JP2010179508A - 注形用エポキシ樹脂組成物、イグニッションコイル及びその製造方法 - Google Patents

注形用エポキシ樹脂組成物、イグニッションコイル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ボイドの少ない硬化物を与える注形用エポキシ樹脂組成物、同注形用エポキシ樹脂組成物を用いた、最外部にコイルケースを使用しなくても十分な強度を有するイグニッションコイルを提供すること。
【解決手段】脂環式エポキシ樹脂を10〜65質量%含むエポキシ樹脂(A)、シリカ粒子(B)、硬化剤(C)および4級アンモニウム塩系硬化促進剤(D)を必須成分として含有することを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物、同注形用エポキシ樹脂組成物をコイルに注形後硬化させてなるとともに、最外部にコイルケースを使用しないことを特徴とするイグニッションコイルおよび鉄心に1次コイル、2次コイルを巻き線した磁気回路部品を金型に配置し、前記注形用エポキシ樹脂組成物を金型内に真空注形し、加熱硬化後、金型から取り出すことを特徴とするイグニッションコイルの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、注形用エポキシ樹脂組成物及びそのエポキシ樹脂組成物によって注形されたイグニッションコイル及びその製造方法に係り、ケース材を用いず、高強度、耐電圧に優れたイグニッションコイル及びその製造方法に関する。
自動車用イグニッションコイルは、コイル構成部品の保護、絶縁のため、多くはエポキシ注形用樹脂組成物で、注形封止されており、近年、多機能化による内蔵部品の複雑化などにより、注形用樹脂組成物には、高含浸性、高絶縁性が求められている。通常はケース材に配置されたコイル部品に注形用エポキシ樹脂を真空注形することが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
さらに、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤に無機フィラーを配合したコイル含浸用エポキシ樹脂組成が提案されている(例えば、特許文献3〜8参照)。
しかしながら、いずれの特許文献にも特定のエポキシ樹脂と特定の硬化促進剤を組み合わせて用いることにより、硬化物における発泡を抑制することができることは開示されていない。
特開平7−126493号公報 特開2002−15928号公報 特開2003−155394号公報 特開2004−346114号公報 特開2005−48100号公報 特開2005−48101号公報 特開2006−111721号公報 特開2008−195782号公報
イグニッションコイルは高信頼性を有することが必須であり、コイル部分は外装ケース及び注形レジンによって絶縁保護されている。しかしながら、近年、電気絶縁性、信頼性を確保しながら、低価格で生産性の良いイグニッションコイルが求められている。又、成型物内部のコイル間にボイドが見られると、電気絶縁性の信頼に欠けるため、真空成型におけるボイドの発生は致命的な問題となる。
そこで、本発明は、上記課題を解決するものとして、コイルの真空成型に於いて、硬化物の発泡を抑えることにより成型ボイドを抑えるとともに、充分なコイル含浸性、絶縁信頼性を付与することができ、かつ、外装ケースを使用せず、コイル製品を安価に製造することができる注形用のエポキシ樹脂組成物およびイグニッションコイル製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)脂環式エポキシ樹脂を10〜65質量%含むエポキシ樹脂(A)、シリカ粒子(B)、硬化剤(C)および4級アンモニウム塩系硬化促進剤(D)を必須成分として含有することを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物、
(2)エポキシ樹脂(A)がビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である上記(1)に記載の注形用エポキシ樹脂組成物、
(3)硬化剤(C)がメチルテトラヒドロ無水フタル酸またはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸である上記(1)に記載の注形用エポキシ樹脂組成物、
(4)4級アンモニウム塩系硬化促進剤(D)が一般式R4+-(Rはアルキル基、アリール基等で表され、Xは、Cl、Br、I、カルボニル基等で表される)で表わされる4級アンモニウム塩構造を有する上記(1)に記載の注形用エポキシ樹脂組成物、
(5)粘度が1〜12Pa・s(60℃)、DSCの初期発熱温度が70〜100℃、最大発熱量が40〜100J/gであって、硬化後の曲げ弾性率が7000〜15000N/mm2で、かつ真空ゲル化した硬化物の断面中のボイド面積が2%以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の注形用エポキシ樹脂組成物、
(6)上記(1)〜(5)のいずれか記載の注形用エポキシ樹脂組成物をコイルに注形後硬化させてなるとともに、最外部にコイルケースを使用しないことを特徴とするイグニッションコイル、
(7)鉄心に1次コイル、2次コイルを巻き線した磁気回路部品を金型に配置し、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の注形用エポキシ樹脂組成物を金型内に真空注形し、加熱硬化後、金型から取り出すことを特徴とするイグニッションコイルの製造方法、および
(8)射出時の樹脂の温度が120〜150℃、粘度が0.1〜2Pa・s、部品1個当りの樹脂充填速度が5〜20cm3/秒である上記(7)に記載のイグニッションコイルの製造方法を提供する。
本発明の注形用エポキシ樹脂組成物によれば、特定の組成を用いることにより、コイルの真空成型において、硬化物の発泡を抑えることにより成型ボイドを抑えるとともに、コイル含浸性、絶縁信頼性を付与することができ、かつ、コイル製品を安価に製造することができる。
実施例および比較例で用いた注形用金型の構造を示す図である。 エポキシ樹脂組成物が取り込むガラスビーズの量を測定するための装置を示す図である。 真空減圧下、試験管内で樹脂組成物を硬化させる際の状況を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるエポキシ樹脂(A)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、分子量、分子構造等に制限されることなく一般的に用いられているものを用いることができ、例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、ビフェニル型等の芳香族系エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
又、この他に、必要に応じて反応性希釈剤である液状のモノエポキシ化合物等を併用成分として使用することができ、さらに、難燃性を付与しようとする場合には、臭素系のエポキシ樹脂を使用することもできる。
さらに、ポリカルボン酸のグリシジルエーテルやシクロヘキサン誘導体等のエポキシ化によって得られる脂環式エポキシ樹脂(A′)をエポキシ樹脂(A)全量中に10〜65質量%含むことが必須である。このように、特定量の脂環式エポキシ樹脂を用いることにより樹脂の低粘度化及び高ガラス転移点とすることが出来る。ガラス転移点の高い、より具体的には120℃以上のガラス転移点を有する樹脂を使用することによって最外部にコイルケースを使用しなくても十分な強度を有するイグニッションコイルを得ることができる。又、脂環式エポキシ樹脂は、通常、液状のモノエポキシ化合物のような希釈剤と比べその沸点が高いことから、高温での真空成型時に揮発しにくい等の特徴を有している。したがって、脂環式エポキシ樹脂を10質量%以上用いることにより、その樹脂粘度を低下させ、射出成型性が向上する。また、65質量%以下とすることにより、脂環式エポキシ樹脂の反応性が触媒に及ぼす影響が大きくなる等の不具合が生じ、靭性が劣り、脆くなる傾向を抑制することができる。脂環式エポキシ樹脂(A′)のより好ましい量は20〜40質量%である。
本発明に用いる成分(B)のシリカ粒子としては、溶融シリカ及び溶融球状シリカならびに破砕シリカを好ましく用いることができる。
例えば、ヒューズレックスRD−8、ヒューズレックスRD−120、ヒューズレックスE−1、ヒューズレックスE−2 MSR−15、MSR−3500(以上、株式会社龍森製、商品名)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。シリカ粒子の平均粒径は、通常、1〜30μm程度、好ましくは5〜20μmである。
この成分(B)のシリカ粒子は、成分(A)のエポキシ樹脂組成物100質量%中、50〜80質量%の範囲で含有することが好ましく、60〜75質量%の範囲とすることがさらに好ましい。含有量を50質量%以上とすることにより強度が低下するのを防止し、80質量%以下とすることにより、粘度が上昇し、作業性が低下してしまうのを防止する。
本発明に用いる成分(C)の硬化剤としては、前記した(A)エポキシ樹脂と反応して硬化可能なものであれば、いかなるものでも使用することができ、たとえば、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ノボラックフェノール樹脂、クレゾールノボラックフェノール樹脂、無水フタル酸誘導体、ジシアンジアミド、アルミニウムキレート、BF3のようなルイス酸のアミン錯体等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独であるいは硬化を阻害しない範囲において2種以上を混合して使用することができる。中でも、硬化性の観点からメチルテトラヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物のような酸無水物を用いるのが好ましい。
硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂が有するエポキシ基数「a」と硬化剤が有するカルボキシル基「b」との比a/bが1.0〜1.2であることが好ましい。ここで、「b」は酸無水物基の数の2倍とする。
本発明に用いる成分(D)の4級アンモニウム塩系硬化促進剤としては、成分(A)のエポキシ樹脂同士、又はエポキシ樹脂と成分(C)の硬化剤との反応を促進する作用を有するもので、一般式R4+-(Rはアルキル基、アリール基等で表され、Xは、Cl、Br、I、カルボニル基等で表される)のような4級アンモニウム塩構造を有するものが上げられる。又、好ましくは、Xにカルボニル基を有するものを用いるとより効果的である。
具体的には、カルボニル基を有するU−CAT2313(サンアプロ株式会社製)、塩素を有するカチオンAB−600(日本油脂株式会社製)等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を混合して使用することができる。
本発明の注形用エポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合されるアルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、ベンガラ、炭素粉等の無機充填剤、カップリング剤、消泡剤、顔料その他添加剤及び難燃助剤として三酸化アンチモン等を必要に応じて配合することができる。
ただし、コイルへの含浸性の観点から、繊維質充填剤を使用するのは好ましくない。このため、硬化物強度を確保するために、シリカ粒子(B)の量を50質量%以上配合するのが好ましく、エポキシ樹脂(A)として脂環式エポキシ樹脂を含むものを用いることが必須である。
本発明の注形用エポキシ樹脂組成物を、注形材料として調整するにあたっては、エポキシ樹脂(A)、シリカ粒子(B)、硬化剤(C)、4級アンモニウム塩系硬化促進剤(D)及び前記の必要に応じて配合される成分を充分撹拌して均一に混合することにより製造することができる。本発明の注形用エポキシ樹脂組成物は樹脂粘度が1〜12Pa・s(60℃)、DSCの初期発熱温度が70〜100℃、最大発熱量が40〜100J/gであることがさらに好ましい。さらに硬化後の曲げ弾性率が7000〜15000N/mm2で、かつ真空ゲル化した硬化物の断面中のボイド面積が2%以下であることが好ましい。
このようにして得られた本発明の注形用エポキシ樹脂組成物は、電気機器部品、特にイグニッションコイルの封止、被覆、絶縁等に適用すれば優れた特性と信頼性を付与することができる。これらの用途に適用するためには、本発明の注形用エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物の特性中、ガラスビーズの含浸性が8g以上(粒子径400μmの場合、注形用エポキシ樹脂組成物100g当たり)であり、機械的強度として曲げ強さが120(N/mm)以上であることが好ましい。
本発明のイグニッションコイルの製造は、鉄心に1次コイルおよび2次コイルを巻き線した磁気回路部品を金型に配置し、本発明の注形用エポキシ樹脂組成物を金型内に真空注形し、加熱硬化後、金型から取り出すことにより行う。
このように行うことにより、本発明の注形用エポキシ樹脂組成物を、常法であるケースを使用せずに、金型内で注形し、硬化させることにより製造することができる。
本発明で好ましく用いられる金型の概要は図1に示される。すなわち、プランジャーによる射出部及び真空ポンプによる吸引部を有する。
<注形条件>
本発明のイグニッションコイルの注形による製造は、以下のような条件で行われるのが好ましい。
すなわち、鉄心に1次コイルおよび2次コイルを巻き線した磁気回路部品を配置した金型をヒーター等により加熱して樹脂温度を120℃〜150℃として粘度が0.1〜2Pa・sとなるようにコントロールし、上方の真空ポンプにより133〜266Paに吸引しながら、下方のプランジャーにより射出圧力5〜10MPa、部品1個当りの樹脂充填速度5〜20cm3/秒にて真空射出成型を行う。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
<注形用エポキシ樹脂組成物の製造>
[実施例1]
エポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂〔旭電化工業株式会社製、商品名:EP4100E、エポキシ当量189〕80質量部、脂環式エポキシ樹脂(表1中でA'と表示)としてビニルシクロヘキセンジオキサイド〔ダウケミカル株式会社製、商品名:ERL4221〕20質量部、シリカ粒子として破砕シリカ〔株式会社龍森製、商品名:RD−8、平均粒径15μm〕240質量部および球状シリカ〔株式会社龍森製、商品名:MRS−15、平均粒径15μm〕350質量部、消泡剤〔GE東芝シリコーン社製、商品名:TSA720〕0.1質量部及びシランカップリング剤〔日本ユニカー社製、商品名:A−187〕0.5質量部を1時間真空混合したものを主剤成分とし、酸無水物としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(表1中の記載はMe−HHPA)〔日立化成株式会社製、商品名:HN7000〕100質量部、3級アミンとカルボン酸との塩である4級アンモニウム塩系硬化促進剤〔サンアプロ株式会社製、商品名:U−CAT2313〕2.0質量部、1時間真空混合したものを硬化剤成分とし、主剤成分と硬化剤成分を混合して注形用エポキシ樹脂組成物(以下の実施例および比較例においては、単に樹脂組成物と記載する)とした。
[実施例2]
4級アンモニウム塩系硬化促進剤を4.0質量部とした以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
[実施例3]
4級アンモニウム塩系硬化促進剤を6.0質量部とした以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
[実施例4]
ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を40質量部使用し、脂環式エポキシ樹脂としてビニルシクロヘキセンジオキサイド〔ダウケミカル株式会社製、商品名:ERL4221〕を60質量部使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
〔実施例5〕
4級アンモニウム塩系硬化促進剤として、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド〔日油株式会社製、商品名:ニッサンカチオンRAB−600、凝固点60〜66℃〕を4質量部使用した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
〔実施例6〕
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸100質量部を、メチルテトラヒドロ無水フタル酸〔表1中の記載はMe−THPA〕100質量部とした以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
〔比較例1〕
4級アンモニウム塩系硬化促進剤の替わりに比較用の硬化促進剤であるカオーライザーNo.20〔花王株式会社製、商品名〕1.0質量部及び同アデカハードナーEHC−30〔旭電化工業株式会社製、商品名〕2.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の樹脂組成物を製造した。
〔比較例2〕
4級アンモニウム塩系硬化促進剤の替わりに比較用の硬化促進剤〔四国化成株式会社製、商品名:1,2−DMZ〕2.0質量部を使用した以外は実施例1と同様にして比較用の樹脂組成物を製造した。
[比較例3]
ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を100質量部使用し、脂環式エポキシ樹脂を使用しなかった以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を製造した。
(試験例)
実施例1〜6及び比較例1〜3でそれぞれ得られた樹脂組成物および比較用の樹脂組成物の樹脂特性及び加熱硬化させて得られた硬化物の特性を評価し、その結果を表1に示した。
(成形例)
実施例1〜6及び比較例1〜3でそれぞれ得られた樹脂組成物および比較用の樹脂組成物をイグニッションコイルに含浸させて前記の金型で成形・硬化させ、イグニッションコイルの巻線間に存在するボイドの数を数えて、その結果を合わせて表1に示した。イグニッションコイルとしては、鉄心ボビン径φ18mm、巻き線径φ45μ、巻き数15000ターン、ケース径φ23mmの磁気回路部品にて評価を行った。
Figure 2010179508
硬化条件、各特性の測定方法および評価基準は以下の通りである。
1.硬化条件
150℃×1.5時間
2.各特性の測定方法および評価基準
(1)曲げ弾性率および曲げ強さ
JIS C 2105に準じ、温度25℃において測定した。曲げ強さとしては、120(N/mm)以上を良とした。
(2)初期発熱温度、最大発熱量及びガラス転移点
DSCを用いてTMA法により、昇温速度10℃/分で25℃から250℃まで昇温させて測定した。
(3)ガラスビーズ含浸性
図2に示すように、試験管内にガラスビーズ(粒子径400μm)を10g、及び上部に加圧用シリンダーを設けて樹脂組成物100gを投入し片側を真空ポンプに接続し133〜266Paで減圧し試験管を150℃に加熱しながら、樹脂組成物を7MPaの空気で加圧(図2にではAir加圧と表示)した。そのときの樹脂組成物が取り込むガラスビーズの取り込み量を測定した。
判定基準として8g以上の取り込み量を有する場合に良とした。
(4)樹脂組成物粘度
B型粘度計により、温度60℃、回転数10rpmにおいて測定を行った。
(5)真空ゲル化
図3に示すように、試験管内に樹脂組成物20gを入れ真空減圧下(110、120、130℃で各400Pa)において樹脂組成物をゲル化させて得られたゲル化物(硬化物)の内部状態を観察した。
(6)巻線間のボイドの数
鉄心ボビン径φ18mm、巻き線径φ45μ、巻き数15000ターン、ケース径φ23mmのイグニッションコイルを樹脂組成物中に浸漬して、120℃、400Paにおいてゲル化させて得られたゲル化物(硬化物)の内部を観察して巻線間のボイドの数を数えた。
表1に示されている結果から明らかなように、本発明の注形用エポキシ樹脂組成物は比較用のそれと較べて、含浸性が良く(発泡がない)、ガラス転移点が高く、信頼性の高い硬化物を得ることができる。又、特定の金型構造及び製造条件により、優れたイグニッションコイルの製造を低コストで行うことができる。
本発明の注形用エポキシ樹脂組成物は含浸性が良く、信頼性の高い硬化物を得ることができるので、例えば、自動車用イグニッションコイルの製造等に用いることができる。

Claims (8)

  1. 脂環式エポキシ樹脂を10〜65質量%含むエポキシ樹脂(A)、シリカ粒子(B)、硬化剤(C)および4級アンモニウム塩系硬化促進剤(D)を必須成分として含有することを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂(A)がビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である請求項1に記載の注形用エポキシ樹脂組成物。
  3. 硬化剤(C)がメチルテトラヒドロ無水フタル酸またはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸である請求項1に記載の注形用エポキシ樹脂組成物。
  4. 4級アンモニウム塩系硬化促進剤(D)が一般式R4+-(Rはアルキル基、アリール基等で表され、Xは、Cl、Br、I、カルボニル基等で表される)で表わされる4級アンモニウム塩構造を有する請求項1に記載の注形用エポキシ樹脂組成物。
  5. 粘度が1〜12Pa・s(60℃)、DSCの初期発熱温度が70〜100℃、最大発熱量が40〜100J/gであって、硬化後の曲げ弾性率が7000〜15000N/mm2で、かつ真空ゲル化した硬化物の断面中のボイド面積が2%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の注形用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の注形用エポキシ樹脂組成物をコイルに注形後硬化させてなるとともに、最外部にコイルケースを使用しないことを特徴とするイグニッションコイル。
  7. 鉄心に1次コイル、2次コイルを巻き線した磁気回路部品を金型に配置し、請求項1〜5のいずれかに記載の注形用エポキシ樹脂組成物を金型内に真空注形し、加熱硬化後、金型から取り出すことを特徴とするイグニッションコイルの製造方法。
  8. 射出時の樹脂の温度が120〜150℃、粘度が0.1〜2Pa・s、部品1個当りの樹脂充填速度が5〜20cm3/秒である請求項7に記載のイグニッションコイルの製造方法。
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