JP2012160584A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チャネル抵抗を低減することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】MOSFET1は、炭化珪素基板10と、活性層20と、ゲート酸化膜30と、ゲート電極40とを備えている。活性層20は、ゲート電極40に電圧が印加されることにより反転層が形成されるp型ボディ領域22を含む。反転層における電子の移動度μは、p型ボディ領域22のチャネル領域29におけるアクセプタ濃度Nの逆数に比例する状態よりも強くアクセプタ濃度Nに依存する。p型ボディ領域22のチャネル領域29におけるアクセプタ濃度Nは1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下である。チャネル長Lは0.43μm以下である。チャネル長Lは、d=D・N −Cで表されるチャネル領域29における空乏層の広がり幅d以上となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置に関し、より特定的には、チャネル抵抗を低減することが可能な半導体装置に関するものである。
近年、半導体装置の高耐圧化、低損失化、高温環境下での使用などを可能とするため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素の採用が進められつつある。炭化珪素は、従来から半導体装置を構成する材料として広く使用されている珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体である。そのため、半導体装置を構成する材料として炭化珪素を採用することにより、半導体装置の高耐圧化、オン抵抗の低減などを達成することができる。また、炭化珪素を材料として採用した半導体装置は、珪素を材料として採用した半導体装置に比べて、高温環境下で使用された場合の特性の低下が小さいという利点も有している。
このような炭化珪素を材料として用いた半導体装置のうち、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、所定の閾値電圧を境にチャネル領域における反転層の形成の有無をコントロールし、電流を導通および遮断する半導体装置においては、チャネル移動度の向上やオン抵抗の低減について種々の検討がなされている(たとえば特許文献1、非特許文献1および2参照)。
特開2000−150866号公報
Fujihira et al.、 "Realization of Low On−Resistance 4H−SiC power MOSFETs by Using Retrograde Profile in P−Body"、 Materials Science Forum、 Vols.556−557、Silicon Carbide and Related Materials 2006、 2006年、 p.827−830 Sei−Hyung Ryu et al.、"Critical Issues for MOS Based Power Devices in 4H−SiC"、 Materials Science Forum、 Vols.615−617、2009年、p.743−748
しかし、上記炭化珪素を素材として採用したMOSFETやIGBTなどの半導体装置においては、チャネル抵抗の低減によるオン抵抗のさらなる抑制が求められている。
そこで、本発明の目的はチャネル抵抗を低減することが可能な半導体装置を提供することである。
本発明の第1の局面における半導体装置は、炭化珪素からなる基板と、炭化珪素からなり、基板上に形成されたエピタキシャル成長層と、絶縁体からなり、エピタキシャル成長層に接触して配置されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜に接触して配置されたゲート電極とを備えている。エピタキシャル成長層は、導電型がp型であり、ゲート電極に電圧が印加されることによりゲート絶縁膜に接触する領域に反転層が形成されるp型ボディ領域を含む。また、反転層における電子の移動度μが、p型ボディ領域の反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nの逆数に比例する状態よりも強くアクセプタ濃度に依存する。p型ボディ領域の反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nは1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下である。反転層における電子の移動方向に沿った反転層の長さであるチャネル長は0.43μm以下であり、当該チャネル長はCおよびDを定数としてd=D・N −Cで表される反転層が形成されるべきp型ボディ領域の領域における空乏層の広がり幅d以上となっている。
また、本発明の第2の局面における半導体装置は、炭化珪素からなる基板と、炭化珪素からなり、基板上に形成されたエピタキシャル成長層と、絶縁体からなり、エピタキシャル成長層に接触して配置されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜に接触して配置されたゲート電極とを備えている。エピタキシャル成長層は、導電型がp型であり、ゲート電極に電圧が印加されることによりゲート絶縁膜に接触する領域に反転層が形成されるp型ボディ領域を含む。また、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極に対向するエピタキシャル成長層の表面と、エピタキシャル成長層を構成する炭化珪素の(0001)面とのなす角は8°以下である。p型ボディ領域の反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nは、1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下である。反転層における電子の移動方向に沿った反転層の長さであるチャネル長は0.43μm以下であり、かつ当該チャネル長がCおよびDを定数としてd=D・N −Cで表される反転層が形成されるべきp型ボディ領域の領域における空乏層の広がり幅d以上となっている。ここで、CおよびDは半導体装置の構造により決定される定数である。Cは正の実数であって0<C<1.0を満たす。また、Dは実数の係数である。
本発明者は半導体装置のチャネル抵抗の低減について以下のように詳細な検討を行ない、得られた知見に基づいて本発明に想到した。
すなわち、炭化珪素を材料として用いた半導体装置においては、オン抵抗に占めるチャネル抵抗の割合が大きい。また、チャネル抵抗はチャネル移動度の逆数とチャネル長との積に比例する。そのため、チャネル移動度を向上させること、およびチャネル長を短くすることが、チャネル抵抗の低減において重要となる。
一般に、移動度μは、イオン散乱により支配的な影響を受け、アクセプタ濃度(イオン濃度)Nの逆数に比例する(式(1)参照)。
Figure 2012160584
しかし、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極に対向するエピタキシャル成長層の表面が当該エピタキシャル成長層を構成する炭化珪素の(0001)面に近い面である場合、より具体的には、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極に対向するエピタキシャル成長層の表面と当該エピタキシャル成長層を構成する炭化珪素の(0001)面とのなす角が8°以下である場合、移動度μはイオン散乱に加えて、p型ボディ領域等を形成するためのイオン注入およびその後処理において発生した欠陥やトラップの影響を受ける。そのため、このような場合、移動度μはアクセプタ濃度の影響をより強く受ける。イオン注入およびその後処理において発生した欠陥やトラップの密度は、注入イオン量に依存し、アクセプタ濃度Nの関数で表わすことができるものと考えられる。そして、本発明者の検討によれば、イオン散乱だけでなく、上記欠陥やトラップの影響をも受ける場合の移動度μは、以下の式(2)で表される。
Figure 2012160584
なお、式(2)においてAおよびBは実数の係数である。
一方、チャネル抵抗はチャネル長に比例するため、チャネル長を短くすることによりチャネル抵抗を低減することができる。しかし、チャネル長を短くすると、短チャネル効果(パンチスルー)が発生し、耐圧の低下やオフ特性の悪化などの問題が生じる。短チャネル効果は、チャネル領域端部に形成されるpn接合領域からチャネル領域内に空乏層が広がり、チャネル領域全体が空乏層となることにより生じる。そのため、短チャネル効果の発生を抑制するためには、上記pn接合領域から広がる空乏層の幅よりも大きいチャネル長を確保する必要がある。チャネル領域端部のpn接合領域の外側における不純物濃度が一定である場合、チャネル領域への空乏層の広がり幅dは、以下の式(3)’を満たす。
Figure 2012160584
ここで、εSiCはSiC(炭化珪素)の誘電率、εは真空の誘電率、Vは拡散電位、Vmaxはオフ状態においてpn接合に印加される最大電圧(pn接合の順方向に電圧が印加される場合を正、逆方向に電圧が印加される場合を負とする)、Nはドナー濃度、eは電荷素量である。
そして、上記式(3)’は実用的な範囲において近似的に以下の式(3)のように表わすことができる。
Figure 2012160584
ここで、CおよびDは、半導体装置の構造により決定される定数である。Cは正の実数であって0<C<1.0を満たす。また、Dは実数の係数である。
そして、チャネル抵抗RONは、移動度の逆数とチャネル長とに比例するため、以下の式(4)で表わすことができる。
Figure 2012160584
この関数は極小値をとり、N=C/Bにおいて、RONは極小となる。そして、半導体装置における一般的なA〜Dの値を考慮すると、アクセプタ密度Nは、1×1016cm−3を超え2×1018cm−3未満であることにより、RONを十分に低減することができる。また、アクセプタ密度Nが当該範囲にある場合において、アクセプタ密度Nが最も低く、最も空乏層の広がり幅dが大きくなるアクセプタ密度Nが1×1016cm−3である場合の空乏層の広がり幅dは、式(3)より0.43μmとなる。つまり、上記アクセプタ密度Nの範囲においては、チャネル長は0.43μmを超える範囲とされる必要はない。そして、チャネル長が0.43μmを超える範囲とされることは、不必要にチャネル長を増大させ、チャネル抵抗を増大させる。そのため、チャネル長は0.43μm以下とすることが好ましい。一方、チャネル長の下限値は、短チャネル効果を抑制可能なチャネル長の下限値により規定することができる。すなわち、チャネル長を、d=D・N −Cで表される反転層が形成されるべきp型ボディ領域の領域(チャネル領域29)における空乏層の広がり幅d以上とすることにより、短チャネル効果を抑制することができる。
本発明の半導体装置は、反転層における移動度μがアクセプタ濃度Nの逆数に比例する状態よりも強くアクセプタ濃度Nに依存するものであって、あるいはゲート絶縁膜を挟んでゲート電極に対向するエピタキシャル成長層の表面とエピタキシャル成長層を構成する炭化珪素の(0001)面とのなす角が8°以下であって、反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nが1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下であり、かつチャネル長が式(3)で規定されるd以上0.43μm以下であることにより、短チャネル効果の発生を抑制しつつチャネル抵抗を有効に低減することが可能となっている。
このように、本発明の半導体装置によれば、チャネル抵抗を低減することが可能な半導体装置を提供することができる。
上記第1の局面における半導体装置においては、反転層における電子の移動度μと、p型ボディ領域の反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nとの関係が、AおよびBを正の実数の定数として1/μ=Aexp(B・N)で近似可能であってもよい。
このような条件を満たす半導体装置は、アクセプタ濃度Nおよびチャネル長を上記範囲とする本発明の半導体装置に、特に好適である。ここで、「1/μ=Aexp(B・N)で近似可能」である状態とは、アクセプタ濃度Nのみを変数とした場合に、少なくとも4つのアクセプタ濃度Nの値について1/μとの関係を上記指数関数でフィッティングした場合に、最小二乗法において相関係数が0.99以上となる状態をいう。
上記半導体装置においては、上記Bの値が1×10−19を超え1×10−16未満であってもよい。また、上記半導体装置においては、Aの値が0を超え2未満であってもよい。このような条件を満たす半導体装置は、アクセプタ濃度Nおよびチャネル長を上記範囲とする本発明の半導体装置に、特に好適である。
上記半導体装置においては、CおよびDの値は、それぞれ0.5<C<1.0および1×1014<D<1×1016を満たしていてもよい。このような条件を満たす半導体装置は、アクセプタ濃度Nおよびチャネル長を上記範囲とする本発明の半導体装置に、特に好適である。
上記半導体装置においては、p型ボディ領域は、反転層が形成されるべき領域を含むようにに配置されアクセプタ濃度の高い高濃度領域と、反転層における電子の移動方向において高濃度領域に隣接し、反転層が形成されるべき領域を含むように配置され高濃度領域よりもアクセプタ濃度の低い低濃度領域とを有していてもよい。
このようにすることにより、高濃度領域によって反転層が形成されるべき領域における空乏層の広がり幅を抑制し、短チャネル効果の発生をより確実に抑制することができる。
上記半導体装置においては、低濃度領域におけるアクセプタ濃度は、高濃度領域におけるアクセプタ濃度の1/2以下となっていてもよい。
このように濃度差の大きい高濃度領域を配置することにより、短チャネル効果の発生を一層確実に抑制することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の半導体装置によれば、チャネル抵抗を低減することが可能な半導体装置を提供することができる。
実施の形態1におけるMOSFETの構造を示す概略断面図である。 実施の形態1におけるMOSFETの製造手順の概略を示すフローチャートである。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 実施の形態2におけるMOSFETの構造を示す概略断面図である。 実施の形態2におけるMOSFETの製造手順の概略を示すフローチャートである。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。 MOSFETの製造方法を説明するための概略断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
まず、本発明の一実施の形態である実施の形態1について、図1に基づいて説明する。実施の形態1における半導体装置であるMOSFET1は、炭化珪素基板10と、炭化珪素基板10の一方の主面10A上に配置され、炭化珪素からなるエピタキシャル成長層である活性層20とを備えている。
炭化珪素基板10は、単結晶炭化珪素からなり、窒素、リンなどの不純物(n型不純物)を含むことにより導電型がn型(第1導電型)となっている。活性層20は、ドリフト層21と、p型ボディ領域22と、nソース領域24と、pコンタクト領域25とを含んでいる。
ドリフト層21は、炭化珪素基板10上に配置され、炭化珪素基板10よりも低濃度のn型不純物を含むことにより導電型がn型となっている。p型ボディ領域22は、活性層20の炭化珪素基板10とは反対側の主面を含むように配置されている。p型ボディ領域22は、アルミニウム、硼素などの不純物(p型不純物)を含むことにより導電型がp型(第2導電型)となっている。nソース領域24は、活性層20の炭化珪素基板10とは反対側の主面を含むようにp型ボディ領域22内に形成されている。nソース領域24は、ドリフト層21よりも高濃度のn型不純物を含むことにより、導電型がn型となっている。
コンタクト領域25は、活性層20の炭化珪素基板10とは反対側の主面を含むようにp型ボディ領域22内に形成され、nソース領域24から見てp型ボディ領域22の中央側に配置されている。pコンタクト領域25は、p型不純物を含むことにより導電型がp型となっている。
MOSFET1は、さらにゲート絶縁膜としてのゲート酸化膜30と、ゲート電極40と、ソースコンタクト電極60と、層間絶縁膜50と、ソース配線70と、ドレインコンタクト電極80と、裏面保護電極90とを備えている。
ゲート酸化膜30は、たとえば二酸化珪素などの絶縁体からなり、活性層20の炭化珪素基板10とは反対側の主面上においてnソース領域24およびp型ボディ領域22に接触するように延在している。ゲート電極40は、ゲート酸化膜30上に接触して配置され、p型ボディ領域22上において延在している。ゲート電極40は、ポリシリコン、アルミニウムなどの導電体からなっている。
ソースコンタクト電極60は、活性層20上においてnソース領域24およびpコンタクト領域25に接するように配置されている。ソースコンタクト電極60は、活性層20上のゲート酸化膜30に覆われていない領域に接するように配置されている。ソースコンタクト電極60は、ニッケルなどの導電体からなっており、少なくとも活性層20に接する領域がシリサイド化することによりnソース領域24とオーミックコンタクトを形成している。
層間絶縁膜50は、ゲート電極40上を覆うとともに、ゲート酸化膜30上にまで延在するように配置されている。層間絶縁膜50は、二酸化珪素などの絶縁体からなっている。ソース配線70は、ソースコンタクト電極60に接触し、ソースコンタクト電極60および層間絶縁膜50上を覆うように配置されている。ソース配線70は、アルミニウムなどの導電体からなっている。
ドレインコンタクト電極80は、炭化珪素基板10の活性層20とは反対側の主面上に接触して配置されている。ドレインコンタクト電極80は、ニッケルなどの導電体からなっており、少なくとも炭化珪素基板10に接する領域がシリサイド化することにより炭化珪素基板10とオーミックコンタクトを形成している。裏面保護電極90は、ドレインコンタクト電極80上に接触し、ドレインコンタクト電極80上を覆うように配置されている。裏面保護電極90はアルミニウムなどの導電体からなっている。
次に、MOSFET1の動作について説明する。図1を参照して、ゲート電極40の電圧が閾値電圧未満の状態、すなわちオフ状態では、ドレインコンタクト電極80および裏面保護電極90に電圧が印加されても、p型ボディ領域22とドリフト層21との間のpn接合が逆バイアスとなり、非導通状態となる。一方、ゲート電極40に閾値電圧以上の電圧を印加すると、p型ボディ領域22のゲート酸化膜30と接触する付近の領域であるチャネル領域29に反転層が形成される。その結果、nソース領域24とドリフト層21とが電気的に接続され、矢印αに沿ってキャリアである電子が移動し、電流が流れる。
すなわち、本実施の形態における半導体装置であるMOSFET1は、炭化珪素基板10と、炭化珪素からなり、炭化珪素基板10上に形成されたエピタキシャル成長層である活性層20と、活性層20に接触して配置されたゲート酸化膜30と、ゲート酸化膜30に接触して配置されたゲート電極40とを備えている。活性層20は、導電型がp型であり、ゲート電極40に電圧が印加されることによりゲート酸化膜30に接触する領域であるチャネル領域29に反転層が形成されるp型ボディ領域22を含む。そして、MOSFET1においては、反転層における電子の移動度μが、p型ボディ領域22の反転層が形成されるべき領域であるチャネル領域29におけるアクセプタ濃度Nの逆数に比例する状態よりも強くアクセプタ濃度Nに依存する。p型ボディ領域22のチャネル領域29におけるアクセプタ濃度Nは1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下である。また、反転層における電子の移動方向αに沿った反転層の長さであるチャネル長Lは0.43μm以下であり、当該チャネル長Lはd=D・N −Cで表されるチャネル領域29における空乏層の広がり幅d以上となっている。
また、本実施の形態におけるMOSFET1においては、炭化珪素基板10においてエピタキシャル成長層である活性層20が形成される側の主面10Aと、炭化珪素基板10を構成する炭化珪素の(0001)面とのなす角が8°以下となっている。そのため、ゲート酸化膜30を挟んでゲート電極40に対向する活性層20の表面22Sと、活性層20を構成する炭化珪素の(0001)面とのなす角は8°以下となっている。その結果、上述のように反転層における電子の移動度μが、p型ボディ領域22の反転層が形成されるべき領域であるチャネル領域29におけるアクセプタ濃度Nの逆数に比例する状態よりも強くアクセプタ濃度Nに依存している。
そして、本実施の形態におけるMOSFET1においては、反転層が形成されるべきチャネル領域29におけるアクセプタ濃度Nが1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下であり、かつチャネル長Lが式(3)で規定されるd以上0.43μm以下であることにより、短チャネル効果の発生が抑制されつつチャネル抵抗が低減されている。このように、MOSFET1は、チャネル抵抗が低減された半導体装置となっている。
また、MOSFET1においては、反転層における電子の移動度μと、p型ボディ領域22の反転層が形成されるべきチャネル領域29におけるアクセプタ濃度Nとの関係が、AおよびBを正の実数の定数として1/μ=Aexp(B・N)で近似可能であることが好ましい。さらに、上記Bの値は1×10−19を超え1×10−16未満であることが好ましい。また、上記Aの値は0を超え2未満であることが好ましい。さらに、上記CおよびDの値は、それぞれ0.5<C<1.0および1×1014<D<1×1016を満たすことが好ましい。このような条件を満たすことにより、より確実にMOSFET1の短チャネル効果を抑制し、かつチャネル抵抗を低減することができる。
より具体的には、MOSFET1においては、たとえばBの値として1.7×10−18、Cの値として0.98を採用することができる。この場合の最適なアクセプタ密度Nは、式(4)に基づいて5.8×1017cm−3である算出することができる。このとき、式(3)に基づいて、短チャネル効果を抑制可能な最小のチャネル長Lは0.01μmであると算出することができる。このようなアクセプタ密度Nおよびチャネル長Lを採用することにより、たとえばアクセプタ密度Nを1×1016cm−3、チャネル長Lを0.5μmとした場合に比べて30分の1にまでチャネル抵抗を低減することができる。
次に、本実施の形態におけるMOSFET1の製造方法の一例について、図2〜図9を参照して説明する。図2を参照して、本実施の形態におけるMOSFET1の製造方法では、まず工程(S10)として基板準備工程が実施される。この工程(S10)では、図3を参照して、たとえば昇華法により作製された単結晶炭化珪素のインゴットから採取され、(0001)面とのなす角が8°以下である主面10Aを有する炭化珪素基板10が準備される。
次に、工程(S20)としてエピタキシャル成長工程が実施される。この工程(S20)では、図3を参照して、エピタキシャル成長により炭化珪素基板10の一方の主面10A上に、導電型がn型のドリフト層21が形成される。ここで、導電型をn型とするためのn型不純物としては窒素、リンなどを採用することができる。
次に、工程(S30)として第1イオン注入工程が実施される。この工程(S30)では、図4を参照して、まずドリフト層21上に開口99Aを有するマスク層99が形成される。マスク層99は、たとえば二酸化珪素からなるものを採用することができる。その後、マスク層99をマスクとしてイオン注入を実施することにより、ドリフト層21よりも高濃度のn型不純物を含むn領域24Aが形成される。
次に、工程(S40)として第1等方性エッチング工程が実施される。この工程(S40)では、図5を参照して、工程(S30)において使用されたマスク層99に対して等方性エッチングを実施することにより、矢印で示すように開口99Aが拡大される。
次に、工程(S50)として、第2イオン注入工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において開口99Aが拡大されたマスク層99をマスクとしてイオン注入を実施することにより、p型不純物を含むp型ボディ領域22が形成される。
次に、工程(S60)として、第3イオン注入工程が実施される。この工程(S60)では、図6を参照して、工程(S50)において使用されたマスク層99が一旦除去された後、適切な位置に開口99Aを有するマスク層99が改めて形成される。その後、当該マスク層99をマスクとしてイオン注入を実施することにより、高濃度のp型不純物を含むpコンタクト領域25が形成される。このとき、n領域24Aのうちpコンタクト領域25が形成されなかった領域がnソース領域24となる。
次に、工程(S70)としてゲート酸化膜形成工程が実施される。この工程(S70)では、図6および図7を参照して、工程(S60)において使用されたマスク層99が除去された上で、熱酸化処理が実施されることにより、ゲート酸化膜30となるべき熱酸化膜30が形成される。この熱酸化膜30は、ドリフト層21の炭化珪素基板10とは反対側の主面全体を覆うように形成される。
次に、工程(S80)としてゲート電極形成工程が実施される。この工程(S80)では、図7および図8を参照して、熱酸化膜30上に接触するように、たとえばポリシリコンからなるゲート電極40が形成される。ゲート電極40の形成は、たとえばスパッタリングにより実施することができる。
次に、工程(S90)としてコンタクト電極形成工程が実施される。この工程(S90)では、図8および図9を参照して、ソースコンタクト電極60およびドレインコンタクト電極80が形成される。具体的には、まずnソース領域24およびpコンタクト領域25においてソースコンタクト電極60と接触すべき領域上の熱酸化膜30が、エッチングにより除去される。次に、たとえばソースコンタクト電極60およびドレインコンタクト電極80を形成すべき所望の領域にニッケル膜が蒸着法により形成される。また、二酸化珪素からなる層間絶縁膜50がゲート電極40、ソースコンタクト電極60となるべきニッケル膜および熱酸化膜30の上部表面を覆うように形成される。次に、合金化アニールが実施されることにより、ニッケル膜の少なくとも一部がシリサイド化する。その結果、nソース領域24とオーミックコンタクトを形成するソースコンタクト電極60、炭化珪素基板10とオーミックコンタクトを形成するドレインコンタクト電極80、および層間絶縁膜50が形成される。
次に、工程(S100)として配線形成工程が実施される。この工程(S100)では、図9および図1を参照して、ソース配線70と、裏面保護電極90とが形成される。具体的には、たとえばソースコンタクト電極60上の層間絶縁膜50が除去された上で、ソースコンタクト電極60および層間絶縁膜50を覆うとともに、ドレインコンタクト電極80を覆うように、アルミニウムを蒸着する。以上のプロセスにより、本実施の形態におけるMOSFET1の製造プロセスは完了する。なお、上記製造プロセスにおいては、工程(S40)における当方性エッチングによりチャネル長Lが決定される。そして、チャネル長Lを0.1μm以上に設定することにより、比較的容易にチャネル長Lの値をコントロールすることが可能となる。
(実施の形態2)
次に、本発明の他の実施の形態である実施の形態2について説明する。図10を参照して、実施の形態2における半導体装置であるMOSFET1は、基本的には実施の形態1におけるMOSFET1と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2におけるMOSFET1は、p型ボディ領域22の構成、特にチャネル領域29の構成において実施の形態1の場合とは異なっている。
図10を参照して、実施の形態2におけるMOSFET1においては、p型ボディ領域22は、高濃度のアクセプタを含む高濃度領域22Aと、高濃度領域22Aを取り囲むように配置され、高濃度領域22Aよりも低濃度のアクセプタを含む低濃度領域22Bとを含んでいる。また、ゲート酸化膜30は、nソース領域24、高濃度領域22Aおよび低濃度領域22Bに接触するように延在している。ゲート電極40は、高濃度領域22A上から低濃度領域22B上にまで延在している。
すなわち、実施の形態2におけるMOSFET1においては、p型ボディ領域22は、反転層が形成されるべきチャネル領域29を含むように配置され、アクセプタ濃度の高い高濃度領域22Aと、反転層における電子の移動方向αにおいて高濃度領域22Aに隣接し、チャネル領域29を含むように配置され、高濃度領域22Aよりもアクセプタ濃度の低い低濃度領域22Bとを有している。これにより、実施の形態2におけるMOSFET1においては、高濃度領域22Aによって、反転層が形成されるべきチャネル領域29における空乏層の広がり幅を抑制し、短チャネル効果の発生をより確実に抑制することができる。
さらに、本実施の形態におけるMOSFET1においては、低濃度領域22Bにおけるアクセプタ濃度は、高濃度領域22Aにおけるアクセプタ濃度の1/2以下となっていることが好ましい。このように濃度差の大きい高濃度領域22Aを配置することにより、短チャネル効果の発生を一層確実に抑制することができる。
次に、実施の形態2におけるMOSFET1の製造方法の一例について、図11〜図13に基づいて説明する。図11を参照して、実施の形態2におけるMOSFET1の製造方法では、工程(S110)としての基板準備工程、工程(S120)としてのエピタキシャル成長工程および工程(S130)としての第1イオン注入工程が、それぞれ実施の形態1における工程(S10)、(S20)および(S30)と同様に実施される。
次に、工程(S140)として第1等方性エッチング工程が実施される。この工程(S140)では、図12を参照して、工程(S130)において使用されたマスク層99に対して等方性エッチングを実施することにより、所望の高濃度領域22Aの形状に対応した開口99Aが形成されるように、矢印で示すように開口99Aが拡大される。
次に、工程(S150)として第2イオン注入工程が実施される。この工程(S150)では、工程(S140)において開口99Aが拡大されたマスク層99をマスクとしてイオン注入を実施することにより、高濃度のアクセプタを含む高濃度領域22Aが形成される。より具体的には、工程(S150)において高濃度のp型不純物がイオン注入により導入され、後続の活性化アニールにより導入された不純物のうち所定の割合の不純物がアクセプタとして機能することにより、高濃度領域22Aが形成される。
次に、工程(S151)として第2等方性エッチング工程が実施される。この工程(S151)では、図13を参照して、工程(S150)において使用されたマスク層99に対して等方性エッチングを実施することにより、所望の低濃度領域22Bの形状に対応した開口99Aが形成されるように、矢印で示すように開口99Aが拡大される。
次に、工程(S152)として第4イオン注入工程が実施される。この工程(S152)では、工程(S151)において開口99Aが拡大されたマスク層99をマスクとしてイオン注入を実施することにより、高濃度領域22Aよりも低いアクセプタ濃度を有する低濃度領域22Bが形成される。より具体的には、工程(S152)において高濃度領域22Aよりも低濃度のp型不純物がイオン注入により導入され、後続の活性化アニールにより導入された不純物のうち所定の割合の不純物がアクセプタとして機能することにより、低濃度領域22Bが形成される。
その後、工程(S160)としての第3イオン注入工程、工程(S170)としてのゲート酸化膜形成工程、工程(S180)としてのゲート電極形成工程、工程(S190)としてのコンタクト電極形成工程および(S200)としての配線形成工程が、それぞれ実施の形態1の工程(S60)、(S70)、(S80)、(S90)および(S100)と同様に実施される。以上のプロセスにより、本実施の形態における半導体装置の製造プロセスは完了し、図10に示す実施の形態2におけるMOSFET1が得られる。
なお、上記実施の形態においては、本発明の半導体装置がDMOSFET(プレーナ型MOSFET)に適用される場合について説明したが、本発明の半導体装置はこれに限られず、所定の閾値電圧を境にチャネル領域における反転層の形成の有無をコントロールし、電流を導通および遮断する種々の半導体装置に適用することができる。具体的には、本発明の半導体装置は、たとえばトレンチ型MOSFET(UMOSFET)、VMOSFET、IGBTなどの半導体装置に広く適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の半導体装置は、オン抵抗を低減することが求められる半導体装置に、特に有利に適用され得る。
1 MOSFET、10 炭化珪素基板、10A 主面、20 活性層、21 ドリフト層、22 p型ボディ領域、22A 高濃度領域、22B 低濃度領域、22S 表面、24 nソース領域、24A n領域、25 pコンタクト領域、29 チャネル領域、30 ゲート酸化膜(熱酸化膜)、40 ゲート電極、50 層間絶縁膜、60 ソースコンタクト電極、70 ソース配線、80 ドレインコンタクト電極、90 裏面保護電極、99 マスク層、99A 開口。

Claims (8)

  1. 炭化珪素からなる基板と、
    炭化珪素からなり、前記基板上に形成されたエピタキシャル成長層と、
    絶縁体からなり、前記エピタキシャル成長層に接触して配置されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜に接触して配置されたゲート電極とを備え、
    前記エピタキシャル成長層は、導電型がp型であり、前記ゲート電極に電圧が印加されることにより前記ゲート絶縁膜に接触する領域に反転層が形成されるp型ボディ領域を含み、
    前記反転層における電子の移動度μが、前記p型ボディ領域の前記反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nの逆数に比例する状態よりも強く前記アクセプタ濃度Nに依存し、
    前記p型ボディ領域の前記反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nが1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下であり、
    前記反転層における電子の移動方向に沿った前記反転層の長さであるチャネル長が0.43μm以下であり、
    前記チャネル長がCおよびDを定数として
    d=D・N −C
    で表される、前記反転層が形成されるべき前記p型ボディ領域の領域における空乏層の広がり幅d以上となっている、半導体装置。
  2. 前記反転層における電子の移動度μと、前記p型ボディ領域の前記反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nとの関係が、AおよびBを実数の定数として以下の式
    1/μ=Aexp(B・N
    で近似可能である、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記Bの値が1×10−19を超え1×10−16未満である、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記Aの値が0を超え2未満である、請求項2または3に記載の半導体装置。
  5. 炭化珪素からなる基板と、
    炭化珪素からなり、前記基板上に形成されたエピタキシャル成長層と、
    絶縁体からなり、前記エピタキシャル成長層に接触して配置されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜に接触して配置されたゲート電極とを備え、
    前記エピタキシャル成長層は、導電型がp型であり、前記ゲート電極に電圧が印加されることにより前記ゲート絶縁膜に接触する領域に反転層が形成されるp型ボディ領域を含み、
    前記ゲート絶縁膜を挟んで前記ゲート電極に対向する前記エピタキシャル成長層の表面と、前記エピタキシャル成長層を構成する炭化珪素の(0001)面とのなす角が8°以下であり、
    前記p型ボディ領域の前記反転層が形成されるべき領域におけるアクセプタ濃度Nが1×1016cm−3以上2×1018cm−3以下であり、
    前記反転層における電子の移動方向に沿った前記反転層の長さであるチャネル長が0.43μm以下であり、
    前記チャネル長がCおよびDを定数として
    d=D・N −C
    で表される、前記反転層が形成されるべき前記p型ボディ領域の領域における空乏層の広がり幅d以上となっている、半導体装置。
  6. 前記Cおよび前記Dの値は、それぞれ0.5<C<1.0および1×1014<D<1×1016を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記p型ボディ領域は、
    前記反転層が形成されるべき領域を含むように配置され、アクセプタ濃度Nの高い高濃度領域と、
    前記反転層における電子の移動方向において前記高濃度領域に隣接し、前記反転層が形成されるべき領域を含むように配置され、前記高濃度領域よりもアクセプタ濃度Nの低い低濃度領域とを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記低濃度領域におけるアクセプタ濃度Nは、前記高濃度領域におけるアクセプタ濃度Nの1/2以下となっている、請求項7に記載の半導体装置。
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