JP2003347944A - 歪補償送信装置 - Google Patents

歪補償送信装置

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JP2003347944A
JP2003347944A JP2002150041A JP2002150041A JP2003347944A JP 2003347944 A JP2003347944 A JP 2003347944A JP 2002150041 A JP2002150041 A JP 2002150041A JP 2002150041 A JP2002150041 A JP 2002150041A JP 2003347944 A JP2003347944 A JP 2003347944A
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distortion compensation
value
address
transmission signal
distortion
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JP2002150041A
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English (en)
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Hiroyoshi Ishikawa
広吉 石川
Yasuyuki Oishi
泰之 大石
Norio Kubo
徳郎 久保
Kazuo Hase
和男 長谷
Hajime Hamada
一 浜田
Nobukazu Satsuba
伸和 札場
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適応プリディストータ型の歪補償送信装置に
関し、歪補償テーブルに格納される各歪み補償係数が平
均的な同一出現頻度で使用されるようにし、歪補償係数
の収束時間の短縮を図り、精度の高い歪補償を行う。 【解決手段】 歪補償テーブル12−1のアクセスアド
レスを生成するアドレス生成部1−1は、電力値/振幅
値算出部1−11から得られる送信信号の電力値又は振
幅値の出現頻度分布を調べ、アドレス再演算生成部1−
12により、該送信信号の各電力値又は振幅値の各ステ
ップに対応する歪補償テーブル12−1のアドレスの出
現頻度が均等な分布となるように、送信信号の電力値又
は振幅値の各ステップ幅を調整して歪補償テーブル12
−1のアドレスを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信システム
等の送信装置における電力増幅器等の回路部における非
線形歪を補償する適応プリディストータ型の歪補償送信
装置に関し、特に、歪補償係数を格納した歪補償テーブ
ルのアドレス発生頻度を均一化した歪補償送信装置に関
する。
【0002】送信装置内の電力増幅器等の回路部は、図
10の(a)に示すように、入力信号電力のレベルが或
る程度以下のところでは、出力信号電力のレベルが入力
信号電力のレベルに比例する線形領域となるが、入力信
号電力のレベルが或る程度以上になると、出力信号に非
線形歪を生じる非線形領域となる。
【0003】電力増幅器等の回路部を線形領域でのみ使
用すると電力効率が悪く、電力効率を良くするために非
線形領域も含めて使用すると、同図の(b)スペクトラ
ム図における実線で示すように、出力信号の歪によっ
て、隣接する周波数帯域へ漏洩電力を生じ、通信品質の
劣化を招く。
【0004】適応プリディストータ型歪補償装置は、こ
のような出力信号の非線形歪を除去するために用いられ
る。該歪補償装置は図11に示すように、非線形歪を生
じる電力増幅器等の回路部11−2の出力信号をフィー
ドバックし、該フィードバック信号と、送信すべき信号
の入力信号(参照信号)とを比較し、その誤差が最小と
なるように、適応歪補償制御部11−1が歪補償係数を
更新し、該歪補償係数を歪補償テーブルに保持する。
【0005】歪補償テーブルに保持した歪補償係数を読
み出して入力信号に乗算器11−3により乗じて電力増
幅器等の回路部11−2に入力することにより、電力増
幅器等の回路部11−2の非線形歪を補償し、高い電力
効率と出力信号電力の線形性とを同時に満たすことを可
能にする。
【0006】
【従来の技術】図12は従来の適応プリディストータ型
歪補償装置の構成例を示す。この歪補償装置は、クリッ
プトLMS(Least Mean Square )等の適応アルゴリズ
ムを用い、送信すべき信号の入力信号(参照信号)とフ
ィードバック信号との誤差信号e(t)がゼロになるよ
うに、歪補償係数演算部12−7においてディジタル信
号処理により歪補償係数hn+1 (p)を算出し、前回算
出した歪補償係数hn (p)を更新し、歪補償テーブル
12−1の入力信号電力レベルpに対応したアドレスに
格納する。
【0007】次に入力される送信信号に対して、歪補償
テーブル12−1の該入力信号の電力レベルに対応した
アドレスから歪補償係数hn (p)を読み出し、該入力
信号にこの読み出した歪補償係数hn (p)を乗算器1
2−2により掛け合わせて歪補償(プリディストーショ
ン)を行う。
【0008】プリディストーションされた信号は、D/
A変換器12−3によりディジタル信号からアナログ信
号に変換され、電力増幅器12−4等の非線形アナログ
回路部に入力される。電力増幅器12−4等における非
線形歪は、プリディストーションによって補償されてい
るため、電力増幅器12−4等からは線形な増幅信号が
出力される。
【0009】電力増幅器12−4等の非線形アナログ回
路部から出力される出力信号は、A/D変換器12−5
等を通して、非線形アナログ回路部に入力される前の元
の信号に戻され、入力信号(参照信号)と比較されるフ
ィードバック信号として減算器12−6へ入力される。
【0010】減算器12−6から出力される誤差信号e
(t)は、歪補償係数演算部12−7に入力され、歪補
償係数演算部12−7では、信号が入力される毎に歪補
償係数hn (p)を算出して歪補償係数hn (p)を順
次更新することにより、徐々に歪補償係数hn (p)を
所定の値に収束させ、定常状態において該所定の値に収
束した歪補償係数h(p)を送信信号に乗じることよっ
て誤差の少ない歪補償を行うようにしている。
【0011】歪補償テーブル12−1には、送信電力レ
ベルに応じた多数の歪補償係数hn(p)を格納し、ア
ドレス発生回路12−8は、該歪補償係数hn (p)更
新のための書き込みアドレスwrite、及び歪補償係
数hn (p)を乗算器12−2に出力するための読み出
しアドレスread(以下、両者のアドレスを単に「ア
ドレス」という。)を発生する。アドレス発生回路12
−8は、送信信号の電力値又は振幅値を算出し、該算出
した送信信号の電力値又は振幅値の大きさに応じたアド
レスを発生させていた。
【0012】送信信号の電力値又は振幅値の大きさに応
じたアドレスは、送信信号の電力値又は振幅値の最大値
と最小値との間のダイナミックレンジを、歪補償テーブ
ル12−1のアドレス数で均等に割った1ステップ幅毎
に1アドレスを割り当て、アドレス発生回路12−8
は、入力された送信信号の電力値又は振幅値の大きさ
が、どのステップ区間に属するかを算出し、そのステッ
プに対応したアドレスを発生させていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のアドレス発生回
路12−8から出力される送信信号の電力値又は振幅値
から算出したアドレスは、図13に示すように、その出
現頻度が不均一なものであった。図13の(a)は送信
信号の振幅値から算出したアドレスの出現頻度、同図
(b)は送信信号の電力値から算出したアドレスの出現
頻度を示している。
【0014】歪補償テーブル12−1のアドレス出現頻
度に偏りがある場合、以下のような二つの問題が生じ
る。 (1)図13に示すように極度に出現頻度の低いアドレ
スが存在する場合、そのアドレスに格納されている歪補
償係数が更新される頻度が極端に低くなり、所望の値に
収束するまでに長時間を要することになる。 (2)図9の(a)に示すようにアドレスが最大値まで
発生しない場合、歪補償テーブルに格納されている歪補
償係数の中で全くアクセスされないものが存在してい
る。この結果、歪補償テーブルが有効に利用されないた
め、十分精度の高い歪補償特性を得ることができない。
【0015】本発明は歪補償テーブルに格納される各歪
み補償係数が平均的な同一出現頻度で使用されるように
し、極度に出現頻度の低い歪補償係数をなくすことによ
り歪補償係数の収束時間の短縮を図り、精度の高い歪補
償を行うことができる歪補償送信装置を提供することを
目的とする。また、歪補償テーブルを効率良く使用する
ことにより、分解能を高めた精度の滝合高い歪補償を行
うことができる歪補償送信装置を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の歪補償送信装置
は、(1)電力増幅器等の送信回路における非線形歪
を、送信信号に歪補償係数を乗じて補償する適応プリデ
ィストータ型の歪補償送信装置であって、送信信号の電
力値又は振幅値の各ステップに対応したアドレスに各歪
補償係数を保持する歪補償テーブルを備え、該歪補償テ
ーブルから読み出した歪補償係数を送信信号に乗じて非
線形歪を補償する歪補償送信装置において、前記送信信
号の電力値又は振幅値の出現頻度分布を基に、該送信信
号の各電力値又は振幅値の各ステップに対応する歪補償
テーブルのアドレスの出現頻度が均等な分布となるよう
に、送信信号の電力値又は振幅値の各ステップ幅を調整
して歪補償テーブルのアドレスを生成するアドレス生成
手段を備えたものである。
【0017】また、(2)前記アドレス生成手段は、送
信信号の電力値又は振幅値の算出値データに対して、前
記ステップ幅より狭い所定のデータ区間毎の出現数を計
数して保持する出現数計測手段と、該データ区間毎の出
現数を基に、送信信号の各電力値又は振幅値を歪補償テ
ーブルのアドレスに変換するアドレス変換テーブルを生
成する手段とを備えたものである。
【0018】また、(3)前記歪補償テーブルは、送信
信号の各電力値又は振幅値の各ステップに対応するアド
レスを一次元アドレスとし、送信信号の電力値又は振幅
値の現在値と1サンプル前の値との差分値の各ステップ
に対応するアドレスを二次元アドレスとし、該差分値の
出現頻度分布を基に、該差分値の各ステップに対応する
歪補償テーブルの二次元アドレスの出現頻度が均等な分
布となるように、該差分値の各ステップ幅を調整して歪
補償テーブルの二次元アドレスを生成する二次元アドレ
ス生成手段を備えたものである。
【0019】また、(4)前記二次元アドレス生成手段
は、差分値の算出値データに対して、該差分値の各ステ
ップ幅より狭い所定のデータ区間毎の出現数を計数して
保持する出現数計測手段と、該データ区間毎の出現数を
基に、該差分値を二次元アドレスに変換するアドレス変
換テーブルを生成する手段とを備えたものである。
【0020】また、(5)電力増幅器等の送信回路にお
ける非線形歪を、送信信号に歪補償係数を乗じて補償す
る適応プリディストータ型の歪補償送信装置であって、
送信信号の電力値又は振幅値の各ステップに対応したア
ドレスに各歪補償係数を保持する歪補償テーブルを備
え、該歪補償テーブルから読み出した歪補償係数を送信
信号に乗じて非線形歪を補償する歪補償送信装置におい
て、前記送信信号の電力値又は振幅値の最大値を検出す
る手段と、該検出した最大値を基に、該最大値が歪補償
テーブルのアドレス範囲の最大値に対応するように、送
信信号の電力値又は振幅値のゲインを調整するゲイン調
整手段とを備えたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に本発明の歪補償装置の基本
構成を示す。同図において、歪補償テーブル12−1、
乗算器12−2、D/A変換器12−3、電力増幅器1
2−4、A/D変換器12−5、減算器12−6、歪補
償係数演算部12−7の各動作は、図12に示した構成
例のものと同様であるので、重複した説明は省略する。
【0022】本発明は、歪補償テーブル12−1へのア
クセスに必要なアドレスをアドレス生成部1−1により
生成する。アドレス生成部1−1は、歪補償テーブル1
2−1に保持される各歪補償係数の書き込み又は読み出
しのアクセス回数が、各歪補償係数の全てに亙って均一
になるようにアドレスを生成する。
【0023】アドレス生成部1−1は、送信信号の電力
値又は振幅値を算出する電力値/振幅値算出部1−11
と、電力値/振幅値算出部1−11の出力値を再演算し
て歪補償テーブルのアドレスを生成するアドレス再演算
生成部1−12とを備える。アドレス再演算生成部1−
12は、送信信号の電力値又は振幅値の出現頻度を基
に、歪補償テーブル12−1のアドレス生成を行う。
【0024】ここで、アドレス生成部1−1によって生
成されるアドレス頻度分布を、図2を用いて説明する。
同図の(a)は電力値/振幅値算出部1−11から出力
される送信信号振幅値の出現頻度分布の例を示し、横軸
は算出された送信信号振幅値p、縦軸は該振幅値pの出
現頻度N(p)を示す。また、同図の(b)はアドレス
再演算生成部1−12による出現頻度調整後のアドレス
出現頻度分布の例を示し、横軸はアドレスA、縦軸はア
ドレスの出現頻度N(A)を示す。
【0025】アドレス生成部1−1において、アドレス
再演算生成部1−12は、振幅値出現頻度N(p)を基
に、N(pi )×(pi −pi-1 )の値が一定となるよ
うな各送信信号振幅値pi (i=1,2,…,n)毎に
1つのアドレスAi を生成する。ここで、nは歪補償テ
ーブル12−1の全アドレス数である。
【0026】即ち、振幅値がpi-1 以上pi 以下となる
各ステップ区間内の振幅値出現頻度N(p)の総計が一
定となるように、各振幅値のステップ(pi −pi-1
毎に1つのアドレスAi を生成する。こうすることによ
り、各送信信号の振幅値に対応したアドレスAi の頻度
分布は、図2の(b)に示すように一定となる。
【0027】図3に本発明のアドレス生成部の、より具
体的な構成例を示す。アドレス生成部1−1は、電力値
/振幅値算出部1−11と出現数計測カウンタ1−13
と変換アドレス生成部1−1 4とアドレス変換テーブル
1−15とを備える。
【0028】電力値/振幅値算出部1−11は、送信信
号の電力値又は振幅値を算出し、その値を出現数計測カ
ウンタ1−13及びアドレス変換テーブル1−15とに
出力する。出現数計測カウンタ1−13は、電力値又は
振幅値の所定の各データ区間毎に、該データ区間内に出
現する電力値又は振幅値の出現数を計数し、該電力値又
は振幅値の出現数を出現数調査テーブルに保持する。こ
こで、電力値又は振幅値の所定の各データ区間は、前述
のステップ幅より十分小さいものとしておく。
【0029】変換アドレス生成部1−1 4は、送信信号
の各電力値又は振幅値の出現数を基に、前述の図2で示
したように、送信信号の電力値又は振幅値の各ステップ
に対応したアドレスの出現頻度が一定となるように、送
信信号の電力値又は振幅値の各ステップとアドレスとの
対応を決定し、該送信信号の電力値又は振幅値の各ステ
ップとアドレスとの対応をアドレス変換テーブル1−1
5に格納する。
【0030】アドレス変換テーブル1−15は、変換ア
ドレス生成部1−1 4から出力される送信信号の電力値
又は振幅値の各ステップとアドレスとの対応をメモリテ
ーブルに書き込み、電力値/振幅値算出部1−11から
入力される送信信号の電力値又は振幅値に対して、その
ステップに対応するアドレスをメモリテーブから読み出
して、歪補償テーブル12−1に出力する。
【0031】図4に本発明のアドレス生成部の動作シー
ケンスを示す。アドレス生成部において、出現数計測カ
ウンタ1−13により、送信信号の電力値又は振幅値の
各出現数をカウントし、該カウント値を出現数調査テー
ブルに蓄積する(処理フロー4−1)。
【0032】そして、出現数計測カウンタ1−13にお
いて、電力値又は振幅値の出現数を所定の個数まで蓄積
完了したかを、予め定めた閾値と比較して判定し(処理
フロー4−2)、所定の個数まで蓄積完了した場合に、
変換アドレス生成部1−1 4により該出現数計測カウン
タ1−13のカウンタ値を基にアドレス再配分の処理を
行う(処理フロー4−3)。
【0033】次に、ヒステリシスが大きい電力増幅器を
用いた場合の実施形態について図5を参照して説明す
る。電力増幅器12−4のヒステリシスが大きい場合、
通常、前述の歪補償テーブル12−1に二次元歪補償テ
ーブル5−3を用いて歪補償を行う。
【0034】二次元歪補償テーブル5−3は、送信信号
の電力値又は振幅値を一次元アドレスとし、送信信号の
電力値又は振幅値の現在値と1サンプル前の値との差分
値を二次元アドレスとしたテーブルに歪補償係数を格納
したものである。この歪補償係数を用いることにより、
ヒステリシスによる歪を除去した歪補償を行うことがで
きる。
【0035】図5において、出現数計測カウンタ1−1
3、変換アドレス生成部1−1 4及びアドレス変換テー
ブル1−15から成る一次元アドレス生成部5−1は、
図3の構成例と同様に、電力値/振幅値算出部1−11
から入力される送信信号の電力値又は振幅値に対応する
一次元アドレスを、その出現頻度に偏りがないように調
整したアドレスを出力する。
【0036】また、電力値/振幅値算出部1−11から
入力される送信信号の電力値又は振幅値の現在値と、遅
延部5−4を通した1サンプル前の値との差分である履
歴差分値を、減算器5−5により算出して二次元アドレ
ス生成部5−2に入力する。
【0037】二次元アドレス生成部5−2は、同様に出
現数計測カウンタ1−13´、変換アドレス生成部1−
1 4´及びアドレス変換テーブル1−15´により、減
算器5−5から入力される履歴差分値に対応する二次元
アドレスを、その出現頻度に偏りがないように調整した
アドレスを出力する。
【0038】図6に振幅値と履歴差分値の頻度分布、及
びアドレス調整後の二次元アドレス頻度分布を示す。同
図の(a)は送信信号の振幅値とその履歴差分値の頻度
分布を示し、同図の(b)は一次元アドレス生成部5−
1及び二次元アドレス生成部5−2から出力されるそれ
ぞれのアドレスの頻度分布を示す。
【0039】図6(a)に示すように、送信信号の振幅
値とその履歴差分値の頻度分布には偏りがあるが、一次
元アドレス生成部5−1及び二次元アドレス生成部5−
2によりアドレス変換を行うことによって、図6(b)
に示すように、一次元アドレス及び二次元アドレスの頻
度分布に偏りのないものとすることができる。
【0040】次に、アドレス生成部において送信信号の
電力値又は振幅値に対してゲイン調整を行ってアドレス
の頻度分布を調整する実施形態について説明する。図7
はその第1の構成例を示す。同図に示すように、この実
施形態のアドレス生成部7−1は、電力値/振幅値算出
部1−11と最大値検出部7−11と乗算部7−12と
から構成される。
【0041】最大値検出部7−11は、電力値/振幅値
算出部1−11から出力される送信信号の電力値又は振
幅値に対応したアドレス値を、所定時間又は所定サンプ
ル数に亙って調査し、その値の最大値を検出する。最大
値検出部7−11は、検出した最大値に応じた係数を発
生して乗算部7−12に出力する。
【0042】乗算部7−12は、最大値検出部7−11
から出力された係数を、電力値/振幅値算出部1−11
から出力される送信信号の電力値又は振幅値に乗じてゲ
インを調整することにより、歪補償テーブルのアドレス
の略全域に亙るアドレスが生成される。
【0043】送信信号の電力値又は振幅値に対してゲイ
ン調整を行ってアドレスの頻度分布を調整する第2の構
成例を図8に示す。同図に示すように、この構成例のア
ドレス生成部8−1は、電力値/振幅値算出部1−11
と最大値検出部8−11と乗算部8−12とから構成さ
れる。
【0044】前述の第1の構成例では、ゲイン調整を行
うための乗算部7−12を、電力値/振幅値算出部1−
11の出力側に設けていたが、この第2の構成例は、ゲ
イン調整を行うための乗算部8−12を、電力値/振幅
値算出部1−11の入力側に設けたもので、その動作及
び機能は第1の構成例と同様である。
【0045】図9に送信信号の電力値/振幅値のゲイン
調整によるアドレス頻度分布の違いを示す。同図(a)
は、送信信号の電力値/振幅値のゲイン調整を行わなか
った場合のアドレス頻度分布を示し、同図(b)は、送
信信号の電力値/振幅値のゲイン調整を行った場合のア
ドレス頻度分布を示す。
【0046】図12に示した従来例のように、想定され
る送信信号の最大値に対応したアドレス範囲が設定され
たアドレス発生回路12−8からは、実際の送信信号の
電力値/振幅値に対しては、図9(a)に示すようなア
ドレス出現頻度分布となり、該想定される送信信号の最
大値に対応したアドレス範囲全域に亙ってアドレスが出
力されることは通常ない。
【0047】そこで、図7又は図8に示した第1又は第
2の構成例により、実際の送信信号の電力値/振幅値の
最大値を検出し、該実際に検出される送信信号の最大値
にアドレス範囲の最大値対応するように、送信信号の電
力値/振幅値のゲインを調整することにより、図9
(b)に示すようなアドレス出現頻度分布となり、アド
レス範囲全域に亙って、実際の送信信号に対するアドレ
スが出力され、歪補償テーブル12−1のメモリ領域が
有効利用され、精度の高い歪補償係数を得ることが可能
となる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
送信信号の電力値又は振幅値を再演算して、各電力値又
は振幅値の各ステップに対応する歪補償テーブルのアド
レスの出現頻度が均等な分布となるように、送信信号の
電力値又は振幅値の各ステップ幅を調整して歪補償テー
ブルのアドレスを生成することにより、歪補償テーブル
に保持される歪補償係数の収束時間の短縮を図ることが
でき、精度の高い歪補償を行うことができる。
【0049】また、実際に送信される送信信号の電力値
又は振幅値の最大値が小さい場合、実際の送信信号の電
力値又は振幅値の最大値を検出し、該最大値が歪補償テ
ーブルのアドレス範囲の最大値に対応するように、送信
信号の電力値又は振幅値のゲインを調整することによ
り、歪補償テーブルの最大値アドレスまで生成され、歪
補償テーブル全体を有効利用して精度の高い歪補償を行
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歪補償装置の基本構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の歪補償テーブルのアドレス出現頻度分
布を示す図である。
【図3】本発明のアドレス生成部の構成例を示す図であ
る。
【図4】本発明のアドレス生成部の動作シーケンスを示
す図である。
【図5】二次元歪補償テーブルを用いる本発明のアドレ
ス生成部の構成例を示す図である。
【図6】本発明の二次元歪補償テーブルのアドレス出現
頻度分布を示す図である。
【図7】ゲイン調整を行ってアドレスの頻度分布を調整
する本発明の第1の構成例を示す図である。
【図8】ゲイン調整を行ってアドレスの頻度分布を調整
する本発明の第2の構成例を示す図である。
【図9】本発明のゲイン調整を行う構成例のアドレス出
現頻度分布を示す図である。
【図10】電力増幅器の入出力特性並びに隣接チャネル
漏洩電力と歪補償の様子を示す図である。
【図11】適応プリディストータ型歪補償装置の基本構
成を示す図である。
【図12】従来の適応プリディストータ型歪補償装置の
構成例を示す図である。
【図13】従来の歪補償テーブルのアドレス出現頻度分
布を示す図である。
【符号の説明】
1−1 アドレス生成部 1−11 電力値/振幅値算出部 1−12 アドレス再演算生成部 12−1 歪補償テーブル 12−2 乗算器 12−3 D/A変換器 12−4 電力増幅器 12−5 A/D変換器 12−6 減算器 12−7 歪補償係数演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 徳郎 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 長谷 和男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 浜田 一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 札場 伸和 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5J090 AA01 CA21 FA20 GN03 KA00 KA26 KA33 KA34 MA11 SA14 TA01 TA02 TA03 TA07 5J500 AA01 AC21 AF20 AK00 AK26 AK33 AK34 AM11 AS14 AT01 AT02 AT03 AT07 5K060 BB07 CC04 HH06 HH31 HH32 KK06 LL01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力増幅器等の送信回路における非線形
    歪を、送信信号に歪補償係数を乗じて補償する適応プリ
    ディストータ型の歪補償送信装置であって、送信信号の
    電力値又は振幅値の各ステップに対応したアドレスに各
    歪補償係数を保持する歪補償テーブルを備え、該歪補償
    テーブルから読み出した歪補償係数を送信信号に乗じて
    非線形歪を補償する歪補償送信装置において、 前記送信信号の電力値又は振幅値の出現頻度分布を基
    に、該送信信号の各電力値又は振幅値の各ステップに対
    応する歪補償テーブルのアドレスの出現頻度が均等な分
    布となるように、送信信号の電力値又は振幅値の各ステ
    ップ幅を調整して歪補償テーブルのアドレスを生成する
    アドレス生成手段を備えたことを特徴とする歪補償送信
    装置。
  2. 【請求項2】 前記アドレス生成手段は、送信信号の電
    力値又は振幅値の算出値データに対して、前記ステップ
    幅より狭い所定のデータ区間毎の出現数を計数して保持
    する出現数計測手段と、該データ区間毎の出現数を基
    に、送信信号の各電力値又は振幅値を歪補償テーブルの
    アドレスに変換するアドレス変換テーブルを生成する手
    段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の歪補償
    送信装置。
  3. 【請求項3】 前記歪補償テーブルは、送信信号の各電
    力値又は振幅値の各ステップに対応するアドレスを一次
    元アドレスとし、送信信号の電力値又は振幅値の現在値
    と1サンプル前の値との差分値の各ステップに対応する
    アドレスを二次元アドレスとし、該差分値の出現頻度分
    布を基に、該差分値の各ステップに対応する歪補償テー
    ブルの二次元アドレスの出現頻度が均等な分布となるよ
    うに、該差分値の各ステップ幅を調整して歪補償テーブ
    ルの二次元アドレスを生成する二次元アドレス生成手段
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の歪補
    償送信装置。
  4. 【請求項4】 前記二次元アドレス生成手段は、差分値
    の算出値データに対して、該差分値の各ステップ幅より
    狭い所定のデータ区間毎の出現数を計数して保持する出
    現数計測手段と、該データ区間毎の出現数を基に、該差
    分値を二次元アドレスに変換するアドレス変換テーブル
    を生成する手段とを備えたことを特徴とする請求項3に
    記載の歪補償送信装置。
  5. 【請求項5】 電力増幅器等の送信回路における非線形
    歪を、送信信号に歪補償係数を乗じて補償する適応プリ
    ディストータ型の歪補償送信装置であって、送信信号の
    電力値又は振幅値の各ステップに対応したアドレスに各
    歪補償係数を保持する歪補償テーブルを備え、該歪補償
    テーブルから読み出した歪補償係数を送信信号に乗じて
    非線形歪を補償する歪補償送信装置において、 前記送信信号の電力値又は振幅値の最大値を検出する手
    段と、該検出した最大値を基に、該最大値が歪補償テー
    ブルのアドレス範囲の最大値に対応するように、送信信
    号の電力値又は振幅値のゲインを調整するゲイン調整手
    段とを備えたことを特徴とする歪補償送信装置。
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