JP2012225332A - スタータ制御装置の異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アイドルストップ制御を行うECU11では、運転者の始動用操作に応じてエンジン7を始動させるECU12からユーザ始動指令が出力されると、まずトランジスタT1,T3がオンして、ソレノイド23を動作させてスタータ9のピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせ、その後、遅延回路47による遅延時間Tdが経過すると、該遅延回路47の出力でトランジスタT2がオンして、電磁スイッチ19をオンさせてスタータ9のモータ17への通電を行う。そして、マイコン35は、ユーザ始動指令が出力されてからトランジスタT2がオンするまでの時間tを測定し、該時間tが遅延時間Tdの正常値か否かを判定する。
【選択図】図1
Description
第1の駆動手段は、車両のエンジンを始動させる始動時(エンジン始動時)において、スタータのピニオンギヤを初期位置から噛み合い位置へ移動させるために、ピニオン制御用アクチュエータに通電するための第1の駆動動作を行う。そして、第2の駆動手段は、始動時において、第1の駆動手段が第1の駆動動作を開始してから所定の遅延時間が経過すると、モータに通電してエンジンのクランキングを開始するために、モータ通電用スイッチ手段をオンさせるための第2の駆動動作を行う。
[第1実施形態]
まず図1は、第1実施形態のスタータ制御システムを表す構成図である。
ECU11は、エンジン7のアイドルストップ制御を行うECUであり、そのアイドルストップ制御においてエンジン7を自動的に再始動させる際に、スタータ9を機能させる(即ち、スタータ9にエンジン7をクランキングさせる)。
トランジスタT0の2つの出力端子のうちの一方は、ECU12におけるバッテリ電圧VB(即ち、車載バッテリ16のプラス端子の電圧)のラインに接続されており、他方の出力端子は、ECU12においてユーザ始動指令信号を出力するために設けられた端子Joに接続されている。尚、本実施形態において、トランジスタT0は、Pチャネル型のMOSFETである。そして、トランジスタT0は、マイコン15からの駆動信号により、図示しない駆動回路を介してオン/オフされる。
図2に示すように、遅延回路47は、当該遅延回路47への入力電圧(即ち、ダイオード46からのユーザ始動指令信号、あるいは、トランジスタT4からのダミー信号)が一端に与えられる抵抗61、及び該抵抗61の他端とグランドラインとの間に接続されたコンデンサ62からなる積分回路と、コンデンサ62のグランドライン側とは反対側に非反転入力端子が接続された比較器63と、バッテリ電圧VBを分圧し、その分圧した電圧を比較器63の反転入力端子(−端子)に判定基準電圧Vth3として入力する2つの抵抗64,65と、バッテリ電圧VBのラインと比較器63の出力端子との間に接続されたプルアップ用の抵抗66とを備えている。そして、抵抗64,65の抵抗値の比率は、例えば、上記判定基準電圧Vth3がバッテリ電圧VBの3/4の電圧(VB・3/4)となるように、「1:3」の比率に設定されている。尚、プルアップ用の抵抗66は、比較器63がハイ(=VB)の信号を出力できるようにするために設けられている。
車両がイグニッションオフの状態で、運転者がスタートストップスイッチを押すと、車両はイグニッションオンの状態となり、ECU12のマイコン15及びECU11のマイコン35が起動する。
そして、トランジスタT3がオンすることで、リレー31,32のコイル31a,32aの上流側にバッテリ電圧VBが供給され、更に、トランジスタT1がオンすることで、リレー31のコイル31aの下流側がグランドラインに接続される(接地される)。よって、コイル31aに電流が流れて、リレー31がオンし、ピニオン制御用ソレノイド23が動作して、スタータ9のピニオンギヤ21が、初期位置からエンジン7のリングギヤ25に噛み合う噛み合い位置へと移動する。
すると、ECU12では、トランジスタT1〜T3が全てオフする。その結果、リレー31,32がオフして、モータ17への通電が停止すると共に、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻る。尚、マイコン15は、前述の回転信号からエンジン回転数を算出し、そのエンジン回転数に基づいて、エンジンが完爆状態になったか否かを判定する。
バッテリ電圧VBが所定値以上である。車速が所定値以下である。ブレーキ負圧の絶対値が所定値以上である。ブレーキペダルが踏まれている。シフト位置がニュートラルであるか、あるいはシフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルが踏まれている。アクセルペダルが踏まれていない。前回にエンジン7を自動停止して再始動させてから一定時間以上経過している。
シフト位置がニュートラル以外且つクラッチペダルが踏まれている状態でアイドルストップした場合、その状態でブレーキペダルが放された。ブレーキペダルは踏まれたままだが、シフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルのリリース(即ち、クラッチペダルの踏み込みを緩めてクラッチを接続しようとする動作)が開始された。ブレーキペダルが踏まれたままだが、シフト位置がニュートラルからニュートラル以外に操作された(その時点でクラッチペダルは踏まれている)。
また、図3における右端の「停止」とは、運転者がエンジン7を停止させるための停止用操作(エンジン停止用操作)を行ったことでエンジン7が停止したことを示しており、その場合、車両はイグニッションオフの状態になる。尚、本実施形態において、エンジン停止用操作は、例えば、スタートストップスイッチを一定時間以上押し続ける操作であり、車両をイグニッションオフの状態にするイグニッションオフ用操作でもある。
また、ユーザ始動指令信号がローからハイに変化したと判定した場合には(S110:YES)、S120に進み、ユーザ始動指令信号がハイに変化したと判定した時点から比較器56の出力CM2がハイからローに変化するまでの時間(即ち、トランジスタT2がオンするまでの時間)を、遅延時間tとして測定する測定処理を開始する。
S130では、測定した遅延時間tが、遅延時間Tdの正常範囲(50ms〜100ms)の最小値である最小許容値Tmin(50ms)よりも小さいか否かを判定し、遅延時間tが最小許容値Tminよりも小さい(t<Tmin)と判定した場合には、遅延機能異常のうち、遅延回路47による遅延時間Tdが最小許容値Tminより小さくなっている異常(以下、遅延過小異常という)が生じていると判断して、S140に進む。
S150では、遅延時間tが、遅延時間Tdの正常範囲の最大値である最大許容値Tmax(100ms)よりも大きいか否かを判定し、遅延時間tが最大許容値Tmaxよりも大きい(t>Tmax)と判定した場合には、遅延機能異常のうち、遅延回路47による遅延時間Tdが最大許容値Tmaxより大きくなっている異常(以下、遅延過大異常という)が生じていると判断して、S160に進む。
つまり、ユーザ始動時異常検出処理では、ECU12からのユーザ始動指令信号が遅延回路47に与えられてから、トランジスタT2がオンするまでの遅延時間tを、遅延回路47による実遅延時間として測定し、その測定した遅延時間tが、最小許容値Tminよりも小さければ、フラグFsを“1”にし(S140)、また、測定した遅延時間tが、最大許容値Tmaxよりも大きければ、フラグFlを“1”にしている(S160)。尚、フラグFs,Flの初期値は“0”である。
また、ユーザ始動指令信号がローであると判定した場合には(S210:YES)、S220に進み、当該マイコン35がトランジスタT3をオフさせているか否か(即ち、駆動信号S3の出力レベルをローにしているか否か)を判定する。
また、トランジスタT3をオフさせていると判定した場合には(S220:YES)、S230に進む。
検査実施タイミングとは、遅延機能異常を検出するためのS240以降の処理(即ち、遅延機能の診断処理)を行うタイミングであり、下記[1a],[1b],[1c],[2a],[2b],[3],[4]の各タイミングである。但し、下記[1a],[1b],[1c]のタイミングについては、何れもエンジン運転中のタイミングであるため、それらのうちの何れか1つまたは2つでも良い。同様に、[2a],[2b]のタイミングについては、何れもアイドルストップ中のタイミングであるため、それらのうちの何れか1つでも良い。
尚、マイコン35は、トランジスタT3に対する駆動信号S3をローにしているのに、エンジン7が停止状態から完爆状態に変化したと判定したなら、この[1a]のタイミングであると判定することができる。
[2a]アイドルストップを実施した直後。
[2b]アイドルストップ中において、予め定められた一定時間毎のタイミング。
具体的には、車両がイグニッションオンの状態になって当該マイコン35が起動してから、未だECU12からのユーザ始動指令信号がハイになっていない期間において、処理の実行対象ステップが、最初に当該S230になったとき。
[4]エンジン7のユーザ停止後(即ち、運転者のイグニッションオフ用操作によってイグニッションオフの状態になった後)。
次に、S250に進み、トランジスタT4をオンした時点から比較器56の出力CM2がハイからローに変化するまでの時間(即ち、トランジスタT2がオンするまでの時間)を、遅延時間tとして測定する測定処理を開始する。
S270では、測定した遅延時間tが、遅延時間Tdの最小許容値Tmin(50ms)よりも小さいか否かを判定し、遅延時間tが最小許容値Tminよりも小さい(t<Tmin)と判定した場合には、遅延過小異常が生じていると判断して、S280に進む。
S290では、遅延時間tが、遅延時間Tdの最大許容値Tmax(100ms)よりも大きいか否かを判定し、遅延時間tが最大許容値Tmaxよりも大きい(t>Tmax)と判定した場合には、遅延過大異常が生じていると判断して、S300に進む。
このため、フラグFlが“1”である場合、即ち、遅延過大異常を検出した場合には、S320の警告処理を行うだけで、当該フェイルセーフ処理を終了することとなる。
具体的には、アイドルストップ禁止フラグを“1”にする処理を行う。つまり、マイコン35は、アイドルストップ禁止フラグが“1”になっている場合には、エンジン7の運転中に自動停止条件の成立を判定しないか、あるいは、自動停止条件が成立したと判定しても、エンジン7を停止させる処理を行わなくなる。
具体的には、例えば「エンジンを停止した場合、始動できない可能性があります。」といったメッセージを、表示装置に文章で表示したりスピーカから音声で出力したりする。また例えば、スタートストップスイッチが通常よりも長い時間押され続けないとエンジン7を停止しないようにする、といった処理でも良い。
また、上記S340にて、遅延過小異常を検出したタイミングがユーザ始動時でもエンジン運転中でもないと判定した場合には(S340:NO)、S380に移行する。
S420では、フラグFsを“1”にしたときに記憶した異常検出タイミング情報から、遅延過小異常を検出したタイミングがエンジン7のユーザ始動前またはユーザ停止後であるか否かを判定する。そして、遅延過小異常を検出したタイミングがユーザ始動前またはユーザ始動後であると判定した場合には、前述したS370の処理を行った後、当該フェイルセーフ処理を終了する。
一方また、エンジン7のユーザ始動前またはユーザ停止後(イグニッションオフ後)において遅延過小異常が検出された場合には(S420:YES)、以後のユーザ始動を禁止して(S370)、ピニオンギヤ21とリングギヤ25の磨耗が進行するのを防止している。
[変形例]
上記実施形態において、ECU11のマイコン35は、アイドルストップからのエンジン再始動時において、前述の再始動用スタータ制御処理により、トランジスタT1の駆動信号S1をハイにしてから所定の遅延時間が経過した時点でトランジスタT2の駆動信号S2をハイにするため、そのエンジン再始動時の遅延時間(換言すれば、エンジン再始動時の時間差制御)も検査するように構成しても良い。
(a)ECU12のマイコン15へ、ECU11のマイコン35が出力する駆動信号S1,S2が入力されるようにする。
[第2実施形態]
次に図8は、第2実施形態のスタータ制御システムを表す構成図である。
まず、ECU11には、図1に示した構成要素のうち、トランジスタT3及びそれの駆動回路49と、トランジスタT4と、ダイオード43,44,46と、モニタ回路M1,M2と、端子J3とが無い。
また、ECU11の外部において、リレー31,32のコイル31a,32aの上流側端部は、バッテリ電圧VBのラインに接続されている。よって、ECU11のマイコン35は、アイドルストップからのエンジン再始動時に行う再始動用スタータ制御処理では、駆動信号S3の出力を行わない。尚、本第2実施形態では、第1実施形態における駆動信号S3がハイのまま(トランジスタT3がオンのまま)になっているのと同等である。
そして、ECU12には、図1に示したモニタ回路M2と同様のモニタ回路M3が設けられている。
次に図9は、第3実施形態のスタータ制御システムを表す構成図である。
第3実施形態のスタータ制御システムは、第2実施形態と比較すると、下記の点が異なっている。
一方、ECU11には、2つのフリップフロップ81,82と、端子J2の電圧を、フリップフロップ81,82の動作電圧をハイとし0Vをローとした二値信号に変換して、フリップフロップ81,82のデータ端子(D)に入力させる電圧レベル変換回路83と、ECU12からのユーザ始動指令信号が入力される2つの遅延回路84,85とが設けられている。
このため、電圧レベル変換回路83は、端子J2の電圧を、5Vがハイで0Vがローの二値信号に変換して、フリップフロップ81,82のデータ端子(D)に入力させる。
よって、車両がイグニッションオンの状態になってユーザ始動が実施された後に、フリップフロップ81の出力Q1がハイで、フリップフロップ82の出力Q2がローであれば、遅延回路47による遅延時間Tdは、Td1よりも大きく且つTd2よりは小さかったということであり、正常範囲であったと見なすことができる。
具体的に説明すると、マイコン35は、別の完爆判定処理により、回転信号に基づきエンジン7が停止状態から完爆状態(運転状態)になったと判定すると、エンジン完爆判定フラグを“0”から“1”に変化させるようになっている。そこで、S510では、モータ17を動作させるためのモータ制御信号に該当するトランジスタT2への駆動信号S2をローにしているのに、エンジン完爆判定フラグが“0”から“1”に変化したなら、ユーザ始動が実施されたと判定する。ECU12からのユーザ始動指令信号によってトランジスタT1,T2がオンしたことによりエンジン7が始動したと考えられるからである。
S520では、フリップフロップ81,82の出力Q1,Q2を読み込んで、出力Q1,Q2の両方がローであるか否かを判定する。そして、出力Q1,Q2の両方がローであれば、遅延過小異常が生じていると判断して、S530に進む。尚、フリップフロップ81の出力Q1がローであれば、フリップフロップ82の出力Q2もローになっていると考えられるため、S520では、フリップフロップ81の出力Q1だけについて、ローであるか否かを判定しても良い。
また、上記S520で「NO」と否定判定した場合(即ち、出力Q1,Q2の少なくとも一方がローではなかった場合)には、S540に移行して、出力Q1,Q2の両方がハイであるか否かを判定する。そして、出力Q1,Q2の両方がハイであれば、遅延過大異常が生じていると判断して、S550に進む。尚、フリップフロップ82の出力Q2がハイであれば、フリップフロップ81の出力Q1もハイになっていると考えられるため、S540では、フリップフロップ82の出力Q2だけについて、ハイであるか否かを判定しても良い。
一方、上記S540で「NO」と否定判定した場合(即ち、出力Q1,Q2の少なくとも一方がハイではなかった場合)には、「Q1=ハイ、Q2=ロー」である考えられるため、異常無しと判断して、そのまま当該ユーザ始動時異常検出処理を終了する。
即ち、ECU11,12に動作用のバッテリ電圧VBが供給されてからECU11のマイコン35が起動するまでの時間が比較的長く、ユーザ始動時においてECU12からECU11へユーザ始動指令信号が出力されたときに、マイコン35が未だ起動していない可能性があるシステム構成の場合であっても、ECU11のマイコン35により、ユーザ始動時の遅延機能異常を検出することができ、更に異常の種類に応じたフェイルセーフ用の処理を行うことができる。
また、端子J2の電圧(トランジスタT2のドレイン電圧)をモニタすることに代えて、リレー32の出力電圧(リレー32からコイル19aへ至る通電経路の電圧)をモニタすることにより、遅延機能異常を検出するように構成しても良い。
16…バッテリ、17…モータ、19…電磁スイッチ、19a…コイル
19b,19c…接点、21…ピニオンギヤ、23…ピニオン制御用ソレノイド
23a…コイル、25…リングギヤ、31…ピニオン駆動用リレー、31a…コイル
32…モータ駆動用リレー、32a…コイル、35…マイコン、37…抵抗
41〜46,48…ダイオード、47…遅延回路、49…駆動回路
M1,M2…モニタ回路、51,56…比較器、52〜55,57〜59…抵抗
62…コンデンサ、63…比較器、61,64〜67…抵抗
68…PNPトランジスタ、M3…モニタ回路、70,72〜74…抵抗
71…比較器、81,82…フリップフロップ、83…電圧レベル変換回路
84,85…遅延回路、J1〜J3,Jo,Ji,Jm…端子
T0〜T4…トランジスタ
Claims (23)
- 通電されることにより、エンジン始動用のスタータのピニオンギヤを、エンジンのリングギヤに噛み合わない位置である初期位置から、前記リングギヤに噛み合う位置である噛み合い位置へ動かすピニオン制御用アクチュエータと、
前記ピニオンギヤを回転させる前記スタータのモータへの通電経路に設けられ、前記ピニオン制御用アクチュエータへの通電とは独立してオンするように駆動されると共に、オンすることにより、前記通電経路を連通して前記モータに通電するモータ通電用スイッチ手段と、を備えた車両に用いられ、
前記車両の前記エンジンを始動させる始動時において、前記ピニオンギヤを前記初期位置から前記噛み合い位置へ移動させるために、前記ピニオン制御用アクチュエータに通電するための第1の駆動動作を行う第1の駆動手段と、
前記始動時において、前記第1の駆動手段が前記第1の駆動動作を開始してから所定の遅延時間が経過すると、前記モータに通電して前記エンジンのクランキングを開始するために、前記モータ通電用スイッチ手段をオンさせるための第2の駆動動作を行う第2の駆動手段と、を有したスタータ制御装置の、異常を検出するための異常検出装置であって、
前記始動時において、前記第1の駆動手段が前記第1の駆動動作を開始してから前記第2の駆動手段が前記第2の駆動動作を開始するまでの実際の遅れ時間である実遅延時間が、前記遅延時間の正常値か否かを判定する始動時異常判定手段を備えていること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項1に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記始動時異常判定手段は、少なくとも、前記実遅延時間が、前記遅延時間の正常範囲の最小値である最小許容値よりも小さいか否かを判定すること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項2に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記車両には、所定の自動停止条件が成立すると前記エンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させるアイドルストップ制御手段が備えられており、
前記始動時異常判定手段により前記実遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止すること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項2または請求項3に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記始動時異常判定手段により前記実遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記車両の運転者に対して前記エンジンを停止させないことを促す処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記始動時異常判定手段により前記実遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記車両の運転者が前記エンジンを始動させるための始動用操作を行っても、前記ピニオン制御用アクチュエータ及び前記モータへの通電が行われないようにすること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段には、前記車両の運転者が前記エンジンを始動させるための始動用操作を行うことで発生するユーザ始動指令信号が与えられると共に、前記第1の駆動手段は、前記ユーザ始動指令信号が与えられると前記第1の駆動動作を開始し、前記第2の駆動手段は、前記ユーザ始動指令信号が与えられると、その時点から前記遅延時間が経過したときに、前記第2の駆動動作を開始するように構成されており、
前記始動時異常判定手段は、
前記第2の駆動手段に前記ユーザ始動指令信号が与えられてから前記第2の駆動手段が前記第2の駆動動作を開始するまでの時間を、前記実遅延時間として検出すること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項6に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記スタータ制御装置は、前記エンジンを始動させる始動時ではない場合に、前記第2の駆動手段が前記第2の駆動動作を行っても、前記モータに通電されるのを阻止するモータ通電阻止手段を備えており、
当該異常検出装置は、
前記モータ通電阻止手段が前記モータへの通電を阻止している状態で、前記第2の駆動手段に前記ユーザ始動指令信号と同じダミー信号を与えて、該ダミー信号を与えてから前記第2の駆動手段が前記第2の駆動動作を開始するまでの実際の遅れ時間であるダミー信号入力時遅延時間が、前記遅延時間の正常値か否かを判定する非始動時異常判定手段を、更に備えていること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項7に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記非始動時異常判定手段は、少なくとも、前記ダミー信号入力時遅延時間が、前記遅延時間の正常範囲の最小値である最小許容値よりも小さいか否かを判定すること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項8に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記車両には、所定の自動停止条件が成立すると前記エンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させるアイドルストップ制御手段が備えられており、
当該異常検出装置は、
前記エンジンの運転中において、前記非始動時異常判定手段を動作させ、該非始動時異常判定手段により前記ダミー信号入力時遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止すること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項8または請求項9に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記エンジンの運転中において、前記非始動時異常判定手段を動作させ、該非始動時異常判定手段により前記ダミー信号入力時遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記車両の運転者に対して前記エンジンを停止させないことを促す処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項8ないし請求項10の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記エンジンの運転中において、前記非始動時異常判定手段を動作させ、該非始動時異常判定手段により前記ダミー信号入力時遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記車両の運転者が前記始動用操作を行っても、前記ピニオン制御用アクチュエータ及び前記モータへの通電が行われないようにすること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項8ないし請求項11の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記車両には、所定の自動停止条件が成立すると前記エンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させるアイドルストップ制御手段が備えられており、
当該異常検出装置は、
前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中において、前記非始動時異常判定手段を動作させ、該非始動時異常判定手段により前記ダミー信号入力時遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記エンジンを始動させる処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項12に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記エンジンを始動させる処理によって前記エンジンを始動させることができた場合には、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止すること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項12または請求項13に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記エンジンを始動させる処理によって前記エンジンを始動させることができた場合には、前記車両の運転者に対して前記エンジンを停止させないことを促す処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項12ないし請求項14の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記エンジンを始動させる処理によって前記エンジンを始動させることができた場合には、前記車両の運転者が前記始動用操作を行っても、前記ピニオン制御用アクチュエータ及び前記モータへの通電が行われないようにすること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項12に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記エンジンを始動させる処理によって前記エンジンを始動させることができなかった場合には、他の車両を運転している他車両運転者に対して注意を喚起するための注意喚起処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項16に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記注意喚起処理として、前記車両のハザードランプを点滅させる処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項8ないし請求項17の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記車両の運転者のイグニッションオフ用操作によって前記車両がイグニッションオフの状態になった後に、前記非始動時異常判定手段を動作させ、該非始動時異常判定手段により前記ダミー信号入力時遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記運転者が前記始動用操作を行っても、前記ピニオン制御用アクチュエータ及び前記モータへの通電が行われないようにすること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項8ないし請求項18の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記車両がイグニッションオンの状態になってから前記ユーザ始動指令信号が発生するまでの間において、前記非始動時異常判定手段を動作させ、該非始動時異常判定手段により前記ダミー信号入力時遅延時間が前記最小許容値よりも小さいと判定された場合には、前記車両の運転者が前記始動用操作を行っても、前記ピニオン制御用アクチュエータ及び前記モータへの通電が行われないようにすること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項7ないし請求項19の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記非始動時異常判定手段により前記ダミー信号入力時遅延時間が正常値ではないと判定された場合には、前記車両の運転者に対して異常の発生を警告する処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項1ないし請求項20の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記始動時異常判定手段により前記実遅延時間が正常値ではないと判定された場合には、前記車両の運転者に対して異常の発生を警告する処理を行うこと、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 請求項1ないし請求項21の何れか1項に記載のスタータ制御装置の異常検出装置において、
前記モータ通電用スイッチ手段は、コイルに通電されることでオンするリレーであり、
前記車両には、
前記ピニオン制御用アクチュエータへの通電経路に設けられ、オンすることで該通電経路を連通して前記ピニオン制御用アクチュエータに通電するピニオン駆動用リレーと、
前記モータ通電用スイッチ手段のコイルへの通電経路に設けられ、オンすることで該通電経路を連通して前記モータ通電用スイッチ手段をオンさせるモータ駆動用リレーと、が搭載されており、
前記第1の駆動手段は、
前記ピニオン駆動用リレーのコイルへの通電経路に設けられ、オンすることで該通電経路を連通して前記ピニオン駆動用リレーをオンさせるピニオン駆動用トランジスタを有するものであり、
前記第2の駆動手段は、
前記モータ駆動用リレーのコイルへの通電経路に設けられ、オンすることで該通電経路を連通して前記モータ駆動用リレーをオンさせるモータ駆動用トランジスタを有するものであること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。 - 通電されることにより、エンジン始動用のスタータのピニオンギヤを、エンジンのリングギヤに噛み合わない位置である初期位置から、前記リングギヤに噛み合う位置である噛み合い位置へ動かすピニオン制御用アクチュエータと、
前記ピニオンギヤを回転させる前記スタータのモータへの通電経路に設けられ、前記ピニオン制御用アクチュエータへの通電とは独立してオンするように駆動されると共に、オンすることにより、前記通電経路を連通して前記モータに通電するモータ通電用スイッチと、を備えた車両に用いられ、
前記エンジンの始動を指示する始動指令を受信すると、前記ピニオンギヤを前記初期位置から前記噛み合い位置へ移動させるために、前記ピニオン制御用アクチュエータに通電するための第1の駆動動作を行う第1の駆動スイッチと、
前記始動指令を受信するとともに、前記始動指令を受信してから所定時間が経過すると第2駆動指令を出力する遅延回路と、
前記遅延回路から前記第2駆動指令を受信すると、前記モータに通電して前記エンジンのクランキングを開始するために、前記モータ通電用スイッチをオンさせるための第2の駆動動作を行う第2の駆動スイッチと、を有したスタータ制御装置の、異常を検出するための異常検出装置であって、
前記異常検出装置はマイクロコンピュータを備え、
前記マイクロコンピュータは、
前記始動指令を受信してから前記第2の駆動スイッチが前記第2の駆動動作を開始するまでの実際の遅れ時間である実遅延時間が、前記所定時間に対して所定値以上乖離している場合に前記遅延回路に異常が発生していると判定すること、
を特徴とするスタータ制御装置の異常検出装置。
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