JP2011179398A - スタータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピニオン制御用ソレノイドのコイルへの通電経路に生じた異常を簡単な構成で検出して適切な処置を行う。
【解決手段】アイドルストップ車両において、スタータ13には、モータ17に通電するための電磁スイッチ19と、ピニオンギヤ21をエンジンのリングギヤ25に噛み合わせるためのピニオン制御用ソレノイド23とが別々に設けられており、ソレノイド23のコイル23aにはバッテリ15からリレー33を介して通電される。そして、ECU11は、エンジンを始動させるときに、リレー33をオンさせ上記電磁スイッチ19もオンさせて、スタータ13にエンジンをクランキングさせる。更にECU11は、エンジンの運転中に、電磁スイッチ19はオフのままリレー33だけをオンさせ、リレー33とコイル23aとの間の通電経路の電圧Vmが所定値Vth2よりも低ければ、コイル23aへの通電経路が異常と判定してアイドルストップを禁止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジンを始動のためにクランキングするスタータの制御装置に関する。
近年、車両(自動車)においては、所定の停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させ、その後、所定の始動条件が成立するとエンジンを自動的に始動させるエンジン自動停止・始動システム(一般にはアイドルストップ(またはアイドリングストップ)システムと呼ばれる)を備えたものが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1には、スタータとして、モータにより回転駆動されるピニオンギヤを、そのモータへの通電/非通電とは独立して、エンジンのリングギヤに噛み合う状態と、リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたものが記載されている。尚、この種のスタータは、モータとピニオンギヤとの各々を独立して制御できることから、以下では、独立制御型スタータとも言う。そして、アイドルストップシステムを備えた車両(以下、アイドルストップ車両という)では、そのような独立制御型スタータが用いられることがある。
具体的に説明すると、ピニオンギヤは、エンジンのリングギヤに噛み合った状態でスタータモータ(スタータのモータ)により回転駆動されることで、エンジンのリングギヤを回転させて該エンジンをクランキングさせるものであるが、スタータモータへの通電/非通電を切り替えるためのリレーとは別に、ピニオンギヤを動かしてエンジンのリングギヤに噛み合わせるためのピニオン制御用ソレノイドと、そのピニオン制御用ソレノイドの上流側(詳しくは、ピニオン制御用ソレノイドのコイルの上流側)に設けられて、そのコイルへの通電/非通電を切り替えるピニオン制御用リレーとが備えられている。尚、電気分野では、ソレノイドのコイルのことを、ソレノイドと称する場合もあるが、本明細書では、メカトロニクス分野の呼び方をしており、コイル及び該コイルの電磁力によって作動する可能部分を含めたアクチュエータのことを、ソレノイドと称する。
そして、特許文献1では、アイドルストップシステムの機能によってエンジンが自動停止した後、ピニオン制御用リレーをオンしてピニオン制御用ソレノイドのコイルに通電することによりピニオンギヤをエンジンのリングギヤに噛み合わせ、エンジンを始動する際には、ピニオンギヤとリングギヤとが既に噛み合った状態で、スタータモータに通電してエンジンをクランキングするようにしている。このようにすることで、スタータのピニオンギヤとエンジンのリングギヤとの摩耗や、両者が噛み合う際の騒音や振動を低減している。特に、アイドルストップ車両では、走行中(車速が0の状態も含む)にエンジンの自動停止と自動始動とが行われるため、上記の摩耗や騒音、振動を低減するために、独立制御型スタータが採用される可能性が高い。
一方、特許文献2には、独立制御型ではないスタータに関して、モータを作動させるための電気回路における電気的接点の接触抵抗を測定して、スタータの故障を検出することが記載されている。
特開平11−30139号公報 特開2008−111343号公報
独立制御型スタータの場合、モータへの通電経路だけでなく、ピニオン制御用ソレノイドのコイルへの通電経路に異常が生じた場合にも、ピニオンギヤの位置切替(即ち、リングギヤに噛み合う状態とリングギヤに噛み合わない状態とに切り替えること)を実施することができないため、エンジンの始動に支障をきたすと考えられる。
しかし、引用文献1,2には、ピニオン制御用ソレノイドのコイルへの通電経路に生じた異常を検出する思想はなく、当然、そのような異常が生じた場合に何等かの処置を行う思想もない。
また、引用文献2の技術では、電気的接点の接触抵抗を測定することから、例えば、スタータ本体に抵抗を計測するための計測手段を設けなければならなかったり、その計測手段として高精度なものを用いなければならないことから、異常を検出するための構成が複雑になると考えられる。
そこで、本発明は、ピニオン制御用ソレノイドのコイルへの通電経路に生じた異常を簡単な構成で検出して適切な処置が行えるようにすることを目的としている。
請求項1のスタータ制御装置が用いられる車両は、その車両のエンジンをモータの回転力でクランキングするスタータと、モータ通電用スイッチ手段と、ピニオン制御用ソレノイドと、ピニオン制御用スイッチ手段と、アイドルストップ制御手段とを備えている。
ここで、スタータは、モータと、エンジンのリングギヤに噛み合った状態でモータにより回転駆動されることでエンジンをクランキングするピニオンギヤとを有しているが、そのピニオンギヤが、モータへの通電/非通電に拘わらず、リングギヤに噛み合う状態と、リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成された独立制御型スタータである。
そして、モータ通電用スイッチ手段は、電源からスタータのモータ(以下、スタータモータともいう)への通電経路に設けられて、該通電経路を連通するオン状態と該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるものである。
このため、モータ通電用スイッチ手段がオフ状態ならば、モータには電流が流れず、モータ通電用スイッチ手段をオン状態にすれば、モータに電流が流れて、該モータによりピニオンギヤが回転駆動されることとなる。
また、ピニオン制御用ソレノイドは、それのコイルの一端がグランドラインに接続されており、そのコイルの他端に電源の電圧(以下、電源電圧ともいう)が供給されて該コイルに通電されることで、スタータのピニオンギヤをリングギヤに噛み合う状態にし、そのコイルへの通電が停止されると、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にする。つまり、ピニオン制御用ソレノイドは、ピニオンギヤの位置切替を行うためのアクチュエータである。
そして、ピニオン制御用スイッチ手段は、電源から前記コイルの他端へ至る通電経路に設けられて、該通電経路を連通するオン状態と該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるものである。
このため、ピニオン制御用スイッチ手段がオフ状態ならば、ピニオン制御用ソレノイドのコイルに電流が流れず、ピニオンギヤはリングギヤに噛み合わない状態になる。そして、ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態にすれば、ピニオン制御用ソレノイドのコイルに電流が流れて、ピニオン制御用ソレノイドにより、ピニオンギヤはリングギヤに噛み合う状態にされる。よって、その状態でモータ通電用スイッチ手段をオン状態にすれば、モータの駆動力がピニオンギヤを介してリングギヤに伝達され、エンジンがクランキングされることとなる。
また、アイドルストップ制御手段は、所定の自動停止条件が成立するとエンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立するとエンジンを再始動させるものである。
そして、請求項1のスタータ制御装置は、制御手段を備えており、その制御手段は、車両の運転者の始動用操作に応じてエンジンを始動させる初回始動時と、アイドルストップ制御手段がエンジンを再始動させようとする再始動時との各々において、スタータにエンジンをクランキングさせるために、ピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段との両方をオン状態となるように駆動する。
ここで特に、請求項1のスタータ制御装置は、第1の異常検出手段を備えている。
その第1の異常検出手段は、エンジンの運転中において、ピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段とのうち、ピニオン制御用スイッチ手段だけをオン状態となるように駆動し、その状態で、ピニオン制御用スイッチ手段と前記コイルとの間の通電経路における特定地点の電圧Vmが所定の通電不能判定値よりも低いか否かを判定して、該電圧Vmが通電不能判定値よりも低いと判定したならば、コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する。
つまり、正常ならば、ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動することで、特定地点の電圧Vmは、ほぼ電源電圧にまで上昇するはずであるが、もし、特定地点の電圧Vmが通電不能判定値よりも低ければ、下記(f1)〜(f3)の何れかの異常が生じていると考えられる。
(f1)電源からピニオン制御用スイッチ手段までの経路と、ピニオン制御用スイッチ手段から特定地点までの経路との何れかが、断線している。
(f2)ピニオン制御用スイッチ手段から特定地点までの経路と、特定地点からコイルまでの経路との何れかが、グランドラインにショートしている。
(f3)ピニオン制御用スイッチ手段にオン状態とならない故障(オフ状態のままの開故障)が生じている。
そして、上記(f1)〜(f3)の何れの異常も、ピニオン制御用ソレノイドのコイルへの通電が不能となる異常(以下、通電不能異常ともいう)であるため、その異常が発生すると、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせることができず、その結果、スタータによるエンジンのクランキングが不能となり、延いてはエンジンの始動が不能となる。
そこで、第1の異常検出手段は、ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動している場合の特定地点の電圧Vmから、通電不能異常(上記(f1)〜(f3)の何れかの異常)が発生しているか否かを判定している。尚、通電不能判定値は、電源電圧よりも低くグランドラインの電位よりは高い電圧に設定しておけば良い。
そして、請求項1のスタータ制御装置は、第1の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止する。なぜなら、第1の異常検出手段によって検出される(発生していると判定される)異常が発生した場合には、スタータによるエンジンのクランキングが不能となるため、エンジンが停止されると、その後の再始動ができなくなり、車両が走行不能になるからである。
このような請求項1のスタータ制御装置によれば、エンジンの運転中であって、アイドルストップが実施される前に、コイルへの通電が不能になる通電経路異常を検出することができ、その異常を検出した場合に、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止することで、車両が走行不能になってしまうことを防止することができる。そして、通電経路の異常を、抵抗を計測するための計測手段を設けることなく、簡単な構成で検出することができる。
しかも、第1の異常検出手段は、ピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段とのうち、ピニオン制御用スイッチ手段だけをオン状態となるように駆動するため、エンジンの運転中における異常検出を、無駄なクランキングをしてしまうことなく実施することができる。
尚、エンジンの運転中において、ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態にすると、正常ならば、ピニオンギヤがリングギヤに噛み合うことから、ピニオンギヤは、モータではなく、リングギヤの回転力によって回されることとなる。しかし、一般にスタータにおいて、モータの駆動軸とピニオンギヤとの間には、周知のワンウェイクラッチが設けられており、モータが非通電の状態でピニオンギヤがリングギヤによって回されても、そのワンウェイクラッチの作用によりピニオンギヤは空回りするだけであり、モータがリングギヤによって回されてしまうことはない。
次に、請求項2のスタータ制御装置は、請求項1のスタータ制御装置において、第1の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、車両の運転者に対してエンジンを停止させないことを促す処理(以下、エンジン非停止を促す処理ともいう)を行う。なぜなら、第1の異常検出手段によって検出される異常が発生した場合には、前述したように、スタータによるエンジンのクランキングが不能となるため、運転者がエンジン停止用操作を行ってエンジンを停止させてしまうと、その後の始動用操作による始動(初回始動)ができなくなるからである。このため、エンジン非停止を促す処理を行うことで、車両が走行不能になってしまうことを未然に防止することができる。
尚、エンジン非停止を促す処理としては、例えば、エンジンを停止させないことを促す内容のメッセージを、表示装置に文章で表示したり、スピーカから音声で出力したりする処理や、エンジンの始動と停止を行うための操作部がプッシュボタンである車両ならば、そのプッシュボタンが通常よりも長い時間押され続けないとエンジンを停止しないようにする、といった処理でも良い。
次に、請求項3のスタータ制御装置は、請求項1,2のスタータ制御装置において、第2の異常検出手段を備えている。そして、その第2の異常検出手段は、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中において、ピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段とのうち、ピニオン制御用スイッチ手段だけをオン状態となるように駆動し、その状態で、ピニオン制御用スイッチ手段と前記コイルとの間の通電経路における前記特定地点の電圧Vmが通電不能判定値よりも低いか否かを判定して、該電圧Vmが通電不能判定値よりも低いと判定したならば、コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する。
このような第2の異常検出手段を設けることで、アイドルストップ中においても、不要なクランキングをしてしまうことなく、上記(f1)〜(f3)の何れかの異常を検出することができる。
次に、請求項4のスタータ制御装置は、請求項3のスタータ制御装置において、第2の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、車両のハザードランプを点滅させる。なぜなら、アイドルストップ中において、第2の異常検出手段により異常が発生していると判定された場合には、その後のエンジン再始動ができない可能性がある。このため、車両のハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対して注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
次に、請求項5のスタータ制御装置は、請求項1〜4のスタータ制御装置において、第3の異常検出手段を備えている。そして、その第3の異常検出手段は、前記再始動時において、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動している場合の前記特定地点の電圧Vmが通電不能判定値よりも低いか否かを判定し、該電圧Vmが通電不能判定値よりも低いと判定したならば、前記コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する。
つまり、第3の異常検出手段は、アイドルストップからのエンジン再始動時に、制御手段が、スタータにエンジンをクランキングさせるためにピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動している状況で、特定地点の電圧Vmに基づき異常の有無を判定している。
そして、このような第3の異常検出手段を設けることで、アイドルストップからのエンジン再始動時においても、上記(f1)〜(f3)の何れかの異常を検出することができる。
次に、請求項6のスタータ制御装置は、請求項5のスタータ制御装置において、第3の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、車両のハザードランプを点滅させる。なぜなら、アイドルストップからのエンジン再始動時において、第3の異常検出手段により異常が発生していると判定された場合には、エンジンの再始動ができない可能性がある。このため、車両のハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対して注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
次に、請求項7のスタータ制御装置は、請求項5,6のスタータ制御装置において、第3の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、制御手段がモータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間(即ち、モータへの通電時間)を所定時間に制限する。なぜなら、アイドルストップからのエンジン再始動時において、第3の異常検出手段により異常が発生していると判定された場合には、スタータのピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせることができないことから、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段とをオン状態となるように駆動してもモータが空回りするだけでエンジンがかからない状態に陥ることとなり、その状態が長く続くとモータの故障(モータコイルの焼損等)を招く可能性がある。そこで、モータへの通電時間を所定時間に制限することにより、モータの故障を防止することができる。
次に、請求項8のスタータ制御装置は、請求項1〜7のスタータ制御装置において、第4の異常検出手段を備えている。そして、その第4の異常検出手段は、前記初回始動時において、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動している場合の前記特定地点の電圧Vmが通電不能判定値よりも低いか否かを判定し、該電圧Vmが通電不能判定値よりも低いと判定したならば、前記コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する。
つまり、第4の異常検出手段は、運転者の始動用操作に応じてエンジンを始動させる初回始動時に、制御手段が、スタータにエンジンをクランキングさせるためにピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動している状況で、特定地点の電圧Vmに基づき異常の有無を判定している。
そして、このような第4の異常検出手段を設けることで、エンジンの初回始動時においても、上記(f1)〜(f3)の何れかの異常を検出することができる。
次に、請求項9のスタータ制御装置は、請求項8のスタータ制御装置において、第4の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、制御手段がモータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間を所定時間に制限する。なぜなら、エンジンの初回始動時において、第4の異常検出手段により異常が発生していると判定された場合には、スタータのピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせることができないことから、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段とをオン状態となるように駆動してもモータが空回りするだけでエンジンがかからない状態に陥ることとなり、その状態が長く続くとモータの故障(モータコイルの焼損等)を招く可能性がある。そこで、モータへの通電時間を所定時間に制限することにより、モータの故障を防止することができる。
次に、請求項10のスタータ制御装置は、請求項1〜9のスタータ制御装置において、通電解除不能異常検出手段を備えている。そして、その通電解除不能異常検出手段は、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオフ状態となるように駆動している場合の前記特定地点の電圧Vmが所定の通電固着判定値よりも高いか否かを判定し、該電圧Vmが通電固着判定値よりも高いと判定したならば、前記コイルに通電したままの異常が発生していると判定する。
つまり、正常ならば、ピニオン制御用スイッチ手段をオフ状態となるように駆動することで、特定地点の電圧Vmは、ほぼグランドラインの電位になるはずであるが、もし、特定地点の電圧Vmが通電固着判定値よりも高ければ、下記(f4)又は(f5)の異常が生じていると考えられる。
(f4)ピニオン制御用スイッチ手段から特定地点までの経路と、特定地点からコイルまでの経路との何れかが、電源電圧にショートしている。
(f5)ピニオン制御用スイッチ手段にオフ状態とならない故障(オン状態のままの閉故障)が生じている。
そして、上記(f4),(f5)の何れの異常も、ピニオン制御用ソレノイドのコイルに通電したままの異常(以下、通電解除不能異常ともいう)であるため、その異常が発生すると、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わない状態にすることができない。つまり、ピニオンギヤがリングギヤに噛み合ったままとなる。
そこで、通電解除不能異常検出手段は、ピニオン制御用スイッチ手段がオフ状態となるように駆動されている場合の特定地点の電圧Vmから、通電解除不能異常(上記(f4)又は(f5)の異常)が発生しているか否かを判定している。尚、通電固着判定値は、電源電圧よりも低くグランドラインの電位よりは高い電圧に設定しておけば良い。
そして、このような通電解除不能異常検出手段を設けることで、通電解除不能異常も検出することができるようになる。
次に、請求項11のスタータ制御装置は、請求項10のスタータ制御装置において、エンジンの運転中において、通電解除不能異常検出手段を作動させ、該通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止する。なぜなら、通電解除不能異常が長く続くと、コイルが焼損する可能性があり、コイルが焼損してしまうと、今度は、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わすことができなくなって、エンジンの始動が不能となる。このため、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止することで、車両が走行不能になってしまうことを未然に防止することができる。
次に、請求項12のスタータ制御装置は、請求項11のスタータ制御装置において、エンジンの運転中において通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、エンジンの回転数を制限する処理を行う。なぜなら、通電解除不能異常が生じている場合、ピニオンギヤがリングギヤに噛み合ったままになり、エンジンの運転中においては、ピニオンギヤがリングギヤによって回され続けることとなる。そして、エンジンの回転数が高くなると、ピニオンギヤが摩耗したり前述のワンウェイクラッチが劣化したりする可能性がある。このため、エンジンの回転数を制限することで、スタータの構成部品が摩耗したり劣化したりするのを抑制することができる。
尚、エンジンの回転数を制限する処理としては、例えば、ある回転数になったら燃料噴射を停止するという燃料カットの処理や、自動変速機の変速比を小さくする処理が考えられる。
次に、請求項13のスタータ制御装置は、請求項12のスタータ制御装置において、エンジンの回転数を制限する処理を行うことに加えて、車両のハザードランプを点滅させる。なぜなら、エンジンの回転数を制限すると、車両の走行速度も制限されるため、交通の流れに乗れない可能性がある。このため、車両のハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対して注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
次に、請求項14のスタータ制御装置は、請求項11〜13のスタータ制御装置において、エンジンの運転中において通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、車両の運転者に対してエンジンを停止させないことを促す処理(エンジン非停止を促す処理)を行う。なぜなら、前述したように、通電解除不能異常が長く続くと、コイルが焼損する可能性があり、そうなると、エンジンの始動が不能となる。このため、エンジン非停止を促す処理を行うことで、車両が走行不能になってしまうことを未然に防止することができる。
次に、請求項15のスタータ制御装置は、請求項10〜14のスタータ制御装置において、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中において、通電解除不能異常検出手段を作動させ、該通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、エンジンを始動させる処理を行う。
つまり、アイドルストップ中に通電解除不能異常検出手段を作動させて、通電解除不能異常を検出したならば、その時点で自動始動条件が成立していなくても、エンジンを再始動させるようにしている。なぜなら、前述したように、通電解除不能異常が長く続くと、コイルが焼損してエンジンの始動ができなくなる可能性があるため、コイルが焼損してしまう前にエンジンを再始動させることで、車両が走行不能になってしまうことを防止することができる。
尚、エンジンを始動させる処理としては、ピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段との両方をオン状態となるように駆動する処理を行えば良い。また、この場合、ピニオン制御用ソレノイドのコイルには、ピニオン制御用スイッチ手段の駆動に拘わらず、電流が流れたままになっているはずなので、エンジンを始動させる処理としては、モータ通電用スイッチ手段だけをオン状態となるように駆動する処理でも良い。
次に、請求項16のスタータ制御装置は、請求項10〜15のスタータ制御装置において、前記初回始動時と前記再始動時との両方又は一方において、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に、通電解除不能異常検出手段を作動させる。そして、このようにすれば、エンジンの初回始動時と再始動時との両方又は一方においても、通電解除不能異常を検出することができるようになる。
次に、請求項17のスタータ制御装置は、請求項10〜16のスタータ制御装置において、通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定された場合に、車両の運転者に対してエンジンの回転数を上げないことを促す処理を行う。なぜなら、通電解除不能異常が生じている場合、ピニオンギヤがリングギヤに噛み合ったままになるため、エンジンの回転数が高くなると、ピニオンギヤが摩耗したり前述のワンウェイクラッチが劣化したりする可能性がある。このため、運転者に対してエンジンの回転数を上げないことを促すことで、スタータの構成部品が摩耗したり劣化したりするのを抑制することができる。
尚、エンジンの回転数を上げないことを促す処理としては、例えば、エンジンの回転数を上げないことを促す内容のメッセージを、表示装置に文章で表示したり、スピーカから音声で出力したりする処理や、タコメータのレッドゾーンを可変表示可能な車両ならば、タコメータに表示するレッドゾーンを低い回転数領域にまで拡張する(つまり、表示する最高許容回転数を下げる)、といった処理でも良い。
次に、請求項18のスタータ制御装置は、請求項1〜17のスタータ制御装置において、中間電圧発生手段と断線検出手段とを備えている。
中間電圧発生手段は、当該スタータ制御装置の端子のうち、前記特定地点の電圧Vmを入力するための入力端子に接続され、ピニオン制御用スイッチ手段がオフ状態で、且つ、前記特定地点から前記コイルを介してグランドラインへ至るまでの経路(以下、特定地点より下流側の経路ともいう)が断線している場合の、前記入力端子の電圧を、電源電圧よりも低く且つグランドラインの電位よりも高い所定の中間電圧にする。
そして、断線検出手段は、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオフ状態となるように駆動している場合の前記入力端子の電圧(=特定地点の電圧)Vmが前記中間電圧であるか否かを判定し、該電圧Vmが中間電圧であると判定したならば、前記特定地点より下流側の経路に断線が発生していると判定する。
尚、特定地点より下流側の経路に断線が発生している場合でも、各部の電気的特性のばらつきにより、入力端子の電圧Vmが中間電圧と完全に一致することは希である。このため、入力端子の電圧Vmが中間電圧であるか否かを判定する処理としては、実際には、入力端子の電圧Vmが、中間電圧を含む所定範囲に入っているか否かを判定する処理で良い。つまり、電圧Vmが、中間電圧を含む所定範囲に入っていれば、中間電圧であると判定すれば良い。
このような中間電圧発生手段と断線検出手段を設けることで、特定地点より下流側の経路における断線も検出することができるようになる。特に、特定地点より下流側の経路に断線が発生しても、コイルへの通電が不能となり、ピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせることができなくなるが、前述した第1〜第4の異常検出手段では、その経路の断線は検出することができない。そのため、中間電圧発生手段と断線検出手段を設けることで、検出可能な異常の種類を増やすことができる。
次に、請求項19のスタータ制御装置は、請求項18のスタータ制御装置において、エンジンの運転中に、断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止する。
このような請求項19のスタータ制御装置によれば、エンジンの運転中であって、アイドルストップが実施される前に、特定地点より下流側の経路の断線を検出することができる。そして、その断線は、スタータによるエンジンのクランキングを不能にするものであるため、その断線を検出したならば、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させるのを禁止(つまり、アイドルストップを禁止)しており、その禁止により、車両が走行不能になってしまうことを防止することができる。
次に、請求項20のスタータ制御装置は、請求項19のスタータ制御装置において、エンジンの運転中において断線検出手段により断線が発生していると判定されると、運転者に対してエンジンを停止させないことを促す処理(エンジン非停止を促す処理)を行う。なぜなら、断線検出手段によって検出される断線が発生した場合には、前述したように、スタータによるエンジンのクランキングが不能となるため、運転者がエンジン停止用操作を行ってエンジンを停止させてしまうと、その後の始動用操作による始動(初回始動)ができなくなるからである。このため、エンジン非停止を促す処理を行うことで、車両が走行不能になってしまうことを未然に防止することができる。
次に、請求項21のスタータ制御装置は、請求項18〜20のスタータ制御装置において、アイドルストップ制御手段がエンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中において、断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、車両のハザードランプを点滅させる。なぜなら、アイドルストップ中において、断線検出手段により断線が発生していると判定された場合には、その後のエンジン再始動ができない可能性がある。このため、車両のハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対して注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
次に、請求項22のスタータ制御装置は、請求項18〜21のスタータ制御装置において、前記再始動時において、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に、断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、車両のハザードランプを点滅させる。なぜなら、アイドルストップからのエンジン再始動時において、断線検出手段により断線が発生していると判定された場合には、エンジンの再始動ができない可能性がある。このため、車両のハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対して注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
次に、請求項23のスタータ制御装置は、請求項22のスタータ制御装置において、前記再始動時において断線検出手段により断線が発生していると判定されると、制御手段がモータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間を所定時間に制限する。なぜなら、アイドルストップからのエンジン再始動時において、断線検出手段により断線が発生していると判定された場合には、スタータのピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせることができないことから、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段とをオン状態となるように駆動してもモータが空回りするだけでエンジンがかからない状態に陥ることとなり、その状態が長く続くとモータの故障(モータコイルの焼損等)を招く可能性がある。そこで、モータへの通電時間を所定時間に制限することにより、モータの故障を防止することができる。
次に、請求項24のスタータ制御装置は、請求項18〜23のスタータ制御装置において、前記初回始動時において、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に、断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、制御手段がモータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間を所定時間に制限する。なぜなら、エンジンの初回始動時においても、断線検出手段により断線が発生していると判定された場合には、制御手段がピニオン制御用スイッチ手段とモータ通電用スイッチ手段とをオン状態となるように駆動してもモータが空回りするだけでエンジンがかからない状態に陥ることとなり、その状態が長く続くとモータの故障を招く可能性がある。そこで、モータへの通電時間を所定時間に制限することにより、モータの故障を防止することができる。
実施形態のECUとそれの周辺機器とを表す構成図である。 比較器の閾値電圧と電源電圧との関係を表す説明図である。 異常の内容と、リレーの駆動状態と、2つの比較器の出力との、組み合わせを説明する説明図である。 エンジンの状態を時系列で表した説明図である。 通電不能異常検出処理を表すフローチャートである。 通電解除不能異常検出処理を表すフローチャートである。 断線検出処理を表すフローチャートである。 エンジン始動時処理を表すフローチャートである。 エンジン運転中診断処理とアイドルストップ中診断処理とを表すフローチャートである。 フェイルセーフ処理の内容を説明する説明図である。
以下に、本発明が適用された実施形態のスタータ制御装置としての電子制御装置(以下、ECUという)について説明する。
まず図1は、実施形態のECU11とそれの周辺機器とを表す構成図である。尚、ECU11は、車両のエンジン(図示省略)を始動させるためのスタータ13の制御を行うが、エンジンを自動停止及び自動始動させるアイドルストップ制御も行うものである。また、ここでは、車両の変速機は手動変速機(マニュアルトランスミッション)であるものとして説明する。
ECU11には、車両の運転者が始動用操作(例えばキーシリンダに挿したキーをスタート位置に捻る操作や、スタートボタンを押す操作)を行うとアクティブレベルになるスタータ信号、ブレーキペダルが踏まれたことを検出するセンサからのブレーキ信号、アクセルペダルが踏まれたことを検出するセンサからのアクセル信号、クラッチペダルが踏まれたことを検出するセンサからのクラッチ信号、シフトレバーの操作位置(シフト位置)を検出するセンサからのシフト位置信号、車両の走行速度(車速)を検出するセンサからの車速信号、ブレーキ負圧(ブレーキ倍力装置の負圧)を検出するセンサからのブレーキ負圧信号、及びクランク軸センサやカム軸センサからの回転信号等が入力されている。また、ECU11のバッテリ電圧モニタ端子14には、車載バッテリ15(電源に相当)の出力電圧であるバッテリ電圧VB(本実施形態では約12V)が入力されている。尚、ECU11は、車両におけるイグニッション系電源ラインにバッテリ電圧VBが供給されている場合(いわゆるイグニッションオンの場合)に、そのイグニッション系電源ラインからの電力で動作する。
一方、スタータ13は、エンジンをクランキングさせる動力源となるモータ(スタータモータ)17と、モータ17へ通電するための電磁スイッチ19と、モータにより回転駆動されるピニオンギヤ21と、ピニオン制御用ソレノイド23とを備えている。
電磁スイッチ19は、バッテリ15からモータ17への通電経路に設けられた大型のリレーであり、その通電経路を連通するオン状態と、その通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動される。
具体的には、電磁スイッチ19は、一端がグランドラインに接続されたコイル19aと、一対の接点19b,19cとを備えている。そして、コイル19aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル19aに通電されると、接点19b,19cが短絡して通電経路を連通し(この状態がオン状態)、コイル19aに通電されないと、接点19b,19cが開放して通電経路を遮断する(この状態がオフ状態)。
ピニオン制御用ソレノイド23は、ピニオンギヤ21を、エンジンのリングギヤ25に噛み合う状態と、リングギヤ25に噛み合わない状態とに、切り替えるためのアクチュエータとしてのソレノイドである。
具体的には、ピニオン制御用ソレノイド23は、一端がグランドラインに接続されたコイル23aと、バネ等の付勢部材(図示省略)とを有しており、コイル23aに通電されなければ、ピニオンギヤ21を、上記付勢部材の力によって、リングギヤ25とは噛み合わない初期位置(図1に示す位置)に配置させる。また、コイル23aの他端にバッテリ電圧VBが印加されて該コイル23aに通電されると、その通電による電磁力により、ピニオンギヤ21を、図1における点線の矢印で示す如く当該スタータ13の外方向へ突出させて、リングギヤ25に噛み合わせる。
そして、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に噛み合った状態でモータ17が通電されれば、そのモータ17の回転力がピニオンギヤ21を介してリングギヤ25に伝わり、エンジンがクランキングされることとなる。
また、車両において、ECU11の外部には、オンすることで電磁スイッチ19のコイル19aの上記他端(上流側)にバッテリ電圧VBを印加して該コイル19aに電流を流し、その電磁スイッチ19をオン状態にするモータ制御用リレー31(以下、単にリレー31ともいう)が設けられている。
更に、ECU11の外部には、オンすることでピニオン制御用ソレノイド23のコイル23aの上記他端(上流側)にバッテリ電圧VBを印加して該コイル23aに電流を流し、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせるピニオン制御用リレー33(以下、単にリレー33ともいう)が設けられている。
具体的に説明すると、リレー33は、一端にバッテリ電圧VBが供給され、他端がECU11により接地される(即ちグランドラインに接続される)コイルと、バッテリ15からピニオン制御用ソレノイド23のコイル23aの上記他端へ至る通電経路に設けられた一対の接点とを備えている。そして、当該リレー33のコイルの他端(下流側)がECU11により接地されて該コイルに通電されると、当該リレー33の接点が短絡してバッテリ15からコイル23aへの通電経路を連通し(この状態がオン状態)、当該リレー33のコイルに通電されないと、当該リレー33の接点が開放してバッテリ15からコイル23aへの通電経路を遮断する(この状態がオフ状態)。
また、説明は省略するが、モータ制御用リレー31も、図1に示すように、ピニオン制御用リレー33と同様のものであり、そのリレー31のコイルの下流側がECU11により接地されることで、一対の接点が短絡するオン状態となり、電磁スイッチ19のコイル19aに電流を流す。
次に、ECU11は、アイドルストップ制御やスタータ13の制御のための各種処理を実行するマイコン41と、前述したスタータ信号等の各種信号をマイコン41に入力させる入力回路43と、バッテリ電圧モニタ端子14から入力されるバッテリ電圧VBを、マイコン41に入力可能な範囲の電圧値に分圧する2つの抵抗45,47と、その両抵抗45,47の接続点の電圧ラインとグランドラインとの間に設けられたノイズ除去用のコンデンサ49とを備えている。そして、マイコン41は、両抵抗45,47の接続点の電圧を内部のA/D変換器(図示省略)でA/D変換することにより、バッテリ電圧VBを検出する。また、マイコン41は、入力回路43から入力される信号のうちのアナログ信号についても、内部のA/D変換器でA/D変換することにより、その信号の電圧値を検出する。
また、ECU11は、オンすることでリレー31のコイルの下流側をグランドラインに接続して(即ち接地して)、該リレー31をオンさせるトランジスタ51と、オンすることでリレー33のコイルの下流側をグランドラインに接続して、該リレー33をオンさせるトランジスタ52とを備えている。よって、トランジスタ51がオンすれば、リレー31がオンして、電磁スイッチ19のコイル19aに電流が流れ、該電磁スイッチ19がオンして、モータ17に電流が流れる。また、トランジスタ52がオンすれば、リレー33がオンして、ピニオン制御用ソレノイド23のコイル23aに電流が流れ、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に噛み合う状態となる。そして、各トランジスタ51,52は、マイコン41によって駆動される。
更に、ECU11の外部において、リレー33とコイル23aとの間の通電経路における特定地点P2には、異常検出用配線Lmの一端が接続されており、その異常検出用配線Lmの他端が、ECU11の入力端子Tinに接続されている。このため、ECU11には、その入力端子Tinを介して、上記特定地点P2の電圧Vmが入力される。
そして、ECU11は、コイル23aの通電経路異常を検出するために、下記の通電経路異常検出回路53を備えている。
即ち、通電経路異常検出回路53は、入力端子Tinに非反転入力端子(+端子)が接続された第1比較器54及び第2比較器55と、当該ECU11の内部において図示しない電源回路によりバッテリ電圧VBを降圧して生成される一定の内部電源電圧VD(本実施形態では5V)を分圧し、その分圧した電圧を第1比較器54の反転入力端子(−端子)に第1閾値電圧Vth1として入力する2つの抵抗56,57と、内部電源電圧VDを分圧して、その分圧した電圧を第2比較器55の反転入力端子(−端子)に第2閾値電圧Vth2として入力する2つの抵抗58,59と、アノードが内部電源電圧VDのラインに接続されたダイオードD1と、そのダイオードD1のカソードに一端が接続され、他端が入力端子Tinに接続された抵抗R1と、その抵抗R1と入力端子Tinとに一端が共通接続され、他端がグランドラインに接続された抵抗R2とからなる。そして、第1比較器54の出力V1と、第2比較器55の出力V2とが、マイコン41に入力される。
このような通電経路異常検出回路53においては、リレー33がオフ状態で、且つ、コイル23aへの通電経路のうち上記特定地点P2よりも下流側の経路(即ち、特定地点P2からコイル23aを介してグランドラインへ至るまでの経路)が断線している場合、入力端子Tinの電圧Vmは、内部電源電圧VDよりダイオードD1の順方向電圧Vfだけ低い電圧(=VD−Vf)を抵抗R1,R2で分圧した電圧Vopとなる(図2参照)。尚、抵抗R1,R2の抵抗値は、コイル23aの抵抗値よりも十分に大きい値(例えば数千倍程度の値)に設定されている。
そして、抵抗56,57の抵抗値は、第1比較器54に入力される第1閾値電圧Vth1が、図2に示すように、上記電圧Vopよりも高い電圧となるように設定されている。また、抵抗58,59の抵抗値は、第2比較器55に入力される第2閾値電圧Vth2が、図2に示すように、上記電圧Vopよりも低い電圧となるように設定されている。
一方また、ECU11は、リレー33のコイルに正常に電流を流すことができるか否かを診断するための一次側異常検出回路60を備えている。
その一次側異常検出回路60は、トランジスタ52の出力端子のうち、リレー33のコイルに接続される方の出力端子の電圧Voutが、バッテリ電圧VBより低くグランドラインの電位(=0V)よりは高い所定の判定閾値よりも高ければ、ハイの信号をマイコン41に出力し、上記電圧Voutが判定閾値より高くなければ、ローの信号をマイコン41に出力する。そして、マイコン41は、トランジスタ52をオフさせている場合に、一次側異常検出回路60からの信号をモニタして、その信号がハイではなくローであれば、バッテリ15からリレー33のコイルを介して当該ECU11へ至るまでの電流経路に断線が生じているか、あるいは、リレー33のコイルの下流側がグランドラインにショートしているか、あるいは、トランジスタ52にオン状態のままの閉故障が生じていると判定する。
次に、通電経路異常検出回路53を用いた通電経路異常の検出原理について、図3を用い説明する。尚、以下の説明では、図1に示すように、バッテリ15からコイル23aへの通電経路のうち、リレー33のコイルへと分岐する分岐点P1から該リレー33の上流側の接点までの区間を、区間Aと言い、リレー33の下流側の接点から上記特定地点P2(異常検出用配線Lmとの接続点)までの区間を、区間Bと言い、上記特定地点P2からコイル23aまでの区間を、区間Cと言う。また、図3において、「リレーON命令」とは、マイコン41がリレー33をオン状態となるように駆動することを意味しており、本実施形態では、マイコン41がトランジスタ52をオンする命令を実行することである。また、図3において、「リレーOFF命令」とは、マイコン41がリレー33をオフ状態となるように駆動することを意味しており、本実施形態では、マイコン41がトランジスタ52をオフする命令を実行することである。
まず、図3における(a)の列に示すように、コイル23aへの通電経路が正常ならば、マイコン41がリレー33をオン状態となるように駆動した場合、入力端子Tinの電圧(特定地点P2の電圧)Vmは、ほぼバッテリ電圧VB(>Vth1)にまで上昇する。このため、第1比較器54の出力V1と、第2比較器55の出力V2は、両方共にハイ(Hi)になる。尚、この場合、ダイオードD1により、入力端子Tinから内部電源電圧VDのラインへの電流の回り込みが防止される。
また、コイル23aへの通電経路が正常ならば、マイコン41がリレー33をオフ状態となるように駆動した場合、入力端子Tinの電圧Vmは、ほぼ0V(<Vth2)になる。コイル23aの抵抗値は抵抗R1の抵抗値よりも十分に小さいからである。よって、第1比較器54の出力V1と、第2比較器55の出力V2は、両方共にロー(Lo)になる。
これに対して、図3における(c)の列に示すように、コイル23aへの通電経路のうち、区間Aと区間Bとの何れかが断線するか、あるいは、区間Bと区間Cとの何れかがグランドラインにショート(GNDショート)するか、あるいは、リレー33にオン状態とならない開故障が生じると、マイコン41がリレー33をオン状態となるように駆動しても、入力端子Tinの電圧Vmは、ほぼ0Vになる。よって、第1比較器54の出力V1と、第2比較器55の出力V2は、両方共にハイにならず、ローのままになる。
このため、リレー33をオン状態となるように駆動しても、2つの比較器54,55の出力V1,V2がローならば、区間A又は区間Bが断線しているか、あるいは、区間B又は区間Cがグランドラインにショートしているか、あるいは、リレー33に開故障が生じている、と判定することができる。そして、それらの異常は、何れも、コイル23aへの通電が不能となる通電不能異常である。
尚、コイル23aへの通電経路のうち、区間Aよりも上流側(即ち、バッテリ15から上記分岐点P1までの経路)で断線が生じても、区間A又は区間Bが断線した場合と同様に検出可能である。但し、本実施形態の説明では、区間Aよりも上流側が正常であることを、前述の一次側異常検出回路60を用いた診断によって確認しているものとし、このため、区間Aよりも上流側の断線については図示及び説明を省略している。
また、図3における(d)の列に示すように、コイル23aへの通電経路のうち、区間Bと区間Cとの何れかがバッテリ電圧VBにショート(バッテリショート)するか、あるいは、リレー33にオフ状態とならない閉故障が生じると、マイコン41がリレー33をオフ状態となるように駆動しても、入力端子Tinの電圧Vmは、ほぼバッテリ電圧VBになる。よって、第1比較器54の出力V1と、第2比較器55の出力V2は、両方共にローにならず、ハイのままになる。
このため、リレー33をオフ状態となるように駆動しても、2つの比較器54,55の出力V1,V2がハイならば、区間B又は区間Cがバッテリ電圧VBにショートしているか、あるいは、リレー33に閉故障が生じている、と判定することができる。そして、それらの異常は、何れも、コイル23aに通電したままの通電解除不能異常である。
また、図3における(b)の列に示すように、コイル23aへの通電経路のうち、特定地点P2よりも下流側の経路(即ち、区間Cと、コイル23a自身と、コイル23aより下流との、何れか)が断線すると、マイコン41がリレー33をオフ状態となるように駆動している場合に、入力端子Tinの電圧Vmは、前述したダイオードD1及び抵抗R1,R2によって生成される電圧Vop(Vth1>Vop>Vth2)になる。よって、第1比較器54の出力V1はローになるが、第2比較器55の出力V2はハイになる。
このため、リレー33をオフ状態となるように駆動している場合に、第1比較器54の出力V1がローで、第2比較器55の出力V2がハイならば、入力端子Tinの電圧Vmが上記電圧Vopになっていると判定することができ、延いては、特定地点P2よりも下流側の経路に断線が発生していると判定することができる。
以上のように、リレー33の駆動状態と、比較器54,55の出力V1,V2との組み合わせにより、コイル23aへの通電経路の異常を区別して検出することができる。
次に、マイコン41が行う処理の内容について、図4を用い説明する。尚、図4は、エンジンの状態を時系列で表したものである。
まず、マイコン41は、車両の運転者が始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベル(例えばハイ)になると、エンジン始動のためにスタータ13を作動させるスタータ制御処理を行う。尚、これが図4における(1)の初回始動の状態である。
具体的な処理として、マイコン41は、トランジスタ52をオンすることで、リレー33をオンし、ピニオン制御用ソレノイド23のコイル23aに電流を流して、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合う状態にする。更に、マイコン41は、トランジスタ51をオンすることで、リレー31をオンし、電磁スイッチ19をオン状態にする。
すると、バッテリ15からモータ17に電流が流れて、モータ17が回転し、そのモータ17の回転力によりピニオンギヤ21がリングギヤ25を回転させる(即ち、エンジンをクランキングさせる)こととなる。
そして、エンジンがクランキングされると、エンジンを制御する他のECUにより、エンジンに対する燃料噴射と点火とが行われる。尚、エンジンがディーゼルエンジンであれば、点火は行われず、燃料噴射だけが行われる。また、こうしたエンジンの制御もECU11が行うシステム構成であっても良い。
そして、マイコン41は、エンジンが完爆状態(始動が完了した状態であり、いわゆるエンジンがかかった状態)になったと判定すると、トランジスタ51,52をオフして、モータ17への通電を停止すると共に、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻す。尚、マイコン41は、前述の回転信号からエンジン回転数を算出し、そのエンジン回転数に基づいて、エンジンが完爆状態になったか否かを判定する。
以上が、スタータ制御処理の内容である。そして、エンジンが運転状態になっている場合が、図4における(2)のエンジン運転中である。
次に、エンジン運転中において、マイコン41は、所定の自動停止条件が成立したと判定したならば、エンジンへの燃料噴射を停止したり、エンジンへの吸気供給経路を遮断することにより、エンジンを自動的に停止させる。そして、このようにエンジンが自動停止された状態が、図4における(3)のアイドルストップ中である。
尚、自動停止条件としては、例えば、下記の全条件が満たされていることである。
バッテリ電圧VBが所定値以上である。車速が所定値以下である。ブレーキ負圧の絶対値が所定値以上である。ブレーキペダルが踏まれている。シフト位置がニュートラルであるか、あるいはシフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルが踏まれている。アクセルペダルが踏まれていない。前回にエンジンを自動停止して再始動させてから一定時間以上経過している。
その後、マイコン41は、アイドルストップ中において、所定の自動始動条件が成立したと判定したならば、エンジンを再始動させるために、前述のスタータ制御処理を行う。そして、これが図4における(4)の再始動の状態である。
尚、自動始動条件としては、例えば、下記の何れかの条件が考えられる。
シフト位置がニュートラル以外且つクラッチペダルが踏まれている状態でアイドルストップした場合、その状態でブレーキペダルが放された。ブレーキペダルは踏まれたままだが、シフト位置がニュートラル以外でクラッチペダルのリリース(即ち、クラッチペダルの踏み込みを緩めてクラッチを接続しようとする動作)が開始された。ブレーキペダルが踏まれたままだが、シフト位置がニュートラルからニュートラル以外に操作された(その時点でクラッチペダルは踏まれている)。
また、図4における右端の「停止」とは、運転者がエンジンを停止させる操作を行ったことでエンジンが停止したことを示しており、その場合には、車両におけるイグニッション系電源もオフされる。
ここで、本実施形態において、ECU11のマイコン41は、前述したエンジンの初回始動時(図4の(1))と、エンジンの運転中(図4の(2))と、エンジンのアイドルストップ中(図4の(3))と、エンジンの再始動時(図4の(4))との各々において、コイル23aへの通電経路の異常を検出するための処理を行っている。そこで次に、その処理について説明する。
最初に、図3における(b),(c),(d)の各列に示した異常を検出するためにそれぞれ用意された各異常検出処理について、図5〜図7を用い説明する。尚、その図5〜図7の各異常検出処理が、いつ実行されるかについては、後で説明する。
まず、図5は、図3における(c)の列に示した通電不能異常(即ち、区間A又は区間Bの断線、あるいは、区間B又は区間Cのグランドラインへのショート、あるいは、ピニオン制御用リレー33の開故障)を検出するための通電不能異常検出処理を表すフローチャートである。
そして、図5に示すように、マイコン41が、通電不能異常検出処理の実行を開始すると、まずS110にて、現在、ピニオン制御用リレー33をオン状態となるように駆動しているか否かを判定する。具体的には、トランジスタ52への駆動信号をアクティブレベル(本実施形態ではハイ)で出力して、該トランジスタ52をオンさせているか否かを判定する。
そして、ピニオン制御用リレー33をオン状態となるように駆動していなければ、S120に進んで、異常判定回数をカウントするためのカウンタCN1を0にクリアし、その後、当該通電不能異常検出処理を終了する。
また、上記S110にて、ピニオン制御用リレー33をオン状態となるように駆動していると判定した場合には、S130に移行して、第1比較器54の出力V1と第2比較器55の出力V2とが両方共にローであるか否かを判定する。
そして、第1比較器54の出力V1と第2比較器55の出力V2とのうち、一方でもローでなければ、上記S120に移行して、カウンタCN1を0にクリアした後、当該通電不能異常検出処理を終了する。
また、上記S130にて、第1比較器54の出力V1と第2比較器55の出力V2とが両方共にローであると判定した場合には、図3における(c)の列に示した通電不能異常が発生していると仮判定する。そして、S140に進んで、カウンタCN1を1つカウントアップする。そして更に、次のS150にて、カウンタCN1の値が異常確定回数Nthを越えたか否かを判定し、異常確定回数Nthを越えていなければS110に戻るが、異常確定回数Nthを越えたなら、S160に進んで、フラグF1を1にした後、当該通電不能異常検出処理を終了する。尚、フラグF1は、コイル23aへの通電経路に、図3における(c)の列に示した通電不能異常が発生していることを示すフラグである。
つまり、通電不能異常検出処理では、ピニオン制御用リレー33をオン状態となるように駆動している場合に、比較器54,55の出力V1,V2が両方共にローであるか否かを判定し、肯定判定した回数が異常確定回数Nthを越えたなら、区間A又は区間Bが断線しているか、あるいは、区間B又は区間Cがグランドラインにショートしているか、あるいは、ピニオン制御用リレー33に開故障が生じている、と確定判定し、それらのうちの何れかの異常が発生していることを示すフラグF1を1に設定している。
次に、図6は、図3における(d)の列に示した通電解除不能異常(即ち、区間B又は区間Cのバッテリ電圧VBへのショート、あるいは、ピニオン制御用リレー33の閉故障)を検出するための通電解除不能異常検出処理を表すフローチャートである。
そして、図6に示すように、マイコン41が、通電解除不能異常検出処理の実行を開始すると、まずS210にて、現在、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動しているか否かを判定する。具体的には、トランジスタ52への駆動信号を非アクティブレベル(本実施形態ではロー)で出力して、該トランジスタ52をオフさせているか否かを判定する。
そして、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動していなければ、S220に進んで、異常判定回数をカウントするためのカウンタCN2を0にクリアし、その後、当該通電解除不能異常検出処理を終了する。
また、上記S210にて、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動していると判定した場合には、S230に移行して、第1比較器54の出力V1と第2比較器55の出力V2とが両方共にハイであるか否かを判定する。
そして、第1比較器54の出力V1と第2比較器55の出力V2とのうち、一方でもハイでなければ、上記S220に移行して、カウンタCN2を0にクリアした後、当該通電解除不能異常検出処理を終了する。
また、上記S230にて、第1比較器54の出力V1と第2比較器55の出力V2とが両方共にハイであると判定した場合には、図3における(d)の列に示した通電解除不能異常が発生していると仮判定する。そして、S240に進んで、カウンタCN2を1つカウントアップする。そして更に、次のS250にて、カウンタCN2の値が異常確定回数Nthを越えたか否かを判定し、異常確定回数Nthを越えていなければS210に戻るが、異常確定回数Nthを越えたなら、S260に進んで、フラグF2を1にした後、当該通電解除不能異常検出処理を終了する。尚、フラグF2は、コイル23aへの通電経路に、図3における(d)の列に示した通電解除不能異常が発生していることを示すフラグである。
つまり、通電解除不能異常検出処理では、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動している場合に、比較器54,55の出力V1,V2が両方共にハイであるか否かを判定し、肯定判定した回数が異常確定回数Nthを越えたなら、区間B又は区間Cがバッテリ電圧VBにショートしているか、あるいは、ピニオン制御用リレー33に閉故障が生じている、と確定判定し、それらのうちの何れかの異常が発生していることを示すフラグF2を1に設定している。
次に、図7は、図3における(b)の列に示した断線(即ち、特定地点P2よりも下流側の経路の断線)を検出するための断線検出処理を表すフローチャートである。
そして、図7に示すように、マイコン41が、断線検出処理の実行を開始すると、まずS310にて、図6のS210と同様に、現在、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動しているか否かを判定する。
そして、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動していなければ、S320に進んで、異常判定回数をカウントするためのカウンタCN3を0にクリアし、その後、当該断線検出処理を終了する。
また、上記S310にて、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動していると判定した場合には、S330に移行して、第1比較器54の出力V1がローで、且つ、第2比較器55の出力V2がハイであるか否かを判定する。
そして、第1比較器54の出力V1がハイであるか、あるいは、第2比較器55の出力V2がローであれば、上記S320に移行して、カウンタCN3を0にクリアした後、当該断線検出処理を終了する。
また、上記S330にて、第1比較器54の出力V1がローで、且つ、第2比較器55の出力V2がハイであると判定した場合には、特定地点P2よりも下流側の経路が断線していると仮判定する。そして、S340に進んで、カウンタCN3を1つカウントアップする。そして更に、次のS350にて、カウンタCN3の値が異常確定回数Nthを越えたか否かを判定し、異常確定回数Nthを越えていなければS310に戻るが、異常確定回数Nthを越えたなら、S360に進んで、フラグF3を1にした後、当該断線検出処理を終了する。尚、フラグF3は、特定地点P2よりも下流側の経路が断線していることを示すフラグである。
つまり、断線検出処理では、ピニオン制御用リレー33をオフ状態となるように駆動している場合に、第1比較器54の出力V1がローで、且つ、第2比較器55の出力V2がハイであるか否かを判定し、肯定判定した回数が異常確定回数Nthを越えたなら、特定地点P2よりも下流側の経路が断線していると確定判定し、そのことを示すフラグF3を1に設定している。
尚、異常確定回数Nthは、図5〜図7の処理毎に異なる値であっても良いし、同じ値であっても良く、また、その値は1でも2以上でも良い。また、図5のS150でNOと判定してからS130の判定を再び行うまでに、一定の時間(例えば数百μs〜数十ms程度)を故意に設けるようにしても良い。そして、このことは、図6のS250でNOと判定してからS230の判定を再び行うまでと、図7のS350でNOと判定してからS330の判定を再び行うまでとの、それぞれについても同様である。
次に、図8は、エンジン始動時処理を表すフローチャートである。このエンジン始動時処理は、前述したスタータ制御処理を含むものであり、エンジンの初回始動時と再始動時との両方において実行される。つまり、車両の運転者が始動用操作を行ってスタータ信号がアクティブレベルになったときと、アイドルストップ中に自動始動条件が成立したと判定したときとの、それぞれにおいて実行される。
そして、図8に示すように、マイコン41がエンジン始動時処理の実行を開始すると、まずS400にて、前述した図6の通電解除不能異常検出処理を行い、次のS405にて、前述した図7の断線検出処理を行う。
ここで、当該エンジン始動時処理の実行開始時点において、マイコン41はトランジスタ51,52をオフさせている。このため、上記S400で起動される通電解除不能異常検出処理(図6)では、S210でYESと判定されて、S230以降の異常検出のための処理が行われることとなる。同様に、上記S405で起動される断線検出処理(図7)でも、S310でYESと判定されて、S330以降の異常検出のための処理が行われることとなる。
そして、次のS410にて、トランジスタ52をオンすることでピニオン制御用リレー33をオンさせ、続くS420にて、トランジスタ51をオンすることでモータ制御用リレー31をオンさせる。すると、コイル23aの通電経路が正常ならば、スタータ13によりエンジンがクランキングされる。なお、S410とS420とは逆の順番であっても良い。
そこで、次のS430にて、エンジンが完爆状態になったか否かを判定し、エンジンが完爆状態になったと判定すると、クランキングを停止するために、S440に進み、トランジスタ52をオフすることでピニオン制御用リレー33をオフさせ、続くS450にて、トランジスタ51をオフすることでモータ制御用リレー31をオフさせ、この時点で、エンジン始動時処理が終了する。すると、スタータ13のモータ17への通電が停止すると共に、コイル23aの通電経路が正常ならば、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に噛み合わない初期位置に戻る。
尚、S410〜S450の処理がスタータ制御処理である。また、そのスタータ制御処理の直前に行われるS400とS405の処理は、エンジンの始動性に影響がない程度の短い時間以内(例えば十ms程度以内)に完了するようになっている。
そして更に、マイコン41は、S410でピニオン制御用リレー33をオンさせてからS440でピニオン制御用リレー33をオフさせるまでの間に、前述した図5の通電不能異常検出処理(図8にてS435を付している)を、マルチタスクの形で並行して実行する。例えば、S420及びS430の処理と、図5の処理の全部又は一部ずつとを、交互に実行することで、そのS420及びS430の処理と共に、図5の処理も実行する。そして、この場合に実行される通電不能異常検出処理(図5)では、S110でYESと判定されて、S130以降の異常検出のための処理が行われることとなる。
つまり、マイコン41は、エンジンの初回始動時と再始動時との両方において、スタータ制御処理によりピニオン制御用リレー33をオンさせる直前に、図6の通電解除不能異常検出処理と図7の断線検出処理とを行い(S400,S405)、スタータ制御処理によりピニオン制御用リレー33をオンさせている最中に、図5の通電不能異常検出処理を行っている(S435)。
次に、図9(A)は、エンジン運転中診断処理を表すフローチャートであり、このエンジン運転中診断処理は、エンジンの運転中において、例えば一定時間毎に繰り返し実行される。
そして、図9(A)に示すように、マイコン41がエンジン運転中診断処理の実行を開始すると、まずS510にて、図6の通電解除不能異常検出処理を行い、次のS520にて、図7の断線検出処理を行う。
ここで、エンジンの運転中又はアイドルストップ中においては、スタータ13を作動させる必要がないため、マイコン41は、基本的にはトランジスタ51,52をオフさせている。このため、上記S510で起動される通電解除不能異常検出処理(図6)では、S210でYESと判定されて、S230以降の異常検出のための処理が行われることとなる。同様に、上記S520で起動される断線検出処理(図7)でも、S310でYESと判定されて、S330以降の異常検出のための処理が行われることとなる。
次にS530にて、トランジスタ51,52のうち、トランジスタ52だけをオンすることで、リレー31,33のうち、ピニオン制御用リレー33だけをオンさせる。そして、次のS540にて、図5の通電不能異常検出処理を行う。この場合に実行される通電不能異常検出処理(図5)では、S110でYESと判定されて、S130以降の異常検出のための処理が行われることとなる。そして、次のS550にて、トランジスタ52をオフすることでピニオン制御用リレー33をオフさせ、その後、当該エンジン運転中処理を終了する。
また、図9(B)は、アイドルストップ中診断処理を表すフローチャートである。このアイドルストップ中診断処理は、図9(A)のエンジン運転中診断処理と同じ処理であり、前述したアイドルストップ中において、例えば一定時間毎に繰り返し実行される。
つまり、マイコン41は、エンジンの運転中とアイドルストップ中との両方において、ピニオン制御用リレー33をオフさせている状態で図6の通電解除不能異常検出処理と図7の断線検出処理とを行う(S510,S520)。更に、マイコン41は、エンジンの運転中とアイドルストップ中との両方において、モータ制御用リレー31をオンさせずに、ピニオン制御用リレー33だけを一時的にオンさせた上で、図5の通電不能異常検出処理を行っている(S530〜S550)。
次に、マイコン41が、図5〜図7の各処理によって異常を検出した場合に行うフェイルセーフ処理について、図10を用い説明する。尚、図10において、ユーザとは、車両の使用者であり、運転者のことである。
まず、エンジン運転中診断処理(図9(A))のS540で実行される通電不能異常検出処理(図5)によって通電不能異常を検出した場合(即ち、フラグF1を1にした場合)には、図10に示すように、下記A1〜A3のフェイルセーフ処理を行う。
[A1]運転者に対して異常の発生を警告する処理を行う。
具体的には、ブザーを鳴らしたり、警告ランプを点灯させたり、例えば「スタータに異常があります。ディーラーで点検を受けてください。」といったメッセージを、表示装置に文章で表示したりスピーカから音声で出力したりする。
[A2]運転者に対してエンジンを停止させないことを促す処理(エンジン非停止を促す処理)を行う。
具体的には、例えば「エンジンを停止した場合、始動できない可能性があります。」といったメッセージを、表示装置に文章で表示したりスピーカから音声で出力したりする。また例えば、エンジンの始動と停止を行うための操作部がプッシュボタンである車両ならば、そのプッシュボタンが通常よりも長い時間押され続けないとエンジンを停止しないようにする、といった処理でも良い。
[A3]アイドルストップ(エンジンの自動停止)を禁止する。
つまり、通電不能異常検出処理(図5)によって検出される通電不能異常が生じた場合、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせることができないため、エンジンが停止されると、その後の始動ができなくなり、車両が走行不能になる。このため、上記A2,A3の処理を行うことで、エンジンが手動又は自動で停止されるのを回避し、延いては、車両が走行不能になってしまうことを防止することができる。
次に、アイドルストップ中診断処理(図9(B))のS540で実行される通電不能異常検出処理(図5)によって通電不能異常を検出した場合には、図10に示すように、下記A4,A5のフェイルセーフ処理を行う。
[A4]上記A1と同じ処理(運転者に対して異常の発生を警告する処理)を行う。
[A5]車両のハザードランプを点滅させる処理を行う。
つまり、アイドルストップ中において、通電不能異常検出処理により通電不能異常が検出された場合には、その後のエンジン再始動ができない可能性がある。このため、車両のハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対して注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
次に、エンジンの再始動時において、エンジン始動時処理(図8)のS420,S430と共に実行される通電不能異常検出処理(図5)によって通電不能異常を検出した場合には、図10に示すように、下記A6〜A8のフェイルセーフ処理を行う。
[A6]上記A1と同じ処理(運転者に対して異常の発生を警告する処理)を行う。
[A7]上記A5と同じ処理(車両のハザードランプを点滅させる処理)を行う。
つまり、アイドルストップからのエンジン再始動時において、通電不能異常検出処理により通電不能異常が検出された場合には、エンジンの再始動ができない可能性がある。このため、車両のハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対して注意を喚起することができ、安全性を高めることができる。
[A8]スタータ制御処理でのモータ通電時間を所定時間に制限する処理を行う。
具体的には、図8のS420でモータ制御用リレー31をオンさせてから、所定時間が経過したか否かを判定し、S430でエンジンが完爆状態になったと判定するよりも先に、その所定時間が経過したならば、S440にジャンプして、トランジスタ51,52がオフされるようにする。
つまり、通電不能異常検出処理により通電不能異常が検出された場合には、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせることができないことから、スタータ制御処理でリレー31,33をオン状態となるように駆動しても(S410,S420)、モータ17が空回りするだけでエンジンがかからない状態に陥ることとなり、その状態が長く続くとモータ17のコイルの焼損等を招く可能性がある。そこで、モータ17への通電時間を所定時間に制限することにより、モータ17の故障を防止することができる。
次に、エンジンの初回始動時において、エンジン始動時処理(図8)のS420,S430と共に実行される通電不能異常検出処理(図5)によって通電不能異常を検出した場合には、図10に示すように、下記A9,A10のフェイルセーフ処理を行う。
[A9]上記A1と同じ処理(運転者に対して異常の発生を警告する処理)を行う。
[A10]上記A8と同じ処理(スタータ制御処理でのモータ通電時間を所定時間に制限する処理)を行う。
このA10の処理により、エンジンの初回始動時においても、モータ17の故障を防止することができる。
一方、エンジン運転中診断処理(図9(A))のS520で実行される断線検出処理(図7)によって断線を検出した場合(即ち、フラグF3を1にした場合)には、図10に示すように、前述したA1〜A3と同じB1〜B3のフェイルセーフ処理を行う。
つまり、断線検出処理(図7)によって検出される断線(特定地点P2よりも下流側の経路の断線)が生じた場合にも、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わせることができないため、エンジンが停止されると、その後の始動ができなくなり、車両が走行不能になる。このため、上記A2,A3と同じB2,B3の処理を行うことで、エンジンが手動又は自動で停止されるのを回避し、延いては、車両が走行不能になってしまうことを防止することができる。
また、アイドルストップ中診断処理(図9(B))のS520で実行される断線検出処理(図7)によって断線を検出した場合には、図10に示すように、前述したA4,A5と同じB4,B5のフェイルセーフ処理を行う。
つまり、アイドルストップ中において、断線検出処理により断線が検出された場合にも、その後のエンジン再始動ができない可能性があるため、車両のハザードランプを点滅させること(B5)で、後続車の運転者に対して注意を喚起し、これにより、安全性を高めることができる。
また、エンジンの再始動時において、エンジン始動時処理(図8)のS405で実行される断線検出処理(図7)により断線を検出した場合には、図10に示すように、前述したA6〜A8と同じB6〜B8のフェイルセーフ処理を行う。
つまり、アイドルストップからのエンジン再始動時において、断線検出処理により断線が検出された場合にも、エンジンの再始動ができない可能性があるため、車両のハザードランプを点滅させること(B7)で、後続車の運転者に注意を喚起して安全性を高め、また、エンジンをクランキングさせようとしてもモータ17が空回りするだけで、モータ17のコイルの焼損等を招く可能性があるため、モータ17への通電時間を所定時間に制限すること(B8)で、モータ17の故障を防止する。
また、エンジンの初回始動時において、エンジン始動時処理(図8)のS405で実行される断線検出処理(図7)により断線を検出した場合には、図10に示すように、前述したA9,A10と同じB9,B10のフェイルセーフ処理を行う。そして、上記A10と同じB10の処理により、エンジンの初回始動時においても、モータ17の故障を防止することができる。
一方、エンジン運転中診断処理(図9(A))のS510で実行される通電解除不能異常検出処理(図6)によって通電解除不能異常を検出した場合(即ち、フラグF2を1にした場合)には、図10に示すように、下記C1〜C5のフェイルセーフ処理を行う。
[C1]上記A1と同じ処理(運転者に対して異常の発生を警告する処理)を行う。
[C2]運転者に対してエンジンの回転数を上げないことを促す処理を行う。
具体的には、例えば「エンジン回転数を上げないでください。」といったメッセージを、表示装置に文章で表示したりスピーカから音声で出力したりする。また例えば、タコメータのレッドゾーンを可変表示可能な車両ならば、タコメータに表示するレッドゾーンを低い回転数領域にまで拡張する(下げる)、といった処理でも良い。
つまり、通電解除不能異常が生じている場合、ピニオンギヤ21がリングギヤ25に噛み合ったままになるため、エンジンの回転数が高くなると、ピニオンギヤ21が摩耗したりスタータ13のワンウェイクラッチが劣化したりする可能性があるため、運転者に対してエンジンの回転数を上げないことを促すことで、スタータ13の構成部品が摩耗したり劣化したりするのを抑制することができる。
[C3]上記A2と同じ処理(運転者に対してエンジンを停止させないことを促す処理)を行う。
[C4]上記A3と同じ処理(アイドルストップの禁止)を行う。
なぜなら、通電解除不能異常が長く続くと、コイル23aが焼損する可能性があり、コイル23aが焼損してしまうと、今度は、ピニオンギヤ21をリングギヤ25に噛み合わすことができなくなって、エンジンの始動が不能となる。このため、前述したA2,A3と同じC3,C4の処理を行うことで、エンジンが手動又は自動で停止されるのを回避し、延いては、車両が走行不能になってしまうことを未然に防ぐことができる。
[C5]エンジン回転数を制限する処理と、車両のハザードランプを点滅させる処理とを行う。尚、エンジン回転数を制限する処理としては、例えば、ある回転数になったら燃料噴射を停止するという燃料カットの処理がある。また、車両の変速機が自動変速機ならば、その自動変速機の変速比を小さくする処理を行っても良い。
つまり、エンジン回転数を強制的に制限することで、スタータ13の構成部品が摩耗したり劣化したりするのを、より確実に抑制することができ、また、エンジン回転数を制限すると、車両が交通の流れに乗れない可能性があるため、ハザードランプを点滅させることで、後続車の運転者に対し注意を喚起して安全性を高めることができる。
次に、アイドルストップ中診断処理(図9(B))のS510で実行される通電解除不能異常検出処理(図6)によって通電解除不能異常を検出した場合には、図10に示すように、下記C6〜C8のフェイルセーフ処理を行う。
[C6]上記A1と同じ処理(運転者に対して異常の発生を警告する処理)を行う。
[C7]上記C2と同じ処理(運転者に対してエンジンの回転数を上げないことを促す処理)を行う。
アイドルストップ中であっても、C7の処理により、運転者に対してエンジン回転数を上げるべきでないことを伝えることは、スタータ13の構成部品が摩耗したり劣化したりするのを抑制するのに有効である。
[C8]エンジンを始動させる処理を行う。具体的には、前述したスタータ制御処理と同様に、トランジスタ51,52をオンすることでエンジンをクランキングして始動させる。また、この場合、ピニオン制御用ソレノイド23のコイル23aには、トランジスタ52のオン/オフに拘わらず電流が流れたままになっているはずなので、トランジスタ51だけをオンしても良い。
つまり、アイドルストップ中に通電解除不能異常を検出したならば、その時点で自動始動条件が成立していなくても、エンジンの再始動を試みる。前述したように、通電解除不能異常が長く続くと、コイル23aが焼損してエンジンの始動ができなくなる可能性があるため、コイル23aが焼損してしまう前にエンジンを再始動させることで、車両が走行不能になってしまうことを防止することができる。
次に、エンジンの再始動時において、エンジン始動時処理(図8)のS400で実行される通電解除不能異常検出処理(図6)によって通電解除不能異常を検出した場合には、図10に示すように、下記C9,C10のフェイルセーフ処理を行う。
[C9]上記A1と同じ処理(運転者に対して異常の発生を警告する処理)を行う。
[C10]上記C2と同じ処理(運転者に対してエンジンの回転数を上げないことを促す処理)を行う。
エンジンの始動時であっても、C10の処理により、運転者に対してエンジン回転数を上げるべきでないことを伝えることは、スタータ13の構成部品が摩耗したり劣化したりするのを抑制するのに有効である。
同様に、エンジンの初回始動時において、エンジン始動時処理(図8)のS400で実行される通電解除不能異常検出処理(図6)によって通電解除不能異常を検出した場合にも、図10に示すように、上記C9,C10と同じC11,C12のフェイルセーフ処理を行う。
以上のような本実施形態のECU11によれば、エンジン運転中とアイドルストップ中とエンジン再始動時とエンジン初回始動時とのそれぞれにおいて、図3における(b)〜(d)の各列に示した異常を、簡単な構成で区別して検出することができる。そして、検出した異常の内容と、その異常を検出したときの状況(エンジン運転中とアイドルストップ中とエンジン再始動時とエンジン初回始動時との何れであるか)に応じて、前述した図10の各フェイルセーフ処理を行うことで、その各フェイルセーフ処理について述べた効果を得ることができる。
尚、本実施形態では、電磁スイッチ19がモータ通電用スイッチ手段に相当し、ピニオン制御用リレー33が、ピニオン制御用スイッチ手段に相当している。また、マイコン41がアイドルストップ制御手段にも相当している。また、図8のエンジン始動時処理におけるS410〜S450の処理(スタータ制御処理)が、制御手段に相当している。
また、図9(A)のエンジン運転中診断処理におけるS530〜S550の処理が、第1の異常検出手段に相当し、図9(B)のアイドルストップ中診断処理におけるS530〜S550の処理が、第2の異常検出手段に相当し、エンジンの再始動時において、図8のエンジン始動時処理のS420,S430と共に実行される図5の通電不能異常検出処理が、第3の異常検出手段に相当し、エンジンの初回始動時において、図8のエンジン始動時処理のS420,S430と共に実行される図5の通電不能異常検出処理が、第4の異常検出手段に相当している。そして、第2比較器55に入力される第2閾値電圧Vth2が通電不能判定値に相当しているが、もし第2比較器55を設けない構成ならば、第1比較器54に入力される第1閾値電圧Vth1が通電不能判定値に相当することとなる。
また、図6の通電解除不能異常検出処理が、通電解除不能異常検出手段に相当している。そして、第1比較器54に入力される第1閾値電圧Vth1が通電固着判定値に相当しているが、もし第1比較器54を設けない構成ならば、第2比較器55に入力される第2閾値電圧Vth2が通電固着判定値に相当することとなる。
また、図9(A)のS510で図6の通電解除不能異常検出処理を行うことが、エンジンの運転中において通電解除不能異常検出手段を作動させることに相当し、図9(B)のS510で図6の通電解除不能異常検出処理を行うことが、アイドルストップ中において通電解除不能異常検出手段を作動させることに相当し、図8のS400で図6の通電解除不能異常検出処理を行うことが、初回始動時と再始動時との両方において制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に通電解除不能異常検出手段を作動させること、に相当している。
また、ダイオードD1及び抵抗R1,R2が、中間電圧発生手段に相当し、それらによって発生する電圧Vopが、中間電圧に相当し、図7の断線検出処理が、断線検出手段に相当している。そして、図9(A)のS520で図7の断線検出処理を行うことが、エンジンの運転中において断線検出手段を作動させることに相当し、図9(B)のS520で図7の断線検出処理を行うことが、アイドルストップ中において断線検出手段を作動させることに相当し、エンジンの再始動時に図8のS405で図7の断線検出処理を行うことが、エンジンの再始動時において制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に断線検出手段を作動させること、に相当し、エンジンの初回始動時に図8のS405で図7の断線検出処理を行うことが、エンジンの初回始動時において制御手段がピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に断線検出手段を作動させること、に相当している。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、図9(A)のエンジン運転中診断処理におけるS530〜S550の処理(即ち、エンジンの運転中にピニオン制御用リレー33をオンさせた上で図5の通電不能異常検出処理を行うこと)は、スタータ13のピニオンギヤ21やワンウェイクラッチの耐久性を考慮して、エンジン回転数が所定値以下の場合(より詳しくは、エンジン回転数は所定値以下だがアイドルストップのための自動停止条件は成立していない場合)にだけ実施するようにしても良い。
また、アイドルストップ制御手段としての機能を、マイコン41とは別のマイコンに持たせたり、ECU11とは別のECUに持たせたりした構成でも良い。
例えば、後者の場合には、ECU11とは別のECUが、エンジンの運転中において、自動停止条件が成立したか否かを判定し、自動停止条件が成立したと判定すると、エンジンを自動的に停止させると共に、アイドルストップ状態になったことを示す状態情報をECU11に通知し、その後、自動始動条件が成立したか否かを判定して、自動始動条件が成立したと判定すると、ECU11に対して、エンジンの再始動指令を行い、ECU11では、マイコン41が、上記状態情報から、エンジンの運転中とアイドルストップ中とを認識し、また、上記再始動指令を受けると図8のエンジン始動時処理を行う、というように構成することができる。
また、図7の断線検出処理を実施しないのであれば、比較器54,55のうちの一方と、ダイオードD1及び抵抗R1,R2は、設けなくても良い。
また、一般的ではないが、電磁スイッチ19はスタータ13と別体になっていても良い。また、ピニオン制御用ソレノイド23が、スタータ13とは別体に作られていて、車両の製造時にスタータ13と組み合わせられるようになっていても良い。
一方、バッテリ15から電磁スイッチ19のコイル19aへの通電経路についても、コイル23aへの通電経路に関する異常検出と同様の構成及び処理により、グランドラインへのショート、バッテリ電圧VBへのショート、及び断線を、区別して検出することができる。
11…ECU(電子制御装置)、13…スタータ、14…バッテリ電圧モニタ端子、15…バッテリ、17…モータ、19…電磁スイッチ、19a…コイル、19b,19c…接点、21…ピニオンギヤ、23…ピニオン制御用ソレノイド、23a…コイル、25…エンジンのリングギヤ、31…モータ制御用リレー、33…ピニオン制御用リレー、41…マイコン、43…入力回路、45,47,56〜59,R1,R2…抵抗、49…コンデンサ、D1…ダイオード、51,52…トランジスタ、53…通電経路異常検出回路、54…第1比較器、55…第2比較器、60…一次側異常検出回路、Tin…入力端子、Lm…異常検出用配線、P1…分岐点、P2…特定地点

Claims (24)

  1. モータと、エンジンのリングギヤに噛み合った状態で前記モータにより回転駆動されることで前記エンジンをクランキングするピニオンギヤとを有するスタータとして、前記ピニオンギヤが、前記モータへの通電/非通電に拘わらず、前記リングギヤに噛み合う状態と、前記リングギヤに噛み合わない状態とに、切替可能に構成されたスタータを備えると共に、
    電源から前記モータへの通電経路に設けられて、該通電経路を連通するオン状態と、該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるモータ通電用スイッチ手段と、
    一端がグランドラインに接続されたコイルの他端に前記電源の電圧が供給されて該コイルに通電されることで、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合う状態にし、前記コイルへの通電が停止されると、前記ピニオンギヤを前記リングギヤに噛み合わない状態にするピニオン制御用ソレノイドと、
    前記電源から前記コイルの他端へ至る通電経路に設けられて、該通電経路を連通するオン状態と、該通電経路を遮断するオフ状態とに、択一的に駆動されるピニオン制御用スイッチ手段と、
    所定の自動停止条件が成立すると前記エンジンを停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立すると前記エンジンを再始動させるアイドルストップ制御手段と、
    を備えた車両に用いられ、
    前記車両の運転者の始動用操作に応じて前記エンジンを始動させる初回始動時と、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを再始動させようとする再始動時との各々において、前記スタータに前記エンジンをクランキングさせるために、前記ピニオン制御用スイッチ手段と前記モータ通電用スイッチ手段との両方をオン状態となるように駆動する制御手段を備えたスタータ制御装置であって、
    前記エンジンの運転中において、前記ピニオン制御用スイッチ手段と前記モータ通電用スイッチ手段とのうち、前記ピニオン制御用スイッチ手段だけをオン状態となるように駆動し、その状態で、前記ピニオン制御用スイッチ手段と前記コイルとの間の通電経路における特定地点の電圧が所定の通電不能判定値よりも低いか否かを判定して、該電圧が前記通電不能判定値よりも低いと判定したならば、前記コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する第1の異常検出手段を備え、
    前記第1の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のスタータ制御装置において、
    前記第1の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記運転者に対して前記エンジンを停止させないことを促す処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスタータ制御装置において、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中において、前記ピニオン制御用スイッチ手段と前記モータ通電用スイッチ手段とのうち、前記ピニオン制御用スイッチ手段だけをオン状態となるように駆動し、その状態で、前記特定地点の電圧が前記通電不能判定値よりも低いか否かを判定して、該電圧が前記通電不能判定値よりも低いと判定したならば、前記コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する第2の異常検出手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  4. 請求項3に記載のスタータ制御装置において、
    前記第2の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記車両のハザードランプを点滅させること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記再始動時において、前記制御手段が前記ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動している場合の前記特定地点の電圧が前記通電不能判定値よりも低いか否かを判定し、該電圧が前記通電不能判定値よりも低いと判定したならば、前記コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する第3の異常検出手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  6. 請求項5に記載のスタータ制御装置において、
    前記第3の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記車両のハザードランプを点滅させること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載のスタータ制御装置において、
    前記第3の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記制御手段が前記モータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間を所定時間に制限すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記初回始動時において、前記制御手段が前記ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動している場合の前記特定地点の電圧が前記通電不能判定値よりも低いか否かを判定し、該電圧が前記通電不能判定値よりも低いと判定したならば、前記コイルへの通電が不能な異常が発生していると判定する第4の異常検出手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  9. 請求項8に記載のスタータ制御装置において、
    前記第4の異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記制御手段が前記モータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間を所定時間に制限すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  10. 請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記制御手段が前記ピニオン制御用スイッチ手段をオフ状態となるように駆動している場合の前記特定地点の電圧が所定の通電固着判定値よりも高いか否かを判定し、該電圧が前記通電固着判定値よりも高いと判定したならば、前記コイルに通電したままの異常が発生していると判定する通電解除不能異常検出手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  11. 請求項10に記載のスタータ制御装置において、
    前記エンジンの運転中において、前記通電解除不能異常検出手段を作動させ、該通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  12. 請求項11に記載のスタータ制御装置において、
    前記エンジンの運転中において前記通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記エンジンの回転数を制限する処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  13. 請求項12に記載のスタータ制御装置において、
    前記エンジンの回転数を制限する処理を行うことに加えて、前記車両のハザードランプを点滅させること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  14. 請求項11ないし請求項13の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記エンジンの運転中において前記通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記運転者に対して前記エンジンを停止させないことを促す処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  15. 請求項10ないし請求項14の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中において、前記通電解除不能異常検出手段を作動させ、該通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定されると、前記エンジンを始動させる処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  16. 請求項10ないし請求項15の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記初回始動時と前記再始動時との両方又は一方において、前記制御手段が前記ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に、前記通電解除不能異常検出手段を作動させること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  17. 請求項10ないし請求項16の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記通電解除不能異常検出手段により異常が発生していると判定された場合に、前記運転者に対して前記エンジンの回転数を上げないことを促す処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  18. 請求項1ないし請求項17の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記特定地点の電圧を入力するための入力端子に接続され、前記ピニオン制御用スイッチ手段がオフ状態で、且つ、前記特定地点から前記コイルを介して前記グランドラインへ至るまでの経路が断線している場合の、前記入力端子の電圧を、前記電源の電圧よりも低く且つ前記グランドラインの電位よりも高い所定の中間電圧にする中間電圧発生手段と、
    前記制御手段が前記ピニオン制御用スイッチ手段をオフ状態となるように駆動している場合の前記入力端子の電圧が前記中間電圧であるか否かを判定し、該電圧が前記中間電圧であると判定したならば、前記特定地点から前記コイルを介して前記グランドラインへ至るまでの経路に断線が発生していると判定する断線検出手段を備えていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  19. 請求項18に記載のスタータ制御装置において、
    前記エンジンの運転中において、前記断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させるのを禁止すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  20. 請求項19に記載のスタータ制御装置において、
    前記エンジンの運転中において前記断線検出手段により断線が発生していると判定されると、前記運転者に対して前記エンジンを停止させないことを促す処理を行うこと、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  21. 請求項18ないし請求項20の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記アイドルストップ制御手段が前記エンジンを停止させてから該エンジンを再始動させるまでのアイドルストップ中において、前記断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、前記車両のハザードランプを点滅させること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  22. 請求項18ないし請求項21の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記再始動時において、前記制御手段が前記ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に、前記断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、前記車両のハザードランプを点滅させること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  23. 請求項22に記載のスタータ制御装置において、
    前記再始動時において前記断線検出手段により断線が発生していると判定されると、前記制御手段が前記モータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間を所定時間に制限すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  24. 請求項18ないし請求項23の何れか1項に記載のスタータ制御装置において、
    前記初回始動時において、前記制御手段が前記ピニオン制御用スイッチ手段をオン状態となるように駆動する前に、前記断線検出手段を作動させ、該断線検出手段により断線が発生していると判定されると、前記制御手段が前記モータ通電用スイッチ手段をオン状態にする継続時間を所定時間に制限すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
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