冷媒循環量を増加させて、冷蔵室の吐出空気温度が低下し、急冷運転を行う。
節電運転では、圧縮機30の回転数を下げることで、冷媒循環量を減少させて、冷蔵庫内への吐出空気温度を上昇させる。これにより、各家庭の収納状況に合わせて圧縮機30の回転数等の最適化を行うことができるので、消費電力を抑制することができる。
図12に示したように、冷蔵室冷凍室同時冷却a時に収納物を投入した場合には、従来の冷蔵庫(破線)は、収納物投入から温度センサ61が温度の上昇を検知するまでに時間差が生じ、温度上昇を検知後、徐々に圧縮機30の回転数を上げていくため、投入した収納物を目的の温度まで冷やすのに時間がかかる。
また、冷蔵室12の戻り空気(暖気)が冷却器に戻ることで冷却器の温度が上昇し、冷却器で熱交換された吐出空気温度が上昇することで冷凍室15内の温度も上昇し、収納物の保鮮性が低下する課題もある。
本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別手段によりその時の冷却パターンが冷蔵室冷凍室同時冷却aであることを識別し、その後すぐに、圧縮機30の回転数を増加させる。これにより、冷媒循環量が増加し、冷却能力が上昇し、収納物33の投入後すぐに冷蔵室12の吐出空気温度が低下するので、従来の冷蔵庫よりも短時間で、投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。
なお、冷凍室のダンパ67を有する冷蔵庫50においては、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、すぐに冷凍室のダンパ67を「開→閉」とする動作を行う。これにより、収納物投入による冷蔵室からの温かい空気が冷凍室15に流れ込むのを防ぐことができる。そして、一定時間後、または冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以下、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以上になった時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉→開」の動作を行う。
次に、図13に示すように、冷凍室単独冷却b時に収納物33を投入した場合には、従来の冷蔵庫は、収納物投入から温度センサ61が温度の上昇を検知するまでに時間差が生じるので、冷蔵室12の温度センサ61が温度の上昇を検知するまでに、冷凍室15の温
度センサ61の検知する温度が、所定値のOFF温度まで到達して圧縮機30が停止する場合がある。その後、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が、開温度に到達した時点で、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」とする制御を行う。これにより、圧縮機30や冷却ファン31が駆動して、投入した収納物33を冷やすので、投入した収納物33を目的の温度まで冷やすのに時間がかかる。
一方、本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別手段により、その時の冷却パターンが冷凍室単独冷却bであることを識別し、その後すぐに、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」と動作させる制御を行い、圧縮機30の回転数を増加させる。これにより、冷蔵室12に吐出空気が流れるので、従来の冷蔵庫50よりも短時間で、投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。
なお、冷凍室15のダンパ67を有する冷蔵庫50においては、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、すぐに冷凍室15のダンパ67を「開→閉」とする制御を行うことで、収納物33の投入による冷蔵室12からの温かい空気が冷凍室15に流れ込むのを防ぐことができる。そして、一定時間後、または冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が、ある所定温度以下、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以上になった時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉→開」とする動作を行う。
次に、図14に示すように、冷却停止c時に収納物33を投入した場合には、従来の冷蔵庫は、冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がON温度に到達するまで圧縮機30は駆動しない。その後、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が開温度に到達した時点で、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」と動作させる制御を行い、圧縮機30や冷却ファン31を駆動して、投入した収納物を冷やすので、投入した収納物33を目的の温度まで冷やすのに時間がかかる。 一方、本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別手段により、その時の冷却パターンが冷却停止cであることを識別し、その後、圧縮機30が一定時間(例えば、10分間)停止後であれば、温度センサ61が検知する温度に関係なく、圧縮機30を高回転で駆動し、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」とする動作を行う。これにより、圧縮機30の起動性を確保しながら、冷蔵室12を素早く冷却することができるので、従来の冷蔵庫よりも短時間で投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。
なお、冷凍室15のダンパ67を有する冷蔵庫50においては、圧縮機30が停止時に、冷蔵室12のダンパ67を「開」、冷凍室15のダンパ67を「閉」として、冷却器に付着した霜を使った冷却を行っている場合がある。このとき、収納量の増加を検知した時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉」のままとし、圧縮機30の起動性を確保しつつ起動させ、冷蔵室12の単独運転をおこなうことにより従来の冷蔵庫よりも短時間で投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。ただし、冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以上になった時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉→開」とする動作を行う。
なお、冷凍室15のダンパ67を有する冷蔵庫50において、冷蔵室単独冷却d時に収納物を投入した場合には、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別部により、その時の冷却パターンが冷蔵室単独冷却dであることを識別し、その後、冷蔵室冷凍室同時冷却a時と同様に、すぐに圧縮機30の回転数を増加させる。これにより、冷蔵室12の吐出空気温度が低下するので、従来の冷蔵庫よりも短時間で投入した収納物33を最適保存温度まで
冷やすことができる。そして、一定時間後、または冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以下、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以上になった時点で冷凍室15のダンパ67を「閉→開」とする制御を行う。
上述した急冷運転は、一定時間経過後、圧縮機30が停止後、または、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が、ある所定の温度以下になった時点で運転終了判定部66によって解除され、通常運転、または自動節電の冷却運転を開始する。
以上の動作により、冷蔵庫50の冷却パターンに合わせて、最適な自動急冷、自動節電の冷却運転を実現できる。
なお、本実施の形態の冷蔵庫50における自動急冷、自動節電の冷却運転については、例えば、庫内温度設定の変更や急凍機能等の、使用者の意志による機能を優先させることも可能である。
本実施の形態における、学習機能による生活パターンの予測、および、節電運転の開始終了タイミングについて説明する。
図15は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の学習機能を用いた生活パターンの予測と節電運転の開始終了タイミングを説明するための図である。本実施の形態における学習機能は、得られた温度情報や扉開閉情報、収納情報、または収納状況の変化情報を記憶部64によって一定期間(例えば、3週間)蓄積することにより、ある一定パターンの生活様式が存在することを演算制御部22によって判定するものである。この学習結果に基づいた予測によって節電運転の開始および終了タイミングを決定し、電子負荷部品である圧縮機30、冷却ファン31、温度補償ヒータ32、ダンパ67、除霜部68、および表示部91等の動作を自動で制御する節電運転を行う。
一般に、休日は、頻繁に扉開閉があり、冷蔵庫50内の熱負荷が大きく、平日は、就業時間中、特に共働き世帯等では、日中は扉開閉がなく、冷蔵庫50内の熱負荷は小さい。
図15に示した例では、1時間を1区画と考え、さらに24区画でまとめれば1日に相当し、さらに168区画でまとめれば1週間(7日)に相当する。
1区画の間で庫内温度が基準温度E以上を一定時間継続した時間、収納量増加が基準収納変化量B以上を検知した時間を記憶する。そして、測定日の1週前、2週前、3週前の学習結果を抽出し、3週間分のうち2/3以上が、庫内温度が基準温度E以上を一定時間継続した時間帯、または収納量増加が基準収納変化量B以上を検知した時間帯であれば、その時間帯を「熱負荷大時間」と判定、学習する。なお、庫内温度と収納量増加に加えて、扉開閉回数を学習してもよい。この場合、学習結果から、3週間分のうち2/3以上が1区画の間で冷蔵室12と冷凍室15の扉開閉合計回数が一定回数以上(例えば、5回以上)の時間であれば、その時間帯を「熱負荷大時間」と判定、学習することができる。
また、冷蔵室12と比較して冷凍室15の方が庫外との温度差が大きく、扉開閉により庫内の温度が上がりやすいため、3週間分のうち2/3以上が1区画の間で冷凍室15の扉開閉合計回数が一定回数以上(例えば、2回以上)の時間があれば該当の時間帯を「熱負荷大時間」と判定してもよい。
なお、一般的な家庭では、1日においてある一定のパターンの生活を行っていることが多く、さらに一週間を単位として同じ曜日においてある一定の生活パターンの生活を行っていることも多い。これらを考慮して冷蔵庫50の冷却運転を実施することは非常に効果
的であり、節電につながる。データの書き換えは1区間の時間(単位時間:例えば60分)で更新することが望ましいが、1日単位、もしくは1週間単位でもよい。
そして、使用者の生活パターンの予測結果から、節電運転の開始終了タイミングを決定する。学習結果により「熱負荷大時間」と判定した時間帯以外の時間は節電運転を行い、「熱負荷大時間」を迎えた時点で節電運転から通常運転に移行する。
ただし、節電運転から通常運転への移行時間として、実際には、「熱負荷大時間」が開始する所定時間(例えば、1時間)前に節電運転を終了し、通常運転に切り換える。これは「熱負荷大時間」において、例えば、調理の時間帯等の頻繁な扉開閉や、温かい調理品の保存等により、冷蔵庫50内の温度が高くなると想定されるためである。その後、「熱負荷大時間」の終了を迎えた時点で、庫内温度が基準温度E以下であれば、再度節電運転を開始する。
次に、学習運転制御の制御フロー図を説明する。
図16は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の学習運転制御を示すフローチャートである。
図16において、学習運転制御がスタートすると、通常運転であることが確認され(S151)、次に、学習結果により判定した「熱負荷大時間」の終了時間を迎えたかが判定される(S152)。
「熱負荷大時間」の終了時間であると判定された場合(S152,YES)、現在の冷蔵庫50内の温度が、基準温度E以下であるか否かが判定される(S153)。
ステップS153において、庫内温度が基準温度E以下であると判定された場合、通常運転から節電運転に切り替わる(S154)。一方、ステップS152において「熱負荷大時間」の終了時間でない(S152,NO)、または、ステップS153において、庫内温度が基準温度Eを超えると判定された場合(S153,NO)には通常運転を継続する(S151)。
そして、節電運転であることが確認され(S154)、「熱負荷大時間」開始の所定時間前を迎えたかを判定する(S155)。「熱負荷大時間」開始の所定時間前であると判定された場合(S155,YES)、節電運転から通常運転に切り替わる(S151)。一方、ステップS155において「熱負荷大時間」開始の所定時間前ではないと判断された場合(S155,NO)には、節電運転を継続する(S154)。
以上の動作により、買物時の食品収納量変化、各家庭の収納状況および使用環境をパターン化、学習し、例えば7日間毎にデータを区切ることにより、仮想的に曜日を検知することができる。これにより、冷蔵庫50の熱負荷が大きいと想定される曜日・時間のみ通常運転を行い、冷蔵庫50への熱負荷が小さいと想定される曜日・時間は、圧縮機30や冷却ファン31の回転数を抑制して「冷えすぎ」を防止することができる。このように、各家庭の生活パターンに合わせて自動で省エネルギー化を実現することができる。
次に、学習機能による生活パターンの予測と節電運転の開始終了タイミングの別の例について説明する。
図17は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の学習機能による「まとめ買い日」判定を説明するための図であり、図18は、本発明の実施の形態1における別の学習機
能を用いた生活パターンの予測と節電運転の開始終了タイミングを説明するための図である。
図17に示した例においては、日ごとに、標準収納変化量B以上の収納量増加があった日を判別している。
近年増加しているまとめ買い傾向により、買い物回数を例えば週2回と想定する。この場合、一例としては、平日に1回、休日に1回、収納量が増加し、その他の日は、調理等で使用されるため、ある程度、冷蔵室12内の収納量は減少方向で推移する。
まとめ買い日には、冷蔵室12内の収納量増加により、庫内の温度が高くなると想定される。このため、「まとめ買い日」を予測・学習することで、「まとめ買い日」と予測した日は冷却量を増加し、投入した収納物33を短時間で最適保存温度まで冷やすことができ、収納物33の高い保鮮性を実現することができる。 また、「まとめ買い日」以外であると予測した日には、冷却量を減らして節電運転を行う。これにより、収納状況や使用状況に合わせて冷却量を調節することができるので、「冷えすぎ」を防止し、各家庭の生活パターンに合わせた最適な冷却運転を行って省エネルギー化を実現できる。
ここで、「まとめ買い日」の判定方法について説明する。例えば、1日を1区画と考え、さらに7区画でまとめれば1週間(7日)に相当する。その間で基準収納変化量B以上の収納量増加があった日を記憶する。そして、その日の1週前、2週前、3週前の学習結果を抽出し、過去3週間分のうち2/3以上が標準収納変化量B以上の収納量増加があった日であれば、該当の曜日を「まとめ買い日」として判定、学習する。図17に示した例においては、水曜日と土曜日が「まとめ買い日」であると判定されている。
また、平均収納量からの減少量から「まとめ買い日」を判定、学習してもよい。この場合、一定時間おきの収納量を記憶し、過去3週間分のデータから各家庭の平均収納量を学習し、その時間の収納量が学習した平均収納量よりも一定量以上(例えば、10%以上)少なくなった場合、その日の次の日を記憶し、過去3週間分のうち2/3以上が該当すれば、該当の曜日を「まとめ買い日」と判定、学習する。
なお、「まとめ買い日」を学習する際に、朝から次の日の朝、または夜から次の日の夜までを1日として分割する必要がある。冷蔵庫50に時計機能を追加すれば、1日を分割することは容易であるが、コストアップにつながるデメリットがある。
そこで、冷蔵庫50の外に庫外照度センサ72(図3参照)を配置し、庫外照度センサ72の検知結果から、夜間を判別することで、1日を分割することができる。例えば、1時間の平均照度が規定値以下(例えば、5Lx以下)になった時間を就寝が開始した時間と判断し、その時間から平均照度が規定値以上に復帰し、再度平均照度が規定値以下になった時間までを1日と判定する。
このように判定することで、安価に、かつ正確に1日を分割することができる。また、夜間は冷蔵庫50の使用が少なく、扉開閉回数が少ない時間が連続すると想定されるため、扉開閉検知部62の検知結果と庫外照度センサ72の検知結果とを組み合わせて判定、学習することで、更に精度よく1日を分割することができる。なお、昼夜の温度変化を外気温度センサ63を用いて検知し、1日を演算することも可能であり、この場合も庫外照度センサ72を用いた場合と同様に、1日を精度よく分割することが可能である。
「まとめ買い日」を想定すると、使用者は、買い物後、帰宅してすぐに買い物した食品を冷蔵庫50内に収納することが多いと考えられる。このため、冷蔵庫50の扉開閉回数
から、冷蔵庫50の使用がない「未使用時間」を判定、学習することができる。これにより、「未使用時間」の所定時間前から冷却量を増加させて、投入した収納物33を短時間で最適保存温度まで冷やすことができる。これにより、収納物33の高い保鮮性を実現することができる。
次に、図18を用いて「未使用時間」の判定方法について説明する。
図18に示すように、1区画内における扉開閉回数により、例えば、1時間で一定回数以下(例えば、1回以下)の扉開閉があった時間を記憶し、当該日の1週前、2週前、3週前の学習結果から、3週間分のうち2/3以上において1時間に一定回数以下の扉開閉しかない時間帯であれば、該当の時間帯を「未使用時間」と判定、学習する。
なお、冷蔵庫50外に庫外照度センサ72を配置し、庫外照度センサ72の検知結果を記憶することで、「未使用時間」の判定精度を更に高めることができる。庫外照度センサ72の出力から、冷蔵庫50が設置された周辺が明るいか、暗いかを検知することができるので、主に使用者が活動する可能性の高い昼間であるか、可能性の低い夜間であるかを見分けることができる。
庫外照度センサ72で冷蔵庫50周辺の照度を検知し、その情報を演算制御部22に出力し、例えば、1区画内の平均照度が規定値以下(例えば、5Lx以下)であった時間を記憶し、当該日の1週前、2週前、3週前の学習結果から、3週間分のうち2/3以上が1区画内の平均照度が規定値以下(例えば、5Lx以下)であった時間帯であれば、該当の時間帯を「未使用時間」と判定、学習してもよい。
このように、使用者の生活パターンの予測結果から、節電運転の開始および終了タイミングを決定する。学習結果により、「まとめ買い日」以外と判定した日は、学習した「熱負荷大時間」以外の時間帯は節電運転を行い、「熱負荷大時間」を迎えた時点で節電運転から通常運転に移行する。これは「熱負荷大時間」が、例えば、調理の時間帯等の頻繁な扉開閉や、温かい調理品の保存等により、冷蔵庫50内の温度が高くなっているものと想定されるためである。
ただし、節電運転から通常運転への移行時間として、実際には、「熱負荷大時間」が開始する所定時間(例えば、1時間)前に節電運転を終了し、通常運転に切り替える。これによって、「まとめ買い日」以外と判定した日は、冷蔵庫50の熱負荷が大きいと想定される時間のみ通常運転を行い、冷蔵庫50への熱負荷が小さいと想定される時間は、圧縮機30や冷却ファンの回転数を抑制して、「冷えすぎ」を防止することができる。このように、各家庭の生活パターンに合わせて自動で省エネルギー化を実現することができる。
また、使用者の生活パターンの予測結果により、「まとめ買い日」と判定した日は、学習した「未使用時間」帯は節電運転を行い、「未使用時間」の終了を迎えた時点で節電運転から通常運転に移行する。これは使用者が買い物から帰宅後、買った品物をすぐに冷蔵庫50内に収納量する可能性が高く、その際に冷蔵庫50内の温度が高くなると想定されるためである。ただし、節電運転から通常運転への移行時間として、実際には、「未使用時間」終了の所定時間(例えば、1時間)前に節電運転を終了し、通常運転に切り替える。これによって、「まとめ買い日」と判定した日は調理の時間帯等の頻繁な扉開閉や、温かい調理品の保存等による冷蔵庫内の温度上昇に加えて、まとめ買い等による収納量の増加によって、冷蔵庫内の温度が高くなると想定されるため、「まとめ買い日」以外と判定した日に比べて、節電運転を少なくして、十分な冷却量を確保することにより、収納物の高い保鮮性を実現することができる。
次に、図19を用いて「まとめ買い日」を学習する場合における学習運転制御の制御フロー図を説明する。
図19は、本発明の実施の形態1における別形態での学習運転制御を示すフローチャートである。
図19において、学習運転制御がスタートすると、その日が「まとめ買い日」であるかが学習結果により判定される(S160)。
「まとめ買い日」であると判定された場合(S160,YES)、通常運転であることが確認される(S162)。
そして、学習結果により判定した「未使用時間」の開始時間を迎えたかが判定される(S163)。「未使用時間」の開始時間であると判定された場合(S163,YES)、現在の冷蔵庫50内の温度が基準温度E以下であるかを判定する(S164)。
庫内温度が基準温度E以下であると判定された場合(S164、YES)、通常運転から節電運転に切り替える(S165)。一方、ステップS163において「未使用時間」の開始時間でない、または、ステップS164において庫内温度が基準温度Eを超えると判定された場合には、通常運転を継続する(S162)。
節電運転であることが確認された場合(S165)には、次に、「未使用時間」終了の所定時間前を迎えたかが判定される(S166)。「未使用時間」終了の所定時間前であると判定された場合(S166,YES)、節電運転から通常運転に切り替わる(S162)。一方、ステップ166において「未使用時間」終了の所定時間前でないと判定された場合には節電運転を継続する(S165)。
一方、ステップS160において、その日が「まとめ買い日」でないと判定された場合(S160,NO)、通常運転であることを確認(S172)し、そして、学習結果により判定した「熱負荷大時間」の終了時間を迎えたかが判定される(S173)。「熱負荷大時間」の終了時間であると判定された場合(S173,YES)、現在の冷蔵庫50内の温度が基準温度E以下であるかが判定される(S174)。
庫内温度が基準温度E以下であると判定された場合(S174,YES)には、通常運転から節電運転に切り替える(S175)。一方、ステップS173において「熱負荷大時間」の終了時間でない、または、ステップ174において基準温度Eを超えると判定した場合には、通常運転を継続する(S172)。
節電運転であることが確認された場合(S175)、次に、「熱負荷大時間」開始の所定時間前を迎えたかが判定される(S176)。「熱負荷大時間」開始の所定時間前であると判定された場合(S176,YES)、節電運転から通常運転に切り替わる(S172)。一方、ステップS176において「熱負荷大時間」開始の所定時間前ではないと判定された場合(S176,NO)には節電運転を継続する。
以上述べたように、本実施の形態の冷蔵庫50は、まとめ買い等で収納状況や冷蔵庫50内の温度が大きく変化すると予測される時間帯には冷却量を増加させて、投入した収納物33を短時間で最適保存温度まで冷やすことができる。これにより、収納物33の高い保鮮性を実現することができるとともに、収納状況や使用状況に合わせて冷却量を調節することができるので、「冷えすぎ」を防止し、各家庭の生活パターンに合わせた最適な冷却運転を行って省エネルギー化を実現できる。
また、記憶部64に蓄積された情報から生活パターンを予測し、生活パターンの中で、冷蔵庫50内の収納量の変化が少なく、かつ、冷蔵庫50内の温度上昇が少ないと予測される時間帯は、冷蔵庫50の使用が少なく熱負荷が小さいと判定する。そして、この時間帯を迎えると、自動で節電運転を開始する。これにより、圧縮機30や冷却ファン31の回転数を抑制し、「冷えすぎ」を防止するので、各家庭の生活パターンに合わせて自動で省エネルギー化を実現することができる。
さらに、記憶部64に蓄積された情報から生活パターンを予測し、生活パターンの中で、冷蔵庫50内の収納量の増加が予測される時間帯は熱負荷が大きいと判定し、この時間帯を迎える所定時間前に自動で節電運転を終了する。これにより、投入した収納物33を短時間で最適保存温度まで冷やすので、収納物33の高い保鮮性を実現することができる。また、例えば、温かい調理品等を冷蔵庫50で冷却保存する場合や、頻繁に冷蔵庫50の扉開閉を行う調理時等、これら時間帯を学習・予測して冷却量を増加させて、各家庭の生活パターンに合わせて冷却運転を行うので、収納物33の高い保鮮性を実現することができる。
上述したように、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内の収納量を推定する収納量推定部23と、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64とを備えている。また、演算制御部22は、記憶部64のデータから収納室内の将来の収納量の変化を予測する収納量変化予測部として機能するとともに、収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データに基づいて電気機能部品の出力動作を制御する。また、演算制御部22は、収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データに基づいて、電気機能部品の出力動作を制御する。これにより、買物予定日時に合わせた食品の保鮮性向上と、省エネルギー性を高めることができる。
また、演算制御部22は、記憶部64に記憶された一定期間の収納量のデータと収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データとに基づいて利用者の収納量増加予測日時を推定する。そして、収納量増加予測日時の所定時間前から収納室内の冷却量を高める制御を行う。これにより、収納量増加予測日時(買物予定日時)の所定時間前から貯蔵室内の冷却量を高めることで、確実に食品の保鮮性向上を図ることができる。
なお、買物予定日時に一度、閾値より大きい収納量変化を検知した場合は、その後一定期間は冷却量の増加(予冷運転)は行わないことが望ましい。これにより、節電運転率を高めることができる。
また、演算制御部22は、さらに庫内温度変化データを記憶し、収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データと、さらに庫内温度変化データとに基づいて、電気機能部品の出力動作を制御するようにしてもよい。これにより、さらに精度よく将来の収納量の変化を予測することができる。
さらに、演算制御部22は、収納量増加予測日時の所定時間後に、収納量推定部23が、収納室内の収納量が変化なしと判断した時は、収納室内の冷却量を低める。これにより、省エネルギー性と食品の保鮮性向上を両立することができる。
なお、本実施の形態では、収納状況検知部を冷蔵室12に設けた例を示したが、本発明はこの例に限定されず、冷蔵室12、製氷室13、切換室14、冷凍室15および野菜室16の少なくとも一つに設けてもよい。
なお、本実施の形態は、必ずしも図2に示した冷蔵庫50の構成に限定されず、従来一
般的であった、断熱箱体の最下部の貯蔵室後方領域に機械室を設けて圧縮機30を配置するタイプの冷蔵庫に適用することも可能である。
また、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内を脱臭あるいは殺菌する脱臭殺菌部と収納室内の収納量を推定する収納量推定部23とを有していてもよい。また、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64と、収納量推定部23の推定結果と記憶部64とに基づいて収納変化量を演算し、脱臭殺菌部の出力動作を制御する演算制御部22を備えていてもよい。演算制御部22は、収納室内の収納量が変化したと判断したときに脱臭殺菌部の脱臭殺菌能力を変化させる。
また、脱臭殺菌部として、収納室内にミストを噴霧する静電霧化装置を用いることも可能である。
これにより、収納量変化を素早くキャッチし、脱臭殺菌制御を行うことで、収納量変化に応じた除菌・脱臭機能の向上や、湿度コントロールの適正化が可能となる。
また、静電霧化装置は、庫内の湿度を高めることができるので、例えば、野菜室に配置し、野菜室内の湿度を高めながら、脱臭殺菌機能を高めることができる。さらに、野菜室の冷気戻り風路近傍に配置することで、野菜室の冷気戻り風路から冷却器を介して冷蔵庫の全室に脱臭殺菌機能を高めたナノイー粒子を送ることができ、貯蔵室全体の湿度を高めながら脱臭殺菌機能をも高めることができる。
また、脱臭殺菌部として、庫内に冷気を送風する冷気循環経路中に備えた脱臭触媒や紫外線LEDを備えてもよい。そして、冷気循環経路中の送風をコントロールする送風ファンあるいはダンパの運転を収納量変化に応じて制御してもよい。具体的には、収納量が増えた場合は、送風ファンの回転数あるいは運転率を上昇させることで、脱臭能力と庫内冷却能力の両方を高めることができる。なお、送風ファンに代わりダンパの開度を制御してもよい。
また、冷気循環経路中に備えた脱臭触媒への風路を並列に設置し、ダンパ等で前記風路の切替をし、脱臭能力の制御をしてもよい。
また、静電霧化装置に代えて、コロナ放電装置を用いてもよい。この場合、オゾンによる脱臭、殺菌作用により、収納量変化に応じた除菌・脱臭機能の向上を図ることができる。
また、冷蔵庫50は、断熱扉の開閉を検知する扉開閉検知部62をさらに備えている。演算制御部22は、扉開閉検知部62の検知結果に基づいて、断熱扉の開動作が行われる前の収納量に対する、断熱扉の閉動作が行われた後の収納変化量が予め定められた閾値を越えた場合に、電気機能部品の出力動作を制御する。
これにより、扉開閉前後の収納量を比較することで、より確実に収納量変化を把握することができる。
また、収納変化量が閾値を越えない場合には、記憶部64の収納量を維持し、電気機能部品の出力動作を変えない構成としてもよい。
この場合、閾値を越えないときには、収納量は変化なしと判断し、収納量推定部23の推定結果前の記憶部64の収納量を維持する。これにより、収納量の小さな変化(小分け収納)にも適切に対応することができる。
なお、出力制御される電気機能部品としては、収納室内の冷却量を変化させる冷却ファンまたは圧縮機としてもよい。
これにより、省エネルギーを意識した運転率をアップし、実使用時の省エネルギー性を高めることができる。
なお、上述の説明において、収納状況検知手段としては、発光部20と光量検知部21とを備えた構成であるとして説明を行ったが、本発明の収納状況検知手段はこれに限定されない。例えば、庫内温度の傾きや、冷却機能部品の動作時の電流変化等を用いて収納状況を検知する手段をも用いることが可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態においては、実施の形態1で詳細に説明した構成および技術思想と異なる部分についてのみ詳細な説明を行う。また、実施の形態1で詳細に説明した構成と同じ部分、および、同じ技術思想を適用しても不具合が生じない部分については、本実施の形態と組み合わせて適用できるものとし、詳細な説明を省略する。
実施の形態2の冷蔵庫50は、冷蔵庫50扉の開および閉状態を検知する扉開閉検知部62を備えており、扉の閉状態を検出している期間内において、実施の形態1に記載した発光部20、光量検知部21、演算制御部22および収納量推定部23の一連の動作が起動されるものである。
この動作により、冷蔵庫50の扉開閉状態検知を行って、扉が閉状態になってある一定時間経過後に、発光部20および光量検知部21を動作させることにより、背景光の影響や残光の影響を容易に回避することができる。
収納量が変化する際には、まず、使用者が扉を開き、食品を収納または取り出して、最後に扉を閉じるという一連の動作が必ず伴う。このため、扉開閉後にのみ収納量を検知しておけばよい。すなわち、扉開閉検知部62を備えることにより、最低限の検知動作で済み、発光部20等で使用する消費電力を削減できる。
また、家庭用冷蔵庫では、扉開閉検出と庫内照明とを関連付け、扉開閉に応じて、庫内の照明部19の点灯/消灯制御を行っている。この制御における扉の開閉状態検知機能を共用することにより、新たに部品を追加することなく、簡単な構成で実現できる。
本実施の形態においては、演算制御部22は、扉開閉検知部62で断熱扉の閉動作が検知された所定時間後に演算し、電気機能部品の出力動作を制御する。
これにより、扉閉後に安定してから比較することで、より確実に収納量変化を把握することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図20および図21は、本発明の実施の形態3における収納量検出動作の説明図(図2に対応する断面図)である。
本実施の形態でも、上述した実施の形態1および実施の形態2の冷蔵庫50の構成において、同一の構成および技術思想が適用できる部分については、詳細な説明を省略する。また、実施の形態1および実施の形態2で説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
図20において、照明部19は、冷蔵庫内の扉開放側前面から見て、庫内の奥行寸法の1/2より手前で且つ、収納棚18の先端より前方に位置する左側壁面と右側壁面にそれぞれ縦方向に配置されている。
また、照明部19には、発光部20a〜20dが縦方向に等間隔で配置され、冷蔵室12内の上部から下部までを満遍なく照射することができる。さらに、光量検知部21a〜21dが、冷蔵室12内の後方位置に配置されており、主に収納物33による光の遮蔽による光量減衰を検知する。また、光量検知部21eは、冷蔵室12の天面に配置されており、主に収納物33による光の反射による光量減衰を検知する。光量検知部21a〜21eとしては、照度センサや、照度に加えて色度(RGB)の識別が可能な色度センサ等を用いる。
また、図21のように、庫内の天面に発光部20eを設け、下方に光量検知部21fを設けても精度良く収納量を検知できる。天面の発光部20eは、冷蔵庫50内の扉開放側から見て、庫内奥行き寸法の1/2よりも手前側に設置する。さらに、本実施の形態では、天面の発光部20eを、収納棚18の先端よりも扉側で、かつ扉に取り付けられた扉棚27a〜27cよりも奥側に配置している。このように配置することにより、天面の発光部20eの正面(光軸方向)が、収納棚18や扉棚27a〜27cへの収納物33によって遮蔽されることが無い。
また、下方の光量検知部21fも、同様の理由で、収納棚18の先端よりも扉側で、かつ扉に取り付けられた扉棚27a〜27cよりも奥側に配置されており、さらに最下段の収納棚18以下の高さに配置されている。なお、下方の光量検知部21fの設置面は、庫内の側面、または下面等いずれの面でもよい。また、天面の発光部20eと下方の光量検知部21fの位置関係を反対にしてもよい。
このように、天面から庫内を照射し、下方で光量を検知する構成とすることで、収納棚18および扉棚27a〜27cへと光が行渡るため、収納量の検知を正確に行うことができる。
なお、冷蔵室12のように高さ方向に長い収納室では、天面の発光部20eからの光が、下方の収納物まで届きにくいので、発光部20d等下方の発光部も使用して、庫内を満遍なく照射することが望ましい。
なお、光量検知部21a〜21fの配置は、収納物33、および、庫内の構造物を介して、発光部20a〜20dによって照射される位置に配置されている限り、庫内の何れの位置に配置されてもよい。また、収納量推定に高精度を要求しない場合には、光量検知部21を複数設置する必要はなく、ひとつだけでもよい。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
図22は、本発明の実施の形態4における収納量検出動作の説明図である。
本実施の形態でも、上述した実施の形態1から実施の形態3における冷蔵庫50の構成
において、同一の構成および技術思想が適用できる部分については、詳細な説明を省略する。また、実施の形態1から実施の形態3で説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
図22に示したように、本実施の形態においては、風量調節部28a〜28dが、冷蔵室12内の後方位置に配置されている。発光部20a〜20dから出力された照射光34aは、冷蔵室12内および冷蔵室12内部に収納された収納物33を照射する。
また、この出力光の一部の照射光34bは、冷蔵室12内に配置した光量検知部21a〜21eに入射して、光量検知結果を予め設定した所定の閾値により判別することにより、庫内の収納物33の量を分類できる。
このとき、収納状況により、収納状況検知部21a〜21eそれぞれが検知する光量に差が生じる。例えば、図22に示すように、収納棚18bに収納物33が投入された場合には、収納物33投入前後で光量検知部21aが検知する光量が他の収納状況検知部21b〜21eが検知する光量よりも小さくなる。これにより、収納棚18bに収納物33が投入されたことを検知し、収納物33の量を分類する。その後、風量調節部28aにより、検知した収納増加量に応じて風量を調節して急却運転を行う。
なお、この急冷運転は、一定時間経過後、圧縮機停止後、または、冷蔵室センサの検知する温度がある所定の温度以下になった時点で解除となり、通常運転、又は自動節電の冷却運転を開始する。
以上のように、本実施の形態においては、風量調節部28a〜28dを設けることにより、投入した収納物周辺を効率的に冷やすことが可能となるので、最適な自動急冷の冷却運転を実現できる。
なお、風量調節部28a〜28dの位置は本実施の形態の例に限らず、庫内のいずれの位置に配置されても構わない。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について図面を用いて詳細に説明する。
図23は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫50の正面図である。本実施の形態の冷蔵庫50は、実施の形態1から実施の形態4において説明した各機能を有するものである。
図23において、内箱11aと外箱11bからなる冷蔵庫本体11は、断熱壁を介して設けた内箱11a内に、上方から冷蔵室12、製氷室13、冷凍室15、および野菜室16が配設され、製氷室13の側方には、室内を多温度に切り替えることができる切換室14を併設している。
最も貯蔵品出し入れの使用頻度が高く収納容量も大きい冷蔵室12は、両側をヒンジで枢支した観音開き式の回転扉である冷蔵室扉12aでその前面開口を閉塞されている。製氷室13、切換室14、野菜室16および冷凍室15には、それぞれ引出し式の扉が設けられている。
冷蔵室12は、冷蔵温度に保持された室内を適当間隔で設けた複数の収納棚18によって上下に区画し、その底部には、冷蔵室12に製氷用水を供給する給水タンクやチルド温度に保持する低温室12bを設けている。
具体的には、収納棚18の上部空間が食品を保存する収納空間であり、本実施の形態では収納棚18として最上段に形成された収納空間に収納する食品を載置する収納棚18a、上から2段目の収納空間に収納する食品を載置する収納棚18b、収納棚18bの直下部の収納空間に収納する食品を載置する収納棚18cが設けられており、最下段の収納区画には給水タンクやチルド温度に保持する低温室12bが配置されている。
冷蔵室12は、貯蔵室内側面の前方側に複数個のLEDが縦方向に等間隔に内蔵された照明部19が設置されている。貯蔵室内の背面側には、照度センサからなる光量検知部21が設置されている。最上段に形成された収納空間に収納する食品を載置する収納棚18aの上方で、かつ天面側の内箱11aの下方の背面壁に光量検知部21aが備えられている。上から2段目の収納空間に収納する食品を載置する収納棚18bの上方で、かつ収納棚18aの下方の背面壁には、光量検知部21bが備えられている。
また、本実施の形態では、収納棚18bに、食品である収納物33が置かれている状態を示している。
また、光量検知部21の上方には、冷気吐出口4が設けられており、上方側の収納状況検知部21aの近傍には、冷気吐出口4a、下方側の収納状況検知部21bの近傍には冷気吐出口4bがそれぞれ設けられている。
以上のように構成された冷蔵庫50について、以下その動作を説明する。
冷蔵室扉12aが閉っている状態で、照明部19が点灯する。庫内では、照明部19からの光は、空気を介して最上段の収納空間の照度を検知する光量検知部21aに届く。中段の収納棚18bでは、照明部19からの光は、一部が収納物33の間を通って2段目の収納空間の照度を検知する収納状況検知部21bに届く。その他の光線の一部は、収納物33にあたって吸収され、一部は反射して散乱する。このため、収納物33の照明部19とは反対側、すなわち、影になる収納物33の背面側は、光の量が少なく暗くなる。
収納物33の高さが高ければ高いほど、また、収納物33の収納量が多ければ大きいほど、照明部19の光が遮られるので、後方にある光量検知部21に届く光の量は低下する。
よって、この照度センサからなる光量検知部21は、貯蔵室内の収納空間における空き空間を非接触で検知する検知部として機能する。
そして、このようにして光量検知部21で光の量を検知し、収納棚18の中段に対して、上段に収納可能なスペースがあることを、扉である冷蔵室扉12aの外面にある表示部91(図1参照)に表示する。
すなわち、光量検知部21が備えられた貯蔵室である冷蔵室12の前面側に設けられた冷蔵室扉12aの外面に表示させる認知手段である表示部91によって、使用者に冷蔵室12内の収納物の状態を知らせることができる。
使用者は、この認知手段である表示部91に示された表示を確認して、冷蔵室扉12aを開放し、迷うことなく収納物33が少ないと表示された最上段の収納空間である収納棚18aへと食品を載置し、迅速に冷蔵室扉12aを閉めることができる。
また、収納棚18bに示したように、食品である収納物33が、冷気吐出口4bの前方
側に収納されている場合や、収納物33が詰めすぎとなっている場合を想定する。このような場合、冷気吐出口4近傍の光量検知部21で検知した光量が所定値より低い場合には、冷蔵室扉12aの外面にある表示部91に、該当する照度センサで検知した収納空間が詰めすぎで増電運転になることを表示する。
ここで、収納物33が詰めすぎである場合や、冷気吐出口4の近傍に収納物33が収納されている場合には、収納物33が、冷気の通風抵抗となり、単位時間当たりの冷気循環量が低下して、冷却するのに時間が長くなる。また、冷気循環量が低下すると蒸発器の風量が低下して、熱交換量が低下するので、蒸発温度の低下を招き、冷凍サイクルの高低圧差圧の拡大により圧縮機入力も増加する。
冷却時間を維持しようとすると、冷気を循環させるファンの回転数を増加させたり、圧縮機30の回転を増加させたりしなければならず、これもまた増電の要因となる。
よって、これらの電力使用量が多くなる増電傾向を使用者に報知し、最適な収納物33の配置を促すことで、冷蔵庫50の実際の使用上において、省エネルギー化を図ることができ、より省エネルギーを実現した冷蔵庫50を消費者に提供することができ、CO2削減に寄与することができる。
以上のことから、冷蔵室扉12aの開放時間は短縮され、冷蔵室扉12aから流入してくる高温の外気が抑制でき、省エネルギー化が可能となる。また、冷蔵室12内の一時的な昇温も抑制されるので、収納物33である食品の昇温も抑制でき、品質劣化が低減できる。
さらに、増電運転になることを認知手段である表示部91によってお知らせできるので、使用者に省エネルギー運転を促す注意喚起ができる。なお、認知手段としては、表示部91に限定されず、例えば音声で注意を促す構成も可能である。
特に、本実施の形態の構成は、家庭用冷蔵庫のように、多種多様な食品が収納される可能性がある場合に、従来に比して効果が高い。
本実施の形態の冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内の収納量を推定する収納量推定部23と、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64とを有している。また、記憶部64の前回までの推定結果と収納量推定部23の推定結果とに基づいて収納変化量を演算し、電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部22とを備えている。また、演算制御部22は、収納室内の収納量が変化したと判断した場合に冷蔵庫50の運転状態を、報知手段によって使用者に報知する。
これにより、収納量推定に基づき、例えば、節電運転が行われている状態(冷蔵庫の運転状態)などを使用者にお知らせすることで、節電意識を高めることができる。
なお、収納量情報を表示部91にインジケータで詰め込み過ぎ等を表示してもよい。庫内の収納量を表示する場合は、収納量推定部23による収納量の絶対値推定が適している。
また、庫内の収納量変化を表示する場合は、収納量推定部23による収納量の相対値推定が適している。これにより、使い勝手の向上を図ることができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について、図面に基づいて説明する。
図24は、本発明の実施の形態6における冷蔵庫150の正面図である。 図24に示したように、冷蔵庫150は、冷蔵庫本体151を有している。
冷蔵庫本体151は断熱箱体であり、主に鋼板を用いた外箱と、ABS等の樹脂で成形された内箱と、外箱と内箱の空間にウレタン等の断熱材が設けられた構造で、周囲とは断熱されている。
冷蔵庫本体151は、複数の貯蔵室に断熱区画されており、最上部に冷蔵室152が設けられている。冷蔵室152の下部には、製氷室153および切換室154が横並びに設けられている。製氷室153と切換室154の下部には、冷凍室155、そして最下部には野菜室156がそれぞれ配置されている。
各貯蔵室の前面には、外気と区画するため、それぞれの扉が冷蔵庫本体151の前面開口部に構成されている。冷蔵室152の冷蔵室扉152aの中央部付近には、各室の庫内温度設定や製氷および急速冷却等の設定を行うための操作部157が配置されている。
図25は、本発明の実施の形態6における冷蔵庫150の図24における25−25線断面図である。
図25に示したように、冷蔵室152内には、複数の収納棚158が設けられており、一部の収納棚158は、上下に可動できるように構成されている。
冷蔵室152内には、ランプや複数のLED等で構成された照明部159、および、収納状況を検知できる手段であるLED等の発光部160および照度(光)センサ等の光量検知部161が構成されている。
照明部159は、冷蔵庫150内の扉開放側前面から見て、庫内の奥行寸法の1/2より手前で、かつ、収納棚158の先端より前方に位置する左側壁面と右側壁面にそれぞれ縦方向に配置されている。
また、発光部160は、照明部159と近接する位置に隣接配置され、光量検知部161は、冷蔵室152内の後方位置に配置されている。
なお、光量検知部161の配置は、収納物173(図26参照)、および、庫内部の構造物を介して、発光部160によって照射される位置に配置されている限り、庫内の何れの位置に配置されても構わない。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった断熱箱体の最下部の貯蔵室後方領域に機械室を設け、圧縮機170を配置するタイプの冷蔵庫本体151に適用しても構わない。
冷蔵室152内の最上部の後方領域に形成された機械室内には、圧縮機170、および水分除去を行うドライヤ等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収納されている。
冷凍室155の背面には冷気を生成する冷却室が設けられている。冷却室内には、冷却器、および、冷却器で冷却した冷却手段である冷気を冷蔵室152、切換室154、製氷室153、野菜室156、および冷凍室155に送風する冷却ファン171(図27参照)が配置されている。また、冷却器やその周辺に付着する霜や氷を除霜するために、除霜部195(図27参照)としてのラジアントヒータ、ドレンパン、ドレンチューブ蒸発皿
等が構成されている。
冷蔵室152は、冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃に設定し、最下部の野菜室156は、冷蔵室152と同等もしくは若干高い温度の2℃〜7℃に設定している。また、冷凍室155は、冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室153は、冷蔵室152内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷をつくり、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
切換室154は、1℃〜5℃で設定される冷蔵温度帯、2℃〜7℃で設定される野菜温度帯、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外にも、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる。切換室154は、製氷室153に並設された独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
なお、本実施の形態では、切換室154を、冷蔵および冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は冷蔵室152と野菜室156、冷凍は冷凍室155にそれぞれ委ねて、冷蔵と冷凍の中間の温度帯のみの切り換えに特化した貯蔵室としても構わない。また、特定の温度帯、例えば近年冷凍食品の需要が多くなってきたことに伴い、冷凍に固定された貯蔵室としても構わない。
以上のように構成された冷蔵庫150について、以下、その動作・作用を説明する。
図26は、本発明の実施の形態6における、光量検出動作の説明図である。
図26を用いて、収納状況を検知できる手段を構成する発光部160および光量検知部161の動作を詳細に説明する。
冷蔵庫150の左右両壁面に配置された発光部160から出力された照射光174aは、冷蔵室152内および冷蔵室152内部に収納された収納物173を照射する。また、この照射光174aの一部は、冷蔵室152内に配置した光量検知部161に入射する。
図26では、冷蔵室152内に収納物173が収納されている場合に、収納物173の存在により、左右両壁面からの照射光174aが共に遮蔽される領域A、何れか一方の照射光174aが遮蔽される領域B、および左右の何れの光も遮蔽されない領域Cが発生する様子を示している。
この場合、光量検知部161は、何れか一方の照射光174aが遮蔽される領域Bにある為、該当する光量を検知して出力する。また、収納物173の量が多い場合には、共に遮蔽される領域Aが増加するため、光量検知部161の検知光量は減少する。また、収納量が少ない場合には、何れの照射光174aも遮蔽されない領域Cが増加するため、光量検知部161の検知光量は増加する。
以上により、収納物173の存在、および、収納物173の収納量の違いに起因した光量変化を光量検知部161で検出し、光量検知結果を予め設定した所定の閾値により判別することにより、庫内の収納物173の量(例:多いか少ないか)を分類することができる。
なお、発光部160は、冷蔵庫150内に通常設けられている照明部159と兼用する、もしくは、照明部159の基板を発光部160の基板と兼用することで、新たな光源、材料を設けることなく、より簡易な構成で収納状態の検知が可能となる。
次に、冷蔵庫150の制御動作を説明する。
図27は、本発明の実施の形態6における冷蔵庫150の制御ブロック図である。
図27に示したように、冷蔵庫150は、光量検知部161、温度センサ191、扉開閉検知部192、演算制御部163、発光部160、圧縮機170、冷却ファン171、温度補償ヒータ172、ダンパ193および除霜部195を備えている。
演算制御部163は、収納量推定部162、記憶部194およびタイマ196を有している。
冷蔵庫150は、扉閉後、あらかじめ決められたプログラムにより発光部160を順次動作させて、その都度光量検知部161が近傍の光量を検知する。そして、その光量情報を演算制御部163に入力して、演算を行い、その出力値を貯蔵室内の収納量と推測して記憶部194に随時記憶する。
そして記憶部194に記憶されたデータを基に、演算制御部163は、適時演算処理を行い、除霜部195の動作タイミングを決定する。
例えば、光量検知部161による検知出力が一定期間変化しない、もしくは変化幅が決められた閾値よりも少ない場合には、演算制御部163は、冷蔵庫150が使用されていないと判断し、通常の除霜周期よりも延長した周期で除霜動作を行うように制御する。また、それ以外の温度センサ191や扉開閉検知部192の出力データ等を用いて、演算制御部163は、さらに人の生活状態を把握し、圧縮機170、冷却ファン171、温度補償ヒータ172およびダンパ193等を適時、省エネルギー運転を行うよう動作させるとともに、除霜動作も制御する。
以下、具体的に説明する。
図28Aは、本発明の実施の形態6における冷蔵庫150の電源投入時の制御フローチャートであり、図28Bは、冷蔵庫150のお出かけ検知Aの制御フローチャートであり、図28Cは、冷蔵庫150の使用状況判定Aの制御フローチャートであり、図28Dは、冷蔵庫150のお出かけ検知Bの制御フローチャートである。
また、図28Eは、本発明の実施の形態6における冷蔵庫150の使用状況判定Bの制御フローチャートであり、図28Fは、冷蔵庫150の使用状況判定Cの制御フローチャートであり、図28Gは、冷蔵庫150のお出かけ検知Bにおける別の例の制御フローチャートであり、図28Hは、冷蔵庫150の使用状況判定Dの制御フローチャートである。
図28Aにおいて、冷蔵庫150の電源が投入される(S201)と、初期準備として、収納変化により除霜周期を判定するためのFlagAおよびFlagBに、初期値(例えば、A=0、B=0)を設定し、タイマtcを0とし、除霜周期td0を所定の値に設定する(S202)。
次に、ステップS203に移行し、冷却運転が開始され、あらかじめ設定された温度帯
まで冷蔵庫150の貯蔵室を冷却する。
次に、ステップS204において、除霜動作時間(除霜周期td0)に到達したかどうかが判別される。すなわち、電源投入してからの冷却運転時間tcが、td0時間経過していなければ(S204、NO)、通常冷却を継続する。一方、冷却運転時間tcがtd0時間経過した場合(S204,YES)、除霜動作を開始する(S205)。ただし、このとき、除霜終了後に想定される貯蔵室への暖気の流入による貯蔵室温度上昇を抑制するため、除霜開始前に一定時間冷却を継続し、通常より低い庫内温度を確保してもよい。
ステップS205において、除霜が開始されると、圧縮機170が停止し、例えば除霜部195で冷却器を中心に付着した霜に熱を与え融解、液化させる。液化した除霜水は、冷却室下面に流れて、庫外に排水される。さらに冷却器自身の温度が上昇して、冷却器またはその周辺に取り付けられた温度センサの検知温度が、決められた温度以上を検知した場合には、除霜を終了(S206)し、ステップS207に移行して、通常制御である「お出かけ検知A」に移行する。
次に図28B、図28Cを用いて、「お出かけ検知A」について説明する。
通常冷却モードに入り、「お出かけ検知A」モードに入ると、準備として、収納量変化に応じた除霜周期を判定するためのFlagAを例えば「1」、タイマtcを「0」にそれぞれ設定し、除霜周期td1を所定の値に設定する。次にステップS213において、冷却運転が開始され、タイマtcのカウントが開始され、ステップS214の「使用状況判定A」処理に移行する。
ここで、「使用状況判定A」の制御フローチャートについて、図28Cを用いて説明する。
使用状況判定Aが開始すると、ステップS232でFlagAが「1」であるか否かが判定される。もし、FlagAが「1」であれば(S232,YES)、当該期間に収納量の変化がないと判定し、ステップ233に移行する。もし、FlagAが「1」以外であれば(S232,NO)、当該期間に収納量変化があったと判定し、収納量変化判定は行わず、使用状況判定Aを終了する。
ステップS233に移行した場合には、記憶部194に記憶されている基準の収納量と、最新の収納量との差である収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mc以下であるかが判定される。
収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mc以下であると判定される場合(S233、YES)には、ステップS234に移行する。ステップS234においては、収納変化量が閾値以下であるので、人の生活がない(不在である)ために収納量が変化していないと判定し、FlagAをそのまま「1」として、使用状況判定Aを終了する。一方、収納変化量△Mがあらかじめ決められた閾値Mcよりも大きれば(S233,NO)、ステップS235へ移行し、収納量の変化があった、つまり、使用者が在宅していると判定して、FlagAを「0」として、使用状況判定Aを終了する。
このように収納量変化を見分けることで、使用者の在宅、不在の判定を行い、これをデータベース化することによって、長期間の不在を判定することができる。
図28Bに戻って、ステップS214の「使用状況判定A」からステップS215に移行した場合には、除霜タイミングに到達したか否かが判定される(S215)。もし、タ
イマtcが除霜周期td1を超過したと判定すると(S215、YES)、ステップS216に移行して、除霜運転を開始する。具体的には、演算制御部163は、圧縮機170を停止し、除霜部195への通電を開始する。除霜が開始されると、除霜部195により冷却器を中心に付着している霜に熱を与え融解、液化させる。そして、冷却器に付着した霜が融解、液化し、冷却器から除霜水が冷却室下面に流れる。さらに、冷却器自身の温度が上昇し、冷却器またはその周辺に取り付けられた温度センサが、決められた温度以上を検知すると除霜を終了する(S218)。
この除霜動作中においても、前述した「使用状況判定A」処理を動作させ、収納量変化の判定を行う(S217)。
除霜終了後、ステップS219に移行し、収納変化量△Mが閾値より少ないと継続的に判断され、FlagAに「1」が設定されている場合(S219,YES)には、不在状態が継続していると判断して、ステップS220の「お出かけ検知B」処理に移行する。一方、収納量変化量△Mが閾値Mcより多いと判断され、FlagAに「0」が設定されている場合(S219,NO)には、ステップS221の「お出かけ検知A」処理に移行する。この場合には、前述した「お出かけ検知A」処理を再度行う。
次に、図28D〜図28Fを用いて、除霜周期の延長を判断する「お出かけ検知B」処理について説明する。
「お出かけ検知B」処理に移行する条件としては、前述した制御フローチャートで説明したが、前々回の除霜終了後からの収納量変化△Mが閾値Mcより小さく、人の生活がなく不在であり、収納変化が少ないと予測されていることが前提となっている。
「お出かけ検知B」処理に移行すると、ステップS252において、準備として、収納変化により決定される除霜周期を判定するためのFlagBに初期値「1」、タイマtcを「0」を設定し、次の除霜周期td1を設定し、ステップS253において、冷却運転を開始し、次にステップS254で「使用状況判定B」処理の制御を行う。
ここで、図28Eを用いて、「使用状況判定B」処理について説明する。「使用状況判定B」処理に移行すると、ステップS272に移行して、FlagBが「1」であるか否かが判定される。もし、FlagBが「1」であれば(S272,YES)、過去に収納量変化がないと判定して、ステップS273に移行する。一方、FlagBが「1」以外であれば(S272,NO)、過去に収納量変化があったと判定して、収納量変化判定は行わず、使用状況判定Bを終了する。
ステップS273に移行した場合には、記憶部194に記憶されている基準の収納量と最新の収納量との収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mc以下であるか否かが判定される。収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mc以下であれば(S273,YES)、ステップS274に移行して、FlagBはそのまま「1」(FlagAもそのまま「1」)として、「使用状況判定B」処理を終了する。
一方、収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mcより大きければ(S273,NO)、ステップS275へ移行し、収納の変化があった、つまり、使用者が在宅(帰宅)して冷蔵庫150を使用したために収納に変化があったと判定し、FlagAおよびFlagBを「0」として、使用状況判定Bを終了する。
このように、貯蔵室内の収納状態を検知し、その収納変化が継続してない(少ない)場合、不在により冷蔵庫を使用していないため収納変化がないと判定でき、これらの情報を
積み重ねることにより長期不在を判定することができる。
図28Dに戻って、ステップS254の「使用状況判定B」処理が終了すると、ステップS255において、除霜タイミングに到達したか否かを判定する。もし、タイマtcが除霜周期td1を超過した場合(S255,YES)、ステップS256に移行する。一方、タイマtcが除霜周期td1以下の場合(S255,NO)には、繰り返し「使用状況判定B」(S254)処理を行う。
ステップS255において、タイマtcがtd1を超過した場合、ステップS256に移行し、FlagBが「1」であるか否かの判定を行う。FlagBが「1」ならば、収納量変化がなく、不在状態が継続していると判断して、ステップS257に移行する。ステップS257では、除霜周期td1をtd2に延長する(例えば、通常14時間であったものを26時間に延長する等)。
一方、ステップS256において、FlagBが「1」以外であれば、「お出かけ検知B」制御の開始後、収納変化があった、つまり、在宅状態に変化したと判断して、直ちにステップS265に移行して除霜を開始する。そして通常に除霜をおこなった後、ステップS266で除霜を終了し、ステップS267の「お出かけ検知A」処理に移行する。
また、ステップS257で除霜周期を延長した場合には、ステップS258の「使用状況判定C」処理に移行する。
ここで、「使用状況判定C」処理について、図28Fの制御フローチャートを用いて説明する。「使用状況判定C」処理に移行すると、ステップS282において、記憶部194に記憶されている基準の収納量と最新の収納量との収納変化量△Mがあらかじめ決められた閾値Mc以下であるか否かが判定される。収納変化量△Mがあらかじめ決められた閾値Mc以下である場合(S282,YES)は、使用状況判定Cを終了する。
一方、収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mcよりも大きければ(S282,NO)、直ちにステップS284へ移行し、除霜運転を行い、終了後(S285)、「お出かけ検知A」処理に移行する(S286)。
なお、上記説明では除霜を直ちに除霜運転を行う制御で説明したが、冷却器の冷却能力を推測して、仮に直ちに除霜を行わなくてもある程度余力があるなら、除霜の開始をそのまま、除霜周期td2のタイミングまで延長してもよい。
図28Dに戻って、ステップS258の「使用状況判定C」処理が終了すると、演算制御部163は、タイマtcが除霜周期td2を超えているかどうかを判断する。もし、超えていなければ(S259,NO)、「使用状況判定C」処理を繰り返し行う。
一方、タイマtcが除霜周期td2を超えた場合は、ステップS260に移行して除霜運転を開始する。なお、除霜中は、図28DのステップS261に移行して、「使用状況判定B」処理を行う。そして、ステップS262で除霜終了するとステップS263に移行する。ステップS263では、FlagBが「1」であるか否かが判定される。
収納量変化により決定させる除霜周期を判定させるためのFlagBが「1」なら(S263,YES)、不在が継続していると判断し、「お出かけ検知B」処理に移行する。一方、FlagBが「1」以外なら(S263,NO)、不在状態が解消されたとして、「お出かけ検知A」処理に移行する(S267)。
「お出かけ検知B」処理に関しては、FlagBを設定しているが、FlagAのみでのプログラム設計も可能である。次にその制御について、図28Gの制御フローチャートを用いて説明する。
図28BのステップS219の判定により不在であると判定され、「お出かけ検知B」処理に移行したとき、図28Gの制御フローに移行する。
「お出かけ検知B」処理に移行すると、ステップS302でタイマtcを「0」、除霜周期td2(お出かけ時の除霜周期)を所定の値に設定する(FlagAは前のルーチンより「1」に設定されている)。
次に、ステップS303で冷却運転が開始されると、図28Cで説明した「使用状況判定A」処理を行う(S304)。
次に、ステップS305で、タイマtcと通常の除霜周期td1とを比較し、タイマtcが除霜周期td1を超えていなければ(S305,NO)、引き続き「使用状況判定A」処理(S304)を行い、もしタイマtcが除霜周期td1を超えた場合には(S305,YES)、ステップS306の「使用状況判定D」処理に移行する。
ここで、ステップS306の「使用状況判定D」処理について図28Hを用いて説明する。
「使用状況判定D」に移行すると、ステップS322で、収納変化により決定させる除霜周期を判定させるためのFlagAが「1」であるか否かが判定される。
FlagAが「1」である場合(S322,YES)、ステップS323に移行する。ステップS323では、記憶部194に記憶されている収納量と最新の収納量との収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mc以下であるかが判定される。
収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mc以下であれば(S323,YES)、「使用状況判定D」処理を終了する。もし、収納変化量△Mが、あらかじめ決められた閾値Mcより大きければ、ステップS325へ移行し、除霜運転を行い、終了(S326)後、「お出かけ検知A」処理に移行する(S327)。
また、ステップS322で、FlagAが「1」以外であれば(S322,NO)、収納量変化があったとしてステップS325に移行し、除霜運転を行い、終了(S326)後、「お出かけ検知A」処理に移行する。
図28Gに戻って、「使用状況判定D」処理が終了すると、ステップS307に移行し、タイマtcが除霜周期td2を超えるか否かが判定される。
タイマtcが除霜周期td2を超えなければ(S307,NO)、引き続き「使用状況判定D」処理を繰り返し行う。一方、タイマtcが除霜周期td2を超えると(S307,YES)、ステップS308に移行し、除霜を開始する。
ステップS308では除霜を開始し、ステップS310で除霜終了するまではステップS309において「使用状況判定A」処理を行う。
ステップS310における除霜終了後、ステップS311に移行し、収納変化により決定させる除霜周期を判定させるためのFlagAが「1」であるか否かが判定される。F
lagAが「1」である場合(S311,YES)には、不在状態が継続していると判断して、引き続き「お出かけ検知B」へ移行する(S312)。一方、もし、FlagAが「1」でなければ(S311,NO)、不在状態が解消されて在宅していると判定し、ステップS313に移行して、「お出かけ検知A」処理に移行する。
以上のように、本実施の形態の冷蔵庫150によれば、収納の変化が少なければ、人が生活していない、つまり、不在状態である、あるいは、在宅していたとしても冷蔵庫の使用頻度が少ないと判断し、その状態が所定時間継続する。また、冷却器に付着している霜が少なく、冷却能力が十分あると判断したときは、自動的に除霜運転をカット(少なく)することによりヒータ等にかかる電力削減と庫内温度上昇を防ぐことができる。これにより、省エネルギー化を図り、さらに温度変動も抑制することで保鮮性を向上させることができる。
次に、図29A〜図29Dを用いて、除霜タイミングの動作イメージを説明する。図29Aは、本発明の実施の形態6における冷蔵庫150の基本的な除霜タイミングの動作イメージ図であり、図29Bは、冷蔵庫150の帰宅時の除霜タイミングの動作イメージ図であり、図29Cは、冷蔵庫150の除霜時間にタイムセーフがあった場合の動作イメージ図であり、図29Dは、冷蔵庫150において、除霜中に不在になった場合の動作イメージ図である。
人が、旅行や帰省等で出かけるとき、冷蔵庫の扉開閉や食品の出し入れは出発前まで行っていると仮定できる。このため、冷却器にはある程度の霜が付着しており、場合によっては冷却を阻害するような多量の霜が付着している場合がある。 仮に、図29AのA点で旅行に出発したとすると、それ以後の収納量変化は基本極めて少なく、また、扉開閉は、使用者が帰宅するまで基本的に行われない。ある時間が経過すると、B点で除霜が開始され、霜を融解、排水するために、除霜部195である除霜ヒータに通電、加熱される。B点の除霜終了後、冷却器は霜のない状態に戻る。
次に、BC点間で冷却運転がなされるが、この間、使用者は不在のため、扉開閉がなく、冷却器に霜が付着する量は極めて少ない。ただし、AB点間の間隔が極めて短く、また、除霜前に多くの食品の投入や扉開閉があった場合には、B点の除霜終了後の貯蔵室温度は比較的高く、また、貯蔵室内に含まれる水蒸気の量も多い。このため、B点の後の冷却運転で設定温度には十分冷却されるものの、貯蔵室内を除湿・冷却した水蒸気の多くが冷却器に霜として付着する可能性がある。
このため、BC点間の冷却運転後、通常の除霜周期に到達したなら通常通り除霜運転を行い、残りの霜を除去する。このC点でも不在状態が継続されているなら庫内温度は十分に冷却できており、また、冷却器にはCD点間の冷却運転で十分な冷却性能を保ったままでD点まで冷却運転を行うことができる。
CD点間でも不在状態が継続し、除霜タイミングD点に到達した時、本実施の形態の冷蔵庫150は、収納変化がないことを継続して検知し、これにより不在状態が継続していると判定した場合、冷却能力も十分あることからD点での除霜運転をカットする。冷却運転を継続することでヒータ入力の低減、除霜による庫内温度の上昇を抑制することができる。これにより、省エネルギー化が図れ、また、延長したE点で確実に除霜運転を行うことにより、冷却性能を確実に確保することができる。
なお、図29Bに示したように、DE点間のいずれかで使用者が帰宅し、その後、冷蔵庫150の収納量に変化があったと検知した場合には、直ちにX点で除霜動作を行い、冷却量を確保し、通常の除霜周期td1に戻してY点に到達後に除霜運転を行う。
ただし、X点にて冷却能力がまだ十分にあり冷却不足等が起こる可能性が少ない場合には、引き続き除霜運転を延期してもよい。
一方、図29Cのように、旅行出発前に何らかの極めて高い負荷が貯蔵室に入る、もしくは、冷却器に多量の霜が付着している場合がある。このとき、旅行出発のA´点から以降に扉開閉はないが、すでに多量の着霜があり、B´点での除霜では、あらかじめ決められた除霜時間の上限値(例えば60分)でも所定温度に達せず、除霜が終了する場合がある。この場合、例えば、次の除霜周期をtd1よりも短いtdsに設定し、C´点まで冷却運転を行うことができる。
次に、C点で除霜運転を行い、除霜時間が決められた時間内に終了したら、通常の周期td1で再び冷却運転を行う。そして、D´点で再び除霜運転を行い、2回続けて時間内に終了し、かつ、収納量変化が少ない場合には、除霜周期をtd2に変更して、継続して冷却運転を行う。
もしも、E´点の前に扉開閉があれば、除霜周期をtd1に戻して、E´点到達時に除霜運転を行う。もし、E´F´点間で収納変化があった場合には、収納変化を検知した時点で直ちに除霜運転を行う。もし、F´点まで収納変化がなければ、F´点のタイミングで除霜運転を行う。つまり、通常、E´点で行われる除霜運転をカットすることにより、省エネルギー化を図る。
さらに、図29Dに示すように、除霜中に使用者が旅行に出発した場合、除霜中に扉開閉や貯蔵室に食品を投入した可能性がある。このような場合には、B”点とC”点の2回は通常通り除霜運転を行い、不在が継続していると判断すると次のD”点の除霜運転をカットして、冷却運転を継続する。
以上のように、本実施の形態においては、冷却器への霜の付着量が少なく、十分冷却能力があるにも関わらず高いヒータ入力等で行う除霜運転を抑制することで省エネルギー化を図ることができる。また、温度上昇を防ぐことができるので保鮮性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、除霜周期を延長することにより、除霜回数が削減でき、温度変動も抑制できる。これにより、保鮮性が向上するとともに、動作回数も減少するので、除霜部195や周辺部材の温度上昇を低減でき、信頼性も向上する。
なお、本実施の形態では、収納変化を検知して除霜動作を制御し、省エネルギー化を図るとしたが、例えば、圧縮機170の回転数や冷却ファン171の回転数を下げることにより徐冷を行うこと、または、圧縮機170のON/OFF回数の低減等でさらに省エネルギー化を図ることができる。
さらに、使用者が不在である場合には、扉開閉による食品の温度上昇がないと考えられるので、貯蔵室の設定温度を、通常より高め(1K程度高め)の設定にすることも可能となり、これによりさらに省エネルギー化を図れる。
また、本実施の形態においては、使用者の不在検知を、収納量変化を用いて行っているが、本発明はこの例に限定されない。例えば、扉開閉動作や室内の照度変化を捉えることができる扉面等の庫外面に設置された照度センサの出力値が急激に変化した場合、照明の点灯やカーテンを開けた等人間の動作を検知した場合、または、空調機器をONしたことによる設置環境の温度センサの変化等によって不在状態を検知してもよい。この場合、さ
らに人間の生活習慣を精度よく検知できる。
なお、本実施の形態では、Flagの値を「0」または「1」としたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、変化なしが「1」、増加が「2」、減少が「0」のように設定してもかまわない。この場合、よりきめ細かく冷却運転をすることができる。
また、本実施の形態では、Flagを「0」または「1」としたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、アナログ検知出力値(例えば0〜5Vの電圧値を変換した値)としてもよい。この場合、さらにきめ細かく収納レベルを検知することができるので、食品量や変化量に合わせたきめ細かい制御が可能となる。
本実施の形態では、人の行動パターンを予測、冷蔵庫の使用状態を推測し、それに合わせて除霜周期や印加電圧を変化させる。これにより、最適な除霜周期や除霜部195の印加電圧を設定し、無駄な加温を減少させて省エネルギー化を図るとともに温度変動を抑えることにより収納物173の保鮮性を向上させることができる。
また、予め定められた閾値よりも収納量の変化が少ない場合には、除霜部195を動作させる間隔を延長する。この場合、人の動作が少ない、つまり不在と判定し、この状態が一定期間以上維持している場合には、除霜周期を延長する。これにより、除霜部195の無駄な加温を減少させて、省エネルギー化を図るとともに温度変動を抑え、保鮮性の維持を図ることができる。
さらに、除霜部195の動作後を基点に、扉開閉が行われない期間が一定以上あり、その間の収納量が、予め定められた閾値より収納量の変化が少なかったとき除霜部195を動作させる間隔を延長する。これにより、さらに精度よく人間の行動パターンを把握、予測でき、不在が精度よく判断できるので、さらに省エネルギー化を図ることができる。
また、除霜部195の動作後から、ある一定時間経過した時を基点として、貯蔵室の温度変動がある閾値以下であるか、または、その間収納量が予め定められた閾値より収納量の変化が少なかったときに、除霜部195を動作させる間隔を延長する。これにより、本来、冷蔵庫150にとって重要な熱負荷を把握することにより、さらに精度のよい使用状況把握が可能となる。よって、不在時には、除霜周期を延長して、更に省エネルギー化を図ることができる。
さらに、収納状況検知手段を、収納室内に設置された光源と光センサで構成している。これにより、光源の照射光は収納室内で反射を繰り返して庫内全体に行渡り、光センサに入光するので、部品数が少なく簡易な構成で収納状態を検知することができる。
また、収納状態検知手段の光源を、庫内照明と兼用する場合には、新たな光源を設けることなく、簡易な構成で収納状態を検知することができる。
さらに、収納状態検知手段の光源を複数のLEDで構成した場合には、高光度の光が光センサに入光するので、収納状態による光センサの検知感度を高めることができる。また、異なる位置にある複数のLEDを、それぞれに点灯させることで、収納状態と点灯させるLEDによって光センサの検知値が変わるので、より詳細に収納状態を推定することができる。
本実施の形態における冷蔵庫150は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室を冷却する冷却器と、冷却器を除霜する除霜部195とを備えている。また、冷蔵庫150は、収納室内の収納量を推定する収納量推定部162と、収納量
推定部162の推定結果を記憶する記憶部194とを備えている。また、記憶部194の前回までの推定結果と収納量推定部162の推定結果とに基づいて収納変化量を演算し、除霜部195の出力動作を制御する演算制御部163とを備えている。演算制御部163は、収納室内の収納変化量の演算結果から除霜部195の次回動作させる間隔を制御する。
また、演算制御部163は、収納室内の収納変化量が所定時間内に予め定められた閾値を越えない場合には、収納量に変化なしと判断して、除霜部195の次回動作させる間隔を延長する。
これにより、収納量変化が小さい時には、除霜周期を延長することができ、省エネルギー性を向上できる。
また、冷蔵庫150は、断熱扉の開閉を検知する扉開閉検知部192を備えている。演算制御部163は、除霜部195の動作後を基点として、断熱扉の開閉が行われない期間が一定時間以上ある場合には、除霜部195を動作させる間隔を延長する。
これにより、扉開閉をトリガーとすることで、検知精度向上を図ることができる。
また、冷蔵庫150は、収納室の温度を検知する温度検知手段である温度センサ191を備える。演算制御部163は、除霜部195の動作後からある一定時間経過した時を基点として、収納室の温度変動がある所定値以下である場合、除霜部195を動作させる間隔を延長する。
これにより、温度検知手段で検知される温度も考慮することにより、更なる検知精度向上を図ることができる。
また、演算制御部163は、収納室内の収納変化量の演算結果が収納量の減少方向の場合は、除霜部195の次回動作させる間隔を延長することも可能である。
これにより、収納室内の収納変化量の演算結果が収納量の減少方向の場合は、負荷が減る場合であると判断されるので、除霜周期を延長する方向に制御することで、省エネルギー性の更なる向上が図れる。
なお、本実施の形態では、旅行等の不在を想定して説明したが、一時的な在宅での冷蔵庫使用頻度が少ない場合(扉開閉は多少あるが収納量の変化が少ない場合)も同様の演算制御をすることができる。これにより、扉開閉検知部による扉開閉なしの状態で不在想定するものに対し、扉開閉は多少あるが収納量の変化が少ない場合も対応することができ、更なる省エネルギー性の向上を図ることができる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。
図30は、本発明の実施の形態7における除霜タイミングの動作イメージ図であり、図31Aおよび図31Bは同実施の形態における制御フローチャートである。
本実施の形態では、前述した実施の形態6で説明した構成と異なる部分を中心に詳細な説明を行い、実施の形態6と同一構成である部分および同一の技術思想が適用できる部分については、詳細な説明を省略する。また、実施の形態6で説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
一般的に、旅行や帰省等で家を不在にするとき、その出発日までの過程の中で冷蔵庫150内の食品量は減っていく傾向にある。これは、食品には賞味期限があり、長期不在になると賞味期限を越えるものが保存される可能性が高くなり、そのため廃棄しなくてはならないからである。これを防止するために、出かける前に効率よく食品を使いきる傾向が顕著であり、そのため貯蔵室内に保存される食品は、通常より少ない傾向となる。
そこで、通常使用している期間において、その収納量を逐次検出、演算を行い、その結果を記憶部194に保存、データベース化して、基準収納量Msを算出する。
そして、例えば海外旅行や帰省、長期出張等の長期不在になるような場合、その前に、貯蔵室の収納量は通常使用されている量より少ない収納量Mbであると検出される。
このとき、収納量Mbと基準収納量Msとの差△Mdと、あらかじめ決められたお出かけ判定収納量Mo(例えば、固定値。もしくは基準収納量Msにα(例えば0.8)を乗じた値)および基準収納量Msの差△Meとを比較する。このとき、△Mdのほうが△Meより大きい場合、お出かけしている可能性があると判定して「お出かけ検知」処理に移行する。それ以外の場合は、通常どおり冷却運転を行う。「お出かけ検知」処理した場合は、前述した除霜制御を行い、除霜動作をカットすることにより、省エネルギー化が図れる。
ここで、図31Aおよび図31Bの制御フローチャートを使って説明する。なお、概略は、図28Bおよび図28Cで説明したので、重複部分に関しては説明を省略し、詳細部分のみを説明する。
図31Aの「お出かけ検知A」処理において、ステップS212で、諸パラメータの設定を行う。次に、ステップS213でタイマtcをスタートさせて、ステップS222に移行する。
ステップS222において、現状の算出収納量Mbおよび基準収納量Msの差△Mdと、現状の算出収納量Mbおよびお出かけ判定収納量Moの差△Meとを比較する。△Mdのほうが△Meより大きければ(S222,YES)、通常運転とは異なった使い方であり、お出かけしている可能性が高いとしてFlagAを「1」のままとする(S223)。
一方、△Meが△Md以上であれば(S222,NO)、通常の使用方法であり、在宅であると判断して、FlagAを「0」とする(S224)。そして、ステップS214以降については、実施の形態6で、図28Bを用いて説明したものと同じである。
また、別の処理フローとして、図31Bを用いて説明する。
図31Bにおいて、使用状況判定Aが開始すると、ステップS232でFlagAが「1」であるか否かが判定される。
FlagAが「1」である場合(S232,YES)、ステップS239に移行する。ステップS239において、現状の算出収納量Mbおよび基準収納量Msの差△Mdと、現状の算出収納量Mbおよびお出かけ判定収納量Moの差△Meとを比較する。△Mdのほうが△Meよりも大きければ(S239,YES)、通常とは異なった使い方であり、使用者がお出かけしている可能性が高いとしてステップS233に移行し、収納量の変化量△Mがあらかじめ設定した閾値Mc以下であれば、ステップS234でFlagAを「
1」のままとする。もし、△Meが△Md以上であれば(S239,NO)、また、収納量の変化量△Mがあらかじめ設定した閾値Mcよりも大きければ(S233,NO)、通常の使用方法で在宅と判断して、ステップS235に移行してFlagAを「0」として、「使用状況判定A」処理を終了して、メインルーチンに移行する。
以上述べたように、本実施の形態においては、通常の収納状況を演算、基準化することによって、想定されている収納状態より減少した収納状況の場合、お出かけ状態であると判断し、除霜運転等を制御することにより省エネルギー化を図ることができる。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8について説明する。
図32Aおよび図32Bは、本発明の実施の形態8における制御フローチャートである。
なお、実施の形態6および実施の形態7で説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
図32Aの「お出かけ検知A」処理に移行すると、ステップS332で諸パラメータの設定を行う。具体的には、扉開閉数Dnを「0」、FlagAを「1」、タイマtcを「0」、除霜周期td1を所定の値にそれぞれ設定する。次に、ステップS213に移行し、タイマtcを開始させ、ステップS214の「使用状況判定A」処理に移行する。
本実施の形態における「使用状況判定A」処理について、図32Bを用いて説明する。
「使用状況判定A」処理を開始させると、ステップS232で、FlagAが「1」であるかどうかが判定される。もし、FlagAが「1」であるなら(S232,YES)、ステップS333に移行する。
ステップS333においては、収納変化量△Mがあらかじめ決められている閾値Mc以下であるか、または、扉開閉数が「0」かどうかが判定される。収納変化量△Mがあらかじめ決められている閾値Mc以下である場合、または、扉開閉数が「0」である場合には(S333,YES)、使用者が不在状態であると判定して、FlagAを「1」のままにする(S234)。
一方、収納変化量△MがMcより大きい、または、扉開閉数が「0」でない場合には、使用者が在宅である可能性があると判定し、ステップS235にてFlagAを「0」にし、「使用状況判定A」処理を終了し、メインルーチンに移行する。
これらの制御により、収納変化に加えて、扉開閉数も、使用者の「在」、「不在」の判定指標にすることができる。これにより、さらに精度のよいお出かけ検知ができ、省エネルギー化を図ることができる。
なお、人感センサや冷蔵庫の周囲の照度を検知する照度センサを組み合わせることで、さらに精度のよいお出かけ状態を検知することができる。
以上述べたように、本実施の形態においては、除霜部の動作後を基点に扉開閉が行われない期間が一定以上あり、その間の収納量が予め定められた閾値より収納量の変化が少なかったときに除霜部を動作させない。これより、想定されている収納状態よりも収納量が減少した場合、お出かけ状態であると判断し、適正な除霜運転等を制御することによって
省エネルギー化を図ることができる。
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9について説明する。
図33Aおよび図33Bは、本発明の実施の形態9における制御フローチャートである。なお、実施の形態6から実施の形態8それぞれで説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
図33Aの「お出かけ検知A」処理に移行すると、ステップS342で諸パラメータの設定が行われる。具体的には、FlagAを「1」、タイマtcを「0」に設定し、除霜周期td1、冷蔵室温度変動TPC、冷凍室温度変動TFCをそれぞれ設定する。
次に、ステップS213に移行し、タイマtcを開始させ、ステップ214の「使用状況判定A」処理に移行する。
本実施の形態の「使用状況判定A」処理について、図33Bを用いて説明する。
使用状況判定Aを開始させると、ステップS232でFlagAが「1」であるか否かが判定される。もし、FlagAが「1」である場合(S232,YES)には、ステップS343に移行する。
ステップS343においては、収納変化量△Mがあらかじめ決められている閾値Mc以下である、冷蔵室温度変動TPCがあらかじめ決められた変動幅TPCSより小さい、または、冷凍室温度変動TFCがあらかじめ決められた変動幅TFCSより小さいかどうかが判定される。いずれかの関係が満たされる場合には(S343,YES)、食品投入や扉開閉な熱負荷がないと判定し、使用者は不在と判定し、FlagAを「1」のままとし(S234)、「使用状況判定A」処理を終了する。
一方、収納変化量△Mが閾値Mcよりも大きい、冷蔵室温度変動TPCおよび冷凍室温度変動TFCがあらかじめ決められた変動幅TPCS、TFCS以上であるなら、使用者は在宅である可能性があると判定する。この場合、ステップS235にてFlagAを「0」として「使用状況判定A」処理を終了させ、メインルーチンに移行する。
以上述べた処理により、収納変化に加えて温度変動も、使用者の「在」「不在」の判定指標にすることができる。これにより、さらに精度のよいお出かけ検知ができ、省エネルギー化を図ることができる。
以上のように、本実施の形態においては、除霜部の動作後からある一定時間経過した時を基点として、貯蔵室の温度変動がある閾値以下であるか、または、その間予め定められた閾値よりも収納量の変化が少なかったときに、除霜部を動作させる間隔を延長する。これによりさらなる省エネルギー化を図ることができる。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、前記収納室内の収納量を推定する収納量推定部と、前記収納量推定部の推定結果を記憶する記憶部と、前記記憶部のデータから前記収納室内の将来の収納量の変化を予測する収納量変化予測部と、前記収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データに基づいて電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部と、を備えたもので、前記収納量変化予測部は、前記記憶部に記憶された過去の複数週の収納量推定データから将来の一週間の中でのまとめ買い日を特定し、前記まとめ買い日と、まとめ買いで
ない日とで、前記電気機能部品の出力動作を切り替えて冷却量を制御するものである。
請求項1に記載の発明は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、前記収納室内の収納量を推定する収納量推定部と、前記収納量推定部の推定結果を記憶する記憶部と、前記記憶部のデータから前記収納室内の将来の収納量の変化を予測する収納量変化予測部と、前記収納量変化予測部の将来の収納量の変化予測データに基づいて電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部と、を備えたもので、前記収納量変化予測部は、前記記憶部に記憶された過去の複数週の収納量推定データから将来の一週間の中でのまとめ買い日を特定し、前記まとめ買い日と、まとめ買いでない日とで、前記電気機能部品の出力動作を切り替えて冷却量を制御するものであり、収納室内の将来の収納量の変化を予測して適切に対応することができ、省エネ性を高めながら、保鮮性を向上した使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。