JP2012255116A - 電気絶縁材料およびこれを用いた高電圧機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂と硬化剤と、添加材としてエラストマー粒子と無機粒子とを含む電気絶縁材料において、エラストマー粒子が放射線架橋されている電気絶縁材料。この電気絶縁材料が、電気機器の絶縁を必要とする箇所に適用されている変圧器,遮断器,モータ,インバータなどの高電圧機器。
【選択図】 図1
Description
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型およびビスフェノールF型)100重量部に対して、カルボン酸変性した放射線架橋アクリルニトリルブタジエンゴム粒子を10重量部(平均粒子径50〜100nm)、無機粒子として破砕シリカを415重量部、さらに酸無水物硬化剤,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤および硬化促進剤としてイミダゾール化合物を適宜添加し、80℃に加熱した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。作成した混合液を脱泡後、100℃/5時間+170℃/7時間の加熱条件で硬化させ、硬化物を作成した。
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型およびビスフェノールF型)100重量部に対して、カルボン酸変性した放射線架橋アクリルニトリルブタジエンゴム粒子を10重量部(平均粒子径50〜100nm)、無機粒子として破砕シリカを300重量部、さらに酸無水物硬化剤,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤および硬化促進剤としてイミダゾール化合物を適宜添加し、80℃に加熱した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。作成した混合液を脱泡後、100℃/5時間+170℃/7時間の加熱条件で硬化させ、硬化物を作成した。
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型およびビスフェノールF型)100重量部に対して、カルボン酸変性した放射線架橋アクリルニトリルブタジエンゴム粒子を8重量部(平均粒子径50〜100nm)、無機粒子として破砕シリカを600重量部、さらに酸無水物硬化剤,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤および硬化促進剤としてイミダゾール化合物を適宜添加し、80℃に加熱した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。作成した混合液を脱泡後、100℃/5時間+170℃/7時間の加熱条件で硬化させ、硬化物を作成した。
本発明による電気絶縁材料を、変圧器に適用した。図2に示すように、1次巻線,2次巻線,層間絶縁,鉄心およびそれら構成要素を電気絶縁材料でモールドした。同構造においては、運転時の温度変化、あるいは輸送時の温度変化によって電気絶縁材料に対しては局所的に熱応力が発生するが、耐クラック性を有するためにクラックの発生や樹脂割れが抑制される。また耐熱性が高いために高温時の樹脂特性も良好であり、耐クラック性のみならず他の機械的特性の低下が抑制される。さらに樹脂内部に不純物イオンが存在すると、吸湿等によってイオンマイグレーションが発生した場合、マイグレーションの進行を加速させ、結果絶縁破壊に至る場合があるが、本発明においては不純物が従来よりも低減されることから、絶縁性が向上する。また本発明による電気絶縁材料は低粘度であることから、複雑形状を有する巻線周り、層間絶縁周りにおいても隙間なく充填でき、結果絶縁性・機械的強度が高い。従ってより小型で、熱的・電気的ストレスが大きな変圧器にも適用が可能となる。
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型およびビスフェノールF型)100重量部に対して、無機粒子として破砕シリカを415重量部、さらに酸無水物硬化剤,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤および硬化促進剤としてイミダゾール化合物を適宜添加し、80℃に加熱した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。作成した混合液を脱泡後、100℃/5時間+170℃/7時間の加熱条件で硬化させ、硬化物を作成した。
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型およびビスフェノールF型)100重量部に対して、無機粒子として破砕シリカを300重量部、さらに酸無水物硬化剤,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤および硬化促進剤としてイミダゾール化合物を適宜添加し、80℃に加熱した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。作成した混合液を脱泡後、100℃/5時間+170℃/7時間の加熱条件で硬化させ、硬化物を作成した。
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型およびビスフェノールF型)100重量部に対して、コア層がブタジエン系ゴムからなるコアシェルタイプの微細ゴム粒子を8重量部(平均粒子径100〜500nm)、無機粒子として破砕シリカを600重量部、さらに酸無水物硬化剤,シランカップリング剤,チタネートカップリング剤および硬化促進剤としてイミダゾール化合物を適宜添加し、80℃に加熱した状態で十分なせん断力を加えながら混練した。作成した混合液を脱泡後、100℃/5時間+170℃/7時間の加熱条件で硬化させ、硬化物を作成した。
ASTMD5045−91に従い、3点曲げ試験片にカミソリ刃を用いて初期亀裂を生成し、圧縮荷重を加えて亀裂が進展して破断した際の荷重から破壊靱性値(K1C)を算出した。試験は室温にて実施し、またクロスヘッド速度は0.5mm/分とした。
硬化物の線膨脹係数の測定は、熱機械分析装置(TMA)を用いて行った。昇温速度は5℃/分とした。また硬化物の歪を取り除くために、予め硬化物を160℃まで加熱し、その後、徐冷してから測定した。
硬化物の軟化点温度の測定は、同じくTMAを用いて行った。昇温速度は5℃/分とした。また硬化物の歪を取り除くために、予め硬化物を160℃まで加熱し、その後、徐冷してから測定した。
2 無機粒子
3 エラストマー粒子
4 1次巻線
5 2次巻線
6 鉄心
7 層間絶縁
Claims (12)
- エポキシ樹脂と硬化剤と、添加材としてエラストマー粒子と無機粒子と、を含む電気絶縁材料において、
前記エラストマー粒子の少なくとも一部が放射線架橋されていることを特徴とする電気絶縁材料。 - 請求項1において、前記エラストマー粒子の平均粒径が500nm以下であり、電気絶縁材料中に均一に分散していることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、前記エラストマー粒子の添加量がエポキシ樹脂重量に対して50重量部以下であることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、前記エラストマー粒子の少なくとも一部が、アクリルゴム,ニトリルゴム,イソプレンゴム,ウレタンゴム,エチレンプロピレンゴム,エピクロルヒドリンゴム,クロロプレンゴム,スチレンゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,ブチルゴムのいずれか、あるいはこれらの変性物もしくはこれらの組み合わせからなり、その表面あるいは内部がカルボキシル基もしくは酸無水物類,アミン類,イミダゾール類の少なくとも1種で修飾されていることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、前記無機粒子の少なくとも一部が、シリカ(SiO2),アルミナ(Al3O2),アルミナ水和物,酸化チタン(TiO2),窒化アルミ(AlN),窒化ほう素(BN)の少なくとも1種であり、平均粒径が500μm以下であることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、前記無機粒子の表面が、炭化水素から成る基、アクリル基,メタクリル基,ヒドロキシル基,酸無水物,カルボキシル基,アルコキシル基の少なくとも1種で修飾されていることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、前記無機粒子の添加量がエポキシ樹脂重量に対して、300〜600重量部であることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、前記硬化剤の少なくとも一部が酸無水物類からなることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、さらに、シランカップリング剤,チタネートカップリング剤、およびその他の表面改質剤が添加されていることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1において、前記電気絶縁材料の粘度が、80℃において150Pa・s以下であることを特徴とする電気絶縁材料。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の電気絶縁材料が、電気機器の絶縁を必要とする箇所に適用されていることを特徴とする高電圧機器。
- 請求項11において、前記高電圧機器が、変圧器,遮断器,モータ,インバータのいずれかであることを特徴とする高電圧機器。
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