JP2007116435A - 半導体装置および半導体装置の検査方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遅延回路により与えられる微小な遅延時間値が規格値内であるか否かを判断することが可能な半導体装置および半導体装置の検査方法を提供すること。
【解決手段】遅延回路DC0、DC1は、テスト用データストローブ信号TDQSに対して遅延時間DT0、DT1遅れた遅延データストローブ信号IDQS0、IDQS1を生成する。インバータINV0からは、遅延データストローブ信号IDQS0に対して遅延許容時間IT分だけ遅延された反転信号である反転データストローブ信号RIDQS0が出力される。ナンドゲートND0には反転データストローブ信号RIDQS0および遅延データストローブ信号IDQS1が入力される。遅延データストローブ信号IDQS1の位相が、遅延データストローブ信号IDQS0の位相に比して、遅延許容時間IT以上遅れる場合には、ナンドゲートND0からパルス信号PL0が出力されない。
【選択図】図1

Description

本発明は遅延回路を備える半導体装置にかかり、特に、遅延回路の遅延時間量が微小な値である場合においても、遅延時間値が規格値内であるか否かを判断することが可能な半導体装置および半導体装置の検査方法に関するものである。
半導体装置には、外部信号を遅延させる遅延回路が備えられるものがある。例えばDRAMコントローラでは、SDRAMから入力されるデータストローブ信号をDLL(Delayed Locked Loop)回路で所定の位相分遅延させ、当該遅延後の信号を用いてSDRAMから入力されるデータを取り込むことが行われている。
これらのDLL回路に代表される遅延回路では、半導体装置の製造時の異常によって、遅延時間量が規格値の範囲外となるものが発生する場合がある。ここで製造時の異常とは、例えば、遅延回路に異物が載ることによる容量値変動やショート、パタン崩れの発生などである。そこで半導体装置の機能試験時において、テスタを用いて遅延回路の遅延時間を実測し、遅延時間量が規格値の範囲外となる遅延回路が存在する半導体装置を不良品として選別することが行われている。
尚、上記の関連技術として特許文献1が開示されている。
特開2002−286805号公報
しかし近年の半導体装置の動作速度の高速化に伴って、遅延回路に入力される信号の周期が短くされるため、遅延回路での遅延時間量や、遅延時間の遅延回路間ばらつき量の許容値は微小な値とされる。すると、微小な遅延時間量を実測定するには、高い時間分解能を有する高価なテスタを用いる必要があり、半導体装置のコストアップに繋がるため問題である。また、遅延時間量がテスタの時間分解能よりも小さい場合には、遅延時間量の測定自体を行うことができず、異常が発生した遅延回路を検出することができないため問題である。
本発明は前記背景技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、遅延回路により与えられる遅延時間が微小な値であっても、遅延時間値が規格値内であるか否かを判断することができ、また、当該判断において高い時間分解能のテスタを必要としない半導体装置および半導体装置の検査方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る第1の思想における半導体装置は、入力される信号に対して略同一の遅延時間を与える複数の遅延回路を備える半導体装置であって、何れか1つの遅延回路の信号出力経路上に備えられる論理反転回路と、論理反転回路の出力信号と他の遅延回路の出力信号とが入力される論理積回路と、論理積回路から出力されるパルス信号を記憶するラッチ回路とを備えることを特徴とする。
半導体装置には略同一の遅延時間を与える複数の遅延回路が備えられる。論理反転回路が、何れか一つの遅延回路の信号出力経路上に備えられる。論理反転回路からは、遅延回路から出力される信号に対して所定時間遅延される逆相信号が出力される。論理積回路には、論理反転回路の出力信号と他の遅延回路の出力信号とが入力される。論理積回路は、入力される全ての信号レベルが所定の同一レベルである期間において、論理積回路の出力信号のレベルを変化させる結果、パルス信号が出力される。例えば、論理積回路に入力される信号が全てハイレベルであるか、全てローレベルである期間において、論理積回路からはパルス信号が出力される。ラッチ回路には、論理積回路の出力信号が入力される。そしてラッチ回路は、論理積回路から出力されるパルス信号を記憶する。
例えば、遅延回路の各々に同相の周波数信号が入力される場合には、各遅延回路からは遅延時間が付与された周波数信号が出力される。このとき、遅延時間には遅延回路間ばらつきが存在する。よって、出力信号の位相にも、遅延回路間ばらつきが存在する。そして、論理反転回路を介して出力されるある1つの遅延回路の出力信号の位相に比して、他の遅延回路の出力信号の位相が早い場合には、論理積回路に入力される全信号のレベルが所定の同一レベルとなる時間が存在するため、論理積回路からはパルス信号が出力される。一方、論理反転回路を介して出力されるある1つの遅延回路の出力信号の位相に比して、他の遅延回路の出力信号のうちの少なくとも一つの位相が遅い場合には、論理積回路に入力される全信号のレベルが所定の同一レベルとなる時間が存在しないため、論理積回路からはパルス信号が出力されない。そして論理積回路から出力されるパルス信号が、ラッチ回路に保持される。
すなわち、ある一つの遅延回路の出力信号の位相に比して、その他の遅延回路の出力信号の位相が、論理反転回路で与えられる遅延時間以上遅れているか否かを、論理積回路において検出し、その検出結果をラッチ部に保持することができる。
以上により、複数の遅延回路から各々出力される信号間の位相差が、論理反転回路の遅延時間により定められる所定の規格値内であるか否かを、論理積回路で演算することができる。よって、遅延回路間の遅延時間ばらつき量が、許容範囲内であるか否かを判断することにより、遅延時間値の異常を検出することが可能となる。そして遅延回路間の遅延時間ばらつき量が許容範囲を超える半導体装置を、不良品として選別することが可能となる。これにより、テスタの時間分解能以下の微小な遅延時間を発生する回路を備える半導体装置であっても、当該遅延時間を実際に測定することなく遅延時間値の異常を検出できる結果、当該半導体装置の良品判定を行うことが可能となる。
またラッチ部に検出結果が保持されるため、論理積回路での演算結果を半導体装置から読み出す際において、高い時間分解能を有する高価なテスタを不要とすることができる。
また目的を達成するために、本発明に係る第2の思想における半導体装置は、入力信号に対して遅延時間を与える遅延回路を備え、機能試験制御信号に応じて機能試験が行われる半導体装置であって、遅延回路の出力信号が入力信号に対して逆相の信号である場合には、遅延回路の出力端子と入力端子とを機能試験制御信号に応じて接続するスイッチ回路と、遅延回路の出力信号を分周する分周部とを備え、遅延回路の出力信号が入力信号に対して同相の信号である場合には、スイッチ回路と、出力端子と入力端子との接続経路上に備えられる論理反転回路と、分周部とを備えることを特徴とする。
半導体装置は、機能試験制御信号に応じて機能試験が行われる。遅延回路は、入力信号に遅延時間を与える。遅延回路の出力信号が入力信号に対して逆相とされる場合には、半導体装置にはスイッチ回路と分周部とが備えられる。一方、遅延回路の出力信号が入力信号に対して同相とされる場合には、半導体装置にはスイッチ回路と論理反転回路と分周部とが備えられる。スイッチ回路は、半導体装置の機能試験時において、遅延回路の出力端子と入力端子とを接続する動作を行う。よって機能試験時には、遅延回路の遅延時間に応じた周期で発振するリングオシレータが構成される。また分周部は、機能試験時において、リングオシレータの出力信号を分周する。分周後の信号の周期は、外部テスタ等によって読み出される。
以上により、半導体装置の機能試験時において、遅延回路の遅延時間に応じた周期を有する発振信号を生成し、当該発振信号を分周した上でテスタ等により測定することが可能とされる。これにより、発振信号の周期から、遅延回路の遅延時間を直接求めることができる。よって、遅延回路の遅延時間値の異常を検出することが可能となる。そして遅延時間が異常である遅延回路を備える半導体装置を、不良品として選別することが可能となる。
また、遅延時間の値が微小であるため、発振信号の周期がテスタの時間分解能以下となる場合においても、分周部で発振信号を分周し分周後の発振信号を実測することにより、遅延時間を測定することが可能となる。これにより、高い時間分解能を有する高価なテスタを不要とすることができる。
本発明を適用することにより、遅延回路により与えられる遅延時間が微小な値であっても、遅延時間値が規格値内であるか否かを判断することができ、また、当該判断において高い時間分解能のテスタを必要としない半導体装置および半導体装置の検査方法を提供することができる。
以下、本発明の実施にかかる半導体装置について具体化した一例である第1実施形態を図1乃至図4を参照しつつ詳細に説明する。図1は、DRAMコントロール回路1の実施形態を示す回路ブロック図である。DRAMコントロール回路1は、データラッチ部2と遅延時間判定部3とを備える。DRAMコントロール回路1は、不図示のSDRAMに接続される。そしてSDRAMからは、800(Mbps)のデータ転送速度で、データDQ0乃至DQ15が入力される。
データラッチ部2は、遅延回路DC0およびDC1、スイッチSW0およびSW1、データラッチ回路DL0乃至DL15を備える。データラッチ回路DL0乃至DL15の各々の入力端子Dには、不図示のSDRAMから入力されるデータDQ0乃至DQ15が入力される。またデータDQ0乃至DQ7に対応してデータストローブ信号DQS0が備えられ、データDQ8乃至DQ15に対応してデータストローブ信号DQS1が備えられる。すなわちデータ8つ当たりに1つのデータストローブ信号が用意される。データストローブ信号DQS0およびDQS1は、それぞれスイッチSW0およびSW1に入力される。またテスト用データストローブ信号TDQSがスイッチSW0およびSW1に入力される。スイッチSW0の出力端子は遅延回路DC0の入力端子に接続され、遅延回路DC0の出力端子はデータラッチ回路DL0乃至DL7のクロック端子に接続される。同様に、スイッチSW1の出力端子は遅延回路DC1の入力端子に接続され、遅延回路DC1の出力端子はデータラッチ回路DL8乃至DL15のクロック端子に接続される。遅延回路DC0およびDC1からは、それぞれ遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1が出力される。
遅延時間判定部3は、遅延判定回路DD0およびDD1、フリップフロップFF0およびFF1を備える。遅延判定回路DD0は、インバータINV0およびナンドゲートND0を備える。インバータINV0は、入力される遅延データストローブ信号IDQS0を、反転データストローブ信号RIDQS0として出力する。ナンドゲートND0には反転データストローブ信号RIDQS0および遅延データストローブ信号IDQS1が入力され、ナンドゲートND0からはパルス信号PL0が出力される。フリップフロップFF0はRSフリップフロップである。フリップフロップFF0のセット端子にはテストモード信号TRSTXが入力され、リセット端子にはパルス信号PL0が入力される。そしてフリップフロップFF0の出力端子からは、出力信号OUT0が出力される。なお遅延判定回路DD1の構成は遅延判定回路DD0と同様であり、フリップフロップFF1の構成は遅延判定回路DD0と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
DRAMコントロール回路1の作用を図2のタイミングチャートを用いて説明する。図2は、遅延回路DC0およびDC1で生成される遅延時間DT0とDT1とが等しい場合のタイミングチャートである。DRAMコントロール回路1は、通常動作を行う通常モードと、機能試験を行うテストモードとを備える。通常モード時には、不図示の制御回路から出力されるテストモード信号TRSTXがローレベルとされる。ローレベルのテストモード信号TRSTXに応じて、スイッチSW0およびSW1は、それぞれデータストローブ信号DQS0およびDQS1を選択して遅延回路DC0およびDC1に入力する。遅延回路DC0およびDC1は、DLL回路である。遅延回路DC0およびDC1は、入力されるデータストローブ信号DQS0およびDQS1(周期TT=2500(ps))に対して、位相が90°(1/4周期)遅延した遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1を生成する。遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1の遅延設定時間DTは、データラッチ回路DL0乃至DL15のセットアップホールド時間であり、その値は625(ps)である。データラッチ回路DL0乃至DL15では、遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1に基づいて、データDQ0乃至DQ15をラッチする。以上説明した様に、通常モード時においては、データDQ0乃至DQ15の読み込み動作が行われる。
テストモードに移行すると、不図示の制御回路から出力されるテストモード信号TRSTXがハイレベルへ遷移する。テストモード信号TRSTXのハイレベルへの遷移に応じて、スイッチSW0およびSW1が切り替えられ、テスト用データストローブ信号TDQSが遅延回路DC0およびDC1に入力される。なお、テスト用データストローブ信号TDQSの周期は、データストローブ信号DQS0およびDQS1と同じとされる。遅延回路DC0は、テスト用データストローブ信号TDQSに対して、位相が90°(遅延時間DT0)遅れた遅延データストローブ信号IDQS0を生成する。また遅延回路DC1は、テスト用データストローブ信号TDQSに対して、位相が90°(遅延時間DT1)遅れた遅延データストローブ信号IDQS1を生成する。
遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1は、それぞれインバータINV0およびINV1に入力される。そしてインバータINV0およびINV1のそれぞれからは、遅延許容時間IT分だけ遅延された反転信号である反転データストローブ信号RIDQS0およびRIDQS1が出力される。ここで遅延許容時間ITとは、後述するように、遅延時間DT0とDT1との間のばらつき量の許容値である。そして遅延許容時間ITは、インバータINV0およびINV1の伝搬遅延時間によって定められる。そのため遅延許容時間ITは、インバータ素子を構成するトランジスタの特性を調整することで、例えば数十(ps)などの微小な時間に定めることができる。
遅延判定回路DD0のナンドゲートND0には、遅延データストローブ信号IDQS1および反転データストローブ信号RIDQS0が入力される。時間t1(図2)において、遅延データストローブ信号IDQS1がハイレベルへ遷移すると、ナンドゲートND0に入力される信号は全てハイレベルとされるため、パルス信号PL0はローレベルへ遷移する(図2,矢印A1)。ローレベルのパルス信号PL0がフリップフロップFF0に入力されると、出力信号OUT0はハイレベルへ遷移し、ハイレベル状態が保持される(矢印A2)。そして時間t1から遅延許容時間ITが経過した時間t2において、反転データストローブ信号RIDQS0がローレベルへ遷移すると、パルス信号PL0はハイレベルへ遷移する(矢印A3)。
また同様にして、遅延判定回路DD1のナンドゲートND1には、遅延データストローブ信号IDQS0および反転データストローブ信号RIDQS1が入力される。時間t1(図2)において、遅延データストローブ信号IDQS0がハイレベルへ遷移すると、ナンドゲートND1に入力される信号は全てハイレベルとされるため、パルス信号PL1はローレベルへ遷移する(図2,矢印A5)。ローレベルのパルス信号PL1がフリップフロップFF1に入力されると、出力信号OUT1はハイレベルへ遷移し、ハイレベル状態が保持される(矢印A6)。そして時間t2において、反転データストローブ信号RIDQS1がローレベルへ遷移すると、パルス信号PL1はハイレベルへ遷移する(矢印A7)。
また図3に、遅延時間DT1がDT0に比して遅延許容時間IT分だけ大きくされる場合のタイミングチャートを示す。時間t2において、遅延データストローブ信号IDQS1がハイレベルへ遷移すると、ナンドゲートND0に入力される信号は全てハイレベルとされないため、パルス信号PL0はハイレベルが維持される(矢印A11)。よって出力信号OUT0は、ローレベル状態が保持される(矢印A12)。これにより、遅延データストローブ信号IDQS1の位相が、IDQS0の位相に比して、遅延許容時間IT以上遅れる場合には、出力信号OUT0がハイレベルへ遷移しないことが分かる。
また図4に、遅延時間DT0がDT1に比して遅延許容時間IT分だけ大きくされる場合のタイミングチャートを示す。時間t2において、遅延データストローブ信号IDQS0がハイレベルへ遷移すると、ナンドゲートND1に入力される信号は全てハイレベルとされないため、パルス信号PL1はハイレベルが維持される(矢印A21)。よって出力信号OUT1は、ローレベル状態が保持される(矢印A22)。これにより、遅延データストローブ信号IDQS0の位相が、IDQS1の位相に比して、遅延許容時間IT以上遅れる場合には、出力信号OUT1がハイレベルへ遷移しないことが分かる。
以上により、遅延データストローブ信号IDQS0の位相に比して、遅延データストローブ信号IDQS1の位相が、遅延許容時間IT以上遅れているか否かを、遅延判定回路DD0において検出し、検出結果をフリップフロップFF0に保持することが可能となる。また同様に、遅延データストローブ信号IDQS1の位相に比して、遅延データストローブ信号IDQS0の位相が、遅延許容時間IT以上遅れているか否かを、遅延判定回路DD1において検出し、検出結果をフリップフロップFF1に保持することが可能となる。
これにより、DRAMコントロール回路1では、遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1の位相が、お互いに遅延許容時間IT以上遅れているか否かを監視することで、遅延時間DT0とDT1との間のばらつき量が遅延許容時間ITの範囲内であるか否かを検出することが可能となる。そしてテスタ等を用いて出力信号OUT0およびOUT1の信号レベルを読み出し、出力信号OUT0およびOUT1が共にハイレベルであれば、遅延時間DT0とDT1との間のばらつき量が遅延許容時間ITであることが分かる。
以上詳細に説明したとおり、第1実施形態に係るDRAMコントロール回路1によれば、遅延回路DC0およびDC1から各々出力される遅延データストローブ信号IDQS0とIDQS1との間の位相差に着目し、当該位相差による時間差が遅延許容時間IT内か否かを遅延判定回路DD0およびDD1で演算する。これにより、遅延回路DC0により与えられる遅延時間DT0と、遅延回路DC1により与えられる遅延時間DT1との間のばらつき量が、遅延許容時間IT内であるか否かを判断することが可能となる。そして、当該ばらつき量が遅延許容時間ITよりも大きいか否かを検出することで、遅延時間DT0またはDT1が異常な値となっているか否かを検出することが可能となる。よって、テスタの時間分解能以下の微小な遅延時間を発生する回路を備える半導体装置であっても、当該遅延時間を実際に測定することなく、当該半導体装置の良品判定を行うことが可能となる。
また遅延判定回路DD0およびDD1における、遅延時間DT0またはDT1が異常値であるか否かの判断結果は、フリップフロップFF0およびFF1に保持される。よって判断結果を半導体装置から読み出す際において、高い時間分解能を有する高価なテスタを不要とすることができる。
また遅延許容時間ITを、インバータINV0およびINV1の伝搬遅延時間により定めることができる。よってインバータ素子を構成するトランジスタの特性を調整することで、遅延許容時間ITを、例えば数十(ps)などの微小な時間に定めることができる。これにより、高い時間分解能を有するテスタを用いずに、遅延回路DC0とDC1との間の遅延時間ばらつきの有無を非常に高い時間精度で検出することができる。また、さらなる遅延許容時間ITの短縮化にも対応することができる。
また遅延回路DC0およびDC1は、共通の信号であるテスト用データストローブ信号TDQSに基づいて、遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1を生成する。これにより、遅延時間DT0とDT1との間のばらつきをより正確に得ることが可能となる。よって半導体装置の良品判定の確度を高めることができる。
本発明に係る第2実施形態に係るDRAMコントロール回路1bを、図5を用いて説明する。スイッチSW20およびSW21のノードN20a、N21aには、それぞれデータストローブ信号DQS0およびDQS1が入力される。また遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1が、それぞれインバータINV10およびINV11を介して、スイッチSW20およびSW21のノードN20b、N21bに入力される。スイッチSW30のノードN30aはデータラッチ回路DL0乃至DL7に接続され、ノードN30bはセレクタ40のノードN40aに接続される。またスイッチSW31のノードN31aはデータラッチ回路DL8乃至DL15に接続され、ノードN31bはセレクタ40のノードN40bに接続される。セレクタ40の出力端子は分周カウンタ41の入力端子に接続され、分周カウンタ41の出力端子はバッファ42の入力端子に接続される。バッファ42からは、分周クロック信号DCLKが出力され、分周クロック信号DCLKは不図示のテスタに入力される。またテストモード信号TRSTXが、スイッチSW20、SW21、SW30、SW31に入力される。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
DRAMコントロール回路1bは、通常動作を行う通常モードと、機能試験を行うテストモードとを備える。通常モード時において、テストモード信号TRSTXがローレベルとされることに応じて、スイッチSW20、SW21、SW30、SW31ではノードN20a、N21a、N30a、N31aが選択される。これにより、遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1は、データラッチ回路DL0乃至DL15に入力される。
テストモード時において、遅延回路DC0の遅延時間の測定を行う場合を説明する。まず制御信号SS10によって、セレクタ40ではノードN40aが選択される。またテストモードへの移行に応じて、テストモード信号TRSTXがハイレベルとされる。ハイレベルのテストモード信号TRSTXに応じて、スイッチSW20、SW21、SW30、SW31において、それぞれノードN20b、N21b、N30b、N31bが選択される。これにより、遅延回路DC0とインバータINV10とによってリングオシレータが構成される。
ここでリングオシレータの発振周期は、論理値がループを1周する時間に相当する。よって遅延回路DC0によって構成されるリングオシレータの発振周期は、遅延回路DC0の遅延時間DT0と、インバータINV10の遅延時間IT10との合計値の2倍の時間とされる。
遅延回路DC0から出力される発振信号は、分周カウンタ41で分周される。なお分周カウンタ41の分周比は、分周クロック信号DCLKの周期がテスタの時間分解能を超えない値となるように、適宜定めればよい。そしてテスタにより実測された分周クロック信号DCLKの周期と、分周カウンタ41の分周比とから、遅延回路DC0の遅延時間DT0を求めることができる。なお遅延時間DT0の算出時において、インバータINV10の遅延時間IT10が、遅延回路DC0の遅延時間DT0に比して十分に小さい場合には、遅延時間IT10を無視してもよい。また、インバータINV10の素子構造が、遅延回路DC0の単位遅延素子の素子構造と同一である場合には、インバータINV10の遅延時間IT10は単位遅延素子の遅延時間と同等であるとして、遅延時間DT0を算出してもよい。
またテストモード時において、遅延回路DC1の遅延時間の測定を行う場合には、セレクタ40ではノードN40bが選択される。よって遅延回路DC1とインバータINV11とによって構成されるリングオシレータの発振出力信号が、分周カウンタ41に入力される。なお、その他の動作は遅延回路DC0の遅延時間の測定を行う場合と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以上詳細に説明したとおり、第2実施形態に係るDRAMコントロール回路1bによれば、機能試験時において、遅延回路DC0およびDC1の遅延時間DT0、DT1に応じた周期を有する発振信号を生成し、当該発振信号を分周した上でテスタ等により周期を実測することが可能となる。これにより、分周後の発振信号の周期の実測値と、分周カウンタ41の分周比とから、遅延時間DT0およびDT1を求めることができる。すなわち、遅延時間が規格値内であるか否かの判断をするだけではなく、遅延時間の値そのものを実測することが可能となる。
これにより、遅延回路DC0およびDC1の遅延時間値の異常を検出することが可能となる。そして遅延時間が異常である遅延回路を備える半導体装置を、不良品として選別することが可能となる。
また、遅延時間DT0およびDT1の値が微小であるため、発振信号の周期がテスタの時間分解能以下となる場合においても、分周カウンタ41で発振信号を分周し分周後の発振信号を実測することにより、遅延時間DT0およびDT1を測定することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。第1実施形態においては、遅延判定回路DD0およびDD1は、ナンドゲートND0およびND1を備えるとしたが、この形態に限られない。入力される信号が同レベルであることを検知することができる論理回路であれば、多種多様な論理ゲートの組み合わせによって構成されてもよいことは言うまでもない。例えば、入力される信号が共にローレベルであることを検知するには、ナンドゲートND0およびND1に代えてノアゲートを備えればよい。このときノアゲートは、入力端子にインバータを備えるアンドゲートで構成することができることは言うまでもない。
また第1実施形態においては、データストローブ信号DQS0およびDQS1に対応して遅延回路DC0およびDC1が備えられる場合を説明した。すなわち遅延させる対象の信号が複数存在する場合に、これらの信号間の位相差が規格を満たすか否かを検出する方法を説明したが、この形態に限られない。遅延させる対象の信号が一つであっても、遅延回路が複数存在すれば、第1実施形態を適用することができる。
図6に、遅延対象である信号が1つ(データストローブ信号DQS)であるDRAMコントロール回路1aを示す。DRAMコントロール回路1aは、データストローブ信号DQSの位相の遅延量を、90°(1/4周期)または180°(1/2周期)に切り替え可能とされる回路である。またDRAMコントロール回路1aには、データストローブ信号DQSおよびデータDQ0乃至DQ7が入力される。
DRAMコントロール回路1aは、遅延回路DC10を備える。遅延回路DC10は、第1遅延回路IDC0、第2遅延回路IDC1、スイッチSW10およびSW11を備える。データストローブ信号DQSは、スイッチSW10およびSW11に入力される。スイッチSW10の出力端子は、第1遅延回路IDC0の入力端子に接続される。また第1遅延回路IDC0の出力端子は、スイッチSW11、遅延判定回路DD0およびDD1に接続される。スイッチSW11の出力端子は、第2遅延回路IDC1の入力端子に接続される。また第2遅延回路IDC1の出力端子は、データラッチ回路DL0乃至DL7のクロック端子、遅延判定回路DD0およびDD1に接続される。スイッチSW10およびSW11には、不図示の制御回路から出力されるテストモード信号TRSTXおよび位相制御信号SSが入力される。スイッチSW10および第1遅延回路IDC0によって、データストローブ信号DQSの位相が90°遅延される。またスイッチSW11および第2遅延回路IDC1によっても、データストローブ信号DQSの位相が90°遅延される。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
DRAMコントロール回路1aは、通常動作を行う通常モードと、機能試験を行うテストモードとを備える。通常モード時には、テストモード信号TRSTXがローレベルとされる。データストローブ信号DQSの位相を90°遅延させた遅延データストローブ信号IDQS1を得る場合には、位相制御信号SSに応じて、スイッチSW10ではノードN0aが選択され、スイッチSW11ではN1aが選択される。これにより、スイッチSW11および第2遅延回路IDC1によって、データストローブ信号DQSの位相は90°遅延される。一方、データストローブ信号DQSの位相を180°遅延させた遅延データストローブ信号IDQS1を得る場合には、位相制御信号SSに応じて、スイッチSW10ではノードN0bが選択され、スイッチSW11ではN1bが選択される。これにより、スイッチSW10、第1遅延回路IDC0、スイッチSW11、第2遅延回路IDC1によって、データストローブ信号DQSの位相は180°遅延される。
テストモードに移行すると、テストモード信号TRSTXがハイレベルとされる。ハイレベルのテストモード信号TRSTXに応じて、スイッチSW10ではノードN0bが選択され、スイッチSW11ではノードN1aが選択される(図6)。これにより、データストローブ信号DQSに対して、第1遅延回路IDC0と第2遅延回路IDC1とが並列接続される。よって第1遅延回路IDC0から出力される遅延データストローブ信号IDQS0の位相と、第2遅延回路IDC1から出力される遅延データストローブ信号IDQS1の位相は、共に、データストローブ信号DQSに対して90°遅延した信号となる。
以上によりDRAMコントロール回路1aでは、スイッチSW10およびSW11を用いて、第1遅延回路IDC0と第2遅延回路IDC1との接続を切り替えることにより、データストローブ信号DQSに対して位相が共に90°遅延された遅延データストローブ信号IDQS0およびIDQS1を得ることができる。そして遅延データストローブ信号IDQS0とIDQS1との間で、位相が遅延許容時間IT以上遅れていないかを互いに監視することができる。よって第1遅延回路IDC0によって発生する遅延時間と第2遅延回路IDC1によって発生する遅延時間との間のばらつき量が、遅延許容時間ITの範囲内であるか否かを検出することが可能となる。
また第1実施形態においては、遅延回路が2つ(遅延回路DC0およびDC1)である場合を説明したが、この形態に限られない。遅延回路は複数であればいくつ存在してもよい。例として、不図示のSDRAMから、32ビットのデータ(データDQ0乃至DQ31)が入力される場合におけるDRAMコントロール回路1cを、図7を用いて説明する。このとき、データストローブ信号はDQS0乃至DQS3の4つが必要となり、遅延回路はデータストローブ信号の各々に対応して遅延回路DC0乃至DC3の4つが必要となる。また遅延回路DC0乃至DC3の各々に対応して、遅延判定回路DD0乃至DD3が備えられる。遅延判定回路DD0のナンドゲートND0には、反転データストローブ信号RIDQS0と、遅延回路DC1乃至DC3から出力される遅延データストローブ信号IDQS1乃至IDQS3とが入力される。また同様にして、遅延判定回路DD1のナンドゲートND1には、反転データストローブ信号RIDQS1と、遅延データストローブ信号IDQS0、IDQS2、IDQS3が入力される。またナンドゲートND2には、反転データストローブ信号RIDQS2と、遅延データストローブ信号IDQS0、IDQS1、IDQS3が入力される。またナンドゲートND3には、反転データストローブ信号RIDQS3と、遅延データストローブ信号IDQS0乃至IDQS2が入力される。フリップフロップFF0乃至FF3の出力信号OUT0乃至OUT3はアンドゲートADに入力される。アンドゲートADからは出力信号OUT20が出力される。その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
これにより、遅延判定回路DD0では、遅延データストローブ信号IDQS0の位相を基準として、遅延データストローブ信号IDQS1乃至IDQS3のうちの少なくとも何れかの位相が遅延許容時間IT以上遅れているか否かを検出できる。また同様にして、遅延判定回路DD1においては遅延データストローブ信号IDQS1の位相を基準とし、遅延判定回路DD2においては遅延データストローブ信号IDQS2の位相を基準とし、遅延判定回路DD3においては遅延データストローブ信号IDQS3の位相を基準として、それぞれ他の遅延データストローブ信号が遅延許容時間IT以上遅れているか否かを検出できる。
これにより、遅延データストローブ信号IDQS0乃至IDQS3の位相が、お互いに遅延許容時間IT以上遅れているか否かを検出することが可能となる。すなわち、遅延回路DC0乃至DC3によって発生する遅延時間の遅延回路間のばらつき量が、遅延許容時間ITの範囲内であるか否かを検出することが可能となる。そしてテスタ等を用いて出力信号OUT20の信号レベルを読み出し、出力信号OUT20がハイレベルとされる半導体装置を良品として選別することができる。
なお、ナンドゲートND0乃至ND3は論理積回路の一例、スイッチSW0およびSW1はセレクタ回路の一例、テストモード信号TRSTXは機能試験制御信号の一例、テスト用データストローブ信号TDQSは試験信号のそれぞれ一例である。
DRAMコントロール回路1の回路ブロック図である。 DRAMコントロール回路1のタイミングチャート(その1)である。 DRAMコントロール回路1のタイミングチャート(その2)である。 DRAMコントロール回路1のタイミングチャート(その3)である。 DRAMコントロール回路1bの回路ブロック図である。 DRAMコントロール回路1aの回路ブロック図である。 DRAMコントロール回路1cの回路ブロック図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c DRAMコントロール回路
41 分周カウンタ
DC0乃至DC3 遅延回路
DD0乃至DD3 遅延判定回路
DL0乃至DL15 データラッチ回路
DQS0乃至DQS3 データストローブ信号
DT0、DT1 遅延時間
IDQS0乃至IDQS3 遅延データストローブ信号
INV0、INV1 インバータ
IT 遅延許容時間
RIDQS0乃至RIDQS3 反転データストローブ信号
TDQS テスト用データストローブ信号
TRSTX テストモード信号

Claims (7)

  1. 入力される信号に対して略同一の遅延時間を与える複数の遅延回路を備える半導体装置であって、
    何れか1つの前記遅延回路の信号出力経路上に備えられる論理反転回路と、
    前記論理反転回路の出力信号と他の前記遅延回路の出力信号とが入力される論理積回路と、
    前記論理積回路から出力されるパルス信号を記憶するラッチ回路と
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記論理積回路は複数の前記遅延回路の各々に対応して備えられ、
    前記論理反転回路は、互いに対応する前記遅延回路と前記論理積回路との接続経路上に備えられることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 機能試験制御信号に応じて機能試験が行われる半導体装置であって、
    前記遅延回路に共通する試験信号を前記機能試験制御信号に応じて前記遅延回路の各々へ入力するセレクタ回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 入力信号に対して遅延時間を与える遅延回路を備え、機能試験制御信号に応じて機能試験が行われる半導体装置であって、
    前記遅延回路の出力信号が前記入力信号に対して逆相の信号である場合には、前記遅延回路の出力端子と入力端子とを前記機能試験制御信号に応じて接続するスイッチ回路と、前記遅延回路の前記出力信号を分周する分周部とを備え、
    前記遅延回路の前記出力信号が前記入力信号に対して同相の信号である場合には、前記スイッチ回路と、前記出力端子と前記入力端子との接続経路上に備えられる論理反転回路と、前記分周部とを備えることを特徴とする半導体装置。
  5. 入力される信号に対して略同一の遅延時間が与えられた複数の遅延信号を生成する半導体装置の検査方法であって、
    何れか1つの前記遅延信号に対して所定時間遅延された逆相信号を生成するステップと、
    前記逆相信号と他の前記遅延信号との信号レベルが所定の同一レベルとされる一致期間を検出するステップと、
    前記一致期間の検出の有無を記憶するステップと
    を備えることを特徴とする半導体装置の検査方法。
  6. 複数の前記遅延信号の各々について、
    前記逆相信号を生成するステップと、
    前記一致期間を検出するステップと、
    前記一致期間の検出の有無を記憶するステップと
    を行うことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の検査方法。
  7. 入力信号に対して遅延時間を与える遅延回路を備え、機能試験制御信号に応じて機能試験が行われる半導体装置の検査方法であって、
    前記遅延回路の出力信号が前記入力信号に対して逆相の信号である場合には、前記遅延回路の前記出力信号を前記機能試験制御信号に応じて該遅延回路に入力するステップと、前記遅延回路の前記出力信号を分周するステップとを備え、
    前記遅延回路の前記出力信号が前記入力信号に対して同相の信号である場合には、
    前記遅延回路の前記出力信号の逆相信号を生成するステップと、該逆相信号を前記機能試験制御信号に応じて前記遅延回路に入力するステップと、前記遅延回路の前記出力信号を分周するステップとを備えることを特徴とする半導体装置の検査方法。
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