JP2005069071A - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関の一時停止後に確実に内燃機関を再始動することが可能な内燃機関の始動装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関1を始動させる始動手段4と、前記始動手段の動力を前記内燃機関のクランク軸3へ伝達する伝達手段8と、前記伝達手段の動力伝達経路中に配置され、前記始動手段から前記クランク軸への動力伝達は許容し、前記クランク軸から前記始動手段への動力伝達は阻止するクラッチ手段12と、を備えた内燃機関の始動装置において、前記内燃機関の運転中に前記始動手段を動作させて前記始動装置の異常の有無を診断する診断手段15を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、始動モータからクランク軸への動力伝達は許容し、クランク軸から始動モータへの動力伝達は阻止する一方向クラッチを有する内燃機関の始動装置に関する。
所定の停止条件でエンジンを自動停止し、所定の再始動条件でエンジンを再始動する車両に適用されて、エンジンを再始動する際の始動性の変化を検出し、始動性の悪化が生じた場合はエンジンの自動停止・再始動の実行を、禁止を含めて規制するエンジン停止制御装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜5が存在する。
特開平11−351004号公報 特開2003−148314号公報 特開平11−257117号公報 実開平6−34147号公報 特開平8−193564号公報
従来の装置では、内燃機関の始動時に始動モータ等の始動装置の異常を診断しているため、異常が検出された時点ではすでに内燃機関の始動が不可能となっていることがある。
そこで、本発明は、内燃機関の一時停止後に確実に内燃機関を再始動することが可能な内燃機関の始動装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の始動装置は、内燃機関を始動させる始動手段と、前記始動手段の動力を前記内燃機関のクランク軸へ伝達する伝達手段と、前記伝達手段の動力伝達経路中に配置され、前記始動手段から前記クランク軸への動力伝達は許容し、前記クランク軸から前記始動手段への動力伝達は阻止するクラッチ手段と、を備えた内燃機関の始動装置において、前記内燃機関の運転中に前記始動手段を動作させて前記始動装置の異常の有無を診断する診断手段を備えたことにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の内燃機関の始動装置によれば、内燃機関の運転中に異常の有無を診断するので、内燃機関の停止後に異常が判明するおそれがなく、再始動不可能な状態を事前に回避することができる。
本発明の始動装置において、前記内燃機関は、前記内燃機関の運転中において所定の条件が満たされたときに前記内燃機関の運転を停止させる運転停止手段を備え、前記診断手段は、前記所定の条件が満たされたときでかつ前記運転停止手段が運転を停止させる前に前記始動装置の異常の有無を診断してもよい(請求項2)。このような時期に異常の有無を診断することで、より確実に再始動不可能な状態を事前に回避することができる。
本発明の始動装置において、前記診断手段は、前記始動装置に異常が有ると診断した場合に、以降の前記運転停止手段による前記内燃機関の停止を禁止させてもよい(請求項3)。
このように内燃機関の停止を禁止させることで、再始動不可能な状態になることを回避することができる。
本発明の始動装置において、前記始動手段は、始動モータと前記始動モータへ電力を供給する蓄電器とを備えていてもよく(請求項4)、前記診断手段は、前記始動モータの動作中における前記蓄電器の電圧の変化に基づいて前記始動装置の異常の有無を診断してもよい(請求項5)。始動装置が正常な場合、始動モータの起動直後に蓄電器から始動モータへ流れる電流は停止していた始動モータを回転させるために始動モータが回転中に流れる電流よりも多く、始動モータの起動後は内燃機関が運転中であるため殆ど無負荷の状態で始動モータが回転するので始動モータへ流れる電流は徐々に少なくなる。蓄電器の電圧は始動モータへ流れる電流の変化に対応して変化する。従って、始動装置が正常な場合における蓄電器の電圧は、始動モータの起動直後に低下してその後徐々に上昇する変化を示す。そのため、蓄電器がこのような電圧の変化を示さなかった場合に始動装置に異常があると診断できる。また、一般に電圧計は電流計よりも安価であるため、電圧で異常の有無を診断することで製造コストが低減できる。
本発明の始動装置において、前記診断手段は、前記始動モータの動作中における前記蓄電器の電圧の時間的な変化特性に応じて異常の種類を判定してもよい(請求項6)。始動装置が正常な場合、始動モータ動作中の蓄電器の電圧の時間的な変化は上述したような状態を示す。
一方、例えば固着などにより始動モータが回転しない(ロックされている)場合、蓄電器から始動モータへは停止している始動モータを起動させるための電流が流れ続ける。そのため、蓄電器の電圧は、診断を開始した直後に低下してその後殆ど上昇しない変化を示す。また、例えば蓄電器と始動モータとを接続する経路が断線している場合は、蓄電器から始動モータへ電流が流れない。そのため、蓄電器の電圧は、診断開始後も診断開始前の電圧から殆ど低下しない。このように、異常の種類によりそれぞれ蓄電器の電圧の時間的な変化が異なるので、蓄電器の電圧の時間的な変化から、異常の種類を判定することができる。
本発明の始動装置は、前記蓄電器と前記始動モータとを接続する電力供給経路と並列に設けられ、前記蓄電器と前記始動モータとを電流調整用抵抗を介して接続して前記診断手段による診断時に使用される診断用電力供給経路を備えていてもよい(請求項7)。このように診断時に電流調整用抵抗のある診断用電力供給系を使用することで、始動モータへ流す電流が低減できる。この電流の低減によりモータブラシの磨耗を抑制することができるので、始動モータの耐久性を向上させることができる。また、蓄電器から始動モータへ電力を供給する経路が2系統になるので、断線等により一方が使用不可能になった場合でも、他方の電力供給経路で始動モータを動作させることができる。これにより、より確実に内燃機関を再始動することができる。
本発明の始動装置は、前記内燃機関が車両に搭載され、さらに前記診断手段が異常の有無を診断する条件が満たされた場合に前記車両の状態に応じて前記診断手段による診断を実施する必要があるか否かを判断する診断実施判定手段を備え、前記診断実施判定手段が診断を実施する必要がないと判断した場合、前記診断手段は診断しなくてもよい(請求項8)。このように車両の状態に応じて異常診断を実施しないことにより、異常診断に使用されるエネルギが低減できる。なお、異常診断の必要がないと判断される車両の状態とは、例えば車両を駐車させて内燃機関をアイドリングさせている状態である。
本発明の始動装置は、前記車両は自動変速機とパーキングブレーキとを備え、前記診断実施判定手段は、前記自動変速機が駐車レンジである場合又は前記パーキングブレーキにより前記車両が駐車されている場合に診断を実施する必要がないと判断してもよい(請求項9)。自動変速機が駐車レンジである場合及びパーキングブレーキにより前記車両が駐車されている場合は、車両を駐車するという運転者の意図が明確に判断できる。従って、このような場合に異常診断をする必要がないと判断される。
本発明によれば、内燃機関の運転中に始動装置の異常の有無を診断するので、再始動不可能な状態になることを事前に回避することができる。そのため、内燃機関の一時停止後に確実に内燃機関を再始動することができる。また、異常がある場合は以降の内燃機関の停止を禁止させるので、より確実に再始動不可能な状態を事前に回避することができる。
図1に、本発明の一実施形態に係る始動装置が組み込まれた内燃機関の要部を示す。内燃機関1は、クランクケース2と、クランクケース2の内部に収容されたクランク軸3と、クランク軸3を回転させて内燃機関1を始動させる始動手段としての始動装置4と、を備えている。始動装置4は、始動モータ5と、始動モータ5へ電力供給経路6を介して電力を供給するバッテリ(蓄電器)7と、始動モータ5の動力をクランク軸3へ伝達する伝達手段としてのギヤ列8と、を備えている。電力供給経路6の経路中には、電力供給経路6を接続、遮断するリレー9が設けられている。ギヤ列8は、始動モータ5の出力軸に取り付けられたスタータギヤ10と、スタータギヤ10に噛み合うドリブンギヤ11と、ドリブンギヤ11とクラッチ手段としてのワンウェイクラッチ12を介して同軸的に設けられた中間ギヤ13と、中間ギヤ13と噛み合うようにしてクランク軸3に設けられたクランクギヤ14と、を備えている。ワンウェイクラッチ12は、ドリブンギヤ11から中間ギヤ13への動力伝達は許容し、中間ギヤ13からドリブンギヤ11への動力伝達は阻止する。
内燃機関1の運転状態は、エンジンコントロールユニット(ECU)15により制御される。ECU15は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置を組み合わせたコンピュータとして構成されている。ECU15は、例えば、所定の起動条件が満たされた場合にリレー9を動作させて始動モータ5を起動させ、内燃機関1を始動させる。また、ECU15は、例えば内燃機関1が所定の時間アイドル状態にあるときなどに所定の停止条件が満たされたと判断し、内燃機関1の運転を停止させる。このように機能することで、ECU15は運転停止手段として機能する。しかし、始動装置4が異常の場合は、内燃機関1を停止させると再始動不可能な状態になるおそれがある。そこで本発明では、ECU15が内燃機関1の運転中に図2の制御ルーチンを実行して始動装置4の異常の有無を診断する。
図2は、ECU15が実行する始動装置診断制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図2の制御ルーチンは、内燃機関1の運転を停止させる所定の停止条件が満たされた場合に実行される。ECU15は、図2の制御ルーチンを実行することにより診断手段及び診断実施判定手段として機能する。
図2の制御ルーチンにおいて、ECU15は、まずステップS11で始動装置の異常の有無を診断する必要があるか否かを判断する。診断が必要か否かは、例えば内燃機関1が自動変速機とパーキングブレーキとを備えた車両に搭載され、自動変速機が駐車レンジにある場合又はパーキングブレーキにより車両が駐車されている場合に診断が不要と判断される。
診断が必要であると判断した場合はステップS12へ進み、ECU15は、所定の時間始動モータ5を動作させ、その時のバッテリ7の電圧の時間的な変化を取得する。なお、この始動モータ5の動作時において内燃機関1は運転中である。そのため、クランク軸3は、内燃機関1のアイドリング回転数(例えば約600rpm)以上で回転している。一方、始動モータ5は、内燃機関1のアイドリング回転数よりも低い回転数(例えば約200rpm)で動作するため、ワンウェイクラッチ12が正常である場合は、始動モータ5を動作させてもワンウェイクラッチ12により始動モータ5の回転はクランク軸3へ伝達されることはない。従って、ワンウェイクラッチ12が正常である場合、診断時における始動モータ5は、スタータギヤ10からワンウェイクラッチ12までを回転させる。
次のステップS13においてECU15は、取得したバッテリ7の電圧の時間的な変化に基づいて始動装置4が正常か否かを判断する。図3(a)に、始動装置4が正常な場合にステップS12でECU15が取得するバッテリ7の電圧の時間的な変化の一例を示す。一方、始動装置4が異常の場合にECU15が取得するバッテリ7の電圧の時間的な変化の一例を図4(a)に示す。なお、図3(b)、(c)は、バッテリ7の電圧が図3(a)の変化を示した場合のバッテリ7の電流の時間変化と始動モータ5の回転数の時間変化とをそれぞれ示している。図4(b)は、バッテリ7の電圧が図4(a)の変化を示したときのバッテリ7の電流の時間変化を示している。
始動装置4が正常な場合、図3(b)に示したようにリレー9がオンの状態になり始動モータ5へ電力の供給が開始されると、バッテリ7から始動モータ5へ停止していた始動モータ5を起動させるための電流(起動電流)が流れる。この起動電流は、始動モータ5の特性により定まる。図5に、始動モータ5及びバッテリ7の特性を示す。図5において、Vはバッテリ7の電流と電圧との関係を、Rはバッテリ7の電流と始動モータ5の回転数との関係を、Tはバッテリ7の電流と始動モータ5のトルクとの関係を、それぞれ示している。
図5より明らかなように、始動モータ5へ電力の供給を開始した直後は、始動モータ5を停止状態から起動するためのトルクが必要となるので電流I(起動電流)が流れる。その後、始動モータ5は、スタータギヤ10からワンウェイクラッチ12までのみを回転させるので、殆ど無負荷で動作する。そのため、始動モータ5のトルクは低下し、また始動モータ5の回転数は上昇する。これにより、始動モータ5へ流れる電流は図5のIまで減少する。
このような始動モータ5及びバッテリ7の特性により、始動装置4が正常な場合、バッテリ7の電流の時間的な変化は図3(b)の変化を示す。従って、バッテリ7の電圧は、図5のVの関係に基づき、図3(a)のように、リレー9がオンされた時に図3(a)のA点まで低下し、その後図3(a)のB点まで上昇する変化を示す。また、始動モータ5の回転数は、図5のRの関係より図3(c)の変化を示す。
一方、例えば始動モータ5がロックされている場合は始動モータ5が回転しないので、図5に示したR及びTの関係より、バッテリ7の電流は電流Iから殆ど変化しない。そのため、バッテリ7の電圧は図4(a)のように、リレー9がオンされた時に図4(a)のA点まで低下し、その後図C点までしか上昇しない時間的な変化を示す。一方、この時のバッテリ7の電流は、図4(b)の時間的な変化を示す。また、例えば始動モータ5や電力供給経路6などが短絡している場合も始動モータ5へ電流が流れ続けるので、バッテリ7の電圧は図4の(a)の時間的な変化を示す。
図6に、内燃機関1の運転中に始動モータ5を動作させたときにECU15が取得するバッテリ7の電圧の時間的な変化の種々の例を示す。始動装置4が正常である場合、診断時におけるバッテリ7の電圧は、図3(a)の変化と同様に図6に実線で示したような時間的な変化を示す。そのため、バッテリ7の電圧が、図6の電圧範囲VにあるA点から電圧範囲VのB点へ変化(図6中の矢印Iの変化)した場合に、始動装置4は正常であると判断できる。
一方、バッテリ7の電圧がA点から同じ電圧範囲VのC点へ変化(図6中の矢印IIの変化)した場合は、図4(a)の変化と同じであるため、始動モータ5のロック故障か始動装置4の短絡故障と判断することができる。
リレー9をオンさせた時にバッテリ7の電圧がD点まで低下してからB点へ変化(図6中の矢印IIIの変化)した場合は、始動モータ5のブラシの劣化や磨耗などにより始動モータ5内部の電気抵抗が増加して電流が流れ難くなっているおそれがある。そのため、始動モータ5に、内燃機関1の始動に必要なトルクを発生させるための電流が流れない可能性がある。従って、始動装置4に異常が有ると判断する。
リレー9をオンさせた時にバッテリ7の電圧が電圧範囲VのE点までしか低下せず、その後同じ電圧範囲VのB点へ変化(図6中の矢印IVの変化)した場合、リレー9の故障や電力供給経路6の断線などにより、始動モータ5へ電流が流れていないおそれがある。また、ワンウェイクラッチ12が固着してクランク軸3の回転が始動モータ5へ伝達されている場合、始動モータ5へ電力を供給する前から始動モータ5は回転をしているので、図5のRの関係よりリレー9をオンさせた直後でも始動モータ5へ流れる電流は小さい。そのため、ワンウェイクラッチ12が固着している場合も、バッテリ7の電圧は図6の矢印IVの変化を示す。従って、図6の矢印IVに示した電圧の変化が取得された場合も、始動装置4に異常が有ると判断する。
始動モータ5へ電力の供給を開始した直後にバッテリ7の電圧がF点まで低下し、その後C点へ変化(図6中の矢印Vの変化)した場合は、電力供給経路6とアースとが短絡(地絡)している可能性がある。そのため、始動装置4に異常が有ると判断する。
なお、始動モータ5内の一部が短絡した場合も起動電流値以上に電流が流れてバッテリ7の電圧がF点まで低下する可能性がある。しかし、電圧がF点まで低下した後B点へ変化(図6中の矢印VIの変化)した場合は、始動モータ5が内燃機関1を始動するためのトルクを発生できると考えられるので、始動装置4は正常であると判断してよい。
このように、バッテリ7の電圧が図6の電圧範囲V以上から電圧範囲Vへの時間的な変化(矢印I又は矢印VIの変化)を示した場合に始動装置4は正常であると判断される。一方、バッテリ7の電圧が図6の矢印II〜Vに示したような変化であるバッテリ7の電圧が図6の電圧範囲V以上から電圧範囲Vへ変化した場合及び電圧範囲Vから電圧範囲Vへ変化した場合に、始動装置4に異常が有ると判断される。なお、ECU15は、この診断時に取得したバッテリ7の電圧の時間的な変化特性から、始動装置4の異常の種類の判定をすることもできる。
図2に戻って、始動装置診断制御ルーチンの説明を続ける。ステップS13で始動装置4が正常であると判断した場合及びステップS11で始動装置4の診断が不要と判断した場合、ステップS14へ進み、ECU15は内燃機関1の停止を許可する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、始動装置4に異常が有ると判断した場合はステップS15へ進み、ECU15は内燃機関1の停止を禁止する。続くステップS16では、インパネ内の異常ランプを点灯して運転者に始動装置4の故障を警告する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
以上に説明したように、本発明によれば、内燃機関1の運転中に始動装置4の異常の有無を診断し、始動装置4に異常が有ると判断した場合は以降の内燃機関1の運転の停止を禁止するので、再始動不可能な状態になることを事前に回避することができる。また、バッテリ7の電圧の時間的な変化特性から始動装置4の異常の種類を判定した場合は、ステップS16で異常ランプを点灯させた後、判定した異常の種類に応じて種々の処理をECU15に行わせてもよい。図2の制御ルーチンの実行は、所定の停止条件の成立時のみに限定されない。内燃機関1の運転中に所定の周期で繰り返し実行してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、図7に示したように電力供給経路6と並列に設けられ、バッテリ7と始動モータ5とを電流調整用抵抗16及び診断用リレー17を介して接続する第2の電力供給経路18を備えていてもよい。診断時に第2の電力供給経路18を介して始動モータ5へ電力を供給することにより、始動モータ5へ流す電流を低減することができる。このように始動モータ5へ流す電流を低減することにより、始動モータ5のブラシの磨耗を抑制して始動モータ5の耐久性を向上させることができる。また、バッテリ7から始動モータ5へ電力を供給する経路が二経路になるので、この二経路のうち一方の経路が断線などで故障した場合でも、他方の経路を使用して電力を供給することができる。これにより、より確実に内燃機関1を再始動できる。
本発明の一実施形態に係る始動装置が組み込まれた内燃機関の要部を示す図。 図1のECUが始動装置の異常を診断するために実行する制御ルーチンを示すフローチャート。 正常な始動装置を内燃機関の運転中に動作させた時のバッテリの電圧、電流及び始動モータの回転数の時間変化の一例を示す図。 異常のある始動装置を内燃機関の運転中に動作させた時のバッテリの電圧、電流及び始動モータの回転数の時間変化の一例を示す図。 図1の始動モータ及びバッテリの特性を示す図。 内燃機関の運転中に始動モータを動作させたときにECUが取得するバッテリの電圧の時間的な変化の種々の例を示す図。 バッテリと始動モータとを接続する電力供給経路の他の実施例を示す図。
符号の説明
1 内燃機関
3 クランク軸
4 始動装置(始動手段)
5 始動モータ
6 電力供給経路
7 バッテリ(蓄電器)
8 ギヤ列(伝達手段)
12 ワンウェイクラッチ(クラッチ手段)
15 エンジンコントロールユニット(診断手段、運転停止手段、診断実施判定手段)
16 電流調整用抵抗
18 第2の電力供給経路(診断用電力供給経路)

Claims (9)

  1. 内燃機関を始動させる始動手段と、前記始動手段の動力を前記内燃機関のクランク軸へ伝達する伝達手段と、前記伝達手段の動力伝達経路中に配置され、前記始動手段から前記クランク軸への動力伝達は許容し、前記クランク軸から前記始動手段への動力伝達は阻止するクラッチ手段と、を備えた内燃機関の始動装置において、
    前記内燃機関の運転中に前記始動手段を動作させて前記始動装置の異常の有無を診断する診断手段を備えたことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  2. 前記内燃機関は、前記内燃機関の運転中において所定の条件が満たされたときに前記内燃機関の運転を停止させる運転停止手段を備え、
    前記診断手段は、前記所定の条件が満たされたときでかつ前記運転停止手段が運転を停止させる前に前記始動装置の異常の有無を診断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動装置。
  3. 前記診断手段は、前記始動装置に異常が有ると診断した場合に、以降の前記運転停止手段による前記内燃機関の停止を禁止させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の始動装置。
  4. 前記始動手段は、始動モータと前記始動モータへ電力を供給する蓄電器とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の始動装置。
  5. 前記診断手段は、前記始動モータの動作中における前記蓄電器の電圧の変化に基づいて前記始動装置の異常の有無を診断することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の始動装置。
  6. 前記診断手段は、前記始動モータの動作中における前記蓄電器の電圧の時間的な変化特性に応じて異常の種類を判定することを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の始動装置。
  7. 前記蓄電器と前記始動モータとを接続する電力供給経路と並列に設けられ、前記蓄電器と前記始動モータとを電流調整用抵抗を介して接続して前記診断手段による診断時に使用される診断用電力供給経路を備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の始動装置。
  8. 前記内燃機関が車両に搭載され、さらに前記診断手段が異常の有無を診断する条件が満たされた場合に前記車両の状態に応じて前記診断手段による診断を実施する必要があるか否かを判断する診断実施判定手段を備え、
    前記診断実施判定手段が診断を実施する必要がないと判断した場合、前記診断手段は診断しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の始動装置。
  9. 前記車両は自動変速機とパーキングブレーキとを備え、前記診断実施判定手段は、前記自動変速機が駐車レンジである場合又は前記パーキングブレーキにより前記車両が駐車されている場合に診断を実施する必要がないと判断することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の始動装置。
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