JP2012129661A - 歪補償装置、歪補償方法、及び無線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本実施例における歪補償装置は、歪補償処理後の送信信号に対するRF補正処理の精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】本実施例における歪補償装置は、送信信号の電力値に関連付けられた複数の歪補償係数を記憶する歪補償係数記憶部と、複数の歪補償係数の中から、入力された送信信号の電力値に対応する歪補償係数を取り出し、取り出された歪補償係数に基づいて、送信信号に対して前記歪補償処理を行う歪補償処理部と、歪補償係数記憶部に記憶された歪補償係数に基づいて位相補正値を計算する位相計算部と、送信信号の位相を、位相計算部によって計算された位相補正値に基づいて補正することにより、参照信号を生成する位相補正部と、参照信号と前記送信電力増幅器からフィードバックされたフィードバック信号とに基づいて、歪補償処理が行われた送信信号に対して補正処理を行う補正処理部とを含むことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明の実施例の一側面において開示する技術は、無線装置において送信電力増幅器による送信電力の非線形歪を抑えるための歪補償装置及び歪補償方法に関し、更にその歪補償装置を含む無線装置に関する。
無線通信に多値位相変調方式を適用する場合、送信側において送信用電力増幅器の増幅特性を直線化して送信電力の非線形歪を抑え、隣接チャネル漏洩電力を低減する技術が重要である。
図1は、送信電力増幅器の入出力特性を示す図である。図2は送信電力の周波数スペクトラムを示す図である。
W−CDMA等の無線通信においては、無線装置の送信電力は大きく、送信電力増幅器の入出力特性は図1に実線で示したとおり、非直線特性を示す。図1において点線は理想的な入出力特性を示す。この非直線性により非線形歪が発生する。すなわち、送信電力増幅器は入力電力pに対して歪関数f(p)を有する。
この非線形歪により、送信周波数f0周辺の周波数スペクトラムは、図2に示したように、理想的な特性を示す破線特性aから実線特性bへと変化し、サイドローブが持ち上がる。すなわち、送信周波数f0を有する送信チャネルの送信電力の一部が隣接チャネルに漏洩し、隣接障害が生じる。このような漏洩電力は、他のチャネルに対しては雑音となり、そのチャネルの通信品質を劣化させる。
漏洩電力は、送信電力増幅器の線形領域(例えば図1の線形領域1)で小さく、非線形領域(例えば図1の非線形領域2)で大きくなる。そこで、高出力の送信電力増幅器を得るためには,線形領域を広くする必要がある。しかし、そのためには実際に必要とされる能力以上の能力を有する増幅器が必要となり、コスト及び装置サイズにおいて不利となる問題がある。そこで,送信電力の非線形歪を補償する歪補償処理の機能を無線装置に付加することが行われている。
一方、無線通信においては、送信信号帯域の広帯域化の進展に伴い、ベースバンド信号を、中間周波数帯域を介することなく直接、無線周波数(Radio Frequency、以下RFと称する。)帯域の信号に変換する直接RF変調方式が注目されている。
しかしながら、直接RF変調方式を採用すると、デジタル/アナログ(D/A)変換器や直交変調器を構成するアナログ素子の個体差や経年変化等に起因して、直交変調器に入力される同相成分信号(In−Phase component signal、以下I信号と称する。)と直交成分信号(Quadrature component signal、以下Q信号と称する。)に誤差が生じ、変調後のアナログ送信信号に対してイメージ成分(不要波成分)が生成されてしまうおそれがある。このようなイメージ成分(不要波成分)により、送信信号の品質が劣化してしまうことが懸念される。
そこで、これらのI信号及びQ信号の誤差を小さくし、変調後のアナログ送信信号に対して混入するイメージ成分(不要波成分)を減少させるために、送信ベースバンド信号のI信号及びQ信号に対するRF補正処理の機能を無線装置に付加することが行われている。このRF補正処理は、D/A変換器や直交変調器で発生する、I信号及びQ信号の直交偏差、振幅偏差及びDCオフセットを補正する処理である。
図3は、従来の歪補償処理機能とRF補正処理機能を備えた歪補償装置300の内部構成の一例を示す図である。図3に示すように、歪補償装置300は歪補償処理部301、歪補償係数記憶部302、歪補償係数演算部303及びRF補正処理部304を含み、不図示の送信信号発生装置から送信ベースバンド信号x(t)を受けとる。
歪補償係数記憶部302は送信ベースバンド信号x(t)の電力値pに関連付けられた複数の歪補償係数h(p)を記憶している。歪補償係数記憶部302は、歪補償処理部301が受けとった送信ベースバンド信号x(t)の電力値pに応じた歪補償係数h(p)を選択し、選択した歪補償係数h(p)を歪補償処理部301に出力する。
歪補償処理部301は不図示の送信信号発生装置から送信ベースバンド信号x(t)を受けとるとともに、歪補償係数記憶部302から歪補償係数h(p)を受けとる。歪補償処理部301は、歪補償係数h(p)に基づいて、受けとった送信ベースバンド信号x(t)に対して歪補正処理を行い、送信ベースバンド信号x1(t)を生成する。
歪補償係数演算部303は、送信ベースバンド信号x(t)とフィードバック信号y(t)を受けとる。フィードバック信号y(t)は、不図示の送信電力増幅器の出力信号を復調することによって生成されるものである。歪補償係数演算部303は、送信ベースバンド信号x(t)とフィードバック信号y(t)の差が零となるように、歪補償係数を演算し、演算した歪補償係数によって歪補償係数記憶部302内の対応する歪補償係数h(p)を更新する。
RF補正処理部304は、歪補正処理後の送信ベースバンド信号x1(t)を受けとる。さらに、RF補正処理部304は、歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)とフィードバック信号y(t)を受けとる。RF補正処理部304は、歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)とフィードバック信号y(t)に基づいて、直交偏差、振幅偏差及びDCオフセットの補正値を決定する。
RF補正処理部304は、決定した各補正値に基づいて、歪補正処理後の送信ベースバンド信号x1(t)のI信号及びQ信号に対してRF補正処理を行い、送信ベースバンド信号x2(t)を生成する。
尚、上述の歪補償処理及びRF補正処理については、以下の特許文献にその一例が開示されている。
特開2001−189685号公報 特開2005−311710号公報 特開2006−229889号公報
しかしながら、上述の歪補償装置300では、RF補正処理部304は、歪補償処理部301による歪補正処理後の送信ベースバンド信号x1(t)に対してRF補正処理を行うにもかかわらず、歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)とフィードバック信号y(t)に基づいて直交偏差、振幅偏差及びDCオフセットの各補正値を決定し、決定された各補正値を用いてRF補正処理を行っている。
このため、RF補正処理部304における各補正値には、送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)に対する歪補償処理の影響が正確に反映されておらず、I信号及びQ信号に対するRF補正処理を精度良く行うことができないという問題があった。
特に、RF補正処理部304における各補正値には、歪補償処理部301における歪補償処理の前後で生じる送信ベースバンド信号の位相のずれ等の、歪補償処理に起因する位相成分への影響が反映されていない。このため、RF補正処理部304における直交偏差の補正の精度が十分に確保されないという問題があった。
従って、本実施例の一側面における歪補償装置は、歪補償処理後の送信信号に対するRF補正処理の精度を向上させ、RF補正性能を向上させることを目的とする。
本実施例における歪補償装置は、送信信号が入力され、前記送信信号に対して、送信電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償処理を行うものであって、前記送信信号の電力値に関連付けられた複数の歪補償係数を記憶する歪補償係数記憶部と、前記歪補償係数記憶部に記憶された前記複数の歪補償係数の中から、前記入力された送信信号の電力値に対応する歪補償係数を取り出し、前記取り出された歪補償係数に基づいて、前記送信信号に対して前記歪補償処理を行う歪補償処理部と、前記歪補償係数記憶部に記憶された前記歪補償係数に基づいて位相補正値を計算する位相計算部と、前記送信信号の位相を、前記位相計算部によって計算された位相補正値に基づいて補正することにより、参照信号を生成する位相補正部と、前記参照信号と、前記送信電力増幅器からフィードバックされたフィードバック信号とに基づいて、前記歪補償処理が行われた送信信号に対して補正処理を行う補正処理部とを含むことを特徴とする。
本実施例における歪補償装置では、補正処理部が受けとる参照信号に対して歪補償処理部における歪補償処理の影響を適切に反映させることができるので、補正処理部において歪補償処理後の送信信号に対して行われる補正処理の精度を向上させることができる。
送信電力増幅器の入出力特性を示す図である。 送信電力の周波数スペクトラムを示す図である。 従来の歪補償処理機能とRF補正処理機能を備えた歪補償装置300の内部構成の一例を示す図である。 第1実施例に係る無線装置400の構成例を示す図である。 第1実施例に係る歪補償装置409の構成例を示す図である。 歪補償係数記憶部502及びルックアップテーブル601の構成例を示す図である。 RF補正処理部504の構成例を示す図である。 位相計算部506において実行される位相補正値ωの計算処理フローの一例を示す図である。 位相補正部505の構成例を示す図である。 第2実施例に係る位相補正値ωの計算処理フローの一例を示す図である。 第3実施例に係る位相補正部505の構成例を示す図である。 第4実施例に係る無線基地局1200の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
[1.第1実施例]
[1−1.無線装置400の構成例]
図4は、本発明の第1実施例に係る無線装置400の構成例を示す図である。
シリアル/パラレル(S/P)変換器402は、送信信号発生装置401から送信ベースバンド信号を受けとる。S/P変換器402は、受けとった送信ベースバンド信号を同相成分信号(I信号)と直交成分信号(Q信号)に変換して、歪補償装置409に供給する。
歪補償装置409はS/P変換器402から送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)x(t)を受けとるとともに、アナログ/デジタル(A/D)変換器413から後述するフィードバック信号y(t)を受けとる。歪補償装置409は、フィードバック信号y(t)を用いて、受けとった送信ベースバンド信号x(t)に対して歪補償処理とRF補正処理を行い、送信ベースバンド信号x2(t)を生成する。歪補償装置409の詳細については後述する。
デジタル/アナログ(D/A)変換器403は歪補償装置409から、デジタルデータ列からなる送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)x2(t)を受けとり、送信ベースバンド信号x2(t)のI信号及びQ信号をそれぞれアナログの送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)に変換する。
直交変調器404はD/A変換器403からアナログの送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)を受けとり、そのI信号及びQ信号のそれぞれに対して基準搬送波発生器408から供給される基準搬送波及びこれを90°移相した搬送波を用いて直交変調を行う。
周波数変換器405は、直交変調された送信ベースバンド信号を受けとり、これに不図示の局部発振信号をミキシングして無線周波数(RF)に周波数変換する。
送信電力増幅器406は周波数変換器405から無線周波数(RF)の送信信号を受けとる。送信電力増幅器406は、この送信無線周波数信号に対して電力増幅を行い、電力増幅された送信無線周波数信号をアンテナ407を介して空中に無線送信する。
送信電力増幅器406から出力される送信無線周波数信号の一部は、方向性結合器410を介して周波数変換器411に入力される。周波数変換器411は受けとった無線周波数(RF)の送信信号を周波数変換し、周波数を元のベースバンド周波数に戻す。
直交検波器412は周波数変換器411から出力された送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)を受けとり、そのI信号及びQ信号のそれぞれに対して基準搬送波発生器408から供給される基準搬送波及びこれを90°移相した搬送波を用いて直交検波を行う。これにより、直交検波器412は、直交変調器404に入力された送信ベースバンド信号のI信号及びQ信号を再現する。
A/D変換器413は、再現されたアナログの送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)を受けとり、そのI信号及びQ信号をそれぞれデジタルの送信ベースバンド信号(I信号、Q信号)に変換する。A/D変換器413は、変換した信号をフィードバック信号y(t)として歪補償装置409に供給する。周波数変換器411、直交検波器412及びA/D変換器413は送信電力増幅器406の出力信号を歪補償装置409にフィードバックするフィードバック回路として機能する。
[1−2.歪補償装置409の構成例]
図5は、本発明の第1実施例に係る歪補償装置409の構成例を示す図である。歪補償装置409は、例えばFPGA,ASIC又はDSP等のデジタル信号処理装置であり、歪補償処理部501、歪補償係数記憶部502、歪補償係数演算部503、RF補正処理部504、位相補正部505及び位相計算部506を内部回路ブロックとして含むものである。
歪補償処理部501は送信ベースバンド信号x(t)を受けとるとともに、歪補償係数記憶部502から歪補償係数h(p)を取り出す。歪補償処理部501は歪補償係数h(p)を受けとり、受けとった歪補償係数h(p)に基づいて、送信ベースバンド信号x(t)に対して歪補償処理を行い、送信ベースバンド信号x1(t)を生成する。
この歪補償処理は、送信ベースバンド信号x(t)の電力値pに応じた歪補償係数h(p)を用いて、図1において点線で示した非直線の入出力特性が実線で示した直線の入出力特性に近づくように、送信電力増幅器406に入力される前の段階で送信ベースバンド信号を補正する処理である。歪補償処理部501は例えば、送信ベースバンド信号x(t)と歪補償係数h(p)を乗算する処理を行うことにより、送信ベースバンド信号x1(t)を生成する。
歪補償係数記憶部502は、送信ベースバンド信号x(t)の電力値pに関連付けられた複数の歪補償係数h(p)を記憶している。歪補償係数記憶部502は、歪補償処理部501が受けとった送信ベースバンド信号と同一の送信ベースバンド信号x(t)を受けとり、複数の歪補償係数の中からその電力値pに応じた歪補償係数h(p)を選択する。歪補償係数記憶部502は、選択した歪補償係数h(p)を歪補償処理部501に出力する。歪補償係数記憶部502の詳細については後述する。
歪補償係数演算部503は、送信ベースバンド信号x(t)とフィードバック信号y(t)を受けとり、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いた適応信号処理を行う。すなわち、歪補償係数演算部503は、LMSアルゴリズムを用いた適応信号処理により、歪補償処理部501において歪補償処理が行われる前の送信ベースバンド信号x(t)と、送信電力増幅器406からのフィードバック信号y(t)を比較し、その差が零となるように歪補償係数h_u(p)を演算する。
歪補償係数演算部503は演算した歪補償係数h_u(p)を、歪補償係数h(p)の更新値として歪補償係数記憶部502に供給する。尚、上述のLMSアルゴリズムを用いた適応信号処理を行う歪補償係数演算部503は種々の構成をとることができるが、その構成の一例が上記特許文献1の図27に示されている。
歪補償係数記憶部502は、上述のとおり歪補償処理部501に歪補償係数h(p)を出力した後で、供給された歪補償係数更新値h_u(p)に基づいて、受けとった送信ベースバンド信号(t)の電力値pに関連付けられた歪補償係数h(p)を更新する。
位相補正部505は、歪補償処理部501が受けとる送信ベースバンド信号と同一の送信ベースバンド信号x(t)を受けとるとともに、位相計算部506から位相補正値ωを受けとる。位相補正部505は、受けとった位相補正値ωに基づいて、歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)の位相を補正することにより、参照ベースバンド信号x3(t)を生成する。位相補正部505は例えば、送信ベースバンド信号x(t)の位相成分に位相補正値ωを付加する処理を行うことにより、参照ベースバンド信号x3(t)を生成する。位相補正部505は、生成した参照ベースバンド信号x3(t)をRF補正処理部504に出力する。位相補正部505の詳細については後述する。
位相計算部506は、歪補償係数記憶部502に記憶された複数の歪補償係数h(p)を受けとり、受けった複数の歪補償係数h(p)に基づいて位相補正値ωを生成する。位相計算部506は例えば、受けとった複数の歪補償係数h(p)の位相成分h(p)θに基づいて、それらの位相成分の平均値を計算し、その計算によって得られた平均値を位相補正値ωとする。位相計算部506は、生成した位相補正値ωを位相補正部505に出力する。位相計算部506の詳細については後述する。
RF補正処理部504は、歪補償処理部501から歪補償処理後の送信ベースバンド信号x1(t)を受けとり、受けとった送信ベースバンド信号x1(t)に対してRF補正処理を行う。ここで、RF補正処理は、D/A変換器403や直交変調器404で発生する、送信ベースバンド信号のI信号及びQ信号の直交偏差、振幅偏差及びDCオフセットを補正する処理である。
RF補正処理部504はさらに、位相補正部505から参照ベースバンド信号x3(t)を受けとるとともに、フィードバック信号y(t)を受けとる。RF補正処理部504は、受けとった参照ベースバンド信号x(t)とフィードバック信号y(t)に基づいて、上述のRF補正処理で用いられる、直交偏差、振幅偏差及びDCオフセットの各補正値を決定する。
RF補正処理部504は、決定した各補正値に基づいて、歪補正処理後の送信ベースバンド信号x1(t)のI信号及びQ信号に対してRF補正処理を行い、送信ベースバンド信号x2(t)を生成する。RF補正処理部504の詳細については後述する。
以上説明したように、第1実施例に係る歪補償装置409においては、RF補正処理部504は、参照ベースバンド信号x3(t)とフィードバック信号y(t)に基づいて、直交偏差、振幅偏差及びDCオフセットの各補正値を決定している。ここで、参照ベースバンド信号x3(t)は、歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)に対して位相補正値ωに基づいて位相の補正を行った信号であり、そして、位相補正値ωは、歪補償係数記憶部502に記憶された歪補償係数h(p)を介して、歪補償処理部501における歪補償処理の影響を反映したものになっている。
従って、第1実施例に係る歪補償装置409では、RF補正処理部504が受けとる参照ベースバンド信号x3(t)に対して、歪補償処理部501における歪補償処理の影響を適切に反映させることができる。それによって、RF補正処理部504における各補正値に対して、歪補償処理部501における歪補償処理の影響を適切に反映させることができるので、歪補償処理後の送信ベースバンド信号に対するRF補正処理の精度を向上させることができる。
特に、位相補正値ωは、複数の歪補償係数h(p)の位相成分h(p)θの平均値を計算することにより生成されたものであるので、歪補償処理の前後で生じる送信ベースバンド信号の位相のずれ等の、歪補償処理に起因する位相成分への影響を、参照ベースバンド信号x3(t)に対して適切に反映させることができる。それによって、RF補正処理部504における直交偏差の補正値に対して、歪補償処理部501における歪補償処理の影響を適切に反映させることができるので、歪補償処理後の送信ベースバンド信号に対する直交偏差の補正処理の精度を向上させることができる。
さらに、第1実施例に係る歪補償装置409では、歪補償係数記憶部502に記憶された歪補償係数h(p)を用いて位相補正値を計算することにより、歪補償処理部501における歪補償処理の影響を見積もっている。よって、歪補償処理で使用される既存の回路構成の一部をRF補正処理に流用することができるので、回路規模の増加を小さく抑えながら、RF補正処理、特に直交偏差の補正処理の精度を向上させることができる。
[1−3.歪補償係数記憶部502の構成例]
図6(A)は、歪補償係数記憶部502の構成例を示す図である。図6(B)ルックアップテーブルLUT601の構成例を示す図である。図6(A)に示すように、歪補償係数記憶部502は、ルックアップテーブル(Look Up Table、LUT)601、アドレス生成回路602及び遅延回路603を含む。
アドレス生成回路602は、歪補償処理部501が受けとった送信ベースバンド信号と同一の送信ベースバンド信号x(t)を受けとり、受けとった送信ベースバンド信号x(t)の電力値pを計算する。電力値pは例えば、送信ベースバンド信号x(t)の絶対値の2乗によって得ることができる(p=|x(t)|)。アドレス生成回路602は、得られた電力値pに応じたアドレスARを生成する。
例えば、アドレス生成回路602は、現在の参照時刻tにおける送信ベースバンド信号の電力値p(t)に一意に対応するX軸方向のアドレス(ロウアドレス)を生成する。さらに、アドレス生成回路602は、1つ前の参照時刻t−1における送信ベースバンド信号x(t−1)の電力値p(t−1)を記憶しておき、現在の参照時刻における電力値p(t)と1つ前の参照時刻における電力値p(t−1)の差分Δpを求める(Δp=p(t)−p(t−1))。アドレス生成回路602は、この差Δpに一意に対応するY軸方向のアドレス(カラムアドレス)を生成する。アドレス生成回路602は、生成されたX軸方向アドレス(ロウアドレス)とY軸方向アドレス(カラムアドレス)をアドレスARとして出力する。
ルックアップテーブル(LUT)601は、例えばRAMであり、図6(B)に示したように、送信ベースバンド信号x(t)の電力値piに関連付けられた歪補償係数h(pi)を、電力値piに応じたアドレスARで示される記憶位置に記憶するものである。
図6(B)に示したルックアップテーブル(LUT)では、1024個の送信ベースバンド信号x(t)の電力値pi(i=0〜1023)と対応する歪補償係数h(pi)の組が互いに関連付けられて記憶されている。ルックアップテーブル(LUT)601はアドレス生成回路602からアドレスARを受けとり、受けとったアドレスARによって示される記憶位置から、対応する歪補償係数h(p)を読み出す。ルックアップテーブル(LUT)601は読み出した歪補償係数h(p)を歪補償処理部501に出力する。
これにより、歪補償係数記憶部502は、歪補償処理部501が受けとった送信ベースバンド信号と同一の送信ベースバンド信号x(t)の電力値pに応じた歪補償係数h(p)を、複数の歪補償係数の中から選択し、歪補償処理部501に出力する。
遅延回路603はアドレスARを受けとり、アドレスARを所定の時間だけ遅延させることによりアドレスAWを出力する。よって、アドレスARとアドレスAWは、出力されるタイミングは異なるが、同じアドレス情報を有するものである。
ルックアップテーブル(LUT)601は、遅延回路603からアドレスAWを受けとるとともに、歪補償係数演算部503から歪補償係数更新値h_u(p)を受けとる。ルックアップテーブル601は、アドレスARによって示される記憶位置から歪補償係数h(p)を歪補償処理部501に出力した後で、受けとったアドレスAWによって示される記憶位置において、電力値pに対応する歪補償係数h(p)の値を歪補償係数更新値h_u(p)によって更新する。
[1−4.RF補正処理部504の構成例]
図7は、RF補正処理部504の構成例を示す図である。図7に示したように、RF補正処理部504は、直交偏差補正部701、振幅偏差補正部711及びDCオフセット補正部721を内部回路ブロックとして含み、歪補償処理後の送信ベースバンド信号x1(t)、参照ベースバンド信号x3(t)及びフィードバック信号y(t)を受けとる。
直交偏差補正部701は、送信ベースバンド信号x1(t)のI信号及びQ信号の直交偏差を補正する。振幅偏差補正部711は、I信号及びQ信号の振幅偏差(電力差)を補正する。DCオフセット補正部721は、I信号及びQ信号のDCオフセットを補正する。以下、直交偏差補正部701、振幅偏差補正部711及びDCオフセット補正部721の詳細を説明する。
[1−4−1.直交偏差補正部701の構成例]
図7において、直交偏差補正部701は、θ算出部702、tanθ算出部703、1/cosθ算出部704、乗算器705、706及び加算器707を内部回路ブロックとして含み、歪補償処理後の送信ベースバンド信号x1(t)、参照ベースバンド信号x3(t)及びフィードバック信号y(t)を受けとる。
θ算出部702は、位相補正部505から参照ベースバンド信号x3(t)を受けとるとともに、フォードバック信号y(t)を受けとる。θ算出部702は、受けとった参照ベースバンド信号x3(t)とフィードバック信号y(t)に基づいて、直交偏差補正パラメータθを生成する。
直交偏差補正パラメータθは、主として後段の直交変調器404において発生するI信号及びQ信号の直交偏差を補正するためのパラメータであり、送信ベースバンド信号のI信号とQ信号の時間経過に伴う軌跡を複素平面で表現した場合の実軸と虚軸が正確に90°の角度をなうように、その実軸と虚軸の間の直交関係のずれ(直交偏差)を補正する役割を果たすものである。
θ算出部702は、生成した直交偏差補正パラメータθをtanθ算出部703及び1/cosθ算出部704に供給する。尚、θ算出部702は種々の構成をとることができるが、その構成の一例が上記特許文献2の図23に示されている。
tanθ算出部703はθ算出部702から直交偏差補正パラメータθを受けとり、受けとった直交偏差補正パラメータθに基づいて、係数tanθを算出する。1/cosθ算出部704はθ算出部702から直交偏差補正パラメータθを受けとり、受けとった直交偏差補正パラメータθに基づいて、係数1/cosθを算出する。
乗算器705、706及び加算器707は、tanθ算出部703及び1/cosθ算出部704によって算出された各係数に基づいて、歪補償処理後の送信ベースバンド信号x1(t)のI信号x1(t)i及びQ信号x1(t)qに対して、以下に示す演算処理を行うことにより、直交偏差の補正処理を行う。
乗算器705、706及び加算器707による演算処理の結果は、以下のような式で表される(以下、式1と称する。)。尚、説明の都合上、振幅偏差補正部711及びDCオフセット補正部721による処理は考慮しないものとする。
x2(t)i=x1(t)i+x1(t)q×tanθ
x2(t)q=x1(t)q×1/cosθ
一方、後段の直交変調器404等によって直交偏差φが付加されたI信号及びQ信号をそれぞれx4(t)i及びx4(t)qとすると、I信号x4(t)i及びQ信号4(t)qは以下の式で表されることが知られている(以下、式2と称する。)。
x4(t)i=x2(t)i−x2(t)q×sinφ
x4(t)q=x2(t)q×cosφ
上記式1及び式2より、直交偏差補正パラメータθによって直交偏差の補正が行われたI信号及びQ信号が、後段の直交変調器404等において処理されると、直交偏差φが付加される結果、その出力信号は以下のようになる(以下、式3と称する。)。
x4(t)i=x2(t)i−x2(t)q×sinφ
=x1(t)i+x1(t)q×tanθ
−x1(t)q×1/cosθ×sinφ
x4(t)q=x2(t)q×cosφ
=x1(t)q×1/cosθ×cosφ
ここで、θ算出部702は参照ベースバンド信号x3(t)及びフィードバック信号y(t)に基づいて直交偏差補正パラメータθを生成している。参照ベースバンド信号x3(t)は、上述のように、ルックアップテーブル(LUT)601に記憶された歪補償係数h(p)に基づいて生成された位相補正値ωにより、歪補償処理の前後で生じる送信ベースバンド信号の位相のずれ等の、歪補償処理に起因する位相成分への影響を適切に反映した信号である。
そのため、θ算出部702は、直交偏差補正パラメータθの値が実際に後段の直交変調器404等において生じる直交偏差φの値に一致するように、精度の高い直交偏差補正パラメータθを算出することができる(θ≒φ)。
従って、図7に示した例では、上記式3は、θ≒φとすることにより、以下のようになる。
x4(t)i=x1(t)i+x1(t)q×tanθ
−x1(t)q×1/cosθ×sinφ
≒x1(t)i+x1(t)q×tanφ
−x1(t)q×1/cosφ×sinφ
≒x1(t)i
x4(t)q=x1(t)q×1/cosθ×cosφ
≒x1(t)q×1/cosφ×cosφ
≒x1(t)q
以上より、直交偏差補正部701は、上述の演算処理によって、歪補償処理後の送信ベースバンド信号x1(t)の直交偏差を補正し、直交偏差φの影響を実質的にキャンセルすることができる。
よって、RF補正処理部504における直交偏差補正部701は、直交偏差補正パラメータθに対して歪補償処理部501における歪補償処理の影響を適切に反映させることができ、直交偏差補正パラメータθをより正確に算出することができるので、歪補償処理後の送信ベースバンド信号に対する直交偏差の補正処理の精度を向上させることができる。
[1−4−2.振幅偏差補正部711の構成例]
図7において、振幅偏差補正部711は、振幅補正係数算出部712、I信号振幅補正係数保持部713、Q信号振幅補正係数保持部714、乗算器715及び716を内部回路ブロックとして含み、直交偏差補正部701による補正処理後の出力信号、参照ベースバンド信号x3(t)及びフィードバック信号y(t)を受けとる。
振幅補正係数算出部712は、位相補正部505から参照ベースバンド信号x3(t)を受けとるとともに、フォードバック信号y(t)を受けとる。振幅補正係数算出部712は、受けとった参照ベースバンド信号x3(t)とフィードバック信号y(t)に基づいて、I信号及びQ信号に対する振幅補正係数Ai及びAqを生成する。振幅補正係数Ai、Aqは、主として後段のD/A変換器403及び直交変調器404において発生するI信号及びQ信号の振幅偏差を補正するためのパラメータであり、I信号とQ信号の時間経過に伴う軌跡を複素平面で表現した場合にその軌跡が正確な円を描くように、I信号及びQ信号の振幅のバランスを調整する役割を果たすものである。
振幅補正係数算出部712は、生成した振幅補正係数Ai及びAqをそれぞれ、I信号振幅補正係数保持部713及びQ信号振幅補正係数保持部714に格納する。尚、振幅補正係数算出部712は種々の構成をとることができるが、その構成の一例が上記特許文献2の図12に示されている。
I信号振幅補正係数保持部713は、格納したI信号振幅補正係数Aiを乗算器716に供給する。乗算器716は加算器707から出力されたI信号に対して、I信号振幅補正係数Aiを乗算することにより、I信号の振幅の補正処理を行う。
Q信号振幅補正係数保持部714は、格納したQ信号振幅補正係数Aqを乗算器715に供給する。乗算器715は乗算器705から出力されたQ信号に対して、Q信号振幅補正係数Aqを乗算することにより、Q信号の振幅の補正処理を行う。
以上より、振幅偏差補正部711は、歪補償処理後の送信ベースバンド信号x1(t)の振幅偏差を補正することができる。
ここで、振幅補正係数算出部712が受けとる参照ベースバンド信号x3(t)は、上述のように、歪補償処理部501における歪補償処理の影響を適切に反映した信号である。よって、振幅偏差補正部711は、I信号振幅補正係数Ai及びQ信号振幅補正係数Aqをより正確に算出することができるので、歪補償処理後の送信ベースバンド信号に対する振幅偏差の補正処理の精度を向上させることができる。
[1−4−3.DCオフセット補正部721の構成例]
図7において、DCオフセット補正部721は、DC補正係数算出部722、I信号DC補正係数保持部723、Q信号DC補正係数保持部724、加算器725及び726を内部回路ブロックとして含み、振幅偏差補正部711による補正処理後の出力信号、参照ベースバンド信号x3(t)及びフィードバック信号y(t)を受けとる。
DC補正係数算出部722は、位相補正部505から参照ベースバンド信号x3(t)を受けとるとともに、フォードバック信号y(t)を受けとる。DC補正係数算出部722は、受けとった参照ベースバンド信号x3(t)とフィードバック信号y(t)に基づいて、I信号及びQ信号に対するDC補正係数Di及びDqを生成する。DC補正係数Di、Dqは、主として後段のD/A変換器403において発生するI信号及びQ信号のDCオフセットを補正するためのパラメータであり、I信号及びQ信号の時間的なずれを補償するように、I信号及びQ信号の遅延量を調整する役割を果たすものである。
DC補正係数算出部722は、生成したDC補正係数Di及びDqをそれぞれ、I信号DC補正係数保持部723及びQ信号DC補正係数保持部724に格納する。尚、DC補正係数算出部722は種々の構成をとることができるが、その構成の一例が上記特許文献2の図2に示されている。
I信号DC補正係数保持部723は、格納したI信号DC補正係数Diを加算器726に供給する。加算器726は乗算器716から出力されたI信号に対して、I信号DC補正係数Diを加算することにより、I信号のDC成分の補正処理を行う。
Q信号DC補正係数保持部724は、格納したQ信号DC補正係数Dqを加算器725に供給する。加算器725は乗算器715から出力されたQ信号に対して、Q信号DC補正係数Dqを加算することにより、Q信号のDC成分の補正処理を行う。
以上より、DCオフセット補正部721は、歪補償処理後の送信ベースバンド信号x1(t)のDCオフセットを補正することができる。DCオフセット補正部721は、RF補正処理部504の出力信号として、DCオフセット補正処理後の送信ベースバンド信号x2(t)を出力する。
ここで、DC補正係数算出部722が受けとる参照ベースバンド信号x3(t)は、上述のように、歪補償処理部501における歪補償処理の影響を適切に反映した信号である。よって、DCオフセット補正部721は、I信号DC補正係数Di及びQ信号DC補正係数Dqをより正確に算出することができるので、歪補償処理後の送信ベースバンド信号に対するDCオフセットの補正処理の精度を向上させることができる。
[1−5.位相計算部506の構成例]
図8は、位相計算部506において実行される位相補正値ωの計算処理フローの一例を示す図である。位相計算部506は、図8に示す計算処理フローを実行するための回路である。位相計算部506は種々の構成をとることができるが、例えば加算処理を実行するための加算器と除算処理を実行するための除算器を含む多数の演算器、及びそれらの動作を制御するための制御回路等を含む回路として実現される。
図8に示した計算処理フローを説明する。図8に示した計算処理は、ルックアップテーブル(LUT)601に記憶されている全ての歪補償係数h(p)の位相成分h(p)θに対してその平均値を算出することにより、位相補正値ωを求めるものである。
まず、ステップS801において、位相計算部506は位相補正値ωの計算処理を開始する。
次に、ステップS802において、位相計算部506は、位相成分総和pc_sum(n)の値を“0”(初期値)に設定する(pc_sum(0)=0)。ここで、位相成分総和pc_sum(n)は、ルックアップデーブル(LUT)601に記憶されている歪補償係数h(p)の位相成分h(p)θの総和を示す値である。
加えて、位相計算部506は、ルックアップテーブル(LUT)601内の、歪補償係数h(p)が記憶されている複数のアドレスの中から、一つのアドレスを初期アドレスとして選択する。初期アドレスの選択は、ルックアップテーブル(LUT)601に歪補償係数h(p)を電力値pに応じてどのように記憶させるかに依存して、適宜変更されるものである。
次に、ステップS803において、位相計算部506は、選択したアドレスに対応する歪補償係数h(p)をルックアップテーブル(LUT)601から読み出し、読み出した歪補償係数h(p)について位相成分h(p)θを得る。位相計算部506は、以下の式に示すように、得られた位相成分h(p)θを位相成分総和の現在の値pc_sum(n−1)(初期値は“0”である)に加算することにより、位相成分総和pc_sum(n)の値を更新する。
pc_sum(n)=pc_sum(n−1)+h(p)θ
次に、ステップS804において、位相計算部506は、ルックアップテーブル(LUT)601内の、歪補償係数h(p)が記憶されている全てのアドレスを選択した否かをチェックする。ルックアップテーブル(LUT)601内の該当する全てのアドレスをすでに選択している場合には、位相計算部506はステップS806の処理に移行する。一方、ルックアップテーブル(LUT)601において未選択のアドレスが存在する場合には、位相計算部506はステップS805の処理に移行する。
ステップS805において、位相計算部506は、ルックアップテーブル(LUT)601内の、歪補償係数h(p)が記憶されているアドレスのうちで未だ選択されていないアドレスの中から、一つのアドレスを選択する。その後、位相計算部506はステップS803の処理に戻る。位相計算部506は、ステップS805において選択したアドレスに基づいて、再度ステップS803及びS804の処理を実行する。
ステップS806において、位相計算部506は、以下の式に示すように、算出された位相成分総和ps_sum(n)を、それまでに選択したアドレスの総数add_tで除算することにより、歪補償係数の位相成分の平均値pc_avを算出する。
pc_av=pc_sum(n)/add_t
ステップS807において、位相計算部506は、算出した位相成分平均値pc_avを位相補正値ωとして設定する。ステップS808において、位相計算部506は位相補正値ωの計算処理を終了する。
図8に示した計算処理フローにおいて、位相計算部506は、ルックアップテーブル(LUT)601内の、歪補償係数h(p)が記憶されている全てのアドレスを一律に選択の対象として、その平均値を計算している。このため、位相計算部506において、位相補正値ωを計算するための処理フローの制御をよりシンプルなものにすることができ、位相計算部506に含まれる制御回路の構成が複雑化するのを防止することができる。
尚、図8に示した計算処理フローは、例えば、歪補償装置409が新しい送信ベースバンド信号x(t)を受けとる度に実行することができる。しかしながら、この実施態様には限定されず、上記の計算処理フローは、例えば、所定の個数の送信ベースバンド信号x(t)を受けとるごとに実行するなど、予め決められた一定の間隔ごとに実行するようにしてもよい。
[1−6.位相補正部505の構成例]
図9は位相補正部505の構成例を示す図である。位相補正部505は乗算器901〜904、減算器905、加算器906、cosω算出部907及びsinω算出部908を内部回路ブロックとして含む。位相補正部505は歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)を受けとるとともに、位相計算部506から位相補正値ωを受けとる。
cosω算出部907は、位相計算部506から位相補正値ωを受けとり、受けとった位相補正値ωに基づいて、係数cosθを算出する。sinω算出部908は、位相計算部506から位相補正値ωを受けとり、受けとった位相補正値ωに基づいて、係数sinθを算出する。
乗算器901〜904、減算器905及び加算器906は、cosω算出部907及びsinω算出部908によって算出された各係数に基づいて、歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)のI信号x(t)i及びQ信号x(t)qに対して、以下に示す演算処理(複素演算処理)を行う。
x(t)=x(t)i+j×x(t)q
w=cosω+j×sinω=ejω
x3(t)=x3(t)i+j×x3(t)q
x3(t)=x(t)×w
=(x(t)i×cosω−x(t)q×sinω)
+j×(x(t)i×sinω+x(t)q×cosω)
x3(t)i=x(t)i×cosω−x(t)q×sinω
x3(t)q=x(t)i×sinω+x(t)q×cosω
上記の演算処理の結果として、位相補正部505は、位相補正値ωによって位相が補正された参照ベースバンド信号x3(t)のI信号x3(t)i及びQ信号x3(t)qを生成する。
ここで、位相補正値ωは、上述のように、ルックアップテーブル(LUT)601に記憶された歪補償係数の位相成分h(p)θに基づいて生成されたものである。よって、位相補正部505は、歪補償処理の前後で生じる送信ベースバンド信号の位相のずれ等の、歪補償処理に起因する位相成分への影響を適切に反映させた信号を、参照ベースバンド信号x3(t)として生成することができる。
[2.第2実施例]
図10は、第2実施例に係る位相補正値ωの計算処理フローの一例を示す図である。第2実施例に係る無線装置及び歪補償装置は、第1実施例に係る無線装置400及び歪補償装置409と、位相計算部が実行する位相補正値ωの計算処理フローが異なっているが、その他の部分については同様である。
図10に示した計算処理フローを説明する。図10に示した計算処理は、ルックアップテーブル(LUT)601に記憶されている複数の歪補償係数h(p)のうち、現在の時刻から一定の期間前までに参照された歪補償係数h(p)の位相成分h(p)θに対してその平均値を算出することにより、位相補正値ωを求めるものである。
まず、ステップS1001において、位相計算部506は位相補正値ωの計算処理を開始する。
次に、ステップS1002において、位相計算部506は、位相成分総和pc_sum(n)の値を“0”(初期値)に設定する(pc_sum(0)=0)。ここで、位相成分総和pc_sum(n)は、一定の期間内にルックアップデーブル(LUT)601から歪補償処理部501に出力された歪補償係数h(p)の位相成分h(p)θの総和を示す値である。加えて、位相計算部506は、参照時刻tとして、現在の時刻t0を設定する(t=t0)。
次に、ステップ1003において、位相計算部506は、設定された参照時刻tにおいてルックアップテーブル(LUT)601から出力された歪補償係数h(p)について位相成分h(p)θを得る。
ここで、例えば、ルックアップテーブル(LUT)601がさらに、各々の歪補償係数h(p)について、歪補償処理部501に出力された参照時刻tを示す情報を記憶するような構成とすることができる。あるいは、例えば、ルックアップテーブル(LUT)601が歪補償処理部501に歪補償係数h(p)を出力する際に、位相計算部506が同時にルックアップテーブル(LUT)601から歪補償係数h(p)を受けとるような構成としてもよい。
位相計算部506は、以下の式に示すように、得られた位相成分h(p)θを位相成分総和の現在の値pc_sum(n−1)(初期値は“0”である)に加算することにより、位相成分総和pc_sum(n)の値を更新する。
pc_sum(n)=pc_sum(n−1)+h(p)θ
次に、ステップS1004において、位相計算部506は、設定された参照時刻tと現在の時刻t0の時間差Δt=|t−t0|が閾値Tthよりも大きいか否かをチェックする。ここで、閾値Tthは、位相成分h(p)θの平均値を算出するのに必要な期間を設定するためのパラメータであり、必要に応じて適宜変更可能なものである。時間差Δtが閾値Tthより大きい場合には、位相計算部506はステップS1006の処理に移行する。一方、時間差Δtが閾値Tth以下である場合には、位相計算部506はステップS1005の処理に移行する。
ステップS1005において、位相計算部506は、1つ前の参照時刻t−1を新しい参照時刻tとして設定する。その後、位相計算部506はステップS1003の処理に戻る。位相計算部506は、ステップS1005において設定した参照時刻tに基づいて、再度ステップS1003及びS1004の処理を実行する。
ステップS1006において、位相計算部506は、以下の式に示すように、算出された位相成分総和ps_sum(n)を、それまでに設定した時刻の総数tm_tで除算することにより、歪補償係数h(p)の位相成分の平均値pc_avを算出する。
pc_av=pc_sum(n)/tm_t
ステップS1007において、位相計算部506は、算出した位相成分平均値pc_avを位相補正値ωとして設定する。ステップS1008において、位相計算部506は位相補正値ωの計算処理を終了する。
図10に示した計算処理フローにおいて、位相計算部506は、ルックアップテーブル(LUT)601に記憶された全ての歪補償係数h(p)を平均値計算の対象とせず、現在の時刻から一定の期間前までにルックアップテーブル(LUT)601から出力された歪補償係数h(p)のみを用いて、位相成分h(p)θの平均値を計算している。このため、位相計算部506において、加算処理を実行するための回路の規模(加算器の数)が大きくなるのを防止することができ、位相計算部506に含まれる演算処理部の回路規模をより小さく抑えることができる。
尚、図10に示した計算処理フローは、例えば、歪補償装置409が新しい送信ベースバンド信号x(t)を受けとる度に実行することができる。しかしながら、この実施態様には限定されず、上記の計算処理フローは、例えば、所定の個数の送信ベースバンド信号x(t)を受けとるごとに実行するなど、予め決められた一定の間隔ごとに実行するようにしてもよい。
[3.第3実施例]
図11は、第3実施例に係る位相補正部505の構成例を示す図である。第3実施例に係る無線装置及び歪補償装置は、第1実施例に係る無線装置400及び歪補償装置409と、位相補正部505の内部構成が異なっているが、その他の部分については同様である。
図11に示した位相補正部505は、極座標形式で表現された送信ベースバンド信号x(t)に対して位相の補正処理を行うものである。位相補正部505は加算器1101を含む。位相補正部505は歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)を受けとるとともに、位相計算部506から位相補正値ωを受けとる。
加算器1101は、受けとった位相補正値ωに基づいて、歪補償処理前の送信ベースバンド信号x(t)の振幅成分信号x(t)r及び位相成分信号x(t)θに対して、以下に示す演算処理(複素演算処理)を行う。
x3(t)r=x(t)r
x3(t)θ=x(t)θ+ω
上記の演算処理の結果として、位相補正部505は、位相補正値ωによって位相が補正された参照ベースバンド信号x3(t)r及びx3(t)θを生成する。
ここで、位相補正値ωは、上述のように、ルックアップテーブル(LUT)601に記憶された歪補償係数の位相成分h(p)θに基づいて生成されたものである。よって、位相補正部505は、歪補償処理の前後で生じる送信ベースバンド信号の位相のずれ等の、歪補償処理に起因する位相成分への影響を適切に反映させた信号を、参照ベースバンド信号x3(t)として生成することができる。
[4.第4実施例]
図12は、第4実施例に係る無線基地局1200の構成例を示す図である。図12に示したように、無線基地局1200は、無線装置部(RE:Radio Equipment)1201と無線制御部(REC:Radio Equipment Control)1202を含む。
無線制御部1202は所望の送信ベースバンド信号を生成する。無線装置部1201は、無線制御部1202からインターフェース(I/F)1203を介して、生成された送信ベースバンド信号を受けとる。ここで、無線制御部1202と無線装置部1201のI/F1203は、光ファイバーケーブルによって接続されており、CPRI(Common Public Radio Interface)という通信プロトコルに基づいて信号のやり取りを行う。I/F1203はCPRIプロトコルに基づく通信を制御する機能を備える。
デジタル信号処理回路1204は、I/F1203から送信ベースバンド信号を受けとる。デジタル信号処理回路1204は、図4に示した歪補償装置409とS/P変換器409に対応するものであり、例えばFPGA、DSP又はASICである。デジタル信号処理回路1204は、第1〜第3実施例に係る歪補償装置を含み、受けとった送信ベースバンド信号に対して歪補償処理及びRF補正処理を行う。歪補償処理及びRF補正処理については、第1〜第3実施例において述べたとおりであり、デジタル信号処理回路1204は、送信ベースバンド信号に対するRF補正処理を高い精度で実行することができる。
MPU1213は、デジタル信号処理回路1204において実行される種々の動作に対する制御及び監視を行い、特に歪補償処理及びRF補正処理に対する制御及び監視を行う。
D/A変換器1205及びA/D変換器1212は図4に示したD/A変換器403及びA/D変換器413に対応する。アップコンバータ1206は図4に示した直交変調器404及び周波数変換器405に対応する。ダウンコンバータ1210は図4に示した直交検波器412及び周波数変換器411に対応する。送信電力増幅器1207は図4に示した送信電力増幅器406に対応し、方向性結合器1208は図4に示した方向性結合器410に対応し、アンテナ1209は図4に示したアンテナ407に対応する。ダウンコンバータ1210及びA/D変換器1212は、送信電力増幅器1207の出力信号をデジタル信号処理回路1204をフィードバックするフィードバック回路として機能する。
300 歪補償装置
301 歪補償処理部
302 歪補償係数記憶部
303 歪補償係数演算部
304 RF補正処理部
400 無線装置
401 送信信号発生装置
402 シリアル/パラレル(S/P)変換器
403 デジタル/アナログ(D/A)変換器
404 直交変調器
405 周波数変換器
406 送信電力増幅器
407 アンテナ
408 基準搬送波発生器
409 歪補償装置
410 方向性結合器
411 周波数変換器
412 直交検波器
413 A/D変換器
501 歪補償処理部
502 歪補償係数記憶部
503 歪補償係数演算部
504 RF補正処理部
505 位相補正部
506 位相計算部
601 ルックアップテーブル(LUT)
602 アドレス生成回路
603 遅延回路
701 直交偏差補正部
702 θ算出部
703 tanθ算出部
704 1/cosθ算出部
705、706 乗算器
707 加算器
711 振幅偏差補正部
712 振幅補正係数算出部
713 I信号振幅補正係数保持部
714 Q信号振幅補正係数保持部
715、716 乗算器
721 DCオフセット補正部
722 DC補正係数算出部
723 I信号DC補正係数保持部
724 Q信号DC補正係数保持部
725、726 加算器
901〜904 乗算器
905 減算器
906 加算器
907 cosω算出部
908 sinω算出部
1101 加算器
1200 無線基地局
1201 無線装置部(RE)
1202 無線制御部(REC)
1203 インターフェース(I/F)
1204 デジタル信号処理回路
1205 D/A変換器
1206 アップコンバータ
1207 送信電力増幅器
1208 方向性結合器
1209 アンテナ
1210 ダウンコンバータ
1212 A/D変換器
1213 MPU

Claims (8)

  1. 送信信号が入力され、前記送信信号に対して、送信電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償処理を行う歪補償装置であって、
    前記送信信号の電力値に関連付けられた複数の歪補償係数を記憶する歪補償係数記憶部と、
    前記歪補償係数記憶部に記憶された前記複数の歪補償係数の中から、前記入力された送信信号の電力値に対応する歪補償係数を取り出し、前記取り出された歪補償係数に基づいて、前記送信信号に対して前記歪補償処理を行う歪補償処理部と、
    前記歪補償係数記憶部に記憶された前記歪補償係数に基づいて位相補正値を計算する位相計算部と、
    前記送信信号の位相を、前記位相計算部によって計算された位相補正値に基づいて補正することにより、参照信号を生成する位相補正部と、
    前記参照信号と、前記送信電力増幅器からフィードバックされたフィードバック信号とに基づいて、前記歪補償処理が行われた送信信号に対して補正処理を行う補正処理部と
    を有することを特徴とする歪補償装置。
  2. 前記補正処理は、前記送信信号の同相成分信号と直交成分信号の間の直交偏差を補正する処理であることを特徴とする請求項1記載の歪補償装置。
  3. 前記位相計算部は、前記歪補償係数記憶部に記憶された前記複数の歪補償係数の全てについて、前記歪補償係数の位相成分の平均値を計算し、前記平均値を前記位相補正値として出力することを特徴とする請求項1又は2記載の歪補償装置。
  4. 前記位相計算部は、前記歪補償係数記憶部に記憶された前記複数の歪補償係数のうち、前記送信信号が入力された時点から所定の期間前までに前記歪補償処理部によって取り出された歪補償係数について、前記歪補償係数の位相成分の平均値を計算し、前記平均値を前記位相補正値として出力することを特徴とする請求項1又は2記載の歪補償装置。
  5. 前記位相補正部は、前記歪補償処理が行われる前の送信信号の位相成分に、前記位相補正値を付加する処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の歪補償装置。
  6. 送信信号が入力され、前記送信信号に対して、送信電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償処理を行う歪補償方法であって、
    前記送信信号の電力値に関連付けられた複数の歪補償係数を歪補償係数記憶部に記憶し、
    前記歪補償係数記憶部に記憶された前記複数の歪補償係数の中から、前記入力された送信信号の電力値に対応する歪補償係数を取り出し、
    歪補償処理部によって、前記取り出された歪補償係数に基づいて、前記送信信号に対して前記歪補償処理を行い、
    位相計算部によって、前記歪補償係数記憶部に記憶された前記歪補償係数に基づいて位相補正値を計算し、
    位相補正部によって、前記送信信号の位相を、前記位相計算部によって計算された位相補正値に基づいて補正することにより、参照信号を生成し、
    補正処理部によって、前記参照信号と、前記送信電力増幅器からフィードバックされるフィードバック信号とに基づいて、前記歪補償処理が行われた送信信号に対して補正処理を行う
    ことを特徴とする歪補償方法。
  7. 送信信号が入力され、前記送信信号に対して、送信電力増幅器の非線形歪を補償する歪補償処理を行う歪補償装置と、
    前記歪補償回路の出力信号に対して直交変調処理を行う直交変調器と、
    前記直交変調器の出力信号に対して無線周波数への周波数変換処理を行う第1周波数変換器と、
    前記第1周波数変換器の出力信号に対して電力増幅処理を行う送信電力増幅器と、
    前記送信電力増幅器の出力信号に基づいてフィードバック信号を生成し、前記フィードバック信号を前記歪補償装置に供給するフィードバック回路と、
    を有する無線装置であって、
    前記歪補償装置は、
    前記送信信号の電力値に関連付けられた複数の歪補償係数を記憶する歪補償係数記憶部と、
    前記歪補償係数記憶部に記憶された前記複数の歪補償係数の中から、前記入力された送信信号の電力値に対応する歪補償係数を取り出し、前記取り出された歪補償係数に基づいて、前記送信信号に対して前記歪補償処理を行う歪補償処理部と、
    前記歪補償係数記憶部に記憶された前記歪補償係数に基づいて位相補正値を計算する位相計算部と、
    前記送信信号の位相を、前記位相計算部によって計算された位相補正値に基づいて補正することにより、参照信号を生成する位相補正部と、
    前記参照信号と前記フィードバック信号とに基づいて、前記歪補償処理が行われた送信信号に対して補正処理を行う補正処理部と
    を有することを特徴とする無線装置。
  8. 前記フィードバック回路は、
    前記送信電力増幅器の出力信号に対してベースバンド周波数への周波数変換を行う第2周波数変換器と、
    前記第2周波数変換器の出力信号に対して直交検波処理を行う直交検波器と
    を含むことを特徴とする請求項7記載の無線装置。

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