JP3867583B2 - 非線形歪み補償装置及びその方法並びにプログラム - Google Patents

非線形歪み補償装置及びその方法並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非線形歪み補償装置及びその方法並びにプログラムに関し、特に入力信号と増幅器を経た出力信号の一部を帰還させた帰還信号とから歪み補償係数を生成して、入力信号に対してプリディストーション処理を行うことにより増幅器の非線形歪みを除去するようにしたデジタル無線通信システムにおける非線形歪み補償方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
16QAM(Quadrature Amplitude Modulation )やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying )などの線形デジタル変調方式を利用したデジタル無線システムにおいては、電力増幅器の非線形歪み(振幅歪み、位相歪み)補償が必須であり、そのために各種の補償方式が用いられている。その補償方式として多く用いられているものの例として、増幅器に入力される信号をその信号の瞬時振幅に対応して、振幅および位相を前もって歪ませる、いわゆるプリディストータであり、また最近では、デジタルベースバンド上でプリディストーションする方法が多く用いられている。
【0003】
ここで、デジタルデータを歪ませる方法としては特開2001−168774号公報や、特開2001−203772号公報などに示されている様に、補償データを送信データにより一意的に決める方法が一般的であり、特開2001−168774号公報に開示の非線形歪み補償方式の機能ブロックを、図7に引用して示す。
【0004】
図7を参照すると、直交座標系のベースバンド信号101(I1 ,Q1 )はピタゴラス変換部102へ入力されて、極座標系の振幅成分r1 と位相成分θ1 の信号に変換され、振幅成分r1 はr補償テーブル104及びθ補償テーブル105のアドレスとなっている。このr補償テーブル104の出力r2 とピタゴラス変換部102の振幅成分r1 とが、加算器120にて加算されプリディストーション処理が行われる。また、位相成分θ1 についても同様に、θ補償テーブル105の出力θ2 とピタゴラス変換部102の位相成分θ1 とが、加算器106にて加算されプリディストーション処理が行われる。
【0005】
プリディストーション処理された振幅成分r3 と位相成分θ3 とはピタゴラス逆変換部107により極座標系から直交座標系への逆変換が行われ、直交信号I2 及びQ2 が生成される。しかる後に直交変調部108において直交変調され、D/A変換器109にてアナログ変換される。そして、アップコンバータ110により送信周波数に周波数変換され、電力増幅器111及びアンテナ113を経て放送波となる。この過程中の、主に電力増幅器111により非線形歪みが発生することになる。
【0006】
そこで、この歪みを含んだ送信信号を方向性結合器112により一部取出してダウンコンバータ114及びA/D変換器115を介して直交復調部116へ供給し、この直交復調部116により、歪みを含んだ直交ベースバンド信号I3 ,Q3 を得ている。この直交ベースバンド信号は補償係数生成部118へ入力されて、入力直交ベースバンド信号との差分が算出され、この差分に応じて歪み補償係数が生成されることになる。
【0007】
このとき、補償係数生成分118では、帰還された直交ベースバンド信号I3 ,Q3 と入力された直交ベースバンド信号I1 ,Q1 とのタイミング合せのために、入力直交ベースバンド信号の遅延処理が行われる。また、この遅延信号及び帰還信号のピタゴラス変換処理が行われ、更にこのピタゴラス変換された振幅成分と位相成分との各差分の算出処理がなされてこの差分に応じた歪み補償係数が生成され、r補償テーブル104及びθ補償テーブル105に格納される。
【0008】
補償係数生成部118では、一定周期で、上述した歪み補償係数の更新生成処理がなされる様になっており、この更新された歪み補償係数は、各々が複数個からなるr補償テーブル104及びθ補償テーブル105の各1つのテーブルに書込まれて最新の補償係数がテーブル104及び105に格納されることになる。このテーブル更新時には、他のテーブルの補償係数が読出されて、プリディストーション処理に使用されるようになっている。なお、テーブル104及び105の読出し、書込み(更新)のためのアドレスは、ピタゴラス変換部102の振幅成分r1 である。
【0009】
この図7の例では、r補償テーブル104及びθ補償テーブル105に、振幅成分及び位相成分の補償係数、すなわちプリディストーション量のみが格納されている場合であるが、r補償テーブル104にこのプリディストーション量とそのときの振幅成分との和が格納されている場合の例を図8に示している。図8において、図7と同等部分は同一符号により示している。
【0010】
図8において、冗長さを避けるために図7と相違する部分についてのみ説明する。図8においては、図7における加算器120を省き、その代りに、r補償テーブル104には振幅成分のプリディストーション量とそのときの振幅成分(r1 )との和が格納されている。よって、このr補償テーブル104の出力をそのときの振幅成分r1 をアドレスとして読出すことにより、予めプリディストーションされた振幅成分r3 が得られることになるのである。なお、図7及び図8のブロックにいて、θ補償テーブル105のアドレスとして、振幅成分を用いているのは、位相成分θは振幅成分のrの大きさに依存することによる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、映像情報メディア学会誌のvol53,No11,pp1550−1556(1999)にも開示されているように、線形デジタル変調方式のようなピークファクタ(ピーク値/平均値)が大きく、時間的にランダムに変化する信号を入力した場合の増幅器の非線形特性は、入力される信号の瞬時振幅から一意的に決定することができないために、上述した図7,8に示した方式では増幅器の非線形特性の変化に正確に追従することができない。また、線形デジタル変調方式はその性質上、非線形歪みによる特性劣化に敏感なため、補償装置には増幅器の非線形歪みに対して精密に追従できる能力が要求される。
【0012】
更に述べると、従来技術では、受信データと送信データとの比較をある一定期間行なって補償データを算出するものであり、その補償データは入力の振幅と1対1に対応しているが、このとき、特に線形デジタル変調方式のようなピークファクタが大きく時間的にランダムに変化する信号を増幅器に入力すると、増幅器の非線形特性が瞬時的に変化する。このために、補償対象データが同じ振幅・位相であっても、直前のデータの振幅・位相が異なっていると、増幅器の歪みの状態が異なり、同じ補償値ではある程度までの非線形補償は可能であるが、精密な補償は難しいという問題点がある。
【0013】
そこで、本発明はこの様な従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、同一振幅の入力データが増幅器に入力された場合でも、増幅器内の瞬時的な非線形特性の変化にも追従可能な補償を行ない、より精密に非線形特性を補償することができる非線形補償装置及びその方法並びにプログラムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による非線形歪み補償装置は、入力信号と増幅器を経た出力信号の一部を帰還させた帰還信号とから歪み補償係数を生成して、前記入力信号に対してプリディストーション処理を行うことにより、前記増幅器の非線形歪みを除去するようにしたデジタル無線通信システムにおける非線形歪み補償装置であつて、前記入力信号の履歴に応じて前記非線形歪み補償をなす歪み補償手段を含み、前記歪み補償手段は、前記入力信号と前記帰還信号とから歪み補償係数を生成する歪み補償係数生成手段と、この歪み補償係数を格納した格納手段と、前記入力信号の履歴に応じて前記格納手段のアドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、このアドレスに応じて前記格納手段から前記歪み補償係数を読出して前記入力信号のプリディストーションをなすようにし、前記アドレス生成手段は、前記入力信号の直前の複数成分の平均値を算出する手段と、この平均値に重み付けを行う手段と、この重み付け信号を前記入力信号に加算して前記アドレスとして導出する手段とを有することを特徴とする。
【0016】
更に、前記歪み補償係数生成手段は、前記入力信号である直交座標系のベースバンド信号と前記帰還信号の直交座標系の信号とのタイミング合わせをなす手段と、このタイミング合わせ後の両信号を極座標系の信号に変換する第一のピタゴラス変換手段と、この変換後の両信号の各振幅成分と各位相成分との差分をそれぞれ算出して前記歪み補償係数を生成する手段とを有することを特徴する。
【0017】
更に、前記入力信号を極座標系の信号に変換す第二のピタゴラス変換手段と、前記歪み補償手段による補償後の極座標系の信号を前記直交座標系の信号に変換するピタゴラス逆変換手段とを含み、前記アドレス生成手段は前記第二のピタゴラス変換手段による極座標系の信号の振幅成分の履歴に応じて前記アドレスを生成し、前記プリディストーションは極座標系の信号に対して行うようにしたことを特徴とする。
【0018】
本発明による非線形歪み補償方法は、入力信号と増幅器を経た出力信号の一部を帰還させた帰還信号とから歪み補償係数を生成して、前記入力信号に対してプリディストーション処理を行うことにより、前記増幅器の非線形歪みを除去するようにしたデジタル無線通信システムにおける非線形歪み補償方法であつて、前記入力信号の履歴に応じて前記非線形歪み補償をなす歪み補償ステップを含み、前記歪み補償ステップは、前記入力信号と前記帰還信号とから歪み補償係数を生成する歪み補償係数生成ステップと、この歪み補償係数を格納手段に格納するステップと、前記入力信号の履歴に応じて前記格納手段のアドレスを生成するアドレス生成ステップとを有し、このアドレスに応じて前記格納手段から前記歪み補償係数を読出して前記入力信号のプリディストーションをなすようにし、前記アドレス生成ステップは、前記入力信号の直前の複数成分の平均値を算出するステップと、この平均値に重み付けを行うステップと、この重み付け信号を前記入力信号に加算して前記アドレスとして導出するステップとを有することを特徴とする。
【0020】
更に、前記歪み補償係数生成ステップは、前記入力信号である直交座標系のベースバンド信号と前記帰還信号の直交座標系の信号とのタイミング合わせをなすステップと、このタイミング合わせ後の両信号を極座標系の信号に変換する第一のピタゴラス変換ステップと、この変換後の両信号の各振幅成分と各位相成分との差分をそれぞれ算出して前記歪み補償係数を生成するステップとを有することを特徴する。
【0021】
更に、前記入力信号を極座標系の信号に変換す第二のピタゴラス変換ステップと、前記歪み補償ステップによる補償後の極座標系の信号を前記直交座標系の信号に変換するピタゴラス逆変換ステップとを含み、前記アドレス生成ステップは前記第二のピタゴラス変換ステップによる極座標系の信号の振幅成分の履歴に応じて前記アドレスを生成し、前記プリディストーションは極座標系の信号に対して行うようにしたことを特徴とする。
【0023】
本発明の作用を述べる。入力データにプリディストーションを施すことによって、増幅器の非線形歪みを補償するプリディストーション方式の非線形補償装置において、直前の入力データの履歴に応じて非線形歪みの補償データをなすように構成する。これにより、瞬時的な非線形特性の変化にも追従が可能となり、より精密な非線形特性の補償ができることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。図1を参照すると、本発明の一実施例の機能ブロック図が示されており、本例は、図7の従来例に対応するものであって、図7と同等部分は同一符号にて示されている。図1において、直交座標系の直交ベースバンド信号101(I1 ,Q1 )は、ピタゴラス変換部102へ入力されて極座標系の信号である振幅成分r1 と位相成分θ1 に変換される。振幅成分r1 は補償テーブル重み付加部103により重みが加算された振幅成分r2 ’となり、r及びθの各補償テーブル104,105のアドレスとなる。
【0025】
r補償テーブル104の出力r2 は加算器120にてピタゴラス変換部102の振幅成分出力r1 と加算されてr3 となり、プリディストーションが行われてピタゴラス逆変換部107へ入力される。また、θ補償テーブル105の出力θ2 は加算器106にてピタゴラス変換部102の位相成分出力θ1 と加算されてθ3 となって、プリディストーションが行われてピタゴラス逆変換部107へ入力される。このピタゴラス逆変換部107では、極座標系から直交座標系への逆変換が行われ、直交ベースバンド信号I2 ,Q2 が出力されて直交変調部108へ供給される。
【0026】
この直交変調器108により直交変調された変調出力はD/A変換器109によりアナログ変換され、アップコンバータ110により送信周波数に周波数変換される。そして、電力増幅器111及びアンテナ113を経て放送波となる。その過程の主に電力増幅器111によって非線形歪みが発生する。この歪みを含んだ送信信号は方向性結合器112から一部帰還信号として取出され、ダウンコンバータ114及びA/D変換器115を介して直交復調部116へ入力される。この直交復調部116により、歪みを含んだ直交ベースバンド信号(帰還信号:I3 ,Q3 )となる。
【0027】
この直交ベースバンド信号は格納メモリ117に一旦格納され、補償係数生成部118へ入力される。この補償係数生成部118においては、この歪みを含んだ直交ベースバンド信号(帰還信号)と、入力されたベースバンド信号(送信信号:I1 ,Q1 )を格納した格納メモリ119の出力とのタイミング合わせ(遅延補正)処理、ピタコラス変換処理、比較処理等の信号処理が行われ、プリディストーションのための補償係数が算出される。この補償係数はr補償テーブル104及びθ補償テーブル105へ送られる。
【0028】
補償係数生成部118はその内部にピタゴラス変換機能(ソフト的でもハード的でも良い)を有しており、入力された双方のベースバンド信号を直交座標系のI成分、Q成分から、極座標系のr成分、θ成分に変換してこれ等を比較し、入力信号の振幅に対する補償値を算出し、補償テーブル104,105を構成するDPRAM(デュアルポートランダムアクセスメモリ)のアドレスに入力振幅が対応するように、当該DPRAMに補償値を格納していく。
【0029】
ここで、本実施例では、補償係数生成部118内でのタイミング合わせ(遅延補正)処理、ピタゴラス変換処理、送受信信号(入力信号と帰還信号)の比較処理、補償係数算出処理等の信号処理は、送受信信号を一旦メモリ117,119に取込み、ソフトウェアで行なっている。これは、補償係数を秒単位で更新するのでリアルタイム処理を行なう必要がないためと、ハードウェアの規模を少なくするためである。
【0030】
そこで、図2に、この補償係数生成部118の動作をフローチャートとして示している。図2を参照すると、メモリ119からの信号I5 ,Q5 を帰還信号I4 ,Q4 のタイミングに合致させるために遅延処理し(ステップS1)、この遅延処理した信号I5 ,Q5 をピタゴラス変換して振幅成分r11、位相成分θ11を得る(ステップS2)。また、帰還信号I4 ,Q4 をピタゴラス変換して振幅成分r21、位相成分θ21を得る(ステップS3)。そして、振幅成分r11とr21との比較を行ってその差分Δrを得る(ステップS4)と共に、位相成分θ11とθ21との比較を行ってその差分Δθを得る(ステップS5)。これ等差分Δr,Δθが補償係数となって対応する補償テーブル104,105にそれぞれ格納される(ステップS6,7)。なお、このときの各補償テーブル格納アドレスは補償テーブル重み付加部103の出力r2 ’である。
【0031】
補償テーブル重み付加部103では、入力信号の直前n個(デジタルベースバンド信号のnシンボルに相当)の振幅r成分のデータの加算平均をとり、この平均値に重みK(定数)を乗じ、この乗算値を現在のr成分に加算することで、テーブル104,105のDPRAMのアドレスとして与えられる。こうして、現在のデータに重みを付けを行っている。よって、この補償テーブル重み付加部103は図3に示す構成となっている。
【0032】
すなわち、現在の入力信号の直前n個のr成分をそれぞれに格納するn個の遅延素子201と、これ等n個のr成分を加算する加算器203と、この加算出力を1/nして平均値を算出する除算器204と、この除算出力に重みK(206)を乗算する乗算器205と、この乗算出力を現在のr成分に加算する加算器202とからなっている。
【0033】
上述した構成により、同じ振幅でも直前のn個のデータ(シンボル)の違いによって補償テーブル104,105に与えられるアドレスを変化させることができ、増幅器111内の瞬時的な非線形特性の変化にも追従可能な補償を行うことができる。
【0034】
図4に、入力データの履歴により補償テーブルアドレスが変化している様子を示す。補償テーブル重み付加部103を使用しない「重みなし」では、入力振幅=補償テーブルアドレスであるが、「重み付き」では、入力振幅≠補償テーブルアドレスであり、入力データと補償テーブルアドレスとがずれているのが分かる。これは代表的な例であり、加算するデータ数や重み係数を変化させることによって、最適な補償になるように調整する。
【0035】
図5は本発明の他の実施例を示すブロック図であり、本例では、図8に示した従来例と対応するものである。なお、図1及び図8と同等部分は同一符号にて示している。本例では、r補償テーブル104にプリティストーション量(すなわちΔr)とそのときの振幅成分rとの和(すなわち、図1のr3 に相当)が格納される場合であり、よって、図1の加算器120が省かれている。
【0036】
そこで、補償係数生成部118の動作処理もそれに合わせて、図6に示すような動作となる。図6では、図2のフローチャートにおけるステップS6に代えて、ステップS6’となる。すなわち、補償テーブル104に対して「r11+Δr」を書込むよう動作することになる。他の構成及び動作は先の図1の実施例と同等である。
【0037】
直交ベースバンド信号を補償するために、変調器内で直交ベースバンド信号を用いている送信方式であれば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex )方式のような複数の搬送波を用いる送信方式についても、単一の搬送波を用いた線形デジタル変調方式の送信方式についても適用が可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明による第1の効果は、補償対象データの振幅とその直前のデータによって補償値に重みを付けることにより、補償精度を向上させることが可能であり、増幅器の非線形特性が瞬時的に変化する場合にも追従して補償することができることである。
【0039】
第2の効果は、送信系の歪みをデジタルデータで処理、解析するために、送信系の歪みと高精度に一致させることができることである。
【0040】
第3の効果は、送信出力を帰還させて帰還データと入力データを補償係数生成部において比較、演算して補償係数を更新することによって、送信系の特性の変化にも追従することができることである。
【0041】
第4の効果は、回路規模を小さくすることができることである。その理由は、送信系の歪みの大部分を占める増幅器の歪み特性の変動が比較的緩やかであるため、補償係数生成部での歪みの解析および補償係数生成を低速で行うことができ、回路規模を小さくすることができるからである。
【0042】
第5の効果は、電力増幅器のバックオフ量(増幅入力のピーク電力と使用電力との比であり、クレストファクタとも称される)を減らすことができ、それによって増幅器の最大出力を増やすことができることである。その理由は、増幅器をはじめとする送信系の歪みを低減できるからである。
【0043】
第6の効果は、直交変調器に内蔵可能なことである。その理由は、変調器内のデジタル信号処理の過程において補償を行うからである。
【0044】
第7の効果は、受信器でのデータ誤り率を減らすことができることである。その理由は、送信信号帯域内の相互変調歪みを低減できるからである。
【0045】
第8の効果は、送信系の歪みを解析することができることである。その理由は、送信系の歪みを帰還させて直交復調し、補償係数生成部によってどのような歪みが発生しているか解析を行っているからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1のブロックにおける一部動作を示すフローチャートである。
【図3】図1の補償テーブル重み付加部103の例を示す図である。
【図4】入力データの履歴により補償テーブルアドレスが変化する様子を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図5のブロックにおける一部動作を示すフローチャートである。
【図7】従来技術の一例を示すブロック図である。
【図8】従来技術の他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
102 ピタゴラス変換部
103 補償テーブル重み付加部
104 r補償テーブル
105 θ補償テーブル
106,120 加算器
107 ピタゴラス逆変換部
108 直交変調部
109 D/A変換部
110 アップコンバータ
111 RF増幅器
112 方向性結合器
113 アンテナ
114 ダウンコンバータ
115 A/D変換部
116 直交復調部
118 補償係数生成部

Claims (6)

  1. 入力信号と増幅器を経た出力信号の一部を帰還させた帰還信号とから歪み補償係数を生成して、前記入力信号に対してプリディストーション処理を行うことにより、前記増幅器の非線形歪みを除去するようにしたデジタル無線通信システムにおける非線形歪み補償装置であつて、前記入力信号の履歴に応じて前記非線形歪み補償をなす歪み補償手段を含み、
    前記歪み補償手段は、前記入力信号と前記帰還信号とから歪み補償係数を生成する歪み補償係数生成手段と、この歪み補償係数を格納した格納手段と、前記入力信号の履歴に応じて前記格納手段のアドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、このアドレスに応じて前記格納手段から前記歪み補償係数を読出して前記入力信号のプリディストーションをなすようにし、
    前記アドレス生成手段は、前記入力信号の直前の複数成分の平均値を算出する手段と、この平均値に重み付けを行う手段と、この重み付け信号を前記入力信号に加算して前記アドレスとして導出する手段とを有することを特徴とする非線形歪み補償装置。
  2. 前記歪み補償係数生成手段は、前記入力信号である直交座標系のベースバンド信号と前記帰還信号の直交座標系の信号とのタイミング合わせをなす手段と、このタイミング合わせ後の両信号を極座標系の信号に変換する第一のピタゴラス変換手段と、この変換後の両信号の各振幅成分と各位相成分との差分をそれぞれ算出して前記歪み補償係数を生成する手段とを有することを特徴する請求項1記載の非線形歪み補償装置。
  3. 前記入力信号を極座標系の信号に変換する第二のピタゴラス変換手段と、前記歪み補償手段による補償後の極座標系の信号を前記直交座標系の信号に変換するピタゴラス逆変換手段とを更に含み、前記アドレス生成手段は前記第二のピタゴラス変換手段による極座標系の信号の振幅成分の履歴に応じて前記アドレスを生成し、前記プリディストーションは極座標系の信号に対して行うようにしたことを特徴とする請求項2記載の非線形歪み補償装置。
  4. 入力信号と増幅器を経た出力信号の一部を帰還させた帰還信号とから歪み補償係数を生成して、前記入力信号に対してプリディストーション処理を行うことにより、前記増幅器の非線形歪みを除去するようにしたデジタル無線通信システムにおける非線形歪み補償方法であつて、前記入力信号の履歴に応じて前記非線形歪み補償をなす歪み補償ステップを含み、
    前記歪み補償ステップは、前記入力信号と前記帰還信号とから歪み補償係数を生成する歪み補償係数生成ステップと、この歪み補償係数を格納手段に格納するステップと、前記入力信号の履歴に応じて前記格納手段のアドレスを生成するアドレス生成ステップとを有し、このアドレスに応じて前記格納手段から前記歪み補償係数を読出して前記入力信号のプリディストーションをなすようにし、
    前記アドレス生成ステップは、前記入力信号の直前の複数成分の平均値を算出するステップと、この平均値に重み付けを行うステップと、この重み付け信号を前記入力信号に加算して前記アドレスとして導出するステップとを有することを特徴とする非線形歪み補償方法。
  5. 前記歪み補償係数生成ステップは、前記入力信号である直交座標系のベースバンド信号と前記帰還信号の直交座標系の信号とのタイミング合わせをなすステップと、このタイミング合わせ後の両信号を極座標系の信号に変換する第一のピタゴラス変換ステップと、この変換後の両信号の各振幅成分と各位相成分との差分をそれぞれ算出して前記歪み補償係数を生成するステップとを有することを特徴する請求項4記載の非線形歪み補償方法。
  6. 前記入力信号を極座標系の信号に変換する第二のピタゴラス変換ステップと、前記歪み補償ステップによる補償後の極座標系の信号を前記直交座標系の信号に変換するピタゴラス逆変換ステップとを更に含み、前記アドレス生成ステップは前記第二のピタゴラス変換ステップによる極座標系の信号の振幅成分の履歴に応じて前記アドレスを生成し、前記プリディストーションは極座標系の信号に対して行うようにしたことを特 徴とする請求項5記載の非線形歪み補償方法。
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