JP2005290131A - 注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法、注形用熱硬化性樹脂組成物および電気・電子部品装置 - Google Patents

注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法、注形用熱硬化性樹脂組成物および電気・電子部品装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多量の無機充填材を添加した場合であっても、その破砕による微粉末の混入による含浸性の低下を抑制し、かつ、混合槽の磨耗による金属成分の混入を抑制し、含浸性および硬化物の電気的特性、機械的特性に優れた注形用熱硬化性樹脂組成物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂および(B)無機充填材を必須成分として含有し、前記(A)エポキシ樹脂100重量部に対して前記(B)無機充填材が150重量部以上300重量部以下である注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、前記(A)エポキシ樹脂を100℃以上200℃以下に加温した後、前記(B)無機充填材を添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気・電子部品の注形に使用される注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法、注形用熱硬化性樹脂組成物および電気・電子部品装置に係り、特にテレビ等に用いられるフライバックトランス、自動車、オートバイ等のイグニッションコイルの注形に好適に用いられる注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法、注形用熱硬化性樹脂組成物および電気・電子部品装置に関する。
従来より、発電機等の大型回転器のローター部、自動車等の点火プラグに高電圧を供給するための点火コイルあるいはテレビ受像機等の陰極線管におけるアノード部に高電圧を印加するフライバックトランス等の電気・電子部品装置に組み込まれるコイルは、外部雰囲気や機械的衝撃からの保護のために注形用熱硬化性樹脂組成物により注形されている。
注形用熱硬化性樹脂組成物は、例えば耐クラック性、電気特性、機械特性、耐湿信頼性に優れるエポキシ樹脂をベースとし、これに硬化剤や硬化促進剤、さらにはシリカ粉末等の無機充填材や顔料が配合されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような注形用熱硬化性樹脂組成物は、例えばベースとなるエポキシ樹脂に上述したようなシリカ粉末等の無機充填材や顔料を添加し、プロペラ型混合機やタービン翼を有する高速同芯2軸混合機等の混合機により十分に混合した後、硬化剤、硬化促進剤を混合することにより得られている(例えば、特許文献2参照。)。
近年、注形品内部の高電圧化や小型注形品に伴う成形薄肉化等により、このような注形用熱硬化性樹脂組成物には一層の耐クラック性が求められるようになっており、耐クラック性を向上させる方法として上述したようなシリカ粉末等の無機充填材を高充填化する試みがなされている。
特開2004−51824号公報 特開平9−165497号公報
注形用熱硬化性樹脂組成物の製造では、一般にベース樹脂である液状エポキシ樹脂にシリカ粉末等の無機充填材を添加後、あるいは添加しながら、これを加熱しつつ混合することにより均一な混合物を製造している。
しかしながら、ベース樹脂であるエポキシ樹脂に無機充填材を多量に添加すると粘度が高くなり、その混合時に無機充填材自身が破砕して微粉末化する。そのため、注形用熱硬化性樹脂組成物に多量の微粉末化が含まれることとなり、コイルへの含浸性が低下する。
また、ベース樹脂と無機充填材との混合物の粘度が高くなると、その混合時に混合槽が磨耗して注形用熱硬化性樹脂組成物に金属成分が混入する。このような注形用熱硬化性樹脂組成物を用いてコイルの注形を行った場合、金属成分の混入により注形後のコイルに絶縁不良が発生する。また、注形用熱硬化性樹脂組成物に混合槽の磨耗による金属成分が混入すると、注形用熱硬化性樹脂組成物が変色することがある。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、多量の無機充填材を添加した場合であってもその破砕による含浸性の低下を抑制し、かつ、混合槽の磨耗による金属成分の混入を抑制することにより、含浸性および硬化物の電気的特性、機械的特性に優れた注形用熱硬化性樹脂組成物を得ることが可能な製造方法を提供することを目的としている。
また、本発明はこのような注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法により得られる含浸性および硬化物の電気的特性、機械的特性に優れた注形用熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的としている。さらに、本発明はこのような注形用熱硬化性樹脂組成物を用いて製造される信頼性に優れた電気・電子部品装置を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、後述の製造方法を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、(A)エポキシ樹脂および(B)無機充填材を必須成分として含有し、前記(A)エポキシ樹脂100重量部に対して前記(B)無機充填材が150重量部以上300重量部以下である注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、前記(A)エポキシ樹脂を100℃以上200℃以下に加温した後、前記(B)無機充填材を添加することを特徴とする。
本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂および(B)無機充填材を必須成分として含有し、前記(A)エポキシ樹脂100重量部に対して前記(B)無機充填材が150重量部以上300重量部以下である注形用熱硬化性樹脂組成物であって、上記注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法により製造されたことを特徴する。
本発明の電気・電子部品装置は、電気・電子部品を注形用熱硬化性樹脂組成物により注形してなる電気・電子部品装置であって、前記注形用熱硬化性樹脂組成物として上述したような製造方法により得られた注形用熱硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、無機充填材を高充填することが可能になると共に、混合槽の磨耗による金属成分の混入を抑制し、かつ、無機充填材の破砕による微粉末の混入も抑制し、含浸性および硬化物の電気的特性、機械的特性に優れた注形用熱硬化性樹脂組成物を製造することが可能となる。また、本発明では微粉末の混入が抑制され、かつ、金属成分の混入が抑制された注形用熱硬化性樹脂組成物を用いて電気・電子部品を注形することで、電気的特性、機械的特性に優れ、信頼性のある電気・電子部品装置とすることが可能となる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法により製造される注形用熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂および(B)無機充填材を必須成分として含有し、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して(B)無機充填材が150重量部以上300重量部以下のものである。
本発明では、このような注形用熱硬化性樹脂組成物の製造において、予め(A)エポキシ樹脂を100℃以上200℃以下に加温した後、この状態の(A)エポキシ樹脂中に(B)無機充填材を添加し、混合する。
本発明では(A)エポキシ樹脂に(B)無機充填材を添加する際に(A)エポキシ樹脂を予め100℃以上200℃以下に加温しておくことで、(B)無機充填材を多量に添加した場合であっても(A)エポキシ樹脂の温度を所定温度以上に維持することができ、その粘度上昇を抑制することができる。
従来のようにエポキシ樹脂に無機充填材を添加しながら、あるいは、添加後に、加温を行う方法では、所定の温度に達するまでは粘度が高い状態が続くため、混合槽の磨耗により金属成分が混入し、また無機充填材の破砕により微粉末が混入することが避けられないが、本発明では予めエポキシ樹脂を所定温度に加温しておくことで、無機充填材を添加したときに温度が低下しても一定の温度を維持することにより粘度の上昇を抑制し、混合時の混合槽の磨耗による金属成分の混入や無機充填材の破砕による微粉末の混入を抑制し、含浸性および硬化物の電気的特性、機械的特性に優れた注形用熱硬化性樹脂組成物を製造することが可能となる。
本発明における(A)エポキシ樹脂の温度は上述したように100℃以上200℃以下である。(A)エポキシ樹脂の温度が100℃未満であると、(B)無機充填材を添加したときに温度が下がりすぎてしまい粘度が上昇し、混合時の混合槽の磨耗による金属成分の混入や無機充填材の破砕による微粉末の混入を抑制することが難しくなる。また、(A)エポキシ樹脂の温度が200℃を超えると、(A)エポキシ樹脂が自己重合してしまう等の理由により粘度が上昇してしまうため好ましくない。
また、本発明における(B)無機充填材の含有量は、上述したように(A)エポキシ樹脂100重量部に対して、150重量部以上300重量部以下である。(B)無機充填材の含有量が150重量部未満であると、注形用熱硬化性樹脂組成物の機械的強度等が十分でなくなる可能性がある。
また、(B)無機充填材の含有量が300重量部を超えると、(A)エポキシ樹脂に添加したときに粘度が高くなり、混合時の混合槽の磨耗による金属成分の混入や(B)無機充填材の破砕による微粉末の混入が多くなり、注形用熱硬化性樹脂組成物の含浸性および硬化物の電気的特性、機械的特性が低下する可能がある。
本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、上述したように(B)無機充填材を添加する前に(A)エポキシ樹脂を100℃以上200℃以下に加温するものであるが、(B)無機充填材を添加する前の(A)エポキシ樹脂には、例えばカップリング剤、消泡剤、顔料、その他成分が添加配合されていてもよい。この場合は、(A)エポキシ樹脂とこれらの成分も含めたものが100℃以上200℃以下に加温されていれば好ましい。
本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法では、(A)エポキシ樹脂に必要に応じてカップリング剤、消泡剤、顔料、その他成分を混合したものを100℃以上200℃以下に加温した状態で(B)無機充填材を加えて、好ましくはこれらのものが80℃を下回らないように加温しながら十分に混合して注形用熱硬化性樹脂組成物とすることができる。なお、(B)無機充填材は(A)エポキシ樹脂に一度に全てを添加し混合してもよいし、少量ずつ添加しながら混合してもよい。
そして、このようにして得た注形用熱硬化性樹脂組成物はこれを主剤成分とし、例えば注形に使用する直前に硬化剤や硬化促進剤等からなる硬化成分を加えて混合し、これにより電気・電子部品を注形することにより電気・電子部品装置を得ることができる。
本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物は上述したように無機充填剤の破砕による微粉末の混入が抑制され含浸性に優れており、金属成分の混入も抑制されているため、コイル等の電気・電子部品の注形に用いて電気・電子部品装置を製造すれば優れた信頼性を付与することが可能となる。以下、本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造に用いられる各成分について説明する。
本発明に用いる(A)エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、汎用液状エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂等特に制限無く広く使用することができる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸のグリシジルエーテル、シクロヘキサン誘導体のエポキシ化によって得られるエポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独または2種類以上混合して使用することができる。またこれらの他に必要に応じて液状のモノエポキシ樹脂等を使用することができる。
本発明に用いる(B)無機充填材としては、シリカ、水酸化アルミニウム、タルク、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等、無機充填材として一般に使用されるものであれば特に制限無く広く使用することができ、これらは単独または2種類以上混合して使用することができる。
(B)無機充填材の大きさは特に制限されるものではないが、例えば1μm以上50μm以下であれば好ましい。(B)無機充填材の平均粒径が50μmを超える場合、注形用熱硬化性樹脂組成物中で(B)無機充填材が沈降しやすく、保存安定性が低下するため好ましくなく、また(B)無機充填材の平均粒径が1μm未満の場合、コイル等の電気・電子部品に対する含浸性が低下し、電気・電子部品装置の信頼性が低下することがある。
(B)無機充填材は注形用熱硬化性樹脂組成物への充填性や、注形用熱硬化性樹脂組成物の含浸性を考慮して平均粒径の異なるものを複数種類用いることができる。その場合、それぞれの種類の平均粒径が上述したような範囲内にあれば好ましい。
(B)無機充填材としては、具体的にはクリスタライトA−A、A−1、C(株式会社龍森製、商品名)、ハイジライトH42M、H42I、H32、H31、H31I(昭和電工株式会社製、商品名)、BF013、BF013E、BF083、B103、B153、B153E、B173、B173E(日本軽金属株式会社製、商品名)等が挙げられ、これらは単独または2種類以上混合して使用することができる。
本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法においては、上述したように(B)無機充填材以外に(A)エポキシ樹脂にカップリング剤、消泡剤、顔料、その他成分を添加してもよい。
カップリング剤としては、無機充填材の表面処理に一般に使用されるものであれば特に制限されるものでないが、シリコン原子に結合したアルコキシ基を有するシラン化合物が好ましく、特に一級もしくは二級のアミンを有するシランカップリング剤が好適に用いられる。
具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのアミノシランは単独もしくは2種以上混合して使用することができ、さらにアミノシラン以外のカップリング剤を併用してもかまわない。
消泡剤としては、例えば、シリコン系、フッ素系、アクリル系、ポリオキシエチレン系、ポリオキシプロピレン系等の消泡剤を用いることができる。これらのうちでもシリコン系消泡剤が好ましく用いられる。
また、本発明の注形用熱硬化性樹脂組成物に加えられる硬化成分としては、硬化剤や硬化促進剤等からなるものが挙げられる。硬化剤としては、例えば酸無水物硬化剤が好適なものとして挙げられ、このようなものとしては分子中に酸無水物基を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができ、例えば(A)エポキシ樹脂1当量当り、0.85〜1.05当量の範囲とすることが好ましい。
硬化促進剤としては、(A)エポキシ樹脂どうし、または、(A)エポキシ樹脂と上記硬化剤との反応を促進する作用を有するものであれば、特に制限されるものではない。具体的なものとしては、2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−エチルイミダゾール、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等のイミダゾール類、DBU、DBUオクチル酸塩などの3級アミン類、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等が挙げられ、これらの硬化促進剤は、単独または2種以上混合して使用することができ、(A)エポキシ樹脂100重量部に対して0.3〜5重量部の範囲とすることが好ましい。
次に本発明を実施例によって説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
エポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテル EP4100E(旭電化工業株式会社製、商品名)100重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名)0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名)1.0重量部を用意した。これらを図1に示すように、混合しながら50℃から150℃程度まで1時間程度の加温を行った。
さらに、150℃程度まで加温されたものに、無機充填剤としてシリカ クリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名)200重量部を添加しながら混合した。この際、無機充填剤の添加に伴い、図1に示すように、約1時間の間は温度が低下したが、最も低いときでも120℃を僅かに下回る程度の温度であった。さらに、この無機充填剤が添加されたものを150℃となるまで混合しながら加温を行った。
次いで、上記混合物に硬化成分として、硬化剤 QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名)87重量部、硬化促進剤 2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.0重量部を加えて注形用熱硬化性樹脂組成物とした。
(実施例2)
エポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテル EP4100E(旭電化工業株式会社製、商品名)90重量部、モノエポキサイド カージュラE1O(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名)10重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン社製、商品名)0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名)1.0重量部を用意した。これらを図1に示すように、混合しながら50℃から150℃程度まで1時間程度の加温を行った。
さらに、この150℃程度まで加温されたものに無機充填剤としてシリカ クリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名)100重量部、水酸化アルミニウム H32(昭和電工株式会社製、商品名)150重量部を添加しながら混合した。この際、無機充填剤の添加に伴い、図1に示すように、約1時間の間は温度が低下したが、最も低いときでも120℃を僅かに下回る程度の温度であった。さらに、この無機充填剤が添加されたものを150℃となるまで混合しながら加温を行った。
次いで、上記混合物に硬化成分として、硬化剤 QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名)87重量部、硬化促進剤 2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.0重量部を加えて注形用熱硬化性樹脂組成物とした。
(比較例1)
エポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテル EP4100E(旭電化工業株式会社製、商品名)100重量部、シリカとしてクリスタライトA−1(株式会社龍森製、商品名)200重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名)0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名)1.0重量部を用意した。
これらの成分を全て配合した後、図1に示すように、50℃から150℃となるまで5時間程度の混合および加温を行った。次いで、上記混合物に硬化成分として、硬化剤 QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名)87重量部、硬化促進剤 2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.0重量部を加えて注形用熱硬化性樹脂組成物とした。
(比較例2)
エポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテル EP4100E(旭電化工業株式会社製、商品名)90重量部、モノエポキサイド カージュラE1O(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名)10重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名)0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名)1.0重量部を用意し、これらの成分を配合した。
この配合した50℃のものに無機充填剤としてシリカ クリスタライトA−1(株式会社龍森製、商品名)100重量部、水酸化アルミニウム H32(昭和電工株式会社製、商品名)150重量部を、加温せずに添加、混合した。この無機充填剤を添加、混合する際の温度変化は、図1に示すようになった。無機充填剤を添加、混合する約2時間の間は温度が低下し、最も低いところで30℃を下回ることが認められた。
さらに、無機充填剤の添加が終わった後、図1に示すように、150℃となるまで3時間程度混合しながら加温を行った。次いで、上記混合物に硬化成分として、硬化剤 QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名)87重量部、硬化促進剤 2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.0重量部を加えて注形用熱硬化性樹脂組成物とした。
次に、実施例1、2および比較例1、2の注形用熱硬化性樹脂組成物について、混合槽の磨耗と含浸性の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、混合槽の磨耗は注形用熱硬化性樹脂組成物の色を目視することにより行い、注形用熱硬化性樹脂組成物の色が白色のものを混合槽の磨耗がないものとし表中「○」で示し、注形用熱硬化性樹脂組成物の色が混合槽の磨耗による金属の混入により黄色または灰色となったものを混合槽の磨耗ありとし表中「×」で示した。
また含浸性の評価は、濾紙を半分に折り畳んだ後、さらに半分に折り畳み、そこに注形用熱硬化性樹脂組成物を注入し、120℃、1時間で滴下した量により評価を行い、表中、滴下量が0.5g以上のものを「○」で示し、0.5g未満0.3g以上のものを「△」で示し、0.3g未満のものを「×」で示した。
Figure 2005290131
表1から明らかなように、本発明の製造方法により得られた実施例1、2の注形用熱硬化性樹脂組成物はいずれも混合槽の磨耗による金属成分の混入が抑制され、また無機充填材の破砕による微粉末が混入が少なく含浸性に優れていることが認められた。
実施例1、2、比較例1、2の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造の際の時間と温度との関係を示したグラフ

Claims (3)

  1. (A)エポキシ樹脂および(B)無機充填材を必須成分として含有し、前記(A)エポキシ樹脂100重量部に対して前記(B)無機充填材が150重量部以上300重量部以下である注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
    前記(A)エポキシ樹脂を100℃以上200℃以下に加温した後、前記(B)無機充填材を添加することを特徴とする注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  2. (A)エポキシ樹脂および(B)無機充填材を必須成分として含有し、前記(A)エポキシ樹脂100重量部に対して前記(B)無機充填材が150重量部以上300重量部以下である注形用熱硬化性樹脂組成物であって、請求項1記載の注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法により製造されたことを特徴する注形用熱硬化性樹脂組成物。
  3. 電気・電子部品を注形用熱硬化性樹脂組成物により注形してなる電気・電子部品装置であって、前記注形用熱硬化性樹脂組成物として請求項2記載の注形用熱硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とする電気・電子部品装置。
JP2004105335A 2004-03-31 2004-03-31 注形用熱硬化性樹脂組成物の製造方法、注形用熱硬化性樹脂組成物および電気・電子部品装置 Withdrawn JP2005290131A (ja)

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