JP2012212807A - 金属磁性粉末およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子を小さくしても粒子同士の凝集を抑制して粒子の独立性を高くすることができ、磁性塗料に使用した場合に分散性を向上させることができるとともに、嵩密度を高くすることができる、金属磁性粉末およびその製造方法を提供する。
【解決手段】オキシ水酸化鉄(α−FeOOH)のスラリーにカルボキシル基を有する化合物からなる分散剤を添加してオキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕し、得られたオキシ水酸化鉄の粒子の表面に(イットリウムを含む)希土類元素から選ばれる1種以上を含む焼結防止成分を被着させた後にオキシ水酸化鉄を還元することにより、金属磁性粉末を製造する。
【選択図】図4

Description

本発明は金属磁性粉末およびその製造方法に関し、特に、塗布型磁気記録媒体に使用される強磁性金属粉末およびその製造方法に関する。
塗布型磁気記録媒体などの情報記録媒体は、音声情報や映像情報などの情報を記録および保存するために使用されており、近年の音声情報や映像情報のデジタル化やハイエンド化に伴って、情報記録媒体に記録および保存する情報量が増加する傾向にある。そのため、情報記録媒体の高容量化が指向されており、従来から高容量の磁気記録媒体として広く利用されてきた塗布型磁気記録媒体は、情報容量に対する単価の低廉性や、長期間の保管に耐え得る保管安定性から、益々重要性が高まっている。
代表的な塗布型磁気記録媒体である磁気テープでは、1巻当たりの巻き数を増加させることによって高容量化する方法があるが、磁気テープの容器の容積やベースフィルムなどの他の部材の影響のために、巻き数の増加による高容量化には限界がある。一方、磁気記録媒体の小さい面積に多くの情報を書き込めるようにすることによって高容量化する方法もあり、この方法は極めて効果的な方法である。また、磁気記録媒体に情報を書き込むための記録波長を短くすることによって高容量化する方法もある。
磁気記録媒体の小さい面積に多くの情報を書き込めるようにすることによって高容量化する方法では、磁気記録媒体の限られた空間に金属磁性粉末の粒子をより多く存在させる必要があり、金属磁性粉末の粒子を微細化(低体積化)することが要求されている。また、磁気記録媒体に情報を書き込むための記録波長を短くする方法では、金属磁性粉末の粒子が情報の書き込みに耐えられる程度に微細化される、すなわち、記録波長よりも微細化されることが要求されている。このように、いずれの方法でも金属磁性粉末の粒子を微細化することが要求されている。
しかし、金属磁性粉末の粒子の微細化(低体積化)に伴って、比表面積が大きくなり、焼成および加熱還元の際に粒子間の焼結が生じ易くなり、粒子間の凝集が生じ易くなる。また、金属磁性粉末の粒子が焼結せずに粒子同士の凝集が抑制されて粒子の独立性が高くなっていなければ、微細化した金属磁性粉末を使用して磁性塗料を作製する際に分散性が悪くなり、磁性塗料中の磁性粒子の配向性が悪くなる。特に、金属磁性粉末の粒子が長軸長50nm以下の微粒子になると、粒子間の焼結を完全に防止することが困難になり、磁性塗料を作製する際の分散性を向上させるのが困難になり、磁性塗料中の磁性粒子の配向性が向上させるのが困難になる。
塗布型磁気記録媒体に使用される金属磁性粉末である(鉄を主成分として含有する)鉄系磁性粉体の粒子を微細化する方法として、焼結防止剤を含有するオキシ水酸化鉄(α−FeOOH)を焼成し、加熱還元して金属磁性粉末を得た後に、不要になった焼成防止剤に由来する非磁性成分を溶出させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、金属磁性粉末を使用して磁性塗料を作製する際の分散性を向上させるために、ゲーサイト粒子を含む固形分濃度50重量%以下の含液物を真空凍結乾燥した後に加熱脱水して得られたヘマタイト粒子を加熱還元して、ほぐれ易く分散性に優れた金属磁性粉末を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−294841号公報(段落番号0022、0032) 特開2009−228136号公報(段落番号0016−0023)
しかし、特許文献1の方法では、焼成および加熱還元の際に粒子間の焼結を防止することができるが、非磁性成分の少なくとも1種以上と錯体を形成し得る錯化剤が添加された液中において還元剤を作用させて非磁性成分を液中に溶出させる必要があり、金属磁性粉末の表面の特性が変化して磁性塗料中の磁性粒子の分散性が悪化する場合がある。
また、特許文献2の方法では、真空凍結乾燥という特殊な乾燥工程がボトルネックになって、大量生産には適していない。また、特許文献2の方法で得られる金属磁性粉末は、嵩密度が0.25g/cm以下と低いため、容器に詰めたときに詰まり難い粒子になって、必ずしも高密度磁気記録に適した粒子ではない。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、粒子を小さくしても粒子同士の凝集を抑制して粒子の独立性を高くすることができ、磁性塗料に使用した場合に分散性を向上させることができるとともに、嵩密度を高くすることができる、金属磁性粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、オキシ水酸化鉄の粒子の表面に焼結防止成分を被着させる前に、オキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕してオキシ水酸化鉄の粒子の凝集をほぐすことにより、焼結防止成分がより均一にオキシ水酸化鉄の粒子の表面を被覆して粒子間の焼結を抑制することができるようにすれば、金属磁性粉末の粒子を小さくしても粒子同士の凝集を抑制して粒子の独立性を高くすることができ、磁性塗料に使用した場合に分散性を向上させることができるとともに、嵩密度を高くすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明による金属磁性粉末の製造方法は、オキシ水酸化鉄(α−FeOOH)のスラリーを湿式粉砕して得られたオキシ水酸化鉄の粒子の表面に焼結防止成分を被着させた後にオキシ水酸化鉄を還元することを特徴とする。
この金属磁性粉末の製造方法において、オキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕する際に、オキシ水酸化物のスラリーに分散剤を添加するのが好ましい。また、分散剤がカルボキシル基を有する化合物であるのが好ましい。さらに、焼結防止成分として(イットリウムを含む)希土類元素から選ばれる1種以上を含む焼結防止成分を使用してもよい。
また、本発明による金属磁性粉末は、鉄または鉄とコバルトを主成分とする金属磁性相を有する粒子からなり、平均長軸長が10〜50nmであり、水銀圧入法により測定した細孔分布において細孔径が200nm以上の範囲の累積細孔容積が0.75mL/g以下であり、ゆるめ嵩密度が0.35g/cc以上で且つ固め嵩密度が0.40g/cc以上であることを特徴とする。
この金属磁性粉末では、金属磁性粉末の粒子の表面に焼結防止成分が被着してもよく、焼結防止成分として(イットリウムを含む)希土類元素から選ばれる1種以上を含む焼結防止成分を使用してもよい。
本発明によれば、オキシ水酸化鉄の粒子の表面に焼結防止成分を被着させる前に、オキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕することにより、オキシ水酸化鉄の粒子の凝集をほぐすことができるので、焼結防止成分がより均一にオキシ水酸化鉄の粒子の表面を被覆することができ、金属磁性粉末の粒子を小さくしても粒子同士の凝集を抑制して粒子の独立性を高くすることができ、磁性塗料に使用した場合に分散性を向上させることができるとともに、嵩密度を高くすることができる。
実施例においてオキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕するために使用する分散処理装置を概略的に示す図である。 実施例および比較例において得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末のゆるめ嵩密度とその金属磁性粉末の平均粒子体積当たり(以下、「単位体積当たり」という)の磁気テープの保磁力との関係を示す図である。 実施例および比較例において得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の固め嵩密度とその金属磁性粉末の単位体積当たりの磁気テープの保磁力との関係を示す図である。 実施例および比較例において得られた金属磁性粉末の水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径と累積細孔容積との関係を示す図である。 実施例および比較例において得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を示す図である。 実施例および比較例において得られた金属磁性粉末の水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径200nm以上の累積細孔容積とその金属磁性粉末を用いて作製した磁気テープの配向比との関係を示す図である。 実施例1の湿式粉砕後のオキシ水酸化鉄の粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 比較例1の湿式粉砕後のオキシ水酸化鉄の粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
本発明による金属磁性粉末の製造方法の実施の形態では、オキシ水酸化鉄(α−FeOOH)のスラリーを湿式粉砕して得られたオキシ水酸化鉄の粒子の表面に焼結防止成分を被着させた後にオキシ水酸化鉄を還元する。
出発材料として使用するオキシ水酸化鉄は、Feの一部が他の元素で置換されたオキシ水酸化鉄でもよく、従来の一般的な湿式法によって製造することができる。このオキシ水酸化鉄の粒子は、長軸長が20〜150nmであるのが好ましく、20〜100nmであるのがさらに好ましい。オキシ水酸化鉄の粒子がこの範囲の長軸長であれば、還元工程や安定化工程などの各工程の後でその体積が十分に小さくなり、より微粒子で高密度磁気記録に適した磁性粉末になる。
オキシ水酸化鉄のスラリーの湿式粉砕は、分散容器内で回転翼の付いた回転軸を高速で回転させる回転剪断型撹拌機、分散メディアを含む分散容器内で回転翼の付いた回転軸を高速で回転させるアトライタおよびサンドミル、超音波分散機、高圧噴霧衝突式分散機などの様々な湿式粉砕装置を使用して行うことができる。この湿式粉砕装置にオキシ水酸化鉄のスラリーを通す回数は一回でもよいが、複数回にすれば、さらに独立性の高い粒子を得ることができる。
オキシ水酸化鉄のスラリーの湿式粉砕は、効率的に粒子を処理するとともに粒子の独立性をさらに高めるために、スラリーに分散剤を添加して行うのが好ましい。この分散剤として、様々な分散剤を使用することができるが、最終製品として得られる金属磁性粉末の特性が劣化するのを防止するために、後工程において分解し得る炭素、窒素および酸素などによって構成された分散剤を使用するのが好ましい。特に、オキシ水酸化鉄の粒子の表面に作用して湿式粉砕効率を高めることができるカルボキシル基を有する化合物からなる分散剤を使用するのが好ましい。このようなカルボキシル基を有する化合物からなる分散剤として、(例えば、ライオン株式会社製のポリティA530、A540、A550、N−100K、PS−1900、サンノプコ株式会社製のSNディスパーザント5468、花王株式会社製のポイズ520、530、532A、カオーセラ2000などの)市販の分散剤を使用することができる。
オキシ水酸化鉄の粒子の表面に被着させる焼結防止成分は、(イットリウム(Y)を含む)希土類元素(R)から選ばれる1種以上を含むのが好ましい。このような焼結防止成分を被着させることにより、オキシ水酸化鉄の脱水および加熱還元時の焼結を防止することができる。なお、焼結防止成分を被着させる前にオキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕することにより、オキシ水酸化鉄の粒子の凝集をほぐすことができるので、焼結防止成分がより均一にオキシ水酸化鉄の粒子の表面を被覆することができる。
このようにして焼結防止成分が表面に被着した針状粒子からなるオキシ水酸化鉄を先駆物質として得た後、酸化性雰囲気下において250〜600℃で加熱脱水することによって鉄系酸化物(α−酸化鉄(α−Fe))を得ることができる。なお、この加熱脱水時の雰囲気中に適量の水蒸気を添加してもよい。また、この酸化性雰囲気下における加熱脱水を省略して、鉄系酸化物を経由せずにオキシ水酸化鉄を直接加熱還元してもよい。
このようにして得られた鉄系酸化物を一酸化炭素、アセチレン、水素などの還元ガスにより250〜600℃の温度範囲で還元する。この還元は、多段還元(設定された温度範囲において所定の温度で所定の時間保持することをその保持温度を変えて数回繰り返して還元すること)でもよい。この保持温度と保持時間を適正に制御することにより、金属磁性粉末の特性を変化させることができる。また、この還元処理の雰囲気として、還元ガスに水蒸気を添加した雰囲気を使用してもよい。
このように加熱還元して得られた金属磁性粉末は、そのまま大気中で取り扱うと発火のおそれがあるので、徐酸化工程によって金属磁性粉末の粒子の表面に非磁性酸化物層および90emu/g以下の磁性酸化物層の少なくとも一方の酸化物層を形成するのが好ましい。この徐酸化工程は、不活性ガスに添加する酸化性ガスの量を徐々に増加した雰囲気中において金属磁性粉末を20〜300℃の温度で所定時間保持して、金属磁性粉末の粒子の表面に酸化物層を形成する工程である。実際には、還元が終了した後の金属磁性粉末を徐酸化工程を行う温度まで冷却し、その温度で徐酸化を行うのが好ましく、この温度で弱酸化性ガスによって金属磁性粉末の粒子の表面に酸化物層を形成して安定化させるのが好ましい。
上述した実施の形態の金属磁性粉末の製造方法により製造された金属磁性粉末は、鉄または鉄とコバルトを主成分とする金属磁性相を有する粒子からなる金属磁性粉末である。すなわち、金属磁性相を構成する磁性元素(例えば、鉄、コバルト、ニッケル)のうち、鉄または鉄とコバルトの合計の原子割合が50%以上の金属磁性粉末である。
この金属磁性粉末の表面に酸化膜を形成すると、鉄(Fe)とコバルト(Co)を主成分として含有する金属磁性粉末では、「{Co含有量(at%)/Fe含有量(at%)}×100」で表される、Feに対するCoの原子割合(以下「Co/Fe原子比」という)が、0〜50at%であるのが好ましく、5〜45at%であるのがさらに好ましく、10〜40at%であるのが最も好ましい。このような範囲であれば、安定した磁気特性が得られ易く、耐候性も良好になる。
この金属磁性粉末にはAlが固溶しているのが好ましい。Alが固溶することにより、耐候性が改善されるとともに、焼結防止の効果も得られる。しかし、Alは非磁性成分であり、固溶量が多過ぎると磁気特性が希釈されて好ましくないので、金属磁性粉末全体に対するAl含有量は、0.1〜10質量%であるのが好ましく、0.5〜9質量%であるのがさらに好ましく、1〜8質量%であるのが最も好ましい。
この金属磁性粉末には、還元時に焼結を抑制するための焼結防止成分が被着している。この焼結防止成分は、(イットリウム(Y)やスカンジウム(Sc)を含む)希土類元素から選ばれる1種以上を含むのが好ましい。金属磁性粉末が微粒子の場合には、焼結が進み易いことから、加熱の際に金属磁性粉末の微粒子の表面に希土類元素からなる焼結防止成分が被着しているのが極めて有効である。しかし、希土類元素は非磁性成分であり、希土類元素の含有量が多過ぎると磁気特性が希釈され、また、この金属磁性粉末を使用して作製した磁気テープとヘッドの摺動時にヘッドの汚れとして付着する可能性もあるので好ましくない。そのため、金属磁性粉末全体に対する希土類元素の含有量は、0質量%より多く且つ20質量%以下であるのが好ましく、0.1〜17質量%であるのがさらに好ましく、0.5〜15質量%であるのが最も好ましい。
また、金属磁性粉末は、アルカリ土類金属を含んでもよい。アルカリ土類金属は意図的に添加してもよいが、原料の第一鉄塩、コバルト塩、アルミニウム塩、希土類塩から混入することもある。アルカリ土類金属の含有量が多過ぎると、時間の経過とともに周囲のバインダーなどと反応して塩を形成し、保存安定性を悪化させることがあり、特にアルカリ土類金属が水溶性の成分として含まれる場合にその影響が顕著に現れる可能性がある。そのため、金属磁性粉末全体に対するアルカリ土類金属の含有量は、0質量%より多く且つ0.5質量%以下であるのが好ましく、0.01〜0.3質量%であるのがさらに好ましく、0.01〜0.1質量%であるのが最も好ましい。
この金属磁性粉末の粒子サイズは、平均長軸長が10〜50nmであるのが好ましく、10〜40nmであるのがさらに好ましい。平均長軸長が50nmを超えると、粒子体積が大きくなってしまい、磁気記録の高記録密度化に十分対応することが難しくなる。
この金属磁性粉末は、水銀圧入法により測定した細孔分布において細孔径が200nm以上の範囲の累積細孔容積が0.75mL/g以下である。この累積細孔容積が0.75mL/gより大きいと、金属磁性粉末にオキシ水酸化鉄の脱水および加熱還元時の粒子の焼結によるネッキングにより生じた粒子間の空孔が多く存在していることを示し、そのような金属磁性粉末は、粒子間の凝集が多くなり過ぎるため、高密度磁気記録に使用するには好ましくないからである。
この金属磁性粉末は、ゆるめ嵩密度が0.35g/cc以上で且つ固め嵩密度が0.40g/cc以上である。なお、本明細書中において、「ゆるめ嵩密度」とは、金属磁性粉末を自由落下させて容器に詰めたときの単位容積質量、「固め嵩密度」とは、金属磁性粉末100ccを容器に入れてタッピングを180回行った状態の単位容積質量をいい、これらの値から金属磁性粉末の単位体積当たりの詰まり易さがわかる。金属磁性粉末のゆるめ嵩密度が0.35g/cc以上で且つ固め嵩密度が0.40g/cc以上であれば、金属磁性粉末の粒子が詰まり易く、粒子が焼結せずに独立に存在する割合が高いため、磁気テープに使用したときに金属磁性粉末の単位体積当たりの保磁力が高くなることがわかった。なお、実用性を考慮すると、ゆるめ嵩密度は、好ましくは0.35〜0.65g/cc、さらに好ましくは0.35〜0.55g/ccであり、固め嵩密度は、好ましくは0.40〜0.60g/cc、さらに好ましくは0.40〜0.55g/ccである。
以下、本発明による金属磁性粉末およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
Co/Fe=20.1at%、Al/(Fe+Co)=10.4at%の組成を有する長軸長88.1nmのオキシ水酸化鉄(α−FeOOH)を用意し、このオキシ水酸化鉄のスラリーを攪拌しながら、カルボキシル基を有する分散剤をオキシ水酸化鉄に対して2.5質量%になるように添加して10分間熟成させた後、この熟成させたスラリーを図1に概略的に示す分散処理装置の処理タンク1に入れて分散処理(湿式粉砕処理)を施した。この分散処理では、スラリーが処理タンク1から分散機を通って処理タンク2に送液されるのを1パスとし、処理タンク2から分散機を通って処理タンク1に送液されるのを2パスとして、10パス繰り返すことによって、オキシ水酸化鉄粒子を分散させた。なお、分散機としてアルティマイザーシステム(株式会社スギノマシン製のHJP−20084)を使用した。この湿式粉砕後のオキシ水酸化鉄の粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図7に示す。このTEM写真からわかるように、オキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕することにより、オキシ水酸化鉄の粒子の凝集がほぐれていることがわかる。
このようにしてオキシ水酸化鉄粒子を分散させた液に(イットリウムとして2.0質量%含有する)酸化イットリウムの硫酸水溶液300gを添加して、Alが固溶するとともにイットリウムが表面に被着したオキシ水酸化鉄の粉末(ケーキ)を得た。このオキシ水酸化鉄のケーキを濾過し、水洗した後、130℃で乾燥させ、オキシ水酸化鉄の乾燥固形物を得た。
このオキシ水酸化鉄の乾燥固形物10gをバケットに入れ、水の流量として1.0g/分で水蒸気を添加しながら大気中において400℃で焼成し、α−酸化鉄(α−Fe)(ヘマタイト)を主成分とする鉄系酸化物を得た。
このα−酸化鉄を主成分とする鉄系酸化物を通気可能なバケット内に投入した後、バケットを貫通型還元炉内に装入し、水素ガスを40L/分の流量で通気するとともに、水の流量として1.0g/分で水蒸気を添加しながら、500℃で60分間還元処理を行った。この還元処理が終了した後、水蒸気の供給を停止し、水素雰囲気下において昇温速度10℃/分で600℃まで昇温させた。その後、水の流量として1.0g/分で水蒸気を添加しながら60分間高温還元処理を行い、(Feの一部がCoに置換された)金属鉄の粉末を得た。
次に、炉内雰囲気を水素から窒素に変換し、50L/分の流量で窒素を導入しながら炉内温度を降温速度20℃/分で80℃まで降温させた。その後、窒素と純酸素をそれぞれ50L/分および400mL/分の流量で混合したガスを炉内に添加した後、水の流量として1.0g/分で水蒸気を添加しながら、水蒸気と酸素と窒素の混合雰囲気中において、粉末の表面に酸化膜を形成し、空気の供給量を徐々に増加することによって、混合雰囲気中における酸素濃度を上昇させ、最終的な酸素の流量を2.0L/分にした。なお、炉内に導入されるガスの総量は、窒素の流量を調整することによってほぼ一定に保たれるようにし、この徐酸化処理は、約80℃に維持される雰囲気下において行った。
このようにして得られた金属磁性粉末(表面に酸化膜を有する最終製品としての金属磁性粉末)の製造条件として、オキシ水酸化鉄の長軸長、分散機の種類、分散処理のパス数および分散剤の添加量を表1に示す。
Figure 2012212807
また、得られた金属磁性粉末について、金属磁性相と酸化膜を含む粒子全体の質量分析を行うことによって粉末の組成を求めた。なお、Co、Alおよび(Yを含む)希土類元素の定量は、日本ジャーレルアッシュ株式会社製の高周波誘導プラズマ発光分析装置ICP(IRIS/AP)を使用し、Feの定量は、平沼産業株式会社製の平沼自動滴定装置(COMTIME−980)を使用して行った。また、これらの定量結果は質量%として与えられるので、適宜原子%(at%)に換算して、原子比Co/Fe、Al/(Fe+Co)、Y/(Fe+Co)を求めた。その結果、Co/Fe=20.4at%、Al/(Fe+Co)=10.3at%、Y/(Fe+Co)=9.8at%であった。
また、得られた金属磁性粉末の粉体物理特性として、平均長軸長、平均短軸長、平均粒子体積、結晶子サイズDxおよびBET比表面積を算出し、ゆるめ嵩密度および固め嵩密度を測定した。
(平均長軸長および平均短軸長)
平均長軸長および平均短軸長は、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJEM−100CXMark−II型)を使用し、100kVの加速電圧で、明視野で金属磁性粉末を観察した像を(例えば、倍率58000倍で)写真撮影して(例えば、縦横の倍率を9倍に)拡大し、複数の写真から単分散している粒子をランダムに300個選択して、各々の粒子について長軸長と短軸長を測定し、その平均値から求めた。
(平均粒子体積)
平均粒子体積は、金属磁性粉末の粒子を円柱形状に近似して、平均粒子体積=π×平均長軸長×(平均短軸長/2)から求めた。
(BET比表面積)
BET比表面積は、ユアサイオニクス株式会社製の4ソーブUSを用いて、BET法により求めた。
(結晶子サイズDx)
結晶子サイズDxは、X線回折装置(株式会社リガク製のUlitimate−III)を使用して、測定範囲2θ=45〜60°においてスキャンスピード5°/分で積算回数を5回としてX線回折パターンを測定し、シェラー式(結晶子サイズ=Kλ/βcosθ)により求めた。このシェラーの式において、Kはシェラー定数0.9、λはCo−Kα線波長、βはFe(110)面の回折ピークの半価幅(ラジアン)、θは回折角(ラジアン)である。
(ゆるめ嵩密度および固め嵩密度)
ゆるめ嵩密度および固め嵩密度は、粉体特性評価装置(ホソカワミクロン株式会社製のパウダーテスターPT−E型)を使用して測定した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2012212807
(金属磁性粉末の磁気特性および耐候性の評価)
得られた金属磁性粉末の磁気特性として、東英工業株式会社製のVSM装置(VSM−7P)を使用して、外部磁場10kOe(795.8kA/m)で、保磁力Hc(OeおよびkA/m)、飽和磁化σs(Am/kg)、角形比SQを測定した。また、金属磁性粉末の耐候性を評価する指標として、金属磁性粉末を設定温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿容器内に1週間保持したときの飽和磁化σsの低下率Δσs(%)を測定した。これらの結果を表3に示す。
Figure 2012212807
(磁気記録媒体の磁気特性)
得られた金属磁性粉末100質量部に、塩化ビニル樹脂(日本ゼオン株式会社製のMR−555)15質量部、ポリウレタン樹脂(東洋紡株式会社製のUR−8200)15質量部、ステアリン酸1質量部、アセチルアセトン1質量部、メチルエチルケトン190質量部、シクロヘキサノン80質量部およびトルエン110質量部を加えた組成の磁性塗料をマイクロピペットで0.700mL採取してポットに添加し、その直後にスチールボール(2φ)30gとナイロンボール(8φ)10個をポットに加えて、ポットの蓋を閉じて10分間静置した。その後、ポットを遠心式ボールミル(FRITSH P−6)にセットし、ゆっくりと回転数を上げて600rpmに調整し、60分間分散させた。遠心式ボールミルを停止した後、ポットを取り出し、予めメチルエチルケトンとトルエンを1:1で混合した調整液1.800mLをマイクロピペットで添加した。その後、再びポットを遠心式ボールミルにセットし、600rpmで5分間分散させて、磁性塗料を作製した。
次に、ポットの蓋を開けてナイロンボールを取り除き、スチールボールごと磁性塗料をアプリケータ(55μm)に入れ、ベースフィルム(東レ株式会社製のポリエチレンフィルム15C−B500、膜厚15μm)上に磁性塗料を塗布した後、迅速に5.5kGの配向器のコイル中心に置いて磁場配向させた後、乾燥させて磁気テープを作製した。
このようにして作製した媒体としての磁気テープについて、東英工業株式会社製のVSM装置(VSM−7P)を使用して磁気測定を行い、保磁力Hcx(OeおよびkA/m)、金属磁性粉末の単位体積当たりの磁気テープの保磁力Hcx/V(Oe/nm)、保磁力分布SFD、角形比SQ、配向比ORを求めた。これらの結果を表4に示す。
Figure 2012212807
また、得られた金属磁性粉末のゆるめ嵩密度および固め嵩密度とその金属磁性粉末の単位体積当たりの磁気テープの保磁力との関係をそれぞれ図2および図3に示す。
また、得られた金属磁性粉末の粒子の焼結状態を確認するため、細孔分布ポロシメーター(Micromeritics Instrument社製のAutoPoreIV 9500
V1.05)を用いて、水銀圧入法により細孔分布測定を行った。その結果、得られた細孔径と累積細孔容積の関係を図4に示す。また、得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を図5に示し、得られた金属磁性粉末の水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径200nm以上の累積細孔容積とその金属磁性粉末を用いて作製した磁気テープの配向比との関係を図6に示す。
[実施例2〜3]
それぞれ長軸長76.5nm(実施例2)および66.4nm(実施例3)のオキシ水酸化鉄(実施例1とほぼ同じ組成)を使用した以外は実施例1と同様の方法により、金属磁性粉末を作製した。この金属磁性粉末の製造条件を表1に示す。
また、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により粉体物理特性および磁気特性を測定した。これらの結果をそれぞれ表2および表3に示す。
また、得られた金属磁性粉末を使用して実施例1と同様の方法により作製した磁気テープについて、実施例1と同様の方法により磁気測定を行った。その結果を表4に示す。
また、得られた金属磁性粉末のゆるめ嵩密度および固め嵩密度とその金属磁性粉末の単位体積当たりの磁気テープの保磁力との関係をそれぞれ図2および図3に示す。
さらに、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により細孔分布測定を行った。その結果、得られた細孔径と累積細孔容積の関係を図4に示す。また、得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を図5に示し、得られた金属磁性粉末の水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径200nm以上の累積細孔容積とその金属磁性粉末を用いて作製した磁気テープの配向比との関係を図6に示す。
[実施例4]
長軸長90.2nmのオキシ水酸化鉄(実施例1とほぼ同じ組成)を使用し、分散剤の添加量を5.0質量%とした以外は実施例1と同様の方法により、金属磁性粉末を作製した。この金属磁性粉末の製造条件を表1に示す。
また、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により粉体物理特性および磁気特性を測定した。これらの結果をそれぞれ表2および表3に示す。
また、得られた金属磁性粉末を使用して実施例1と同様の方法により作製した磁気テープについて、実施例1と同様の方法により磁気測定を行った。その結果を表4に示す。
また、得られた金属磁性粉末のゆるめ嵩密度および固め嵩密度とその金属磁性粉末の単位体積当たりの磁気テープの保磁力との関係をそれぞれ図2および図3に示す。
さらに、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により細孔分布測定を行った。その結果、得られた細孔径と累積細孔容積の関係を図4に示す。また、得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を図5に示し、得られた金属磁性粉末の水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径200nm以上の累積細孔容積とその金属磁性粉末を用いて作製した磁気テープの配向比との関係を図6に示す。
[実施例5〜7]
それぞれ長軸長86.5nm(実施例5)、79.6nm(実施例6)および70.7nm(実施例7)のオキシ水酸化鉄(実施例1とほぼ同じ組成)を使用し、分散機として超音波ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製のUS−600TCVP)を使用して15時間処理した以外は実施例1と同様の方法により、金属磁性粉末を作製した。この金属磁性粉末の製造条件を表1に示す。
また、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により粉体物理特性および磁気特性を測定した。これらの結果をそれぞれ表2および表3に示す。
また、得られた金属磁性粉末を使用して実施例1と同様の方法により作製した磁気テープについて、実施例1と同様の方法により磁気測定を行った。その結果を表4に示す。また、得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を図5に示す。
[実施例8〜10]
それぞれ長軸長88.4nm(実施例8)、80.2nm(実施例9)および71.5nm(実施例10)のオキシ水酸化鉄(実施例1とほぼ同じ組成)を使用し、分散機としてマイルダー(太平洋機工株式会社製のMDN303V)を使用してゼネレータの標準仕様により回転数12000rpmで処理した以外は実施例1と同様の方法により、金属磁性粉末を作製した。この金属磁性粉末の製造条件を表1に示す。
また、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により粉体物理特性および磁気特性を測定した。これらの結果をそれぞれ表2および表3に示す。
また、得られた金属磁性粉末を使用して実施例1と同様の方法により作製した磁気テープについて、実施例1と同様の方法により磁気測定を行った。その結果を表4に示す。また、得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を図5に示す。
[比較例1〜4]
それぞれ長軸長91.1nm(比較例1)、86.5nm(比較例2)、67.0nm(比較例3)および95.7nm(比較例4)のオキシ水酸化鉄(実施例1とほぼ同じ組成)を使用し、スラリーの分散処理を行わなかった以外は実施例1と同様の方法により、金属磁性粉末を作製した。この金属磁性粉末の製造条件を表1に示す。
また、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により粉体物理特性および磁気特性を測定した。これらの結果をそれぞれ表2および表3に示す。
また、得られた金属磁性粉末を使用して実施例1と同様の方法により作製した磁気テープについて、実施例1と同様の方法により磁気測定を行った。その結果を表4に示す。
また、得られた金属磁性粉末のゆるめ嵩密度および固め嵩密度とその金属磁性粉末の単位体積当たりの磁気テープの保磁力との関係をそれぞれ図2および図3に示す。
さらに、比較例1および比較例4で得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により細孔分布測定を行った。その結果、得られた細孔径と累積細孔容積の関係を図4に示す。また、比較例1〜4で得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を図5に示し、比較例1および比較例4で得られた金属磁性粉末の水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径200nm以上の累積細孔容積とその金属磁性粉末を用いて作製した磁気テープの配向比との関係を図6に示す。
また、比較例1のオキシ水酸化鉄の粒子(湿式粉砕処理を行わないオキシ水酸化鉄の粒子)の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図8に示す。このTEM写真から、湿式粉砕処理を行わないオキシ水酸化鉄の粒子は凝集しているのがわかる。
[比較例5]
長軸長89.6nmのオキシ水酸化鉄(実施例1とほぼ同じ組成)を使用し、スラリーの分散処理を行わなかった以外は実施例1と同様の方法により、Alが固溶するとともにイットリウムが表面に被着したオキシ水酸化鉄の乾燥固形物を得た。
このオキシ水酸化鉄の乾燥固形物10gをバケットに入れ、水の流量として1.0g/分で水蒸気を添加しながら大気中において400℃で焼成し、α−酸化鉄(α−Fe)(ヘマタイト)を主成分とする鉄系酸化物を得た。
このα−酸化鉄を主成分とする鉄系酸化物を通気可能なバケット内に投入した後、バケットを貫通型還元炉内に装入し、水素ガスを40L/分の流量で通気しながら、水の流量として1.0g/分で水蒸気を添加しながら、400℃で30分間焼成させて還元処理を行った。この還元処理が終了した後、水蒸気の供給を停止し、水素雰囲気下において昇温速度10℃/分で600℃まで昇温させた。その後、水の流量として1.0g/分で水蒸気を添加しながら60分間高温還元処理を行い、鉄系合金粉末(α−鉄)(中間製品としての金属磁性粉末)を得た。
次に、この粉末の溶出処理を行うために使用する処理液として、純水900mLに対して、錯化剤として酒石酸ナトリウムを0.05モル/L、緩衝剤として硫酸アンモニウムを0.1モル/Lになるように混合し、NHでpH=9に調整した処理液を用意した。この処理液に還元処理後の中間製品としての金属磁性粉末10gを投入して30℃に保持した後、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを0.3モル/Lになるよう添加し、30℃で30分間攪拌しながら熟成させ、スラリーを得た。このスラリーを固液分離して固形分と濾液を回収した。
回収した固形分を水洗し、濾過し、乾燥した後、実施例1と同様の方法により酸化処理を行って(表面に酸化膜を有する最終製品としての)金属磁性粉末を得た。この金属磁性粉末の製造条件を表1に示す。
また、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により粉体物理特性および磁気特性を測定した。これらの結果をそれぞれ表2および表3に示す。
また、得られた金属磁性粉末を使用して実施例1と同様の方法により作製した磁気テープについて、実施例1と同様の方法により磁気測定を行った。その結果を表4に示す。
さらに、得られた金属磁性粉末について、実施例1と同様の方法により細孔分布測定を行った。その結果、得られた細孔径と累積細孔容積の関係を図4に示す。また、得られた金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した際の金属磁性粉末の平均粒子体積と磁気テープの保磁力との関係を図5に示し、得られた金属磁性粉末の水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径200nm以上の累積細孔容積とその金属磁性粉末を用いて作製した磁気テープの配向比との関係を図6に示す。
図5に示すように、実施例1〜10の金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した場合、比較例1〜5の同程度の平均粒子体積の金属磁性粉末を用いて磁気テープを作製した場合と比べて、磁気テープの保磁力が高くなっている。したがって、実施例1〜10の金属磁性粉末は、比較例1〜5の金属磁性粉末と比べて、磁気テープに使用したときに磁性粉末の単位体積当たりの磁気テープの保磁力を高くすることができるので、高密度磁気記録に適していることがわかる。
また、図6に示すように、実施例1〜4で得られた金属磁性粉末は、比較例1、4および5で得られた金属磁性粉末と比べて、水銀圧入法により測定した細孔分布における細孔径200nm以上の累積細孔容積が非常に小さく、その金属磁性粉末を用いて作製した磁気テープの配向比が非常に高くなっている。これらの結果から、実施例1〜4で得られた金属磁性粉末は、比較例1、4および5で得られた金属磁性粉末と比べて、粒子の焼結によって生じる粒子間の空孔が少なく、粒子の焼結が抑制されていることがわかる。なお、「細孔径200nm以上の累積細孔容積」としたのは、それより小さい細孔径も含めると、粒子の表面に存在する「脱水により生じた細孔」なども含んでしまうので、粒子の焼結によって生じる粒子間の空孔を正確に把握することができなくなるからである。
本発明による金属磁性粉末を使用すれば、高密度磁気記録に適した磁気記録媒体を製造することができる。

Claims (7)

  1. オキシ水酸化鉄(α−FeOOH)のスラリーを湿式粉砕して得られたオキシ水酸化鉄の粒子の表面に焼結防止成分を被着させた後にオキシ水酸化鉄を還元する、金属磁性粉末の製造方法。
  2. 前記オキシ水酸化鉄のスラリーを湿式粉砕する際に、オキシ水酸化物のスラリーに分散剤を添加する、請求項1に記載の金属磁性粉末の製造方法。
  3. 前記分散剤がカルボキシル基を有する化合物である、請求項1または2に記載の金属磁性粉末の製造方法。
  4. 前記焼結防止成分が(イットリウムを含む)希土類元素から選ばれる1種以上を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属磁性粉末の製造方法。
  5. 鉄または鉄とコバルトを主成分とする金属磁性相を有する粒子からなり、平均長軸長が10〜50nmであり、水銀圧入法により測定した細孔分布において細孔径が200nm以上の範囲の累積細孔容積が0.75mL/g以下であり、ゆるめ嵩密度が0.35g/cc以上で且つ固め嵩密度が0.40g/cc以上である、金属磁性粉末。
  6. 前記粒子の表面に焼結防止成分が被着している、請求項5に記載の金属磁性粉末。
  7. 前記焼結結防止成分が(イットリウムを含む)希土類元素から選ばれる1種以上を含む、請求項5または6に記載の金属磁性粉末。

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