JP2012148310A - 鋼板エッジ部の加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧延機入り側に設けた誘導加熱装置により、圧延に備えて鋼板エッジ部を加熱する際に、誘導加熱装置及び圧延機間におけるエッジ部の抜熱量を考慮して加熱を行う。
【解決手段】鋼板エッジ部Sa、Sbについて、クーラントによる抜熱量、誘導加熱装置5から第1圧延スタンド6aまでの搬送途中における空冷による抜熱量及びエッジ部から鋼板センター部への熱伝達による抜熱量、誘導加熱装置5から第1圧延スタンド6aまでの間に設けられた蛇行防止用等のロール10と鋼板Sとの接触による抜熱量のそれぞれを演算し、これらの総和を総抜熱量とする。第1圧延スタンド6aのロールバイト温度目標値Tr* と総抜熱量に応じた温度低下分とをもとにエッジヒータ出側温度目標値Thout * を演算し、エッジヒータ入り側の鋼板Sの温度とエッジヒータ出側温度目標値Thout * との差分相当の昇温を行うようにエッジヒータ5a、5bの投入電力を演算する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、圧延機入り側に設けたエッジ部加熱装置により、圧延機での圧延に備えて鋼板エッジ部を前以って加熱する際の、鋼板エッジ部の加熱方法に関する。
従来から金属板の冷間圧延は単スタンドのレバースミルや複数スタンドを有するタンデム圧延機によって行われているが、一般的な冷間圧延の操業においては、室温程度、すなわち高くとも40℃程度の圧延材を使用して圧延している。これは圧延材の変形抵抗は、温度が高いほど低下するが、温度を高めることによるメリット、例えば、圧延動力の低減がほとんと無視される程度であるのに対して、昇温するためのコスト的損失が非常に大きいこと、高温の圧延材のハンドリングが困難になること等によるものである。
また、酸洗ラインと冷間圧延機とが連続して配置された設備においても、酸洗ライン出側では、60℃程度の鋼板温度を容易に確保することができるものの、酸洗ラインからタンデム圧延機間の適所に設けられたルーパ設備を通過することにより、最終的に10〜20℃程度の温度降下が生じることが一般的であるため、やはり室温程度の圧延材を使用して圧延を行っている。
一般に、冷延鋼板の圧延においては、このように室温レベルの材料を圧延に供することが通常行われている。しかしながら、難圧延材とされる電磁鋼板(珪素鋼板)、ステンレス鋼板、高炭素鋼板の圧延においては、材料の変形抵抗が高く、延性に乏しいがゆえに圧延中に鋼板エッジ部に割れ(以下、耳割れと称す)が生じ易く、耳割れの程度が大きい場合には、耳割れを起点に鋼板の破断が生じる可能性がある。
このような問題を防止するための方法として、鋼板温度を上昇させ、素材の延性を向上させる方法が有効であり、例えば、珪素鋼板の冷間圧延において圧延機の入り側に誘導加熱方式によるエッジヒータを設置し、鋼板エッジ部を昇温することで、耳割れの発生を防止するようにした方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
また、鋼板エッジ部を誘導加熱することにより昇温させる手段としては、例えば図6に示すような一対のC型誘電子(インダクタ)を備えた誘導加熱装置(トランスバース式誘導加熱装置)が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。この誘導加熱装置は、鋼板Sの左右エッジ部をインダクタで上下から挟み込み、図示しない電源装置で加熱コイルLに高周波電流を流し、発生した高周波磁束で鋼板Sのエッジ部に誘導電流を生じさせ、誘導電流により発生するジュール熱で、鋼板エッジ部を加熱するものである。
特開昭61−15919号公報 特開平11−290931号公報 特開平5−117753号公報
しかしながら、上記の従来技術には以下の問題がある。
すなわち、通常の冷間圧延では、圧延機入り側で、圧延ロールを冷却するためのクーラントをロールに向けて吹き付けており、そのクーラントに圧延前の鋼板が接触することにより抜熱が生じる。また、冷間圧延では、第1スタンド入り側で蛇行を防止したり、鋼板の上下方向の振動(ばたつき)を抑制したりするためのロールや、張力測定用のロールが配置されており、誘導加熱装置を、圧延機(第1スタンド)に近接して設置することは困難である。
そのため、誘導加熱装置でエッジ部を加熱したとしても、誘導加熱装置での加熱が終了した時点から圧延機に実際に入力されるまでの間にエッジ部に抜熱が生じる。この抜熱量は加熱終了から圧延機に実際に入力されるまでの所要時間に応じた量となる。そのため、素材の延性を向上させるために鋼板エッジ部を昇温しても、実際に圧延機に鋼板が噛み込まれる時点では充分な温度となっておらず、耳割れを確実に防止することができない可能性があるという問題がある。
また、このように難圧延材の加工では、第1スタンドに入る直前の鋼板温度を精度よく保つことが要求されるが、非圧延材を、延性−脆性遷移温度以上とする必要もある。例えば、図7に2種の鋼について、延性−脆弱遷移温度を調べた結果を示す。図7において、横軸は、試験温度(金型温度)、縦軸はベント回数であって、各試験温度において、板厚2.7〔mm〕の鋼板を曲率15〔mmφ〕で90°の曲げ試験を行った際に、破断するまでの曲げ回数(ベンド回数)を示したものである。
図7から明らかなように、各鋼とも、特定の温度以下で急激に延性が劣化する(脆化する)ことがわかる。
一方、図8は、圧延油のプレートアウト量(板材表面にクーラントをかけたときの圧延油の付着量)に与える鋼板温度の影響を、圧延油濃度の異なる複数の圧延油について示したものである。図8において横軸は鋼板温度、縦軸はプレートアウト量である。
図8に示すように、圧延油濃度が上がるにつれてプレートアウト量は増加するものの、鋼板温度(ロールバイト温度)が上昇すると、プレートアウト量は減少していき、潤滑性が低下する。通常の圧延油濃度(数%)では、冷間圧延の限界量(例えば、0.5〔mg/m2 〕)を下回ると、例えば板厚変動、圧延荷重変動及び形状変化等の圧延不良が生じる。このため、非圧延材のエッジ部温度を上げ過ぎることはできない。
したがって、圧延機入口(ロールバイト位置)での非圧延材のエッジ部温度を所定の範囲に制御することが必要となる。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、圧延機の入り側で鋼板のエッジ部を加熱した後、鋼板を圧延機に導入する際に、圧延機に実際に入力される時点における鋼板エッジ部の温度を、目標とする鋼板エッジ部温度に、より高精度に制御することの可能な鋼板エッジ部の加熱方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る鋼板エッジ部の加熱方法は、圧延機入り側にエッジ部加熱装置を配置し、前記圧延機直前における前記鋼板のエッジ部温度が予め設定した圧延機入り側温度目標値となるように、前記鋼板のエッジ部を前記エッジ部加熱装置により加熱するようにした圧延ラインにおける鋼板エッジ部の加熱方法であって、前記エッジ部加熱装置から排出された後、前記圧延機に入力されるまでの間の、前記鋼板のエッジ部における総抜熱量を演算し、前記エッジ部加熱装置による加熱直後の前記エッジ部温度が、前記圧延機直前での前記圧延機入り側温度目標値と前記総抜熱量に応じた前記エッジ部の温度低下分との和相当となるように、前記エッジ部加熱装置による加熱量を制御することを特徴としている。
また、請求項2に係る鋼板エッジ部の加熱方法は、前記圧延機入り側に、前記圧延機のワークロールにクーラントを吐出するクーラント吐出手段を備え、前記圧延機入り側に形成されるクーラント溜まりにより生じる前記エッジ部の抜熱量をクーラントによる抜熱量として演算し、当該クーラントによる抜熱量に基づき前記総抜熱量を演算することを特徴としている。
また、請求項3に係る鋼板エッジ部の加熱方法は、前記エッジ部が前記エッジ部加熱装置から排出された後、前記圧延機に入力されるまでの間における、前記エッジ部の空冷による抜熱量と、前記エッジ部加熱装置により加熱された前記鋼板のエッジ部から前記鋼板の中央部への熱伝達により生じる前記エッジ部の熱伝達による抜熱量と、の少なくとも何れか一方を演算し、演算した前記空冷による抜熱量と前記熱伝達による抜熱量との少なくとも何れか一方に基づき前記総抜熱量を演算することを特徴としている。
さらに、請求項4に係る鋼板エッジ部の加熱方法は、前記エッジ部加熱装置と前記圧延機との間に、例えば、圧延機の入り側で蛇行を防止したり、鋼板の上下方向の振動(ばらつき)を抑制したりするためのロールや、張力測定用のロール等といった、1又は複数の機能ロールを備え、前記機能ロールと前記鋼板とが接触することにより生じる前記エッジ部の抜熱量を前記機能ロール毎に演算してその総量をロール接触による抜熱量とし、当該ロール接触による抜熱量に基づき前記総抜熱量を演算することを特徴としている。
さらにまた、請求項5に係る鋼板エッジ部の加熱方法は、前記エッジ部加熱装置による加熱直前の前記鋼板温度を計測する鋼板温度計測手段を有し、前記圧延機入り側温度目標値と前記総抜熱量に応じた前記エッジ部の温度低下分とから前記エッジ部加熱装置による加熱直後の前記エッジ部の加熱装置出側温度目標値を演算し、前記鋼板温度計測手段で計測される鋼板温度と前記加熱装置出側温度目標値との差分相当だけ前記エッジ部を昇温するように前記エッジ部加熱装置による加熱量を制御することを特徴としている。
また、請求項6に係る鋼板エッジ部の加熱方法は、前記エッジ部加熱装置による加熱直後の前記エッジ部温度を計測する加熱装置出側温度計測手段を有し、前記加熱装置出側温度目標値と前記加熱装置出側温度計測手段で計測される加熱装置出側温度との差分に応じて前記エッジ部加熱装置による加熱量を補正することを特徴としている。
さらに、請求項7に係る鋼板エッジ部の加熱方法は、前記圧延機直前における前記鋼板のエッジ部温度を計測する圧延機入り側温度計測手段を有し、前記圧延機入り側温度目標値と、前記圧延機入り側温度計測手段で計測された圧延機入り側温度との差分に応じて前記エッジ部加熱装置による加熱量を補正することを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、エッジ部加熱装置から排出された後、圧延機に入力されるまでの間の、鋼板のエッジ部における総抜熱量を演算し、この総抜熱量に応じたエッジ部の温度低下分を考慮して、エッジ部加熱装置ではエッジ部の加熱を行うため、実際に圧延機に入力される時点におけるエッジ部の温度を、より高精度に圧延機入り側温度目標値と一致するように制御することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、圧延機入り側において吐出されるクーラントにより生じるエッジ部の抜熱量に応じて生じるエッジ部の温度低下分を考慮してエッジ部を前以って加熱することができる。
また、請求項3に係る発明によれば、エッジ部加熱装置から排出された後、圧延機に入力されるまでの間の、エッジ部の空冷による抜熱量と、エッジ部の熱伝達による抜熱量と、の少なくとも何れか一方に応じて生じるエッジ部の温度低下分を考慮してエッジ部を前以って加熱することができる。
さらに、請求項4に係る発明によれば、エッジ部加熱装置と圧延機との間に設けられた機能ロールと鋼板とが接触することにより生じるエッジ部の抜熱量に応じたエッジ部の温度低下分を考慮してエッジ部を前以って加熱することができる。
さらにまた、請求項5に係る発明によれば、圧延機入り側温度目標値と総抜熱量に応じたエッジ部の温度低下分とからエッジ部加熱装置による加熱直後のエッジ部の加熱装置出側温度目標値を演算し、鋼板温度計測手段で計測されるエッジ部加熱装置による加熱直前の鋼板温度と、演算した加熱装置出側温度目標値との差分相当だけエッジ部を昇温するように、エッジ部加熱装置による加熱量を制御するため、エッジ部の加熱を的確に行うことができる。
特に、請求項6に係る発明によれば、加熱装置出側温度目標値と、加熱装置出側温度計測手段で計測した加熱装置出側温度との差分に応じてエッジ部加熱装置による加熱量を補正し、加熱装置出側温度をフィードバック制御しているため、圧延機入り側におけるエッジ部温度を、より高精度に圧延機入り側温度目標値と一致するように制御することができる。
また、請求項7に係る発明によれば、圧延機入り側温度目標値と、圧延機入り側温度計測手段で計測した圧延機入り側温度との差分に応じてエッジ部加熱装置による加熱量を補正し、圧延機入り側温度をフィードバック制御しているため、圧延機入り側におけるエッジ部温度を、より高精度に圧延機入り側温度目標値と一致するように制御することができる。
本発明の鋼板エッジ部の加熱方法を適用した連続式タンデム圧延ラインの概略構成図である。 図1の第1圧延スタンド及び誘導加熱装置部分の詳細を示す構成図である。 制御装置の機能構成を示すブロック図である。 ロール押し込み量の説明図である。 板幅方向の鋼板温度プロフィールを示した図である。 トランスバース方式誘導加熱装置の一例である。 延性−脆性遷移温度特性の一例である。 圧延油のプレートアウト量に与える鋼板温度の影響を示す一例である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による鋼板エッジ部の加熱方法を適用した、複数の圧延機を連続的に配置した連続式タンデム圧延ライン1の一部を示す概略構成図である。
図1に示す連続式タンデム圧延ライン1には、鋼板Sを払い出すペイオフリール2と、ペイオフリール2から先に払いだされた鋼板S(先行材)の尾端とペイオフリール2から後に払いだされた鋼板S(後行材)の先端とを溶接によって接合する溶接機3とが設けられており、溶接機3で接合された鋼板Sは連続的に圧延機6に搬送される。また、圧延機6の入側には、ルーパ4が設置され、溶接作業時や圧延速度の加減速が生じた場合においても鋼板Sを安定的に圧延機6に供給するようになっている。
ルーパ4の出側であって圧延機6の入側には、鋼板Sの幅方向両エッジ部Sa,Sb(図2参照)を加熱する誘導加熱装置5が設けられている。鋼板Sの幅方向両エッジ部Sa,Sbは、誘導加熱装置5により加熱されて所定の温度にまで昇温され、鋼板Sは圧延機6に搬送される。
圧延機6は、多段(本実施形態にあっては5台)の圧延スタンド6a〜6eを鋼板Sの搬送方向に連続的に設置してなり、鋼板Sを所定の板厚にまで圧延する。各圧延スタンド6a〜6eの入側には、潤滑及びワークロール冷却用のクーラントノズル7a〜7eが設置されている。各クーラントノズル7a〜7eは、通常、圧延油(クーラント)として3〜5%程度の濃度に調整された温度45〜55℃前後のエマルション油を鋼板S及び各圧延スタンド6a〜6eのワークロールに噴射する。このように冷間圧延では、潤滑及びワークロールの冷却のためにクーラントを使用することが必要である。このため、圧延機6の入側にて誘導加熱装置5によって鋼板Sの幅方向両エッジ部Sa、Sbを加熱して昇温させてもクーラントによる冷却によって、圧延機6に入る前に鋼板Sの温度は低下する。このため、鋼板Sの幅方向両エッジ部Sa、Sbの耳割れを防止するためには、予めクーラント冷却による温度低下分を考慮し、冷却後も延性―脆性遷移温度以上の温度が確保できるように誘導加熱装置5では加熱量を制御するようになっている。
そして、圧延機6によって圧延された鋼板Sは、テンションリール8で巻き取られ、巻き取られた鋼板Sはコイルとして次工程へ送られる。
また、第1圧延スタンド6aの直前には、鋼板Sの蛇行防止や上下方向振動(ばたつき)防止用のロール、或いは、張力計測用ロール等のロール10が配置され、また、図示しないが、各圧延スタンド間にも必要に応じて各種ロールが配置されている。
図2は、誘導加熱装置5及び第1圧延スタンド6a部分の詳細を示す構成図である。
誘導加熱装置5は、例えば前記図6に示すような公知のC型誘電子を一対備えた誘導加熱装置で構成され、図2に示すように、鋼板Sの幅方向両エッジ部Sa、Sbを上下から挟むように形成された、前記C型誘電子からなる一対のエッジヒータ5a、5bを備えており、これらエッジヒータ5a、5bは対向して設けられている。そして誘導加熱装置5は、後述の制御装置50からの投入電力指令値に応じてエッジヒータ5a、5bへの投入電力を制御し、これにより、エッジヒータ5a、5bを、鋼板Sの幅方向両エッジ部Sa,Sbが通過する際にこれらエッジ部Sa,Sbを加熱するようになっている。
また、誘導加熱装置5の入り側には、エッジヒータ5a、5bの入り側位置における鋼板Sの温度を測定するための、放射温度計からなるエッジヒータ入り側放射温度計11が設けられている。このエッジヒータ入り側放射温度計11は、例えば、鋼板Sの幅方向センター付近に設けられ、鋼板Sの幅方向センター付近の温度が、エッジヒータ入側における鋼板Sの温度として計測される。また、エッジヒータ5a、5bの出側には、エッジヒータ5a、5bによる加熱後のエッジ部Sa、Sbの温度を測定するための、放射温度計からなるエッジヒータ出側放射温度計12a、12bが設けられている。エッジヒータ出側放射温度計12aは、エッジヒータ5aの出側位置の鋼板Sのエッジ部Saと対向する位置に設けられ、エッジヒータ出側放射温度計12bは、エッジヒータ5bの出側位置の鋼板Sのエッジ部Sbと対向する位置に設けられている。
一方、第1圧延スタンド6aの入り側直前には、圧延直前位置における、鋼板温度(以後、ロールバイト温度ともいう。)を測定するための、第1圧延スタンド入り側接触式温度計13a、13bが設けられている。これら第1圧延スタンド入り側接触式温度計13a、13bは、接触式温度計で構成される。これは、放射式温度計を用いて第1圧延スタンド入り側の温度を測定した場合、クーラントの影響を受ける可能性があるためである。
前記第1圧延スタンド入り側接触式温度計13aは、鋼板Sのエッジ部Saと対向する位置に設けられ、エッジ部Saの温度を測定する。同様に第1圧延スタンド入り側接触式温度計13bは、鋼板Sのエッジ部Sbと対向する位置に設けられ、エッジ部Sbの温度を測定する。
また、クーラントノズル7aへのクーラント供給配管Kには、クーラントノズル7aに供給されるクーラント流量を計測するためのクーラント流量計14が設けられている。
図3は、制御装置50の機能構成を示すブロック図である。制御装置50は、例えば、マイクロコンピュータ等で構成される。
制御装置50は、エッジヒータ入り側放射温度計11、エッジヒータ出側放射温度計12a及び12b、第1圧延スタンド入り側接触式温度計13a及び13b、クーラント流量計14から、各計測値を入力する。
そして、エッジヒータ入り側放射温度計11で計測されたエッジヒータ入り側温度実績値Thin、鋼板Sを搬送するライン速度V、クーラント流量計14で計測されたクーラント流量Q、誘導加熱装置5及び第1圧延スタンド6a間に配置されたロール10のロール接触長さl、エッジヒータ出側放射温度計12a及び12bで計測されたエッジヒータ出側温度実績値Thouta、Thoutb、ロールバイト温度目標値Tr* 、第1圧延スタンド入り側接触式温度計13a及び13bで計測されたロールバイト温度実績値Tra 、Trb をもとに、エッジヒータ5a、5bへの投入電力をそれぞれ演算し、演算結果を各エッジヒータ5a、5bの投入電力指令値Wsa 、Wsb として誘導加熱装置5に出力する。
ライン速度Vは、例えば、圧延対象の鋼板Sに応じて予め設定される鋼板Sの搬送速度をライン速度Vとして適用するようにしてもよく、また、ライン速度を測定するための速度センサを設け、その計測値をライン速度Vとして適用するようにしてもよい。
ロール接触長さlは、誘導加熱装置5と第1圧延スタンド6aとの間に配置されたロール10と鋼板Sとが接触している部分の搬送方向の長さであって、例えば、ロール径や図4に示すロール押し込み量δ(ロール10の上端が鋼板のパスラインより突出する量)に基づき予め検出しておけばよい。
また、ロールバイト温度目標値Tr* は、耳割れが生じないようにするための鋼板Sのエッジ部Sa、Sbの温度として予め設定した目標値を適用する。
そして、制御装置50は、ライン速度Vとクーラント流量Qとロール接触長さlとロールバイト温度目標値Tr* とから、エッジヒータ出側温度目標値演算部61において、エッジヒータ出側温度目標値Thout * を演算する。すなわちエッジヒータ出側温度目標値演算部61では、まずクーラントによる鋼板Sの両エッジ部Sa、Sbの抜熱量、ロール10との接触による両エッジ部Sa、Sbの抜熱量、誘導加熱装置5での昇温後、第1圧延スタンド6aに入力されるまでの鋼板Sの搬送中の空冷によるエッジ部Sa、Sbの抜熱量、誘導加熱装置5により昇温されたエッジ部Sa、Sbの温度が、鋼板Sの板幅方向センター部に熱伝達されることによる両エッジ部Sa、Sbの抜熱量を演算する。
前記クーラントによる抜熱量は、例えば、クーラント流量Q(もしくはクーラント圧力Pc)と鋼板Sのライン速度Vとから図2に示すように鋼板S上に形成されるクーラント溜まりMの大きさ(搬送方向の長さ)を求め、このクーラント溜まりMの大きさ、すなわちクーラント抜熱長さとライン速度Vとからクーラントによる抜熱時間を演算する。そして、このクーラントによる抜熱時間に基づき、クーラントによる抜熱量を求める。前記クーラント溜まりMの大きさは、クーラント流量と鋼板Sのライン速度とにより決定されるため、これらの関係を予め実験等により検出しておけばよい。また、クーラントによる抜熱時間に応じて、クーラントによる抜熱量が求まるため、クーラントによる抜熱時間と、クーラントによる抜熱量との対応関係を予め実験等により検出しておけばよい。
前記ロール10との接触による抜熱量は、例えば、前記ロール接触長さlに応じて変化するため、ロール接触長さlとロール接触による抜熱量との関係を予め実験等により検出しておけばよい。
前記鋼板Sの搬送に伴う空冷による抜熱量は、誘導加熱装置5で昇温された後、第1圧延スタンド6aに入力されるまでの搬送時間に応じて変化するため、搬送時間と空冷による抜熱量との関係を予め実験等により検出しておけばよい。
前記鋼板Sの、熱伝達による抜熱量も、搬送時間に応じて設定すればよい。ここで、図5は、板幅方向の鋼板温度プロフィールを示したものである。横軸は板幅方向の位置、縦軸は温度を表す。図5に実線で示すように、エッジヒータ出側位置における鋼板Sの温度プロフィールは、鋼板Sのエッジ部Sa、Sbは、エッジヒータ5a、5bにより昇温されているため比較的温度が高く、センター付近はエッジヒータ5a、5bにより加熱されていないため、エッジ部Sa、Sbに比較して低い。
そして、この鋼板Sが搬送されて第1圧延スタンド6a直前の位置に到達した時点では、図5に破線で示すように、鋼板Sのエッジ部Sa、Sbの温度は下がり、逆に鋼板Sの板幅センター部の温度は上昇している。つまり、誘導加熱装置5から第1圧延スタンド6aに到達するまでの間に、エッジ部Sa、Sbから板幅センター部への熱伝達が行われていることがわかる。このエッジ部Sa、Sbから板幅センター部への熱伝達によるエッジ部Sa、Sbの抜熱量は搬送時間に応じて変化するため、搬送時間と熱伝達による抜熱量との関係を予め実験等により検出しておけばよい。
そして、このようにして演算した、クーラントによる抜熱量と、ロール接触による抜熱量と、空冷による抜熱量と、熱伝達による抜熱量との和を、誘導加熱装置5で昇温された鋼板Sが第1圧延スタンド6aに入力されるまでの間の、エッジ部Sa、Sbの総抜熱量とする。そして、第1圧延スタンド6aに入力される時点での鋼板Sのエッジ部Sa、Sbの温度がロールバイト温度目標値Tr* となるように、ロールバイト温度目標値Tr* と、エッジ部Sa、Sbの総抜熱量に相当するエッジ部Sa、Sbの温度低下分との和相当の値を、エッジヒータ出側温度目標値Thout * として設定する。
以上において、例えば、エッジヒータ出側温度目標値Thout * は以下の式で求めることができる。
Thout *
=a1 ・Pc/V3 +a2 ・δ/V+a3 ・Thin/V+(Tr* −Thin)
上記式において、Pcはクーラント圧力、Vはライン速度、δはロール押し込み量、Thinはエッジヒータ入側温度実績値、a1 〜a3 は係数である。第1項目から第3項目までが抜熱量であり、それぞれ、クーラントによる抜熱量、ロール接触による抜熱量および空冷による抜熱量に相当する。係数a1 〜a3 は実験的に適宜求めることができる。第4項目は、抜熱がない場合の投入熱量に相当する。なお、必要に応じて、熱伝達による抜熱量を上記式に加えることができる。
そして、エッジヒータ出側温度目標値演算部61で演算されたエッジヒータ出側温度目標値Thout * と、エッジヒータ入り側放射温度計11で検出されたエッジヒータ入り側温度実績値Thinとの差分値を演算子62で演算し、差分値を昇温量Δtとする。ここで、誘導加熱装置5での加熱前の鋼板Sの温度は、気温変化等により変化するため、エッジヒータ出側温度目標値Thout * とエッジヒータ入り側温度実績値Thinとの差分値を演算子62で演算し、これをエッジ部Sa、Sbの昇温量Δtとしている。
演算子62で演算された昇温量Δtは、エッジヒータ投入電力演算部63に入力される。エッジヒータ投入電力演算部63は、昇温量Δtと、鋼板Sの比熱及び第1圧延スタンド6aで圧延される前の板厚と、ライン速度Vと、既知のエッジヒータ5a、5bによる加熱幅(鉄心幅)とから、非加熱材である鋼板Sの熱負荷(例えば、単位時間当たりの鋼板重量:トン/Hr)を演算し、鋼板Sの比熱から、鋼板Sの各エッジ部Sa、Sbの温度を、これらエッジ部Sa、Sbがエッジヒータ5a、5bを通過する間に、昇温量Δtだけ昇温させるために必要なエッジヒータ5a、5bに実際に投入する電力を演算する。
さらに、本実施形態では、温度制御精度を向上させるために、2つの温度フィードバック制御ループを加えることが好ましい。
すなわち、第1の温度フィードバック制御ループは、誘導加熱装置5の出側位置における鋼板Sの温度をフィードバックするループであって、エッジヒータ出側温度目標値演算部61で演算されるエッジヒータ出側温度目標値Thout * とエッジヒータ出側放射温度計12a、12bで演算されるエッジヒータ出側温度実績値Thouta、Thoutbとの差分を演算子65でそれぞれ演算し、演算された差分値をエッジヒータ出側差分値とし、このエッジヒータ出側差分値をもとに、PID制御部66において、PID制御を行いこのエッジヒータ出側差分値が零となるようにエッジヒータ5a、5bの投入電力を補正するための補正値をエッジヒータ5a、5bのそれぞれについて演算する。
第2の温度フィードバック制御ループは、第1圧延スタンド6aの入り側位置における鋼板Sの温度をフィードバックするループであって、ロールバイト温度目標値Tr* と第1圧延スタンド入り側接触式温度計13a及び13bで計測されたロールバイト温度実績値Tra 、Trb との差分を演算子68でそれぞれ演算し、演算された差分値をロールバイト入り側差分値とし、このロールバイト入り側差分値と、後述のむだ時間補償値との和を演算子69で演算し、演算子69での演算結果を、PID制御部70に出力する。前記むだ時間補償値は、エッジヒータ5a、5bの投入電力の補正を行ってから実際にこの補正分に応じた温度が第1圧延スタンド入り側接触式温度計13a、13bで計測されるまでの、誘導加熱装置5から第1圧延スタンド6aまでの設備長に基づくむだ時間を補償するためのものである。
PID制御部70は、演算子69で演算されたロールバイト入り側差分値とむだ時間補償値との和に対してPID制御を行い、ロールバイト入り側差分値とむだ時間補正値との和が零となるようにエッジヒータ5a、5bの投入電力の補正を行うための補正値をエッジヒータ5a、5bのそれぞれについて演算する。この補正値に基づきむだ時間補償器71はむだ時間補償値をそれぞれ演算する。そして、PID制御部66で演算された第1の温度フィードバック制御ループにおけるエッジヒータ5a、5bそれぞれの補正値と、PID制御部70で演算された第2の温度フィードバック制御ループにおけるエッジヒータ5a、5bそれぞれの補償値との和を演算子72で演算し、さらに、第1及び第2の温度フィードバック制御ループにおけるエッジヒータ5a、5bそれぞれの補償値の和を、エッジヒータ投入電力演算部63で演算されたエッジヒータ投入電力に演算子73で加算し、これをエッジヒータ5a、5bの投入電力指令値Wsa 、Wsb として、誘導加熱装置5に出力する。
次に、上記実施の形態の動作を説明する。
制御装置50では、エッジヒータ入り側放射温度計11、エッジヒータ出側放射温度計12a及び12b、クーラント流量計14から、各計測値を入力し、これらに基づき、エッジータ投入電力を演算し、各温度補償を行って投入電力指令値Wsa 、Wsb を演算し、これを誘導加熱装置5に出力する。
誘導加熱装置5では、投入電力指令値Wsa 、Wsb に応じてエッジヒータ5a、5bを駆動する。このため、鋼板Sが誘導加熱装置5に搬送され、鋼板Sがエッジヒータ5a、5bを通過する際に、そのエッジ部Sa、Sbがエッジヒータ5a、5bにより加熱され、これにより、エッジ部Sa、Sbの温度が昇温された後、第1圧延スタンド6aに入力される。このとき、エッジヒータ5a、5bでの加熱後、第1圧延スタンド6aに搬送されるまでの間に、鋼板Sのエッジ部Sa、Sbの温度は空冷により抜熱され、また、エッジ部Sa、Sbの熱が鋼板Sのセンターに伝達されることによっても抜熱される。さらに、第1圧延スタンド6aの直前に設けられたクーラントノズル7aが設けられているため、クーラントによっても、エッジ部Sa、Sbは抜熱され、第1圧延スタンド6aと誘導加熱装置5との間に設けられたロール10と接触することによっても抜熱される。つまり、エッジ部Sa、Sbの温度は抜熱された分だけ低下することになる。
しかしながら、上述のように、エッジヒータ出側温度目標値演算部61では、これら、エッジヒータ5a、5bでの昇温後、第1圧延スタンド6aに入力されるまでの間の、エッジ部Sa、Sbの抜熱分を考慮して、エッジヒータ出側温度目標値Thout * を演算し抜熱によるエッジ部Sa、Sbの温度低下分を見越して、誘導加熱装置5ではエッジ部Sa、Sbを昇温している。したがって、第1圧延スタンド6aで圧延が行われる際の、鋼板Sのエッジ部Sa、Sbの温度を、より高精度にロールバイト温度目標値と一致するように制御することができるため、圧延時に耳割れが生じることを抑制することができる。
また、このとき、エッジヒータ5a、5bの出側における温度の実績値(Thouta、Thoutb)と、第1圧延スタンド6aの入り側における温度の実績値(Tra 、Trb )とについて、これらをフィードバック制御するようにしているため、エッジヒータ5a、5bにおける温度制御誤差及び、第1圧延スタンド7aにおける温度制御誤差を、より確実に抑制することができ、エッジ部Sa、Sbの温度制御を向上させることができる。さらに、このとき、第1圧延スタンド6aの入り側における温度の実績値(Tra 、Trb )の応答遅れ分すなわちむだ時間を考慮して、第1圧延スタンド6aの入り側における温度をフィードバック制御しているため、むだ時間によるロールバイト温度の応答遅れを考慮し、より高精度に温度制御を行うことができる。
なお、上記実施の形態においては、図1に示すように、誘導加熱装置5と第1圧延スタンド6aとの間に、1つのロール10のみが配置されている場合について説明したが、例えば、2以上の各種ロールが配置されている場合には、それぞれのロールと接触することによる抜熱量を、上記と同様の手順で演算し、これらロールによる抜熱量の和を、ロール接触による抜熱量とし、エッジ部の総抜熱量を演算するようにすればよい。
また、上記実施の形態においては、クーラントによる抜熱量と、ロール接触による抜熱量と、空冷による抜熱量と、熱伝達による抜熱量とから、誘導加熱装置5で昇温された鋼板Sが第1圧延スタンド6aに入力されるまでの間の、エッジ部Sa、Sbの総抜熱量を演算しているがこれに限るものではない。
例えば、ロール接触による抜熱量がエッジ部の温度低下に影響を与えない程度の大きさである場合など、エッジ部の温度低下に影響を与えない程度の抜熱量である場合には、該当する抜熱量を、総抜熱量に加算しなくてもよい。
また、例えば、クーラントノズル7aの上流側にさらに、濃度の異なるクーラントを噴射する別のクーラントノズルが設けられている場合等、誘導加熱装置5と第1圧延スタンド6aとの間に、エッジ部Sa、Sbの抜熱に寄与する抜熱要素が設けられている場合には、この抜熱要素による抜熱量も含めて総抜熱量を演算すればよく、要は、誘導加熱装置5と第1圧延スタンド6aとの間において、エッジ部Sa、Sbの抜熱に寄与する装置や、周囲環境の変化をもたらす要素などによる抜熱量も含めて総抜熱量を演算するようにすればよい。
また、上記実施の形態においては、エッジ部加熱装置として、トランスバース方式の誘導加熱装置5を適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、ソレノイド式の誘導加熱装置を適用した場合であっても適用することができ、また、誘導加熱方式に限らず、レーザー加熱やガスバーナ加熱等、エッジ部を加熱するものであれば適用することができる。
ここで、上記実施の形態において、誘導加熱装置5がエッジ部加熱装置に対応し、クーラントノズル7a、7bがクーラント吐出手段に対応し、ロール10が機能ロールに対応し、エッジヒータ入り側放射温度計11が鋼板温度計測手段に対応し、エッジヒータ出側放射温度計12a、12bが加熱装置出側温度計測手段に対応し、第1圧延スタンド入り側接触式温度計13a、13bが圧延機入り側温度計測手段に対応している。また、ロールバイト温度目標値が圧延機入り側温度目標値に対応し、エッジヒータ出側温度目標値が加熱装置出側温度目標値に対応している。
1 連続式タンデム圧延ライン
2 ペイオフリール
3 溶接機
4 ルーパ
5 誘導加熱装置
5a、5b エッジヒータ
6 圧延機
6a〜6e 圧延スタンド
7a〜7e クーラントノズル
10 ロール
11 エッジヒータ入り側放射温度計
12a、12b エッジヒータ出側放射温度計
13a、13b 第1圧延スタンド入り側接触式温度計
14 クーラント流量計
50 制御装置
61 エッジヒータ出側温度目標値演算部
62 演算子
63 エッジヒータ投入電力演算部
65 演算子
66 PID制御部
68、69 演算子
70 PID制御部
71 むだ時間補償器
72、73 演算子
M クーラント溜まり
S 鋼板
Sa,Sb エッジ部

Claims (7)

  1. 圧延機入り側にエッジ部加熱装置を配置し、前記圧延機直前における前記鋼板のエッジ部温度が予め設定した圧延機入り側温度目標値となるように、前記鋼板のエッジ部を前記エッジ部加熱装置により加熱するようにした圧延ラインにおける鋼板エッジ部の加熱方法であって、
    前記エッジ部加熱装置から排出された後、前記圧延機に入力されるまでの間の、前記鋼板のエッジ部における総抜熱量を演算し、
    前記エッジ部加熱装置による加熱直後の前記エッジ部温度が、前記圧延機直前での前記圧延機入り側温度目標値と前記総抜熱量に応じた前記エッジ部の温度低下分との和相当となるように、前記エッジ部加熱装置による加熱量を制御することを特徴とする鋼板エッジ部の加熱方法。
  2. 前記圧延機入り側に、前記圧延機のワークロールにクーラントを吐出するクーラント吐出手段を備え、
    前記圧延機入り側に形成されるクーラント溜まりにより生じる前記エッジ部の抜熱量をクーラントによる抜熱量として演算し、当該クーラントによる抜熱量に基づき前記総抜熱量を演算することを特徴とする請求項1記載の鋼板エッジ部の加熱方法。
  3. 前記エッジ部が前記エッジ部加熱装置から排出された後、前記圧延機に入力されるまでの間における、前記エッジ部の空冷による抜熱量と、前記エッジ部加熱装置により加熱された前記鋼板のエッジ部から前記鋼板の中央部への熱伝達により生じる前記エッジ部の熱伝達による抜熱量と、の少なくとも何れか一方を演算し、
    演算した前記空冷による抜熱量と前記熱伝達による抜熱量との少なくとも何れか一方に基づき前記総抜熱量を演算することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鋼板エッジ部の加熱方法。
  4. 前記エッジ部加熱装置と前記圧延機との間に1又は複数の機能ロールを備え、
    前記機能ロールと前記鋼板とが接触することにより生じる前記エッジ部の抜熱量を前記機能ロール毎に演算してその総量をロール接触による抜熱量とし、
    当該ロール接触による抜熱量に基づき前記総抜熱量を演算することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の鋼板エッジ部の加熱方法。
  5. 前記エッジ部加熱装置による加熱直前の前記鋼板温度を計測する鋼板温度計測手段を有し、
    前記圧延機入り側温度目標値と前記総抜熱量に応じた前記エッジ部の温度低下分とから前記エッジ部加熱装置による加熱直後の前記エッジ部の加熱装置出側温度目標値を演算し、
    前記鋼板温度計測手段で計測される鋼板温度と前記加熱装置出側温度目標値との差分相当だけ前記エッジ部を昇温するように前記エッジ部加熱装置による加熱量を制御することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の鋼板エッジ部の加熱方法。
  6. 前記エッジ部加熱装置による加熱直後の前記エッジ部温度を計測する加熱装置出側温度計測手段を有し、
    前記加熱装置出側温度目標値と前記加熱装置出側温度計測手段で計測される加熱装置出側温度との差分に応じて前記エッジ部加熱装置による加熱量を補正することを特徴とする請求項5記載の鋼板エッジ部の加熱方法。
  7. 前記圧延機直前における前記鋼板のエッジ部温度を計測する圧延機入り側温度計測手段を有し、
    前記圧延機入り側温度目標値と、前記圧延機入り側温度計測手段で計測された圧延機入り側温度との差分に応じて前記エッジ部加熱装置による加熱量を補正することを特徴とする請求項5又は請求項6記載の鋼板エッジ部の加熱方法。
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