JP2012105952A - スプリンクラヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放水口12を有するヘッド本体10と、放水口12の下端または内側に設けられた弁体30と、弁体30を支持する弁体支持機構50とを有するスプリンクラヘッド。弁体支持機構50は、下部にフランジ部を有する円筒状のプランジャー52と、プランジャー52のフランジ部に設けられる感熱体55と、感熱体55に接し、椀状に形成された感熱板カバー80と、感熱板カバー80内に設けられ、感熱体55に直接または間接的に接する平板状の感熱板71とを備える。感熱板カバー80には、感熱板71の周縁に熱気流に触れるように、感熱板71の周縁と対向する位置に、開口部80bが設けられる。
【選択図】図6
Description
放水口を有するヘッド本体と、該放水口の下端または内側に設けられた弁体と、該弁体を支持する弁体支持機構とを有するスプリンクラヘッドにおいて、
前記弁体支持機構は、
下部にフランジ部を有する円筒状のプランジャーと、
該プランジャーのフランジ部に設けられる感熱体と、
前記感熱体に接し、椀状に形成された感熱板カバーと、
前記感熱板カバー内に設けられ、前記感熱体に直接または間接的に接する平板状の感熱板とを備え、
前記感熱板カバーには、感熱板の周縁に熱気流に触れるように、前記感熱板の周縁と対向する位置に、開口部が設けられる。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドにおいて、前記弁体支持機構は、弁体とプランジャーとの間にプランジャーに結合するセットスクリューを有しており、前記プランジャーは、内部に孔を有する周壁部を有しており、該周壁部は、フランジ部に設けた感熱体との接触部分にセットスクリューとの結合部分よりも内外径差が小さい薄肉部を有する。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドは、前記プランジャーの孔に断熱部材を設置した。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドにおいて、前記断熱部材がプランジャーの端面より突出する突出部を有する。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドにおいて、前記感熱板カバーの板厚は、前記感熱板の板厚より厚く形成される。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドにおいて、前記感熱体は、ドーナツ状に形成され、前記感熱板カバーの開口部の幅は、前記感熱体の外径より大きく形成される。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドでは、プランジャーにおける感熱体との接触部分がセットスクリューとの結合部分よりも周壁部の断面積が小さい。このため感熱体との接触部分よりも熱伝導抵抗が大きい前記結合部分へと熱が逃げ難くなり、前記接触部分での感熱体の溶融を促進させることができる。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドでは、断熱部材を設置することで感度性能を向上することができる。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドでは、感熱体との前記接触部分の内側に断熱部材を設置することで、プランジャーを補強することができるので、耐衝撃性能を向上することもできる。こうした断熱部材としては例えば樹脂製のものを使用できる。
また、本発明に係るスプリンクラヘッドでは、外部から衝撃を受けた場合に断熱部材にぶつかるようにすることでプランジャーや感熱板の変形を抑制できる。したがって放水作動時に分解変位するプランジャー等の部材の変形を防ぐことができる。
図1は、本発明の実施形態1に係るスプリンクラヘッドの縦断面図である。
このスプリンクラヘッド1は、ヘッド本体10、フレーム20、弁体30、散水部40及び弁体支持機構50(ボール保持機構60)を備えている。
ヘッド本体10の内側には円筒状の放水筒16が下方に突出して形成されている。また、放水筒16の下端部には、例えば、平らに形成された弁座17が形成されており、弁体30によって塞がれている。この放水筒16の下端部に、弁体30の外周が嵌るような段部を設けるようにしてもよい。なお、ヘッド本体10は、フランジ13の下側の内周部と放水筒16との間に略穴状または略リング状の空間18が形成されており、この空間18には後述のガイドロッド42が収納される。
弁体30は弁座17と接触し、止水を保つためのフランジ部31と、フランジ部31の下側に突出した、円筒状の脚部とを有しており、この脚部は、その上部がデフレクタ41の中央開口部(穴)よりわずかに小径の溝部となっており、溝部の下側がデフレクタ41の中央開口部の穴径よりもわずかに大径の円筒形状となっている。このため、デフレクタ41は、弁体30への接続箇所(溝部)で、回動可能な状態となっている。
ストッパリング43には、ガイドロッド42を挿通させるための挿通穴(例えば3つ)が設けられており、この挿通穴により、ストッパリング43は、放水動作時に、ガイドロッド42に摺動して係止段部22まで移動可能となるようにガイドロッド42に取り付けられている。見方をかえると、ガイドロッド42は、放水動作時に、ストッパリング43の挿通穴に沿って下方に移動可能となるようにストッパリング43に取り付けられている。なお、この挿通穴は、段部42aより小さく形成されている。このストッパリング43は、通常時は、デフレクタ41上に設置され、フレーム20の高さ方向のほぼ中間であって、フレーム20に設けたスリットに対向する位置に設けられている。なお、このスリットは、必ずしもストッパリング43と対向する位置に設けなくてもよい。
なお、コイルばね44は、フレーム20の内周面に接するような大きさ(外径)を有しており、ヘッド本体10の外周部の下方とストッパリング43の外周部との間に設けられており、コイルばね44の設置には大きなスペースがいらないようになっている。
弁体支持機構50は、感熱部51、ボール保持機構60、皿ばね64及びセットスクリュー65を備えている。
プランジャー52は、円筒状に形成され、下部にフランジ部52aが形成されている。また、フランジ部52aは、その下面が感熱板53下面より突出して形成されている。プランジャー52の内部には、雌ねじ52bが形成され、セットスクリュー65の脚部にある雄ねじがねじ込まれ両者は結合している。プランジャー52の上部からドーナツ状の感熱体(例えば半田等)55が挿入され、プランジャー52のフランジ部52a上に載っている。この感熱体55の上部に、円板状であって、断面クランク型の感熱板53が設けられている。即ち、この感熱板53は、プランジャー52のフランジ部52aに設けられた感熱体55を覆う突部53aと、この突部53aに連続し、ヘッド本体10の軸芯に対して直交する方向に延びた円板部53bとを備えている。そして、感熱板53には、後述するボール保持機構60によって感熱体55を圧縮するように力がかかっている。
ボール61の外周下部は、フレーム20の係止段部22に係止されている。この状態で、ボール61を上から押さえるのがスライダー62であり、スライダー62からボール61に力がかかることで、ボール61には内側に入り込む方向に力が作用する。
バランサー63は、ボール61の内側に設けられ、この内側に入りこもうとするボール61の動きを規制する。スライダー62及びバランサー63は、ともに円板状に形成され、中央には貫通穴があり、バランサー63の貫通穴にはプランジャー52が貫通している。プランジャー52の外径は、バランサー63の貫通穴の内径よりもわずかに小さく、両者は結合していない。またスライダー62の貫通穴の内径は、セットスクリュー65の脚部の外径よりもわずかに大きく形成され、両者は結合していない。
皿ばね64は、図4に示されるように、中央に貫通穴64aのあるものが使用される。そして、中央の貫通穴64aから均等に60°の間隔で放射状にスリット64bが設けられている。またスリット64b間には、貫通穴64cが設けられている。この皿ばね64は、例えば3枚上下方向に組み合わせ、弁体30とスライダー62との間に配置される。なお、この皿ばね64の詳細は後述する。
図2(a)〜(d)は、スプリンクラヘッド1の動作過程を示した図である。
(a)スプリンクラヘッド1の監視状態においては、ヘッド本体10の放水口12には加圧された消火水が供給されており、弁体30には消火水の圧力が加えられている(図1参照)。火災が発生し、その熱気流が感熱板53に当たると加熱され、感熱板53の熱は感熱体55へ伝播する。そして、感熱体55が周囲から加熱されて溶融し始めると、溶融した感熱体55はプランジャー52と感熱板53(突部53a)との間に形成された隙間から流出してその体積が減少する(図2(a))。
このときバランサー63によって上方から押されたボール61が内側に移動することになるが、ボール61が移動しても弁体30は弁座17に圧接されて、放水口12を塞いだ状態を維持する。これは、皿ばね64の作用によるもので、皿ばね64を複数枚重ねることで、皿ばね64が弁体30によるシールを維持できるだけの所定量のストロークを有するためである。こうしてボール保持機構60が完全に落下するまで弁体30が弁座17から離れるのを防止して、確実に動作できるようにしている。
本実施の形態では、放水動作時において、デフレクタ41は、ガイド部材43aによりガイドされながらガイドロッド42と共に下降するので、デフレクタ41の下降動作が円滑に行われる。またストッパリング43をフレーム20の高さ方向のほぼ中間に設けることで、ストッパリング43自体の下降量も減らせるので、放水時の動作がスムーズになる。
ところで、ストッパリング43のガイド部材43aは、上方に折り曲げられており、このため、放水時の散水障害となりにくい。この点について説明すると、従来のガイド部材は、下方に折り曲げられていたものがあるが、この場合、ガイド部材の長さが長かったり、太かったりすると、放水時、弁体にあたった水が反射する際など、ガイド部材に水があたって、ガイド部材が散水の障害となっていた。つまり、ガイド部材43aを上方に折り曲げ、放水時における弁体30との距離を離すことで、ガイド部材43aが散水障害となるのを防止できる。
図3は、プランジャー52の詳細を示した断面図である。
図1のプランジャー52は、上記のように、その先端部が感熱板53よりも下方に突出して設けられている。図1からその該当部分を抽出すると、図3に示されるようになるが、何らかの物がスプリンクラヘッド1にぶつかった場合(特に下方から)には、プランジャー52がこのように突出しているので、その物がプランジャー52に当たり、感熱板53に、その物が当たるのが避けられる。プランジャー52は、感熱板53に比べてその剛性が高くなるような部材で構成されているので、変形するおそれがない。このため、プランジャー52が感熱板53に食い込むようなおそれがなく、作動不良が起きない。
まず、スライダー62、ボール61などからなるボール保持機構60を有するスプリンクラヘッド1に求められる構成について説明する。ボール61がフレーム20の係止段部22から完全に外れる前に、弁体30が弁座17から離れると、作動途中の漏水によって不作動を生じるおそれがあることから、スプリンクラヘッド1には、弁体を支える残存荷重が必要となる。また、残存荷重を確保するためには、スライダー62の下降量(作動ストロークという)を抑える必要がある。このため、従来では、コイルばねのような変位量の大きいばねを使用することで、スライダー62の作動ストロークよりもコイルばねの変位量を大きくして、作動途中の水漏れを防止している。
本発明では、スライダー62の形状を変更することで、スライダー62の作動ストロークを小さくし、かつ、皿ばね64の形状を工夫することで、皿ばね自体の変位量を大きくして、嵩張るコイルばねを使わずに済むようにした。
スライダー62はこのような形状が採用されたことにより、ボール61がスライダー62の内側に入り込んでバランサー63に乗り上げるときの、スライダー62の軸方向の移動量(作動ストローク)が、スライダー62の内側に凹部が設けられずに平らになっている場合(従来例)に比べて少なくて済み、このため、皿ばね64に必要な変位量、つまりボール61が係止段部22から完全に外れるまで弁体30を弁座17に圧接しておくために必要なストロークを少なくすることが可能になっている。
次に、図1の皿ばね64について説明する。
図4(a)(b)(c)(d)(e)は、皿ばねの平面図、正面図、側面図、斜視図、及びE−E断面図である。
この皿ばね64は、中央に貫通穴64aが設けられており、この貫通穴に連続するように放射状の6本のスリット64bが設けられている。スリット間には、扇型状(三角形状で角が円弧状になった)貫通穴64cが設けられている。
この皿ばね64は、上記のように、6本のスリット64bが設けられているが、このスリット64bの個数が例えば4本のように少ないと(従来例)、応力が高くなり皿ばねが割れる、バックリングを起こす、経年変化を起こしやすいという不具合がある。また、スリット64bが10本以上あると(従来例)、荷重不足、撓み量の不足、皿ばねが元の形状に戻らない、という不具合がある。このようなことから、本実施の形態においては、スリット64bの個数を例えば6個にしている。
また、スリット間の貫通穴64cの形状は、三角形で角を円弧状(扇型状)にしているが、これは各部にかかる応力を分散するためである。なお、この貫通穴の形状が、従来のように、長穴や四角であると応力が分散せず、大きな荷重がかかった際、皿ばねが割れることになる。
この皿ばね64は、荷重を受ける部分と、内周部(中心側)に形成される撓む部分とに分けられる。荷重を受ける部分は、皿ばねの外周部(周縁部)が相当し、撓む部分はスリット部の形状が相当する。これらの2つの部分をバランス良く変化させることで、皿ばねを任意の荷重と撓み量にすることが可能になっている。更に、応力を分散させるため、割れたりバックリングが発生したりすることはない。このため、従来の皿ばねでは達成できなかった高荷重と高変位量の2つを両立している。
本実施形態においては、皿ばねを、放射状のスリットと、スリット間に設けられる貫通穴とからなる断面形状が蓮根型となるものを使用して、組立荷重と、止水に必要なストロークを確保するようしたが、スプリンクラヘッドに使用される皿ばねの形状は、この形状に限定されない。例えば、組立荷重と止水に必要なストロークを有するもので、かつ耐食性を考慮したものであれば、適時1枚から複数枚の類似の皿ばねを組み合わせて使用するようにしてもよい。
図6は、本発明の実施の形態2に係るスプリンクラヘッドの縦断面図であり、図7は、図6のスプリンクラヘッドの分解斜視図である。これらの図において、図1と同一図面符号はその名称及び機能が同一であり、上記の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、図7はコイルばね44の図示が省略されている。
ヘッド本体10とフレーム20との結合関係は、ヘッド本体10に雌ねじが設けられ、フレーム20に雄ねじが設けられており、フレーム20の雄ねじがヘッド本体10の雌ねじに係合して両者が結合されている。このため、ヘッド本体10とフレーム20との結合関係において、図1の実施の形態とは、雄ねじと雌ねじの関係が逆になっている。
スプリンクラヘッドの弁体30は、弁体30の下方にセットスクリュー65の上部が収まる凹部がある点では同じであるが、セットスクリュー65内に挿通された皿ばね64と、弁体30との間には、ワッシャーBが設けられる。ワッシャーBは、所定の厚みを有するドーナツ状の円板である。散水部40のデフレクタ41の下面には、図5に示すように、ガイドロット42の下端、及びガイドロッド42と対向する部分の下方に折り曲げられたデフレクタ41の羽(爪)等が出っ張り部分として形成されることから、このワッシャーBを設けることでデフレクタ41の下面の出っ張り部分をワッシャーBの上面でうけて、皿ばね64に均等な力をかけるようにしてある。
スプリンクラヘッドの散水部40は、その基本構成は図1の実施の形態と同じであるが、コイルばね44が、ヘッド本体10の空間18の上部とストッパリング43との間に装着されており、この点が図1の例とは相違している。
図8は、弁体支持機構50のプランジャー52の断面図である。
弁体支持機構50のプランジャー52は、その先端部が感熱板カバー80よりも下方に突出して設けられている。何らかの物がスプリンクラヘッド1にぶつかった場合(特に下方から)には、プランジャー52がこのように突出しているので、その物がプランジャー52に当たり、感熱板カバー80に、その物が当たるのが避けられる。プランジャー52は、感熱板カバー80に比べてその剛性が高くなるような部材で構成されているので、変形するおそれがない。このため、プランジャー52が感熱板カバー80に食い込むようなおそれがなく、作動不良が起きない。
図9(a)(b)(c)は、感熱板カバー80の平面図、正面図及びC−C断面図である。
感熱板カバー80は、実施形態1の感熱板53をお椀状に形成して、上側にある感熱板71を覆えるようにした点で、実施形態1と異なる。つまり、感熱カバー80は、下側がお椀状に形成されており、上部が開口し、その中央部にはプランジャーが挿通する開口部80aが形成されている。更に、その周壁には、外気を感熱板71側に取り込むためのスリット状の開口部80bが形成されている。感熱板カバー80は、感熱板71を収納し、その開口部80bはその高さ方向の中央部に感熱板71の周縁部が位置するようにして感熱板71の周縁部が露出するようにし(図6参照)、熱気流が感熱板71の周縁部に直接触れるように構成されている。このように開口部80bを通過した熱気流が直接当たるように、感熱板71の外径は、フレーム20の係止段部22の内周側の径とほぼ等しい大きなものが使用されている。
なお、感熱板71は、図6及び図7に示されるように、平板状に形成され、金属製の感熱カバー80の開口80aの外側部分を介して感熱体55と熱的に接続されている。そして、感熱板71は、上記のように、感熱板カバー80に収納されている。なお、感熱板71は、感熱体55に熱を伝達することができれば良いので、それが可能であれば、感熱板71が感熱体55に接するのは直接又間接の何れでも良い。
なお感熱板カバー80の開口部80bの高さは、開口部80bの下辺が、感熱体55の上面とほぼ同じ高さかまたは、それよりも下側に位置するように設計されており、更に、開口部80bの幅は、ドーナツ状の感熱体55の外径(即ちプランジャ52の外径)より大きく形成されている。これにより、開口部80bを通過した熱気流が感熱体55の加熱を促進するようにしてある。
図10(a)(b)は、ボール保持機構60のスライダー62の斜視図及び正面図である。 実施の形態1のスライダー62は、平らな板の下面を全周にわたって切削してボール61の接触面である凹部62aを形成したものである。これに対して、本実施形態2のスライダー62は、平らな板をプレス加工したものである。つまりボール61との接触面の部分だけを斜め上方に折り曲げて凹部62aを形成したものである。
なお、スライダー62と皿ばね64との間には、ワッシャーAが設けられる。ワッシャーAは、ドーナツ状の薄い円板から構成されている。ワッシャーAを設ける理由は、スライダー62の外周にあるボール61との接触部が上方に折れ曲がっているため、その傾斜に合わせて、皿ばね64とスライダー62との間の距離を保つためのスペーサとして機能させるためである。
図11(a)〜(e)は、皿ばね64の平面図、正面図、右側面図、斜視図、E−E断面図である。
この皿ばね64は、外周部64eとそれから中心に向かって突起した突起部64fとから構成されている。外周部64eは荷重を受ける機能を果たし、突起部64fはたわみ(変位量)として機能するように構成されている。突起部64fは、図示のように、ほぼ同じ幅(平行)から成っており、その根元は円弧状に形成されている。突起部64fの先端同士の間隔は、図4の貫通穴64aの径と同様な長さとなっている。また、この皿ばね64は、中心に向かうに従って高くなるように形成されており、そして、ワッシャーAとワッシャーBとによって挟み込まれるようにして構成されている(図6参照)。このようにして構成したことにより皿ばね64それ自体の構成と均等な力が加わることにより、従来の皿ばねが例えば3枚必要であったとしても、1枚の皿ばね64で同様な機能を得ることが可能になっている。
セットスクリュー65の頭部は弁体30の底面の凹部32に収容されている。実施形態1ではセットスクリュー65の頭部外周と弁体30の凹部32の内周の隙間はごく僅かである。しかしながら、本実施形態では大きな隙間32Aが形成されるようにしている(図6参照)。さらにセットスクリュー65の頭部端面は球面状に形成されており、凹部32の底面とは球面部が接触している。
また、セットスクリュー65の頭部に挿通される皿ばね64は外周縁が弁体30側、内周縁がスライダー62側に配置される。
これらの構成は、セットスクリュー65が凹部32の内部で傾くことを許容するためのものである。即ち、図12(b)で示すようにボール保持機構60が傾いて作動した場合に、セットスクリュー65の頭部が球面部であるため、弁体30の凹部32の底面との摩擦抵抗が低減される。またセットスクリュー65の頭部と弁体30の凹部32との間の隙間32Aを設けたことで、凹部32の内部でのセットスクリュー65が傾くことが可能となり、それによりセットスクリュー65がボール保持機構60の傾きに追従しやすくしている。そして皿ばね64が圧縮状態から無荷重状態に復元する際に、ボール保持機構60の傾きを吸収してワッシャーBが傾くことを防止している。これによりセットスクリュー65が傾いても弁体30の閉止状態が維持され、ボール保持機構60がフレーム20から脱落するまでに弁体30が開いて放水筒16からヘッド本体10の水が漏れないようになっている。
そして、感熱体55が溶融し始めると、溶融した感熱体55はプランジャー52と感熱板カバー80との間に形成された隙間から流出してその体積が減少する。
このときバランサー63とスライダー62によって上方から押されたボール61は内側に移動する力を受けており、後述するようにバランサー63が感熱板カバー80側へ降下してボール61が移動しても弁体30は弁座17に圧接されて、放水口12を塞いだ状態を維持する。これは、皿ばね64の作用によるもので、皿ばね64は中心に向かうに従って高くなるように形成されており、ワッシャーAとワッシャーBとによって挟み込まれるようにして構成することで、皿ばね64が弁体30によるシールを維持できるだけの所定量のストロークを有するためである。こうしてボール保持機構60が完全に落下するまで弁体30が弁座17から離れるのを防止して、確実に動作できるようにしている。
以上のようにして弁体30が降下すると放水口12は開放され、加圧された消火水がデフレクタ41を介して散水されて火災を消火する(図12(d))。
本発明の各実施形態においては、ボール、スライダー、バランサーによるボール保持機構を備えた弁体支持機構によって弁体を支持するスプリンクラヘッドで実施形態を説明したが、感熱体である半田を圧縮する一般的なピストンを有するフラッシュ型のスプリンクラヘッド、例えば、一対のアームから弁体支持機構を構成したレバー式のスプリンクラヘッドに本発明を適用するようにしてもよい。
また、弁体を、放水筒の下端にある弁座に圧接させたが、弁体は、放水筒の内側に設けるようにしてもよい。
なお、ガイドロッドに対して、ストッパリングだけを摺動可能な状態に取り付けたが、デフレクタもガイドロッドに対して摺動可能な状態で取り付けるようにしてもよい。
また、実施形態2では感熱板71を備える実施形態を示したが、図14で示すように感熱板71を備えない実施形態として構成することもできる。
また、断熱部材81はプランジャー52の端面から突出するように設置している。このため下方から物がぶつかる際に最も突出している断熱部材81に当てやすくすることができ、消火時の動作に影響するプランジャー52や感熱板53ができるだけ変形しないようにすることができる。
なお、実施形態2のプランジャー52にも図15で示す断熱部材81を設置してもよい。また断熱部材81は硬質材料、例えば硬質樹脂にて形成することができる。またプランジャ−52には、感熱板と感熱板カバーのいずれか一方が設けられればよく、感熱板カバーの形状は椀状に形成されていなくてもよい。
Claims (6)
- 放水口を有するヘッド本体と、
該放水口の下端または内側に設けられた弁体と、
該弁体を支持する弁体支持機構とを有するスプリンクラヘッドにおいて、
前記弁体支持機構は、
下部にフランジ部を有する円筒状のプランジャーと、
該プランジャーのフランジ部に設けられる感熱体と、
前記感熱体に接し、椀状に形成された感熱板カバーと、
前記感熱板カバー内に設けられ、前記感熱体に直接又は間接的に接する平板状の感熱板とを備え、
前記感熱板カバーには、前記感熱板の周縁に熱気流に触れるように、前記感熱板の周縁と対向する位置に開口部が設けられたことを特徴とするスプリンクラヘッド。 - 前記弁体支持機構は、弁体とプランジャーとの間にプランジャーに結合するセットスクリューを有しており、
前記プランジャーは、内部に孔を有する周壁部を有しており、
該周壁部は、フランジ部に設けた感熱体との接触部分にセットスクリューとの結合部分よりも内外径差が小さい薄肉部を有することを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。 - 前記プランジャーの孔に断熱部材を設置したことを特徴とする請求項2記載のスプリンクラヘッド。
- 前記断熱部材がプランジャーの端面より突出する突出部を有することを特徴とする請求項3記載のスプリンクラヘッド。
- 前記感熱板カバーの板厚は、前記感熱板の板厚より厚く形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスプリンクラヘッド。
- 前記感熱体は、ドーナツ状に形成され、前記感熱板カバーの開口部の幅は、前記感熱体の外径より大きく形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスプリンクラヘッド。
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