JP2020088528A - 歪補償回路、送信装置および歪補償方法 - Google Patents

歪補償回路、送信装置および歪補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】常に精度が高い歪補償を実現することを可能にする歪補償回路を提供する。【解決手段】歪補償係数を格納したルックアップテーブル(LUT)に基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部を複数カスケード接続した構成からなる歪補償回路101であって、例えば、後段側の第2歪補償演算処理部2に対して前段側の第1歪補償演算処理部1から入力される入力信号の最大値と最小値とを予め算出した結果に基づいて、第2歪補償演算処理部2の第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)を参照する際の最大アドレスと最小アドレスとを求めることにより、第2ルックアップテーブル(LUT2)を参照する際のアドレス範囲を更新し、かつ、第2ルックアップテーブル(LUT2)に設定されている歪補償係数を、アドレス範囲更新後の第2ルックアップテーブル(LUT2)の新しいアドレスに設定し直す。【選択図】図1

Description

本発明は、歪補償回路、送信装置および歪補償方法に関し、特に、CDMA(Code Division Multiple Access)変調やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調のような多重変調方式の無線通信システムにおける歪補償回路、送信装置および歪補償方法に関する。
近年のデジタル高速無線通信システムの分野で利用されているCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)変調やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調のような多重変調波においては、平均電力に対して非常に大きい瞬時電力(ピークファクタ、クレストファクタ)を有しているという特徴がある。そのため、デジタル高速無線通信システムに用いる送信装置内の電力増幅器には、非常に高い出力レベルまで線形性を維持し、非線形歪による送信スペクトルの広がりを抑えて、隣接チャネルへの漏洩電力を低減することが必要となっている。
しかしながら、非常に大きな振幅成分に至るまで良好な線形性を有する電力増幅器は、規模が大きくなり、高価で消費電力も大きくなってしまう。そのため、小さな振幅成分においては、良好な線形性を有するものの、大きな振幅成分においては、非線形性を有してしまう電力増幅器が一般的に良く用いられる。このような非線形性を有する電力増幅器を使用した場合、出力バックオフをできるだけ小さく取ることができれば更なる効率化を実現することができる。しかし、出力バックオフを小さく取ると、電力増幅器の非線形性領域にかかってしまうため、無線送信信号の歪成分として隣接チャネルへの漏洩電力が大きくなってしまうという問題があった。
そこで、電力増幅器の非線形歪による隣接チャネル漏洩電力を抑圧するために、様々な歪補償技術が提案されている。その中で、近年、最も良く採用されている歪補償技術として、逆歪特性の歪補償係数を用いて歪を補償するデジタルプリディストーション(DPD:Digital Predistortion)方式がある。
デジタルプリディストーション(DPD)方式を用いて歪の逆特性を求める具体的な信号処理方式として、例えば、非特許文献1のFM Ghannouchiらによる“Behavioral Modeling and Predistortion”にも記載されているように、ルックアップテーブルモデル(LUT:Look Up Table model)やボルテラ級数(Volterra Series)などに基づく逆歪生成処理などが提案されている。ルックアップテーブル(LUT)モデルに基づくデジタルプリディストーション(DPD)方式は、少ないハードウェアリソースで実現することができる利点はあるものの、複雑な歪補償モデルを表すことは困難である。一方、ボルテラ級数に基づくデジタルプリディストーション(DPD)方式は、複雑な歪補償モデルに対応できる利点はあるものの、デジタルプリディストーション(DPD)方式の複雑性が指数関数的に増大する場合があるため、現実のハードウェアに実装することは極めて困難であるという問題がある。
かかる問題に対して、複数の歪補償演算処理部を接続させることによって、ハードウェアリソースを減らして複雑な歪補償モデルに対応するという方法が提案されている。例えば、ルックアップテーブル(LUT)とメモリ多項式(Memory Polynomial)構造とを併用するTNTBモデル(Twin Nonlinear Two Box Models)によるデジタルプリディストーション(DPD)方式の場合は、メモリ多項式構造単体よりも少ないパラメータで同等以上の効果を齎している。
図8は、ルックアップテーブル(LUT)モデルに基づくデジタルプリディストーション(DPD)方式を適用した現状の技術における歪補償回路を用いた送信装置の一構成例を示すブロック図である。この送信装置は、2個の異なる歪補償演算処理部をカスケード接続した構成を有する例である。すなわち、図8の送信装置100Aは、歪補償回路101Aとして、第1歪補償演算処理部1と、第2歪補償演算処理部2と、制御部3と、を有している。また、第1歪補償演算処理部1は、第1アドレス計算部11と、第1歪補償係数データメモリ12と、第1歪補償演算部13と、を有し、また、第2歪補償演算処理部2は、第2アドレス計算部21と、第2歪補償係数データメモリ22と、第2歪補償演算部23と、を有している。そして、第1歪補償演算処理部1と第2歪補償演算処理部2とを2段にカスケード接続している。
図8に示す送信装置100Aにおいて、TNTBモデル(Twin Nonlinear Two Box Models)などを用いて、第1歪補償演算処理部1の第1歪補償係数データメモリ12および第2歪補償演算処理部2の第2歪補償係数データメモリ22のそれぞれに、歪補償係数を格納したルックアップテーブル(LUT)が存在している場合、前段側の第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)の参照値は、第1歪補償演算処理部1の入力信号である。したがって、第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)に関する最大値と最小値とは、システム設計(装置設計)時に決めることができる。
しかし、後段側の第2歪補償係数データメモリ22の参照値は、前段側の第1歪補償演算処理部1の出力信号であり、第1歪補償演算処理部1の第1歪補償係数データメモリ12の値によって変化してしまう。例えば、電力増幅器の歪が大きく変化することによって、第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)に関する最大値と最小値とが大きく変化する可能性がある。
一方、第1歪補償演算処理部1と第2歪補償演算処理部2とを2段にカスケード接続した構成における現状の技術の場合、後段側の第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲は、前段側の第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)と同様に、固定値としているので、電力増幅器の歪の変化によっては、後段側の第2歪補償係数データの分解能が劣化してしまうという課題があった。この分解能の劣化次第では、歪補償性能が大きく劣化し、必要な特性を満足させることができなくなる場合もある。
すなわち、現状の技術においては、例えば、特許文献1の特開2014−57224号公報「アドレス制御装置、送信装置およびアドレス制御方法」には、複数のルックアップテーブル(LUT)の類似性を検出してグループ化することにより共通するアドレス制御情報を用いる方法を提案している。また、特許文献2の特開2003−347944号公報「歪補償送信装置」には、アドレスの発生頻度を計測し、各アドレスの発生頻度分布が均一になるように、アドレス変換を行い、アドレスを生成する方法を提案している。しかし、いずれも、前段側の歪補償係数やルックアップテーブル(LUT)からアドレス範囲を算出して、算出した結果に基づいて後段側のルックアップテーブル(LUT)のアドレス範囲を決定するような適応制御を行う技術ではないので、図8について前述したような課題を解決することができない。
特開2014−57224号公報 特開2003−347944号公報
逆歪特性の歪補償係数を用いるデジタルプリディストーション方式(DPD:Digital Pre-Distortion)方式による歪補償とは、電力増幅器において発生するAM/AM特性(振幅特性)およびAM/PM特性(位相特性)における非線形歪やメモリ効果に代表されるものが影響して発生する歪を補償するものである。デジタルプリディストーション(DPD)方式は、次のような処理を行う。すなわち、まず、歪補償回路に入力される送信信号と後方の回路である電力増幅器から歪補償回路へフィードバックさせた帰還信号とをデジタル信号として比較し、電力増幅器の非線形特性の逆特性を表す歪補償係数を求める。次いで、求めた歪補償係数を送信信号に乗算する処理を行う。最後に、乗算された信号を電力増幅器に入力することによって、電力増幅器の歪補償を行い、線形特性の出力信号を得る。
前述のような逆特性を求める具体的な信号処理として、例えば、前述したように、ルックアップテーブル(LUT)モデル(Look Up Table Model)や、ボルテラ級数(Volterra Series)、メモリ多項式(Memory Polynomial)、などに基づく逆歪生成処理が現状の技術として提案されている。
ルックアップテーブル(LUT)モデルに基づくデジタルプリディストーション(DPD)方式は、入力される信号の電力値や振幅の値をアドレスとしてルックアップテーブル(LUT)を参照し、そのアドレスに対応した歪補償係数と入力信号とを乗算するという処理を行うものであり、前述したように、少ないハードウェアリソースで実現することができる利点があるものの、複雑な歪補償モデルを表すことは困難である。
また、ボルテラ級数に基づくデジタルプリディストーション(DPD)方式は、前述したように、複雑な歪補償モデルに対応することができる利点があるものの、デジタルプリディストーション(DPD)の複雑性が指数関数的に増大する場合があるため、現実のハードウェアに実装することが極めて困難であるという問題がある。
また、実現可能な範囲の係数で構成されるメモリ多項式(Memory Polynomial)に基づくデジタルプリディストーション(DPD)方式は、単体では、複雑な歪補償モデルに対して性能が十分ではない場合がある。
かくのごとき複雑な歪補償モデルにも対応すべく、例えば、非特許文献2のOualid Hammiらによる“Twin Nonlinear Two-Box Models for Power Amplifiers and Transmitters Exhibiting Memory Effects With Application to Digital Predistortion”には、AM/AM特性およびAM/PM特性における非線形歪を補償するルックアップテーブル(LUT)とメモリ効果を補償するメモリ多項式構造とをカスケード接続させるというTNTBモデル(Twin Nonlinear Two-Box Models)が提案されている。
該非特許文献2に記載のTNTBモデル(Twin Nonlinear Two-Box Models)は、前述したように、メモリ多項式構造単体よりも少ないパラメータで同等以上の効果を齎すことができる。かくのごとく、ルックアップテーブル(LUT)を用いた歪補償演算処理部を、複数段、カスケード接続して実現することにより、ハードウェアリソースを減らして、複雑な歪補償モデルに対応することができる。
ここで、ルックアップテーブル(LUT)を用いた歪補償演算処理部をカスケード接続する構成において、後段側のルックアップテーブル(LUT)の参照アドレスとして、前段側の歪補償演算処理部の出力信号を用いる場合においては、次のような観点を見逃してはならない。すなわち、前段側の歪補償演算処理部の出力信号の範囲が、後段側の歪補償演算処理部におけるルックアップテーブル(LUT)の参照アドレスの範囲と等しい場合には、後段側のルックアップテーブル(LUT)のアドレス分解能が最適となり、歪補償の精度向上を図ることが可能となる。なお、前段側および後段側の歪補償演算処理部の出力信号は、それぞれ、例えば、前段側および後段側それぞれへの入力信号(すなわち前段側および後段側それぞれのルックアップテーブルの参照アドレス)と前段側および後段側それぞれのルックアップテーブル(LUT)の歪補償係数の値との乗算結果である。
これに対して、前段側の歪補償演算処理部の出力信号範囲が、後段側の歪補償演算処理部におけるルックアップテーブル(LUT)の参照アドレス範囲よりも大きい場合には、前述したように、後段側のルックアップテーブル(LUT)は、電力増幅器の非線形特性の逆特性を、全信号範囲に亘って、十分精度良く表すことができていない。すなわち、後段側のルックアップテーブル(LUT)の参照アドレス範囲を超えたアドレスに対する歪補償係数を、後段側のルックアップテーブル(LUT)から参照することができないため、電力増幅器の歪補償の精度向上を図ることができない。
また、前段側の歪補償演算処理部の出力信号範囲が、後段側の歪補償演算処理部におけるルックアップテーブル(LUT)の参照アドレス範囲よりも小さい場合には、前述したように、後段側のルックアップテーブル(LUT)のアドレス分解能は粗くなり、精度が高い歪補償を行うことができなくなる。
しかし、現状の技術においては、前段側の歪補償演算処理部の出力信号範囲が変わった時に、後段側の歪補償演算処理部におけるルックアップテーブル(LUT)の参照アドレス範囲を適応制御する手段がなく、一度決めた参照アドレス範囲を、運用途中において容易には変更することができなかった。さらに、現状の技術においては、電力増幅器の個体差や時間、温度などの条件によって非線形性が大きく変わってしまうにも関わらず、後段側の歪補償演算処理部におけるルックアップテーブル(LUT)のアドレス範囲を、想定し得る最大のアドレス範囲として固定する構成を用いざるを得ないことになり、常に精度の高い歪補償を実現するという課題を解決することができなかった。
(本開示の目的)
本開示の目的は、かかる事情に鑑み、常に精度が高い歪補償を実現することを可能にする歪補償回路、送信装置および歪補償方法を提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明による歪補償回路、送信装置および歪補償方法は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明による歪補償回路は、
歪補償係数を格納したルックアップテーブルに基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部を複数カスケード接続した構成を有し、
前記歪補償演算処理部それぞれに対して入力される入力信号の最大値と最小値とをあらかじめ算出した結果に基づいて、それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際の最大アドレスと最小アドレスとを求めることにより、
それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際のアドレス範囲を更新し、
かつ、
それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルに設定されている歪補償係数を、アドレス範囲更新後の該ルックアップテーブルの新しいアドレスに設定し直す、
ことを特徴とする。
(2)本発明による送信装置は、
歪補償を行う歪補償回路を有し、
前記歪補償回路が、
歪補償係数を格納したルックアップテーブルに基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部を複数カスケード接続した構成からなり、
前記歪補償演算処理部それぞれに対して入力される入力信号の最大値と最小値とをあらかじめ算出した結果に基づいて、それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際の最大アドレスと最小アドレスとを求めることにより、
それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際のアドレス範囲を更新し、
かつ、
それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルに設定されている歪補償係数を、アドレス範囲更新後の該ルックアップテーブルの新しいアドレスに設定し直す、
ことを特徴とする。
(3)本発明による歪補償方法は、
歪補償係数を格納したルックアップテーブルに基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部を複数カスケード接続した構成からなる歪補償回路において歪補償を行い、
前記歪補償演算処理部それぞれに対して入力される入力信号の最大値と最小値とをあらかじめ算出した結果に基づいて、それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際の最大アドレスと最小アドレスとを求めることにより、
それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際のアドレス範囲を更新し、
かつ、
それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルに設定されている歪補償係数を、アドレス範囲更新後の該ルックアップテーブルの新しいアドレスに設定し直す、
ことを特徴とする。
本発明の歪補償回路、送信装置および歪補償方法によれば、主に、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、本発明においては、歪補償係数を格納したルックアップテーブルに基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部(すなわち、ルックアップテーブルモデル(LUT:Look Up Table model)によるデジタルプリディストーション(DPD)方式を適用した歪補償演算処理部)を2個以上カスケード接続した構成からなる歪補償回路において、歪補償演算処理部それぞれは、自歪補償演算処理部に対する入力信号のレベル範囲に基づいて自歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)のアドレス範囲を常に最適値に適応制御することができる。而して、電力増幅器の出力信号等の非線形性が変化しても、精度の高い歪補償を実現することが可能になる。
本発明に係る送信装置のブロック構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明の一実施形態として図1に示した送信装置の歪補償回路における歪補償動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示す歪補償回路の前段側の第1歪補償演算処理部における第1ルックアップテーブル(LUT1)と後段側の第2歪補償演算処理部における第2ルックアップテーブル(LUT2)とのそれぞれに格納されている歪補償係数の一例を示すグラフである。 図1に示す歪補償回路の前段側の第1歪補償演算処理部における第1ルックアップテーブル(LUT1)が図3に示す状態に設定されている場合において後段側の第2歪補償演算処理部における第2ルックアップテーブル(LUT2)への入力信号を計算して求めた結果の一例を示すグラフである。 図1に示す歪補償回路の後段側の第2歪補償演算処理部に対する入力信号に基づいて算出された後段側の第2歪補償演算処理部における第2ルックアップテーブル(LUT2)の新しいアドレス範囲の一例を示すグラフである。 図1に示す歪補償回路の後段側の第2歪補償演算処理部に対する入力信号に基づいて後段側の第2歪補償演算処理部2における第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を更新しない現状の技術におけるアドレス範囲を示すグラフである。 図1に示す歪補償回路において後段側の第2歪補償演算処理部に対する入力信号に基づいて後段側の第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を更新する場合と更新しない場合とを比較するために後段側の第2歪補償演算処理部の第2ルックアップテーブル(LUT2)を拡大してその一例を示した拡大グラフである。 ルックアップテーブル(LUT)モデルに基づくデジタルプリディストーション(DPD)方式を適用した現状の技術における歪補償回路を用いた送信装置の一構成例を示すブロック図である。
以下、本発明による歪補償回路、送信装置および歪補償方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による歪補償回路および歪補償方法について説明するが、かかる歪補償回路を、歪を補償するための歪補償回路を備えた無線通信用の送信装置に好適に適用することができることは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、複数段の歪補償演算処理部をカスケード接続した構成からなる歪補償回路において、後段側の歪補償演算処理部に歪補償係数を格納したルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)を用いる場合、後段側の該ルックアップテーブル(LUT)の参照アドレス範囲を、前段側から入力される入力信号のレベル範囲に対応させた範囲に更新することを主要な特徴としている。而して、後段側の歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)を常に最適なアドレス分解能で作成することを可能にし、歪補償効果を向上させたデジタルプリディストーション(DPD:Digital Predistorsion)方式の歪補償回路を実現することができる。なお、本発明は、特に、非線形性を有する電力増幅器の出力信号の歪補償を行う歪補償回路として好適に適用することができる。
さらに説明すると、本発明は、後段側の歪補償演算処理部におけるルックアップテーブル(LUT)の参照アドレス範囲を、前段側の歪補償演算処理部における入力信号と歪補償係数とに応じて(すなわち前段側の歪補償演算処理部から入力される入力信号の計算結果に応じて)変更する構成を採用していることを主要な特徴としている。つまり、複数段の歪補償演算処理部がカスケード接続された構成において、後段側の歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)の参照アドレスを、前段側の歪補償演算処理部から入力される入力信号レベルとしてあらかじめ算出された振幅もしくは電力の値を基にして設定するために、前段側の歪補償演算処理部が出力する出力信号範囲の最大値と最小値とを、それぞれ、前段側の歪補償演算処理部の歪補償係数と入力信号とを用いて計算し、計算した出力信号範囲の最大値と最小値とを、後段側の歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)の参照アドレス範囲の最大値と最小値として設定する。而して、常に精度が高い歪補償を行うことを可能にしている。
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明の実施形態の構成例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る送信装置のブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、電力増幅器の出力信号の歪補償を行う回路部に着目してその一例を示している。図1の送信装置100には、本発明の一実施形態として、特性が異なる歪補償演算処理部を2段にカスケード接続している例を示しており、2段の歪補償演算処理部のそれぞれは、ルックアップテーブル(LUT)適応アドレス方式を備えたデジタルプリディストーション(DPD)機能を有している例を示している。
図1の送信装置100は、歪補償回路101として、第1歪補償演算処理部1と、第2歪補償演算処理部2と、制御部3と、アドレス範囲計算部4とを有している。また、第1歪補償演算処理部1は、第1アドレス計算部11と、第1歪補償係数データメモリ12と、第1歪補償演算部13と、を有し、また、第2歪補償演算処理部2は、第2アドレス計算部21と、第2歪補償係数データメモリ22と、第2歪補償演算部23と、を有している。そして、第1歪補償演算処理部1と第2歪補償演算処理部2とを2段にカスケード接続している。
第1歪補償演算処理部1の第1アドレス計算部11は、入力されてくるデジタル直交ベースバンド信号I、Qの振幅もしくは電力を計算して、第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)を参照するアドレスを求める。
また、第1歪補償係数データメモリ12は、第1ルックアップテーブル(LUT1)として歪補償係数を格納している。つまり、第1ルックアップテーブル(LUT1)には、計算結果として得られるデジタル直交ベースバンド信号I、Qの振幅もしくは電力の値、すなわち、入力されてくるデジタル直交ベースバンド信号I、Qの振幅もしくは電力の値に応じた固定アドレスに、該当する歪補償を行うための歪補償係数をあらかじめ格納している。なお、該歪補償係数の値は、後述するように、制御部3にて算出されて、第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)に格納されるものである。
また、第1歪補償演算部13は、第1アドレス計算部11にて計算された第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)のアドレスに格納されている歪補償係数を読み出し、デジタル直交ベースバンド信号I、Qに対して、読み出した歪補償係数に基づいた歪補償演算を行って、デジタル直交ベースバンド信号I’、Q’を生成して、出力信号として、後段の第2歪補償演算処理部2に対して出力する。
第2歪補償演算処理部2の第2アドレス計算部21は、前段の第1歪補償演算処理部1から入力されてきたデジタル直交ベースバンド信号I’、Q’の振幅もしくは電力を計算して、第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)を参照するアドレスを求める。
また、第2歪補償係数データメモリ22は、第2ルックアップテーブル(LUT2)として歪補償係数を格納している。つまり、計算結果として得られるデジタル直交ベースバンド信号I’、Q’の振幅もしくは電力の値、すなわち、入力されてくるデジタル直交ベースバンド信号I’、Q’の振幅もしくは電力の値に応じた固定アドレスに、該当する歪補償を行うための歪補償係数をあらかじめ格納している。なお、該歪補償係数も、第1歪補償係数データメモリ12の場合と同様、後述するように、制御部3にて算出されて、第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)に格納されるものである。
また、第2歪補償演算部23は、第2アドレス計算部21にて計算された第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレスに格納されている歪補償係数を読み出し、デジタル直交ベースバンド信号I’、Q’に対して、読み出した歪補償係数に基づいた歪補償演算を行って、デジタル直交ベースバンド信号I”、Q”を生成して、歪補償回路出力信号として、出力する。
なお、第1歪補償演算処理部1と第2歪補償演算処理部2とにおいてそれぞれ計算される第1ルックアップテーブル(LUT1)と第2ルックアップテーブル(LUT2)とのそれぞれのアドレス値やそれぞれに格納されている歪補償係数の値は、当然のことながら、異なる値になっている。
また、アドレス範囲計算部4は、第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)に関する全てのアドレスと該アドレスそれぞれに設定されている歪補償係数とを取得し、取得した歪補償係数とに基づいて、第1歪補償演算処理部1から出力されると予測されるデジタル直交ベースバンド信号I’、Q’の最大出力値と最小出力値とを計算する。
そして、計算したデジタル直交ベースバンド信号I’、Q’の最大出力値と最小出力値とを、第2歪補償演算処理部2における第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)を参照する際の最大アドレスと最小アドレスとする。さらに、該最大アドレスと該最小アドレスとから、第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)を参照する際のアドレス範囲を算出して、制御部3に対して出力する。すなわち、第1歪補償演算処理部1から出力されると予測されるデジタル直交ベースバンド信号I’、Q’の最大出力値と最小出力値とに基づいて、第2歪補償係数データの第2ルックアップテーブル(LUT2)に関する最大アドレスと最小アドレスとを示すアドレス範囲を算出して、制御部3に対して出力する。
制御部3は、アドレス範囲計算部4において算出した新しいアドレス範囲と、第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)を参照する際に今まで用いていたアドレス範囲との間の変化率を求めて、該変化率と第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)に格納されている歪補償係数とに基づいて、新しいアドレス範囲に対応する歪補償係数を算出する。そして、算出した歪補償係数により、第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)の歪補償係数を更新する。
つまり、アドレス範囲の算出前後において同じアドレスに相当する場所に同じ値の歪補償係数が、第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)として格納されるように、第2ルックアップテーブル(LUT2)を拡大または縮小させる。この結果、新しいアドレス範囲に対応するように更新して格納された第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)における歪補償係数の分解能は、常に、最適値となり、精度が高い歪補償を実現することが可能になる。
さらに、制御部3は、歪補償回路101への入力信号と該歪補償回路101の出力側に接続されている回路例えば電力増幅器からの帰還信号とに基づいて新しい歪補償係数を再計算する。そして、再計算した新しい歪補償係数を用いて、第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)およびアドレス範囲計算部4において算出した新しいアドレス範囲の第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)にそれぞれ格納されている歪補償係数を更新する。
つまり、制御部3は、歪補償回路101へ入力されてきた信号すなわちデジタル直交ベースバンド信号I、Qと、後続する回路(例えば電力増幅器)からの帰還信号すなわちデジタル直交ベースバンド帰還信号Ib、Qb(例えば電力増幅器からのRF出力信号の一部をAD変換した信号)との比較結果から、電力増幅器やメモリ効果の非線形特性の逆特性を表す歪補償係数を新しく再計算する。そして、制御部3は、再計算した新しい歪補償係数により、カスケード接続した複数の歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)例えば第1歪補償演算処理部1の第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)および第2歪補償演算処理部2の第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)のそれぞれに格納されている歪補償係数を更新する。
なお、図1の送信装置100には、歪補償回路101として第1歪補償演算処理部1と第2歪補償演算処理部2との2個の歪補償回演算処理部をカスケード接続した場合を示しているが、本発明においては、2個以上の歪補償演算処理部をカスケード接続している構成であっても勿論構わない。
例えば、3個の異なる特性を有する歪補償演算処理部をカスケード接続した構成においてルックアップテーブル(LUT)適応方式を備えたデジタルプリディストーション(DPD)による歪補償を実現しようとする場合には、次の通りである。すなわち、第2歪補償演算処理部2の次段にカスケード接続される第3歪補償演算処理部における第3歪補償係数データメモリの第3ルックアップテーブル(LUT3)のアドレス範囲は、前段の第2歪補償演算処理部2の入力信号と歪補償係数とから算出される。言い換えると、第3歪補償係数データメモリの第3ルックアップテーブル(LUT3)のアドレス範囲は、一つ前の第2歪補償演算処理部2から出力されると予測されるデジタル直交ベースバンド信号I”、Q”の最大出力値と最小出力値とに基づいて算出される。
(本発明の実施形態の動作の説明)
次に、本発明の一実施形態として図1に示した送信装置100の歪補償動作について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1の送信装置100は、前述したように、歪補償回路101として特性が異なる歪補償演算処理部を2段にカスケード接続している例を示しており、2段にカスケード接続した第1歪補償演算処理部1および第2歪補償演算処理部2のそれぞれは、ルックアップテーブル(LUT)適応アドレス方式を備えたデジタルプリディストーション(DPD)機能を有している。
次に、図1に示した送信装置100の歪補償回路101におけるアドレス範囲と該アドレス範囲に応じたルックアップテーブル(LUT)の歪補償係数の更新手順について、図2のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態として図1に示した送信装置100の歪補償回路101における歪補償動作の一例を説明するためのフローチャートである。図2のフローチャートは、図1に示したように、歪補償演算処理部を2段にカスケード接続した歪補償回路構成において、ルックアップテーブル(LUT)方式を適用してデジタルプリディストーション(DPD)による歪補償を行う場合のルックアップテーブル(LUT)のアドレス範囲と該アドレス範囲に応じたルックアップテーブル(LUT)の歪補償係数とを更新する手順について、その一例を示している。
つまり、図2のフローチャートにおいては、第1段階のデータ取得段階と第2段階のアドレス範囲計算段階と第3段階のルックアップテーブル(LUT)の拡大または縮小段階との3段階によって歪補償係数の更新処理が実施される。
まず、第1段階のデータ取得段階においては、アドレス範囲計算部4において、前段の歪補償演算処理部の歪補償係数データメモリにおけるルックアップテーブル(LUT)から各アドレスxとそれぞれに対応する歪補償係数yとを、全てのアドレスに関して取得する。次の第2段階のアドレス範囲計算段階においては、アドレス範囲計算部4において、取得した前段のルックアップテーブル(LUT)における全てのアドレスxに関する歪補償係数yに基づいて、後段の歪補償演算処理部における歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)におけるルックアップテーブル(LUT)の新しいアドレス範囲を計算する。
そして、第3段階のルックアップテーブル(LUT)の拡大または縮小段階においては、計算して得られた新しいアドレス範囲に合わせるように、制御部3において、後段の歪補償演算処理部における歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)のサイズを拡大または縮小する。
次に、制御部3は、歪補償回路101への入力信号(すなわち、送信装置100から送信しようとする信号)と後続の電力増幅器からフィードバックされてきた帰還信号とに基づいて、新しい歪補償係数を再計算する。再計算した新しい歪補償係数は、各ルックアップテーブル(LUT)のアドレス範囲更新後の新しいアドレスに合わせて、各ルックアップテーブル(LUT)に更新設定される。ここで、ルックアップテーブル(LUT)の新しいアドレス範囲における歪補償係数の設定アドレスを数式によって表現することが可能な場合は、アドレス近似を行う必要はないので、直ちに再計算すれば良いが、数式によって表現することが不可能な場合は、新しいアドレス範囲における歪補償係数の設定アドレスの近似計算を行った後、該当する歪補償係数を再計算する。
次に、図2のフローチャートに従って歪補償係数の更新処理についてさらに詳細に説明する。アドレス範囲計算部4は、まず、前段の歪補償演算処理部における歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第1歪補償演算処理部1における第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1))の全てのアドレスxとそれぞれのアドレスxに対応する歪補償係数yの値とを取得する(ステップS1)。ここで、アドレスxは、前述したように、前段の歪補償演算処理部(例えば第1歪補償演算処理部1)への各入力信号レベルに相当する。
次いで、アドレス範囲計算部4は、取得した全てのアドレスxとそれぞれのアドレスxに対応する歪補償係数yとを乗算することにより、それぞれのアドレスxにおいて前段の歪補償回路(例えば第1歪補償演算処理部1)から出力される出力信号y’(y’=y×x、すなわちデジタル直交ベースバンド信号I’、Q’)の値を計算する(ステップS2)。
そして、アドレス範囲計算部4は、計算したそれぞれのアドレスxにおける出力信号y’(=y×x)の中から、出力信号y’の最大値Aと最小値aとを取得して、取得した最大値Aと最小値aとを、後段の歪補償演算処理部における歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償演算処理部2における第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2))の最大アドレスA’と最小アドレスa’とする(ステップS3)。
しかる後、アドレス範囲計算部4は、求めた後段の歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2))の最大アドレスA’と最小アドレスa’との差(X2=A’−a’)を計算して、計算した差を第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)の新しいアドレス範囲X2とする(ステップS4)。
次いで、制御部3は、後段の歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2))の更新後の新しいアドレスに対応する歪補償係数の設定アドレスを数式で表現することが可能か否かを確認し(ステップS5)、数式で表現することが可能な場合には(ステップS5のYES)、ステップS9に移行する。
一方、更新後の新しいアドレスに対応する歪補償係数の設定アドレスを数式では表現することができない場合には(ステップS5のNO)、制御部3は、新しいアドレス範囲X2と今まで用いていた更新前のアドレス範囲X1とを比較して、変化率Y(=X2/X1)を求める(ステップS6)。そして、更新前のアドレスに変化率Yを乗算して、近似的に、設定アドレスとする新しいアドレスを求め、今までのアドレスに格納していた歪補償係数を新しいアドレスに格納し直すことにより、歪補償係数を更新する(ステップS7)。そして、今まで用いていた更新前のアドレス範囲X1を、新しいアドレス範囲X2に更新する(ステップS8)。すなわち、後段の歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2))を拡大または縮小する。しかる後、ステップS9に移行する。
つまり、更新後の新しいアドレスに対応する歪補償係数を数式では表現することができない場合は、近似的に設定アドレスとして算出した新しいアドレスに歪補償係数を設定し直してから、ステップS9に移行して歪補償係数の再計算を行うが、新しい更新後のアドレスに対応する歪補償係数を数式で表現することが可能な場合は、近似する必要はないので、そのまま、ステップS9に移行して歪補償係数を再計算すれば良い。
言い換えると、後段の歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償係数データメモリ22の新しいアドレス範囲X2の第2ルックアップテーブル(LUT2))には、新しいアドレス範囲X2の適用前後において同じアドレスに同じ歪補償係数の値が格納されるように、第2ルックアップテーブル(LUT2)を拡大または縮小させる。この結果、ステップS9にて再計算された歪補償係数が拡大または縮小されて変更された新しいアドレスに設定されることになる。而して、再計算された歪補償係数が新しいアドレス範囲X2に対応するように更新して格納された後段の歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2))の歪補償係数の分解能は、常に、最適値となり、精度が高い歪補償を実現することが可能になる。
ステップS9に移行すると、制御部3は、歪補償回路101に入力されてきた入力信号であるデジタル直交ベースバンド信号I、Qと電力増幅器からフィードバックされてきた帰還信号Ib、Qb(電力増幅器からのRF出力信号の一部をAD変換した信号)とに基づいて、電力増幅器やメモリ効果などの非線形特性に対する逆歪特性を示す歪補償係数を再計算する。そして、制御部3は、再計算した歪補償係数を用いて、前段の第1歪補償演算処理部1における第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)と後段の第2歪補償演算処理部2における第2歪補償係数データメモリ22の新しいアドレス範囲X2の第2ルックアップテーブル(LUT2)とのそれぞれに格納されている歪補償係数を更新する(ステップS9)。
本実施形態において以上のような更新手順を実施することにより、送信装置100の電力増幅器の出力信号の非線形性が変化しても、変化に応じて、前段側の歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)(例えば第1歪補償演算処理部1の第1ルックアップテーブル(LUT1))の出力の計算結果に基づいて後段側の歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償演算処理部2の第2ルックアップテーブル(LUT2))のアドレス範囲を常に最適値に適応制御することができる。而して、常に精度の高い歪補償を実現することが可能になる。
次に、以上のような前段側の歪補償演算処理部の出力計算結果に基づいて実施される、後段側の歪補償演算処理部における歪補償係数データメモリのルックアップテーブル(LUT)(例えば第2歪補償演算処理部2における第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2))のアドレス範囲と該アドレス範囲に応じた歪補償係数の更新動作について、具体例を用いてさらに説明する。
例えば、前段側の第1歪補償演算処理部1における第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)と後段側の第2歪補償演算処理部2における第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)とのそれぞれに、図3に示すような歪補償係数が格納されている場合について説明する。
図3は、図1に示す歪補償回路101の前段側の第1歪補償演算処理部1における第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)と後段側の第2歪補償演算処理部2における第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)とのそれぞれに格納されている歪補償係数の一例を示すグラフであり、横軸にそれぞれのルックアップテーブル(LUT)のアドレスを示し、縦軸にそれぞれのルックアップテーブル(LUT)に格納されている歪補償係数を示している。
図3において、図3(A)は、前段側の第1歪補償演算処理部1における第1歪補償係数データメモリ12の第1ルックアップテーブル(LUT1)の歪補償係数を示し、第1ルックアップテーブル(LUT1)のアドレスに対して第1ルックアップテーブル(LUT1)の歪補償係数が3から0.5へと直線的に漸減している場合を示している。なお、図3(A)に示す例においては、第1ルックアップテーブル(LUT1)アドレス範囲が0〜5の範囲である。
一方、図3(B)は、後段側の第2歪補償演算処理部2における第2歪補償係数データメモリ22の第2ルックアップテーブル(LUT2)の歪補償係数を示し、第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレスに対して第2ルックアップテーブル(LUT2)の歪補償係数が1から16へと直線的に漸増している場合を示している。図3(B)に示す例においては、第2ルックアップテーブル(LUT2)アドレス範囲が0〜10の範囲である。
図3に示すような歪補償係数が第1ルックアップテーブル(LUT1)、第2ルックアップテーブル(LUT2)のそれぞれに設定されている場合に、アドレス範囲計算部4は、まず、第1歪補償演算処理部1の第1ルックアップテーブル(LUT1)の出力信号すなわち第2歪補償演算処理部2の第2ルックアップテーブル(LUT2)への入力信号を計算する。つまり、第1歪補償演算処理部1の第1ルックアップテーブル(LUT1)の各アドレスxとそれぞれのアドレスxに対応する第1ルックアップテーブル(LUT1)の値、すなわち歪補償係数の値yとを乗算して、第1ルックアップテーブル(LUT1)が出力する出力信号y’ 、すなわち第2歪補償演算処理部2の第2ルックアップテーブル(LUT2)への入力信号y’を、第1ルックアップテーブル(LUT1)全てのアドレスxに対して計算する。
計算した結果として、第2ルックアップテーブル(LUT2)への入力信号y’は、図4に示すような放物線形状になる。図4は、図1に示す歪補償回路101の前段側の第1歪補償演算処理部1における第1ルックアップテーブル(LUT1)が図3に示す状態に設定されている場合において、後段側の第2歪補償演算処理部2における第2ルックアップテーブル(LUT2)への入力信号y’を計算して求めた結果の一例を示すグラフである。横軸に第1ルックアップテーブル(LUT1)のアドレスx、すなわち第1歪補償演算処理部1への入力信号に対応するアドレスを示し、縦軸に第1歪補償演算処理部1からの出力信号y’ 、すなわち第2歪補償演算処理部2への入力信号y’を示している。
図4のグラフに示す例においては、第2歪補償演算処理部2への入力信号y’の最大値Aは4.5であり、最小値aは0である。つまり、第2歪補償演算処理部2の第2ルックアップテーブル(LUT2)の参照アドレスの最大値である最大アドレスA’は4.5であり、最小値である最小アドレスa’は0である。したがって、第2歪補償演算処理部2への入力信号y’に基づいて算出される第2ルックアップテーブル(LUT2)の新しいアドレス範囲X2は、0〜4.5となる。
その結果、図3(B)に示した第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲X1の範囲0〜10は変化して、後段の第2歪補償演算処理部2への入力信号y’に基づいて算出された新しいアドレス範囲X2として、図5に破線によって示すように、アドレスの使用範囲は0〜4.5の範囲に縮小される。図5は、図1に示す歪補償回路101の後段側の第2歪補償演算処理部2に対する入力信号y’ 、すなわち前段の第1歪補償演算処理部1からの出力信号y’に基づいて算出された後段側の第2歪補償演算処理部2における第2ルックアップテーブル(LUT2)の新しいアドレス範囲の一例を示すグラフである。横軸に第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス、すなわち第2歪補償演算処理部2への入力信号y’に対応するアドレスを示し、縦軸に第2ルックアップテーブル(LUT2)の歪補償係数を示している。
図5のグラフに示すように、第2歪補償演算処理部2の第2ルックアップテーブル(LUT2)の新しいアドレス範囲X2は、実際に使用される使用範囲として、0〜4.5の範囲に縮小される。つまり、第2ルックアップテーブル(LUT2)の実際に使用される歪補償係数の値としては、図3(B)に示したような1〜16の範囲ではなく、図5に実線のグラフとして示しているように、1〜8の範囲(アドレス範囲が0〜4.5)に縮小される。したがって、第2ルックアップテーブル(LUT2)に格納されている歪補償係数を示す破線のグラフは、実線のグラフと同じ範囲であり、第2歪補償演算処理部2においては、第2ルックアップテーブル(LUT2)を無駄なく使用することが可能になっていることを示している。
一方、現状の技術のように、前段の第1歪補償演算処理部1の出力信号y’ 、すなわち後段の第2歪補償演算処理部2への入力信号y’に基づいて後段側の第2歪補償演算処理部2における第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を更新しない場合には、アドレス範囲は、図3(B)に示した通りであり、図6のグラフに示す状態になる、図6は、図1に示す歪補償回路101の後段側の第2歪補償演算処理部2に対する入力信号y’すなわち前段の第1歪補償演算処理部1からの出力信号y’に基づいて後段側の第2歪補償演算処理部2における第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を更新しない現状の技術におけるアドレス範囲を示すグラフである。図5の場合と同様、横軸に第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス、すなわち第2歪補償演算処理部2への入力信号y’に対応するアドレスを示し、縦軸に第2ルックアップテーブル(LUT2)の歪補償係数を示している。
図6に破線のグラフで示すように、第2ルックアップテーブル(LUT2)に格納されている歪補償係数は、図3(B)に示す第2歪補償係数データメモリ22に格納されているルックアップテーブル(LUT)の場合と全く同じであり、アドレス範囲は0〜10の範囲になる。一方、図6に実線のグラフで示すように、第2ルックアップテーブル(LUT2)において実際に使用される歪補償係数は、図4、図5にて例示した場合と同様に、アドレス範囲が0〜4.5の範囲である。したがって、図6に示すように、実線のグラフで示す第2ルックアップテーブル(LUT2)として実際に使用される歪補償係数と破線で示す第2ルックアップテーブル(LUT2)として格納されている歪補償係数とは重なる部分が少なく、作成した第2ルックアップテーブル(LUT2)に未使用アドレス範囲(すなわちアドレス4.5〜10)が生じていることが分かる。
また、図7は、図1に示す歪補償回路101において後段側の第2歪補償演算処理部2に対する入力信号に基づいて後段側の第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を更新する場合と更新しない場合とを比較するために後段側の第2歪補償演算処理部2の第2ルックアップテーブル(LUT2)を拡大してその一例を示した拡大グラフである。横軸には、第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレスすなわち第2歪補償演算処理部2への入力信号y’に対応するアドレスに関して、図5、図6の場合とは異なり、0〜0.5の範囲を拡大して示している。なお、縦軸には、図5、図6の場合と同様、第2ルックアップテーブル(LUT2)の歪補償係数を示している。
図7の拡大図において、白丸印は、前段側の第1歪補償演算処理部1の出力信号y’すなわち後段側の第2歪補償演算処理部2への入力信号y’に基づいて、第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を更新する場合を示し、黒の菱形印は、第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を更新しない場合を示している。
ここで、第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲の更新の有無に関わらず、歪補償係数が格納されているアドレスの総数は固定である。しかし、第2ルックアップテーブル(LUT2)が実際に使用される使用範囲におけるアドレス数を比較すると、図7に示すように、アドレス範囲の更新を行った場合の方が、歪補償係数が格納されているアドレス数が遥かに多く、分解能が遥かに良くなっていることが分かる。
なお、前述した第2ルックアップテーブル(LUT2)の拡大または縮小方法に関しては、前述したような方法に限るものではない。例えば、近似式を計算することにより更新したアドレスを用いて第2ルックアップテーブル(LUT2)を求めることによって、テーブルを拡大または縮小するという方法を適用しても良い。一般に、ルックアップテーブル(LUT)を拡大または縮小する方法は多数知られており、いずれの方法も、当事者にとっては、良く知られている方法であるので、ここでの詳細な説明は省略するが、第2ルックアップテーブル(LUT2)の拡大または縮小方法に関しては、如何なる方法を用いても構わない。
(本発明の実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本発明の実施形態は、ルックアップテーブルモデル(LUT:Look Up Table model)によるデジタルプリディストーション(DPD)方式を適用した歪補償演算処理部を2個以上カスケード接続した構成からなる歪補償回路に関するものであり、以下のような効果が得られる。
すなわち、本実施形態においては、カスケード接続した歪補償演算処理部それぞれは、自歪補償演算処理部に対する前段からの入力信号のレベル範囲に基づいて自歪補償演算処理部のルックアップテーブル(LUT)のアドレス範囲を常に最適値に適応制御することができるので、電力増幅器の出力信号等の非線形性が変化しても、精度の高い歪補償を実現することが可能になる。
例えば、第1歪補償演算処理部1からの出力が入力される後段側の第2歪補償演算処理部2の場合には、第2歪補償演算処理部2に対する第1歪補償演算処理部1からの入力信号のレベル範囲の計算結果に基づいて第2歪補償演算処理部2の第2ルックアップテーブル(LUT2)のアドレス範囲を常に最適値に適応制御することができるので、精度の高い歪補償を実現することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
1 第1歪補償演算処理部
2 第2歪補償演算処理部
3 制御部
4 アドレス範囲計算部
11 第1アドレス計算部
12 第1歪補償係数データメモリ
13 第1歪補償演算部
21 第2アドレス計算部
22 第2歪補償係数データメモリ
23 第2歪補償演算部
100 送信装置
100A 送信装置
101 歪補償回路
101A 歪補償回路

Claims (10)

  1. 歪補償係数を格納したルックアップテーブルに基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部を複数カスケード接続した構成を有し、
    前記歪補償演算処理部それぞれに対して入力される入力信号の最大値と最小値とをあらかじめ算出した結果に基づいて、それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際の最大アドレスと最小アドレスとを求めることにより、
    それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際のアドレス範囲を更新し、
    かつ、
    それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルに設定されている歪補償係数を、アドレス範囲更新後の該ルックアップテーブルの新しいアドレスに設定し直す、
    ことを特徴とする歪補償回路。
  2. 前段側が前記歪補償演算処理部の場合、
    前段側の前記歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルの全てのアドレスに対して、それぞれのアドレスと該アドレスに対応する歪補償係数とをそれぞれ乗算して得られた値の中から、後段側の前記歪補償演算処理部に対して入力されると予測される前記入力信号の前記最大値と前記最小値とをあらかじめ算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の歪補償回路。
  3. 前記歪補償演算処理部それぞれにおいて、
    自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルのアドレス範囲更新後の新しいアドレスに歪補償係数を設定し直す際に、
    自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルのアドレス範囲更新後の新しいアドレスに対応する歪補償係数の設定アドレスを数式によって表現することができない場合、
    更新後のアドレス範囲の更新前のアドレス範囲からの変化率を算出し、算出した該変化率を、アドレス範囲更新前のアドレスそれぞれに乗算して求めたアドレスそれぞれを、アドレス範囲更新後の新しいアドレスと見做して、該新しいアドレスと見做したアドレスそれぞれにアドレス範囲更新前の前記アドレスそれぞれに設定されている歪補償係数を設定することにより、
    アドレス範囲更新後の新しいアドレスに歪補償係数を設定し直す、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の歪補償回路。
  4. 自歪補償回路に入力された入力信号と自歪補償回路の出力側の回路からフィードバックされてきた帰還信号との比較結果に基づいて新しい歪補償係数を再計算し、再計算した該歪補償係数を用いて、カスケード接続された前記歪補償演算処理部それぞれの前記ルックアップテーブルに格納されている歪補償係数を更新する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の歪補償回路。
  5. 前記歪補償演算処理部それぞれは、
    入力されてくる入力信号に対応するアドレスに基づいて自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照して取得した歪補償係数を該入力信号に乗算することにより歪補償を行った結果を、出力信号として出力する、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の歪補償回路。
  6. 歪補償を行う歪補償回路を有し、
    前記歪補償回路が、
    歪補償係数を格納したルックアップテーブルに基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部を複数カスケード接続した構成からなり、
    前記歪補償演算処理部それぞれに対して入力される入力信号の最大値と最小値とをあらかじめ算出した結果に基づいて、それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際の最大アドレスと最小アドレスとを求めることにより、
    それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際のアドレス範囲を更新し、
    かつ、
    それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルに設定されている歪補償係数を、アドレス範囲更新後の該ルックアップテーブルの新しいアドレスに設定し直す、
    ことを特徴とする送信装置。
  7. 歪補償係数を格納したルックアップテーブルに基づいて歪補償を行う歪補償演算処理部を複数カスケード接続した構成からなる歪補償回路において歪補償を行い、
    前記歪補償演算処理部それぞれに対して入力される入力信号の最大値と最小値とをあらかじめ算出した結果に基づいて、それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際の最大アドレスと最小アドレスとを求めることにより、
    それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルを参照する際のアドレス範囲を更新し、
    かつ、
    それぞれ、自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルに設定されている歪補償係数を、アドレス範囲更新後の該ルックアップテーブルの新しいアドレスに設定し直す、
    ことを特徴とする歪補償方法。
  8. 前段側が前記歪補償演算処理部の場合、
    前段側の前記歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルの全てのアドレスに設定されている歪補償係数それぞれを前段側の前記歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルのアドレスの値にそれぞれ乗算して得られた値の中から、後段側の前記歪補償演算処理部に対して入力されると予測される前記入力信号の前記最大値と前記最小値とをあらかじめ算出する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の歪補償方法。
  9. 前記歪補償演算処理部それぞれにおいて、
    自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルのアドレス範囲更新後の新しいアドレスに歪補償係数を設定し直す際に、
    自歪補償演算処理部の前記ルックアップテーブルのアドレス範囲更新後の新しいアドレスに対応する歪補償係数の設定アドレスを数式によって表現することができない場合、
    更新後のアドレス範囲の更新前のアドレス範囲からの変化率を算出し、算出した該変化率を、アドレス範囲更新前のアドレスそれぞれに乗算して求めたアドレスそれぞれを、アドレス範囲更新後の新しいアドレスと見做して、該新しいアドレスと見做したアドレスそれぞれにアドレス範囲更新前の前記アドレスそれぞれに設定されている歪補償係数を設定することにより、
    アドレス範囲更新後の新しいアドレスに歪補償係数を設定し直す、
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の歪補償方法。
  10. 前記歪補償回路に入力された入力信号と該歪補償回路の出力側の回路からフィードバックされてきた帰還信号との比較結果に基づいて新しい歪補償係数を再計算し、再計算した該歪補償係数を用いて、カスケード接続された前記歪補償演算処理部それぞれの前記ルックアップテーブルに格納されている歪補償係数を更新する、
    ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の歪補償方法。
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