JP2012117413A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Katsuhiro Shoda
勝博 正田
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Abstract

【課題】アイドルストップ要求から内燃機関の完全停止までの間に再始動要求が発生した場合における、再始動の遅れ、もたつき感を緩和ないし解消する。
【解決手段】アイドルストップ要求があったときに、内燃機関によってエアコンディショナのコンプレッサを駆動し、このコンプレッサの回転抵抗が高くなるのを待って燃料供給を遮断する。これにより、燃料供給の遮断後エンジン回転が速やかに低落することとなり、エンジン回転数が中途半端に高くクランキングが困難な期間を短縮することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、アイドリングストップ機能を実現する内燃機関の制御装置に関する。
信号待ち等、車両の一時停車時に内燃機関のアイドル回転を自動的に停止させ、燃費の向上を図るアイドリングストップシステムが既知である(例えば、下記特許文献を参照)。
アイドルストップ要求が発生し、気筒への燃料供給を遮断したとしても、内燃機関の回転が即座に停止するわけではない。アイドルストップ要求から内燃機関の完全停止までのタイムラグの間に再始動要求(典型的には、運転者がブレーキペダルから足を離し、またはアクセルペダルを踏み込む)が発生した場合において、エンジン回転数が依然十分に高い段階であれば、燃料供給を再開するだけで内燃機関を再始動可能である。エンジン回転数が停止寸前まで低下した段階であれば、スタータモータのピニオンギアをフライホイール(MT車)またはドライブプレート(AT車)外周のリングギアに噛合させ、クランキングにより内燃機関を再始動することができる。
しかしながら、エンジン回転数が中途半端に高い段階で再始動要求が発生すると、燃料供給を再開するだけでは再始動不可能であり、クランキングしようとしてもピニオンギアをリングギアに噛合させることが難しい。そのため、エンジン回転数のさらなる低下を待ってからクランキングによる再始動を試みることとなり、再始動の遅れ、もたつき感を運転者に与えてしまう。
特開2006−258078号公報
本発明は、アイドルストップ要求から内燃機関の完全停止までの間に再始動要求が発生した場合における、再始動の遅れ、もたつき感を緩和ないし解消することを所期の目的としている。
本発明では、アイドリングストップ機能を実現するものであって、アイドリングストップを行う際にエアコンディショナのコンプレッサを作動させ、このコンプレッサの下流側の冷媒圧力が一定度合い以上に高まる所定の状況に至った後に燃料供給を遮断して内燃機関を停止させることを特徴とする内燃機関の制御装置を構成した。
即ち、アイドルストップ要求があったときに、内燃機関によってコンプレッサを駆動し、コンプレッサの回転抵抗が高くなるのを待って燃料供給を遮断するのである。このようなものであれば、燃料カットに伴いエンジン回転が速やかに低落することとなり、クランキングが困難な期間を短縮することができる。
本発明によれば、アイドルストップ要求から内燃機関の完全停止までの間に再始動要求が発生した場合における、再始動の遅れ、もたつき感を緩和ないし解消することが可能である。
本発明の一実施形態における内燃機関の構成を示す図。 同実施形態の制御装置がプログラムに従い実行する処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態の制御装置によるアイドルストップ制御の態様を示すタイミングチャート。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に一気筒の構成を概略的に示した火花点火式内燃機関0は、例えば自動車に搭載されるものである。内燃機関0の吸気系1には、アクセルペダルの踏込量に応じて開閉するスロットルバルブ11を設けており、スロットルバルブ11の下流にはサージタンク13を一体に有する吸気マニホルド12を取り付けている。サージタンク13には、吸気管内圧力(または、吸気負圧)を検出する圧力センサ71を配している。
排気系5には、排気マニホルド51を取り付け、排出ガス浄化用の三元触媒52を装着している。そして、触媒52の上流にフロントO2センサ53を、下流にリアO2センサ54を、それぞれ配している。O2センサ53、54は、排出ガスに接触して反応することにより、排出ガス中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力する。
吸気系1と排気系5との間には、EGR装置6を介設する。EGR装置6は、始端が排気マニホルド51に連通し終端がサージタンク13に連通する外部EGR通路61と、EGR通路61上に設けた外部EGRバルブ62とを要素としてなる。EGRバルブ62を開放すれば、排出ガスを排気系5から吸気系1へと還流して吸気に混合する外部EGRを実現できる。
気筒2上部に形成される燃焼室の天井部(シリンダヘッド)には、吸気バルブ21、排気バルブ22、インジェクタ3及び点火プラグ23を設ける。
内燃機関0の運転制御を司る電子制御装置(Electronic Control Unit)4は、中央演算装置41、記憶装置42、入力インタフェース43、出力インタフェース44等を有するマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェース43には、吸気管内圧力を検出する圧力センサ71から出力される吸気圧信号a、エンジン回転数を検出する回転数センサ72から出力される回転数信号b、車速を検出する車速センサ73から出力される車速信号c、アクセルペダルの踏込量(または、スロットルバルブ11の開度)を検出するアクセルセンサ74から出力されるアクセル信号d、シフトポジションスイッチ75から出力されるシフトポジション信号e、冷却水の温度を検出する水温センサ76から出力される水温信号f、吸気カムシャフト91の端部にあるタイミングセンサ93から出力されるクランク角度信号及び気筒判別用信号g、排気カムシャフト92の端部にあるタイミングセンサ94から240°CA(クランク角度)回転毎に出力される排気カム信号h、フロントO2センサ53から出力される上流側空燃比信号i、リアO2センサ54から出力される下流側空燃比信号j、ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキセンサ77から出力されるブレーキ信号k等が出力される。エンジン回転数センサ72は、クランクシャフトとともに回転する円板の外周に10°CA毎に間欠的に形成した歯の通過を感知することでクランクシャフトの回転速度を知得するものである。
出力インタフェース44からは、インジェクタ3に対して燃料噴射信号n、点火プラグ8に対して点火信号m、EGRバルブ62に対してEGRバルブ開度信号o、内燃機関0のクランクシャフトとエアコンディショナのコンプレッサとの間を断接切換する電磁クラッチに対してクラッチ接続信号l等を出力する。クラッチ接続信号lは、電磁クラッチに通電する電気回路を短絡/遮断するリレースイッチに入力され、このスイッチを短絡側に駆動する。
中央演算装置41は、記憶装置42に予め格納されているプログラムを解釈、実行し、内燃機関0の燃料噴射量や点火時期、気筒2に充填される吸気のEGR率(EGRガスの還流量)、エアコンディショナ等の制御を遂行する。
内燃機関0の運転制御において、ECU4は、内燃機関0の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、kを入力インタフェース43を介して取得し、さらに現状の吸気量及び当該吸気のEGR率を推定して、それらに基づいて制御入力である燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、EGRバルブ62の開度(EGRステップ数)、エアコンディショナのコンプレッサの駆動の可否等を演算する。そして、演算した制御入力に対応した制御信号l、m、n、oを、出力インタフェース44を介して印加する。
その上で、本実施形態の制御装置たるECU4は、アイドリングストップ機能を実現するための制御を実施する。
図2に、アイドリングストップに際してECU4が実行する処理の手順を示す。ECU4は、アイドルストップ要求が発生したとき(ストップS1)、クラッチ接続信号lを出力して、内燃機関0のクランクシャフトとエアコンディショナのコンプレッサとの間に介在する電磁クラッチを締結(ストップS2)、コンプレッサを作動させる。ステップS1では、例えば、車速が所定値(7km/h)以下で、冷却水温が所定以上高く、シフトポジションが走行レンジであり(AT車)、ブレーキペダルが踏まれている等の諸条件が成立したことを以て、アイドルストップ要求があったものと判定する。
電磁クラッチを締結する以前、つまりコンプレッサを停止している間は、エアーコンディショナの冷媒流路における、コンプレッサの下流側の冷媒の圧力は低下している。内燃機関0によってコンプレッサを駆動することにより、コンプレッサの下流側の冷媒圧力が上昇する。コンプレッサの下流側の冷媒圧力が一定度合い以上に高まった後(ステップS3)、インジェクタ3からの燃料噴射(及び、点火)を停止する(ステップS4)。ステップS3では、コンプレッサの駆動開始からの経過時間と、そのときのエンジン回転数との積からコンプレッサ下流側の冷媒圧力を推定し、推定冷媒圧力が所定閾値以上となったことを条件として、燃料カットステップS4に遷移する。
ステップS3を経てコンプレッサひいてはクランクシャフトの回転抵抗が高くなっていることから、ステップS4によりエンジン回転は速やかに低落する。図3に、エンジン回転数の低下の推移を例示する。図中、実線は本実施形態の制御によるエンジン回転数の低下を表し、破線は従来のシステムでのそれを表す。高位の所定回転数Aは、燃料カットを終了することでスタータによるクランキングを行わずともエンジン回転をアイドル回転数(700ないし800rpm)まで回復させることができる下限を示す。この回転数Aは、アイドル回転数よりもやや低い。低位の所定回転数Bは、スタータのピニオンギアをフライホイール(MT車)またはドライブプレート(AT車)外周のリングギアに噛合させることができる上限を示す。回転数Aと回転数Bとの間の領域は、燃料カットを終了するだけではエンジン回転を回復させることができず、ピニオンギアをリングギアに噛合させてクランキングを行うことも困難な領域である。
従来のシステムでは、アイドルストップ要求が発生したとき、エアーコンディショナのコンプレッサを作動させることなく燃料供給を遮断する。それ故、クランクシャフトは惰性で回転し続けようとし、エンジン回転数は比較的ゆっくりと低下する。これに対して、本実施形態では、アイドルストップ要求の発生時点t0からエンジン回転が低下を始めるまでの期間は長くなる一方、エンジン回転が回転数Aである時点t1から回転数Bに低下する時点t2までの期間は短くなる。要するに、クランキングが困難な回転数領域に留まる時間が短くなる。
しかして、再始動要求が発生したときには(ストップS5)、その時点でのエンジン回転数の高低に応じた再始動処理を実行する(ステップS6ないしS12)。ステップS5では、例えば、車速が所定値以上に上昇した、シフトポジションが非走行レンジに変更された(AT車)、ブレーキペダルから足が離れた、アクセルペダルが踏まれた、または内燃機関0の停止から所定時間(3分)が経過したことを以て、再始動要求があったものと判定する。
再始動要求があった時点で、エンジン回転数が回転数A以上である場合には(ステップS6)、クラッチ接続信号lの印加を停止してクランクシャフトとコンプレッサとを接続している電磁クラッチを切断し(ステップS7)、インジェクタ3からの燃料噴射(及び、点火)を再開する(ステップS8)ことで、エンジン回転をアイドル回転数近傍まで回復させることが可能である。
翻って、エンジン回転数が回転数B以下である場合(内燃機関0が完全に停止した段階を含む)には(ステップS9)、電磁クラッチを切断し(ステップS10)、スタータモータのピニオンギアをフライホイール(MT車)またはドライブプレート(AT車)外周のリングギアに噛合させてクランキングを行う(ステップS11)とともにインジェクタ3からの燃料噴射を再開する(ステップS12)ことにより、内燃機関0を再始動することができる。
エンジン回転数が回転数B以上かつ回転数A以下である場合には、エンジン回転数が回転数B以下となるまで待ち(ステップS9)、しかる後に再始動を行う(ステップS10ないしS12)。
本実施形態では、アイドリングストップ機能を実現する内燃機関0の制御装置4であって、アイドリングストップを行う際にエアコンディショナのコンプレッサを作動させ、このコンプレッサの下流側の冷媒圧力が一定度合い以上に高まる所定の状況に至った後に燃料供給を遮断して内燃機関0を停止させることを特徴とする制御装置4を構成した。本実施形態によれば、コンプレッサの回転抵抗に起因してエンジン回転が速やかに低落し、クランキングが困難な期間を短縮することが可能になる。従って、再始動要求が発生した場合における再始動の遅れ、もたつき感を緩和ないし解消することができる。クランキングが困難な期間に再始動要求が発生する確率も低下する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、ステップS3では、コンプレッサの駆動開始からの経過時間とそのときのエンジン回転数との積を所定閾値と比較することとし、これが所定閾値以上となったときに燃料カットステップS4に遷移するものとしてもよい。あるいは、エアコンディショナの冷媒流路におけるコンプレッサの下流側の所定箇所に、冷媒圧力を検出する圧力センサを設けておき、このセンサを介して計測した実測冷媒圧力が所定閾値以上となったときに燃料カットステップS4に遷移するものとしてもよい。
その他、各部の具体的構成や具体的な処理の手順は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…内燃機関
4…制御装置(ECU)

Claims (1)

  1. アイドリングストップ機能を実現する内燃機関の制御装置であって、
    アイドリングストップを行う際にエアコンディショナのコンプレッサを作動させ、このコンプレッサの下流側の冷媒圧力が一定度合い以上に高まる所定の状況に至った後に燃料供給を遮断して内燃機関を停止させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014062531A (ja) * 2012-09-24 2014-04-10 Daihatsu Motor Co Ltd アイドルストップ車両の制御装置
JP2014062532A (ja) * 2012-09-24 2014-04-10 Daihatsu Motor Co Ltd アイドルストップ車両の制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014062531A (ja) * 2012-09-24 2014-04-10 Daihatsu Motor Co Ltd アイドルストップ車両の制御装置
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