第1の発明は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、前記収納室内の収納量を推定する収納量推定部と、前記収納量推定手段の推定結果を記憶する記憶部と、前記収納室内を冷却する冷凍装置と、前記冷凍装置を構成する切替可能な複数の冷却器と、前記収納量推定部と前記記憶部との入力データに基づいて演算し前記冷凍装置を制御する演算制御部と、を備え、前記演算制御部は、収納量の演算結果に基づいて前記冷凍装置の複数の冷却器を切り替えて制御するもので、前記演算制御部は、前記収納量推定部での収納変化量が所定の閾値を越えた場合、収納量が増加したと判断して、収納量が増加したと判断した収納室の冷却能力をアップするとともに、所定の閾値を越えない場合は、収納量に変化がないと判定して、前記収納量推定部の推定結果前の前記記憶部の収納量を維持し、前記冷凍装置の複数の冷却器を切り替えず維持するものである。
これにより、通常時は、省エネ運転ができるとともに、まとめ買いなどで収納量が大きく変化した場合には収納量変化があった部屋を集中して冷却し、投入した収納物を短時間で最適保存温度まで冷やすことができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記収納室内の温度を検知する温度検出部を備え、前記演算制御部は収納室の収納量の変化情報と前記収納室内の温度情報に基づいて、前記冷凍装置の複数の冷却器を切り替えて制御するものである。これにより、収納量の変化をより精度良く検知し、更に収納物の高い保鮮性を実現することができるとともに、収納状況や使用状況に合わせて冷却量を調節するので、「冷えすぎ」を防止し更なる省エネを実現できる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記冷却器は、少なくとも冷蔵温度帯の収納室と冷凍温度帯の収納室をそれぞれ冷却するように配置したものである。これにより、複数の冷却器はそれぞれ冷蔵温度帯と冷凍温度帯の適した蒸発温度で冷却可能となり、冷却効率を高めながら収納状況や使用状況に合わせて冷却量を調節することができる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、前記収納室内に発光部と光量検知部を備え、前記収納量推定部は光量検知部の検知結果に基づいて収納量を推定するものである。これにより、光源の照射光は収納室内で反射を繰り返して庫内全体に行渡り、光センサに入光するので、部品数が少なく簡易な構成で収納量を推定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、この発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の正面図である。
図1に示したように、冷蔵庫50は、冷蔵庫本体11を備えている。冷蔵庫本体11は断熱箱体であり、主に鋼板を用いた外箱と、ABS等の樹脂で成形された内箱と、外箱と内箱との空間には、ウレタン等の断熱材とを有する構造で、周囲とは断熱されている。
冷蔵庫本体11は、複数の貯蔵室に断熱区画されている。最上部には、冷蔵室12が設けられ、冷蔵室12の下部には製氷室13および切換室14が横並びに設けられている。製氷室13および切換室14の下部には冷凍室15、最下部には野菜室16が、それぞれ配置されている。
各貯蔵室の前面には、外気と区画するための扉が、冷蔵庫本体11の前面開口部に構成されている。冷蔵室12の冷蔵室扉12aの中央部付近には、各室の庫内温度設定や、製氷および急速冷却等の設定を行うための操作部17と、使用者にさまざまな情報を報知するための報知部の一例である表示部91とが配置されている。
図2は、本発明の第1の実施の形態における冷蔵庫50の、図1における2−2線断面図である。
図2に示したように、冷蔵室12内には、複数の収納棚18が設けられ、一部の収納棚18は、上下に可動できるように構成されている。
また、冷蔵室12内には、ランプや複数のLED等で構成された照明部19、ならびに、LED等の発光部20および照度(光)センサ等の光量検知部21で構成された収納状況検知部が設けられている。
照明部19は、冷蔵庫50内の扉開放側前面から見て、庫内の奥行寸法の1/2より手前で、かつ、収納棚18の先端よりも前方(手前)に位置するように、左側壁面および右側壁面にそれぞれ縦方向に配置されている。また、発光部20は、照明部19と近接する位置に隣接配置されており、光量検知部21は、冷蔵室12内の後方位置に配置されている。
なお、光量検知部21の配置は、上述の例に限定されず、収納物33(図4参照)、および、庫内の構造物を介して、発光部20により照射される光を受光可能な位置に配置されている限り、庫内の何れの位置に配置しても構わない。
冷蔵室12内の最上部の後方領域に形成された機械室内には、圧縮機30、および、水分除去を行うドライヤ等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収納されている。
冷凍室15の背面には、冷気を生成する冷却室が設けられ、冷却室内には、冷却器、および、冷却器で冷却した冷却部である冷気を、冷蔵室12、切換室14、製氷室13、野菜室16および冷凍室15に送風する冷却ファン31(図3参照)が配置されている。また、冷却器やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためにラジアントヒータ(除霜部68(図3参照))、ドレンパンおよびドレンチューブ蒸発皿等が構成されている。
冷蔵室12は、冷蔵保存を行うために、凍らない温度を下限として通常1℃〜5℃に温度制御され、最下部の野菜室16は、冷蔵室12と同等または若干高い2℃〜7℃に温度制御されている。
また、冷凍室15は、冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃に温度制御されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温に温度制御されるように設定される場合もある。
製氷室13は、冷蔵室12内の貯水タンク(図示せず)から送られた水により、室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷をつくり、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
切換室14は、1℃〜5℃に設定される冷蔵温度帯、2℃〜7℃に設定される野菜温度帯、通常−22℃〜−15℃に設定される冷凍の温度帯以外にも、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる。切換室14は、製氷室13に並設された、独立扉を備えた貯蔵室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
なお、本実施の形態では、切換室14を、冷蔵および冷凍の温度帯を含めた温度に調整可能な貯蔵室であるとしているが、冷蔵機能は冷蔵室12と野菜室16に、冷凍機能は冷凍室15に、それぞれ委ねて、冷蔵と冷凍の中間の温度帯のみの切り換えに特化した貯蔵室としてもよい。また、特定の温度帯、例えば、近年冷凍食品の需要が多くなってきたことに伴い、冷凍に固定された貯蔵室としてもよい。
以上のように構成された冷蔵庫50について、その動作および作用を説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態における冷蔵庫50の制御ブロック図である。
図3に示したように、冷蔵庫50は、光量検知部21、温度センサ61、扉開閉検知部62、演算制御部22、発光部20、圧縮機30、冷却ファン31、温度補償ヒータ32、ダンパ67、除霜部68および表示部91を備えている。
なお、外部環境を測定するために、外気温度センサ63および庫外照度センサ72をさらに備えていてもよいが、必須ではない。
また、本実施の形態では、ダンパ67は、冷蔵室用ダンパ67a、切換室用ダンパ67b、冷凍室用ダンパ67c、野菜室用ダンパ67dを備え、各貯蔵室に備えた温度センサに基づいて独立して温度制御している。
また、演算制御部22は、収納量推定部23、温度情報判定部70、扉開閉情報判定部71、比較情報判定部24、変化情報判定部25、記憶部64、運転開始判定部65および運転終了判定部66を有している。
本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作が行われると扉開閉検知部62により開動作または閉動作を検知し、その信号をマイコン等で構成される演算制御部22に入力し、扉開閉情報判定部71によって、扉の開閉動作が判定される。扉が閉じたと判定された場合には、演算制御部22は、あらかじめ決められたプログラムにより、発光部20を順次動作させる。
光量検知部21は、近傍の光量を検知し、その情報を演算制御部22に入力し、収納量推定部23によって収納量や収納物の位置等の収納情報が得られる。
得られた収納情報は、比較情報判定部24によって、例えば、扉開閉動作前後の収納情報の比較がなされ、その結果、比較情報が得られる。
次に、変化情報判定部25によって、比較情報と所定の閾値とが比較されて、収納量や収納物の位置等の収納情報の変化情報が得られる。
そして、演算制御部22の運転開始判定部65は、得られた変化情報に基づいて、節電運転・急冷運転の開始判断を行い、冷却運転にまつわる圧縮機30、冷却ファン31、温度補償ヒータ32、ダンパ67、除霜部68、および表示部91の動作を決定し、運転を開始する。また、演算制御部22の運転終了判定部66は、節電運転・急冷運転の終了判断を行い、上述した各構成要素の運転を終了させる。
ここで、収納状況検知部を構成する発光部20および光量検知部21の動作を詳細に説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態における冷蔵庫50の収納状況検出動作を説明するための図である。
冷蔵庫60の左右両壁面に配置された発光部20から出力された照射光34aは、冷蔵室12内および冷蔵室12内部に収納された収納物33を照射する。また、この照射光34aの一部は、冷蔵室12内に配置した光量検知部21に入射する。図4は、冷蔵室12内に収納物33が収納されている場合に、収納物33の存在により、左右両壁面からの照射光34aが共に遮蔽される領域A、何れか一方の照射光34aが遮蔽される領域B、および左右の何れの照射光34aも遮蔽されない領域Cが発生する様子を示している。
この場合、光量検知部21は、何れか一方の照射光34aが遮蔽される領域Bにあり、該当する光量を検知して出力する。また、収納物33の量が多い場合には、共に遮蔽される領域Aが増加するため、光量検知部21の検知光量は減少する。
また、収納量が少ない場合には、何れの照射光34aも遮蔽されない領域Cが増加するため、光量検知部21の検知光量は増加する。
このように、収納物33の存在、および収納物33の量の違いに起因した光量変化を光量検知部21で検出し、検知結果を、予め設定した所定の閾値を用いて判別することにより、庫内の収納物33の量(例:多いか少ないか)を分類することができる。
なお、発光部20を、冷蔵庫50内に設けられている照明部19と兼用する、または、発光部20の基板と照明部19の基板とを兼用することにより、新たな光源、材料を設けることなく、より簡易な構成で収納状態の検知が可能となる。
次に、冷蔵庫50の貯蔵室の温度制御の動作を説明する。
図5Aおよび図5Bは、本発明の第1の実施の形態における冷蔵庫50の動作を示す、時間に対する温度変化を示す図である。
図5Aは、収納量の増加量が標準よりも多い場合の冷蔵庫50の温度変化を示し、図5Bは、収納量の増加量が標準より少ない場合の冷蔵庫50の温度変化を示している。なお、実線は、本実施の形態における庫内の収納物33の温度および貯蔵室の代表温度を示し、破線は従来の冷蔵庫の制御を行った場合の収納物33の温度および貯蔵室の代表温度の時間依存性を示している。
設定温度Koは、予め設定した収納物33の保存温度である。収納量の増加量が標準よりも多い場合および少ない場合に、収納量推定部23における収納量の判別結果に基づい
て、演算制御部22が、冷蔵庫50の運転状態を切り換えるものとする。なお、説明を簡単にするため、それぞれの収納物33の種類は、同じであるとしている。また、収納量の増加量の「多い・標準・少ない」の判定基準は、冷蔵庫のサイズ・構成・制御方式によって異なるため、本明細書中に示した例に限定されるものではない。
図5Aにおいて、収納物33を貯蔵室に保存するために、冷蔵庫50の扉を開け、食品等の収納物33を貯蔵室に投入して扉を閉めると想定する。そうすると、同種の収納物33を標準よりも多く収納した場合には、光量検知部21の検知光量は標準の場合よりも減少する。この検知光量の減少の度合いにより、変化情報判定部25は、庫内の収納量の増加量が多いと判別する。この場合、図5Aに示すように、従来の冷却運転(破線)では、収納物が保持する熱容量が多く、また、従来の温度検知部では時間遅れ等が発生するため、急速に冷却量を増加させることはできない。このため、ある程度温度上昇が生じ、その後冷却量が増加し、冷却に転じ、設定温度Koに近づくが、冷却量が増加しているためある程度の過冷状態を生じ、その後Koで安定する。
一方、本実施の形態の冷蔵庫50は、扉閉時に食品の投入量を迅速に検知することができるので、例えばある一定の収納量増加以上の増加を検知したときは、急速に冷却量を増加させて、庫内温度の上昇を抑えるとともに、投入した収納物33を急速に冷却することができる。また、過冷防止のために、設定温度近傍に到達すれば冷却量を減少させることもできる。これにより、過冷状態を防止して節電を図ることができる。
また、収納量の増加量が標準よりも少ない場合には、光量検知部21の検知光量は標準の場合よりも増加する。この検知光量の増加の度合いにより、変化情報判定部25は、庫内の収納量の増加量が少ないと判別する。
この場合、図5Bに示すように、従来の冷却運転(破線)では、収納物33が設定温度に至るまでの時間が早く、必要以上に電力を消費して冷却運転を行ってしまう場合がある。また、扉開閉等の信号によって冷却量を増加させて、過冷状態になってしまう場合もある。 よって、既定した時間内に設定温度に至るように、演算制御部22は、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管側へ切替え、圧縮機30の回転数を抑制、または冷気の循環量を低減し、節電運転に自動的に切り換える。この動作により、庫内の温度挙動を緩慢にすることにより省エネルギー化効果が得られるとともに、冷却ファン31の回転速度を抑制する等の静音化を図ることができる。
次に、発光部20および光量検知部21を使った収納量検知制御を説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態における冷蔵庫50の収納量検知制御を示すフローチャートである。
図6において、演算制御部22は、通常のメイン制御(S100)から、扉開閉動作を検知した場合には(S101)、扉が閉状態であることを確認し(S102)、閉状態であれば、収納量検知制御(S103)をスタートさせる。
収納量検知制御(S103)においては、複数ある発光部20を順次点灯し(S104)、その都度、光量検知部21は光量や照度を検知して、演算制御部22に出力する(S105)。
そして、収納量推定部23で貯蔵室の収納情報が得られる(S106)。そして、比較情報判定部24で、扉開閉動作前後、過去複数回の扉開閉動作前後、または、一定時間前後の収納情報の比較がなされ、比較情報が得られる(S107)。
そして、変化情報判定部25によって、ステップS106で得られる収納情報とステップS107で得られる比較情報とに基づいて、収納状況の変化情報が得られる(S108)。そして、得られた収納状況の変化情報を記憶部64に記憶し(S109)、ある一定期間のデータベースを構築する。
そして、そのデータベースに基づいて、演算制御部22は、冷却運転の判別制御を行う(S110)。
次に、前述した収納量検知制御にもとづいて、冷却運転制御を行う具体例について、図7から図9を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納量検知制御を利用した冷却運転判定制御を示すフローチャートである。図7の例では、収納物33の収納量の相対評価を行っている。
図7において、メイン制御(S110)中に、扉開閉動作が検知される(S111)と、収納検知制御(S112)が開始される。
具体的には、図6のステップS104〜S109に示したように、収納情報と比較情報とに基づいて収納状況の変化情報が得られる。
次に、演算制御部22は、変化情報から得た収納変化量データAに対して閾値判定を行う(S113)。そして、収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量Bを超えると判定した場合(S114,Yes)、運転開始判定部65が急冷運転を行う(S116)。急冷運転では、例えば、冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切り替えたり、圧縮機30の回転数を増加させることにより冷媒循環量を増加させて、冷却量を増加させたり、冷却ファン31の回転数を増加させて、風量を増やしたり、冷蔵室ダンパ67aの開度を大きくしたりする等の動作を行う。
一方、収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量B以下であると判定した場合(S114,NO)には、演算制御部22は、収納変化量データAが事前に設定した基準収納変化量C(C<B)よりも小さいか否かを判定する。収納変化量データAが事前に設定した基準収納変化量Cよりも小さい場合(S115,YES)には、運転開始判定部65が節電運転を行う(S117)。節電運転では、例えば、冷媒流路を太管毛細管83a側から細管毛細管83b側へ切り替えたり、圧縮機30の回転数を低下させることにより冷媒循環量を減少させて、冷却量を低下させたり、冷却ファン31の回転数を減少させて風量を絞ったり、冷蔵室ダンパ67aの開度を小さくしたりする等の動作を行う。それ以外の場合(S115,NO)には、通常運転を継続する(S118)。なお、ここでいう通常運転とは、圧縮機30の回転数、冷却ファン31の回転数、切替弁84の切替のいずかで節電運転よりも冷却量を増大させている制御をいう。また、ダンパは通常制御(開閉温度、ONOFF温度による制御)を行っている。
ステップS117、または、ステップS118に移行した場合には、次に、温度検知制御へ移行する(S119)。なお、基準収納変化量Bと基準収納変化量Cとは(C<B)の関係を満たす。
また、収納量の変化情報から得られる収納変化量データAとしては、扉開閉動作前後の光量検知部21での照度減衰に関連する受光量の絶対変化量、相対変化量、変化割合、あるいは変化パターンを用いることができる。変化パターンによって判定を行う場合には、収納量を例えば、「大・中・小」等の複数段階に分類して、扉開閉前後の収納量が「小→
大」や「小→中」に変化したことを判定し、この収納変化パターンに合わせて、演算制御部22が冷却量を調節することができる。
上述した例においては、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉とによって区画され、収納物33を収納する収納室である冷蔵室12を備えている。また、冷蔵庫50は、収納室内の収納量を推定する収納量推定部23と、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64とを備えている。また、冷蔵庫50は、記憶部64に記憶された前回までの収納量の推定結果と、収納量推定部23の推定結果とに基づいて収納変化量を演算し、電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部22を備えている。また、演算制御部22は、予め定められた閾値と収納変化量とを比較し、収納変化量が閾値を越えたときに収納量が変化したと判断し、電気機能部品の出力動作を制御する。
この例では、収納変化量(相対値)が閾値を越えたときに、収納量が変化したと判断して出力制御を行う。これにより、省エネルギーを意識した運転率をアップし(換言すれば、収納量の変化が少ない場合は、設定温度を高めた節電運転状態を維持し)、実使用時の省エネルギー性を高めることができる。また、閾値を用いることで、頻繁なON/OFF運転による電気機能部品の出力動作のチャタリングや圧縮機30のトリップ現象を防止することができる。さらに、予め定められた閾値と収納変化量とを比較して、閾値を越えた時に収納量が変化したと判断することにより、収納量推定部23が潜在的に持つ特有のバラツキを吸収でき、適切に出力側を制御することができる。
また、収納変化量が閾値を越えない場合には、演算制御部22は、電気機能部品の出力動作を変更しない構成としてもよい。この構成によれば、収納変化量が閾値を越えない場合には、収納量に変化がないと判定して、収納量推定部23の推定結果前の記憶部64の収納量を維持することで、小さな変化(小分け収納)に適切に対応することができる。
さらに、電気機能部品としては、収納室内の冷却量を変化させる冷却ファン31、ダンパ67および圧縮機30の少なくともひとつを含むことができる。これにより、省エネルギー化を意識した運転率を向上し、実使用時の省エネルギー性を向上することができるとともに、収納量増加により、冷却能力が必要となった場合には、庫内温度上昇検知に比べリアルタイムに素早くキャッチすることができ、すばやい冷却能力アップで食品の温度上昇の抑制が可能となる。さらに負荷減少時のオーバーシュート(冷え過ぎ)を抑制でき、省エネ性を向上することができる。
具体的な冷却能力アップとしては、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えたり、圧縮機30の回転数を上げたり、冷却ファン31の回転数を上げたり、ダクト内のダンパ67の開度を高めたりする。
また、収納量増加した場合は、冷却能力アップに対応して、冷凍サイクルの凝縮能力も高める必要があり、凝縮器用ファンの回転数も高めることが望ましい。
また、収納量増加した場合は、庫内の温度も一時的に上昇するので、冷蔵庫前面開口部に備えた発汗防止用のヒータ等も収納量増加に応じて、発熱量を低減してもよい。この場合、更なる省エネを図ることができる。
図8は、本発明の実施の形態1における、冷蔵庫50の収納量検知制御を利用した冷却運転判定制御の他の例を示すフローチャートである。
図8の例においては、収納物33の収納量の絶対評価を行っている。
図8において、メイン制御(S120)を行っている際に、扉開閉動作が検知される(S121)と、収納量検知制御(S122)がスタートする。収納量検知制御においては、収納量推定部23によって収納情報が得られる。この例では、比較情報および変化情報の算出は行わない。よって、この例では、比較情報判定部24および変化情報判定部25は必ずしも必要ではない。
次に、演算制御部22は、収納情報から得られた収納量データGに対して閾値判定を行う(S123)。収納量データGが、事前に設定した基準収納量Hより多いと判定した場合(S124,YES)、運転開始判定部65が急冷運転を行う(S126)。
一方、収納量データGが、事前に設定した基準収納量H以下であり(S124、NO)、収納量データGが事前に設定した基準収納量Iよりも小さい場合(S125,YES)には、運転開始判定部65が節電運転を行う(S127)。それ以外の場合(S125,NO)には、通常運転を継続する(S128)。ステップS127、または、ステップS128に移行した場合には、温度検知制御へ移行する(S129)。なお、基準収納量Hと基準収納量IとはI<Hの関係を満たすものとする。
図9は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納量検知制御を利用した冷却運転判定制御のさらに別の例を示すフローチャートである。
図9においても、収納物33の収納量の絶対評価を行う例を示している。
図9においては、メイン制御(S130)中に、扉開閉動作が検知される(S131)と、基準収納量データJを記憶部64より読み込む(S132)。
このとき、記憶部64には、ある一定期間(例えば3週間分)の収納量のデータが記憶されているものとする。この収納量のデータを演算し、基準収納量データJを算出する。
次に、収納量検知制御をスタートし(S133)、収納情報を判定する。そして、収納情報から得た収納量データKに対して閾値判定を行う(S134)。収納量データKが、基準収納量データJに決められた係数α(例えば1.15)を乗じた値よりも大きい場合(S135,YES)、運転開始判定部65は急冷運転を行う(S137)。一方、収納量データKが、基準収納量データJに決められた係数α(例えば1.15)を乗じた値以下の場合(S135,No)であって、収納変化量データKが、基準収納量データJに決められた係数β(例えば1.05)を乗じた値より小さい場合(S136,YES)に、運転開始判定部65は節電運転を行う(S138)。それ以外の場合(S135,NO)には、通常運転を継続する(S139)。そして、ステップS138、ステップS139に移行した場合には、次に温度検知制御へ移行する(S140)。
ここで、係数αおよび係数βは、β<αの関係を満たす。
上述の例において、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内の収納量を予め保有する基準値を基に推定する収納量推定部23とを有している。また、収納量推定部23の推定結果に基づいて、収納室内の収納量を演算し、電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部22を備えている。そして、演算制御部22は、予め定められた閾値と収納量とに基づいて電気機能部品の出力動作を制御する。
これにより、収納量推定に適する部分のみを演算に用いることができ、出力動作の適正化を図ることができる。また、絶対量を出力することができるので、時系列に、または、相対比較で生じるばらつきを考慮する必要がない。
また、閾値を複数保有し、複数の閾値に基づいて収納室内の収納量を複数のグループに判別し、電気機能部品の出力動作を制御する構成とすることもできる。
これにより、複数の閾値に基づいて、収納室内の収納量を複数のグループに判別して出力することができ、制御の簡素化、表示機能等の使い勝手向上を図ることができる。
次に、図7から図9までに説明した温度検知制御S119,S129,S140について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の、温度検知制御後に冷却運転判定を行う制御を示すフローチャートである。
図10において、温度検知制御がスタートすると、所定時間経過しているかが確認される(S141)。経過していない場合には、経過するまで待機する(S141,NO)。
所定時間が経過した場合(S141,YES)には、温度センサ61(図3参照)で冷蔵庫内の温度を検知する。温度情報判定部70によって温度情報が判定され(S143)、判定された情報は、記憶部64に記憶され、ある一定期間のデータベースが構築される(S144)。
次に、温度情報から得られた温度情報データDに対して閾値判定が行われる(S145)。温度情報データDが事前に設定した基準温度Eよりも高い場合(S146,YES)、運転開始判定部65が急冷運転を行う(S148)。一方、温度情報データDが事前に設定した基準温度E以下の場合(S146,No)、かつ、温度情報データDが事前に設定した基準温度Fよりも低い場合(S147,YES)には、運転開始判定部65が節電運転を行う(S149)。これ以外の場合(S147,NO)には、通常運転を継続する(S150)。なお、基準温度Eおよび基準温度Fは、E>Fの関係を満たすものとする。
以上の動作により、買物時の食品収納量変化および冷蔵庫の使用状況に対応した自動急冷、自動節電の冷却運転が実現できる。
次に、収納量変化および温度変化の判定結果による冷却運転判定について説明する。
図11Aおよび図11Bは、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の収納量変化および温度変化と、冷却運転判定との関係を示す図である。
なお、図11Aおよび図11Bにおいて、基準収納変化量Bおよび基準収納変化量Cの間、および、基準温度Eおよび基準温度Fの間については、それぞれ通常運転が行われるので、図示を省略している。
なお、図11Aに示したように、扉開閉前後の収納量変化を検知・判定して、例えば、得られた収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量Bよりも大きい場合には急冷運転が行われる。
一方、得られた収納変化量データAが、事前に設定した基準収納変化量B、および事前に設定した基準収納変化量Cよりも小さい場合には、基本的に節電運転を行う。
図11Aに示したように、温度センサ61によって得られる温度情報を検知・判定し、
例えば、得られた温度情報データDが事前に設定した基準温度Eよりも大きい場合には急冷運転を行う。一方、得られた温度情報データDが事前に設定した基準温度E、および事前に設定した基準温度Fよりも小さい場合には、節電運転を行う。
なお、基準収納変化量B、基準収納変化量C、基準温度Eおよび基準温度Fは外気温、または収納量別に設定してもよい。例えば、外気温が低い場合には、扉開閉や食品投入があった場合でも庫内温度が上昇しにくいので、基準温度Eまたは基準温度Fを高く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを大きく設定し、節電運転に入りやすくすることで、省エネルギー化を実現することができる。逆に、外気温が高い場合には、扉開閉や食品投入により庫内温度が高くなるので、基準温度Eまたは基準温度Fを低く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを小さく設定し、急冷運転に入りやすくすることで、収納物の高い保鮮性を実現することができる。
また、冷蔵庫50内の収納量が多い場合には、食品の蓄冷効果により扉開閉や食品投入があった場合でも庫内温度が上昇しにくいので、基準温度Eまたは基準温度Fを高く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを多く設定し、節電運転に入りやすくすることで、省エネルギー化を実現することができる。逆に、冷蔵庫50内の収納量が少ない場合には、扉開閉や食品投入により庫内温度が高くなるので、基準温度Eまたは基準温度Fを低く、基準収納変化量Bまたは基準収納変化量Cを小さく設定し、急冷運転に入りやすくすることで、収納物の高い保鮮性を実現することができる。
また、図11Bに示したように、収納変化量、または庫内の温度上昇に合わせて、基準温度E,F、または基準収納変化量B,Cの設定を変更してもよい。
例えば、まとめ買い等により収納量が大きく増加した場合や、加熱した後の調理品を冷蔵庫で保存する等収納量の増加は少ないが冷蔵庫50内の温度に大きく影響を与える場合に急冷運転を行う。また、食品を小分けにして冷蔵庫50に収納する等、一回の扉開閉前後の収納量の増加は少ないが徐々に冷蔵庫50内の温度が変化する場合や、半ドア等、長時間、冷蔵庫50の扉が開けられたことによって冷蔵庫50内の温度が大きく変化した場合等にも、急冷運転を行う。これによって、収納物33を短時間で最適保存温度まで冷やすので、収納物33の高い保鮮性を実現することができる。
一方、例えば、冷蔵庫50の収納物を確認するだけの場合や、飲み物を取り出す、戻す等収納量の変化が少なく、かつ冷蔵庫内の温度変化が小さい場合には、節電運転を行うことで、「冷えすぎ」を防止し、各家庭の生活パターンに合わせた最適な冷却運転を実現できる。
上述の例においては、冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内の温度を検知する温度検知部である温度センサ61と収納室内の収納量を推定する収納量推定部23とを備えている。また、冷蔵庫50は、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64と、収納室内を冷却する冷却部と、温度センサ61と収納量推定部23と記憶部64との入力データに基づいて演算し冷却部を制御する演算制御部22とを備えている。演算制御部22は、通常運転時は温度センサ61の温度に基づいて冷却部の出力動作を制御するとともに、収納室内の収納量が変化したと判断した場合には温度変化よりも優先して冷却部を制御する。
これにより、収納量変化をサーミスタのみによって検知する場合と比べて、リアルタイムに素早く検知することができ、すばやい冷却能力制御で食品の温度上昇の抑制が可能である。また、負荷減少時のオーバーシュート(冷え過ぎ)を抑制でき、省エネルギー性の向上が図れる。
次に、図12から図14を用いて、急冷運転および節電運転について詳細を説明する。
図12は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫50の冷蔵室冷凍室同時冷却時に収納物を投入した際の温度センサ61の温度挙動を模式的に示す図であり、図13は、同冷蔵庫50の冷凍室単独冷却時に、収納物を投入した際の温度センサ61の温度挙動を模式的に示す図であり、図14は、同冷蔵庫50の冷却停止時に、収納物を投入した際の温度センサ61の温度挙動を模式的に示す図である。
急冷運転には2つの方法がある。ひとつは、冷蔵室の風量を増加させる方法であり、もうひとつは、冷蔵室の吐出空気温度を低下させる方法である。前者の具体的な部としては、冷却ファン31の回転数を上げる、または、冷蔵室12のダンパ67の開度を大きくすることで、冷蔵室12の風量を増加させ、急冷運転を行う。これにより、各家庭の収納状況に合わせて冷却ファン31の回転数等の最適化を行うことができるので、消費電力量を抑制することができる。一方、後者の具体的な部としては、冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切り替える、または、圧縮機30の回転数を増加させることで、冷媒循環量を増加させて、冷蔵室の吐出空気温度が低下し、急冷運転を行う。
節電運転では、冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切り替えることや、圧縮機30の回転数を下げることで、冷媒循環量を減少させて、冷蔵庫内への吐出空気温度を上昇させる。これにより、各家庭の収納状況に合わせて圧縮機30の回転数等の最適化を行うことができるので、消費電力を抑制することができる。
図12に示したように、冷蔵室冷凍室同時冷却a時に収納物を投入した場合には、従来の冷蔵庫(破線)は、収納物投入から温度センサ61が温度の上昇を検知するまでに時間差が生じ、温度上昇を検知後、徐々に圧縮機30の回転数を上げていくため、投入した収納物を目的の温度まで冷やすのに時間がかかる。
また、冷蔵室12の戻り空気(暖気)が冷却器に戻ることで冷却器の温度が上昇し、冷却器で熱交換された吐出空気温度が上昇することで冷凍室15内の温度も上昇し、収納物の保鮮性が低下する課題もある。
本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別部によりその時の冷却パターンが冷蔵室冷凍室同時冷却aであることを識別し、その後すぐに、冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切り替え、圧縮機30の回転数を増加させる。これにより、冷媒循環量が増加し、冷却能力が上昇し、収納物33の投入後すぐに冷蔵室12の吐出空気温度が低下するので、従来の冷蔵庫よりも短時間で、投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。
なお、冷凍室15のダンパ67は、収納量増加を検知した時点で、「開→閉」とする動作を行なうことで、収納物投入による冷蔵室12からの温かい空気が冷凍室15に流れ込むのを防ぐことができるとともに、収納量の増加があった冷蔵室12を集中的に冷やすことができる。そして、一定時間後、または冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以下、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以上になった時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉→開」の動作を行う。
また、図13に示したように、冷凍室単独冷却b時に収納物33を投入した場合には、従来の冷蔵庫は、収納物投入から温度センサ61が温度の上昇を検知するまでに時間差が生じるので、冷蔵室12の温度センサ61が温度の上昇を検知するまでに、冷凍室15の
温度センサ61の検知する温度が、所定値のOFF温度まで到達して圧縮機30が停止する場合がある。その後、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が、開温度に到達した時点で、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」とする制御を行う。これにより、圧縮機30や冷却ファン31が駆動して、投入した収納物33を冷やすので、投入した収納物33を目的の温度まで冷やすのに時間がかかる。
一方、本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別部により、その時の冷却パターンが冷凍室単独冷却bであることを識別し、その後すぐに、冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切り替え、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」と動作させる制御を行い、圧縮機30の回転数を増加させる。これにより、冷蔵室12に吐出空気が流れるので、従来の冷蔵庫60よりも短時間で、投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。
また、冷凍室15のダンパ67は収納量増加を検知した時点で、「開→閉」とする制御を行うことで、収納物33の投入による冷蔵室12からの温かい空気が冷凍室15に流れ込むのを防ぐことができる。そして、一定時間後、または冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が、ある所定温度以下、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以上になった時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉→開」とする動作を行う。
また、図14に示したように、冷却停止c時に収納物33を投入した場合には、従来の冷蔵庫は、冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がON温度に到達するまで圧縮機30は駆動しない。その後、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が開温度に到達した時点で、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」と動作させる制御を行い、圧縮機30や冷却ファン31を駆動して、投入した収納物を冷やすので、投入した収納物33を目的の温度まで冷やすのに時間がかかる。
一方、本実施の形態の冷蔵庫50は、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別部により、その時の冷却パターンが冷却停止cであることを識別し、その後、圧縮機30が一定時間(例えば、10分間)停止後であれば、温度センサ61が検知する温度に関係なく、冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切り替え、圧縮機30を高回転で駆動し、冷蔵室12のダンパ67を「閉→開」とする動作を行う。これにより、圧縮機30の起動性を確保しながら、冷蔵室12を素早く冷却することができるので、従来の冷蔵庫よりも短時間で投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。
なお、圧縮機30が停止時は、冷蔵室12のダンパ67を「開」、冷凍室15のダンパ67を「閉」として、冷却器85に付着した霜を使った冷却を行っている場合がある。このとき、収納量の増加を検知した時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉」のままとし、圧縮機30の起動性を確保しつつ起動させ、冷蔵室12の単独運転をおこなうことにより従来の冷蔵庫よりも短時間で投入した収納物33を最適保存温度まで冷やすことができる。ただし、冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がある所定温度以上になった時点で、冷凍室15のダンパ67を「閉→開」とする動作を行う。
また、本実施の形態の冷蔵庫50において、冷蔵室単独冷却d時、冷蔵室12に収納物を投入した場合には、扉開閉動作前後の収納量変化量を演算し、所定の閾値より収納量増加量が多ければ、まず、演算制御部22の冷却パターン識別部により、その時の冷却パターンが冷蔵室単独冷却dであることを識別し、その後すぐに、冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切り替え、圧縮機30の回転数を増加させる。これにより
、冷媒循環量が増加し、冷却能力が上昇し、収納物33の投入後すぐに冷蔵室12の吐出空気温度が低下するので、従来の冷蔵庫よりも短時間で投入した収納物を最適保存温度まで冷やすことができる。また、圧縮機30の回転数が増加後も、冷凍室15のダンパ67は「閉」の状態を継続することで、収納物投入による冷蔵室12からの温かい空気を冷凍室15に流れ込むのを防ぐことができるとともに、収納量の増加があった冷蔵室12を集中的に冷やすことができる。
次に、図15に本実施の形態における冷蔵庫の急冷および節電運転の制御フローチャートを示す。冷蔵室12の収納量増加を検知して(S161)、急冷運転開始(S162)後、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が所定の温度(例えば、開温度)以下(S163)、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度が所定の温度(例えば、ON温度)以上(S164)、または一定時間(例えば、急冷運転開始から30分)以上経過した時点(S165)で、冷凍室15のダンパ67を「閉→開」とする動作を行うのが良い(S166)。これは、冷凍室15のダンパ67が「閉」の状態を継続することで、冷凍室15の温度が必要以上に上昇するのを防止するためである。
なお、冷凍室15のダンパ67が閉→開の動作(S166)後、冷凍室15の温度センサ61の検知する温度がOFF温度に達して冷凍室15のダンパ67が開→閉の動作を行った時点で、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が所定の温度(例えば、開温度)以上であれば、S162に戻り、再度冷蔵室12を集中的に冷却してもよい。
また、冷凍室15のダンパ67が閉→開の動作(S166)後、冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が所定の温度(例えば、閉温度)以下(S167)、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度が所定の温度(例えば、OFF温度)以下(S168)、または一定時間(例えば、60分)経過(S169)後になった時点で急冷運転を終了し、通常運転、または自動節電の冷却運転を開始する(S170)。
図16に本実施の形態における冷蔵庫の冷媒回路の模式図を示す。本冷却サイクルは、冷媒を圧縮する圧縮機30、高温、高圧の冷媒ガスを凝縮させる凝縮器81、冷媒量調節部82である毛細管83(太管毛細管83aと細管毛細管83bを並列配置)、切替弁84、冷却器85を備えている。
具体的には、圧縮機30から吐出された冷媒ガスを凝縮器81により凝縮し、切替弁84を外気温や庫内負荷量に合わせて太管毛細管83a、または細管毛細管83bを切替え、冷却器85に流す冷媒量を調節する。
冷蔵室12に収納物を投入した場合には、従来の冷蔵庫では、収納物投入から温度センサ61が温度の上昇を検知するまでに時間差が生じ、温度上昇を検知後、冷媒量調節部82によって冷媒循環量を増加させるので、冷却器85において一時的に冷媒量が不足し十分な冷却量が得られず、投入した収納物を目的の温度まで冷やすのに時間がかかる。
本実施の形態における冷蔵庫では、扉開閉動作前後の収納変化量を演算し、基準収納変化量Bより収納量増加量が多いと判定した時点で、温度センサ61の温度検知よりも優先して、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えて冷媒循環量を増加させるため、冷却器85に最適な冷媒量を供給することができる。
また、上記冷却運転は冷蔵室12の温度センサ61の検知する温度が所定の温度(例えば、閉温度)以下、または冷凍室15の温度センサ61の検知する温度が所定の温度(例えば、OFF温度)以上、または一定時間(例えば、60分)経過後になった時点で、切替弁84によって冷媒流路を太管毛細管83a側から細管毛細管83b側へ戻すのが良い
。
以上、具体例に基づいて説明をしてきたが、冷蔵室12への収納物増加を検知した際の冷却パターンに基づく冷却制御をまとめると下記のようになる。
冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合には、冷蔵室以外の他収納室ダンパを閉として冷蔵室を集中して冷却するとともに、冷蔵室に収納された収納物からの暖気が冷却室を介して他収納室へ流入することを防止して、その後、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
冷凍室単独冷却bの場合には、冷蔵室以外の他収納室ダンパを閉とし、冷蔵室ダンパを開として冷蔵室を集中して冷却するとともに、冷蔵室に収納された収納物からの暖気が冷却室を介して他収納室へ流入することを防止して、その後、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
冷却停止cの場合には、圧縮機30のOFF時間が所定期間経過(圧縮機保護のための時間)後であれば、冷蔵室、冷凍室温度に関わらず、他収納室ダンパを閉として、冷蔵室ダンパを開とし、圧縮機の運転を開始する。これにより、冷蔵室を集中して冷却するとともに、冷蔵室に収納された収納物からの暖気が冷却室を介して他収納室へ流入することが防止される。その後、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
冷蔵室単独冷却dの場合には、冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御を行う。
またさらに、冷蔵室12への収納物増加を検知した際に、冷却パターンに加えて負荷検知部(温度センサ)による他貯蔵室の負荷状況を考慮して冷却制御をすることによってさらにきめ細かく効率のよい冷蔵庫を実現することができる。
具体的には、貯蔵室の冷却パターンが冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えるとともに、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その時、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値以下の場合には、冷蔵室ダンパのみを開とし、冷蔵室を集中的に冷却する。また、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えている場合には、冷蔵室と冷凍室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
その後、急冷運転中に冷凍室温度が上記の状態になれば、同様に各ダンパを制御することで、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。
そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場
合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷凍室単独冷却bの場合においても、基本的には冷蔵室冷凍室同時冷却aと同様に、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えるとともに、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その時、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値以下の場合には、冷蔵室ダンパのみを開とし、冷蔵室を集中的に冷却する。また、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えている場合には、冷蔵室と冷凍室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
その後、急冷運転中に冷凍室温度が上記の状態になれば、同様に各ダンパを制御することで、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。
そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷却停止cの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、圧縮機30のOFF時間が所定期間経過(圧縮機保護のため)後であれば冷蔵室のダンパを開とし圧縮機の運転を開始し冷蔵室を集中的に冷却する。その後、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えるようにするとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その後、急冷運転中に冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えた場合には、冷蔵室と冷凍室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
これにより、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷却停止cの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷蔵室単独冷却dの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、冷蔵室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室を集中して冷却し、切替弁84によって冷媒流路を細管毛細管83b側から太管毛細管83a側へ切替えるようにするとともに圧縮機30の回転数と冷却フ
ァンの回転数とを上昇させる。
その後、急冷運転中に冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えた場合には、冷蔵室と冷凍室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
これにより、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室単独冷却dの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
なお、本実施の形態における冷媒量調節部82は並列に配置した径の異なる毛細管83(太管毛細管83aと細管毛細管83bを並列配置)と切替弁84で構成しているが、毛細管に替わり膨張弁によって減圧量を変えて冷媒量の調節を行ってもよい。
(実施の形態2)
図17は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の冷媒回路を模式的に示す図である。なお、実施の形態1で詳細に説明した構成と同じ部分、および、同じ技術思想を適用しても不具合が生じない部分については、本実施の形態と組み合わせて適用できるものとし、詳細な説明を省略する。
図17において、圧縮機30で圧縮された高温、高圧の冷媒は凝縮器81で凝縮され、凝縮器81の下流の切替弁74で切替られ、切替弁74の一方は冷蔵庫の前面開口部周縁に配置された発汗防止用の放熱パイプ75に連通し、その後、毛細管83で減圧され、冷却器85で蒸発して圧縮機30に戻る。また、切替弁74の他方はバイパス管76を通り毛細管83の上流で合流するように配設されている。
すなわち、前面開口部周縁に配置された発汗防止用の放熱パイプ75への冷媒流路の切替を可能とし、通常時は切替弁74でバイパス管76側を開放し放熱パイプ75側へは冷媒を流さないようにして、冷蔵庫の前面開口部周縁から庫内への発熱負荷進入を低減している。そして、負荷が増加して凝縮能力の向上が必要となった場合や、高湿度状態となり発汗の虞が生じた場合は、切替弁74から放熱パイプ75へ冷媒を流す点を特徴としている。
上記構成において、実施の形態1と同様に冷蔵室12への収納物増加を検知した際の冷却パターンに基づく冷却制御について説明する。
まず、冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合には、切替弁74によって冷媒流路を放熱パイプ75側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させることで冷凍能力の向上を図る。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。なお、各貯蔵室にダンパを備えたものでは、冷蔵室以外の他収納室ダンパを閉として冷蔵室を集中して冷却するとともに、冷蔵室に収納された収納物からの暖気が冷却室を介して他収納室へ流入することを防止することができる。
冷凍室単独冷却bの場合には、切替弁74によって冷媒流路を放熱パイプ75側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させることで冷凍能力の
向上を図る。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。なお、各貯蔵室にダンパを備えたものでは、冷蔵室以外の他収納室ダンパを閉とし、冷蔵室ダンパを開として冷蔵室を集中して冷却するとともに、冷蔵室に収納された収納物からの暖気が冷却室を介して他収納室へ流入することを防止することができる。
冷却停止cの場合には、圧縮機30のOFF時間が所定期間経過(圧縮機保護のための時間)後であれば、切替弁74によって冷媒流路を放熱パイプ75側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させることで冷凍能力の向上を図る。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。なお、各貯蔵室にダンパを備えたものでは、冷蔵室以外の他収納室ダンパを閉とし、冷蔵室ダンパを開として冷蔵室を集中して冷却するとともに、冷蔵室に収納された収納物からの暖気が冷却室を介して他収納室へ流入することを防止することができる。
冷蔵室単独冷却dの場合には、冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御を行う。
またさらに、冷蔵室12への収納物増加を検知した際に、冷却パターンに加えて負荷検知部(温度センサ)による他貯蔵室の負荷状況を考慮して冷却制御をすることによってさらにきめ細かく効率のよい冷蔵庫を実現することができる。
具体的には、貯蔵室の冷却パターンが冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、切替弁74によって冷媒流路を放熱パイプ75側へ切替えるとともに、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その時、各貯蔵室にダンパを備えたものにおいては、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値以下の場合には、冷蔵室ダンパのみを開とし、冷蔵室を集中的に冷却する。また、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えている場合には、冷蔵室と冷凍室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
その後、急冷運転中に冷凍室温度が上記の状態になれば、同様に各ダンパを制御することで、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。
そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷凍室単独冷却bの場合においても、基本的には冷蔵室冷凍室同時冷却aと同様に、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、切替弁74によって冷媒流路を放熱パイプ75側へ切替えるとともに、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その時、各貯蔵室にダンパを備えたものにおいては、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値以下の場合には、冷蔵室ダンパのみを開とし、冷蔵室を集中的に冷却する。また、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えている場合には、冷蔵室と冷凍室以外
の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
その後、急冷運転中に冷凍室温度が上記の状態になれば、同様に各ダンパを制御することで、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。
そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷却停止cの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、圧縮機30のOFF時間が所定期間経過(圧縮機保護のため)後であれば冷蔵室のダンパを開とし圧縮機の運転を開始し冷蔵室を集中的に冷却する。その後、切替弁74によって冷媒流路を放熱パイプ75側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その後、各貯蔵室にダンパを備えたものにおいては、急冷運転中に冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えた場合には、冷蔵室と冷凍室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
これにより、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷却停止cの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷蔵室単独冷却dの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、切替弁74によって冷媒流路を放熱パイプ75側へ切替えるとともに圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。そして、各貯蔵室にダンパを備えたものにおいては、冷蔵室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室を集中して冷却する。
その後、急冷運転中に冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えた場合には、冷蔵室と冷凍室以外の収納室ダンパを閉として冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
これにより、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室単独冷却dの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
なお、本実施の形態における放熱パイプ75は、冷蔵庫の前面開口部周縁に配置された発汗防止を目的とするもので、バイパス管76は放熱パイプ75の一部をバイパスするように配置してもよい。
また、放熱部の主となる凝縮器81の放熱能力を可変できるように、凝縮器81の近傍に配置した放熱用ファンの回転数や運転率を制御してもよい。
また、本実施の形態のダンパ装置は、少なくとも冷蔵温度帯の収納室と冷凍温度帯の収納室に配置したもので、具体的には、冷蔵室用ダンパ67a、切換室用ダンパ67b、冷凍室用ダンパ67c、野菜室用ダンパ67dを備え、各貯蔵室に備えた温度センサに基づいて独立して温度制御している。これにより、各貯蔵室の温度制御を精度よく行うことができるとともに、冷却能力が必要な貯蔵室に対しては、集中して冷気を吐出することができ、貯蔵食品の保鮮性を高めることができる。
また、本実施の形態では、放熱パイプ75の切替制御と各貯蔵室に備えたダンパの制御を組み合わせて説明したが、放熱パイプ75の切替制御がなく、各貯蔵室に対応したダンパを備えた冷蔵庫としてもよい。その場合、放熱パイプ75の切替制御を省略して読み替えることで、本実施の形態を説明することができる。
(実施の形態3)
図18は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の冷媒回路を模式的に示す図である。なお、実施の形態1、2で詳細に説明した構成と同じ部分、および、同じ技術思想を適用しても不具合が生じない部分については、本実施の形態と組み合わせて適用できるものとし、詳細な説明を省略する。
図18において、圧縮機30で圧縮された高温、高圧の冷媒は凝縮器81で凝縮され、凝縮器81の下流の切替弁92で切替られ、切替弁92の一方は毛細管93aを介して冷凍室用冷却器94に、切替弁92の他方は毛細管93bを介して冷蔵室用冷却器95に接続されている。
すなわち、冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95を備え、必要に応じて冷媒流路を切替えることで、冷凍温度帯と冷蔵温度帯に適した冷却が可能とする点を特徴としている。なお、切替弁74は冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95の両方に冷媒を流すことができるモードも備えている。
上記構成において、実施の形態1と同様に冷蔵室12への収納物増加を検知した際の冷却パターンに基づく冷却制御について説明する。
まず、冷蔵室冷凍室同時冷却a(本実施の形態では、冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95の両方に冷媒を流している状態)の場合には、切替弁74で冷凍室用冷却器94側を閉として冷蔵室用冷却器95側のみを開にして冷蔵室を集中して冷却するとともに、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
冷凍室単独冷却b(本実施の形態では、冷凍室用冷却器94のみに冷媒を流している状態)の場合には、切替弁74で冷凍室用冷却器94側を閉として冷蔵室用冷却器95側のみを開にして冷蔵室を集中して冷却するとともに、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行
する。
冷却停止c(本実施の形態では、冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95ともに冷媒を流していない状態)の場合には、圧縮機30のOFF時間が所定期間経過(圧縮機保護のための時間)後であれば、冷蔵室、冷凍室温度に関わらず、切替弁74で冷凍室用冷却器94側を閉として冷蔵室用冷却器95側のみを開にして、圧縮機の運転を開始する。これにより、冷蔵室を集中して冷却することができる。その後、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
冷蔵室単独冷却d(本実施の形態では、冷蔵室用冷却器95のみに冷媒を流している状態)の場合には、その状態を維持し、冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御を行う。
またさらに、冷蔵室12への収納物増加を検知した際に、冷却パターンに加えて負荷検知部(温度センサ)による他貯蔵室の負荷状況を考慮して冷却制御をすることによってさらにきめ細かく効率のよい冷蔵庫を実現することができる。
具体的には、貯蔵室の冷却パターンが冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して切替弁74で冷凍室用冷却器94側を閉として冷蔵室用冷却器95側のみを開にして、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その時、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値以下の場合には、上記状態を維持し、冷蔵室を集中的に冷却する。また、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えている場合には、切替弁74で冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95の両方に冷媒を流し冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、切替弁74で冷凍室用冷却器94側のみを開とし冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
その後、急冷運転中に冷凍室温度が上記の状態になれば、同様に切替弁74を制御することで、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。
そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷凍室単独冷却bの場合においても、基本的には冷蔵室冷凍室同時冷却aと同様に、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、切替弁74で冷凍室用冷却器94側を閉として冷蔵室用冷却器95側のみを開にして、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その時、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値以下の場合には、上記状態を維持し、冷蔵室を集中的に冷却する。また、冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えている場合には、切替弁74で冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95の両方に冷媒を流し冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、切替弁74で冷凍室用冷却器94側のみを開とし冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
その後、急冷運転中に冷凍室温度が上記の状態になれば、同様に切替弁74を制御することで、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。
そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室冷凍室同時冷却aの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷却停止cの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、圧縮機30のOFF時間が所定期間経過(圧縮機保護のため)後であれば切替弁74で冷蔵室用冷却器95側を開とし圧縮機の運転を開始し冷蔵室を集中的に冷却する。その後、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その後、急冷運転中に冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えた場合には、切替弁74で冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95の両方に冷媒を流し冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、切替弁74で冷凍室用冷却器94側のみを開とし冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
これにより、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷却停止cの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
また、貯蔵室の冷却パターンが冷蔵室単独冷却dの場合において、冷蔵室12への収納物増加を検知した時、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、切替弁74で冷凍室用冷却器94側を閉として冷蔵室用冷却器95側のみを開にして、圧縮機30の回転数と冷却ファンの回転数とを上昇させる。
その後、急冷運転中に冷凍室負荷検知部の検知結果が所定の閾値を超えた場合には、切替弁74で冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95の両方に冷媒を流し冷蔵室と冷凍室を集中して冷却する。また、さらに冷凍室温度が所定温度(例えば、ON温度+3℃:過負荷状態想定)以上であれば、切替弁74で冷凍室用冷却器94側のみを開とし冷凍室のみを集中的に冷却して、氷等の溶解防止を優先しても良い。
これにより、冷蔵室への収納量増加と冷凍室の負荷を考慮した最適な冷却運転制御が可能となる。そして、冷凍室が所定の温度まで冷却され、冷凍室の負荷が比較的小さい状態になった場合には、先に述べた負荷状況を考慮しない場合の冷蔵室単独冷却dの場合と同様の制御をしてもよい。そして、所定温度(例えば、冷蔵室が閉温度)まで庫内温度低下、または、所定時間(例えば、急冷開始から30分)が経過後、通常、又は節電運転に移行する。
なお、本実施の形態では、冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95を並列配置したもので説明したが、図19に示すように、冷凍室用冷却器94と冷蔵室用冷却器95とを毛
細管93aと毛細管93bを介して直列に接続し、切替弁92の一方は冷凍室用冷却器94に接続し、切替弁92の他方はバイパス管96から毛細管93bの上流部に接続した冷却回路としてもよい。この場合は、冷蔵室冷凍室同時冷却が簡素な構造で可能となり、切替弁の簡素化を図ることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、冷蔵室12内に独立して制御できる冷蔵室攪拌用ファン87を設けた点を特徴とするものである。なお、実施の形態1ないし3で詳細に説明した構成と同じ部分、および、同じ技術思想を適用しても不具合が生じない部分については、本実施の形態と組み合わせて適用できるものとし、詳細な説明を省略する。
冷蔵室12内に冷蔵室攪拌用ファン87を設け、扉開閉動作前後の収納変化量を演算し、基準収納変化量Bより収納量増加量が多いと判定した時点で、冷蔵室温度検知部の温度制御より優先して、冷蔵室攪拌用ファン87を駆動させることによって、冷蔵室12内の温度分布差を最小限に留めることができ、さらに食品の保鮮性向上を図ることができる。
以上の動作により、収納室の収納量変化に合わせた最適な自動急冷、自動節電の冷却運転を実現できる。
なお、冷蔵室攪拌用ファン87近傍に除菌または脱臭装置を備えることで、冷蔵室内の冷却能力の向上に加えて、除菌あるいは脱臭機能の作用効果を合わせて高めることができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
本実施の形態においては、実施の形態1ないし4で詳細に説明した構成および技術思想と異なる部分についてのみ詳細な説明を行う。また、実施の形態1ないし4で詳細に説明した構成と同じ部分、および、同じ技術思想を適用しても不具合が生じない部分については、本実施の形態と組み合わせて適用できるものとし、詳細な説明を省略する。
実施の形態5の冷蔵庫50は、冷蔵庫50扉の開および閉状態を検知する扉開閉検知部62を備えており、扉の閉状態を検出している期間内において、実施の形態1に記載した発光部20、光量検知部21、演算制御部22および収納量推定部23の一連の動作が起動されるものである。
この動作により、冷蔵庫50の扉開閉状態検知を行って、扉が閉状態になってある一定時間経過後に、発光部20および光量検知部21を動作させることにより、背景光の影響や残光の影響を容易に回避することができる。
収納量が変化する際には、まず、使用者が扉を開き、食品を収納または取り出して、最後に扉を閉じるという一連の動作が必ず伴う。このため、扉開閉後にのみ収納量を検知しておけばよい。すなわち、扉開閉検知部62を備えることにより、最低限の検知動作で済み、発光部20等で使用する消費電力を削減できる。
また、家庭用冷蔵庫では、扉開閉検出と庫内照明とを関連付け、扉開閉に応じて、庫内の照明部19の点灯/消灯制御を行っている。この制御における扉の開閉状態検知機能を共用することにより、新たに部品を追加することなく、簡単な構成で実現できる。
本実施の形態においては、演算制御部22は、扉開閉検知部62で断熱扉の閉動作が検
知された所定時間後に演算し、電気機能部品の出力動作を制御する。
これにより、扉閉後に安定してから比較することで、より確実に収納量変化を把握することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。
図20および図21は、本発明の実施の形態3における収納量検出動作の説明図(図2に対応する断面図)である。
本実施の形態でも、上述した実施の形態1ないし5の冷蔵庫50の構成において、同一の構成および技術思想が適用できる部分については、詳細な説明を省略する。また、実施の形態1ないし5で説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
図20において、照明部19は、冷蔵庫内の扉開放側前面から見て、庫内の奥行寸法の1/2より手前で且つ、収納棚18の先端より前方に位置する左側壁面と右側壁面にそれぞれ縦方向に配置されている。
また、照明部19には、発光部20a〜20dが縦方向に等間隔で配置され、冷蔵室12内の上部から下部までを満遍なく照射することができる。さらに、光量検知部21a〜21dが、冷蔵室12内の後方位置に配置されており、主に収納物33による光の遮蔽による光量減衰を検知する。また、光量検知部21eは、冷蔵室12の天面に配置されており、主に収納物33による光の反射による光量減衰を検知する。光量検知部21a〜21eとしては、照度センサや、照度に加えて色度(RGB)の識別が可能な色度センサ等を用いる。
また、図21のように、庫内の天面に発光部20eを設け、下方に光量検知部21fを設けても精度良く収納量を検知できる。天面の発光部20eは、冷蔵庫50内の扉開放側から見て、庫内奥行き寸法の1/2よりも手前側に設置する。さらに、本実施の形態では、天面の発光部20eを、収納棚18の先端よりも扉側で、かつ扉に取り付けられた扉棚27a〜27cよりも奥側に配置している。このように配置することにより、天面の発光部20eの正面(光軸方向)が、収納棚18や扉棚27a〜27cへの収納物33によって遮蔽されることが無い。
また、下方の光量検知部21fも、同様の理由で、収納棚18の先端よりも扉側で、かつ扉に取り付けられた扉棚27a〜27cよりも奥側に配置されており、さらに最下段の収納棚18以下の高さに配置されている。なお、下方の光量検知部21fの設置面は、庫内の側面、または下面等いずれの面でもよい。また、天面の発光部20eと下方の光量検知部21fの位置関係を反対にしてもよい。
このように、天面から庫内を照射し、下方で光量を検知する構成とすることで、収納棚18および扉棚27a〜27cへと光が行渡るため、収納量の検知を正確に行うことができる。
なお、冷蔵室12のように高さ方向に長い収納室では、天面の発光部20eからの光が、下方の収納物まで届きにくいので、発光部20d等下方の発光部も使用して、庫内を満遍なく照射することが望ましい。
なお、光量検知部21a〜21fの配置は、収納物33、および、庫内の構造物を介して、発光部20a〜20dによって照射される位置に配置されている限り、庫内の何れの位置に配置されてもよい。また、収納量推定に高精度を要求しない場合には、光量検知部21を複数設置する必要はなく、ひとつだけでもよい。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。
図22は、本発明の実施の形態7における収納量検出動作の説明図である。
本実施の形態でも、上述した実施の形態1ないし6における冷蔵庫50の構成において、同一の構成および技術思想が適用できる部分については、詳細な説明を省略する。また、実施の形態1ないし6で説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
図22に示したように、本実施の形態においては、風量調節部28a〜28dが、冷蔵室12内の後方位置に配置されている。発光部20a〜20dから出力された照射光34aは、冷蔵室12内および冷蔵室12内部に収納された収納物33を照射する。
また、この出力光の一部の照射光34bは、冷蔵室12内に配置した光量検知部21a〜21eに入射して、光量検知結果を予め設定した所定の閾値により判別することにより、庫内の収納物33の量を分類できる。
このとき、収納状況により、光量検知部21a〜21eそれぞれが検知する光量に差が生じる。例えば、図22に示すように、収納棚18bに収納物33が投入された場合には、収納物33投入前後で光量検知部21aが検知する光量が他の光量検知部21b〜21eが検知する光量よりも小さくなる。これにより、収納棚18bに収納物33が投入されたことを検知し、収納物33の量を分類する。その後、風量調節部28aにより、検知した収納増加量に応じて風量を調節して急却運転を行う。
なお、この急冷運転は、一定時間経過後、圧縮機停止後、または、冷蔵室センサの検知する温度がある所定の温度以下になった時点で解除となり、通常運転、又は自動節電の冷却運転を開始する。
以上のように、本実施の形態においては、風量調節部28a〜28dを設けることにより、投入した収納物周辺を効率的に冷やすことが可能となるので、最適な自動急冷の冷却運転を実現できる。
なお、風量調節部28a〜28dの位置は本実施の形態の例に限らず、庫内のいずれの位置に配置されても構わない。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について図面を用いて詳細に説明する。
図23は、本発明の実施の形態8における冷蔵庫50の正面図である。
本実施の形態でも、上述した実施の形態1ないし7における冷蔵庫50の構成において、同一の構成および技術思想が適用できる部分については、詳細な説明を省略する。また、実施の形態1ないし7で説明した構成は、本実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
図23において、内箱11aと外箱11bからなる冷蔵庫本体11は、断熱壁を介して設けた内箱11a内に、上方から冷蔵室12、製氷室13、冷凍室15、および野菜室16が配設され、製氷室13の側方には、室内を多温度に切り替えることができる切換室14を併設している。
最も貯蔵品出し入れの使用頻度が高く収納容量も大きい冷蔵室12は、両側をヒンジで枢支した観音開き式の回転扉である冷蔵室扉12aでその前面開口を閉塞されている。製氷室13、切換室14、野菜室16および冷凍室15には、それぞれ引出し式の扉が設けられている。
冷蔵室12は、冷蔵温度に保持された室内を適当間隔で設けた複数の収納棚18によって上下に区画し、その底部には、冷蔵室12に製氷用水を供給する給水タンクやチルド温度に保持する低温室12bを設けている。
具体的には、収納棚18の上部空間が食品を保存する収納空間であり、本実施の形態では収納棚18として最上段に形成された収納空間に収納する食品を載置する収納棚18a、上から2段目の収納空間に収納する食品を載置する収納棚18b、収納棚18bの直下部の収納空間に収納する食品を載置する収納棚18cが設けられており、最下段の収納区画には給水タンクやチルド温度に保持する低温室12bが配置されている。
冷蔵室12は、貯蔵室内側面の前方側に複数個のLEDが縦方向に等間隔に内蔵された照明部19が設置されている。貯蔵室内の背面側には、照度センサからなる光量検知部21が設置されている。最上段に形成された収納空間に収納する食品を載置する収納棚18aの上方で、かつ天面側の内箱11aの下方の背面壁に光量検知部21aが備えられている。上から2段目の収納空間に収納する食品を載置する収納棚18bの上方で、かつ収納棚18aの下方の背面壁には、光量検知部21bが備えられている。
また、本実施の形態では、収納棚18bに、食品である収納物33が置かれている状態を示している。
また、光量検知部21の上方には、冷気吐出口4が設けられており、上方側の収納状況検知部21aの近傍には、冷気吐出口4a、下方側の収納状況検知部21bの近傍には冷気吐出口4bがそれぞれ設けられている。
以上のように構成された冷蔵庫50について、以下その動作を説明する。
冷蔵室扉12aが閉っている状態で、照明部19が点灯する。庫内では、照明部19からの光は、空気を介して最上段の収納空間の照度を検知する光量検知部21aに届く。中段の収納棚18bでは、照明部19からの光は、一部が収納物33の間を通って2段目の収納空間の照度を検知する収納状況検知部21bに届く。その他の光線の一部は、収納物33にあたって吸収され、一部は反射して散乱する。このため、収納物33の照明部19とは反対側、すなわち、影になる収納物33の背面側は、光の量が少なく暗くなる。
収納物33の高さが高ければ高いほど、また、収納物33の収納量が多ければ大きいほど、照明部19の光が遮られるので、後方にある光量検知部21に届く光の量は低下する。
よって、この照度センサからなる光量検知部21は、貯蔵室内の収納空間における空き空間を非接触で検知する検知部として機能する。
そして、このようにして光量検知部21で光の量を検知し、収納棚18の中段に対して、上段に収納可能なスペースがあることを、扉である冷蔵室扉12aの外面にある表示部91(図1参照)に表示する。
すなわち、光量検知部21が備えられた貯蔵室である冷蔵室12の前面側に設けられた冷蔵室扉12aの外面に表示させる認知部である表示部91によって、使用者に冷蔵室12内の収納物の状態を知らせることができる。
使用者は、この認知部である表示部91に示された表示を確認して、冷蔵室扉12aを開放し、迷うことなく収納物33が少ないと表示された最上段の収納空間である収納棚18aへと食品を載置し、迅速に冷蔵室扉12aを閉めることができる。
また、収納棚18bに示したように、食品である収納物33が、冷気吐出口4bの前方側に収納されている場合や、収納物33が詰めすぎとなっている場合を想定する。このような場合、冷気吐出口4近傍の光量検知部21で検知した光量が所定値より低い場合には、冷蔵室扉12aの外面にある表示部91に、該当する照度センサで検知した収納空間が詰めすぎで増電運転になることを表示する。
ここで、収納物33が詰めすぎである場合や、冷気吐出口4の近傍に収納物33が収納されている場合には、収納物33が、冷気の通風抵抗となり、単位時間当たりの冷気循環量が低下して、冷却するのに時間が長くなる。また、冷気循環量が低下すると蒸発器の風量が低下して、熱交換量が低下するので、蒸発温度の低下を招き、冷凍サイクルの高低圧差圧の拡大により圧縮機入力も増加する。
冷却時間を維持しようとすると、冷気を循環させるファンの回転数を増加させたり、圧縮機30の回転を増加させたりしなければならず、これもまた増電の要因となる。
よって、これらの電力使用量が多くなる増電傾向を使用者に報知し、最適な収納物33の配置を促すことで、冷蔵庫50の実際の使用上において、省エネルギー化を図ることができ、より省エネルギーを実現した冷蔵庫50を消費者に提供することができ、CO2削減に寄与することができる。
以上のことから、冷蔵室扉12aの開放時間は短縮され、冷蔵室扉12aから流入してくる高温の外気が抑制でき、省エネルギー化が可能となる。また、冷蔵室12内の一時的な昇温も抑制されるので、収納物33である食品の昇温も抑制でき、品質劣化が低減できる。
さらに、増電運転になることを認知部である表示部91によってお知らせできるので、使用者に省エネルギー運転を促す注意喚起ができる。なお、認知部としては、表示部91に限定されず、例えば音声で注意を促す構成も可能である。
特に、本実施の形態の構成は、家庭用冷蔵庫のように、多種多様な食品が収納される可能性がある場合に、従来に比して効果が高い。
本実施の形態の冷蔵庫50は、断熱壁と断熱扉によって区画され収納物を収納する収納室と、収納室内の収納量を推定する収納量推定部23と、収納量推定部23の推定結果を記憶する記憶部64とを有している。また、記憶部64の前回までの推定結果と収納量推定部23の推定結果とに基づいて収納変化量を演算し、電気機能部品の出力動作を制御する演算制御部22とを備えている。また、演算制御部22は、収納室内の収納量が変化し
たと判断した場合に冷蔵庫50の運転状態を、報知部によって使用者に報知する。
これにより、収納量推定に基づき、例えば、節電運転が行われている状態(冷蔵庫の運転状態)などを使用者にお知らせすることで、節電意識を高めることができる。
なお、収納量情報を表示部91にインジケータで詰め込み過ぎ等を表示してもよい。庫内の収納量を表示する場合は、収納量推定部23による収納量の絶対値推定が適している。
また、庫内の収納量変化を表示する場合は、収納量推定部23による収納量の相対値推定が適している。これにより、使い勝手の向上を図ることができる。