JP2008131186A - 電力増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクティブバイアスを用いたドハティ増幅器において、電力効率がよく、且つ非線形歪が小さく、更に、出力信号の状態に応じた精度の高い歪補償を行うことができる電力増幅器を提供する。
【解決手段】バイアス制御部14が、入力電力に応じてバイアス制御テーブルを参照してドハティ増幅部13のピーク増幅器のゲート電圧を制御し、バイアス制御テーブルが、入力電力が小さい場合にC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスするよう入力電力とゲート電圧とが対応付けられており、歪検出部16が、ドハティ増幅部13の出力信号中の非線形歪の電力を検出し、制御部17が、非線形歪の電力に基づいてバイアス制御テーブルを適応的に更新する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信に用いる電力増幅器に係り、特に電力効率が高く、非線形歪が小さく、更に、出力信号の状態に応じた精度の高い歪補償を行うことができる電力増幅器に関する。
無線通信に用いられる電力増幅器には、高い電力効率と低非線形歪という、相反する性能が求められる。高い電力効率を得る方法の一つとしてドハティ増幅器が用いられる。
一般的なドハティ増幅器について図6を用いて説明する。図6は、ドハティ増幅器の基本構成を示す概略構成ブロック図である。
図6に示すように、ドハティ増幅器は、分配器41と、キャリア増幅器42と、ピーク増幅器43と、1/4波長線路44,45とから構成されている。
分配器41は入力信号を分配する。
キャリア増幅器42は、AB級やB級にバイアスされた増幅器であり、ピーク増幅器43は、C級にバイアスされた増幅器であり、いずれも入力された信号の電力を増幅する。
1/4波長線路44,45は、入力信号を遅延し、位相を90°ずらすものである。
上記ドハティ増幅器における動作について説明する。
入力信号は、分配器41で2分配されて、一方はキャリア増幅器42に入力され、もう一方は1/4波長線路44を介して90°の位相差が与えられて、ピーク増幅器43に入力される。キャリア増幅器42及びピーク増幅器43は、入力信号の電力を増幅する。そして、キャリア増幅器42の出力側では、1/4波長線路45によって90°の位相差が与えられる。
ここで、キャリア増幅器42は、AB級又はB級にバイアスされているため、常に入力信号の増幅が行われる。
一方、ピーク増幅器43はC級にバイアスされているので、瞬時電力が小さい場合には増幅せず消費電力は小さくてすむ。瞬時電力が大きい場合には増幅を行い、ピーク増幅器43の出力はキャリア増幅器42の出力電力と合成される。
つまり、ドハティ増幅器では、消費電力を抑え、飽和電力を大きくすることができ、高い電力効率を得ることができるものである。
また、ドハティ増幅器では、負荷変調が電力効率の向上に寄与している。
図6に実線で示したように、瞬時電力が小さい場合は、ピーク増幅器43が動作しないので、出力インピーダンスは開放である。このとき、キャリア増幅器42の負荷インピーダンスは、出力負荷R0/2がインピーダンス変換されて、2R0となる。この高い負荷インピーダンスは、一定の電源電圧で小さな電力を増幅するときの効率を高くする。
一方、瞬時電力が大きい場合は、キャリア増幅器42の出力は飽和している。それを補うためにピーク増幅器43も動作するので、図1の破線で示すように、キャリア増幅器42、ピーク43の負荷インピーダンスはそれぞれR0となる。これらの中間の電力の場合は、それぞれの負荷インピーダンスを非線形に遷移する。
ところで、電力増幅器では、AM/AM(振幅−振幅)特性やAM/PM特性(振幅−位相)特性の非線形性や、メモリ効果などに起因する非線形歪が発生する。
特に、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)やOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)の基地局では、送信する信号のPAPR(Peak-to-Average Power Ratio;ピーク電力対平均電力比)が大きいため、広い線形領域が要求される。
非線形歪を小さくするためにバックオフを大きくすると、ドハティ増幅器の利点が得られずに電力効率が低下してしまうという矛盾が生じるため、一般的にはプリディストーションなどの歪補償技術が用いられる。
プリディストーション方式は、電力増幅器の非線形特性であるAM/AM特性やAM/PM特性、又はメモリ効果による非線形歪の逆特性を増幅器入力信号に予め与えることによって、電力増幅器で発生する歪を補償する方式である。
プリディストーション方式を用いた電力増幅器の基本的な構成について図7を用いて説明する。図7は、プリディストーション方式を用いた電力増幅器の基本的な構成を示す概略構成ブロック図である。
図7に示すように、プリディストーション方式を用いた電力増幅器は、プリディストーション部50と、増幅部54と、制御部55とから構成され、プリディストーション部50は、振幅(電力)検出部51と、歪補償テーブル52と、プリディストータ53とを備えている。
プリディストーション部50は、入力信号に、予め増幅部54で発生する非線形歪の逆特性を与える。
振幅(電力)検出部51は、入力信号の振幅又は電力を検出する。
歪補償テーブル52は、メモリ等で構成され、補償対象となる増幅部54の非線形特性の逆特性を記憶するテーブルであり、一般的には、入力信号の振幅又は電力に対応するAM/AM特性やAM/PM特性が記憶されている。
プリディストータ53は、歪補償テーブル52の参照結果に基づいて、入力信号の振幅及び位相を補償するものである。
増幅部54は、プリディストータ53から出力される信号を増幅する。
制御部55は、増幅部54で増幅された出力信号の一部や、入力信号の一部を用いて(図7に破線で示した信号)、歪補償テーブル52を更新し、温度変化や経年変化に適応可能としている。
上記構成のプリディストーション方式を用いた電力増幅器における動作について説明する。
入力信号は、振幅(電力)検出部51で振幅又は電力が検出され、歪補償テーブル52で検出された振幅又は電力に対応するAM/AM特性やAM/PM特性が参照され、プリディストータ53で、参照された値に基づいて、増幅部54で発生する非線形歪の逆特性となるAM/AM特性やAM/PM特性が与えられて振幅及び位相が調整され、増幅部54で増幅され、歪が相殺されて補償された信号として出力される。
更に、増幅部54の出力信号の一部や入力信号の一部は制御部55に入力され、制御部55はこれらの信号に基づいて、出力信号中の残留歪成分を小さくするよう、歪補償テーブル52を更新する。このようにしてプリディストーション方式を用いた電力増幅器における動作が行われるものである。
尚、プリディストーション方式を用いた増幅器の従来技術としては、平成17年3月17日公開の特開2005−73032号「歪補償増幅装置及び歪補償方法」(出願人:株式会社日立国際電気、発明者:本江直樹)がある。
この従来技術は、増幅部の出力と入力信号とに基づいて、歪補償テーブルの更新を行う制御部が、歪補償テーブルが記憶する複数の点を、一部が重複する複数の区間において曲線補間し、曲線補間にて得られるそれぞれの曲線を結合することにより、歪補償テーブルが記憶する点を更新するものであり、これにより、変曲点を含む歪特性を補償することが可能となるものである。
また、ドハティ増幅器の従来技術としては、特開2006−165856号があり、これは、ドハティ増幅器において、入力信号の電力(振幅)が予め定めた閾値以下である場合に、ピーク増幅器に供給する電力を遮断するようにしており、増幅器の効率を向上することができるものである。
特開2005−73032号公報 特開2006−165856号公報
次に、上記ドハティ増幅器に用いられる電力増幅素子におけるゲートバイアス電圧(ゲート電圧)対入力電力特性と、AM/AM特性について図8及び図9を用いて説明する。図8は、電力増幅素子におけるゲートバイアス電圧(ゲート電圧;Vgg)対入力電力特性を示す説明図であり、図9は、電力増幅素子におけるAM/AM特性を示す説明図である。
図8に示すように、増幅器をC級にバイアスした場合のゲート電圧対入力電力特性は、増幅器a(図8の記号「a」)で示される。また、増幅器b(図8の記号「b」)はAB級にバイアスされている。この場合、C級にバイアスされた増幅器aは、AB級にバイアスされた増幅器bに比べてゲインが小さくなる。
また、図9に示すように、増幅器aのAM/AM特性(図9の記号「a」)は、増幅器bのAM/AM特性(図9の記号「b」)に比べて非線形歪が大きくなる。そのため、大きい非線形歪を補償する高性能の歪補償が必要となり、回路規模の増大等を招く。
特に、C級にバイアスされた増幅器aでは高次歪が大きくなるので、広帯域に亘る処理が必要となり、デジタル部、D/A変換器、A/D変換器の処理速度を高速にしなければならず、処理の負荷が大きくなってしまう。
更に、それに伴ってアナログ回路も広帯域化が必要となる。
すなわち、ドハティ増幅器のピーク増幅器として増幅器aを用いた場合、電力効率は良いが非線形歪が大きくなって回路規模が増大し、増幅器bを用いた場合、非線形歪は小さいが電力効率が小さくなり、ドハティ増幅器のメリットを生かせないという問題点があった。
この問題を解決する一手法として、アクティブバイアス制御技術が用いられる。
アクティブバイアス制御は、入力電力に応じてドハティ増幅器のピーク増幅器のゲート電圧を制御するものである。
具体的には、図8の記号「c」に示すように、入力電力の小さいところではピーク増幅器のバイアスVggをC級に制御する一方、入力電力の大きいところでは、ピーク増幅器のバイアスVggをAB級程度に制御する。
つまり、入力電力の小さいところでは、ピーク増幅器のバイアスVggをC級に制御することにより、負荷変調などのドハティ増幅器の利点を生かし、高い電力効率を実現する。
また、入力電力の大きいところでは、ピーク増幅器のバイアスVggをAB級程度に制御して、ゲインを大きくすることにより、デジタル回路及びアナログ回路へ要求する性能を緩和し、回路規模の増大を防ぐ。
更に、入力電力の大きいところのAM/AM特性は、図9の記号「b」に近づくため、非線形歪を小さくすることができるものである。
次に、アクティブバイアスを用いたドハティ増幅器の構成例について図10を用いて説明する。図10は、アクティブバイアスを用いたドハティ増幅器の構成を示す概略構成ブロック図である。
図10に示すように、アクティブバイアスを用いたドハティ増幅器は、分配器61と、バイアス制御部62と、遅延調整部63と、ドハティ増幅部64とから構成されている。
分配器61は、入力信号を2つに分配する。
バイアス制御部62は、入力電力を検出し、入力電力に対応したピーク増幅器のゲート電圧制御信号を出力する。バイアス制御部62には、メモリ等で構成され、入力信号対ゲート電圧制御信号のテーブル(「バイアス制御テーブル」と称する)を備えている。また、電圧制御信号の値を電圧信号に変換するD/A変換器(図示せず)が設けられている。
遅延調整部63は、ある信号が分配器61で分配されてから、当該信号に基づいて参照された電圧信号がドハティ増幅部64のピーク増幅器(図示せず)に与えられるまでの時間だけ、入力信号を遅延してドハティ増幅部64に出力する。
ドハティ増幅部64は入力信号を増幅するものであり、図6に示したドハティ増幅器と同等の構成である。特に、ピーク増幅器(図示せず)は、バイアス制御部62から与えられる電圧信号に応じてゲート電圧が変化する構成となっている。
上記構成のアクティブバイアスを用いたドハティ増幅器の動作について簡単に説明する。
増幅器の入力信号は、分配器61で2つに分配されて、バイアス制御部62と遅延制御部63へ入力される。バイアス制御部62は、入力電力を検出し、バイアス制御テーブルを参照して、検出された入力電力に対応したゲート電圧制御信号を出力する。
ゲート電圧制御信号は、D/A変換器で電圧信号に変換され、ドハティ増幅器64のピーク増幅器にゲート電圧として与えられる。
一方、分配器61で分配され、遅延調整部63に入力された信号は、遅延調整部63で、ピーク増幅器で入力信号とそれに応じたゲートバイアスのタイミングが合うように遅延調整され、ドハティ増幅部64に入力される。
ドハティ増幅部64に入力された信号は、増幅されて出力される。
このようにしてアクティブバイアスを用いたドハティ増幅器の動作が行われる。
しかしながら、従来のアクティブバイアスを用いたドハティ増幅器では、バイアス制御部に予め記憶されたバイアス制御テーブルを用いてバイアス制御を行うため、装置の運用中にバイアス制御テーブルの更新を行うことはできず、実際の出力信号の状態に応じたバイアス制御を行うことができないという問題点があった。
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、装置の運用中に、出力信号に基づいてバイアス制御テーブルを更新し、実際の出力信号の状態に応じた精度の高いバイアス制御を行って、電力効率がよく、且つ非線形歪が小さく、更に、出力信号の状態に応じた精度の高い歪補償を行うことができる電力増幅器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、キャリア増幅器とピーク増幅器とを備え、キャリア増幅器とピーク増幅器の出力を合成して出力するドハティ増幅器と、入力信号に、ドハティ増幅器で発生する非線形歪の逆特性を付加するプリディストーション部と、入力電力とゲート電圧とを対応付けて記憶するバイアス制御テーブルを備え、検出された入力電力に基づいてバイアス制御テーブルを参照して、ピーク増幅器のゲート電圧を制御するバイアス制御部とを有する電力増幅器であって、バイアス制御テーブルが、入力電力が小さい場合にはC級のゲート電圧を対応付け、入力電力が大きい場合にはAB級のゲート電圧を対応付けて記憶するバイアス制御テーブルであり、ドハティ増幅器の出力信号中の非線形歪を検出する歪検出部と、歪検出部で検出された非線形歪に基づいて、非線形歪が小さくなるよう、プリディストーション部の逆特性とバイアス制御テーブルを適応的に更新する制御部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、上記電力増幅器において、バイアス制御テーブルが、入力電力に対してゲート電圧を変化させる可変領域の端点となる入力電力とゲート電圧の組を記憶しており、制御部が、端点の間となる領域に予め設けられた複数の代表点の入力電力に対応するゲート電圧を、歪検出部で検出された非線形歪に基づいて摂動法により学習し、代表点同士の間を補間することによって、バイアス制御テーブルを更新することを特徴としている。
本発明によれば、バイアス制御テーブルが、入力電力が小さい場合にはC級のゲート電圧を対応付け、入力電力が大きい場合にはAB級のゲート電圧を対応付けて記憶しており、歪検出部が、ドハティ増幅器の出力信号中の非線形歪を検出し、制御部が、歪検出部で検出された非線形歪に基づいて、非線形歪が小さくなるよう、プリディストーション部の逆特性とバイアス制御テーブルを適応的に更新する電力増幅器としているので、バイアス制御部が、入力電力が小さい場合にはドハティ増幅器のピーク増幅器のゲート電圧をC級に制御し、入力電力が大きい場合にはAB級に制御することができ、入力電力が低い場合にドハティ増幅器の利点である高い電力効率を享受すると共に、入力電力が高い場合に非線形歪の発生を抑制することができ、更に、運用中の出力信号の状態に応じて精度の高い歪補償を行うことができる効果がある。
また、本発明によれば、バイアス制御テーブルが、入力電力に対してゲート電圧を変化させる可変領域の端点となる入力電力とゲート電圧の組を記憶しており、制御部が、端点の間となる領域に予め設けられた複数の代表点の入力電力に対応するゲート電圧を、歪検出部で検出された非線形歪に基づいて摂動法により学習し、代表点同士の間を補間することによって、バイアス制御テーブルを更新する電力増幅器としているので、入力電力が十分低い場合と十分高い場合を端点として固定しておき、その間の可変領域について、出力信号中の非線形歪に基づいて入力電力とゲート電圧の対応付けを更新し、少ない処理でバイアス制御テーブルを更新でき、電力効率を向上させ、非線形歪を低減し、更に精度の高い歪補償を行うことができる効果がある。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器は、バイアス制御部が、入力電力とゲート電圧信号を対応付けるテーブルを参照して、入力電力に応じてドハティ増幅部のピーク増幅器のゲート電圧を制御する電力増幅器であって、テーブルが、入力電力が小さい場合にC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスするよう、入力電力とゲート電圧とが対応付けられたテーブルであり、更に、歪検出部が、電力増幅器の出力信号中の非線形歪を検出し、制御部が、検出された非線形歪に基づいてバイアス制御部のテーブルを更新するものであり、入力電力が小さい場合にはC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスすることにより、電力効率を向上させると共に非線形歪を小さくすることができ、また、電力増幅器の出力信号の状態に応じたきめ細かいバイアス制御を行うことができるものである。
また、本発明の実施の形態に係るバイアス制御方法は、入力電力が小さい場合にC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスするよう、入力電力とゲート電圧とが対応付けられたテーブルを参照して、入力電力に応じてドハティ増幅部のピーク増幅器のゲート電圧を制御するバイアス制御部を備えた電力増幅器におけるバイアス制御方法であって、歪検出部が、電力増幅器の出力信号中の非線形歪を検出し、制御部が、検出された非線形歪に基づいてバイアス制御部のテーブルを更新し、バイアス制御部が、更新されたテーブルに基づいてピーク増幅器のゲート電圧を制御するものであり、電力効率を向上させると共に、出力信号の非線形歪を小さくすることができ、また、電力増幅器の出力信号の状態に応じたきめ細かいバイアス制御を行うことができるものである。
図1は、本発明の実施の形態に係る電力増幅器の構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器(本装置)は、プリディストーションとアクティブバイアスを用いたドハティ増幅器であり、図1に示すように、プリディストーション部10と、分配器11と、遅延調整部12と、ドハティ増幅部13と、バイアス制御部14と、分配器15と、歪検出部16と、制御部17とから構成される。
上記構成部分の内、分配器11と、遅延調整部12と、ドハティ増幅部13は、それぞれ、図10に示した分配器61、遅延調整部63、ドハティ増幅部64と構成及び動作が同等であるため、ここでは説明を省略する。
本装置の特徴部分について具体的に説明する。
プリディストーション部10は、図7に示したプリディストーション部50と同様の構成であり、振幅(電力)検出部と、歪補償テーブルと、プリディストータとを備えているが、本装置の特徴として、歪補償テーブルとしてAM/PM特性の非線形性を補償するAM/PM歪補償テーブルのみを備えており、AM/AM歪補償テーブルは備えていない。
つまり、本装置のプリディストーション部10は、入力信号の振幅又は電力に応じて、入力信号に、ドハティ増幅部13で発生するAM/PM特性の非線形性を補償するよう位相を変化させるものであり、AM/AM特性についての歪補償は行わない。これにより、プリディストーション部の処理を軽減し、構成を小さくすることができるものである。
尚、プリディストーション部10の構成としては、この他にも、入力電力に応じて通過位相を変える複素乗算器等、一般的なプリディストーション方式で用いられる様々な構成を用いることが可能である。
バイアス制御部14は、図10に示した従来のバイアス制御部62と同様に、ドハティ増幅部64のピーク増幅器のゲート電圧を制御するものであり、入力電力とゲート電圧とを対応付けるバイアス制御テーブルを備えている。
そして、本装置のバイアス制御部14の特徴として、バイアス制御テーブルには、ドハティ増幅部13における高い電力効率を損なうことなく、且つAM/AM特性の非線形性を補償するようなゲート電圧の値が記憶されている。具体的には、図8の(c)に示した特性となるよう、入力電力の小さいところではC級にバイアスし、入力電力の大きいところではAB級にバイアスするよう、入力電圧とゲート電圧の組が記憶されている。
更に、本装置のバイアス制御部14の特徴として、制御部17からの制御信号に基づいて当該バイアス制御テーブルの値を更新するものである。
分配器15は、ドハティ増幅部13からの出力を2つに分配する。
歪検出部16は、分配器15で分配された出力信号の一方を入力し、FFT(Fast Fourier Transformation)によりスペクトル解析を行い、当該出力信号中の非線形歪成分(不要波)の電力を検出する。
ここで、増幅器出力の周波数スペクトルについて図2を用いて説明する。図2は、増幅器出力の周波数スペクトルを示す模式説明図である。
図2に示すように、増幅器出力には、希望波の他に、希望波の低周波数領域と高周波数領域に、不要波である非線形歪が出現する。歪検出部16は、この非線形歪の電力を検出して制御部17に出力するものである。
制御部17は、歪検出部16からの非線形歪の電力に基づいて、プリディストーション部10に加えてバイアス制御部14の制御を行うものである。
具体的には、制御部17は、非線形歪の電力に基づいて、当該非線形歪の電力が小さくなるよう、プリディストーション部10のAM/PM歪補償テーブルを適応的に制御して更新する。
また、本装置の特徴として、制御部17は、非線形歪の電力に基づいて、当該非線形歪の電力が小さくなるよう、バイアス制御部14のバイアス制御テーブルの値を適応的に制御して更新する。
つまり、制御部17は、予め図8(c)に示した特性が記憶されているバイアス制御テーブルを、更に、その時点での電力増幅器の出力信号中の非線形歪が小さくなるよう制御するものである。これにより、より精度の高い歪補償を実現するものである。
次に、本装置の動作について図1を用いて説明する。
入力信号はプリディストーション部10に入力される。
プリディストーション部10では、入力信号の振幅又は電力に応じて位相を変化させ、ドハティ増幅部13のAM/PM特性の非線形性を補償する。上述したように、本装置ではプリディストーション部10においてAM/AM特性の補償は行わない。
プリディストーション部10で予めAM/PM特性の逆特性を与えられた信号は、分配器11で2つに分配され、一方はバイアス制御部14に入力されて電力を検出され、バイアス制御テーブルを参照して、検出された電力に対応するゲート電圧信号の値が出力され、A/D変換部(図示せず)を介して電圧信号に変換され、ドハティ増幅部13のピーク増幅器のゲート電圧として与えられる。
分配器11で分配された他方の信号は、電圧信号とタイミングを合わせるよう遅延調整部12で遅延され、ドハティ増幅部13に入力される。そして、ドハティ増幅部13で増幅されて出力される。
出力信号は、分配器15で2つに分配され、一方は歪検出部16に入力され、スペクトル解析が行われて非線形歪成分の電力が検出され、制御部17に入力される。
そして、制御部17で、非線形歪成分の電力が小さくなるよう、プリディストーション部10のAM/PM歪補償テーブルが適応的に制御されて更新され、これにより、温度特性や経年変化に追従させることによって常に安定した歪補償性能を得ることができる。
また、同様に、バイアス制御部14のバイアス制御テーブルも適応的に制御されて更新される。本装置では、バイアス制御テーブルの入力電力対ピーク増幅器のゲート電圧の対応付けは、ドハティ増幅部13のAM/AM特性の非線形性を補償するよう、調整が行われる。
尚、アクティブバイアス方式を用いると通過位相が変化するが、本装置では、プリディストーション部10が、通過位相の変化を、増幅器のAM/PM特性と共に補償するようにしている。
ここで、本装置の電力効率について説明する。
上述したように、ドハティ増幅部のピーク増幅器を常にC級動作させた場合は、効率は良いがゲインが低下し、非線形歪が大きくなる。
非線形歪をプリディストーション方式で補償する場合、一般的に、不足しているゲインを補うために入力信号の振幅を大きくする。そのため、ドハティ増幅器の前段にあるドライブアンプ(図示せず)の消費電力が大きくなる。
一方、アクティブバイアス方式を用いて、発生する非線形歪を小さくするよう、入力電力が大きい場合にゲートバイアスを大きくすると、電力効率は低下するが、ドライブアンプの消費電力が小さく、ドハティ増幅器の利点が生かされる。
従って、アクティブバイアス方式を用いると、プリディストーション方式を用いた場合とほぼ同等の電力効率が得られる。また、アクティブバイアス方式によるAM/AM特性の歪補償特性についても、プリディストーション方式を用いた場合とほぼ同等の性能が得られる。
更に、本装置では、プリディストーション部で振幅の調整を行わないので、電力を増幅すべき希望信号と増幅器の入力信号の振幅が同じとなり、デジタル部およびアナログ部のダイナミックレンジは、プリディストーション部でAM/PM特性とAM/AM特性の両方を補償する場合に比べて狭くてよい。
これにより、デジタル部におけるビット数を削減することが可能となり、アナログ部では、バイアス制御部14の出力後段のD/A変換器からドハティ増幅部13までに要求される線形性が緩和され、また、ドライブアンプの出力電力を小さくできるため、比較的低出力のものを用いて低コストで装置を実現することができるものである。
次に、本装置のバイアス制御部14のバイアス制御テーブルを更新する方法について図3を用いて説明する。図3は、本装置のバイアス制御テーブルの制御方法を示す模式説明図である。
制御部17において、摂動法を用いて歪電力を学習させた場合、図3の(1)に示すようにゲート電圧を上げれば、増幅器はA級に近づくため、歪電力は小さくなるものの、ドハティ増幅器のメリットが得られず、電力効率は大きくならない。そこで、本装置では、図3の(2)のような特性となるよう、ピーク増幅器のゲート電圧を制御する。
まず、本装置では、図3に示すように、入力電力が十分低い場合と十分高い場合を端点P1,P2(●)として固定し、その入力電力とゲート電圧の組をバイアス制御テーブルに記憶しておく。つまり、端点P1とP2の間の領域が、入力電力に対応するゲート電圧が変化しうる可変領域となる。
そして、制御部17は、P1−P2間に予め設定された適当数(図3の例では7点)の代表点Q1〜Q7(○)について、歪検出部16からの非線形歪の電力に基づいて、各入力電力に対応するゲート電圧(Vgg)を摂動法を用いて学習し、バイアス制御テーブルに記憶する。
更に、制御部17は、代表点と代表点との間を補間して、バイアス制御テーブルに記憶する。
図3の(2)に示すように、入力電力が小さい領域ではC級にバイアスされ、入力電力が大きい領域ではAB級でバイアスされるように端点P1,P2を固定すると、入力電力が小さい場合のドハティ増幅器の利点である高い電力効率を損なわず、且つ、入力電力が大きい場合の増幅器のAM/AM特性非線形性を小さくすることができるものである。
更に、図3中に斜線で示したように、ゲート電圧がC級からAB級に向かって変化し始める点(Q4)や、ゲート電圧がAB級に変化し終わる点(Q7)等を固定することも可能であり、所望の特性が得られるよう固定点や代表点を設定することができる。また、端点はいずれか一方とすることも可能である。
更にまた、装置の運用中にバイアス制御テーブルを更新可能であるため、両端点間の曲線を微調整することができ、精度の高いAM/AM歪補償が実現できるものである。
次に、本発明の実施例として、アクティブバイアス方式を用いたドハティ増幅器の具体的な構成例について図4を用いて説明する。図4は、本実施例のアクティブバイアス方式を用いたドハティ増幅器の具体的な構成を示す構成ブロック図である。
本実施例のドハティ増幅器は、プリディストーション部20と、遅延部21と、D/A変換器22と、アップコンバータ23と、ドハティ増幅部24と、バイアス制御部25と、D/A変換器26と、分配器27と、ミキサ28と、BPF29と、A/D変換器30と、歪検出部3と、制御部32とから構成されている。
上記ドハティ増幅器は、図1に示した本発明の実施の形態に係る電力増幅器と基本的な構成部分は同一であり、図1の構成に、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器や、ディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、及び信号の周波数を変換する周波数変換回路を追加した構成であるため、各部の構成についての説明は省略する。
上記ドハティ増幅器の動作について図4を用いて説明する。
入力信号は、プリディストータ20でプリディストーション処理されて、遅延調整部(図では「遅延部」)21に入力される。
プリディストータ20は、デジタルプリディストータであり、遅延調整部21は、デジタル信号処理によって一般的に用いられる方法である。
遅延調整部21からの出力信号は、D/A変換器22でアナログ信号に変換され、アップコンバータ(周波数変換部)23に入力される。ここでは、ダイレクトコンバージョン等、無線通信で一般的に用いられる技術を用いて、最終的にはRF(Radio frequency)周波数に変換される。
RF信号は、ドハティ増幅器24で電力増幅されるが、このとき、バイアス制御部25からのゲート電圧制御信号が、D/A変換器26でアナログ信号の電圧信号に変換されて、ドハティ増幅部24のピーク増幅器に印加される。
そして、ドハティ増幅部24の出力の一部は、分配器27で分配されて、フィードバックされる。フィードバック信号は、ミキサ28でIF周波数又はベースバンド信号に周波数変換されて、BPF(Band Pass Filter)29で不要波を除去され、A/D変換器30でデジタル信号に変換される。
デジタルフィードバック信号は、歪検出部31に入力され、歪検出部31は、FFTにより周波数情報に変換して歪電力を計算し、制御部32に出力する。
制御部32は、歪電力情報を元にして、プリディストーション部20とバイアス制御部25の両方又は一方を適応制御する。
このようにして、本実施例のドハティ増幅器における動作が行われるものである。
また、プリディストーション部20の振幅(電力)検出部(図7に示した「振幅(電力)検出部51」と同等)ではプロセッサ等で√(I2+Q2)を演算してエンベロープ(包絡線)を検出する。その他に、(I2+Q2)など、入力信号と振幅(電力)検出部の出力信号が一対一に対応していればよく、望ましくは、単調増加または単調減少の性質を持つものがよい。
プリディストーション部20の歪補償テーブルは、メモリ等で構成される歪補償テーブルであり、例えば、複素ベクトルの形式で格納されているテーブルである。このテーブルは、振幅(電力)検出部の検出結果をメモリのアドレスとし、対応する歪補償用複素ベクトルを出力する。
プリディストーション部20のプリディストータは、複素乗算器で構成され、プリディストータの入力信号と、前記複素ベクトルとを複素乗算して、プリディストーション処理を行う。
ここに示した例の他に、メモリ効果を補償するプリディストータ(特許文献1参照)やドハティ増幅器用のプリディストータ(特許文献2参照)など公知の技術を用いても構わない。
次に、本実施例のバイアス制御部25の構成例について図5を用いて説明する。図5は、本実施例のバイアス制御部25の構成例を示す概略構成ブロック図である。
図5に示すように、バイアス制御部25は、振幅(電力)検出部33と、バイアス制御テーブル34とから構成されている。
振幅(電力)検出部33は、プロセッサ等で構成され、√(I2+Q2)を演算してエンベロープを検出する。プリディストーション部20の振幅(電力)検出部と同等の構成でよい。
バイアス制御テーブル34はメモリ等で構成される歪補償テーブルであり、入力振幅(電力)対ピークアンプのゲート電圧が格納されているものである。そして、本装置の特徴として、制御部32からの制御信号により、バイアス制御テーブル34は適応的に更新されるものである。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器によれば、キャリア増幅器とピーク増幅器とを備えたドハティ増幅部13と、入力電力とゲート電圧信号とを対応付けるバイアス制御テーブル34を参照して、入力電力に応じてドハティ増幅部13のピーク増幅器のゲート電圧を制御するバイアス制御部14とを備えた電力増幅器であって、バイアス制御テーブル34が、入力電力が小さい場合にはC級にバイアスし、入力電力が大きい場合にAB級にバイアスするよう、入力電力とゲート電圧とが対応付けられたテーブルであり、歪検出部16がドハティ増幅部13の出力信号中の非線形歪の電力を検出し、制御部17が、検出された非線形歪の電力に基づいて、バイアス制御テーブル34を適応的に更新する電力増幅器としているので、ドハティ増幅器の高い電力効率を損なうことなく非線形歪を小さくすることができ、また、装置の運用中に、電力増幅器の出力信号の状態に応じてバイアス制御テーブル34を更新することができ、精度の高い歪補償を行うことができる効果がある。
また、本装置によれば、上記電力増幅器において、ドハティ増幅部13で発生するAM/PM特性の非線形歪を補償するプリディストーション部10を備え、バイアス制御テーブル34が、ドハティ増幅部13で発生するAM/AM特性の非線形歪を補償するよう、入力電力とゲート電圧とが対応付けられたテーブルであり、制御部17が、歪検出部16で検出された非線形歪の電力に基づいて、プリディストーション部10と、バイアス制御テーブル34とを適応的に制御するようにしているので、良好な歪補償特性を得ることができると共に、プリディストーション部のみでAM/PM特性とAM/AM特性の歪補償を行う場合に比べて、回路規模を増大させずにすみ、低コストで装置を実現することができる効果がある。
また、本装置によれば、制御部17が、バイアス制御テーブル34を更新する際に、テーブルの端点となる入力電力とゲート電圧の組を固定しておき、その2端点の間の代表点について、歪検出部16からの非線形歪の電力に応じて学習して入力電力とゲート電圧との組を求め、更に、代表点間を補間することによってバイアス制御テーブル34の入力電力とゲート電圧との組を更新するようにしているので、ピーク増幅器を、入力電力が小さいときにはC級にバイアスし、入力電力が大きいときにはAB級にバイアスし、更に、端点の間を滑らかに変化させるテーブルを提供することができ、電力効率を向上させると共に非線形歪を小さくすることができ、更にまた、運用中の電力増幅器の出力信号の状態に応じて精度の高い歪補償を行うことができる効果がある。
また、プリディストーション部10において、AM/PM特性の他にAM/AM特性も補償することも可能であり、例えば、増幅器の経年変化や温度特性などの追従機能をプリディストーション部10に割り当てるようにすれば、バイアス制御テーブル34の更新量を小さくして、制御部17の処理を軽減し、増幅器の動作を安定にすることができる効果がある。
この場合、バイアス制御テーブル34の初期収束では、プリディストーション部10におけるAM/AM特性の補償は行わずにできる限り歪を小さくする方法が望ましい。
尚、デジタル信号処理では通常I信号(Inphase;同相信号)とQ信号(Quadrature-phase;直交信号)が用いられるが、本実施の形態では説明を簡単にするために省略し、それに伴って、直交変調部も省略した。
本実施の形態で示したデジタル信号処理は、アナログ回路で構成されてもよいし、逆に、アナログ構成回路は、デジタル信号処理で構成されてもよい。
その場合、無線通信で一般的に必要とされる帯域制限フィルタや分配器などは追加または削除され、A/D変換器やD/A変換器の挿入部位も変更される。
例えば、プリディストータは、アナログプリディストータでもよく、バイアス制御部もダイオード等の入出力特性を用いても構わない。
また、歪検出部は、歪帯域だけをアナログ帯域制限フィルタで通過させ、ダイオード検波などで電力信号変換した後にA/D変換してもよい。
更にまた、本実施の形態では説明を簡単にするため、増幅部の例として一般的なドハティ増幅器の例を挙げたが、N−way等の構成をとってもよく、増幅素子の出力信号を合成するものであればよい。
また、バイアスを制御される増幅素子は複数としても構わず、本装置と同様の効果が得られるものである。
本発明は、特に電力効率が高く、非線形歪が小さく、更に、出力信号の状態に応じた精度の高い歪補償を行うことができる電力増幅器に適している。
本発明の実施の形態に係る電力増幅器の構成ブロック図である。 増幅器出力の周波数スペクトルを示す模式説明図である。 本装置のバイアス制御テーブルの制御方法を示す模式説明図である。 本実施例のアクティブバイアス方式を用いたドハティ増幅器の具体的な構成を示す構成ブロック図である。 本実施例のバイアス制御部25の構成例を示す概略構成ブロック図である。 ドハティ増幅器の基本構成を示す概略構成ブロック図である。 プリディストーション方式を用いた電力増幅器の基本的な構成を示す概略構成ブロック図である。 電力増幅素子におけるゲートバイアス電圧(ゲート電圧;Vgg)対入力電力特性を示す説明図である。 電力増幅素子におけるAM/AM特性を示す説明図である。 アクティブバイアスを用いたドハティ増幅器の構成を示す概略構成ブロック図である。
符号の説明
10…プリディストーション部、 11…分配器、 12…遅延調整部、 13…ドハティ増幅部、 14…バイアス制御部、 15…分配器、 16…歪検出部、 17…制御部、 20…プリディストーション部、 21…遅延部、 22…D/A変換器、 23…アップコンバータ、 24…ドハティ増幅部、 25…バイアス制御部、 26…D/A変換器、 27…分配器、 28…ミキサ、 29…BPF、 30…A/D変換器、 31…歪検出部、 32…制御部、 33…振幅(電力)検出部、 34…バイアス制御テーブル、 41…分配器、 42…キャリア増幅器、 43…ピーク増幅器、 44,45…1/4波長線路、 50…プリディストーション部、 51…振幅(電力)検出部、 52…歪補償テーブル、 53…プリディストータ、 54…増幅部、 55…制御部、 61…分配器、 62…バイアス制御部、 63…遅延調整部、 64…ドハティ増幅部

Claims (2)

  1. キャリア増幅器とピーク増幅器とを備え、前記キャリア増幅器と前記ピーク増幅器の出力を合成して出力するドハティ増幅器と、
    入力信号に、前記ドハティ増幅器で発生する非線形歪の逆特性を付加するプリディストーション部と、
    入力電力とゲート電圧とを対応付けて記憶するバイアス制御テーブルを備え、検出された入力電力に基づいて前記バイアス制御テーブルを参照して、前記ピーク増幅器のゲート電圧を制御するバイアス制御部とを有する電力増幅器であって、
    前記バイアス制御テーブルが、入力電力が小さい場合にはC級のゲート電圧を対応付け、入力電力が大きい場合にはAB級のゲート電圧を対応付けて記憶するバイアス制御テーブルであり、
    前記ドハティ増幅器の出力信号中の非線形歪を検出する歪検出部と、
    前記歪検出部で検出された非線形歪に基づいて、前記非線形歪が小さくなるよう、前記プリディストーション部の逆特性と前記バイアス制御テーブルを適応的に更新する制御部とを備えたことを特徴とする電力増幅器。
  2. バイアス制御テーブルが、入力電力に対してゲート電圧を変化させる可変領域の端点となる入力電力とゲート電圧の組を記憶しており、
    制御部が、前記端点の間となる領域に予め設けられた複数の代表点の入力電力に対応するゲート電圧を、歪検出部で検出された非線形歪に基づいて摂動法により学習し、前記代表点同士の間を補間することによって、バイアス制御テーブルを更新することを特徴とする請求項1記載の電力増幅器。
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