JPWO2016194605A1 - 車両用エンジン始動装置 - Google Patents

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義秋 長澤
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堀  俊雄
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成紀 中里
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Abstract

始動時の応答性をより向上することができる車両用エンジン始動装置を提供することにある。通電されることによって、エンジンのリングギヤに駆動力を伝達する駆動力伝達装置と、前記駆動力伝達装置に通電することによって、前記駆動力伝達装置による駆動力の伝達を行うか否かを切り換え可能な制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達する前に、前記駆動力伝達装置に対し、該駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達するように切り換えない範囲の通電を予め行う、ことを特徴とする。

Description

本発明は、車両用エンジン始動装置に関する。
従来、車両運転中にアイドルストップ条件が成立したとき、内燃機関(以下、単に「エンジン」ともいう)への燃料供給を遮断することによってエンジンを停止し、運転者の操作そのほかの再始動条件が成立したとき、速やかにエンジンを始動するアイドルストップシステムが知られている。
このアイドルストップシステムを備えた車両においては、アイドルストップ後の再始動の際、スタータモータに流れる初期の突入電流のためにバッテリの電圧降下が生じ、最小動作電圧が高いナビゲーションシステムや電装品がリセットし、再起動する恐れがある。
これを防ぐため、半導体スイッチング素子とDuty制御(PWM制御におけるデューティー比の調節)を用いてスタータモータに対し初期突入時に流れる通電電流を制御し、電圧降下を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
また最近では、アイドリングストップシステムでは、アイドルストップ条件が成立してエンジンへの燃料供給を停止した後、エンジンが停止過程にある途中で加速要求を受けた場合、即時にエンジンを再始動して車両を発進する、所謂チェンジ・オブ・マインドに対応した車両が実用化されている。
一般的な飛び込み式のスタータで、エンジンが停止過程にある途中に再始動を行うと、ピニオンギヤとリングギヤの回転数の差が大きく、ギヤを噛み込んでクランキングすることが困難なため、ピニオンギヤの移動とスタータモータの回転駆動をそれぞれ独立して行うことが可能なスタータとその制御システムが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2010−106825号公報 特許第4893779号公報
しかしながら、従来のアイドリングストップシステムを備えた車両においては、チェンジ・オブ・マインドにより加速要求を受けたときなどの再始動時の応答性をより向上する要求があった。
本発明の目的は、始動時の応答性をより向上することができる車両用エンジン始動装置を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するために、通電されることによって、エンジンのリングギヤに駆動力を伝達する駆動力伝達装置と、前記駆動力伝達装置に通電することによって、前記駆動力伝達装置による駆動力の伝達を行うか否かを切り換え可能な制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達する前に、前記駆動力伝達装置に対し、該駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達するように切り換えない範囲の通電を予め行う、ことを特徴とする。
本発明によれば、始動時の応答性をより向上することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第一の実施形態の構成を示すブロック図。 本発明の実施例1による車両用エンジン始動装置を含む車両の構成図。 図2の車両用エンジン始動装置の制御システム構成のブロック図。 図2の車両用エンジン始動装置のプリメッシュ動作を伴って再始動を行う場合のフローチャート。 アイドルストップから完全停止を経て再始動するまでのタイムチャート。 完全停止前に再始動要求を受けて再始動するまでのタイムチャート。 本発明の第二の実施形態の構成を示すブロック図。 実施例1における図4のフローチャートに対応する図であって、本発明の実施例2のフローチャート。 実施例1における図5のタイムチャートに対応する図であって、本発明の実施例2のタイムチャート。 実施例1における図6のタイムチャートに対応する図であって、本発明の実施例2のタイムチャート。 実施例1における図2の構成図に対応する図であって、本発明の実施例3による車両用エンジン始動装置を含む車両の構成図。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る圧縮装置について詳細に説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態の構成を示すブロック図である。
本実施形態の車両用エンジン始動装置510は、駆動力伝達装置500、リングギヤ501、エンジン502および制御装置503を備えて構成される。
駆動力伝達装置500は、制御装置503に制御され、通電されることによって、エンジン502のリングギヤ501に駆動力を伝達する。
制御装置503は、駆動力伝達装置500に通電することによって、駆動力伝達装置500によって駆動力をリングギヤ501に伝達するか否かを切り換え可能な装置である。
エンジン502は、不図示のシャフト(クランク軸)と連動するリングギヤ501に対して駆動力伝達装置500によって駆動力が伝達され、不図示の燃料供給装置から燃料供給されることで作動する。
制御装置503は、駆動力伝達装置500によって駆動力をリングギヤ501に伝達する前に、駆動力伝達装置500に対し、この駆動力伝達装置500によって駆動力をリングギヤ501に伝達するように切り換えない範囲の通電を予め行う。
本実施形態の車両用エンジン始動装置510によれば、駆動力をリングギヤ501に伝達するように切り換えない範囲で駆動力伝達装置500に対して予め通電しておくことで、駆動力をリングギヤ501に伝達する際の切り換えの応答性をより向上することができる。
以下、本発明の実施例1について詳細に説明する。
図2は、本発明の実施例1による車両用エンジン始動装置を含む車両の構成図である。本実施例は、ピニオンギヤの押し出しとモータの駆動を独立して行うことができるスタータを装着している例である。
なお、図2では、本発明の実施例1による車両用エンジン始動装置に関する説明に係る部分を主に記載して、他の部分の記載を省略している。
この車両は、多気筒のエンジン(内燃機関本体)1と、アイドルストップスタータシステム10と、ECU(エレクトロニックコントロールユニット、電子制御装置)20と、を備えている。ECU20は、図1に示した制御装置503に相当する。
エンジン1は、図1に示したエンジン502に相当するものであり、クランク軸1aを有し、点火コイル14a、点火プラグ14b、および燃料噴射弁15等が取り付けられている。
アイドルストップスタータシステム10は、ピニオンギヤ押し出し式のスタータ本体(以下単に「スタータ」ともいう)9と、半導体スイッチング素子13と、を備えており、ECU20によって制御されている。半導体スイッチング素子13は、図1に示した駆動力伝達装置500に相当する。
エンジン1のクランク軸1aの一方には、クランク角信号を検出するために既定のパターンを刻んだ信号プレート3が取り付けられ、もう一方には、トランスミッションへ駆動力を伝達するドライブプレートと一体のリングギヤ2が取り付けられている。リングギヤ2は、図1に示したリングギヤ501に相当する。
信号プレート3の近傍には、信号プレート3のパターンの凸凹を検出してパルス信号を出力するクランク角センサ36が取り付けられている。このクランク角センサ36から出力されるパルス信号に基づいて、ECU20はエンジン1の回転数(エンジン回転数)を算出する。
アイドルストップスタータシステム10は、半導体スイッチング素子13を介して通電されて駆動されるピニオン移動ソレノイド(移動用ソレノイド)5と、ピニオン移動レバー6と、ピニオンギヤ4と、ワンウェイクラッチ4aと、ピニオンギヤ回転センサ38と、スタータモータ7と、を備えている。ピニオン移動ソレノイド5、スタータモータ7は、図1に示した駆動力伝達装置500に相当する。
ピニオンギヤ4は、リングギヤ2と噛合可能なギヤであり、ワンウェイクラッチ4aを介してスタータモータ7の軸(ピニオン軸)8に取り付けられ、軸方向に移動可能に設けられている。
ピニオン移動ソレノイド5は、ピニオン移動レバー6を介してピニオンギヤ4をピニオン軸8の軸方向に移動させるための電動アクチュエータである。ピニオン移動ソレノイド5によって駆動され、ピニオンギヤ4は、リングギヤ2に噛み合う連結位置と、リングギヤ2に噛み合わない非連結位置との間で移動可能である。
スタータモータ7は、後述するようにエンジン1をクランキングするためのモータである。
ピニオンギヤ回転センサ38は、ピニオン軸8の回転速度を検出するためのセンサである。
ECU20のピニオン移動指令がピニオン移動アクチュエータ(ピニオン移動ソレノイド5)駆動用の半導体スイッチング素子13a(第一のリレー)のゲート端子に入力されると、バッテリ12の電力がピニオン移動ソレノイド5へ供給される。これによりピニオン移動ソレノイド5がピニオン移動レバー6を介してピニオンギヤ4を図示右方向へ移動させるので、ピニオンギヤ4はリングギヤ2と噛合する。
ECU20からのモータ駆動指令がスタータモータ7駆動用の半導体スイッチング素子13b(第二のリレー)のゲート端子に入力されると、バッテリ12の電力がスタータモータ7へ供給される。これにより、スタータモータ7がピニオンギヤ4およびリングギヤ2を介してクランク軸1aを回転させてエンジン1をクランキングする。
初回始動リレー40は、低温状態での初回始動などで半導体スイッチング素子の容量を超えた電流が流れて破壊する恐れがある条件で使用し、ECU20から駆動リレー41へ通電して、初回始動リレー40を閉じ、バッテリからスタータモータへ直接給電する。
電流遮断リレー42(第三のリレー)は、半導体スイッチング素子13への給電を開閉する接点であり、半導体スイッチング素子13を駆動するに先立ち、ECU20から駆動リレー43へ通電して、電流遮断リレー42を閉じ、バッテリから半導体スイッチング素子13へ電源を供給する。また、ECU20で半導体スイッチング素子の短絡故障を検知した場合は、電流遮断リレー42を開き、電源を遮断する機能を有する。
バッテリ12のマイナス端子側にはバッテリ電流センサ39が設けられ、バッテリ12の消費電流を検知して、ECU20へ出力する。
なお、クランク軸1aにはリングギヤ2と一体化したドライブプレートを介してトランスミッション16が接続されている。トランスミッション16は、ドライブシャフト17およびタイヤ18を介してエンジン1で発生する回転駆動力を路面に伝える。また、トランスミッション16には、その出力軸の回転パルスを検知する車速センサ33が取り付けられている。ECU20は、車速センサ33からの出力信号に基づき、所定の係数で変換することにより車速値を算出する。
図3は、ECU20のシステム構成を入力するセンサ等の各種の入力信号、および、ECU20から制御機器等に出力する各種の出力信号とともに示すブロック図である。
ECU20の入力回路24には、車両のアクセルペダル(不図示)の踏み込み量を検知するアクセル開度センサ30と、スロットルバルブ(不図示)の開き量を検知するスロットル開度センサ31と、エンジン1のシリンダ(不図示)内へ吸入される吸入空気量を計測するエアフロセンサ32と、車両の走行速度を検出する車速センサ33と、フットブレーキ(不図示)の操作を検知するブレーキスイッチ34と、エンジン1の点火、噴射タイミングの算出や気筒判定に用いるカム角信号およびクランク角信号を検出するカム角センサ35およびクランク角センサ36と、ピニオン軸8の回転速度を検出するピニオンギヤ回転センサ38と、バッテリ12の消費電流を検知するバッテリ電流センサ39と、が接続されている。
ECU20の出力回路26には、点火コイル14aと、燃料噴射弁15と、半導体スイッチング素子13と、が接続されている。
点火コイル14aは、カム角センサ35およびクランク角センサ36からの信号に基づいてECU20が算出した、点火タイミングに基づいて出力回路26から出力される点火信号を受信すると、シリンダ内の混合気に点火するために、点火プラグ14bへ高電圧の電力を供給する。
燃料噴射弁15は、出力回路26を介して所定のタイミングで所定時間出力される開弁信号を受信すると、シリンダ内に燃料を噴射する。なお、ECU20は、エアフロセンサ32で計量された吸入空気量から燃料噴射弁15で噴射する燃料量を算出し開弁時間を決定する。
スイッチング素子13は、出力回路26を介して出力されるPWM駆動信号を受信すると、ピニオン移動ソレノイド(アクチュエータ)5、スタータモータ7をそれぞれ駆動する。スイッチング素子13aはピニオン移動ソレノイド5を駆動し、スイッチング素子13bはスタータモータ7を駆動する。なお、ECU20は、スタータ本体9への駆動要求を受けると出力回路26を介してPWM駆動信号を出力する。
各PWM駆動信号は、ECU20から0〜100%のDuty波形で出力され、目的によってDutyの大きさを制御し、各回路への通電電流を調整することが可能である。例えば、スタータモータ7の通電開始時に流れる突入電流を抑制することを目的として、まず初期に50%のDutyを与え、その後10ms毎に5%ずつ加算して100%にするという制御で突入電流を抑えることが可能である。また、ピニオン移動ソレノイド5の駆動では、初期に速やかに移動させたいため、100%のDutyで駆動し、ピニオン移動完了後は保持するのに必要最小限の電流(例えば50%Duty)を流して消費電流の低減を行う使い方が可能である。前記の使い方とは別に回路へ所定の微小電流を流して、その電流変化をバッテリ電流センサ39で検知し、正常時と比較し、回路の診断を行うことも可能である。
前記の所定の微小電流とは、ピニオン移動ソレノイドの場合はピニオンギヤが連結位置側へ移動を開始しない範囲の電流で、モータの場合はピニオンギヤが回転を開始しない電流と定義し、Duty値で表すなら5〜20%程度の指令値である。
図4は、アイドルストップ時にエンジン1の回転数とピニオンギヤ4の回転数とを同期して、ピニオンギヤ4をリングギヤ2へ噛み込ませながらエンジン1を停止する回転数同期式プリメッシュを行う際のフローチャートである。この制御フローチャートで示した動作の処理は、ECU20にて繰り返し実行される。
アイドルストップは、車両が停止(車速=0km/h)状態で、アクセル操作無しでエンジン1が無負荷運転にあるとき、車速センサ33やブレーキスイッチ34などの各入力条件がアイドルストップ許可条件を満たすと実行される。
車両が減速中にアイドルストップを行うコーストストップは、前記「車両が停止(車速=0km/h)状態」に代わり、例えば「車速条件が13km/h以下で、かつ不図示のブレーキペダルが踏み込まれていること」が挙げられる。
車両が前記より更に高い車速でアイドルストップを行うセーリングストップは、例えば「車速条件が60km/h以下で、かつ不図示のアクセルペダル、ブレーキペダルともに踏み込まれていないこと」が挙げられる。
アイドルストップ条件、またはコーストストップ条件、セーリングストップの条件を満たすと(ステップ101:Yes)、ステップ102で、燃料噴射弁15の駆動を停止して、エンジン1の燃料供給の遮断(燃料供給の停止、燃料カット)を行う。
上述した燃料カット動作により、エンジン1の回転数(エンジン回転数)は徐々に低下して、ステップ103で、判定条件の所定値A(たとえばエンジン回転数が600rpm)以下となったときには、ステップ104に進み、ピニオン予回転動作、即ちスタータモータ7へ通電し、ピニオンギヤセンサ38から算出されるピニオンギヤ4の回転数(ピニオンギヤ回転数)を所定値まで上昇させて、通電を停止する動作を行う。
この場合、上記のピニオン予回転動作は無負荷(ピニオンギヤ4とリングギヤ2と噛合していない状態)で回転するため、ピニオンギヤ回転数は惰性によって時間とともに徐々に低下する。一方、エンジン回転数は吸入→圧縮→膨張→排気を繰り返して脈動しながら低下するので、クランク角センサ36から算出されるエンジン回転数と、ピニオン予回転動作によって徐々に低下しているピニオンギヤ回転数とが同期するタイミングを予測し、ステップ105でプリメッシュ条件が成立したとき、ステップ106に進み、ピニオンギヤ4の移送を実行、即ちピニオン移動ソレノイド5への通電を開始し、回転するピニオンギヤ4をリングギヤ2へピニオン移動レバー6を介して噛み込ませる、所謂プリメッシュ状態とする。なお、プリメッシュ条件としては、たとえば、「エンジン回転数から予測される30ms後のエンジン回転数と、実際のピニオンギヤ4の回転数との差が±100rpm以内であること」が挙げられる。
ステップ107で、例えば不図示のブレーキペダルから足が離れるなどの運転者からの再始動要求、所謂チェンジ・オブ・マインドが無いと判定された場合は(ステップ107:No)、ステップ108に進み、上記プリメッシュ状態のまま、エンジン1を完全停止させて、ステップ109に進み、再始動要求を受けるまで待機する。
ステップ109の待機状態において、運転者の操作などにより、再始動要求を受けたときには(ステップ109:Yes)、ステップ111に進み、スタータモータ7へ通電し、また燃料噴射を再開させてエンジン1を再始動させる。
ここで図5は前記のプリメッシュ状態でエンジンが完全停止し、その後再始動を行う場合のタイムチャートを表した図である。
図4の説明に戻り、ステップ107において、運転者からのチェンジ・オブ・マインド要求が有りと判定された場合には(ステップ107:Yes)、ステップ110に進み、エンジン1の予測回転数が正転域であるか否かを判定する。エンジン1の予測回転数が正転域である場合には(ステップ110:Yes)、ステップ111に進み、スタータモータ7への駆動指令を行う。エンジン1の予測回転数が逆転域の場合には(ステップ110:No)、エンジン1の予測回転数が正転域に入るまで待機する。ステップ110の判定によって、エンジン1が停止直前で圧縮上死点を越えられずに逆転している領域でクランキングすることを防止し、半導体素子13、スタータモータ7が過負荷となって損傷することを回避する。
その後、ステップ112へ進み、エンジン回転数が所定値C(たとえばエンジン回転数が500rpm)以上か否かを判定して、所定値C以上の場合は(ステップ112:Yes)、ステップ113に進み、スタータ本体9の駆動をOFFとする。
図6は前記のプリメッシュが完了しエンジン1が完全停止する前に、チェンジ・オブ・マインド要求を受けて再始動を行う場合のタイムチャートを表した図である。
以上のように、ピニオンギヤ4とリングギヤ2との回転数同期式のプリメッシュ動作を行うことにより、次回再始動時には、ピニオンギヤ4をリングギヤ2へ噛み込ませる動作が不要となるので、再始動要求を受けてからエンジン1が完爆に至るまでの始動時間を短縮できるとともにギヤを噛み込ませる際の騒音を低減することができる。
(第二の実施形態)
図7は、本発明の第二の実施形態の構成を示すブロック図である。図1と同様の構成には同じ参照番号を付し、詳しい説明を省略する。
本実施形態の車両用エンジン始動装置510は、駆動力伝達装置500の異常を検知する異常検知装置504をさらに備え、制御装置503は、アイドルストップ条件が成立した場合にエンジン502への燃料供給を停止し、その後、異常検知装置504によって駆動力伝達装置500の異常を検知した場合にはエンジン1の回転数が燃焼復帰可能回転数を下回る前に、燃料の供給を再開する。
上述のように、実施例1では、ピニオンギヤ4の飛び込み動作とモータ7の駆動動作を、それぞれ2系統の駆動信号で独立して制御することが可能なスタータ本体9およびECU20を備えるシステムで、アイドルストップ直後の惰性で回転しているリングギヤ2へピニオンギヤ4を噛み込ませることを実現可能であり、その状態から再始動を行うチェンジ・オブ・マインドに対応している。
ここで例えば、初回エンジン始動に成功した後で、駆動力伝達装置500に相当するスタータや半導体スイッチング素子に異常が発生するケースが考えられる。このような状態でアイドルストップを実行すると、次回に再始動することができなくなり、道路上で立ち往生して車両および運転者が危険に晒されることになる。この駆動力伝達装置500に発生する異常としては、例えば、ピニオン移動ソレノイドのコイル断線や、スタータモータコイルの断線や、半導体スイッチング素子の故障などが挙げられる。
そこで本実施例では、駆動力伝達装置500に発生する異常を検出して故障診断を行い、故障と判断された場合には、所定の処理を行うことにより車両および運転者の安全性を確保するとともに、正常判定時は駆動力伝達装置500による再始動性能の向上を実現する。
以下、本発明の実施例2について詳細に説明する。なお、本実施例では、その構成図は、図2と同様であるので、図2を参照して説明する。
図8は、実施例1における図4のフローチャートに対応する図であって、実施例2のフローチャートである。
ステップ201でアイドルストップの条件が成立した後に、ステップ202では、スタータ、半導体スイッチング素子の診断を行う。なお、ここでは、スタータ、半導体スイッチング素子の診断としているが、診断対象は、リングギヤ2に対して駆動力を伝達するために必要な構成すべて(例えば、アイドルストップスタータシステム10に含まれる各構成)とすることができる。
ステップ202における診断の方法は、アイドルストップスタータシステム10に通電したときのバッテリ12の消費電流の変化を、バッテリ電流センサ39で検知し、検知結果を正常時と比較し、正常な範囲になければ異常と診断することが可能である。バッテリ電流センサ39は、図7に示した異常検知装置504に相当する。この場合、異常検知装置504は電流の検知結果を制御装置503に送信するのみであり、制御装置503においてその検知結果に基づいて異常か正常かの診断を行う。バッテリ電流センサ39および制御装置503における異常か正常かの診断処理を含めて、異常検知装置504に相当するものとしてもよい。
ステップ202における診断の方法の別の例として、アイドルストップスタータシステム10に含まれる各構成に自己診断機能を備え、この自己診断機能によって異常か正常かの診断を行うようにしてもよい。
図8において、ステップ203でスタータ、半導体スイッチング素子の診断結果が問題なければ(ステップ203:Yes)、ステップ204へ進み、アイドルストップを実行する。これ以降は、図4と同様の処理であるので、詳しい説明は省略する。
ステップ203でスタータ、半導体スイッチング素子の診断結果が異常と判断された場合は(ステップ203:No)、アイドルストップは行わずステップ216の通常制御へ移行する。
スタータ、半導体スイッチング素子を診断するタイミングは、ステップ204の燃料カット実行処理よりも前が望ましいが、燃料カット後であっても、燃焼復帰可能なエンジン回転数の手前(例えば500rpm)までに診断終了し、異常と診断された場合は即時に燃料供給を再開し、アイドル状態に復帰させることも可能である。
図9は、図5のプリメッシュ状態でエンジンが完全停止した後に再始動要求を受けたケースで、前記スタータ、半導体スイッチング素子の診断を組み込んだ場合のタイムチャートの例である。
アイドルストップ条件が成立した後(301)に、ピニオン移動ソレノイド5へ微小電流を流すため駆動Duty10%の指令(302)を半導体スイッチング素子13aへ出力する。前記の動作により、ピニオンギヤ4は連結位置側へ移動せずに微小電流がピニオン移動ソレノイド5へ流れる状態となる。このときのバッテリ電流の変化(304)をバッテリ電流センサ39で検知し、電流の変化が所定の範囲から外れている場合は、ピニオン移動ソレノイド5、または半導体スイッチング素子13aに異常が発生していると判定してアイドルストップを禁止する。
また、スタータモータ7側へピニオンギヤ4が回転を開始しない微小電流(303)を流したとき、バッテリ電流センサ39でバッテリ電流の変化を検知して、同様にスタータモータ7、および半導体スイッチング素子13bの故障診断を行い、故障時はアイドルストップを禁止させることも可能である。
以上のように、本実施例によれば、アイドルストップ直前にスタータの異常を検出することにより、アイドルストップして再始動できなくなることを防止することができる。
図9において、スタータ、半導体スイッチング素子の故障診断で異常なしと判定された場合は、アイドルストップへ移行し燃料噴射を停止して、エンジンをプリメッシュ状態で停止する動作を行う。
燃料噴射の停止によってエンジン回転数は惰性で低下し、所定の回転数まで低下したタイミングでピニオンギヤを所定回転数まで上昇させる予回転動作を行い、その後低下しているエンジン回転数とピニオン回転数の回転差が所定範囲に入ると、ピニオンギヤを連結位置へ移動させることができる、前記微小電流より大きい電流をピニオン移動ソレノイド5に供給し、ピニオンギヤとリングギヤを噛み合わせる、所謂プリメッシュ状態とする。
このプリメッシュ動作まで前記302の微小電流を流し続けておくことにより、ピニオン移動ソレノイド5に僅かながら吸引力が発生するのでスタータ内部のピニオン移動レバー6周りのガタ分を吸収することができるとともに、プリメッシュの際の通電開始における電流の立ち上がりが鋭くなり、ピニオンギヤ4の移動に至る電流値の到達時間は微小通電が無い場合と比較して短縮されるので、ピニオン移動ソレノイド5の作動応答性を向上できる効果がある。
また、スタータモータ7側も同様に微小通電(305)を続けておくことにより、スタータモータ7が回転を開始するに至る電流値の到達時間は微小通電が無い場合と比較して短縮されるので、再始動要求を受けてスタータへ通電開始してからの作動応答性が向上し、再始動時間を短縮できる効果や以下に述べるような効果がある。
(1)あらかじめモータ回路へ微小電流を通電することにより、回転開始時の大電流消費とそれによる電源電圧低下を低減することができる。
(2)ピニオン予回転後に微小電流を流すことにより、ピニオンギヤ4を所定回転範囲内に留まる時間を長くすることができるので、プリメッシュ時のギヤ摩耗を低減することができる。
(3)ピニオン予回転後に微小電流を流すことにより、プリメッシュ時のピニオンギヤ4とリングギヤ2の片面当たりを保持して、騒音を低減することができる。
(4)プリメッシュが完了してエンジン1が完全停止するまで継続して微小電流を流すことにより、圧縮TDCを乗り越えられずに押し戻される逆転トルクを微小な正転トルクで低減することができるので、再始動禁止領域を縮小させることができる。
なお、前記実施例ではピニオン移動ソレノイド回路、スタータモータ回路の異常を同時に故障診断、および判定する方法を示しているが、いずれかを単独で行う方法としてもよい。
図10は、図6のエンジンが停止する前にチェンジ・オブ・マインド(再始動要求)を受けたケースで、前記ピニオン移動ソレノイド、および半導体スイッチング素子の診断を組み込んだ場合のタイムチャートの例である。
アイドルストップ条件が成立した後(401)に、ピニオン移動ソレノイド5へ微小電流を流すため駆動Duty10%の指令(402)を半導体スイッチング素子13aへ出力する。前記の動作により、ピニオンギヤ4は連結位置側へ移動せずに微小電流がピニオン移動ソレノイド5へ流れる状態となる。
その後、ピニオンギヤ4を連結位置へ移動させることができる、微小電流より大きい電流をピニオン移動ソレノイド5に供給し、プリメッシュを行うと同時にスタータモータ7側へ微小電流(403)を通電する。このタイミングで通電することにより、前述のように再始動要求を受けてスタータモータへ通電開始してからの作動応答性が向上し、再始動時間を短縮できるとともに、図9においてスタータモータ7に通電した場合と比較して短い通電時間となることで消費電力を低減することができ、燃費を改善する効果がある。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
アイドルストップシステムを搭載した車両において、アイドルストップへ入る直前にスタータの診断を行うことができるので、再始動できずに道路上で立ち往生して車両、およびドライバーを危険に晒すことを防止できるとともに、スタータの応答性を向上する効果があるので、再始動時間を短縮できるシステムを提供できる。
図11は、実施例1における図2の構成図に対応する図であって、本発明の実施例3による車両用エンジン始動装置を含む車両の構成図である。
ここでは、図11において、図2と相違する個所についてのみ説明し、図2と同様の箇所については説明を省略する。
図2の構成図では、ピニオン移動ソレノイド5の駆動は、電流遮断リレー42および半導体スイッチング素子13aの2段で行い、スタータモータ7の駆動は、電流遮断リレー42および半導体スイッチング素子13bの2段で行うようにしている。
これに対して、図11の構成図では、ピニオン移動ソレノイド5の駆動は、半導体スイッチング素子13aの1段で行い、スタータモータ7の駆動は、電流遮断リレー42および半導体スイッチング素子13bの2段で行うようにしている。
このように、ピニオン移動ソレノイド5の駆動回路を半導体スイッチング素子13aの1段で構成することにより、ECU20からの指令で直接駆動できるので、作動応答性が向上するとともに、部品数減によって信頼性が向上する。
(付記)
なお、以上説明した本発明は以下の構成を備える場合がある。
1.
通電されることによって、エンジンのリングギヤに駆動力を伝達する駆動力伝達装置と、
前記駆動力伝達装置に通電することによって、前記駆動力伝達装置による駆動力の伝達を行うか否かを切り換え可能な制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達する前に、前記駆動力伝達装置に対し、該駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達するように切り換えない範囲の通電を予め行う、
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置とし、
このように構成することで、
・始動時の応答性をより向上することができる車両用エンジン始動装置を提供するができる。
・また、予め通電を行うことで、例えば、その通電時におけるバッテリの消費電流を検知し、その検知結果を正常時と比較することで回路の診断を行うことも可能である。また、回路の診断結果が異常であった場合(例えば正常時の消費電流と異なる消費電流であった場合)、例えばアイドリングストップ条件が成立していてもエンジンへの燃料供給を停止しないように制御してもよい。このようにすることで、再始動不可能な状況でエンジンを停止して道路上で立ち往生してしまうような事態を避けることができる。
2.
1.に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記駆動力伝達装置は、前記リングギヤに噛み合う連結位置と前記リングギヤに噛み合わない非連結位置との間で移動可能なピニオンギヤと、通電されることによって前記ピニオンギヤを前記非連結位置から前記連結位置へと移動させる移動用ソレノイドと、通電されることによって前記ピニオンギヤを回転させるスタータモータと、を有し、
前記制御装置は、前記ピニオンギヤを前記連結位置に移動させる前に、前記移動用ソレノイドに対し、前記ピニオンギヤを前記連結位置に移動させない範囲の通電を予め行う、ことを特徴とする車両用エンジン始動装置とし、
このように構成することで、
・始動時に移動用ソレノイドの応答性をより向上することができる車両用エンジン始動装置を提供するができる。
3.
1.に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記駆動力伝達装置は、前記リングギヤに噛み合う連結位置と前記リングギヤに噛み合わない非連結位置との間で移動可能なピニオンギヤと、通電されることによって前記ピニオンギヤを前記非連結位置から前記連結位置へと移動させる移動用ソレノイドと、通電されることによって前記ピニオンギヤを回転させるスタータモータと、を有し、
前記制御装置は、前記ピニオンギヤを回転させる前に、前記スタータモータに対し、前記ピニオンギヤを回転させない範囲の通電を予め行う、
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置とし、
このように構成することで、
・始動時にスタータモータの応答性をより向上することができる車両用エンジン始動装置を提供するができる。
4.
1.に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記駆動力伝達装置の異常を検知する異常検知装置をさらに備え、
前記制御装置は、アイドルストップ条件が成立した場合であっても、前記異常検知装置によって前記駆動力伝達装置の異常を検知した場合には前記エンジンへの燃料供給を停止しないように制御する、
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置とし、
このように構成することで、
・駆動力伝達装置の異常時に、燃料供給を停止してしまって再始動できずに車両が立ち往生してしまうという事態の発生を未然に防ぐことができる。
5.
1.に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記駆動力伝達装置の通電に供するバッテリと、
前記バッテリの消費電流を検知するバッテリ電流センサと、
前記制御装置は、前記駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達する前に、前記駆動力伝達装置に対し、該駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達するように切り換えない範囲の通電を予め行い、該通電時の前記バッテリ電流センサの検知結果に基づいて該駆動力伝達装置の異常を検知する、
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置とし、
このように構成することで、
・始動時の応答性をより向上することができるとともに、その予めの通電によって流れる消費電流の変化によって、駆動力伝達装置の異常時を検知することができ、異常検知のための構成を別途設ける必要がない。
6.
1.に記載の車両用エンジン始動装置において、
前記駆動力伝達装置の異常を検知する異常検知装置をさらに備え、
前記制御装置は、アイドルストップ条件が成立した場合に前記エンジンへの燃料供給を停止し、その後、前記異常検知装置によって前記駆動力伝達装置の異常を検知した場合には前記エンジンの回転数が燃焼復帰可能回転数を下回る前に、燃料の供給を再開する、
ことを特徴とする車両用エンジン始動装置とし、
このように構成することで、
・アイドルストップ条件が成立した場合にエンジンへの燃料供給を停止することで燃料消費を低減することができるとともに、駆動力伝達装置の異常時であっても再始動不可能な事態に陥ることを未然に防ぐことができる。
7.
内燃機関のリングギヤに噛み合う連結位置と非連結位置とに移動可能なピニオンギヤと、
通電により前記ピニオンギヤを前記非連結位置から前記連結位置へ移動させる移動用ソレノイドと、
通電により前記ピニオンギヤを回転駆動させるスタータモータと、
を備え、
前記移動用ソレノイドによる前記ピニオンギヤの移動と前記スタータモータによる前記ピニオンギヤの回転とを異なるタイミングで駆動可能な内燃機関用スタータを制御する制御装置において、
前記ピニオンギヤを前記非連結位置から前記連結位置へ移動させる前の所定期間、所定の微小電流を前記移動用ソレノイドに通電する制御装置とし、
このように構成することで、
・始動時に移動用ソレノイドの応答性をより向上することができる。
・また、微小電流を移動用ソレノイドに通電することで、その消費電流を正常時と比較し、移動用ソレノイドに係る構成の異常を検知することができる場合がある。
8.
7.に記載の制御装置において、
前記所定の微小電流は、前記ピニオンギヤが前記連結位置側へ移動を開始しない電流であることを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・誤連結の発生を防止することができる。
9.
8.に記載の制御装置において、
前記制御装置は、前記ピニオンギヤを前記連結位置へ移動させる前に前記ピニオンギヤを回転駆動させる予回転を実施し、
前記所定期間は、前記予回転を実施する前の期間であり、
前記所定期間、前記微小電流を前記移動用ソレノイドに通電することを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・予回転の前に微小電流を移動用ソレノイドに通電することで、予回転前に移動用ソレノイドに係る構成の異常を検知することができる場合がある。
10.
8.に記載の制御装置において、
前記所定期間終了後連続して、
前記ピニオンギヤが前記連結位置側へ移動を開始する程度の、前記微小電流より大きいピニオン移動用電流を通電し、
前記ピニオン移動用電流の通電開始と同時に、
前記内燃機関をクランキングする時よりも小さな電流を前記スタータモータへ通電開始することを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・始動時にスタータモータの応答性をより向上することができる。
・また、スタータモータに小さな電流を流すことで、その消費電流を正常時と比較し、スタータモータに係る構成の異常を検知することができる場合がある。
11.
8.から10.のいずれか一項記載の制御装置において、
前記制御装置は、所定のアイドルストップ条件を満たしたときに前記内燃機関への燃料の供給を中止して前記内燃機関を自動停止させ、
前記アイドルストップ条件成立、かつ前記所定期間中に前記移動用ソレノイドに通電できない故障、または前記ピニオンギヤを移動できない故障が発生したときに、前記自動停止を禁止することを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・故障が発生した状態で内燃機関が停止してしまって再始動できずに車両が立ち往生してしまうという事態の発生を未然に防ぐことができる。
12.
8.から10.のいずれか一項記載の制御装置において、
前記制御装置は、所定のアイドルストップ条件を満たしたときに前記内燃機関への燃料の供給を中止して前記内燃機関を自動停止させ、
前記アイドルストップ条件成立、かつ前記所定期間中に前記移動用ソレノイドに通電できない故障、または前記ピニオンギヤを移動できない故障が発生したときに、前記燃料の供給中止後前記内燃機関の回転数が燃焼復帰可能回転数を下回る前に、燃料の供給を再開することを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・アイドルストップ条件が成立した場合に内燃機関への燃料供給を中止することで燃料消費を低減することができるとともに、故障発生時であっても再始動不可能な事態に陥ることを未然に防ぐことができる。
13.
11.または12.のいずれか一項記載の制御装置において、
前記所定のアイドルストップ条件を満たしたときに前記微小電流を前記移動用ソレノイドに通電開始し、前記移動用ソレノイドに通電したときの車載バッテリの電流変化に基づいて、前記移動用ソレノイドに異常が発生していると判定する制御装置とし、
このように構成することで、
・バッテリの電流変化に基づいて移動用ソレノイドの異常を検知することができる。
14.(図11の構成)
7.から13.のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御装置は、前記移動用ソレノイドへの通電を制御する第一のリレーと、
前記スタータモータへの通電を制御する第二のリレーと、
前記第二のリレーのON/OFFを制御する第三のリレーと、
前記ピニオンギヤの移動タイミングと前記ピニオンギヤの回転タイミングとをそれぞれ出力する制御回路と、
を備え、
前記第一のリレーは半導体スイッチ素子であり、
前記制御回路から前記移動用ソレノイドへの駆動経路と、前記制御回路から前記スタータモータへの駆動経路と、では、前記制御回路から前記移動用ソレノイドへの経路の方がリレーの数が少ないことを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・図11に記載のように、ピニオン移動ソレノイド5の駆動回路を半導体スイッチング素子13aの1段で構成することにより、ECU20からの指令で直接駆動できるので、作動応答性が向上するとともに、部品数減によって信頼性が向上する。
15.
9.から14.のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記内燃機関の回転数に基づいて、前記ピニオンギヤの予回転を開始するタイミングを決定することを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・内燃機関の回転数に基づき、リングギヤ2の回転数とピニオンギヤ4の回転数を許容範囲内に合わせることができる。
16.
9.から14.のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記内燃機関の回転数と前記ピニオンギヤの回転数の回転差に基づいて、前記ピニオンギヤの移動を開始するタイミングを決定することを特徴とする制御装置とし、
このように構成することで、
・リングギヤ2にピニオンギヤ4が噛合するときに、リングギヤ2の回転数とピニオンギヤ4の回転数を許容範囲内に合わせることができる。
なお、上述の実施例では、アイドルストップ条件が成立した後の再始動時の処理について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、上述した再始動時の処理を、アイドルストップ条件成立時以外の他の始動時に適用してもかまわない。これにより、始動時の応答性を向上することができるとともに駆動力伝達装置の故障を予め検知することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…エンジン、1a…クランクシャフト、2…リングギヤ、3…クランク角信号プレート、4…ピニオンギヤ、4a…ワンウェイクラッチ、4b…ピニオンギヤユニット、5…ピニオン移動ソレノイド、6…ピニオン移動レバー、7…スタータモータ、8…ピニオン軸、9…スタータ本体、10…アイドルストップスタータシステム、12…バッテリ、13…半導体スイッチング素子、13a…ピニオン移動ソレノイド駆動用半導体スイッチング素子、13b…モータ駆動用半導体スイッチング素子、14a…点火コイル、14b…点火プラグ、15…燃料噴射弁、16…トランスミッション、17…ドライブシャフト、18…タイヤ、20…ECU(エレクトロニックコントロールユニット、電子制御装置)、33…車速センサ、36…クランク角センサ、38…ピニオンギヤセンサ、39…バッテリ電流センサ、40…初回始動リレー、41…初回始動リレー駆動リレー、42…電流遮断リレー、43…電流遮断リレー駆動リレー、500…駆動力伝達装置、501…リングギヤ、502…エンジン、503…制御装置、504…異常検知装置、510…車両用エンジン始動装置

Claims (5)

  1. 通電されることによって、エンジンのリングギヤに駆動力を伝達する駆動力伝達装置と、
    前記駆動力伝達装置に通電することによって、前記駆動力伝達装置による駆動力の伝達を行うか否かを切り換え可能な制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達する前に、前記駆動力伝達装置に対し、該駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達するように切り換えない範囲の通電を予め行う、
    ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用エンジン始動装置において、
    前記駆動力伝達装置は、前記リングギヤに噛み合う連結位置と前記リングギヤに噛み合わない非連結位置との間で移動可能なピニオンギヤと、通電されることによって前記ピニオンギヤを前記非連結位置から前記連結位置へと移動させる移動用ソレノイドと、通電されることによって前記ピニオンギヤを回転させるスタータモータと、を有し、
    前記制御装置は、前記ピニオンギヤを前記連結位置に移動させる前に、前記移動用ソレノイドに対し、前記ピニオンギヤを前記連結位置に移動させない範囲の通電を予め行う、ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  3. 請求項1に記載の車両用エンジン始動装置において、
    前記駆動力伝達装置は、前記リングギヤに噛み合う連結位置と前記リングギヤに噛み合わない非連結位置との間で移動可能なピニオンギヤと、通電されることによって前記ピニオンギヤを前記非連結位置から前記連結位置へと移動させる移動用ソレノイドと、通電されることによって前記ピニオンギヤを回転させるスタータモータと、を有し、
    前記制御装置は、前記ピニオンギヤを回転させる前に、前記スタータモータに対し、前記ピニオンギヤを回転させない範囲の通電を予め行う、
    ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  4. 請求項1に記載の車両用エンジン始動装置において、
    前記駆動力伝達装置の異常を検知する異常検知装置をさらに備え、
    前記制御装置は、アイドルストップ条件が成立した場合であっても、前記異常検知装置によって前記駆動力伝達装置の異常を検知した場合には前記エンジンへの燃料供給を停止しないように制御する、
    ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  5. 請求項1に記載の車両用エンジン始動装置において、
    前記駆動力伝達装置の通電に供するバッテリと、
    前記バッテリの消費電流を検知するバッテリ電流センサと、
    前記制御装置は、前記駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達する前に、前記駆動力伝達装置に対し、該駆動力伝達装置によって駆動力を前記リングギヤに伝達するように切り換えない範囲の通電を予め行い、該通電時の前記バッテリ電流センサの検知結果に基づいて該駆動力伝達装置の異常を検知する、
    ことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
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