JP2012250777A - スリーブ付き強化ロッドを備えたプラスチックパレット - Google Patents

Abstract

【課題】パレットが曲げられたとき、あるいは金属が収縮するときに、強化ロッド周りの材料が局所的に過剰な応力に晒されて破損するおそれを抑制する。
【解決手段】パレットは、上部および下部デッキを含む。上部および下部デッキの少なくとも一方は、その頂面と底面の間にチャネルを含み、各々のチャネルは対応するデッキの側縁部から反対側の側縁部まで延びている。スリーブ付き強化ロッドが、チャネル内に存在する。各々のスリーブ付き強化ロッドは、対向する端部およびその間の側面を有する強化ロッドと、強化ロッドの側面を囲むスリーブとを含み、スリーブと強化ロッドの間に相対運動が存在する。第２の結合部材の内側スリーブは、上部および下部デッキを結合する複数の支持ブロックを画定するために第１の結合部材の外側スリーブを受け入れる。
【選択図】図１２

Description

本発明は、物資の取扱いに有用なパレットの分野に関し、より詳細には、フォークリフト装置と共に使用するように設計された組立式プラスチックパレットに関する。

通例では、物品を移動させ保管するために、パレットが使用されている。パレットは、通常、支持ブロックによって分離された上部デッキおよび下部デッキを含む。パレットは、従来、木材から形成されていた。木製のパレットは、コスト面では有利であるが、数多くの欠点を有する。例えば、木製パレットは、壊れやすく、したがって短期間しか再使用できない。また、木製のパレットは衛生的な状態に維持することが困難であり、それによって食品取扱い用途などの衛生面が重要視される用途におけるこれらの有用性が限定される。

プラスチック産業の成長に伴い、多種多様なプラスチックが、パレット生産における使用に関する適切性を判断するために研究されてきた。プラスチックパレットは、容易に型成形することができ、木製のパレットよりも強度があり軽量である。プラスチックパレットはまた、再利用可能な材料でも作製可能である。さらに、プラスチックパレットは、木製のパレットよりも耐久性がある。

プラスチックパレットの耐久性を増大させるために、強化要素またはロッドが使用されてきた。例えば第１の熱膨張係数を有するプラスチック材料から形成された上部デッキと、ほぼ第１の熱膨張係数を有するプラスチック材料から形成された下部デッキとを備える強化されたプラスチックパレットが、開示されている（例えば特許文献１を参照）。下部デッキは、その上面内に形成された複数のチャネルを含み、第１の膨張度とは異なる第２の熱膨張係数を有する複数の強化要素が、その複数のチャネル内に存在する。チャネルには、その中に強化要素を保持するための保持具が設けられる。

強化ロッドを備えた強化されたプラスチックパレットが、開示されている（例えば特許文献２を参照）。強化ロッドの少なくとも一部は、パレットの頂面に露出面を有する。強化部材としての機能に加えて、強化ロッドの露出面は、パレット上で貨物の位置を維持するための滑り止め表面を含む。

プラスチックパレットの耐久性を増大させるためのさらなる別の手法が、開示されている（例えば特許文献３を参照）。この’１５４特許は、互いに重なり合う２つの実質的に矩形の整合パネルを備える強化された荷役パレットを提供しており、各々のパネルは、剛性のフレームを有しており、この剛性のフレームは、そのフレームの４つの外側コーナに配置された中空の多角形の脚が装着されたつなぎ材を含む。フレームの少なくとも１つ内のつなぎ材の少なくとも一部には、少なくとも一部が単一の平面内で交差するチャネルが設けられる。パレットを強化するために、チャネル内にはロッドが挿入される。

プラスチックパレットは、木製パレットより優れたいくつかの利点を提供するが、依然としてプラスチックパレットの耐久性および強度を増大させる必要がある。

米国特許第６，１９９，４８８号明細書 米国特許第５，８６８，０８０号明細書 米国特許第４，７３５，１５４号明細書 米国特許出願公開第２００７／０２５６６０９号明細書

上記の背景に鑑みて、本発明の目的は、プラスチックパレットの耐久性を増大させることである。

本発明によるこのおよび他の目的、利点および特徴は、上部デッキおよび下部デッキを備えるプラスチックパレットを提供することである。複数の第１の結合部材が、上部デッキから下方に突出することでき、各々の第１の結合部材は、外側スリーブを含んでいる。複数の第２の結合部材が、下部デッキから上方に突出することができ、各々の第２の結合部材は、内側スリーブを含んでいる。上部および下部デッキの少なくとも一方は、その頂面と底面の間に複数のチャネルを含むことができ、各々のチャネルは、対応するデッキの側縁部から反対側の側縁部まで延びている。

複数のチャネル内には、複数のスリーブ付き強化ロッドが存在し得る。各々のスリーブ付き強化ロッドは、対向する端部およびその間の側面を有する強化ロッドと、強化ロッドの側面を囲むスリーブとを備えることができる。スリーブと強化ロッドの間に相対運動が存在することが好ましい。第２の結合部材の内側は、上部と下部のデッキを結合する支持ブロックを画定するために第１の結合部材の外側スリーブを受け入れる。

チャネルは、下部デッキ内のみ、上部デッキ内のみ、または上部および下部両方のデッキ内に存在し得る。スリーブ付き強化ロッドが両方のデッキ内に存在するとき、上部デッキ内のスリーブ付き強化ロッドは、下部デッキ内のスリーブ付き強化ロッドと直交し得る。同じデッキ内のスリーブ付き強化ロッドのすべては、同一平面上にあり、互いに平行であり得る。

スリーブ付き強化ロッドは、上部および下部デッキが形成される前に上部および／または下部デッキの型内に挿入される。スリーブ付き強化ロッドは、このようにして挿入成形される。プラスチックパレットの製造者は、通常、パレットが形成された後に強化ロッドをパレットに付加する。これには、パレットを最初に成形し、その後強化ロッドを付加することが必要になる。本発明によれば、スリーブ付き強化ロッドは、パレット型内に挿入される。

スリーブのプラスチックは、上部および下部デッキを形成するのに使用されるプラスチックの融点よりもわずかに高い融点を有することができる。その結果、スリーブの外面は、部分的に溶ける、または上部および下部デッキのプラスチックに接着するが、その中で強化ロッドが動くことを依然として可能にしている。あるいは、スリーブの融点は、上部および下部デッキの融点と同じである場合があるが、製造中の溶融プラスチックの冷却特性により、スリーブの外面が、溶けて強化ロッドまで落ちることなく、部分的に溶ける、あるいは上部および下部デッキの層のプラスチックに接着することが依然としてもたらされ得る。

各々の強化ロッドは、その対向する開放端の間に開口部が延びるような中空であり得る。プラスチックパレットは、さらに、強化ロッドの開放端内に挿入された複数の端部キャップを含むことができる。各々の強化ロッドは、そのスリーブとの相対運動を支援するためにフッ素含有ポリマーを含むことができる。

上部デッキは、さらに、複数のスナップピン開口部を含むことができ、上部デッキから下方に突出する各々の外側スリーブが、それぞれのスナップピン開口部を取り囲んでいる。下部デッキから上方に突出する各々の第２の結合部材は、その中に配置されたスナップピンを受け入れる空洞を含むことができる。スナップピンは、上部デッキ内のスナップピン開口部内に挿入することができ、各々のスナップピンは、スナップピンを受け入れる空洞を通って、スナップピンを受け入れる空洞に関連する内側スリーブの後部と係合するために延びている。

別の態様は、上記で説明したようにパレットを製造するための方法を対象とする。本方法は、対向する端部およびその間の側面を有する強化ロッドと、強化ロッドの側面を囲むスリーブとを各々が備える複数のスリーブ付き強化ロッドを形成するステップを含むことができる。スリーブと強化ロッドの間に相対運動が存在する。本方法は、さらに、上部および下部デッキ用のそれぞれの型を提供するステップと、スリーブ付き強化ロッドをそれぞれのデッキ内に配置するステップとを含むことができる。第１および第２の結合部材をそれぞれ含む上部および下部デッキが、形成される。第２の結合部材の内側スリーブは、上部と下部のデッキを結合する支持ブロックを画定するために第１の結合部材の外側スリーブを受け入れるように配置され得る。

本発明による組立式パレットの上部斜視図である。 図１に示すパレットの底部斜視図である。 図１に示すパレットの上部デッキの底部斜視図である。 図１に示すパレットの下部デッキの上部斜視図である。 本発明による、各々の支持ブロック内に使用されるスナップピンの斜視図である。 図５に示すスナップピンの上面図である。 本発明による支持ブロック内のスナップピンを示す、パレットの部分的な側部断面図である。 本発明による組立て前のパレットの斜視図である。 組み立てられた図８に示すパレットの斜視図である。 本発明による上部デッキ内のチャネルの配置を示すパレットの側面図である。 本発明によるより低い上部デッキ内のチャネルの配置を示すパレットの側面図である。 本発明によるスリーブ付き強化ロッドの断面図である。 本発明によるパレットを製造するための方法を示すフロー図である。

次に、本発明の好ましい実施形態を示す添付の図を参照して、以下においてより詳細に本発明を説明する。ただし、本発明は、多くの異なる形態で実施されてよく、本明細書に記載した実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。そうではなく、これらの実施形態は、本開示が、完璧かつ完全であり、本発明の範囲を当業者にすべて伝達するように提供される。全体にわたり、同じ番号は同じ要素を示し、代替の実施形態内の類似の要素を示すためにプライム表記法が使用される。

図１〜４は、スナップピン１６を使用して互いに固定された上部および下部デッキ１２、１４を有するパレット１０の上部および底部の斜視図を示している。上部デッキ１２はまた、積荷層としても知られており、下部デッキ１４はまた、ベース層としても知られている。

上部デッキ１２は、上部デッキから下方に突出する複数の第１の結合部材であって、各々が、外側スリーブ４０を含む、第１の結合部材を含む。下部デッキ１４は、下部デッキから上方に突出する複数の第２の結合部材であって、各々が、内側スリーブ４２を含む、第２の結合部材を含む。第２の結合部材の内側スリーブ４２は、上部と下部のデッキ１２、１４を結合する支持ブロック１８、１８ａを画定するために第１の結合部材の外側スリーブ４０を受け入れる。

支持ブロック１８、１８ａは、上部と下部のデッキ１２、１４の間に、パレットジャックのつめなどの少なくとも１つの持上げ部材を受け入れるための空間２０を画定する。スナップピン１６の利点は、これらが、パレット１０の上部と下部のデッキ１２、１４の間に分離力がかけられた場合にヒュージブルリンクとして働くことである。この分離力は、パレットジャックのホイールが下部層１４に載り上がり、パレットジャックから延びるつめが上方に持ち上げられたときに生じ得る。これが、上部デッキ１２を支持ブロック１８、１８ａから分離させる。分離力が過剰になりすぎると、ヒュージブルリンク１６上のタブ５０が折れるまたは破損する。その結果、上部デッキ１２全体を取り替える代わりに、破損したタブ５０を備えたスナップピン１６が取り替えられる。

以下により詳細に論じるように、支持ブロック１８、１８ａは、それぞれの上部および下部デッキ１２、１４から延びる外側および内側スリーブ４０、４２によって形成される。外側および内側スリーブ４０、４２は、そのそれぞれの上部および下部デッキ１２、１４の一部として型成形される。しかし、上部および下部デッキ１２、１４は、別個に型成形される。

上部デッキ１２は、ほぼ平坦な平面を含み、この平面は、それを貫通して延びる複数の穴２２を有する。同様に、下部デッキ１４は、ほぼ平坦な平面を含み、この平面は、それを貫通して延びる複数の穴２３を有する。穴２２、２３は、例えば上部および下部デッキ１２、１４の表面積の低減、上部デッキ上に配置された物品のための空気循環の向上、およびパレット重量の低減などを含むいくつかの利点を提供する。上部および下部デッキを備えたプラスチックパレットの例が、開示されている（例えば、特許文献４を参照）。この特許は、本発明の現在の譲受人に譲渡され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。

上部デッキ１２は、穴１２を含まない、平面の外側の外周部２４を含むことができる。この領域は、例えば約３から５インチ（７．６２ｃｍから１２．７ｃｍ）の幅でよい。下部デッキ１４は、上部デッキ１２の外周形状とほぼ整合する外周形状を有する。下部デッキ１４は、交差材２６、２８を有する矩形の外周形状を含むことができ、この交差材２６、２８は、パレット１０のコーナ間の中間で矩形の外周部の各々の側部の中央部分と交差する。

上部および下部デッキ１２、１４は、熱可塑性材料または他のポリマー材料、中でも高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）などから型成形されてよい。当業者によって理解され得るように、ポリマー材料は、充填でも非充填でもよく、かつ／または他の特徴の中でも粒子状または繊維状の、天然または合成の材料を含むことができる。例えば非充填ＨＤＰＥは、衝撃強さの向上をもたらすことができ、増強剤（すなわち長いガラス繊維）を有するＰＰは、構造特性の改良をもたらすことができ、ランダムコポリマーを備えた非充填ＰＰは、強化品質の向上をもたらすことができる。

上部および下部デッキ１２、１４は、異なる熱可塑性またはポリマー材料から型成形されてよい。例えば、上部デッキ１２は、第１の種類の熱可塑性またはポリマー材料から型成形されてよく、下部デッキ１２は、第２の種類の熱可塑性またはポリマー材料から型成形されてよい。代替の実施形態によれば、上部および下部デッキ１２、１４の全部または一部を、例えば木材および／または金属などのプラスチック以外の材料から構築することができる。

図示したパレット１０は、ほぼ正方形の形状のものである。パレット１０の例示的なサイズは、例えば４８インチ（１．２１９ｍ）×４８インチ（１．２１９ｍ）である。当業者によって容易に理解されるように、パレット１０はまた、例えば４０インチ（１．０１６ｍ）×４８インチ（１．２１９ｍ）などの他の矩形の形状で形成されてもよい。パレット１０は、その周囲に沿って曲線状のコーナ／縁部３０を含むことができる。曲線状のコーナ／縁部３０は、フォークリフトのつめとの衝突時の損傷を低減および／またはそらし、美観の向上をもたらすのに役立つ。

図示したパレット１０は、上部と下部のデッキ１２、１４を互いに結合させ、パレットジャックのつめがそれらの間に挿入され得るように分離させるために設けられた複数の支持ブロック１８、１８ａを含む。例えば、図示したパレット１０は、パレットのコーナ、およびパレットの外縁部に沿ったパレットのコーナ間に配置された９個の支持ブロック１８、１８ａを含む。支持ブロック１８ａはまた、パレット１０の中央部の、下部デッキ１４内の交差材２６、２８の交差部にも設けられる。

各々の支持ブロック１８、１８ａは、上部デッキ１２から下方に突出する外側スリーブ４０、および下部デッキ１４から上方に突出する内側スリーブ４２によって画定される。外側および内側スリーブ４０、４２は、そのそれぞれの上部および下部デッキ１２、１４を備えて型成形される。外側および内側スリーブ４０、４２は、それらが一緒に結合されたときに互いに重なり合うように寸法設定される。外側および内側スリーブ４０、４２の形状は、特定の形状に限定されない。外側および内側スリーブ４０、４２は、例えば正方形の形状、三角形の形状、楕円形状、または十字形状でよい。外側スリーブ４０の縁部は、曲線状でよい。

上部デッキ１２は、スナップピン１６を受け入れるための複数のスナップピン開口部を含む。各々の外側スリーブ４０は、それぞれのスナップピン開口部を取り囲む。下部デッキ１４は、各々の内側スリーブ４２内に配置されたスナップピンを受け入れる空洞４４を含む。複数の放射状のリブ４３が、スナップピンを受け入れる空洞４４と内側スリーブ４２との間を延びる。

支持ブロック１８、１８ａの利点は、フォークリフトのつめとの接触からの衝撃エネルギーが、次の要素内において消散され得ることである。：外側スリーブ４０、内側スリーブ４２、放射状のリブ４３、および内側スリーブ内のスナップピンを受け入れる空洞４４によって画定された円筒状のコア。フォークつめは、最初、衝撃エネルギーのほとんどを吸収する外側スリーブ４０に打ち当たる。次いで、衝撃エネルギーは、これもまたその衝撃エネルギーのいくらかを吸収する内側スリーブ４２に送出され得る。放射状のリブ４３では、衝撃エネルギーのさらなる吸収が行われる。残存する衝撃エネルギーは、スナップピンを受け入れる空洞４４に到達して消散される。

各々のスナップピン１６は、図５に良好に示すように、頭部４６と、本体４８と、離間された先端部５０とを含む。頭部４６は、上部デッキ１２内のスナップピン開口部と係合するためのものである。各々のスナップピン１６の頭部４６は、図６に示すように、離間された直線の縁部４９を含むように成形される。上部デッキ１２内の各々のスナップピン開口部は、それに対応して同じように成形される。これは、スナップピン１６を所定位置に保持するのに役立つ。スナップピン１６は、通常、上部および下部デッキ１２、１４が互いに結合されて支持ブロック１８、１８ａを形成した後でパレット１０内に挿入される。

離間された先端部５０は、図７に良好に示すように、内側スリーブの後部６０と係合するためにスナップピンを受け入れる空洞４４を通って延びる。スナップピンを受け入れる空洞４４は、内側スリーブ４２の上部から下部デッキ１４の底部までの全長を延びていない。これは、スナップピン１６のタブ５０が内側スリーブ４２の後部６０を越えて係合するための余地を与えるためである。

上部および下部デッキ１２、１４は、図３および４では分離されているが、スナップピン１６は、例証するためにそれに従って配置されている。図３に示すように、スナップピン１６は、外側スリーブ４０内に、かつそれを越えて延びている。図４に示すように、スナップピン１６の頭部４６は、下部デッキ１４が所定位置にない状態では、内側スリーブ４２およびスナップピンを受け入れる空洞４４の上方に隆起している。このため、各々のスナップピン１６の頭部４６が上部デッキ１２内のスナップピン開口部と係合するための隙間が可能になり、離間された先端部５０は、スナップピンを受け入れる空洞４４を通ってそれに関連する内側スリーブ４２の後部６０と係合するために延びる。

各々のスナップピン１６の離間された先端部５０は、スナップピンを受け入れる空洞４４を通り抜けた後、それに関連する内側スリーブ４２の後部５０と係合するために本体４８から外側に弾性的に延びる。各々のスナップピン１６の離間された先端部５０は、スナップピンを受け入れる空洞４４を通るその先端部の挿入を容易にするために角度が付けられ得る。各々のスナップピンの離間された先端部５０は、内側スリーブの後部と係合するためのそれぞれの口部５１を備える。それぞれの口部５１は、上部と下部のデッキ１２、１４の間にかけられた過剰な分離力に基づいて折れて取れるように構成される。スナップピン１６もまた、プラスチックから形成される。あるいは、スナップピン１６は、上記で詳細に論じたように上部および下部デッキ１２、１４を形成するのに使用される任意の材料から形成されてよい。

別の態様は、パレットの耐久性を向上させることを対象とする。これは、それぞれの上部および／または下部デッキ１２’、１４’用のパレット１０’の上部および／または下部の型内にスリーブ付き強化ロッド８０’を挿入することによって達成される。当業者に容易に理解されるように、スリーブ付き強化ロッド８０’は、挿入成形される。

図８にパレット１０’の展開図によって最適に示すように、４本のスリーブ付き強化ロッド８０’が、下部デッキ１４’内で使用され、４本のスリーブ付き強化ロッド８０’が、上部デッキ１２’内で使用される。スリーブ付き強化ロッド８０’の実際の数は、パレット１０’のサイズおよびその意図された使用、ならびに支持ブロック１８’、１８ａ’の実際の数によって異なる。上記で留意したように、スリーブ付き強化ロッド８０’は、下部デッキ１４’内のみ、上部デッキ１２’内のみ、または上部および下部両方のデッキ内に存在してよい。図示するために、上部および下部両方のデッキ１２’、１４’は、スリーブ付き強化ロッド８０’を含んでいる。組み立てられたパレット１０’が、図９に示されている。

上部デッキ１２’は、図１０に示すように、その頂面と底面９４’、９６’の間にチャネル９２を含む。スリーブ付き強化ロッド８０’の上面は、上部デッキ１２’の頂面９４’の下方、および上部デッキ１２’の底面９６’の上方にある。各々のチャネル９２’は、上部デッキ１２’の側縁部から反対側の側縁部まで延びる。

同様に、下部デッキ１４’は、図１１に示すように、その頂面と底面１０４’、１０６’の間にチャネル１０２’を含む。スリーブ付き強化ロッド８０’の上面は、下部デッキ１４’の頂面１０４’の下方、および下部デッキ１４’の底面１０６’の上方にある。各々のチャネル１０２’は、下部デッキ１２’の側縁部から反対側の側縁部まで延びる。

図示したチャネル９２’、１０２’は、それらが支持ブロック１８’、１８ａ’の頂部または底部上にあるように配置される。中央の支持ブロック１８ａ’は、他の支持ブロック１８’より幅広である場合があり、その結果、上部デッキ１２’の中央部分内のチャネル９２’内の２本のスリーブ付き強化ロッド８０’、および下部デッキ１４’の中央部分内のチャネル１０２’内の２本のスリーブ付き強化ロッド８０はそれぞれ、支持ブロックによって支持されるが、依然として上部および下部デッキに強度をもたらすことができる。代替として、支持ブロック１８’、１８ａ’のすべては、同じサイズのものである。

次に図１２を参照すると、スリーブ付き強化ロッド８０’は、対向する端部およびその間の側面を有する強化ロッド８２’と、強化ロッドの側面を囲むスリーブ８４’とを備える。強化ロッド８２’の端部は、露出されている。スリーブ付き強化ロッド８０’は、スリーブ８４’と強化ロッド８２’の間の相対運動を可能にする。

強化ロッド８２’は、例えば金属製であり、スリーブ８４’は、例えばプラスチック製である。金属は、鋼を含むことができる。しかし、他の種類の金属が使用されてもよい。あるいは、強化ロッド８２’は、例えば強化繊維ガラスなどの非金属材料を含むこともできる。

パレット１０’が曲げられたとき、あるいは金属が収縮するとき、強化ロッド８２’とプラスチックスリーブ８４’の間に相対運動が必要になる。そのため、強化ロッド８２’は、断じてプラスチックでコーティングされるものではない。さもなければ、強化ロッド８２’周りのプラスチックが局所的に過剰な応力にさらされ、それによって亀裂をもたらす恐れがある。

図示する強化ロッド８２’は、矩形の形状を有し、その対向する端部の間を開口部が延びるような中空である。１つの実施形態では、スリーブ８４’は、スリーブ付き強化ロッド８０’を形成するために強化ロッド８２’上に押し出される。強化ロッド８２’の形状は、さまざまなものでよく、他の実施形態では充填のものであってもよい。強化ロッド８２’とスリーブ８４’の間の相対運動を支援するために、強化ロッドは、フッ素含有ポリマーを含むことができる。フッ素含有ポリマーは、テフロン（登録商標）としても知られており、また以下を含む：ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、パーフルオロアルコキシ（ＰＦＡ）およびフッ化エチレンプロピレン（ＦＥＰ）。

背景の項で論じた従来技術の特許の場合のように、プラスチックパレットの製造者は、通常、パレットが形成された後で強化ロッドをパレットに付加する。これには、パレットを最初に成形し、その後強化ロッドを付加することが必要になる。それとは際立って対照的に、スリーブ付き強化ロッド８０’は、上部および下部デッキ１２’、１４’がパレット型内で形成される前にパレット型内に挿入される。

スリーブ８４’のプラスチックは、上部および下部デッキ１２’、１４’を形成するのに使用されるプラスチックの融点よりもわずかに高い融点を有する。その結果、スリーブ８４’の外面が、部分的に溶ける、または上部および下部デッキ１２’、１４’のプラスチックに接着するが、その中で強化ロッド８２’が動くことを依然として可能にしている。あるいは、スリーブ６４’の融点は、上部および下部デッキ１２’、１４’の融点と同じである場合があるが、製造中の溶融プラスチックの冷却特性により、スリーブ８４’の外面が、溶けて強化ロッド８２’まで落ちることなく、部分的に溶ける、あるいは上部および下部デッキ１２’、１４’のプラスチックに接着することが依然としてもたらされる。

上部および下部デッキ１２’、１４’が、その中にスリーブ付き強化ロッド８０’を備えて形成された後、強化ロッド８２’の端部を密封するために端部キャップ９０’が使用される。あるいは、スリーブ付き強化ロッド８０’の端部は、形成された結果として閉じられ得る。プラスチックパレット１０’が再利用される場合、スリーブ８４’の端部が穿孔され、あるいは端部キャップ９０’が取り外され、それによって別のパレットで使用するために強化ロッド８２’をそこから取り外すことができる。

上部および下部デッキ１２’、１４’は、スリーブ付き強化ロッド８０’を露出させるためのさらなる穴７１’、７３’を含む。これにより、強化ロッド８２’をスリーブ８４’から取り外すのを助けるためにスリーブ８４’を側部から穿孔することも可能になる。

図示するパレット１０’は、さらに、荷役が上部デッキ１２’の頂面９４’上を摺動するのを防止するための摩擦プラグ１１０’を含む。摩擦プラグ１１０’は、パレット１０’が形成された後上部デッキ１２’内の対応する開口部を通って挿入される。

別の態様は、上記で説明したようにパレット１０’を製造するための方法を対象とする。次に図１３に示すフロー図を参照すると、本方法は、開始（ブロック１２０）から、ブロック１２２では、対向する端部およびその間の側面を有する強化ロッド８２’と、強化ロッドの側面を囲むスリーブ８４’とを各々が備える複数のスリーブ付き強化ロッド８０’を形成するステップを含む。スリーブ８４’と強化ロッド８２’の間に相対運動が存在する。

本方法は、さらに、ブロック１２４における、上部および下部デッキ１２’、１４’用のそれぞれの型を提供するステップと、ブロック１２６における、スリーブ付き強化ロッド８０’をそれぞれのデッキ内に配置させるステップとを含む。ブロック１２８では、第１および第２の結合部材４０’、４２’をそれぞれ含む上部および下部デッキ１２’、１４’が、形成される。ブロック１３０では、第２の結合部材４２’の内側スリーブが、上部と下部のデッキ１２’、１４’を結合する支持ブロック１８’、１８ａ’を画定するために第１の結合部材４０’の外側スリーブを受け入れるように配置される。本方法は、ブロック１３２で終了する。

本発明の多くの改変形態および他の実施形態は、上記の説明および関連する図内に提示された教示の恩典を有する当業者によって想定されるであろう。したがって、本発明が、開示された特定の実施形態に限定されるものではないこと、および改変形態および実施形態は、当業者によって容易に理解されるように含められることが意図されることが理解される。

Claims (23)

1. 上部デッキと、
   前記上部デッキから下方に突出する複数の第１の結合部材であって、各々が外側スリーブを含む、第１の結合部材と、
   下部デッキと、
   前記下部デッキから上方に突出する複数の第２の結合部材であって、各々が内側スリーブを含み、前記上部および下部デッキの少なくとも一方が、その頂面と底面の間の複数のチャネルであって、各々が前記対応するデッキの側縁部から反対側の側縁部まで延びる、チャネルを含む、第２の結合部材と、
   前記複数のチャネル内の複数のスリーブ付き強化ロッドとを備えるパレットであって、各々のスリーブ付き強化ロッドは、
   対向する端部および前記対向する端部間の側面を有する強化ロッドと、
   前記強化ロッドの前記側面を囲むスリーブとを備え、前記スリーブと前記強化ロッドの間に相対運動が存在し、
   前記複数の第２の結合部材の前記内側スリーブは、前記上部と下部のデッキを結合する複数の支持ブロックを画定するために前記複数の第１の結合部材の前記外側スリーブを受け入れ、
   前記複数のチャネルを含む前記上部および下部デッキの前記少なくとも一方は、第１の融点を有する材料を含み、これに対応する各々のスリーブは、前記第１の融点よりも高い第２の融点を有する材料を含むことを特徴とするパレット。
2. 前記複数のチャネルは、前記上部および下部両方のデッキ内に存在することを特徴とする請求項１に記載のパレット。
3. 前記上部デッキ内の前記スリーブ付き強化ロッドは、前記下部デッキ内の前記スリーブ付き強化ロッドと直交することを特徴とする請求項２に記載のパレット。
4. 前記対応するデッキ内の前記スリーブ付き強化ロッドのすべては、同一平面上にあり、互いに平行であることを特徴とする請求項１に記載のパレット。
5. 各々の強化ロッドは、前記強化ロッドの対向する開放端の間に開口部が延びるような中空であることを特徴とする請求項１に記載のパレット。
6. 前記複数のスリーブ付き強化ロッドの前記開放端内に挿入された複数の端部キャップをさらに備えることを特徴とする請求項５に記載のパレット。
7. 各々の強化ロッドは、矩形の形状を有することを特徴とする請求項１に記載のパレット。
8. 各々の強化ロッドは、フッ素含有ポリマーを含むことを特徴とする請求項１に記載のパレット。
9. 前記上部デッキは、複数のスナップピン開口部を含み、前記上部デッキから下方に突出する各々の外側スリーブは、それぞれのスナップピン開口部を取り囲み、前記下部デッキから上方に突出する各々の第２の結合部材は、前記第２の結合部材内に配置されたスナップピンを受け入れる空洞を含み、かつ前記上部デッキ内の複数のスナップピン開口部内に挿入された複数のスナップピンであって、各々が、前記スナップピンを受け入れる空洞を通って前記スナップピンを受け入れる空洞に関連する前記内側スリーブの後部と係合するために延びる、スナップピンをさらに備えることを特徴とする請求項１に記載のパレット。
10. 各々のスナップピンは、前記スナップピンの一方の端部に、スナップピン開口部と係合する頭部と、前記スナップピンの反対側の端部に、前記スナップピンを受け入れる空洞を通って延びる、前記スナップピンを受け入れる空洞に関連する前記内側スリーブの後部と係合するための離間された先端部とを備えることを特徴とする請求項９に記載のパレット。
11. 前記離間された先端部は、前記スナップピンを受け入れる空洞を通り抜けた後、前記スナップピンを受け入れる空洞から外側に弾性的に延びることを特徴とする請求項１０に記載のパレット。
12. 各々のスナップピンの前記離間された先端部は、前記スナップピンを受け入れる空洞を通る前記離間された先端部の挿入を容易にするために角度が付けられることを特徴とする請求項１１に記載のパレット。
13. 各々のスナップピンの前記離間された先端部は、前記内側スリーブの前記後部と係合するためのそれぞれの口部を備え、各々のスナップピンの前記それぞれの口部は、前記上部と下部のデッキの間にかけられた分離力に基づいて折れて取れるように構成されることを特徴とする請求項１０に記載のパレット。
14. 前記上部および下部デッキ、前記複数の第１および第２の結合部材、ならびに前記スリーブは、プラスチックを含むことを特徴とする請求項１に記載のパレット。
15. 第１の融点を有するプラスチックを含む上部デッキと、
    前記上部デッキから下方に突出する複数の第１の結合部材であって、各々が外側スリーブを含む、第１の結合部材と、
    前記第１の融点を有するプラスチックを含む下部デッキと、
    前記下部デッキから上方に突出する複数の第２の結合部材であって、各々が内側スリーブを含む、第２の結合部材と、を備え、
    前記上部および下部デッキの少なくとも一方が、その頂面と底面の間に複数のチャネルを含み、
    さらに、前記複数のチャネル内の複数のスリーブ付き強化ロッドを備えるプラスチックパレットであって、各々のスリーブ付き強化ロッドは、
    対向する端部および前記対向する端部間の側面を有する強化ロッドと、
    前記強化ロッドの前記側面を囲むスリーブとを備え、前記スリーブと前記強化ロッドの間に相対運動が存在し、前記スリーブは、前記第１の融点より高い第２の融点を有するプラスチックを備え、
    前記複数の第２の結合部材の前記内側スリーブは、前記上部と下部のデッキを結合する複数の支持ブロックを画定するために前記複数の第１の結合部材の前記外側スリーブを受け入れることを特徴とするプラスチックパレット。
16. 前記複数のチャネルは、前記上部および下部両方のデッキ内に存在することを特徴とする請求項１５に記載のプラスチックパレット。
17. 前記上部デッキ内の前記スリーブ付き強化ロッドは、前記下部デッキ内の前記スリーブ付き強化ロッドと直交することを特徴とする請求項１６に記載のプラスチックパレット。
18. 各々の強化ロッドは、前記強化ロッドの前記対向する開放端の間に開口部が延びるような中空であることを特徴とする請求項１５に記載のプラスチックパレット。
19. 前記複数のスリーブ付き強化ロッドの前記開放端内に挿入された複数の端部キャップをさらに備えることを特徴とする請求項１８に記載のプラスチックパレット。
20. 各々の強化ロッドは、矩形の形状を有することを特徴とする請求項１５に記載のプラスチックパレット。
21. 各々の強化ロッドは、フッ素含有ポリマーを含むことを特徴とする請求項１５に記載のプラスチックパレット。
22. 前記上部デッキは、複数のスナップピン開口部を含み、前記上部デッキから下方に突出する各々の外側スリーブは、それぞれのスナップピン開口部を取り囲み、前記下部デッキから上方に突出する各々の第２の結合部材は、前記第２の結合部材内に配置されたスナップピンを受け入れる空洞を含み、かつ前記上部デッキ内の複数のスナップピン開口部内に挿入された複数のスナップピンであって、各々が、前記スナップピンを受け入れる空洞を通って前記スナップピンを受け入れる空洞に関連する前記内側スリーブの後部と係合するために延びる、スナップピンをさらに備えることを特徴とする請求項１５に記載のプラスチックパレット。
23. 各々のスナップピンは、前記スナップピンの一方の端部に、スナップピン開口部と係合する頭部を備え、かつ、前記スナップピンの反対側の端部に、前記スナップピンを受け入れる空洞を通って延びる、前記スナップピンを受け入れる空洞に関連する前記内側スリーブの後部と係合するための離間された先端部を備えることを特徴とする請求項２２に記載のプラスチックパレット。

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