JP5482521B2 - スタータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のエンジンを始動のためにクランキングするスタータの制御装置に関する。
近年、車両(自動車)においては、所定の停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させ、その後、所定の始動条件が成立するとエンジンを自動的に始動させるエンジン自動停止・始動システム(一般にはアイドルストップ(またはアイドリングストップ)システムと呼ばれる)を備えたものが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、アイドルストップシステムにおいて、エンジンをクランキングするスタータのモータへ通電するための通電経路に、そのスタータモータへの突入電流を抑制するための突入電流抑制用リレー(特許文献2では、抵抗体を内蔵した補助スイッチと称している)を設けることが記載されている。その突入電流抑制用リレーは、電磁コイルへの非通電/通電によって開閉する一対の接点と、該接点に対して並列な抵抗体とを有したリレーである。そして、特許文献2には、スタータモータへの通電開始時に、上記突入電流抑制用リレーの接点を開いておくことで抵抗体により抑制された電流をスタータモータに流し、その後、上記接点を閉じて(抵抗体をバイパスして)バッテリの全電圧をスタータモータに印加する、という制御を行うことにより、スタータモータへの通電開始時の突入電流を抑制し、それにより電源電圧(バッテリ電圧)の低下を抑制して、車両における電気機器の作動を確保することが記載されている。
特に、アイドルストップシステムを備えた車両(以下、アイドルストップ車両という)では、走行中(車速が0の状態も含む)にエンジンの自動停止と自動始動とが行われるため、その自動始動時に電源電圧の低下によって車両内の制御装置がリセットされると、その制御装置が走行中にリセットされるということになるため、そのような事態は避けるべきである。よって、上記の突入電流抑制用リレーを設ける構成が採用される。
但し、アイドルストップ車両であっても、運転者の始動用操作(キーを捻ったり、スタートスイッチを押す操作)によってエンジンを始動させる場合には、突入電流抑制用リレーの接点を始めから閉じた状態にしてスタータモータへの通電を行うべきと考えられる。なぜなら、運転者の始動用操作によってエンジンを始動させる場合は、車両が走行を開始する前のエンジン始動(走行中ではないエンジン始動)であり、元々、車両におけるイグニッション系電源(主に走行に関する制御を行う装置の電源)がオフであった状態からのエンジン始動であるため、もし、スタータモータへの通電に伴う電源電圧低下によって何れかの制御装置がリセットされたとしても問題はなく、それよりも、スタータモータへの通電電流を抑制せずにエンジン始動の素早さを優先させた方が良いからである。
なお、特許文献1には、スタータとして、モータにより回転駆動されるピニオンギヤを、そのモータへの通電とは別に、エンジンのリングギヤに噛み合う状態と、リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものが記載されている。具体的に説明すると、ピニオンギヤは、エンジンのリングギヤに噛み合った状態でスタータモータにより回転駆動されることで、エンジンのリングギヤを回転させて該エンジンをクランキングさせるものであるが、そのピニオンギヤを動かしてエンジンのリングギヤに噛み合わせるためのソレノイドと、スタータモータへの通電を行うためのリレーとが、別々に備えられている。そして、特許文献1では、アイドルストップシステムの機能によってエンジンが自動停止した後、上記ソレノイドに通電してピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わせ、エンジンを始動する際には、ピニオンギヤとリングギヤとが既に噛み合った状態で、スタータモータに通電してエンジンをクランキングするようにしている。このようにすることで、スタータのピニオンギヤとエンジンのリングギヤとの摩耗や、両者が噛み合う際の騒音を低減している。
特開平11−30139号公報 特開2009−185760号公報
ところで、特許文献2に記載のものにおいて、突入電流抑制用リレーに固着異常が生じて、上記接点が閉じたままの状態になると、アイドルストップ状態からのエンジン再始動の際に、上記抵抗体を有効にすることができなくなる。即ち、エンジン再始動の際に、スタータモータへの突入電流を抑制できず、それにより電源電圧が低下して、車両における何れかの制御装置がリセットされてしまう可能性がある。そして、例えば、スタータやエンジンへの燃料噴射を制御する装置がリセットされたならば、エンジンの再始動に時間がかかることとなり、エアコンを制御する装置がリセットされたならば、エアコンの温度設定が初期値に戻ってしまう、といった不具合が予想される。
また、上記接点が開いたままの状態になると、スタータモータへの通電経路に上記抵抗体が存在したままになり、スタータモータへの通電時(エンジン始動時)における抵抗体での電力消費及び発熱が非常に大きくなる。そして、その抵抗体が発熱により切断されてしまうと、それ以後は、スタータモータへの通電が実施できず、エンジンの始動ができなくなってしまう。
このため、突入電流抑制用リレーに固着異常が生じたことを検出して、何等かの処置を行うことが好ましい。
そこで、本発明は、スタータモータへの突入電流を抑制するための突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じたことを検出できるようにすることを目的としている。
第1発明のスタータ制御装置が用いられる車両は、その車両のエンジンをモータの回転力でクランキングするスタータと、スイッチ手段と、突入電流抑制用手段と、アイドルストップ制御手段とを備えている。
そして、スイッチ手段は、電源からスタータのモータ(以下、スタータモータともいう)への通電経路に設けられ、該通電経路を連通するオン状態と該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるものである。また、突入電流抑制用手段は、前記通電経路においてスイッチ手段に対し直列に設けられ、スタータモータに流す電流を抑制する状態である第1状態と、スタータモータに流す電流を抑制しない状態である第2状態とに駆動されるものである。
このため、スイッチ手段がオフ状態ならば、スタータモータには電流が流れない。そして、スイッチ手段をオン状態にし、且つ、突入電流抑制用手段を第1状態にすれば、スタータモータには、電源から、突入電流抑制用手段により抑制された電流が流れることとなり、また、スイッチ手段をオン状態にし、且つ、突入電流抑制用手段を第2状態にすれば、スタータモータには、電源から、突入電流抑制用手段により抑制されない電流が流れることとなる。
また、アイドルストップ制御手段は、所定の自動停止条件が成立するとエンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立するとエンジンを再始動させるものである。
そして、第1発明のスタータ制御装置は、アイドルストップ制御手段がエンジンを再始動させる場合に、スタータにエンジンをクランキングさせるためにスタータモータに通電する通電処理として、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、所定時間後に突入電流抑制用手段を第1状態から第2状態となるように駆動する再始動時通電処理を行う。この処理により、スタータモータへの電流は、通電開始時から所定時間だけ、突入電流抑制用手段により抑制されることとなり、その結果、突入電流が抑制されて、電源電圧の大きな低下が防止される。
そして特に、このスタータ制御装置は、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の通電経路の電圧に基づいて、突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じていることを検出する異常検出手段を備えている。
つまり、スイッチ手段がオン状態であれば、電源からスタータモータに流れる電流は、突入電流抑制用手段の状態に応じて異なる値となり、スタータモータに流れる電流が異なれば、通電経路の電圧に変化が生じるため、その通電経路の電圧と、突入電流抑制用手段の状態とには、相関性がある。このため、異常検出手段は、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の通電経路の電圧と、突入電流抑制用手段の駆動状態とが、整合していなければ、突入電流抑制用手段の駆動状態と実際の状態とが異なっており、その突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じている、と判断することができる。
よって、このような異常検出手段を備えたスタータ制御装置によれば、突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じたことを検出できるようになる。
ところで、第2発明のスタータ制御装置では、突入電流抑制用手段は、第1状態として、前記通電経路に抵抗体を直列に挿入する状態となり、第2状態として、前記通電経路に前記抵抗体を挿入しない状態となるものであって、第1状態と第2状態とに択一的に駆動されるものである。尚、このような抵抗体を有した突入電流抑制用手段が用いられる場合、スイッチ手段をオン状態にすれば、スタータモータには、突入電流抑制用手段の状態に拘わらず電流が流れることになるが、突入電流抑制用手段が第1状態ならば、スタータモータには電源から抵抗体を介して電流が流れ、また、突入電流抑制用手段が第2状態ならば、スタータモータには電源から抵抗体を介すことなく電流が流れこととなる。
そして、第3発明のスタータ制御装置では、このような抵抗体を有した突入電流抑制用手段が用いられ異常検出手段はスイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の電源の出力電圧(つまり、スタータモータへの通電時の電源の出力電圧)に基づいて、突入電流抑制用手段に状態切り替え不能な固着異常が生じていることを検出する
その検出原理について説明すると、まず、突入電流抑制用手段を第1状態にしてスタータモータに通電した場合の通電電流をIM1とし、突入電流抑制用手段を第2状態にしてスタータモータに通電した場合の通電電流をIM2とすると、「IM1<IM2」となる。前者の場合、通電経路に抵抗体が挿入されるため、その抵抗体の分だけ、スタータモータへの通電電流が小さくなるからである。
また、電源の内部には、インピーダンス(内部インピーダンス)がある。
このため、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動してスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧V1と、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動してスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧V2とは、異なった値となり、正常ならば「V1>V2」となる。「IM1<IM2」であるため、前者の場合の方が、電源内部での電圧降下が小さくなるからである。
よって、上記V1が本来なるべき正常値を、Vs1とし、上記V2が本来なるべき正常値を、Vs2とすると、上記V1が、Vs1とVs2との間の所定値よりも低ければ、突入電流抑制用手段は設定しているつもりの第1状態ではなく本当は第2状態になっている(即ち、第2状態のままの固着異常が生じている)、と判定することができ、逆に、上記V2が、Vs1とVs2との間の所定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段は設定しているつもりの第2状態ではなく本当は第1状態になっている(即ち、第1状態のままの固着異常が生じている)、と判定することができる。尚、上記正常値Vs1は、突入電流抑制用手段が第1状態になっていてスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧であり、上記正常値Vs2は、突入電流抑制用手段が第2状態になっていてスタータモータに通電した場合の電源の出力電圧である。
このため、第4発明のスタータ制御装置では、異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第1状態となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第2状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常(以下、第2状態固着異常ともいう)が生じていると判定する
また、第9発明のスタータ制御装置では、異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第2状態となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第1状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常(以下、第1状態固着異常ともいう)が生じていると判定する
尚、第2状態固着判定値と第1状態固着判定値との各々は、上記Vs1と上記Vs2との間の電圧値に設定することができる。また、第2状態固着判定値と第1状態固着判定値は、同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
次に、第5発明のスタータ制御装置では、第4発明のスタータ制御装置において、スタータは、モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、リングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時第2状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時第2状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧が第1の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧が第1の第2状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時第2状態固着異常検出処理では、エンジンをクランキングしなくても良い状況において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にしてスタータモータに通電してみることにより、スタータにエンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じていることを、自動始動条件の成立に伴うエンジンの再始動時よりも前に検出することができる。尚、第5発明のスタータ制御装置において、再始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、第6発明のスタータ制御装置では、第4,第5発明のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、再始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合に、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、再始動時第2状態固着異常検出処理を行う。そして、その再始動時第2状態固着異常検出処理では、電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、再始動時第2状態固着異常検出処理では、アイドルストップ状態(エンジンの自動停止状態)からエンジンを再始動させるために行われる再始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がないという利点がある。
尚、第2の第2状態固着判定値は、第1の第2状態固着判定値と同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
次に、第7発明のスタータ制御装置は、第4〜第6発明のスタータ制御装置において、第1の禁止手段を備えている。そして、第1の禁止手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止する。
この構成によれば、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じてしまった場合には、アイドルストップ(アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止)が行われないようになるため、アイドルストップ状態からのエンジン再始動も行われなくなる(行う必要がなくなる)。このため、エンジン再始動時にスタータモータへの突入電流を抑制できずに電源電圧が低下して車両における何れかの制御装置がリセットされてしまう、という前述の問題を回避することができる。
次に、第8発明のスタータ制御装置は、第4〜第7発明のスタータ制御装置において、第1の報知手段を備えている。そして、第1の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。
次に、第10発明のスタータ制御装置では、前述した第9発明のスタータ制御装置において、スタータは、前述のピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、エンジンのリングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時第1状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時第1状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧が第1の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧が第1の第1状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時第1状態固着異常検出処理では、エンジンをクランキングしなくても良い状況において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にしてスタータモータに通電してみることにより、スタータにエンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じていることを、自動始動条件の成立に伴うエンジンの再始動時よりも前に検出することができる。尚、第10発明のスタータ制御装置においても、第5発明のスタータ制御装置と同様に、再始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、第11発明のスタータ制御装置は、前述した第9,第10発明のスタータ制御装置において、車両の運転者の始動用操作に応じてエンジンを始動させる場合に、スタータにエンジンをクランキングさせるためにスタータモータに通電する通電処理として、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動する初回始動時通電処理を行うようになっている。尚、この処理により、スタータモータへは、通電開始時から抵抗体を介さずに電流が流れることとなる。
そして、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が前記初回始動時通電処理を行う場合に、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、初回始動時第1状態固着異常検出処理を行う。その初回始動時第1状態固着異常検出処理では、電源の出力電圧が第2の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第2の第1状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、初回始動時第1状態固着異常検出処理では、運転者の始動用操作(例えばキーを捻ったり、スタートスイッチを押す操作)に応じてエンジンを始動させるために行われる初回始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がないという利点がある。
尚、初回始動時通電処理は、突入電流抑制用手段を始めから第2状態(モータへの通電経路に抵抗体を介在させない状態)にしてスタータモータへの通電を行う処理であるが、運転者の始動用操作に応じてエンジンを始動させる場合に、そのような初回始動時通電処理を行う理由は、既述した通りである。
また、第2の第1状態固着判定値は、第1の第1状態固着判定値と同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
また、第10発明のスタータ制御装置を前提とする第11発明のスタータ制御装置においては、初回始動時通電処理によってスタータモータに通電する際にも、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、第12発明のスタータ制御装置では、第11発明のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が前記初回始動時通電処理を行う場合に、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定したならば(つまり、初回始動時第1状態固着異常検出処理によって第1状態固着異常を検知したなら)、今回の初回始動時通電処理によるスタータモータへの通電時間を所定時間に制限する。
この構成によれば、スタータモータへの通電によって突入電流抑制用手段の抵抗体が焼損してしまうことを防止することがきる。特に、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じている場合に、長い時間モータに通電すると、突入電流抑制用手段の抵抗体が焼損する可能性があり、もし抵抗体が切れてしまうと、それ以後は、スタータモータへの通電が実施できなくなるが、そのような事態になるのを防ぐことができる。
次に、第13発明のスタータ制御装置では、第9〜第12発明のスタータ制御装置において、第2の禁止手段を備えている。そして、第2の禁止手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止する。
この構成によれば、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じてしまった場合には、アイドルストップ(アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止)が行われないようになるため、アイドルストップ状態からのエンジン再始動も行われなくなる。このため、エンジン再始動時に突入電流抑制用手段の抵抗体を焼損させてしまう、という問題を回避することができる。
次に、第14発明のスタータ制御装置では、第9〜第13発明のスタータ制御装置において、第2の報知手段を備えている。そして、第2の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。
次に、第15発明のスタータ制御装置は、第5発明のスタータ制御装置を前提とした第6発明のスタータ制御装置と同じものであると共に、更に、第2の第2状態固着判定値は、第1の第2状態固着判定値よりも小さい値に設定されていることを特徴としている。
その理由は、再始動時第2状態固着異常検出処理が実施される場合にスタータモータに流れる電流と、非始動時第2状態固着異常検出処理が実際される場合にスタータモータに流れる電流とを比べると、後者の場合は、エンジンをクランキングさせないのに対して、前者の場合は、エンジンをクランキングさせるため、モータの回転負荷が大きくなる分、そのモータに流れる電流が大きくなる。よって、前者の場合は後者の場合よりも、電源の出力電圧が低くなり易い。このため、前者の場合に使用される第2の第2状態固着判定値を、後者の場合に使用される第1の第2状態固着判定値よりも小さい値に設定することで、両場合の異常判定精度、即ち、再始動時第2状態固着異常検出処理と非始動時第2状態固着異常検出処理との、両処理による異常判定精度を上げることができるのである。
次に、第16発明のスタータ制御装置は、第10発明のスタータ制御装置を前提とした第11発明のスタータ制御装置と同じものであると共に、更に、第2の第1状態固着判定値は、第1の第1状態固着判定値よりも小さい値に設定されていることを特徴としている。
このため、初回始動時第1状態固着異常検出処理と非始動時第1状態固着異常検出処理との、両処理による異常判定精度を上げることができる。その理由は、第15発明のスタータ制御装置について述べた理由と同様である。
ところで、第5発明のスタータ制御装置及びそれを前提とするスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時第2状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(第17発明)。同様に、第10発明のスタータ制御装置及びそれを前提とするスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時第1状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(第18発明)
なぜなら、非始動時第2状態固着異常検出処理と、非始動時第1状態固着異常検出処理とでは、スタータモータに本来通電しなくても良い状況において通電するため、そのスタータモータの作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車両の走行速度が0でなければ、車両の走行音によってモータ作動音が乗員に聞こえ難くなると考えられるからである。
また、第19発明のスタータ制御装置では、突入電流抑制用手段は、前記通電経路に設けられたスイッチング素子であって、オンとオフとに交互に切り替えるスイッチング制御の駆動が行われることで第1状態になり、オン状態を継続する駆動が行われることで第2状態になるスイッチング素子である。尚、この場合、スイッチング素子をスイッチング制御する際のデューティ比(即ち、オン時間とオフ時間との合計である1周期時間に対するオン時間の割合)を変えることで、スタータモータへの電流を抑制する度合いを変えることができる。
そして、第20発明のスタータ制御装置では、スイッチング素子が突入電流抑制用手段として用いられ異常検出手段はスイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合の電源の出力電圧に基づいて、突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じていることを検出するスイッチ手段がオン状態であれば、突入電流抑制用手段としてのスイッチング素子の状態によって、電源からスタータモータに流れる電流が変わり、電流が変われば、電源内部での電圧降下により該電源の出力電圧も変わる(詳しくは、電流が大きいほど、電源の出力電圧は下がる)ため、その電源の出力電圧から、スイッチング素子の実際の状態を把握できるからである。
このため、第21発明のスタータ制御装置では、異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第1状態又はオフ状態となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧がオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常(以下、オン状態固着異常ともいう)が生じていると判定する
また、第26発明のスタータ制御装置では、異常検出手段は、突入電流抑制用手段が第2状態(=オン状態)となるように駆動され、且つ、スイッチ手段がオン状態となるように駆動された場合に、電源の出力電圧が所定のオフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧がオフ状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常(以下、オフ状態固着異常ともいう)が生じていると判定する
次に、第22発明のスタータ制御装置では、第21発明のスタータ制御装置において、スタータは、モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、リングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時オン状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時オン状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第1状態又はオフ状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧が第1のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧が第1のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時オン状態固着異常検出処理では、エンジンをクランキングしなくても良い状況において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にすることで、エンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じていることを、自動始動条件の成立に伴うエンジンの再始動時よりも前に検出することができる。尚、第22発明のスタータ制御装置において、再始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、第23発明のスタータ制御装置では、第21,第22発明のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、再始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合に、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、再始動時オン状態固着異常検出処理を行う。そして、その再始動時オン状態固着異常検出処理では、電源の出力電圧が第2のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧が第2のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、再始動時オン状態固着異常検出処理では、アイドルストップ状態(エンジンの自動停止状態)からエンジンを再始動させるために行われる再始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がないという利点がある。
尚、第2のオン状態固着判定値は、第1のオン状態固着判定値と同じ値であっても良いし、異なる値であっても良い。
次に、第24発明のスタータ制御装置は、第21〜第23発明のスタータ制御装置において、第1の禁止手段を備えている。そして、第1の禁止手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止する。
この構成によれば、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じてしまった場合には、アイドルストップ(アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止)が行われないようになるため、アイドルストップ状態からのエンジン再始動も行われなくなる(行う必要がなくなる)。このため、エンジン再始動時にスタータモータへの突入電流を抑制できずに電源電圧が低下して車両における何れかの制御装置がリセットされてしまう、という前述の問題を回避することができる。
次に、第25発明のスタータ制御装置は、第21〜第24発明のスタータ制御装置において、第1の報知手段を備えている。そして、第1の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。
次に、第27発明のスタータ制御装置では、前述した第26発明のスタータ制御装置において、スタータは、前述のピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、エンジンのリングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、非始動時オフ状態固着異常検出処理を行う。
そして、その非始動時オフ状態固着異常検出処理では、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第2状態(=オン状態)となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に電源の出力電圧が前記オフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、電源の出力電圧がオフ状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、非始動時オフ状態固着異常検出処理では、エンジンをクランキングしなくても良い状況において、スタータのピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わない状態にしてスタータモータに通電してみることにより、スタータにエンジンをクランキングさせてしまうことなく、突入電流抑制用手段にオフ状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。
そして、この構成によれば、突入電流抑制用手段にオフ状態固着異常が生じていることを、自動始動条件の成立に伴うエンジンの再始動時よりも前に検出することができる。尚、第27発明のスタータ制御装置においても、再始動時通電処理によってスタータモータに通電する際には、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、第28発明のスタータ制御装置は、前述した第26,第27発明のスタータ制御装置において、車両の運転者の始動用操作に応じてエンジンを始動させる場合に、スタータにエンジンをクランキングさせるためにスタータモータに通電する通電処理として、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動する初回始動時通電処理を行うようになっている。尚、この処理により、スタータモータへは、通電開始時から、電流が突入電流抑制用手段により制限されずに流れることとなる。
そして、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が前記初回始動時通電処理を行う場合に、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、初回始動時オフ状態固着異常検出処理を行う。その初回始動時オフ状態固着異常検出処理では、電源の出力電圧が前記オフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、電源の出力電圧がオフ状態固着判定値よりも低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する。
つまり、初回始動時オフ状態固着異常検出処理では、運転者の始動用操作(例えばキーを捻ったり、スタートスイッチを押す操作)に応じてエンジンを始動させるために行われる初回始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段にオフ状態固着異常が生じているか否かを判定するようにしている。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がないという利点がある。
また、第27発明のスタータ制御装置を前提とする第28発明のスタータ制御装置においては、初回始動時通電処理によってスタータモータに通電する際にも、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にして、スタータにエンジンをクランキングさせれば良い。
次に、第29発明のスタータ制御装置では、第26〜第28発明のスタータ制御装置において、第2の禁止手段を備えている。そして、第2の禁止手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止する。
この構成によれば、突入電流抑制用手段にオフ状態固着異常が生じてしまった場合には、アイドルストップ(アイドルストップ制御手段によるエンジンの自動停止)が行われないようになるため、エンジンの再始動ができなくなるのを回避することができる。突入電流抑制用手段にオフ状態固着異常が生じると、スタータモータに通電することができないからである。
次に、第30発明のスタータ制御装置では、第26〜第29発明のスタータ制御装置において、第2の報知手段を備えている。そして、第2の報知手段は、異常検出手段により突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を車両の運転者に報知する。このため、運転者に異常の発生を知らせることができ、早期の修理を促すことができる。
次に、第31発明のスタータ制御装置は、第22発明のスタータ制御装置を前提とした第23発明のスタータ制御装置と同じものであると共に、更に、第2のオン状態固着判定値は、第1のオン状態固着判定値よりも小さい値に設定されていることを特徴としている。
その理由は、再始動時オン状態固着異常検出処理が実施される場合にスタータモータに流れる電流と、非始動時オン状態固着異常検出処理が実際される場合にスタータモータに流れる電流とを比べると、後者の場合は、エンジンをクランキングさせないのに対して、前者の場合は、エンジンをクランキングさせるため、モータの回転負荷が大きくなる分、そのモータに流れる電流が大きくなる。よって、前者の場合は後者の場合よりも、電源の出力電圧が低くなり易い。このため、前者の場合に使用される第2のオン状態固着判定値を、後者の場合に使用される第1のオン状態固着判定値よりも小さい値に設定することで、両場合の異常判定精度、即ち、再始動時オン状態固着異常検出処理と非始動時オン状態固着異常検出処理との、両処理による異常判定精度を上げることができるのである。
ところで、第22発明のスタータ制御装置及びそれを前提とするスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時オン状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(第32発明)。
なぜなら、非始動時オン状態固着異常検出処理は、スタータモータに本来通電しなくても良い状況において実施するため、スタータモータへの通電に伴う該モータの作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車両の走行速度が0でなければ、車両の走行音によってモータ作動音が乗員に聞こえ難くなると考えられるからである。
尚、非始動時オン状態固着異常検出処理において、突入電流抑制用手段をオフ状態となるように駆動する形態の場合、その突入電流抑制用手段が正常であれば、スタータモータは通電されないが、突入電流抑制用手段にオン状態固着異常が生じていれば、スタータモータが通電されて作動することとなり、やはり、その作動音は乗員に聞こえない方が好ましい。
また同様に、第27発明のスタータ制御装置及びそれを前提とするスタータ制御装置において、異常検出手段は、非始動時オフ状態固着異常検出処理を、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うことが好ましい(第33発明)。
なぜなら、非始動時オフ状態固着異常検出処理では、突入電流抑制用手段が正常ならば、スタータモータに本来通電しなくても良い状況において、スタータモータに通電することとなるため、そのスタータモータの作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車両の走行速度が0でなければ、車両の走行音によってモータ作動音が乗員に聞こえ難くなると考えられるからである。
次に、第34発明のスタータ制御装置では、第20発明のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、再始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合に、電源の出力電圧をモニタして、電源の出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定し、電源の出力電圧がオン状態固着判定値よりも高い値のオフ状態固着判定値より低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する。
この構成によれば、アイドルストップ状態からのエンジン再始動時に行われる再始動時通電処理を利用して、突入電流抑制用手段のオン状態固着異常とオフ状態固着異常とを区別して検出することができる。このため、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを、異常検出のためだけに駆動する必要がない。
次に、第35発明のスタータ制御装置では、第20発明のスタータ制御装置において、スタータは、前述のピニオンギヤを、モータへの通電/非通電に拘わらず、エンジンのリングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切替可能に構成されたものである。
そして、異常検出手段は、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすると共に、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動し、その場合に、電源の出力電圧をモニタして、電源の出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなれば、突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定し、電源の出力電圧がオン状態固着判定値よりも高い値のオフ状態固着判定値より低くならなければ、突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する。
この構成によれば、自動始動条件の成立に伴うエンジンの再始動時よりも前に、突入電流抑制用手段のオン状態固着異常とオフ状態固着異常とを、区別して検出することができる。また、このスタータ制御装置において、異常検出手段は、車両の走行速度が0よりも大きい場合に作動するように構成すれば、異常検出のための通電によるモータの作動音が、車両の走行音によって乗員に聞こえ難くなるため好ましい。
次に、第36発明のスタータ制御装置では、第3発明のスタータ制御装置において、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、再始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第1状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合の、電源の出力電圧の変化速度を検出し、該変化速度が所定値以上であれば、突入電流抑制用手段に第2状態のままの固着異常が生じていると判定する。
この構成によれば、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを異常検出のためだけに駆動することなく、アイドルストップ状態からのエンジンの再始動時において、突入電流抑制用手段に第2状態固着異常が生じていることを検出することができる。
次に、第37発明のスタータ制御装置は、第3発明のスタータ制御装置において、車両の運転者の始動用操作に応じてエンジンを始動させる場合に、スタータにエンジンをクランキングさせるためにスタータモータに通電する通電処理として、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動する初回始動時通電処理を行うようになっている。尚、この処理により、スタータモータへは、通電開始時から抵抗体を介さずに電流が流れることとなる。
そして、異常検出手段は、当該スタータ制御装置が、初回始動時通電処理を行うことで、突入電流抑制用手段を第2状態となるように駆動し、且つ、スイッチ手段をオン状態となるように駆動した場合の、電源の出力電圧の変化速度を検出し、該変化速度が所定値未満であれば、突入電流抑制用手段に第1状態のままの固着異常が生じていると判定する。
この構成によれば、突入電流抑制用手段とスイッチ手段とを異常検出のためだけに駆動することなく、運転者の始動用操作に応じたエンジンの始動時(初回始動時)において、突入電流抑制用手段に第1状態固着異常が生じていることを検出することができる。
第1実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 エンジンの状態を時系列で表した説明図である。 ICRリレーの固着異常の検出原理を説明する第1の説明図である。 ICRリレーの固着異常の検出原理を説明する第2の説明図である。 ICRリレーの固着異常の検出原理を説明する第3の説明図である。 第1実施形態の初回始動時診断処理を表すフローチャートである。 第1実施形態のエンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の再始動時診断処理を表すフローチャートである。 第2実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 第3実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 第4実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 第5実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 トランジスタ群の異常検出原理を説明する第1の説明図である。 トランジスタ群の異常検出原理を説明する第2の説明図である。 第5実施形態の初回始動時診断処理を表すフローチャートである。 第5実施形態のエンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理を表すフローチャートである。 第5実施形態の再始動時診断処理を表すフローチャートである。 第6実施形態のエンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理を表すフローチャートである。 突入電流の抑制量の制御を説明する説明図である。
以下に、本発明が適用された実施形態のスタータ制御装置としての電子制御装置(以下、ECUという)について説明する。
[第1実施形態]
まず図1は、第1実施形態のECU11とそれの周辺機器とを表す構成図である。尚、ECU11は、車両のエンジン(図示省略)を始動させるためのスタータ13の制御を行うが、エンジンを自動停止及び自動始動させるアイドルストップ制御も行うものである。また、ここでは、車両の変速機は手動変速機(マニュアルトランスミッション)であるものとして説明する。
ECU11には、車両の運転者が始動用操作(例えばキーシリンダに挿したキーをスタート位置に捻る操作や、スタートボタンを押す操作)を行うとアクティブレベルになるスタータ信号、ブレーキペダルが踏まれたことを検出するセンサからのブレーキ信号、アクセルペダルが踏まれたことを検出するセンサからのアクセル信号、クラッチペダルが踏まれたことを検出するセンサからのクラッチ信号、シフトレバーの操作位置(シフト位置)を検出するセンサからのシフト位置信号、車両の走行速度(車速)を検出するセンサからの車速信号、ブレーキ負圧(ブレーキ倍力装置の負圧)を検出するセンサからのブレーキ負圧信号、及びクランク軸センサやカム軸センサからの回転信号等が入力されている。また、ECU11の電圧モニタ端子Tmには、車載バッテリ15(電源に相当)の出力電圧であるバッテリ電圧VBが入力されている。尚、ECU11は、車両におけるイグニッション系電源ラインにバッテリ電圧VBが供給されている場合(いわゆるイグニッションオンの場合)に、そのイグニッション系電源ラインからの電力で動作する。
一方、スタータ13は、エンジンをクランキングさせる動力源となるモータ(スタータモータ)17と、モータ17へ通電するための電磁スイッチ19と、モータにより回転駆動されるピニオンギヤ21と、ピニオン作動用ソレノイド23とを備えている。
電磁スイッチ19は、バッテリ15からモータ17への通電経路に設けられた大型のリレーであり、その通電経路を連通するオン状態と、その通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動される。具体的には、電磁スイッチ19は、一端がグランドラインに接続されたコイル19aと、一対の接点19b,19cとを備えている。そして、コイル19aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル19aに通電されると、接点19b,19cが短絡して通電経路を連通し(この状態がオン状態)、コイル19aに通電されないと、接点19b,19cが開放して通電経路を遮断する(この状態がオフ状態)。
ピニオン作動用ソレノイド23は、ピニオンギヤ21を、エンジンのリングギヤ25に噛み合う状態と、リングギヤ25に噛み合わない状態とに、切り替えるためのソレノイドである。
具体的には、ピニオン作動用ソレノイド23は、一端がグランドラインに接続されたコイル23aと、バネ等の付勢部材(図示省略)とを有しており、コイル23aに通電されなければ、ピニオンギヤ21を、上記付勢部材の力によって、リングギヤ25とは噛み合わない初期位置(図1に示す位置)に配置させる。また、コイル23aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル23aに通電されると、その通電による電磁力により、ピニオンギヤ21を、図1における点線の矢印で示す如く当該スタータ13の外方向へ突出させて、リングギヤ25に噛み合わせる。
そして、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に噛み合った状態でモータ17が通電されれば、そのモータ17の回転力がピニオンギヤ21を介してリングギヤ25に伝わり、エンジンがクランキングされることとなる。
また、車両において、バッテリ15から電磁スイッチ19の接点19b,19cへ至るまでの通電経路上には、モータ17への突入電流を抑制するための突入電流抑制用リレー(以下、ICR(Inrush Current Reduction)リレーという)27が設けられている。
ICRリレー27は、一端がグランドラインに接続されたコイル27aと、モータ17への通電経路に直列に設けられる一対の接点27b,27cと、その接点27b,27cに並列に設けられた電流抑制用の抵抗体(電流抑制抵抗)27dとを備えている。そして、コイル27aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル27aに通電されると、接点27b,27cが開放して、モータ17への通電経路に抵抗体27dを直列に挿入する第1状態となり、コイル27aに通電されなければ、接点19b,19cが短絡して、通電経路に抵抗体27dを挿入することなく該通電経路を接続する第2状態となる。尚、以下の説明では、ICRリレー27の状態のうち、第1状態のことを「抵抗側」と言い、第2状態のことを「接点側」と言う。
このため、ICRリレー27が抵抗側で、電磁スイッチ19がオン状態(接点19b,19cが短絡の状態)になれば、モータ17にはバッテリ15から抵抗体27dを介して電流が流れ、また、ICRリレー27が接点側で、電磁スイッチ19がオン状態になれば、モータ17にはバッテリ15から抵抗体27dを介さずに電流が流れることとなる。
また更に、車両において、ECU11の外部には、オンすることで電磁スイッチ19のコイル19aの上記他端にバッテリ電圧VBを印加して該コイル19aに電流を流し、その電磁スイッチ19をオン状態にするモータ駆動用のリレー31と、オンすることでピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aの上記他端にバッテリ電圧VBを印加して該コイル23aに電流を流し、ピニオンギヤ21をエンジンのリングギヤ25に噛み合わせるピニオン駆動用のリレー33とが設けられている。
次に、ECU11は、アイドルストップ制御やスタータ13の制御のための各種処理を実行するマイコン41と、前述したスタータ信号等の各種信号をマイコン41に入力させる入力回路43と、電圧モニタ端子Tmから入力されるバッテリ電圧VB(以下、モニタ電圧Vmともいう)を、マイコン41に入力可能な範囲の電圧値に分圧する2つの抵抗45,47と、その両抵抗45,47の接続点の電圧ラインとグランドラインとの間に設けられたノイズ除去用のコンデンサ49とを備えている。そして、マイコン41は、両抵抗45,47の接続点の電圧を内部のA/D変換器(図示省略)でA/D変換することにより、バッテリ電圧VBを検出する。また、マイコン41は、入力回路43から入力される信号のうちのアナログ信号についても、内部のA/D変換器でA/D変換することにより、その信号の電圧値を検出する。
更に、ECU11には、オンすることでモータ駆動用のリレー31のコイルに電流を流して該リレー31をオンさせるトランジスタ51と、オンすることでピニオン駆動用のリレー33のコイルに電流を流して該リレー33をオンさせるトランジスタ52と、オンすることでICRリレー27のコイル27aに電流を流して該ICRリレー27を抵抗側にするトランジスタ53とを備えている。そして、各トランジスタ51〜53は、マイコン41によって駆動される。
次に、マイコン41が行う処理の内容について、図2を用い説明する。尚、図2は、エンジンの状態を時系列で表したものである。
まず、マイコン41は、車両の運転者が始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベル(例えばハイ)になると、エンジンを始動させるために、スタータ13にエンジンをクランキングさせる。尚、これが図2における(1)の初回始動の状態である。
具体的な処理として、マイコン41は、トランジスタ52をオンすることで、リレー33をオンし、ピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aに電流を流して、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にする。更に、マイコン41は、トランジスタ53をオフのままにすることで、ICRリレー27を接点側にし、且つ、トランジスタ51をオンすることで、リレー31をオンし、電磁スイッチ19をオン状態にする。
すると、バッテリ15からモータ17に、ICRリレー27の抵抗体27dを介さずに電流が流れて、モータ17が回転し、そのモータ17の回転力によりピニオンギヤ21がリングギヤ25を回転させる(即ち、エンジンをクランキングさせる)こととなる。
そして、エンジンがクランキングされると、エンジンを制御する他のECUにより、エンジンに対する燃料噴射と点火とが行われる。尚、エンジンがディーゼルエンジンであれば、点火は行われず、燃料噴射だけが行われる。また、こうしたエンジンの制御もECU11が行うシステム構成であっても良い。
そして、マイコン41は、エンジンが完爆状態(始動が完了した状態であり、いわゆるエンジンがかかった状態)になったと判定すると、トランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。尚、マイコン41は、前述の回転信号からエンジン回転数を算出し、そのエンジン回転数に基づいて、エンジンが完爆状態になったか否かを判定する。
以上が、エンジンを最初に始動させるエンジン初回始動時のスタータ制御内容である。そして、エンジンが運転状態になっている場合が、図2における(2)のエンジン運転中である。
次に、エンジン運転中において、マイコン41は、所定の自動停止条件が成立したと判定したならば、エンジンへの燃料噴射を停止したり、エンジンへの吸気供給経路を遮断することにより、エンジンを自動的に停止させる。そして、このようにエンジンが自動停止された状態が、図2における(3)のアイドルストップ中である。
尚、自動停止条件としては、例えば、下記の全条件が満たされていることである。
バッテリ電圧VBが所定値以上である。車速が所定値以下である。ブレーキ負圧の絶対値が所定値以上である。ブレーキペダルが踏まれている。シフト位置がニュートラルであるか、あるいはシフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルが踏まれている。アクセルペダルが踏まれていない。前回にエンジンを自動停止して再始動させてから一定時間以上経過している。
その後、マイコン41は、アイドルストップ中において、所定の自動始動条件が成立したと判定したならば、エンジンを再始動させるために、スタータ13にエンジンをクランキングさせる。尚、これが図2における(4)の再始動の状態である。
具体的な処理として、マイコン41は、トランジスタ52をオンすることで、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にする。更に、マイコン41は、トランジスタ53をオンすることで、ICRリレー27を抵抗側にし、且つ、トランジスタ51をオンすることで、電磁スイッチ19をオン状態にし、所定時間後に、トランジスタ51をオンしたままで(つまり、電磁スイッチ19をオン状態にしたままで)、トランジスタ53をオフし、ICRリレー27を接点側に切り替える。
このため、バッテリ15からモータ17には、最初はICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れ、これにより、モータ17への突入電流が抑制されつつモータ17が回転し始め、その突入電流がなくなった頃に、ICRリレー27が抵抗側から接点側に切り替わって、モータ17には抵抗体27dを介さずに電流が流れる。
そして、このエンジン再始動時においても、モータ17への通電によりピニオンギヤ21がリングギヤ25を回転させる(即ち、エンジンをクランキングさせる)こととなる。
すると、エンジンを制御する他のECUにより、エンジンに対する燃料噴射と点火とが行われる。そして、マイコン41は、エンジンが完爆状態になったと判定すると、トランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。
以上が、アイドルストップ状態からのエンジン再始動時のスタータ制御内容である。
尚、自動始動条件としては、例えば、下記の何れかの条件が考えられる。
シフト位置がニュートラル以外且つクラッチペダルが踏まれている状態でアイドルストップした場合、その状態でブレーキペダルが放された。ブレーキペダルは踏まれたままだが、シフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルのリリース(即ち、クラッチペダルの踏み込みを緩めてクラッチを接続しようとする動作)が開始された。ブレーキペダルが踏まれたままだが、シフト位置がニュートラルからニュートラル以外に操作された(その時点でクラッチペダルは踏まれている)。
また、図2における右端の「停止」とは、運転者がエンジンを停止させる操作を行ったことでエンジンが停止したことを示しており、その場合には、車両におけるイグニッション系電源もオフされる。
ここで、本実施形態において、ECU11のマイコン41は、前述したエンジンの初回始動時(図2の(1))と、エンジンの運転中(図2の(2))と、エンジンのアイドルストップ中(図2の(3))と、エンジンの再始動時(図2の(4))との各々において、ICRリレー27の固着異常(制御不能な異常)を検出するための診断処理(異常検出処理)を行っている。そこで次に、その診断処理について説明する。
最初に、ICRリレー27の固着異常の検出原理について説明する。
図3(A)は、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合の電流経路を表し、図3(B)は、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合の電流経路を表している。
図3(A)の場合、モータ17には、ICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れる。これに対して、図3(B)の場合には、抵抗体27dが無効になり、モータ17には、ICRリレー27の接点27b,27c(図3では符号省略)の方を介して電流が流れる。よって、図3(A)の場合にモータ17に流れる電流(モータ電流)IM1は、図3(B)の場合のモータ電流IM2よりも小さくなる。また、バッテリ15の内部には、一般的に数mΩ程度であるが、インピーダンス(内部インピーダンス)RBがある。
このため、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動して(つまり、コイル27aに通電して)モータ17に通電した場合のバッテリ電圧VBをVB1とし、ICRリレー27を接点側となるように駆動して(つまり、コイル27aに通電せずに)モータ17に通電した場合のバッテリ電圧VBをVB2とすると、ICRリレー27が正常ならば、「VB1>VB2」となる。「IM1<IM2」であるため、前者の場合の方が、バッテリ15の内部での電圧降下が小さくなるからである。
例えば、図4において、一点鎖線で示す波形は、前述したエンジン再始動時におけるモニタ電圧Vm(=バッテリ電圧VB)の波形であって、モータ17に最初はICRリレー27の抵抗体27dを介して電流を流し、所定時間t後はモータ17に抵抗体27dを介さず電流を流す制御を行って、スタータ13にエンジンをクランキングさせた場合のモニタ電圧Vmの波形である。
また、図4において、実線で示す波形は、前述したエンジン初回始動時におけるモニタ電圧Vmの波形であって、モータ17に最初から抵抗体27dを介さずに電流を流す制御を行って、スタータ13にエンジンをクランキングさせた場合のモニタ電圧Vmの波形である。
そして、その図4から、一点鎖線の場合よりも、実線の場合の方が、モータ17の突入電流が大きくなるため、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が低くなることが分かる。
具体的数値で述べると、図4の例では、モータ17に通電しないときのバッテリ電圧VBが12.3Vで、バッテリ15の内部インピーダンスRBと抵抗体27dの抵抗値とが共に6mΩで、ICRリレー27が接点側でのクランキング開始時のモータ電流が1000Aであるとし、また、ここではモータ17の内部インピーダンスを無視する。
この前提において、ICRリレー27が接点側の場合、バッテリ15内部での電圧降下は6V(=1000A×6mΩ)となり、モニタ電圧Vmは6.3V(=12.3V−6V)にまで低下する。また、ICRリレー27が抵抗側の場合には、モータ17への通電経路に抵抗体27dの抵抗値(=6mΩ)が追加されて、モータ電流が1000Aの半分の500Aになり、バッテリ15内部での電圧降下は3V(=500A×6mΩ)となるため、モニタ電圧の最小ピーク値は9.3V(=12.3V−3V)となる。
このため、図4において、実線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値が6.3Vになっているのに対し、一点鎖線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値は9.3Vになっている。そして、この電圧差によって、ICRリレー27が抵抗側なのか接点側なのかを判別することができる。
そこで、本実施形態では、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動してモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmが、所定の判定値よりも低くなれば、ICRリレー27に接点側のままになった固着異常(以下、接点側固着異常という)が生じていると判定するようにしている。
また、ICRリレー27を接点側となるように駆動してモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmが、所定の判定値よりも低くならなければ、ICRリレー27に抵抗側のままになった固着異常(以下、抵抗側固着異常という)が生じていると判定するようにしている。
尚、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図4の例では9.3V)をVp1とし、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図4の例では6.3V)をVp2とすると、上記何れの場合の判定値も、Vp1とVp2との間の値に設定しておけば良い。
また、図4とは別の駆動例として、図5における一点鎖線で示す波形は、ピニオンギヤ21を前述の初期位置にし、且つ、ICRリレー27を抵抗側にしたままで、モータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの波形であり、図5における実線で示す波形は、ピニオンギヤ21を初期位置にし、且つ、ICRリレー27を接点側にしたままで、モータ17に通電した場合のモニタ電圧Vmの波形である。その図5から分かるように、スタータ13にエンジンをクランキングさせずに、モータ17への通電だけを行った場合(つまり、モータ17を空回りさせた場合)には、モータ17の回転負荷が小さくなる分、モータ電流が小さくなるため、モータ通電時のモニタ電圧Vmは、図4の場合よりも若干大きくなる。
以上のことを踏まえて、次に、マイコン41が行う診断処理の具体的な内容について、図6〜図8のフローチャートを用い説明する。
まず、図6は、初回始動時診断処理を表すフローチャートであり、この初回始動時診断処理は、前述したエンジンの初回始動時であって、車両の運転者が始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベルになったときに開始される。
そして、マイコン41が初回始動時診断処理を開始すると、まずS110にて、トランジスタ53をオフしたままにすることで、ICRリレー27を接点側となるように駆動し(コイル27aに通電しないようにし)、次のS120にて、トランジスタ52をオンして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にし、更に続くS130にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17にICRリレー27の抵抗体27dを介さずに電流が流れて、エンジンのクランキングが開始される。尚、フローチャートでは、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にすることを「ピニオン:オン」と記載しており、電磁スイッチ19をオン状態にすること(本第1実施形態では、モータ17への通電を開始することでもある)を「モータ:オン」と記載している。
次に、S140にて、モニタ電圧VmのA/D変換を所定の短い間隔で複数回行って、該モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が抵抗側固着異常判定用の判定値VthcRよりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthcRよりも低ければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthcRよりも低くなったならば)、S150にて、ICRリレー27は正常である(即ち、駆動している通りの接点側になっている)と判断し、次のS160にて、エンジン初回始動時用の通常始動制御処理を行う。
S160での通常始動制御処理とは、前述したエンジン初回始動時のスタータ制御内容を、上記S110〜S130の処理と共に実現するための、残りの処理である。そして、このS160では、エンジンが完爆状態になったか否かを判定し、完爆状態になったと判定すると、トランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。そして、このような通常始動制御が終了したら、当該初回始動時診断処理も終了する。
尚、S140で用いる判定値VthcRは、図4に示すように、前述した9.3V(=Vp1)と6.3V(=Vp2)との間の電圧であって、例えば7.5Vに設定されている。また、S140では、モータ17への通電開始時から、バッテリ電圧VBが最小になると予想される時間が経過した時に、モニタ電圧VmのA/D変換を1回行い、そのA/D変換値をモニタ電圧Vmの最小ピーク値として扱うようにしても良い。
一方、上記S140にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthcRよりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthcRよりも低くならなかった場合)には、S170に移行して、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判定し、その抵抗側固着異常の発生を示すエラーフラグFRERRを1にする。
そして、次のS180にて、抵抗側固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行う。その報知処理としては、例えば、警告灯(インジケータ)を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、カーディーラ等へ行くことを促す。そして更に、次のS190にて、アイドルストップを禁止するためのアイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にする。
すると、以後は、エンジンの運転中に自動停止条件が成立したとしても、アイドルストップは実施されなくなる。具体的には、マイコン41は、アイドルストップ禁止フラグFSTPDが1になっている場合には、自動停止条件の成立を判定しないか、あるいは、自動停止条件が成立したと判定しても、エンジンを停止させる処理を行わなくなる。
そして、次にS200にて、モータ17への通電時間(即ち、上記S130でモータ17への通電を開始してからの経過時間)が所定時間以上になったか否かを判定し、通電時間が所定時間以上になったら、S210に進む。S210では、トランジスタ52をオフして、ピニオンギヤ21を初期位置に戻し、続くS220にて、トランジスタ51をオフして、電磁スイッチ19をオフ状態にすることにより、モータ17への通電を停止する。すると、エンジンのクランキングが停止し、また、当該初回診断処理も終了する。尚、フローチャートでは、ピニオンギヤ21を初期位置に戻すことを「ピニオン:オフ」と記載しており、電磁スイッチ19をオフ状態にすること(本第1実施形態では、モータ17への通電を停止することでもある)を「モータ:オフ」と記載している。
ここで、上記S200〜S220の処理を行っているのは、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じている場合に、長い時間モータ17に通電すると、抵抗体27dが焼損する可能性があり、もし抵抗体27dが切れてしまうと、それ以後は、モータ17への通電によるエンジンの始動ができなくなるからであり、そのような事態を防ぐために、モータ17への通電時間を所定時間に制限している。
また、このように、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じた場合はエンジンの始動ができなくなる可能性があることから、特に上記S180での報知処理としては、運転者に対して、エンジンを停止させずにカーディーラ等へ行くことを促すメッセージ(表示や音声など)を与えることが好ましい。
次に、図7は、エンジン運転中診断処理を表すフローチャートであり、このエンジン運転中診断処理は、前述したエンジンの運転中において例えば一定時間毎に実行される。
そして、マイコン41がエンジン運転中診断処理を開始すると、まずS310にて、トランジスタ53をオフしたままにすることで、ICRリレー27を接点側となるように駆動し(コイル27aに通電しないようにし)、次のS320にて、トランジスタ52をオフしたままにすることで、ピニオンギヤ21を初期位置に維持し、続くS330にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17にICRリレー27の抵抗体27dを介さずに電流が流れて、モータ17は回転するが、ピニオンギヤ21が初期位置であるため、エンジンはクランキングされない。つまり、ここでは、ICRリレー27を接点側に駆動してモータ17を空回りさせている。
次に、S340にて、図6のS140と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が抵抗側固着異常判定用の判定値VthiRよりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiRよりも低ければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiRよりも低くなったならば)、S350にて、ICRリレー27は正常である(即ち、駆動している通りの接点側になっている)と判断し、S370に進む。
尚、判定値VthiRは、前述した図5に示す9.5Vと6.5Vとの間の電圧であって、例えば7.7Vに設定されており、図6のS140で用いる判定値VthcR(=7.5V)よりも少し大きい値に設定されている。つまり、図5において、9.5Vは、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17を空回りさせた場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値であり、6.5Vは、ICRリレー27を接点側にしてモータ17を空回りさせた場合のモニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値であるが、その両正常値(9.5V,6.5V)は、図4に示したクランキング実施時の値(9.3V,6.3V)よりも大きくなる。このため、モータ17を空回りさせる場合の判定値VthiRは、クランキング実施時の判定値VthcRより少し大きい値に設定している。逆に言えば、クランキング実施時の判定値VthcRは、モータ17を空回りさせる場合の判定値VthiRよりも小さい値に設定している。そして、このことは、後述する判定値VthiP,VthcPについても同様である。但し、モータ17を空回りさせる場合の判定値と、クランキング実施時の判定値とを、同じ値に設定することも勿論可能である。
一方、上記S340にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiRよりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiRよりも低くならなかった場合)には、S360に移行して、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判定し、その抵抗側固着異常の発生を示すエラーフラグFRERRを1にした後、S370に進む。
S370では、トランジスタ51をオフして、モータ17への通電を一旦停止する。
そして、次のS380にて、トランジスタ53をオンすることで、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動し(コイル27aに通電し)、更に続くS390にて、トランジスタ51をオンして、モータ17への通電を開始する。すると、今度はモータ17にICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れて、モータ17は回転するが、やはりピニオンギヤ21は初期位置であるため、エンジンはクランキングされない。つまり、ここでは、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17を空回りさせている。
次に、S400にて、図6のS140と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が接点側固着異常判定用の判定値VthiPよりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiPよりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiPよりも低くならなければ)、S410にて、ICRリレー27は正常である(即ち、駆動している通りの抵抗側になっている)と判断し、S430に進む。尚、本実施形態において、S400で用いる判定値VthiPは、S340で用いる判定値VthiRと同じ値である(図5参照)。
また、上記S400にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthiPよりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthiPよりも低くなった場合)には、S420に移行して、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判定し、その接点側固着異常の発生を示すエラーフラグFPERRを1にした後、S430に進む。
S430では、トランジスタ51をオフして、モータ17への通電を停止する。
そして、次のS440にて、ICRリレー27についての異常判別を行う。具体的には、エラーフラグFRERRとエラーフラグFPERRとを参照し、それらの両方が0であれば、そのまま当該エンジン運転中診断処理を終了するが、エラーフラグFRERRが1であれば、S450に移行して、前述したアイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にし、更に続くS460にて、図6のS180と同様の報知処理を行った後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。
また、エラーフラグFPERRが1であれば、S470に移行して、前述したアイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にし、更に続くS480にて、接点側固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、その後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。尚、S480での報知処理としては、例えば、警告灯(インジケータ)を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、カーディーラ等へ行くことを促す。
一方、マイコン41は、前述したアイドルストップ中においても、図7と同じ処理(ここでは、その処理をアイドルストップ中診断処理という)を行う。
尚、アイドルストップ中診断処理も一定時間毎に実行すれば良いが、そのアイドルストップ中診断処理は、少なくともアイドルストップした直後に実行することが好ましい。どのタイミングで自動始動条件が成立しても、アイドルストップ中に1回はICRリレー27の診断を行っておくことができるからである。
次に、図8は、再始動時診断処理を表すフローチャートであり、この再始動時診断処理は、前述したエンジンの再始動時に実行される。つまり、マイコン41は、アイドルストップ中に自動始動条件が成立したと判定すると、この再始動時診断処理を実行する。
そして、まずS510にて、トランジスタ53をオンすることで、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動し(コイル27aに通電し)、次のS520にて、トランジスタ52をオンして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にし、更に続くS530にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17にICRリレー27の抵抗体27dを介して電流が流れ、エンジンのクランキング(アイドルストップからの再始動のためのクランキング)が開始される。
次に、S540にて、図6のS140と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が接点側固着異常判定用の判定値VthcPよりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthcPよりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthcPよりも低くならなければ)、S550にて、ICRリレー27は正常である(即ち、駆動している通りの抵抗側になっている)と判断し、S590に進む。尚、S540で用いる判定値VthcPは、図6のS140で用いる判定値VthcRと同じ値であり(図4参照)、前述の判定値VthiPよりも小さい値となっている(図5参照)。この場合も、図4の場合と同様に、クランキングを実施するからである。
また、上記S540にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値VthcPよりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値VthcPよりも低くなった場合)には、S560に移行して、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判定し、接点側固着異常の発生を示すエラーフラグFPERRを1にする。そして、続くS570にて、図7のS480と同様に、接点側固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、次のS580にて、前述したアイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にして、以後のアイドルストップ実施を禁止し、その後、S590に進む。
そして、S590では、エンジン再始動用の通常始動制御処理を行う。
S590での通常始動制御処理とは、前述したエンジン再始動時のスタータ制御内容を、上記S510〜S530の処理と共に実現するための、残りの処理である。そして、このS590では、まず、S530でモータ17への通電を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したら、トランジスタ51をオンしたままで、トランジスタ53をオフしてICRリレー27を接点側に切り替える。そして、エンジンが完爆状態になったか否かを判定して、完爆状態になったと判定すると、トランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。そして、このような通常始動制御が終了したら、当該再始動時診断処理も終了する。
以上のようなECU11によれば、エンジンの運転中とアイドルストップ中とに行われる図7のS310〜S370の処理(非始動時第1状態固着異常検出処理に相当)により、ICRリレー27の抵抗側固着異常を、エンジンの再始動前に検出することができ、同様に、エンジンの運転中とアイドルストップ中とに行われる図7のS320,S380〜S430の処理(非始動時第2状態固着異常検出処理に相当)により、ICRリレー27の接点側固着異常を、エンジンの再始動前に検出することができる。
また、エンジンの初回始動時に行われる図6のS140,S150,S170の処理(初回始動時第1状態固着異常検出処理に相当)により、ICRリレー27の抵抗側固着異常を、異常検出のためだけにモータ17へ通電することなく、検出することができる。
更に、エンジンの再始動時に行われる図8のS540〜S560の処理(再始動時第2状態固着異常検出処理に相当)により、ICRリレー27の接点側固着異常を、異常検出のためだけにモータ17へ通電することなく、検出することができる。
そして、ICRリレー27の接点側と抵抗側との何れかの固着異常を検出した場合には、アイドルストップの実施を禁止している(S190,S450,S470,S580)。このため、ICRリレー27の接点側固着異常が生じた場合に、エンジン再始動時においてモータ17への突入電流を抑制できずバッテリ電圧VBが低下して何れかのECUがリセットされてしまう、という問題を未然に回避することができ、また、ICRリレー27の抵抗側固着異常が生じた場合に、エンジン再始動時においてICRリレー27の抵抗体27dを焼損させてしまう、という問題を未然に回避することができる。
更に、ICRリレー27の接点側と抵抗側との何れかの固着異常を検出した場合には、異常の発生を運転者に報知するようになっている(S180,S460,S480,S570)。このため、運転者に対して早期の修理を促すことができる。
また、エンジンの初回始動時における図6のS170にて、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判定した場合には、今回の初回始動時におけるモータ17への通電時間を所定時間に制限している(S200〜S220)。このため、抵抗体27dの焼損を防止することができる。
また、クランキングを実施する場合の判定値VthcR,VthcPと、モータ17を空回りさせる場合の判定値VthiR,VthiPとを、異なる値に設定しており、前者の場合の判定値を後者の場合の判定値よりも小さい値に設定している。このため、各場合における固着異常の判定精度を上げることができる。
また、アイドルストップ制御を実施するためにモニタすることが必要なバッテリ電圧VB(自動停止条件の1つになっている)に基づいて、ICRリレー27の固着異常を検出するようになっているため、その固着異常検出のためだけに信号をモニタする回路を新たに追加する必要がない。
ところで、図7の処理は、エンジンの運転中とアイドルストップ中との何れか一方の場合にだけ行うようにしても良い。つまり、エンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理とは、一方だけ行うようにしても良い。
また、エンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理との一方または両方は、車速が0よりも大きい場合に行うようにすることが好ましい。なぜなら、モータ17に本来通電しなくても良い状況において通電するため、モータ17の作動音が車両の乗員に聞こえないことが好ましく、車速が0でなければ、車両の走行音によってモータ17の作動音が聞こえ難くなると考えられるからである。このため、例えば、車両の加速時、減速時、高速走行時など、音が目立ちにくい状況で実行することが望ましい。
また、エンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理との一方または両方は、デフォッガ、ブロワ、ヘッドライト等の、通電電流が大きい機器が作動している場合には、モータ17を回すことによる更なる電気負荷を増加させることとなるため、実行しないように構成しても良い。
また、アイドルストップ中診断処理の方は、アイドルストップ中のバッテリ消費を抑えることを優先して、実行しないようにしても良い。特に、エンジンが停止している最中は、車両の振動が少ないため、その時にICRリレー27が正常状態から固着異常状態に転じ難いと考えられるため、アイドルストップ中診断処理は、実行しないか、あるいは、アイドルストップした直後に1回だけ実行するようにしても良い。
一方、アイドルストップ中診断処理の実行中に、自動始動条件が成立した場合には、そのアイドルストップ中診断処理を即座に中止して、図8の処理が開始されるように構成することにより、再始動の遅れを防ぐことができる。
尚、本実施形態では、電磁スイッチ19がスイッチ手段に相当し、ICRリレー27が突入電流抑制用手段に相当している。また、マイコン41がアイドルストップ制御手段にも相当している。また、図8におけるS510,S530,S590の処理が、再始動時通電処理に相当し、図6におけるS110,S130,S160の処理が、初回始動時通電処理に相当している。
そして、図6におけるS140,S150,S170,S200〜S220の処理と、図7におけるS310〜S440の処理と、図8におけるS540〜S560の処理とが、異常検出手段としての処理に相当している。
また既に述べたが、その異常検出手段としての処理のうち、図7におけるS320,S380〜S430の処理が、非始動時第2状態固着異常検出処理に相当し、図8におけるS540〜S560の処理が、再始動時第2状態固着異常検出処理に相当し、図7におけるS310〜S370の処理が、非始動時第1状態固着異常検出処理に相当し、図6におけるS140,S150,S170の処理が、初回始動時第1状態固着異常検出処理に相当している。そして、S400の判定値VthiPが、第1の第2状態固着判定値に相当し、S540の判定値VthcPが、第2の第2状態固着判定値に相当し、S340の判定値VthiRが、第1の第1状態固着判定値に相当し、S140の判定値VthcRが、第2の第1状態固着判定値に相当している。
また、図7におけるS470の処理と、図8におけるS580の処理が、第1の禁止手段に相当し、図7におけるS480の処理と、図8におけるS570の処理が、第1の報知手段に相当している。また、図6におけるS190の処理と、図7におけるS450の処理が、第2の禁止手段に相当し、図6におけるS180の処理と、図7におけるS460の処理が、第2の報知手段に相当している。
[第2実施形態]
図9に示すように、第2実施形態では、第1実施形態と比較すると、ECU11の外部にICRリレー27が設けられておらず、そのICRリレー27と同じ役割を果たす突入電流抑制用回路28が、ECU11の中に設けられている。
その突入電流抑制用回路28は、電磁スイッチ19の接点19bに接続されるECU11の出力端子とECU11の内部におけるバッテリ電圧VBのラインとの間に、直列に設けられたトランジスタ群28aと、トランジスタ群28aをオンするための昇圧回路28bと、トランジスタ群28aに対して並列に設けられた抵抗体28cとを、備えている。
トランジスタ群28aは、互いに並列な複数のトランジスタからなり、その各トランジスタは、本実施形態では、例えばIGBTである。
そして、昇圧回路28bは、バッテリ電圧VBから該バッテリ電圧VBよりも高い高電圧を生成し、その高電圧を、マイコン41からの指令に従ってトランジスタ群28aのゲートに供給することにより、該トランジスタ群28aをオンさせる。
よって、突入電流抑制用回路28は、トランジスタ群28aがオンされなければ(オフされれば)、モータ17への通電経路に抵抗体28cを直列に挿入する第1状態となり、トランジスタ群28aがオンされれば、モータ17への通電経路に抵抗体28cを挿入することなく該通電経路を接続する第2状態となる。
このため、本第2実施形態において、ECU11には、ICRリレー27を駆動するためのトランジスタ53が無い。
そして、ECU11のマイコン41は、図6〜図8の各処理に代えて、その各処理のS110,S310,S380,S510を下記のように変形した処理を行う。
即ち、図6のS110と、図7のS310との各々では、ICRリレー27を接点側となるように駆動することに代えて、トランジスタ群28aをオンさせ、図7のS380と、図8のS510との各々では、ICRリレー27を抵抗側となるように駆動することに代えて、トランジスタ群28aをオフさせる。
そして、このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同じ効果が得られる。
尚、トランジスタ群28aを成す各トランジスタは、IGBT以外のスイッチング素子でも良く、例えば、FETやバイポーラトランジスタでも良い。また、モータ17への大電流を流すことが可能であれば、トランジスタ群28aの代わりに、1つのトランジスタ(スイッチング素子)を用いても良い。
[第3実施形態]
図10に示すように、第3実施形態では、第1実施形態と比較すると、スタータ13に代わるスタータ14が採用されており、そのスタータ14は、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせる動作と、モータ17への通電とが、連動して行われるタイプのものである。つまり、スタータ14は、ピニオンギヤ21とモータ17とを独立して作動させることができないものであるが、アイドルストップが実施されない車両に搭載されるものよりは、各部が強化されて作動可能回数が増加されたスタータ(いわゆる強化型のスタータ)である。
具体的に説明すると、スタータ14では、ピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aに通電されると、ピニオンギヤ21が突出してリングギヤ25に噛み合うだけでなく、そのコイル23aへの通電による電磁力により、電磁スイッチ19の接点19b,19cが短絡して、モータ17への通電経路が連通する。
このため、スタータ14の電磁スイッチ19には、第1実施形態であったコイル19aが無く、ECU11には、電磁スイッチ19だけを駆動するためのトランジスタ51が無い。つまり、スタータ14では、ピニオン作動用ソレノイド23のコイル23aが、電磁スイッチ19をオンさせるためのコイルとしても機能する。
そして、ECU11のマイコン41は、図6の処理に代えて、その図6からS130とS220を削除した処理を行い、また、図8の処理に代えて、その図8からS530を削除した処理を行う。ピニオンギヤ21を作動させるトランジスタ52のオン/オフにより、電磁スイッチ19もオン/オフされるからである。
また、本第3実施形態では、上記のスタータ14を採用していることから、マイコン41は、エンジンの運転中とアイドルストップ中に図7のような診断処理は行わない。
そして、以上のような第3実施形態のECU11によれば、ICRリレー27の異常をエンジンの運転中とアイドルストップ中に検出できないこと以外は、第1実施形態と同じ効果が得られる。
[第4実施形態]
図11に示すように、第4実施形態では、第1実施形態と比較すると、スタータ13に代わるスタータ16が採用されており、そのスタータ16は、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に常時噛み合っているタイプのものである。
このため、スタータ16には、ピニオン作動用ソレノイド23がなく、また、ECU11には、そのピニオン作動用ソレノイド23を駆動するためのトランジスタ52が無い。
尚、スタータ16において、ピニオンギヤ21とモータ17の回転軸との間には、周知のワンウェイクラッチが設けられており、ピニオンギヤ21がモータ17ではなくリングギヤ25によって回転させられる場合(つまり、モータ17の非通電時)において、リングギヤ25からの回転力でモータ17を回転させてしまうことは、そのワンウェイクラッチにより防止される。
そして、ECU11のマイコン41は、図6の処理に代えて、その図6からS120とS210を削除した処理を行い、また、図8の処理に代えて、その図8からS520を削除した処理を行う。スタータ16のピニオンギヤ21を制御する処理は不要なためである。
また、本第4実施形態では、上記のスタータ16を採用していることから、マイコン41は、エンジンの運転中とアイドルストップ中に図7のような診断処理は行わない。
そして、以上のような第4実施形態のECU11によっても、第3実施形態と同様に、ICRリレー27の異常をエンジンの運転中とアイドルストップ中に検出できないこと以外は、第1実施形態と同じ効果が得られる。
[第5実施形態]
図12に示すように、第5実施形態では、第1実施形態と比較すると、ECU11の外部にICRリレー27が設けられておらず、そのICRリレー27と同じ役割を果たすトランジスタ群28aが、ECU11の中に設けられている。
そして、そのトランジスタ群28aは、互いに並列な複数のトランジスタ(本実施形態では、例えばIGBT)からなると共に、電磁スイッチ19の接点19bに接続されるECU11の出力端子と、ECU11の内部におけるバッテリ電圧VBのラインとの間に、直列に設けられている。
更に、ECU11には、トランジスタ群28aをオンするための昇圧回路28bが設けられており、その昇圧回路28bは、バッテリ電圧VBから該バッテリ電圧VBよりも高い高電圧を生成し、その高電圧を、マイコン41からの指令に従ってトランジスタ群28aのゲートに供給することにより、該トランジスタ群28aをオンさせる。尚、このため、ECU11には、ICRリレー27を駆動するためのトランジスタ53が無い。
つまり、トランジスタ群28aと昇圧回路28bは、前述した図9のトランジスタ群28a及び昇圧回路28bと同じである。但し、本第5実施形態では、図9にあった抵抗体28cは設けられていない。
そして、本第5実施形態において、トランジスタ群28aは、マイコン41により、オンとオフとに交互に切り替えるスイッチング制御の駆動が行われることで、モータ17への通電電流を抑制する第1状態となり、また、オン状態を継続する(オンのままにする)駆動が行われることで、モータ17への通電電流を抑制しない第2状態となる。
つまり、本第5実施形態では、第1実施形態と比較すると、トランジスタ群28aをスイッチング制御することが、ICRリレー27を抵抗側にすることに相当し、トランジスタ群28aをオンのままにすることが、ICRリレー27を接点側にすることに相当している。
よって、マイコン41は、アイドルストップからのエンジン再始動時においては、図13の下段に示すように、モータ17への通電開始時(換言すれば、電磁スイッチ19をオンさせる時)から所定時間が経過するまでは、トランジスタ群28aをスイッチング制御することで、モータ17への突入電流を抑制し、その所定時間が経過してからモータ17への通電終了時までの間は、トランジスタ群28aをオンのままにすることにより、モータ17への通電電流制限を解除する。尚、図13及び以下の説明において「全オン制御」とは、トランジスタ群28aをオンのままにすることを意味している。
また、マイコン41は、運転者の始動用操作に応じてエンジンを始動させる初回始動時においては、モータ17への通電開始時から通電終了時まで、トランジスタ群28aをオンのままにする(全オン制御する)。
ここで、図13の上段において、実線で示す波形は、エンジン再始動時におけるモニタ電圧Vm(=バッテリ電圧VB)の波形であり、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせた状態で、電磁スイッチ19をオンし且つトランジスタ群28aを図13の下段に示すように制御した場合のモニタ電圧Vmの波形である。また、図13の上段において、一点鎖線で示す波形は、エンジン初回始動時におけるモニタ電圧Vmの波形であって、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせた状態で、電磁スイッチ19をオンし且つトランジスタ群28aをモータ17への通電開始時から全オン制御した場合のモニタ電圧Vmの波形である。
そして、その図13から分かるように、本第5実施形態においても、第1実施形態と同様に、モータ17への電流を制限する実線の場合よりも、電流を制限しない一点鎖線の場合の方が、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が低くなることが分かる。
例えば、図13の例では、実線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値が9.3Vであるのに対して、一点鎖線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値は6.3Vになっている。そして、この電圧差によって、トランジスタ群28aがスイッチング制御されているのか、継続してオン状態なのかを判別することができる。
また、電磁スイッチ19をオンし、且つ、トランジスタ群28aをスイッチング制御又は全オン制御しているのに、モニタ電圧Vmが所定の判定値(例えば、図13におけるVth4=11V)よりも低くならなければ、モータ17に電流が流れておらず、トランジスタ群28aにオフ状態のままの固着異常(オンできない異常)が生じている、と判定することができる。
一方、図14の上段における実線の波形は、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない状態にして、電磁スイッチ19及びトランジスタ群28aを図13の上段における実線の場合と同様に制御した場合の、モニタ電圧Vmを示している。また、図14の上段における一点鎖線の波形も、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない状態にして、電磁スイッチ19及びトランジスタ群28aを図13の上段における一点鎖線の場合と同様に制御した場合の、モニタ電圧Vmを示している。
そして、その図14から分かるように、スタータ13にエンジンをクランキングさせずに、モータ17への通電だけを行った場合(モータ17を空回りさせた場合)には、モータ17の回転負荷が小さくなる分、モータ電流が小さくなるため、モータ通電時のモニタ電圧Vmは、クランキングを行う図13の場合よりも若干大きくなる。
以上のことから、本第5実施形態では、トランジスタ群28aの異常を、第1実施形態とほぼ同様の処理によって検出している。
そこで次に、マイコン41が行う診断処理の具体的な内容について、図15〜図17のフローチャートを用い説明する。
まず、図15は、図6に代わる初回始動時診断処理を表すフローチャートであり、この初回始動時診断処理も、エンジンの初回始動時であって、運転者が始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベルになったときに開始される。
図15に示すように、マイコン41が初回始動時診断処理を開始すると、まずS115にて、トランジスタ群28aを全オン制御し、次のS125にて、トランジスタ52をオンして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にし、更に続くS135にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17には、トランジスタ群28aによる抑制がされることなく電流が流れて、エンジンのクランキングが開始される。
次に、S145にて、モニタ電圧VmのA/D変換を所定の短い間隔で複数回行って、該モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が所定の判定値Vth4よりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth4よりも低ければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth4よりも低くなったならば)、S155にて、トランジスタ群28aは正常であると判断し、次のS165にて、エンジン初回始動時用の通常始動制御処理を行う。
そのS165での通常始動制御処理とは、エンジン初回始動時のスタータ制御内容を、上記S115〜S135の処理と共に実現するための、残りの処理である。そして、このS165では、エンジンが完爆状態になったか否かを判定し、完爆状態になったと判定すると、トランジスタ群28a及びトランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。そして、このような通常始動制御が終了したら、当該初回始動時診断処理も終了する。
尚、S145で用いる判定値Vth4は、図13に示すように、バッテリ電圧VBよりも若干低い値であって、例えば11Vに設定されている。
また、モータ17への通電開始時にトランジスタ群28aをスイッチング制御してエンジンをクランキングした場合の、モニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図13の例では9.3V)をVq1とし、モータ17への通電開始時にトランジスタ群28aを全オン制御してエンジンをクランキングした場合の、モニタ電圧Vmの最小ピーク値の正常値(図13の例では6.3V)をVq2とすると、S145では、判定値Vth4の代わりに、例えば、Vq1とVq2との間に設定された判定値Vth3(図13の例では7.5V)を用いても良い。
また、S145では、モータ17への通電開始時から、バッテリ電圧VBが最小になると予想される時間が経過した時に、モニタ電圧VmのA/D変換を1回行い、そのA/D変換値をモニタ電圧Vmの最小ピーク値として扱うようにしても良い。
一方、上記S145にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth4(またはVth3)よりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値よりも低くならなかった場合)には、トランジスタ群28aがオンしていないと考えられることから、S175に移行して、トランジスタ群28aにオフ状態固着異常(オフ状態のままの固着異常)が生じていると判定し、そのオフ状態固着異常の発生を示すエラーフラグFOFFERRを1にすると共に、トランジスタ群28aを念のためオフさせる。
そして、次のS185にて、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行う。その報知処理としては、例えば、警告灯(インジケータ)を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、エンジンの始動ができないことや、修理が必要なことなどを、運転者に知らせる。そして更に、次のS195にて、アイドルストップを禁止するためのアイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にする。すると、以後は、エンジンの運転中に自動停止条件が成立したとしても、アイドルストップは実施されなくなる。
そして、次のS215にて、トランジスタ52をオフして、ピニオンギヤ21を初期位置に戻し、続くS225にて、トランジスタ51をオフして、電磁スイッチ19をオフ状態にする。すると、当該初回診断処理が終了する。
次に、図16は、図7に代わるエンジン運転中診断処理を表すフローチャートであり、このエンジン運転中診断処理も、エンジンの運転中において例えば一定時間毎に実行される。
図16に示すように、マイコン41がエンジン運転中診断処理を開始すると、まずS315にて、トランジスタ群28aを全オン制御し、次のS325にて、トランジスタ52をオフしたままにすることで、ピニオンギヤ21を初期位置に維持し、続くS335にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオン状態にすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17は回転するが、ピニオンギヤ21が初期位置であるため、エンジンはクランキングされない。つまり、ここでは、トランジスタ群28aをオン状態にしてモータ17を空回りさせている。
次に、S345にて、図15のS145と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が所定の判定値Vth6よりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth6よりも低ければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth6よりも低くなったならば)、S355にて、トランジスタ群28aは正常であると判断し、S375に進む。
尚、S345で用いる判定値Vth6は、図14に示すように、バッテリ電圧VBよりも若干低い値であり、例えば、前述の判定値Vth4と同じ11Vに設定されている。また、図14の上段における実線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値(図14の例では9.5V)をVr1とし、図14の上段における一点鎖線で示すモニタ電圧Vmの最小ピーク値(図14の例では6.5V)をVr2とすると、S345では、判定値Vth6の代わりに、例えば、Vr1とVr2との間に設定された判定値Vth5(前述のVth3よりも若干大きく、図14の例では7.7V)を用いても良い。
一方、上記S345にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth6(またはVth5)よりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値よりも低くならなかった場合)には、トランジスタ群28aがオンしていないと考えられることから、S365に移行して、トランジスタ群28aにオフ状態固着異常が生じていると判定し、そのオフ状態固着異常の発生を示すエラーフラグFOFFERRを1にした後、S375に進む。
S375では、トランジスタ51をオフすることにより、電磁スイッチ19を一旦オフする。つまり、モータ17への通電を一旦停止する。
次に、S385にて、トランジスタ群28aをスイッチング制御し、続くS395にて、トランジスタ51をオンして、モータ17への通電を開始する。つまり、ここでは、トランジスタ群28aをスイッチング制御してモータ17を空回りさせている。
次に、S405にて、図15のS145と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が前述の判定値Vth5よりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth5よりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth5よりも低くならなければ)、S415にて、トランジスタ群28aは正常であると判断し、S435に進む。
また、上記S405にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth5よりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth5よりも低くなった場合)には、S425に移行して、トランジスタ群28aにオン状態固着異常(オン状態のままの固着異常)が生じていると判定し、そのオン状態固着異常の発生を示すエラーフラグFONERRを1にした後、S435に進む。
尚、上記S385では、トランジスタ群28aを、スイッチング制御するのではなく、オフさせるようにしても、S405の判定により、トランジスタ群28aのオン状態固着異常を検出することができる。
S435では、トランジスタ51をオフして電磁スイッチ19をオフすると共に、トランジスタ群28aもオフさせる。
そして、次のS445にて、トランジスタ群28aについての異常判別を行う。具体的には、エラーフラグFOFFERRとエラーフラグFONERRとを参照し、それらの両方が0であれば、そのまま当該エンジン運転中診断処理を終了するが、エラーフラグFOFFERRが1であれば、S455に移行して、前述したアイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にし、更に続くS465にて、図15のS185と同様の報知処理を行った後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。尚、このエンジン運転中診断処理におけるS465では、運転者に対して、エンジンを停止させずにカーディーラ等へ行くことを促すメッセージ(表示や音声など)を与えることが好ましい。トランジスタ群28aにオフ状態固着異常が生じている場合、スタータ13によるエンジンの始動ができないからである。
また、エラーフラグFONERRが1であれば、S475に移行して、前述したアイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にし、更に続くS485にて、トランジスタ群28aのオン状態固着異常が発生したことを車両の運転者に報知するための報知処理を行い、その後、当該エンジン運転中診断処理を終了する。尚、S485での報知処理としては、例えば、警告灯(インジケータ)を点灯させたり、ブザーを鳴らしたり、メッセージを表示したりして、カーディーラ等へ行くことを促す。
一方、マイコン41は、アイドルストップ中においても、図16と同じ処理を、アイドルストップ中診断処理として実行する。尚、そのアイドルストップ中診断処理も一定時間毎に実行すれば良いが、そのアイドルストップ中診断処理は、少なくともアイドルストップした直後に実行することが好ましい。どのタイミングで自動始動条件が成立しても、アイドルストップ中に1回はトランジスタ群28aの診断を行っておくことができるからである。
次に、図17は、図8に代わる再始動時診断処理を表すフローチャートであり、この再始動時診断処理も、エンジンの再始動時に実行される。つまり、マイコン41は、アイドルストップ中に自動始動条件が成立したと判定すると、この再始動時診断処理を実行する。
図17に示すように、マイコン41が再始動時診断処理を開始すると、まずS515にて、トランジスタ群28aをスイッチング制御し、次のS525にて、トランジスタ52をオンして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にし、更に続くS535にて、トランジスタ51をオンして、電磁スイッチ19をオンすることにより、モータ17への通電を開始する。すると、モータ17への突入電流が制限されつつ、エンジンのクランキング(アイドルストップからの再始動のためのクランキング)が開始される。
次に、S545にて、図15のS145と同様に、モニタ電圧Vmの最小ピーク値を検出し、その最小ピーク値が前述の判定値Vth3よりも低いか否かを判定する。そして、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth3よりも低くなければ(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth3よりも低くならなければ)、S547に進む。
S547では、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が前述の判定値Vth4(>Vth3)よりも低いか否かを判定し、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth4よりも低ければ(即ち、モニタ電圧Vmの最小ピーク値がVth3からVth4までの間であれば)、S555にて、トランジスタ群28aは正常であると判断し、S595に進む。
また、上記S545にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth3よりも低いと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth3よりも低くなった場合)には、S565に移行して、トランジスタ群28aにオン状態固着異常が生じていると判定し、そのオン状態固着異常の発生を示すエラーフラグFONERRを1にする。そして、続くS575にて、図16のS485と同様の報知処理を行い、次のS585にて、アイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にして、以後のアイドルストップ実施を禁止し、その後、S595に進む。
また、上記S547にて、モニタ電圧Vmの最小ピーク値が判定値Vth4よりも低くないと判定した場合(つまり、モニタ電圧Vmが判定値Vth4よりも低くならなかった場合)には、S581に移行して、トランジスタ群28aにオフ状態固着異常が生じていると判定し、エラーフラグFOFFERRを1にする。そして、次のS583にて、図15のS185と同様の報知処理を行った後、S585に進んで、アイドルストップ禁止フラグFSTPDを1にし、その後、S595に進む。
S595では、エンジン再始動用の通常始動制御処理を行う。
S595での通常始動制御処理とは、アイドルストップからのエンジン再始動時のスタータ制御内容を、上記S515〜S535の処理と共に実現するための、残りの処理である。そして、このS595では、まず、S535でモータ17への通電を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したら、トランジスタ51をオンしたままで、トランジスタ群28aを全オン制御に切り替える。そして、エンジンが完爆状態になったか否かを判定して、完爆状態になったと判定すると、トランジスタ群28a及びトランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。そして、このような通常始動制御が終了したら、当該再始動時診断処理も終了する。但し、トランジスタ群28aにオフ状態固着異常が生じている場合には、モータ17の通電が不能となるため、エンジンの再始動はできない。
以上のような第5実施形態のECU11によれば、エンジンの運転中とアイドルストップ中とに行われる図16の処理により、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常とオン状態固着異常とを、エンジンの再始動前に区別して検出することができる。
また、エンジンの初回始動時に行われる図15の処理により、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常を、異常検出のためだけにモータ17へ通電することなく、検出することができる。
同様に、エンジンの再始動時に行われる図17の処理により、トランジスタ群28aのオン状態固着異常とオフ状態固着異常とを、異常検出のためだけにモータ17へ通電することなく、検出することができる。
そして、トランジスタ群28aの何れかの固着異常を検出した場合には、アイドルストップの実施を禁止している(S195,S455,S475,S585)。このため、トランジスタ群28aのオン状態固着異常が生じた場合に、エンジン再始動時においてモータ17への突入電流を抑制できずバッテリ電圧VBが低下して何れかのECUがリセットされてしまう、という問題を未然に回避することができ、また、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常が生じた場合に、アイドルストップされてエンジンが再始動できなくなってしまうことを、未然に回避することができる。
更に、トランジスタ群28aの何れかの固着異常を検出した場合には、異常の発生を運転者に報知するようになっている(S185,S465,S485,S575,S583)。このため、運転者に対して早期の修理を促すことができる。
また、オン状態固着異常を検出するための判定値Vth3,Vth5としては、クランキングを実施する場合の判定値Vth3と、モータ17を空回りさせる場合の判定値Vth5とを、異なる値に設定しており、前者の場合の判定値Vth3を後者の場合の判定値Vth5よりも小さい値に設定している。このため、各場合におけるオン状態固着異常の判定精度を上げることができる。
また、本実施形態でも、アイドルストップ制御を実施するためにモニタすることが必要なバッテリ電圧VBに基づいて、トランジスタ群28aの固着異常を検出するようになっているため、その異常検出のためだけに信号をモニタする回路を新たに追加する必要がない。
ところで、図16の処理も、図7の処理と同様に、エンジンの運転中とアイドルストップ中との何れか一方の場合にだけ行うようにしても良い。つまり、エンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理とは、一方だけ行うようにしても良い。また、図16の処理も、図7の処理と同様に、車速が0より大きい場合に行うようにすることが好ましい。
尚、本第5実施形態では、トランジスタ群28aが、突入電流抑制用手段としてのスイッチング素子に相当している。
また、図17におけるS515,S535,S595の処理が、再始動時通電処理に相当し、図15におけるS115,S135,S165の処理が、初回始動時通電処理に相当している。
そして、図15におけるS145,S155,S175の処理と、図16におけるS315〜S445の処理と、図17におけるS545〜S565,S581の処理とが、異常検出手段としての処理に相当している。
また、その異常検出手段としての処理のうち、図16におけるS325,S385〜S435の処理が、非始動時オン状態固着異常検出処理に相当し、図17におけるS545,S565の処理が、再始動時オン状態固着異常検出処理に相当し、図16におけるS315〜S375の処理が、非始動時オフ状態固着異常検出処理に相当し、図15におけるS145,S155,S175の処理が、初回始動時オフ状態固着異常検出処理に相当している。
そして、S405の判定値Vth5が、第1のオン状態固着判定値に相当し、S545の判定値Vth3が、第2のオン状態固着判定値に相当し、S345の判定値Vth6(又はVth5)と、S145の判定値Vth4(又はVth3)とが、オフ状態固着判定値に相当している。
また、図16におけるS475の処理と、図17にてS575から進むS585の処理が、第1の禁止手段に相当し、図16におけるS485の処理と、図17におけるS575の処理が、第1の報知手段に相当している。また、図15におけるS195の処理と、図16におけるS455の処理が、第2の禁止手段に相当し、図15におけるS185の処理と、図16におけるS465の処理が、第2の報知手段に相当している。
一方、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常を検出するための判定値Vth4,Vth6は、スタータモータ17以外の電気負荷が動作した場合に落ち込む電圧レベルよりも低い電圧で、且つ、オン状態固着異常を検出するための判定値Vth3,Vth5よりも高い電圧に設定しておけば良い。このように設定すれば、バッテリ電圧VBがスタータモータ17以外の電気負荷の作動によって低下したとしても、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常を正しく判定することができる。
また、判定値Vth4,Vth6は、バッテリ15や電気負荷の状態等に応じて可変設定することができる。同様に、判定値Vth3,Vth5も、バッテリ15の状態、モータ17への突入電流の抑制量、エンジンやスタータ13(モータ17)の温度、エンジンオイルの粘性や温度、エンジン負荷等に応じて、可変設定することができる。また、Vth3とVth5は同じ値であってもよい。
[第6実施形態]
第6実施形態では、第5実施形態と比較すると、ECU11のマイコン41が、図16の処理(エンジン運転中診断処理、アイドルストップ中診断処理)に代えて、図18の処理を実行する点が異なっている。
そして、図18の処理は、図17の再始動時診断処理と下記の点で異なるものである。
まず、S525に代わるS527では、トランジスタ52をオフして、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない状態にする。エンジンをクランキングさせないためである。
そして、S595に代わるS597では、この時点で診断が終了しているため、トランジスタ51をオフして電磁スイッチ19をオフすると共に、トランジスタ群28aもオフさせる。
また、図18の処理では、モータ17を空回りさせるため、S545の判定では、クランキングを実施した時用の判定値Vth3(図13参照)に代えて、モータ17を空回りさせた時用の判定値Vth5(図14参照)を用い、S547の判定では、クランキングを実施した時用の判定値Vth4(図13参照)に代えて、モータ17を空回りさせた時用の判定値Vth6(図14参照)を用いる。但し、図13,図14の例では、「Vth4=Vth6」であるため、S547は、図17と図18とで実質的に同じである。
そして、このような図18の処理を、エンジン運転中診断処理と、アイドルストップ中診断処理との、一方又は両方として実行しても、トランジスタ群28aのオフ状態固着異常とオン状態固着異常とを、エンジンの再始動前に区別して検出することができる。
また、この図18の処理も、車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うようにすれば、モータ17の作動音を目立たなくすることができるため好ましい。
[他の実施形態:その1]
上記各実施形態では、ICRリレー27又はトランジスタ群28aの異常を、それよりも上流側の通電経路の電圧であるバッテリ電圧VBに基づいて検出したが、例えば、ICRリレー27又はトランジスタ群28aと、電磁スイッチ19との間の通電経路の電圧(以下、Vxと記す)に基づいて、ICRリレー27又はトランジスタ群28aの異常を検出するように構成することもできる。
第1実施形態を例に挙げて説明すると、ICRリレー27が抵抗側の場合と接点側の場合とでは、モータ17に流れる電流が違うことから、電圧Vxにも差が生じる。
このため、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合の電圧Vxの範囲をH1とし、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合の電圧Vxの範囲をH2とすると、図6のS140と図7のS340では、電圧Vxをモニタして、その電圧Vxが範囲H2に入っていないと判定するか、あるいは、範囲H1に入っていると判定したなら、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判断することができる。また、図7のS400と図8のS540においても、電圧Vxをモニタして、その電圧Vxが範囲H1に入っていないと判定するか、あるいは、範囲H2に入っていると判定したなら、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判断することができる。そして、このような変形は、トランジスタ群28aの異常検出についても同様に適用できる。
[他の実施形態:その2]
上記各実施形態では、電圧の値によって異常を検出したが、電圧の変化速度を用いて異常を検出しても良い。
第1実施形態の変形例として具体的に説明する。
まず、図4のように、ICRリレー27を抵抗側にしてモータ17に通電した場合のバッテリ電圧(一点鎖線)の変化速度(この場合、降下速度)は、ICRリレー27を接点側にしてモータ17に通電した場合のバッテリ電圧(実線)の変化速度よりも小さい。
このため、ICRリレー27の異常検出用の閾値(電圧の変化速度)を、ICRリレー27が抵抗側である場合に想定される変化速度よりも大きく、且つ、ICRリレー27が接点側である場合に想定される変化速度よりも小さい値、つまり、抵抗側の場合の変化速度と接点側の場合の電圧速度との間に設定する。
そして、エンジン再始動時の診断処理である図8のS540では、モータ17への通電を開始してからモニタ電圧Vmが下限ピークに至るまでの、該モニタ電圧Vmの変化速度(降下速度)を検出し、その変化速度と上記閾値とを比較して、モニタ電圧Vmの変化速度が閾値以上であれば、ICRリレー27に接点側固着異常が生じていると判定する。
また、エンジン初回始動時の診断処理である図6のS140においても、モータ17への通電を開始してからモニタ電圧Vmが下限ピークに至るまでの、該モニタ電圧Vmの変化速度(降下速度)を検出し、その変化速度と上記閾値とを比較して、モニタ電圧Vmの変化速度が閾値未満であれば、ICRリレー27に抵抗側固着異常が生じていると判定する。
[その他]
第5実施形態のようにトランジスタ群28aのスイッチング制御によって、クランキング時のモータ17への電流を制限する場合、図19に示すように、スイッチング制御のデューティ比(オン時間とオフ時間との合計である1周期時間に対するオン時間の割合)を変えることで、モータ17への電流を抑制する度合い(電流抑制量)を変えることができる。
尚、図19(A)は、トランジスタ群28aのスイッチング制御を行う突入電流抑制期間において、デューティ比を小さくすることにより、モータ17への突入電流の抑制量を大きくして、バッテリ電圧の低下をより抑えるようにした例である。また、図19(B)は、突入電流抑制期間において、デューティ比を大きくすることにより、モータ17への突入電流の抑制量を少なくした例である。また、図19における一点鎖線の波形は、図13における一点鎖線と同様に、トランジスタ群28aをモータ17への通電開始時から全オン制御した場合の電圧波形である。
そして、例えばバッテリ15の充電状態(充電量の大きさ)に応じて、充電量が小さければ、突入電流の抑制量を大きくして(デューティ比を小さくして)、バッテリ電圧の降下を一層防ぎ、充電量が大きければ、突入電流の抑制量を小さくしてエンジンの始動性を向上させる、といった調節を行うことも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、電磁スイッチ19を、リレー31を介さずに直接駆動するように構成しても良く、同様に、ピニオン作動用ソレノイド23を、リレー33を介さずに直接駆動するように構成しても良い。
また、ICRリレー27は、コイル27aへの通電によって接点側になる(接点27b,27cが短絡する)タイプのものでも良い。
また、ICRリレー27が電磁スイッチ19とモータ17との間の通電経路に配置される構成でも良い。
また、上記第1実施形態では、抵抗側固着異常を判定するための判定値と、接点側固着異常を判定するための判定値とを、同じ値に設定したが、両異常の各判定値は、異なる値に設定しても良い。つまり、図6のS140で用いる判定値VthcRと、図8のS540で用いる判定値VthcPとを、異なる値に設定しても良く、同様に、図7のS340で用いる判定値VthiRと、図7のS400で用いる判定値VthiPとを、異なる値に設定しても良い。
一方、アイドルストップ制御手段としての機能を、マイコン41とは別のマイコンに持たせたり、ECU11とは別のECUに持たせたりした構成でも良い。
例えば、第1実施形態において、後者の場合には、ECU11とは別のECUが、エンジンの運転中において、自動停止条件が成立したか否かを判定し、自動停止条件が成立したと判定すると、エンジンを自動的に停止させると共に、アイドルストップ状態になったことを示す状態情報をECU11に通知し、その後、自動始動条件が成立したか否かを判定して、自動始動条件が成立したと判定すると、ECU11に対して、エンジンの再始動指令を行い、ECU11では、マイコン41が、上記状態情報から、エンジンの運転中とアイドルストップ中とを認識して図7の処理を行い、また、上記再始動指令を受けると図8の処理を行う、というように構成することができる。
図7、図16、図18の処理を実施するタイミングとしては、車々間通信・路車間通信によってアイドルストップ機能を有する先行車両の自動停止条件が成立した場合としても良い。この場合、エンジンを運転中において一定時間毎に図7、図16、図18の処理を行う場合に比べて、処理頻度を減らすことができる。
図7、図16、図18の処理を実施するタイミングとしては、路車間通信によって入手した前方の信号機の情報、踏み切りの情報に基づき、自車両に所定時間以上の停車が予想されるとき、としても良い。
図7、図16、図18の処理は、車両の周辺環境(例えば住宅街か否か、騒音レベルが高いか否か)、時刻(夜間か否か)に基づいて、実施しないようにしても良い。
図7、図16、図18の処理は、乗員がスイッチ等でアイドルストップを禁止している場合には、実施しないことが望ましい。
図7、図16、図18の処理を自動停止条件が成立した時にのみ行うようにしても良い。この場合、図7、図16、図18の処理に伴うモータ17の作動音をもって、乗員にまもなくアイドルストップが行われる可能性がある旨を報知することもできる。
11…ECU(電子制御装置)、13,14,16…スタータ、15…バッテリ、17…モータ、19…電磁スイッチ、21…ピニオンギヤ、23…ピニオン作動用ソレノイド、25…リングギヤ、27…ICRリレー、27a…コイル、27b,27c…接点、27d,28c…抵抗体(電流抑制抵抗)、28…電流抑制用回路、28a…トランジスタ群、28b…昇圧回路、31,33…リレー、41…マイコン、43…入力回路、45,45…抵抗、49…コンデンサ、51〜53…トランジスタ、Tm…電圧モニタ端子

Claims (34)

  1. 車両のエンジンをモータの回転力でクランキングするスタータと、
    電源から前記スタータのモータへの通電経路に設けられ、該通電経路を連通するオン状態と、該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるスイッチ手段と、
    前記通電経路において前記スイッチ手段に対し直列に設けられ、前記モータに流す電流を抑制する状態である第1状態と、前記モータに流す電流を抑制しない状態である第2状態とに駆動される突入電流抑制用手段と、
    所定の自動停止条件が成立すると前記エンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させるアイドルストップ制御手段と、
    を備えた車両に用いられ、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを再始動させる場合に、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために前記モータに通電する通電処理として、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、所定時間後に前記突入電流抑制用手段を前記第1状態から前記第2状態となるように駆動する再始動時通電処理を行うスタータ制御装置であって、
    前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合の前記通電経路の電圧に基づいて、前記突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じていることを検出する異常検出手段を備え
    前記突入電流抑制用手段は、
    前記第1状態として、前記通電経路に抵抗体を直列に挿入する状態となり、前記第2状態として、前記通電経路に前記抵抗体を挿入しない状態となるものであって、前記第1状態と前記第2状態とに択一的に駆動されるものであり、
    前記異常検出手段は、
    前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合の前記電源の出力電圧に基づいて、前記突入電流抑制用手段に状態切り替え不能な固着異常が生じていることを検出すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  2. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    前記突入電流抑制用手段が前記第1状態となるように駆動され、且つ、前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合に、前記電源の出力電圧が所定の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  3. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記スタータは、前記モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、前記エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、前記エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、前記モータへの通電/非通電に拘わらず、前記リングギヤに噛み合う状態と、前記リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものであり、
    前記異常検出手段は、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にすると共に、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、その場合に前記電源の出力電圧が第1の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、前記出力電圧が前記第1の第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定する非始動時第2状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  4. 請求項又は請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記再始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合に、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2の第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定する再始動時第2状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  5. 請求項ないし請求項の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止する第1の禁止手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  6. 請求項ないし請求項の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を前記車両の運転者に報知する第1の報知手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  7. 請求項ないし請求項の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    前記突入電流抑制用手段が前記第2状態となるように駆動され、且つ、前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合に、前記電源の出力電圧が所定の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第1状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  8. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記スタータは、前記モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、前記エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、前記エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、前記モータへの通電/非通電に拘わらず、前記リングギヤに噛み合う状態と、前記リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものであり、
    前記異常検出手段は、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にすると共に、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、その場合に前記電源の出力電圧が第1の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、前記出力電圧が前記第1の第1状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定する非始動時第1状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  9. 請求項又は請求項に記載のスタータ制御装置において、
    当該スタータ制御装置は、前記車両の運転者の始動用操作に応じて前記エンジンを始動させる場合に、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために前記モータに通電する通電処理として、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動する初回始動時通電処理を行うようになっており、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が前記初回始動時通電処理を行う場合に、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2の第1状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定する初回始動時第1状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  10. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が前記初回始動時通電処理を行う場合に、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定したならば、今回の前記初回始動時通電処理による前記モータへの通電時間を所定時間に制限すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  11. 請求項ないし請求項10の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止する第2の禁止手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  12. 請求項ないし請求項11の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を前記車両の運転者に報知する第2の報知手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  13. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    当該スタータ制御装置は、前記再始動時通電処理により前記モータに通電する際には、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合う状態にし、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記再始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合に、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2の第2状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2の第2状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定する再始動時第2状態固着異常検出処理を行い、
    更に、前記第2の第2状態固着判定値は、前記第1の第2状態固着判定値よりも小さい値に設定されていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  14. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    当該スタータ制御装置は、前記車両の運転者の始動用操作に応じて前記エンジンを始動させる場合に、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合う状態にすると共に、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために前記モータに通電する通電処理として、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動する初回始動時通電処理を行うようになっており、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が前記初回始動時通電処理を行う場合に、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2の第1状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2の第1状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定する初回始動時第1状態固着異常検出処理を行い、
    更に、前記第2の第1状態固着判定値は、前記第1の第1状態固着判定値よりも小さい値に設定されていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  15. 請求項又は請求項13に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記非始動時第2状態固着異常検出処理を、前記車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  16. 請求項又は請求項14に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記非始動時第1状態固着異常検出処理を、前記車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  17. 車両のエンジンをモータの回転力でクランキングするスタータと、
    電源から前記スタータのモータへの通電経路に設けられ、該通電経路を連通するオン状態と、該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるスイッチ手段と、
    前記通電経路において前記スイッチ手段に対し直列に設けられ、前記モータに流す電流を抑制する状態である第1状態と、前記モータに流す電流を抑制しない状態である第2状態とに駆動される突入電流抑制用手段と、
    所定の自動停止条件が成立すると前記エンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させるアイドルストップ制御手段と、
    を備えた車両に用いられ、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを再始動させる場合に、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために前記モータに通電する通電処理として、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、所定時間後に前記突入電流抑制用手段を前記第1状態から前記第2状態となるように駆動する再始動時通電処理を行うスタータ制御装置であって、
    前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合の前記通電経路の電圧に基づいて、前記突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じていることを検出する異常検出手段を備え、
    前記突入電流抑制用手段は、
    前記通電経路に設けられたスイッチング素子であって、オンとオフとに交互に切り替えるスイッチング制御の駆動が行われることで前記第1状態になり、オン状態を継続する駆動が行われることで前記第2状態になるスイッチング素子であり、
    前記異常検出手段は、
    前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合の前記電源の出力電圧に基づいて、前記突入電流抑制用手段に制御不能な異常が生じていることを検出すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  18. 請求項17に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    前記突入電流抑制用手段が前記第1状態又はオフ状態となるように駆動され、且つ、前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合に、前記電源の出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記オン状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  19. 請求項18に記載のスタータ制御装置において、
    前記スタータは、前記モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、前記エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、前記エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、前記モータへの通電/非通電に拘わらず、前記リングギヤに噛み合う状態と、前記リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものであり、
    前記異常検出手段は、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にすると共に、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態又はオフ状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、その場合に前記電源の出力電圧が第1のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、前記出力電圧が前記第1のオン状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する非始動時オン状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  20. 請求項18又は請求項19に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記再始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合に、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2のオン状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する再始動時オン状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  21. 請求項18ないし請求項20の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止する第1の禁止手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  22. 請求項18ないし請求項21の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を前記車両の運転者に報知する第1の報知手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  23. 請求項17ないし請求項22の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    前記突入電流抑制用手段が前記第2状態となるように駆動され、且つ、前記スイッチ手段が前記オン状態となるように駆動された場合に、前記電源の出力電圧が所定のオフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記オフ状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  24. 請求項23に記載のスタータ制御装置において、
    前記スタータは、前記モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、前記エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、前記エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、前記モータへの通電/非通電に拘わらず、前記リングギヤに噛み合う状態と、前記リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものであり、
    前記異常検出手段は、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にすると共に、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、その場合に前記電源の出力電圧が前記オフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定して、前記出力電圧が前記オフ状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する非始動時オフ状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  25. 請求項23又は請求項24に記載のスタータ制御装置において、
    当該スタータ制御装置は、前記車両の運転者の始動用操作に応じて前記エンジンを始動させる場合に、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために前記モータに通電する通電処理として、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動する初回始動時通電処理を行うようになっており、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が前記初回始動時通電処理を行う場合に、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が前記オフ状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記オフ状態固着判定値よりも低くならなければ、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定する初回始動時オフ状態固着異常検出処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  26. 請求項23ないし請求項25の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止する第2の禁止手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  27. 請求項23ないし請求項26の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段により、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定された場合に、その旨を前記車両の運転者に報知する第2の報知手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  28. 請求項19に記載のスタータ制御装置において、
    当該スタータ制御装置は、前記再始動時通電処理により前記モータに通電する際には、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合う状態にし、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記再始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合に、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていることを検出するための処理として、前記電源の出力電圧が第2のオン状態固着判定値よりも低くなったか否かを判定し、前記出力電圧が前記第2のオン状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定する再始動時オン状態固着異常検出処理を行い、
    更に、前記第2のオン状態固着判定値は、前記第1のオン状態固着判定値よりも小さい値に設定されていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  29. 請求項19又は請求項28に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記非始動時オン状態固着異常検出処理を、前記車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  30. 請求項24に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記非始動時オフ状態固着異常検出処理を、前記車両の走行速度が0よりも大きい場合に行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  31. 請求項17に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記再始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合に、前記電源の出力電圧をモニタして、前記出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定し、前記出力電圧が前記オン状態固着判定値よりも高い値のオフ状態固着判定値より低くならなければ、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  32. 請求項17に記載のスタータ制御装置において、
    前記スタータは、前記モータにより回転駆動されるピニオンギヤであって、前記エンジンのリングギヤに噛み合った状態で回転駆動されることで、前記エンジンをクランキングするピニオンギヤを備えていると共に、そのピニオンギヤを、前記モータへの通電/非通電に拘わらず、前記リングギヤに噛み合う状態と、前記リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものであり、
    前記異常検出手段は、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させる前の該エンジンの運転中と、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中との、一方又は両方において、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にすると共に、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動し、その場合に、前記電源の出力電圧をモニタして、前記出力電圧が所定のオン状態固着判定値よりも低くなれば、前記突入電流抑制用手段にオン状態のままの固着異常が生じていると判定し、前記出力電圧が前記オン状態固着判定値よりも高い値のオフ状態固着判定値より低くならなければ、前記突入電流抑制用手段にオフ状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  33. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記再始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第1状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合の、前記出力電圧の変化速度を検出し、該変化速度が所定値以上であれば、前記突入電流抑制用手段に前記第2状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  34. 請求項に記載のスタータ制御装置において、
    当該スタータ制御装置は、前記車両の運転者の始動用操作に応じて前記エンジンを始動させる場合に、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために前記モータに通電する通電処理として、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動する初回始動時通電処理を行うようになっており、
    前記異常検出手段は、
    当該スタータ制御装置が、前記初回始動時通電処理を行うことで、前記突入電流抑制用手段を前記第2状態となるように駆動し、且つ、前記スイッチ手段を前記オン状態となるように駆動した場合の、前記出力電圧の変化速度を検出し、該変化速度が所定値未満であれば、前記突入電流抑制用手段に前記第1状態のままの固着異常が生じていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
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