JP2008131186A - 電力増幅器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイアス制御部14が、入力電力に応じてバイアス制御テーブルを参照してドハティ増幅部13のピーク増幅器のゲート電圧を制御し、バイアス制御テーブルが、入力電力が小さい場合にC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスするよう入力電力とゲート電圧とが対応付けられており、歪検出部16が、ドハティ増幅部13の出力信号中の非線形歪の電力を検出し、制御部17が、非線形歪の電力に基づいてバイアス制御テーブルを適応的に更新する。
【選択図】図1
Description
一般的なドハティ増幅器について図6を用いて説明する。図6は、ドハティ増幅器の基本構成を示す概略構成ブロック図である。
図6に示すように、ドハティ増幅器は、分配器41と、キャリア増幅器42と、ピーク増幅器43と、1/4波長線路44,45とから構成されている。
キャリア増幅器42は、AB級やB級にバイアスされた増幅器であり、ピーク増幅器43は、C級にバイアスされた増幅器であり、いずれも入力された信号の電力を増幅する。
1/4波長線路44,45は、入力信号を遅延し、位相を90°ずらすものである。
入力信号は、分配器41で2分配されて、一方はキャリア増幅器42に入力され、もう一方は1/4波長線路44を介して90°の位相差が与えられて、ピーク増幅器43に入力される。キャリア増幅器42及びピーク増幅器43は、入力信号の電力を増幅する。そして、キャリア増幅器42の出力側では、1/4波長線路45によって90°の位相差が与えられる。
一方、ピーク増幅器43はC級にバイアスされているので、瞬時電力が小さい場合には増幅せず消費電力は小さくてすむ。瞬時電力が大きい場合には増幅を行い、ピーク増幅器43の出力はキャリア増幅器42の出力電力と合成される。
つまり、ドハティ増幅器では、消費電力を抑え、飽和電力を大きくすることができ、高い電力効率を得ることができるものである。
図6に実線で示したように、瞬時電力が小さい場合は、ピーク増幅器43が動作しないので、出力インピーダンスは開放である。このとき、キャリア増幅器42の負荷インピーダンスは、出力負荷R0/2がインピーダンス変換されて、2R0となる。この高い負荷インピーダンスは、一定の電源電圧で小さな電力を増幅するときの効率を高くする。
特に、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)やOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)の基地局では、送信する信号のPAPR(Peak-to-Average Power Ratio;ピーク電力対平均電力比)が大きいため、広い線形領域が要求される。
図7に示すように、プリディストーション方式を用いた電力増幅器は、プリディストーション部50と、増幅部54と、制御部55とから構成され、プリディストーション部50は、振幅(電力)検出部51と、歪補償テーブル52と、プリディストータ53とを備えている。
振幅(電力)検出部51は、入力信号の振幅又は電力を検出する。
歪補償テーブル52は、メモリ等で構成され、補償対象となる増幅部54の非線形特性の逆特性を記憶するテーブルであり、一般的には、入力信号の振幅又は電力に対応するAM/AM特性やAM/PM特性が記憶されている。
プリディストータ53は、歪補償テーブル52の参照結果に基づいて、入力信号の振幅及び位相を補償するものである。
制御部55は、増幅部54で増幅された出力信号の一部や、入力信号の一部を用いて(図7に破線で示した信号)、歪補償テーブル52を更新し、温度変化や経年変化に適応可能としている。
入力信号は、振幅(電力)検出部51で振幅又は電力が検出され、歪補償テーブル52で検出された振幅又は電力に対応するAM/AM特性やAM/PM特性が参照され、プリディストータ53で、参照された値に基づいて、増幅部54で発生する非線形歪の逆特性となるAM/AM特性やAM/PM特性が与えられて振幅及び位相が調整され、増幅部54で増幅され、歪が相殺されて補償された信号として出力される。
この従来技術は、増幅部の出力と入力信号とに基づいて、歪補償テーブルの更新を行う制御部が、歪補償テーブルが記憶する複数の点を、一部が重複する複数の区間において曲線補間し、曲線補間にて得られるそれぞれの曲線を結合することにより、歪補償テーブルが記憶する点を更新するものであり、これにより、変曲点を含む歪特性を補償することが可能となるものである。
図8に示すように、増幅器をC級にバイアスした場合のゲート電圧対入力電力特性は、増幅器a(図8の記号「a」)で示される。また、増幅器b(図8の記号「b」)はAB級にバイアスされている。この場合、C級にバイアスされた増幅器aは、AB級にバイアスされた増幅器bに比べてゲインが小さくなる。
特に、C級にバイアスされた増幅器aでは高次歪が大きくなるので、広帯域に亘る処理が必要となり、デジタル部、D/A変換器、A/D変換器の処理速度を高速にしなければならず、処理の負荷が大きくなってしまう。
更に、それに伴ってアナログ回路も広帯域化が必要となる。
アクティブバイアス制御は、入力電力に応じてドハティ増幅器のピーク増幅器のゲート電圧を制御するものである。
具体的には、図8の記号「c」に示すように、入力電力の小さいところではピーク増幅器のバイアスVggをC級に制御する一方、入力電力の大きいところでは、ピーク増幅器のバイアスVggをAB級程度に制御する。
また、入力電力の大きいところでは、ピーク増幅器のバイアスVggをAB級程度に制御して、ゲインを大きくすることにより、デジタル回路及びアナログ回路へ要求する性能を緩和し、回路規模の増大を防ぐ。
更に、入力電力の大きいところのAM/AM特性は、図9の記号「b」に近づくため、非線形歪を小さくすることができるものである。
図10に示すように、アクティブバイアスを用いたドハティ増幅器は、分配器61と、バイアス制御部62と、遅延調整部63と、ドハティ増幅部64とから構成されている。
バイアス制御部62は、入力電力を検出し、入力電力に対応したピーク増幅器のゲート電圧制御信号を出力する。バイアス制御部62には、メモリ等で構成され、入力信号対ゲート電圧制御信号のテーブル(「バイアス制御テーブル」と称する)を備えている。また、電圧制御信号の値を電圧信号に変換するD/A変換器(図示せず)が設けられている。
増幅器の入力信号は、分配器61で2つに分配されて、バイアス制御部62と遅延制御部63へ入力される。バイアス制御部62は、入力電力を検出し、バイアス制御テーブルを参照して、検出された入力電力に対応したゲート電圧制御信号を出力する。
一方、分配器61で分配され、遅延調整部63に入力された信号は、遅延調整部63で、ピーク増幅器で入力信号とそれに応じたゲートバイアスのタイミングが合うように遅延調整され、ドハティ増幅部64に入力される。
ドハティ増幅部64に入力された信号は、増幅されて出力される。
このようにしてアクティブバイアスを用いたドハティ増幅器の動作が行われる。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器は、バイアス制御部が、入力電力とゲート電圧信号を対応付けるテーブルを参照して、入力電力に応じてドハティ増幅部のピーク増幅器のゲート電圧を制御する電力増幅器であって、テーブルが、入力電力が小さい場合にC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスするよう、入力電力とゲート電圧とが対応付けられたテーブルであり、更に、歪検出部が、電力増幅器の出力信号中の非線形歪を検出し、制御部が、検出された非線形歪に基づいてバイアス制御部のテーブルを更新するものであり、入力電力が小さい場合にはC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスすることにより、電力効率を向上させると共に非線形歪を小さくすることができ、また、電力増幅器の出力信号の状態に応じたきめ細かいバイアス制御を行うことができるものである。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器(本装置)は、プリディストーションとアクティブバイアスを用いたドハティ増幅器であり、図1に示すように、プリディストーション部10と、分配器11と、遅延調整部12と、ドハティ増幅部13と、バイアス制御部14と、分配器15と、歪検出部16と、制御部17とから構成される。
プリディストーション部10は、図7に示したプリディストーション部50と同様の構成であり、振幅(電力)検出部と、歪補償テーブルと、プリディストータとを備えているが、本装置の特徴として、歪補償テーブルとしてAM/PM特性の非線形性を補償するAM/PM歪補償テーブルのみを備えており、AM/AM歪補償テーブルは備えていない。
尚、プリディストーション部10の構成としては、この他にも、入力電力に応じて通過位相を変える複素乗算器等、一般的なプリディストーション方式で用いられる様々な構成を用いることが可能である。
そして、本装置のバイアス制御部14の特徴として、バイアス制御テーブルには、ドハティ増幅部13における高い電力効率を損なうことなく、且つAM/AM特性の非線形性を補償するようなゲート電圧の値が記憶されている。具体的には、図8の(c)に示した特性となるよう、入力電力の小さいところではC級にバイアスし、入力電力の大きいところではAB級にバイアスするよう、入力電圧とゲート電圧の組が記憶されている。
更に、本装置のバイアス制御部14の特徴として、制御部17からの制御信号に基づいて当該バイアス制御テーブルの値を更新するものである。
歪検出部16は、分配器15で分配された出力信号の一方を入力し、FFT(Fast Fourier Transformation)によりスペクトル解析を行い、当該出力信号中の非線形歪成分(不要波)の電力を検出する。
図2に示すように、増幅器出力には、希望波の他に、希望波の低周波数領域と高周波数領域に、不要波である非線形歪が出現する。歪検出部16は、この非線形歪の電力を検出して制御部17に出力するものである。
具体的には、制御部17は、非線形歪の電力に基づいて、当該非線形歪の電力が小さくなるよう、プリディストーション部10のAM/PM歪補償テーブルを適応的に制御して更新する。
つまり、制御部17は、予め図8(c)に示した特性が記憶されているバイアス制御テーブルを、更に、その時点での電力増幅器の出力信号中の非線形歪が小さくなるよう制御するものである。これにより、より精度の高い歪補償を実現するものである。
入力信号はプリディストーション部10に入力される。
プリディストーション部10では、入力信号の振幅又は電力に応じて位相を変化させ、ドハティ増幅部13のAM/PM特性の非線形性を補償する。上述したように、本装置ではプリディストーション部10においてAM/AM特性の補償は行わない。
そして、制御部17で、非線形歪成分の電力が小さくなるよう、プリディストーション部10のAM/PM歪補償テーブルが適応的に制御されて更新され、これにより、温度特性や経年変化に追従させることによって常に安定した歪補償性能を得ることができる。
また、同様に、バイアス制御部14のバイアス制御テーブルも適応的に制御されて更新される。本装置では、バイアス制御テーブルの入力電力対ピーク増幅器のゲート電圧の対応付けは、ドハティ増幅部13のAM/AM特性の非線形性を補償するよう、調整が行われる。
上述したように、ドハティ増幅部のピーク増幅器を常にC級動作させた場合は、効率は良いがゲインが低下し、非線形歪が大きくなる。
非線形歪をプリディストーション方式で補償する場合、一般的に、不足しているゲインを補うために入力信号の振幅を大きくする。そのため、ドハティ増幅器の前段にあるドライブアンプ(図示せず)の消費電力が大きくなる。
従って、アクティブバイアス方式を用いると、プリディストーション方式を用いた場合とほぼ同等の電力効率が得られる。また、アクティブバイアス方式によるAM/AM特性の歪補償特性についても、プリディストーション方式を用いた場合とほぼ同等の性能が得られる。
制御部17において、摂動法を用いて歪電力を学習させた場合、図3の(1)に示すようにゲート電圧を上げれば、増幅器はA級に近づくため、歪電力は小さくなるものの、ドハティ増幅器のメリットが得られず、電力効率は大きくならない。そこで、本装置では、図3の(2)のような特性となるよう、ピーク増幅器のゲート電圧を制御する。
更に、制御部17は、代表点と代表点との間を補間して、バイアス制御テーブルに記憶する。
更にまた、装置の運用中にバイアス制御テーブルを更新可能であるため、両端点間の曲線を微調整することができ、精度の高いAM/AM歪補償が実現できるものである。
本実施例のドハティ増幅器は、プリディストーション部20と、遅延部21と、D/A変換器22と、アップコンバータ23と、ドハティ増幅部24と、バイアス制御部25と、D/A変換器26と、分配器27と、ミキサ28と、BPF29と、A/D変換器30と、歪検出部3と、制御部32とから構成されている。
入力信号は、プリディストータ20でプリディストーション処理されて、遅延調整部(図では「遅延部」)21に入力される。
プリディストータ20は、デジタルプリディストータであり、遅延調整部21は、デジタル信号処理によって一般的に用いられる方法である。
制御部32は、歪電力情報を元にして、プリディストーション部20とバイアス制御部25の両方又は一方を適応制御する。
このようにして、本実施例のドハティ増幅器における動作が行われるものである。
ここに示した例の他に、メモリ効果を補償するプリディストータ(特許文献1参照)やドハティ増幅器用のプリディストータ(特許文献2参照)など公知の技術を用いても構わない。
図5に示すように、バイアス制御部25は、振幅(電力)検出部33と、バイアス制御テーブル34とから構成されている。
振幅(電力)検出部33は、プロセッサ等で構成され、√(I2+Q2)を演算してエンベロープを検出する。プリディストーション部20の振幅(電力)検出部と同等の構成でよい。
この場合、バイアス制御テーブル34の初期収束では、プリディストーション部10におけるAM/AM特性の補償は行わずにできる限り歪を小さくする方法が望ましい。
本実施の形態で示したデジタル信号処理は、アナログ回路で構成されてもよいし、逆に、アナログ構成回路は、デジタル信号処理で構成されてもよい。
その場合、無線通信で一般的に必要とされる帯域制限フィルタや分配器などは追加または削除され、A/D変換器やD/A変換器の挿入部位も変更される。
また、歪検出部は、歪帯域だけをアナログ帯域制限フィルタで通過させ、ダイオード検波などで電力信号変換した後にA/D変換してもよい。
更にまた、本実施の形態では説明を簡単にするため、増幅部の例として一般的なドハティ増幅器の例を挙げたが、N−way等の構成をとってもよく、増幅素子の出力信号を合成するものであればよい。
また、バイアスを制御される増幅素子は複数としても構わず、本装置と同様の効果が得られるものである。
Claims (2)
- キャリア増幅器とピーク増幅器とを備え、前記キャリア増幅器と前記ピーク増幅器の出力を合成して出力するドハティ増幅器と、
入力信号に、前記ドハティ増幅器で発生する非線形歪の逆特性を付加するプリディストーション部と、
入力電力とゲート電圧とを対応付けて記憶するバイアス制御テーブルを備え、検出された入力電力に基づいて前記バイアス制御テーブルを参照して、前記ピーク増幅器のゲート電圧を制御するバイアス制御部とを有する電力増幅器であって、
前記バイアス制御テーブルが、入力電力が小さい場合にはC級のゲート電圧を対応付け、入力電力が大きい場合にはAB級のゲート電圧を対応付けて記憶するバイアス制御テーブルであり、
前記ドハティ増幅器の出力信号中の非線形歪を検出する歪検出部と、
前記歪検出部で検出された非線形歪に基づいて、前記非線形歪が小さくなるよう、前記プリディストーション部の逆特性と前記バイアス制御テーブルを適応的に更新する制御部とを備えたことを特徴とする電力増幅器。 - バイアス制御テーブルが、入力電力に対してゲート電圧を変化させる可変領域の端点となる入力電力とゲート電圧の組を記憶しており、
制御部が、前記端点の間となる領域に予め設けられた複数の代表点の入力電力に対応するゲート電圧を、歪検出部で検出された非線形歪に基づいて摂動法により学習し、前記代表点同士の間を補間することによって、バイアス制御テーブルを更新することを特徴とする請求項1記載の電力増幅器。
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JP5049562B2 (ja) | 2012-10-17 |
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