JP3872038B2 - 注形用エポキシ樹脂組成物、その硬化方法及び電気・電子部品装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2液性の注形用エポキシ樹脂組成物に係り、特に、電気特性、難燃性、耐湿性及び主剤の保存安定性に優れ、電子機器の高圧コイル等の絶縁処理に適した2液性の注形用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
注形用樹脂組成物は、電気機器用トランス類等の絶縁処理に使用されており、テレビ及びモニター用フライバックトランス等の比較的高周波かつ高電圧のトランスに使用される場合には、特に実用時における電気特性を含む諸特性の安定性及び難燃性が要求されている。
【0003】
近年は、テレビの大型化及び高品位化に伴い、コイルの細線化や構成部品が複雑になっており、注形用樹脂硬化物の外観にヒケやピンホール等が生ずるケースが増加し、これが電気特性を不安定にする要因となっていた。
【0004】
注形用樹脂硬化物表面に生ずるヒケやピンホール等の発生を抑える手段としては、主剤に配合する微細フィラー量を減量することにより、チクソ性を低減させ硬化物表面の平滑性を改善させる手法が有効であるが、この場合、主剤においてフィラー沈降を生じる危険があり、保存安定性が低下する問題があった。
【0005】
さらに近年は、信頼性の向上と共に環境への配慮から、ハロゲン化合物及びアンチモン化合物を使用しないで難燃性を付与した注形用樹脂組成物について種々検討されており、難燃剤として水酸化アルミニウムを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−116777号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、主剤の保存安定性に優れ、かつ、硬化物においてヒケやピンホールが無く外観に優れた注形用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、2液性の注形用エポキシ樹脂組成物において、硬化剤にリン酸エステル系湿潤・分散剤を配合することで、主剤の保存安定性を損なうことなく、かつ、硬化物においてヒケやピンホールが無く外観の優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができることを見出し本発明を完成したものである。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2液性の注形用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、(B)シリカと、(C)水酸化アルミニウムとを含有する主剤と、(D)酸無水物硬化剤と、(E)硬化促進剤と、(F)リン酸エステル系湿潤・分散剤とを含有する硬化剤とからなることを特徴とする。
【0010】
このような配合とした場合、ハロゲン及びアンチモンフリーであっても難燃性に優れた硬化物を得ることができ、電気機器用トランス類の絶縁処理、特に、フライバックトランス等の比較的高周波かつ高電圧のトランスの絶縁処理に適したものとすることができる。
【0011】
次に、この態様における各成分について説明する。
本発明に用いる(A)エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、特に限定することなく用いることができるが、環境保全の点から、ハロゲン元素を含まないエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0012】
このエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型、ノボラック型、ビフェニル型の芳香族系、ポリカルボン酸のグリシジルエーテル、シクロヘキサン誘導体のエポキシ化によって得られる脂環族等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0013】
また、これらの他に必要に応じて、液状のモノエポキシ樹脂等を併用成分として用いることもできる。
【0014】
本発明に用いる(B)シリカは、結晶シリカ、溶融シリカ等の通常充填剤として用いられているものであれば特に制限無く用いることができる。市販品を例示すると、クリスタライトA−A、同A−1、同C、同E−2、同RD−8(龍森株式会社製、商品名)等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0015】
このシリカは、(A)エポキシ樹脂 100重量部に対して、30〜150重量部の範囲で含有することが好ましく、30重量部未満では強度が低下してしまい、また、150重量部を越えると、粘度が上昇し、作業性が低下してしまう。
【0016】
本発明に用いる(C)水酸化アルミニウムは、一般的に充填剤として用いられているものであれば特に制限無く用いることができる。市販品を例示すると、ハイジライトH42M、同H42I、同H32、同H31I、同H31、同H32I(昭和電工株式会社製、商品名)、B013、B153、B103、BF083(日本軽金属株式会社製、商品名)等が挙げられ、これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
【0017】
この水酸化アルミニウムは、(A)のエポキシ樹脂 100重量部に対して、110〜180重量部の範囲で含有させることが好ましい。含有量が110重量部未満では、難燃性が低下し、180重量部を超えると作業性の低下、強度及び耐湿性等が低下してしまう。
【0018】
本発明に用いる(D)酸無水物硬化剤としては、分子中に酸無水物基を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独又は2種類以上混合して使用することができる。
【0019】
この(D)酸無水物硬化剤は、(A)エポキシ樹脂 100重量部に対して、80〜90重量部の範囲で含有させることが好ましい。
【0020】
本発明に用いる(E)硬化促進剤としては、エポキシ樹脂同士又はエポキシ樹脂と(D)酸無水物硬化剤との反応を促進するものであれば、特に制限されずに用いることができ、例えば、2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−エチルイミダゾール、ベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)及びそのオクチル酸塩等の三級アミン類、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0021】
これらの硬化促進剤は、(D)酸無水物硬化剤 100重量部に対して、0.3〜5重量部の範囲で含有させることが好ましい。
【0022】
本発明に用いる(F)リン酸エステル系湿潤・分散剤としては、リン酸エステル結合を有し、湿潤及び分散の両方の機能を発揮するものであれば、特に限定されずに用いることができる。
【0023】
このリン酸エステル湿潤・分散剤は、樹脂と相溶性を有するグループと無機充填剤に吸着するグループとからなり、無機充填剤の粒子表面に吸着し粒子の再凝集を防ぎ、樹脂系の中で分子間のネットワークを構築して安定化する機能を有し、粘度低下と沈降防止の両方の効果を発揮するものである。
【0024】
また、リン酸エステル系湿潤・分散剤は、硬化剤に配合するものであり、主剤に配合すると無機充填剤の沈降が生じやすくなるため好ましくない。
【0025】
このリン酸エステル系湿潤・分散剤としては、例えば、BYK−W985、同W990、同W995、同W996、同W9010(BKY Chemie社製、商品名)等の市販品が挙げられ、特にリン酸基を有するエステルコポリマーであることが好ましい。これらは単独又は2種類以上混合して使用することができる。
【0026】
このリン酸エステル系湿潤・分散剤は、(D)酸無水物硬化剤 100重量部に対して、0.1〜1.5重量部の範囲で含有させることが好ましい。含有量が0.1重量部未満では、硬化物の表面平滑性に乏しく、ヒケ・ピンホールが発生し、また、含有量が、1.5重量部を超えると硬化物においてクリヤー層が生成する可能性があり、クラック性に影響を与えてしまう。
【0027】
本発明に用いる注形用エポキシ樹脂組成物は、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合されるアルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、ベンガラ、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤、カップリング剤、消泡剤、顔料その他添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物を調整するにあたっては、エポキシ樹脂を樹脂成分とする主剤に、リン酸エステル系湿潤・分散剤を配合した硬化剤成分を混合することにより行うことができる。
【0029】
より具体的には、まず、主剤成分となる(A)エポキシ樹脂、(B)シリカ、(C)水酸化アルミニウム及び必要に応じて配合される成分を十分混合した後、この混合物に(D)酸無水物硬化剤、(E)硬化促進剤及び(F)リン酸エステル系湿潤・分散剤を添加し均一に混合すればよい。
【0030】
混合されたエポキシ樹脂組成物は注形材料として用いることができ、混合によりエポキシ樹脂組成物は硬化しはじめ、この際に熱を加えることでより硬化を促進させることができる。このようにして得られた注形材料は、電気・電子部品の封止、被覆、絶縁等に適しており、特に、コイル及びトランスに適用すれば優れた特性と信頼性を付与することができる。
【0031】
本発明の電気・電子部品装置を得るには、コイル、トランス等の電気・電子部品に対し、本発明のエポキシ樹脂組成物を2液性のエポキシ樹脂における常法に従い注形し、硬化させることにより製造すればよい。
【0032】
【実施例】
次に、本発明について実施例を参照しながらさらに詳細に説明する。
(実施例1)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:EP4100E) 80重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807) 10重量部及びモノエポキサイド(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:カージュラE10) 10重量部の3種を用い、シリカとしてクリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名) 65重量部、水酸化アルミニウム1としてH42I(昭和電工株式会社製、商品名) 25重量部、水酸化アルミニウム2としてBF083(日本軽金属株式会社製、商品名) 95重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.5重量部を混合して主剤とした。また、QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名) 88重量部、硬化促進剤として2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.8重量部、リン酸エステル系湿潤・分散剤としてBKY−W9010(BYK Chemie社製、商品名)[物理特性:無臭淡黄色液体、比重1.16、引火点191℃] 0.5重量部を加えて硬化剤とした。次いで、主剤と硬化剤の2液を混合して注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0033】
(実施例2)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:EP4100E) 80重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807) 10重量部及びモノエポキサイド(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:カージュラE10) 10重量部の3種を用い、シリカとしてクリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名) 65重量部、水酸化アルミニウム1としてH42I(昭和電工株式会社製、商品名) 25重量部、水酸化アルミニウム2としてBF083(日本軽金属株式会社製、商品名) 95重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.5重量部を混合して主剤とした。また、QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名) 88重量部、硬化促進剤として2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.8重量部、リン酸エステル系湿潤・分散剤としてBYK−W9010(BYK Chemie社製、商品名) 1.0重量部を加えて硬化剤とした。次いで、主剤と硬化剤の2液を混合して注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0034】
(実施例3)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:EP4100E) 80重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807) 10重量部及びモノエポキサイド(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:カージュラE10) 10重量部の3種を用い、シリカとしてクリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名) 65重量部、水酸化アルミニウム1としてH42I(昭和電工株式会社製、商品名) 25重量部、水酸化アルミニウム2としてBF083(日本軽金属株式会社製、商品名) 95重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.5重量部を混合して主剤とした。また、QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名) 88重量部、硬化促進剤として2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.8重量部、リン酸エステル系湿潤・分散剤としてBYK−W9010(BYK Chemie社製、商品名) 2.0重量部を加えて硬化剤とした。次いで、主剤と硬化剤の2液を混合して注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0035】
(比較例1)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:EP4100E) 80重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807) 10重量部及びモノエポキサイド(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:カージュラE10) 10重量部の3種を用い、シリカとしてクリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名) 65重量部、水酸化アルミニウム1としてH42I(昭和電工株式会社製、商品名) 25重量部、水酸化アルミニウム2としてBF083(日本軽金属株式会社製、商品名) 95重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.5重量部を混合して主剤とした。また、QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名) 88重量部、硬化促進剤として2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)1.8重量部を加えて硬化剤とした。次いで、主剤と硬化剤の2液を混合して注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0036】
(比較例2)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:EP4100E) 80重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807) 10重量部及びモノエポキサイド(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:カージュラE10) 10重量部の3種を用い、シリカとしてクリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名) 65重量部、水酸化アルミニウム1としてH42I(昭和電工株式会社製、商品名) 10重量部、水酸化アルミニウム2としてBF083(日本軽金属株式会社製、商品名) 110重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.5重量部を混合して主剤とした。また、QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名) 88重量部、硬化促進剤として2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名) 1.8重量部を加えて硬化剤とした。次いで、主剤と硬化剤の2液を混合して注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0037】
(比較例3)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:EP4100E) 80重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807) 10重量部及びモノエポキサイド(油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:カージュラE10) 10重量部の3種を用い、シリカとしてクリスタライトA−1(龍森株式会社製、商品名) 65重量部、水酸化アルミニウム1としてH42I(昭和電工株式会社製、商品名) 25重量部、水酸化アルミニウム2としてBF083(日本軽金属株式会社製、商品名) 95重量部、消泡剤としてTSA720(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.1重量部、シランカップリング剤としてTSL8350(東芝シリコーン株式会社製、商品名) 0.5重量部、リン酸エステル系湿潤・分散剤としてBYK−W9010(BYK Chemie社製、商品名) 1.0重量部を混合して主剤とした。また、QH200(日本ゼオン株式会社製、商品名) 88重量部、硬化促進剤として2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名) 1.8重量部を加えて硬化剤とした。次いで、主剤と硬化剤の2液を混合して注形用エポキシ樹脂組成物を製造した。
【0038】
(試験例)
実施例1〜3及び比較例1〜3で製造した注形用エポキシ樹脂組成物のそれぞれについて、主剤粘度及び主剤沈降性並びに硬化物の難燃性、ガラス転移点、絶縁破壊の強さ、硬化物クリヤー層及びFBTピンホール発生率について評価し、評価の結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
*1:B型粘度計(No.4ローター、0.6rpm)を用いて、25℃で測定した。
*2:厚さ6.4mmの硬化物を試料としてUL94試験により評価した。
*3:TMA法にて測定した。
*4:温度121℃、時間は上から順に、0時間、50時間、100時間の条件においてPCTにて評価した。
*5:100℃、2時間静置して評価した(○:沈降なし、△:沈降少し有り、×:沈降有り)。
*6:硬化物についてクリヤー層の有無を評価した。
*7:17インチディスプレイ用FBTコイル(巻線2500回巻き、外形サイズ5×5×10cm)を用い、それぞれのエポキシ樹脂組成物について5つの硬化物(n=50)を製造しピンホールの有無を調べた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の注形用エポキシ樹脂組成物及びその硬化方法によれば、硬化剤にリン酸エステル系湿潤・分散剤を配合することにより、主剤の保存安定性に優れ、かつ、ヒケやピンホールが無く外観に優れたエポキシ樹脂組成物の硬化物を得ることができる。
【0041】
さらに、注形用エポキシ樹脂組成物をハロゲン及びアンチモンフリーで難燃性に優れたものとすることができ、この場合、特にフライバックトランス等の比較的高周波かつ高電圧のトランスに適した硬化物を得ることができる。
【0042】
また、本発明の電気・電子部品装置は、本発明の注形用エポキシ樹脂を注形し絶縁硬化させて製造することで、成形後のヒケやピンホールがほとんど生じず、優れた硬化物特性を有するものである。
Claims (5)
- (A)エポキシ樹脂と、(B)シリカと、(C)水酸化アルミニウムとを含有する主剤と、
(D)酸無水物硬化剤と、(E)硬化促進剤と、(F)リン酸エステル系湿潤・分散剤とを含有し、無機充填剤を含有しない硬化剤とからなることを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物。 - 前記リン酸エステル系湿潤・分散剤がリン酸エステル結合で連結したコポリマーであることを特徴とする請求項1記載の注形用エポキシ樹脂組成物。
- 前記(A)エポキシ樹脂 100重量部に対して、前記(B)シリカ 30〜150重量部、前記(C)水酸化アルミニウム 110〜180重量部、前記(D)酸無水物硬化剤 80〜90重量部、前記(E)硬化促進剤 0.3〜5重量部、前記(F)リン酸エステル系湿潤・分散剤 0.1〜1.5重量部の割合で配合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の注形用エポキシ樹脂組成物。
- (A)エポキシ樹脂と、(B)シリカと、(C)水酸化アルミニウムとを含有する主剤と、(D)酸無水物硬化剤と、(E)硬化促進剤と、(F)リン酸エステル系湿潤・分散剤とを含有し、無機充填剤を含有しない硬化剤とを混合することを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物の硬化方法。
- 請求項4記載の注形用エポキシ樹脂組成物の硬化方法を用いて絶縁硬化したことを特徴とする電気・電子部品装置。
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