JP2021013682A - スプリンクラーヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】スプリンクラーヘッドの作動時においてデフレクターがフレーム内部をスムーズに移動可能なスプリンクラーヘッドを提供する。【解決手段】消火水を放出するノズルを有する本体と、ノズルを閉止する弁体3と、ノズルに対する弁体3の閉止状態を保持し、分解作動時に閉止状態を開放する感熱分解部と、ノズルから放出される消火水をノズルの軸交差方向で外向きに飛散させる複数の羽46を有するデフレクター41と、消火水を飛散させるデフレクター41を支持する支柱43とを備える。複数の羽46は、ノズルから放出された消火水を受け止めるデフレクター41の受け面(弁体支持部41a)から本体側に向けて伸長しており、さらに、支柱43の先端(本体側端部43B)と羽46の先端との間を支柱43に沿って移動可能なガイドリング44を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、消火用のスプリンクラーヘッドに関する。
スプリンクラーヘッドは、火災の熱を感知して消火液(消火水)を散布するものである。スプリンクラーヘッドは、給水配管に接続されたノズルと、火災を感知して分解作動する感熱分解部とを備えている。ノズルと感熱分解部との間には、弁体と例えば皿ばねでなる弾発体とが設置されており、火災のない平時には、ノズルの出口は弁体によって閉止されている(例えば特許文献1参照)。
特開2012−105952号公報 実開平05−051370号公報
例えば円筒状に形成されたスプリンクラーヘッドにおいて、その径方向に小さな寸法、すなわち小さな外径を有することで意匠性に優れた製品が知られている。このようなスプリンクラーヘッドでは、その外径の大型化を抑えるために、通常のスプリンクラーヘッドに比べて小型化された構成部品が用いられている。しかしながら、一般的に、このようなスプリンクラーヘッドは、その代償として、その軸方向における全長が伸びてしまっている。
例えば、特許文献2には、埋め込み型スプリンクラーヘッドが開示されている。この埋め込み型スプリンクラーヘッドでは、ノズルから噴出された消火液を径方向における外方に向かって四方に分散させるデフレクターと、このデフレクターをスプリンクラーヘッドに対してつるした状態で支持する支柱とが一体に形成されている。このようなスプリンクラーヘッドでは、その分解作動前においてスプリンクラーヘッドのフレーム内に支柱の収容スペースを確保するために、フレームが、通常のスプリンクラーヘッドよりもその軸方向に長く構成されている。
さらに、このようなスプリンクラーヘッドでは、構成部品どうしの間隔がより狭く配置されており、スプリンクラーヘッドの作動時において部品が干渉しないように構成しなければならない。特に、デフレクターは、フレーム内部を移動してフレーム外部に突出することから作動時の変位量が大きい部品である。
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的は、スプリンクラーヘッドの作動時において、デフレクターがフレーム内部をスムーズに移動可能なスプリンクラーヘッドを提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明は、以下の特徴を有するものとして構成される。
すなわち、本発明は、消火液を放出するノズルを有する本体と、前記ノズルを閉止する弁体と、前記ノズルに対する前記弁体の閉止状態を保持し、分解作動時に前記閉止状態を開放する感熱分解部と、前記ノズルから放出される前記消火液を前記ノズルの軸交差方向で外向きに飛散させる複数の羽を有するデフレクターと、前記消火液を飛散させる前記デフレクターを支持する支柱とを備えるスプリンクラーヘッドについて、前記複数の羽は、前記ノズルから放出された前記消火液を受け止める前記デフレクターの受け面から前記本体側に向けて伸長しており、さらに、前記支柱の先端と前記羽の先端との間を前記支柱に沿って移動可能なガイドリングを備えることを特徴とする。
本発明によれば、デフレクターを支持する支柱に沿って移動可能に取り付けられたガイドリングは、感熱分解部の本体からの離脱に伴ってデフレクター及び支柱が変位する際の横ずれや傾きを防ぐ。このため、本発明によれば、スプリンクラーヘッドが作動した際に、消火液が散布される所定の位置までデフレクターを確実に変位させることができる。
前記支柱は、前記デフレクターの前記受け面から前記本体側に向けて前記ノズルの外周面に沿って伸長しており、前記ガイドリングは、前記支柱の外周に沿って設置されるように構成できる。
本発明によれば、ガイドリングは、ノズルの外周面に沿って変位する支柱の外周に沿って設置されている。このため、スプリンクラーヘッドが作動してデフレクター及び支柱が変位する際に、ガイドリングは、ノズルの外周面から所定間隔で、支柱が移動する空間を保つことができる。
前記ガイドリングは、前記支柱が内部に収容されるガイド凹部を有するように構成できる。
本発明によれば、デフレクターが変位する際に、支柱をガイドリングのガイド凹部に沿わせて移動できる。そして、デフレクターの移動時において、ガイド凹部が支柱とガイドリングとの干渉を防止できる。
前記支柱の先端は、サポートリングに固定されるように構成できる。
本発明によれば、支柱の先端がサポートリングに固定されることで、支柱の強度が増加する。これに加えてデフレクターが変位する際に、ガイドリングと支柱に接続したサポートリングとの双方が支柱とともに移動するので、デフレクター及び支柱が変位する際の傾きを抑制する効果がさらに向上する。
前記スプリンクラーヘッドは、さらに、前記ガイドリングと前記本体との間に弾性部材を備えるように構成できる。
本発明によれば、弾性部材の荷重は、ガイドリングを介してデフレクター及び弁体に作用する。このため、感熱分解部が本体から離脱したときに、弁体をノズルから引き離すことができる。これによりノズル内部が負圧である負圧スプリンクラーシステムにも本発明のスプリンクラーヘッドを用いることができる。
前記支柱と前記サポートリングとは、前記弾性部材の内周側に収容されるように構成できる。
弾性部材は、本体と支柱の先端との間に配置される構成も考えられる。しかしながら、そのような構成では、弾性部材と支柱とが直列の配置となり、スプリンクラーヘッドの軸方向に長くなってしまう。これに対し、本発明によれば、支柱及びサポートリングの外側に弾性部材を並列で配置する空間が設けられるので、スプリンクラーヘッドの軸方向における全長を短くすることができる。
前記ガイドリングは、前記ノズルと前記羽との間に介在する爪を有するように構成できる。
本発明によれば、爪がノズルと羽との間に介在することで、デフレクターがノズルに対して偏芯することを抑制できる。
本発明によれば、デフレクターがノズルの軸方向に沿って変位する際には、ガイドリングがデフレクターの横ずれや傾きを抑制する。したがって、スプリンクラーヘッドの作動時においてデフレクターは、フレーム内部をスムーズに移動することが可能である。
本発明の一実施形態によるスプリンクラーヘッドの断面図。 図1のスプリンクラーヘッドの散液部における説明図であり、分図2(a)は散液部における断面図、分図2(b)は分図2(a)の断面指示線による断面図。 図1のデフレクターの曲げ加工前の展開状態での平面図。 図1のデフレクターの羽及び支柱の部分における説明図であり、分図4(a)は正面図、分図4(b)は分図4(a)の断面指示線による断面図。 図1のガイドリングにおける説明図であり、分図5(a)はガイドリングの断面図、分図5(b)は分図5(a)の底面図。 図1の感熱分解部の拡大断面図。 図1のスプリンクラーヘッドの作動過程を示す断面図であり、分図7(a)は作動前の説明図、分図7(b)は半田が融解した段階の説明図、分図7(c)は感熱分解部が脱落する途中段階の説明図、分図7(d)は散液部が変位する途中段階の説明図、分図7(e)は作動が完了して消火液を散布している段階の説明図。 図1の感熱分解部の要部拡大図であり、分図8(a)はセットピンとプランジャーの拡大図、分図8(b)はフレームとバランサーの拡大図。
以下、本発明の一態様であるスプリンクラーヘッドSの実施形態について図面を参照しつつ説明する。本明細書及び特許請求の範囲に「第1」、「第2」、「第3」と記載する場合、それらは、発明の異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。
スプリンクラーヘッドSの構成〔図1〜図6及び図8〕
スプリンクラーヘッドSは、本体1と、フレーム2と、弁体3と、散液部4と、「弾発体」としてのばね部材5と、感熱分解部6とを備えている。図1で示すように、スプリンクラーヘッドSは、円筒状に形成されている。スプリンクラーヘッドSの軸方向は、図1における上下方向に相当する。スプリンクラーヘッドSの軸交差方向は、スプリンクラーヘッドSの軸方向を中心とする放射方向であり、例えば図1における左右方向である。
スプリンクラーヘッドSの軸方向における最も上側に位置する本体1と、その下側に位置するフレーム2とは、スプリンクラーヘッドSの外装を構成している。他方で、弁体3と散液部4とばね部材5とは、フレーム2の内部空間に収容されている。そして、感熱分解部6は、スプリンクラーヘッドSの内部空間と外部とにまたがって配置されており、フレーム2からその一部がスプリンクラーヘッドSの軸方向における下方に向かって突出している。スプリンクラーヘッドSを構成する本体1、フレーム2、弁体3、散液部4、ばね部材5及び感熱分解部6のそれぞれの軸心は、全てスプリンクラーヘッドSの軸心と一致するように配置されている。
スプリンクラーヘッドSの本体1は、多重円筒状に形成されている。本体1は、その内部に、スプリンクラーヘッドSの軸方向に伸長する円筒状のノズル11を有している。すなわち、ノズル11の軸方向は、スプリンクラーヘッドSの軸方向と一致している。そして、ノズル11の軸交差方向における軸心(中心軸)も、スプリンクラーヘッドSの軸心と一致している。ノズル11は、スプリンクラーヘッドSから散布される消火液、例えば消火水の流路である。ノズル11は、その下端に、ノズル11の出口となるノズル端11aを有している。消火水は、ノズル端11aから下方に向かって放出される。ノズル端11aは、弁体3に突き当たるようにして接触しており、火災が生じていない平時においては、弁体3によって閉止されている。
本体1の上端側の外周には、消火水を供給する給水配管(図示略)に接続する給水配管接続用ねじ部12が設けられている。本体1の軸方向における中間部分の外周、すなわち、給水配管接続用ねじ部12の下方には、フランジ部13が形成されている。フランジ部13は、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向における外向きに突出する円環状の基端部分と、基端部分からノズル11と同心状に伸長する円筒部分とを有する。フランジ部13とノズル11との間には、空隙部15が形成されている。そして、フランジ部13の内周面には、フレーム2と接続するフレーム接続用ねじ部14が設けられている。
フレーム2は、フランジ部13の内周と略同じ外径を有する円筒状に形成されている。フレーム2の上端側の外周には、フレーム接続用ねじ部14と接続する本体接続用ねじ部21が設けられている。スプリンクラーヘッドSは、連結部を構成するフレーム接続用ねじ部14と本体接続用ねじ部21とを締結することで、本体1とフレーム2とが連結して一体化するように構成されている。フレーム2の下端の内周には、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向における内向きに突出する円環状の段部22が形成されている(図1、図6、図7(a)及び図8(b)参照)。段部22は、感熱分解部6が係止するように構成されている。図6、図7(c)及び図8(b)で示すように、段部22の内周面と上面との間には、面どうしが交差する角を欠落する面形状とすることで上側傾斜面23が形成されている。上側傾斜面23は、環状に形成されている。上側傾斜面23よりも下側の段部22の内周面には、フレーム2の外方に向かって湾曲する「下部内周面」としてのガイド部24が環形状とされている。ガイド部24は、後述するバランサー63の側面に形成されたガイド受け部63cに沿って設けられる。
弁体3は、ノズル11と散液部4との間に位置しており、ノズル11及び散液部4に対してスプリンクラーヘッドSの軸心周りに回転可能に構成されている。図1及び図2(a)で示すように、弁体3は、ディスク3aと、凸部材32とを有している。ディスク3aは、円盤状に形成されており(図2(b)参照)、その外縁部3bにおいては、ノズル端11aと対向位置している(図1参照)。ディスク3aの軸心は、ノズル11の軸心と一致している(図2(b)参照)。ディスク3aの外縁部3bは、ノズル端11aの内径よりは大きく、ノズル端11aの外径よりは小さく形成されている(図1参照)。すなわち、外縁部3bは、ノズル端11aの内周と外周との間に位置している。ノズル11の先端(ノズル端11a)の内周には、段部でなる環状係止溝11bが形成されている。
図2(a)で示すように、ディスク3aの軸心付近には、ノズル11(図1参照)の内部(上方)に向けて突出する「柱部」としての円柱状の突起31が形成されている。そして、突起31には、「保持部材」としての凸部材32が取り付けられている。本実施形態の凸部材32は、ドーム状の樹脂成形体にて形成されている。凸部材32は、樹脂成形体であって、例えば金属と比べて柔軟であるため、ディスク3aへの取付けを容易に行うことができる。凸部材32には、弁体3の側(下端)から軸心に沿って突起31を圧入して保持する「柱部圧入孔」としてのディスク取付孔32aが形成されている。さらに、凸部材32には、ディスク取付孔32aと外部とを連通させる脱気孔32bがディスク取付孔32aからノズル11の内部(上方)に向かって伸長するように形成されている。突起31をディスク取付孔32aに圧入する際には、脱気孔32bからディスク取付孔32aの空気を逃がすことができるため、突起31がディスク取付孔32aの奥壁に当接するまで圧入して、凸部材32をディスク3aに対して確実に取り付けることができる。
本実施形態では、凸部材32とディスク3aとの接続部である突起31及びディスク取付孔32aは、いずれもノズル11(図1参照)内に配置されている。すなわち、突起31及びディスク取付孔32aは、消火水を閉止するノズル端11aと弁体3との接触部とは無関係の配置である。このため、突起31とディスク取付孔32aの圧入による接続の強度が若干弱くてもノズル11に充填されている水が接続部の隙間から外部に漏れることは無い。
ディスク3aの「ノズル側表面」としての上面には、「シート状止水部材」としての円環状の止水シート33が設けられている。止水シート33は、ノズル端11a(図1参照)とディスク3aとの間の接触部からノズル11内の消火水が外部に漏れ出すことを阻止する。止水シート33には、その軸交差方向における内周端に環状内縁33aが形成され、その軸交差方向における外周端に環状外縁33bが形成されている。環状内縁33aは、突起31を挿通する突起挿通孔として形成されている。また、環状内縁33aは、ディスク3aと凸部材32との間に位置している。すなわち、環状内縁33aは、凸部材32の底面と対向して位置している。環状外縁33bは、ノズル端11a(図1参照)とディスク3aの外縁部3b(図1参照)との間に位置している。環状外縁33bは、ノズル端11aの環状係止溝11b(図1参照)とディスク3aの外縁部3bとの間に挟まれており、押圧状態で保持される。止水シート33は、ノズル端11aと接触する範囲に位置していれば良く、その外径はノズル11の内径以上でありディスク3aの外径以下とする。
本実施形態の止水シート33の裏面には、粘着剤による粘着層が形成されている。止水シート33は、粘着層によりディスク3aの表面に貼り付けられている。止水シート33の環状内縁33aの側は、ディスク3aと凸部材32の底面との間に挟まれた状態で保持される「被保持部」となっている。したがって、経年劣化により粘着層の粘着力が低下しても、凸部材32がディスク3aから分離しない限り、止水シート33がディスク3aと凸部材32との間から外れることはない。よって、止水シート33は、粘着層の粘着力が低下しても、安定してディスク3aに保持される。
ディスク3aの「ノズル側表面」とは反対側である裏面の中央には、ノズル11の方向(上方)に向かってくぼんだピン受け凹部34が形成されている。ピン受け凹部34は、その軸心が上方に向かって押し込まれることによって、ディスク3aをノズル端11aに対して均等に押しつけるように構成されている。これによって、弁体3はノズル端11aを液密に閉止することができる。ピン受け凹部34の軸交差方向における外側には、円筒状の周壁35が形成されている。周壁35は、ディスク3aよりも小さな外径を有している。
図2(a)で示すように、散液部4は、デフレクター41と、サポートリング42と、支柱43と、ガイドリング44とを備えている。図1で示すように、散液部4は、火災を感知しない(スプリンクラーヘッドSの作動前の)平時には、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向でノズル11とフレーム2との間の空隙部15に収容されている。
図2(a)及び図2(b)で示すように、デフレクター41は、ノズル11と比べて大きな外径を有する有底筒状に形成されている。デフレクター41は、弁体支持部41aと、複数の羽46とを有する。弁体支持部41aは、デフレクター41の底面に位置しており、複数の羽46は、デフレクター41の側面に位置している。弁体支持部41aの軸心付近には、デフレクター41を軸方向に貫通する取付孔41a1が形成されている。取付孔41a1には、弁体3の周壁35が回転可能な状態でデフレクター41の軸方向に挿通されている。弁体3の周壁35よりもその軸交差方向における外側部分は、弁体支持部41aの内周側上面に載せられる。これによって、デフレクター41は、弁体3に対して回転可能に一体化される。ディスク3aの外縁部3b(図1参照)の外方に突出する弁体支持部41aの環状突出部41a2は、ノズル11から放出される消火水の「受け面」として形成されている。環状突出部41a2は、デフレクター41の内側底面を構成しており、ノズル端11aと対向して位置している。環状突出部41a2は、ノズル11から放出された消火水を受け止めて、デフレクター41の内側に一時的に溜めるように構成されている。
スプリンクラーヘッドSは、周囲からの熱を受けた場合に分解作動して、スプリンクラーヘッドSの本体1の四方八方(ノズル11(スプリンクラーヘッドS)の軸交差方向)に消火水を散布する必要がある。本実施形態では、デフレクター41がスプリンクラーヘッドSの分解作動に伴って本体1及びフレーム2に対して変位して、フレーム2からつり下げられた状態となることで、消火水を四方八方に散布させる。そして、デフレクター41をそのような配置とするためには、フレーム2と係合する支柱43が必要となる。
すなわち、デフレクター41には、スプリンクラーヘッドSの軸方向に沿うように弁体支持部41a側(下側)から本体1側(上側)に向けて伸長する支柱43が設けられている。支柱43は、デフレクター41の外周上に所定間隔で複数設けられており、デフレクター41をつり下げた状態で支持するように構成されている。
デフレクター41の構造は、金属平板を曲げ加工することで形成される。図3はデフレクター41の曲げ加工前の展開状態での平面図である。平板状に展開した状態のデフレクター41の弁体支持部41a(図2(a)参照)は、平面視で円形である。弁体支持部41aには、環状突出部41a2から放射状に伸長する4本の支柱43が弁体支持部41aの円周方向に90°間隔で形成されている。隣接する支柱43の間には、複数の羽46が環状突出部41a2から放射状に突出するように形成されている。複数の羽46は、その基端側(平面視で金属平板の中心側)で屈曲されることで、本体1側に向けて伸長する。隣接する支柱43と羽46との間及び隣接する2つの羽46,46の間には、それぞれ溝45が形成されている。これにより各支柱43と各羽46とは、それぞれ独立して環状突出部41a2に繋がっており、それぞれデフレクター41の軸交差方向における任意の位置で本体1に向けて屈曲させることができる。
羽46は、ノズル11から放出されて凸部材32及び環状突出部41a2に当接した消火水を、ノズル11の軸交差方向で外向きに飛散させるものである。図2(a)及び図2(b)で示すように、ノズル11(スプリンクラーヘッドS)の軸方向にそれぞれ伸長する複数の羽46は、弁体3を取り囲むように、デフレクター41の外側面41bを形成している。さらに、隣接する2つの羽46,46の間には溝45による流液スペース45Bが形成される(図4(a)及び図4(b)参照)。
複数の羽46と同じように、図3で示す支柱43の基端側を屈曲させることで、本体1側に伸長するデフレクター41の支柱43が形成される。支柱43の基端側における屈曲位置は、図3の破線で示す位置である。これに対して複数の羽46の基端側における屈曲位置は、図3の二点鎖線で示す位置である。そして、支柱43の屈曲位置は、複数の羽46の屈曲位置よりも、デフレクター41の軸心側となっている。これによって、図4(b)でも示すように、支柱43は、複数の羽46よりも、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向で軸寄りにずれた位置で、デフレクター41の弁体支持部41a(図2(a)参照)から本体1側に向けて伸長している。すなわち、支柱43は、デフレクター41の外側面41bよりも内側に位置することとなる。
このように、スプリンクラーヘッドSは、支柱43(支柱43の屈曲位置)が羽46(羽46の屈曲位置)よりもデフレクター41の軸心側に位置するように構成されている。そして、この構成によって、ノズル11から放出された消火水は、弁体3に衝突してデフレクター41の環状突出部41a2を流れて支柱43の側縁を通過し、支柱43と隣接する羽46から支柱43の裏側(外側面41b側)に回り込むことができる。
ここで例えば、支柱43の屈曲位置が、図3の二点鎖線で示す羽46の屈曲位置と同じ位置とする場合を比較例として想定する。この場合には、支柱43と羽46とがデフレクター41の軸交差方向で段差のない一連の内周面を形成するとともに、支柱43は羽46よりも高い壁となる。このため消火水は支柱43の裏側に十分に流れることができず、支柱43の裏側について必要な消火水の散布量を確保できなくなる。
これに対し、本実施形態のスプリンクラーヘッドSでは、支柱43が羽46よりもデフレクター41の軸心側に位置しているため、その軸交差方向で支柱43と羽46との間に段差ができる。この段差ができることで、消火水を支柱43の裏側に回り込ませることができる。図4(b)には、そのような消火水が流れる道筋を二点鎖線で示している。このように、デフレクター41は、消火水が流れる際に支柱43が壁となって散布量が不足しがちな支柱43の裏側への消火水の散布量を増やすことができる。よって、スプリンクラーヘッドSは、その全周方向に亘って消火水をむらなく散布することができる。
さらに、羽46の構成を工夫することで、支柱43の裏側への散布量を改善することもできる。図3、図4(a)及び図4(b)で示すように、複数の羽46のうち、デフレクター41の周方向において支柱43と隣接する第1の羽46Aは、支柱43と対向する側に第1の側縁部46Bを有している。そして、図4(a)で示すように、第1の側縁部46Bには、本体1側の角が欠落した角縁欠落部46bが形成されている。この角縁欠落部46bを有する第1の羽46Aは、角縁欠落部46bが無い羽と比べて、支柱43と第1の羽46Aの第1の側縁部46Bの本体側(角縁欠落部46b)との間に、より幅広の拡張流路45Aを形成することができる。ノズル11から流れてデフレクター41に溜まる消火水は、高さの低い(弁体支持部41aからの水位差の小さい)角縁欠落部46b(拡張流路45A)を通じて支柱43の裏側に流れやすくなる。こうしてデフレクター41は、支柱43の裏側への散布量を改善することもできる。
なお、角縁欠落部46bは、斜め直線状に角を欠落する例を示したが、円弧状、階段状等の他の形状に欠落してもよい。
さらに、複数の羽46のうち、デフレクター41の周方向において他の羽46と隣接する第2の羽46Cは、隣接する他の羽46と対向する側に、弁体支持部41a側から本体1側に向けて伸長する第2の側縁部46Dを有している。そして、図4(a)で示すように、第2の側縁部46Dは、隣接する他の羽46に対する距離が、弁体支持部41a側よりも本体1側において近い。このため、隣接する2つの羽46の間に形成される消火水の流液スペース45Bは、本体1側が狭く、デフレクター41の内側底面を構成する弁体支持部41a側が広い、くさび状(逆テーパ状)となる。
そして、流液スペース45Bにおけるデフレクター41の内側底面の側(下側)では、消火水が広幅の流路を通過することで、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向において比較的近い位置に散布される。他方、流液スペース45Bの羽46の本体1側(上側)では、消火水の流路が狭く絞られて散布量が抑制されるため、デフレクター41内の消火水の水位が上昇して羽46を乗り越える。この羽46を超えて流れる消火水は、流路底となる弁体支持部41aとの摩擦の影響が小さい位置(表層)での流れであるため、比較的大きな流速を有している。さらに、羽46の本体1側を超えて流れる消火水は、流液スペース45Bの影響を受けにくい。このため、羽46の本体1側(上側)を越えて流れる消火水は、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向でより遠い位置に散布される。よって、スプリンクラーヘッドSは、その軸交差方向における遠い位置と近い位置とに消火水をむらなく散布することができる。
さらに、第2の側縁部46Dが、弁体支持部41aの本体1側の面(上面)を基準として羽46の半分程度の高さまで垂直に形成され、そこから本体1側に向けて次第に羽46の幅が拡がるようなテーパー形状となるように、羽46を構成することもできる。こうした場合には、前述の構成と同様に流液スペース45Bの影響をより大きくすることができる。
ここで、図4(a)に示す流液スペース45Bの幅を羽46の本体1側と弁体支持部41a側とで同じにする構成、すなわち、互いに隣接する羽46の側縁部が平行となる構成も考えられる。しかしながら、このような構成の場合には、本実施形態の構成と比較すると、流液スペース45Bを通過する消火水の量が増え、それと相対的に羽46を乗り越える消火水の量は減少する。このため、スプリンクラーヘッドSに対して近い位置の散布量が増え、遠い位置への散布量が減少する。さらに、流液スペース45Bの幅を羽46の本体1側を広くして弁体支持部41a側を狭くする構成も考えられる。しかしながら、このような構成の場合には、流液スペース45Bの影響がより大きくなり、羽46の先端を乗り越えて流れる消火水が少なくなるのでスプリンクラーヘッドSから遠い位置の散布量がさらに減る傾向にある。
支柱43は、弁体支持部41a側から本体1側に向けて伸長する第3の側縁部43Aを有している。ここで、金属平板から、支柱43及び羽46となる部位を屈曲させた際に、デフレクター41の軸方向と平行に第3の側縁部43A、第1の側縁部46B及び第2の側縁部46Dを伸長させるのが、従来技術のデフレクターの構成である。これを実現するためには、例えば支柱43の第3の側縁部43Aと羽46の第1の側縁部46Bとは、図3で示す展開時において、平板の内周側から外周側に向かって離間する放射状に構成される必要がある。言い換えると、溝45及び溝45aは、扇形状や角丸三角形状とされる必要がある。
これに対し、本実施形態においては、図3で示すように、支柱43及び羽46を展開した平板の状態では、第1の側縁部46Bと第3の側縁部43Aとは平行に伸長している。言い換えると、支柱43と隣接する溝45aは、支柱43及び第1の羽46Aの双方と平行に伸長するU字状に形成されている。これは、第2の側縁部46D及び第2の側縁部46Dと隣接する溝45についても同様である。このような平板の外周側である支柱43及び羽46の部位を屈曲させると、図4で示すように、弁体支持部41a側が広幅であり、本体1側が狭幅となる消火水の流路を形成することができる。よって、スプリンクラーヘッドSは、その軸交差方向における遠い位置と近い位置とに消火水を、よりむらなく散布することができる。
図1で示すように、弁体3のディスク3aの外縁部3bは、支柱43及び複数の羽46(図2(a)参照)に対して離間して配置されている。これによって、スプリンクラーヘッドSが衝撃を受けても、ノズル11に対する弁体3のずれの発生を防ぐことができる。そして、羽46とディスク3aの外周の間にはノズル11の先端が挿通されている。このように構成されるスプリンクラーヘッドSにおいては、弁体3の外縁部3bと羽46との間にノズル11の先端を配置する空間を確保することができる。
サポートリング42は、ノズル11と比べて大きな外径及び内径を有する円環平板状に形成されている。サポートリング42は、支柱43を固定するものである。図2(a)で示すように、サポートリング42には、スプリンクラーヘッドSの軸方向に貫通する係合孔42aが形成されている。スプリンクラーヘッドSは、係合孔42aに支柱43を挿通するように構成されている。サポートリング42は、支柱43を固定することで、支柱43の強度を増加させることができる。これに加えて、サポートリング42は、デフレクター41が変位する際に、支柱43とともに移動するので、デフレクター41及び支柱43が変位する際の傾きを抑制することができる。サポートリング42は、スプリンクラーヘッドSの全周に亘って形成された円環状には限らず、隣り合う支柱43、43を固定するような円弧形状であっても良く、半円環形状であっても良い。
支柱43の「先端」としての本体側端部43Bは、円環平板状のサポートリング42に固定されている。図2(a)で示すように、支柱43は、本体1側に、弁体支持部41a側よりもデフレクター41の周方向に沿った幅(距離)が広い広幅部を有している(図3も参照)。さらに、広幅部よりも本体1側には、周方向両側に向かって突出する鍔部43aが形成されている。支柱43は、鍔部43aよりも本体1側がサポートリング42の係合孔42aに挿通されており、鍔部43aでサポートリング42の下面を保持するように構成されている。そして、支柱43の本体側端部43Bは、かしめ加工によってサポートリング42に固定されている。支柱43は、サポートリング42に支持されていれば良く、支柱43のサポートリング42への取付方法についての制限はない。
図2(a)で示すように、デフレクター41には、フレーム2の内径と比べて小さな外径を有する円環平板状のガイドリング44(図5参照)が取り付けられている。ガイドリング44は、支柱43の本体側端部43Bと羽46の先端との間を支柱43に沿って移動可能に配置されている。デフレクター41を支持する支柱43に沿って移動可能に取り付けられたガイドリング44は、感熱分解部6の本体1からの離脱に伴ってデフレクター41及び支柱43が変位する際の横ずれや傾きを防ぐ。このため、スプリンクラーヘッドSが作動した際に、消火水が散布される所定の位置、すなわちフレーム2の下方の外部までデフレクター41を確実に変位させることができる。
ガイドリング44は、ノズル11の軸方向に沿って変位する支柱43を干渉しないように誘導するガイド凹部47を有している。図5(b)で示すように、ガイド凹部47は、ガイドリング44の内周縁側に、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向における外方に向かって平面視で矩形状の板片が欠落するように形成されている。これによって、感熱分解部6の本体1からの離脱に伴ってデフレクター41がノズル11の軸方向に沿って変位する際に、支柱43をガイドリング44のガイド凹部47に沿わせて変位させることができる。そして、デフレクター41の移動時において、ガイド凹部47が支柱43とガイドリング44との干渉を防止できる。
図5(b)においてガイド凹部47は、ガイドリング44の周方向に等間隔で4箇所形成されている。図2(a)及び図5(a)で示すように、隣り合う2つのガイド凹部47、47の間には、ガイドリング44の形成面から直角方向に屈曲してディスク3a側に垂下した爪47aが設置されている。そして、図2(b)に示すように爪47aは、図中において二点鎖線で示すノズル11の外周面と羽46との間に介在するように配置されている。このように、爪47aがノズル11と羽46との間に介在することでデフレクター41がノズル11に対して偏芯することを抑制できる。
爪47aは、ノズル11と対向する平面47bを有しており、平面47bは、スプリンクラーヘッドSの作動時にノズル11の外周面と摺動する。このように、ガイドリング44の爪47aの平面47bはノズル11の外周面と面接触した状態で摺動する構成であるので、ガイドリング44は、ノズル11に対して横ずれや傾きが生じにくい。このため、散液部4の移動時において、ガイドリング44の外周縁がフレーム2の内周面に引っ掛かることなくスムーズな移動が可能になる。
爪47aの平面47bは、長方形の下に半円を組み合わせた形状をしており、ディスク3a側の端が半円状に丸められている。このため、スプリンクラーヘッドSが作動してガイドリング44が降下する際に、仮に爪47aがフレーム2やノズル11に接触することがあっても、引っ掛かりにくくなっている。
ガイドリング44は、羽46に載るように構成されている。これによって、後述のコイルスプリング48を配置する空間を削減してスプリンクラーヘッドSの軸方向における全長を短くすることができる。さらに、爪47aは、ディスク3a側に垂下する形状を有している。このため、ガイドリング44を羽46に載せた際に、据わりが良く、ガイドリング44の位置決めを容易とすることができる。
ガイドリング44は、スプリンクラーヘッドSの全周に亘って形成された円環状には限らず、個々の支柱43に対応して4つの円弧形状であっても良く、半円環形状であっても良い。しかしながら、ガイドリング44は、全周の円環状であると、変位する際の釣合いが取れて傾きが生じにくくなって好ましい。
ガイドリング44は、サポートリング42と支柱43とを組み合わせる前の段階で支柱43に挿通される。その際に、支柱43は、ガイド凹部47に収容された状態となるように配置される。
なお、ガイド凹部47は、ガイドリング44の内周縁側でなく、外周縁側において、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向における内方に向かって欠落するように形成されていても良い。この場合には、後述のコイルスプリング48は、ガイドリング44の内周縁側に配置される。
支柱43は、その上端である本体側端部43Bが、その下端であるデフレクター側端部43Cよりもデフレクター41の軸交差方向で外方に位置するように、支柱43の長手方向における中間部分に屈曲部43Dを有している。このように、支柱43は、本体1側がデフレクター41の軸交差方向における外方に位置している。このため、支柱43は、ガイドリング44との間の距離が、弁体支持部41a側で広く、本体1側では狭くなっている。よって、デフレクター41が感熱分解部6の本体1からの離脱に伴ってノズル11に沿って変位する際に、ガイドリング44は、変位の初期段階では支柱43とガイド凹部47との隙間が大きくスムーズに支柱43に沿って変位(摺動)する。他方で、ガイドリング44は、変位の末期段階ではガイド凹部47と支柱43との間隔が狭くなりデフレクター41の横ずれや傾きを抑制できる。
なお、支柱43は、本体側端部43Bがデフレクター側端部43Cよりもデフレクター41の軸交差方向で外方に位置するように構成されていれば良い。このため、支柱43は、屈曲部43Dを有さずに、本体側端部43Bとデフレクター側端部43Cとの間が斜め直線状に構成されていても良い。
サポートリング42、支柱43及びガイドリング44は、ノズル11の外周とフレーム2の内周との間の空隙部15に配置されている。さらに、ガイドリング44と本体1との間には「弾性部材」としてのコイルスプリング48が取り付けられている。コイルスプリング48はガイドリング44の外周縁側に配置されている。図1に示すように、コイルスプリング48の内周側には、サポートリング42と支柱43とが収容された状態となる。
ここで、コイルスプリング48は、本体1と支柱43の先端(本体側端部43B)との間に配置される構成も考えられる。しかしながら、そのような構成では、コイルスプリング48と支柱43とが直列の配置(一軸上に沿う配置)となり、スプリンクラーヘッドSの軸方向に長くなってしまう。これに対し、本実施形態によれば、支柱43及びサポートリング42の外側にコイルスプリング48を並列で配置する空間(空隙部15)が設けられるのでスプリンクラーヘッドSの軸方向における全長を短くすることができる。
コイルスプリング48は、ガイドリング44を介してデフレクター41をノズル11の軸方向における下方、すなわち本体1から離間する方向に付勢している。このため、コイルスプリング48の荷重がデフレクター41及び弁体3に作用する。よって、感熱分解部6の本体1からの離脱の際に、仮にノズル11の内部が負圧であっても、弁体3をノズル11から引き離してノズル端11aを開放できる。このため、ノズル11内部が負圧である負圧スプリンクラーシステムにもスプリンクラーヘッドSを用いることができる。
ばね部材5は、ノズル端11aを閉止するために弁体3をノズル11側に付勢するものである。図1で示すように、ばね部材5には、例えば金属皿ばね51が用いられる。ここでの皿ばね51は、図6で示すように、フレーム2の内部において、スプリンクラーヘッドSの軸方向における上側に位置する「第1の皿ばね」としての皿ばね51aと、下側に位置する「第2の皿ばね」としての皿ばね51bとからなる。皿ばね51a及び皿ばね51bは、デフレクター41の弁体支持部41aと略同じ外径を有している。皿ばね51aと皿ばね51bとは、いわゆる直列組合せで、互いの外周縁が重なるように配置されている。皿ばね51a及び皿ばね51bの孔には、スプリンクラーヘッドSの軸方向における上側から円柱状のセットピン52が挿通されている。皿ばね51a及び皿ばね51b並びにセットピン52は、弁体3と感熱分解部6の間に介在している。
一般的に、スプリンクラーヘッドSを小型化する際に皿ばね51も小型化されると、たわみ量、すなわち感熱分解部6が分解作動してフレーム2から脱落するまでの間に弁体3をノズル11側に押圧する力が減少する。しかしながら、本実施形態のスプリンクラーヘッドSでは、皿ばね51を複数設置することで必要な止水荷重を得ることができる。一方、皿ばね51を複数設置すると、皿ばね51の横ずれや感熱分解部6の動作過程において傾きが発生するリスクが高まる。しかしながら、本実施形態のスプリンクラーヘッドSでは、後述のようにガイド受け部63cがフレーム2のガイド部24から抜け出るまでは感熱分解部6及び皿ばね51の傾きが抑制される。そして、ガイド受け部63cがフレーム2のガイド部24から抜け出た後には、それぞれの皿ばね51の横ずれや傾きを許容しているので、感熱分解部6がフレーム2から外れる動作を促進することが可能である。
図8(a)で示すように、セットピン52の軸方向における中間部分の外周には、外向きに突出する円環状のフランジ53が形成されている。フランジ53は、皿ばね51aの内周縁側の上面に当たるように配置されている。セットピン52は、その軸方向における上端に、ピン受け凹部34に挿通される頭部54を有している。頭部54の先(上)端面は、ピン受け凹部34の平坦面の軸交差方向における中心に対して常に点接触で押圧するように曲面状に形成されている。このように、スプリンクラーヘッドSは、皿ばね51の付勢力による押圧荷重が、フランジ53及び頭部54を介してピン受け凹部34の平坦面の中心、すなわち弁体3の軸心に印加されるように構成されている。よって、スプリンクラーヘッドSは、弁体3の軸交差方向における周縁部において荷重が均一に加わり、ノズル端11aを確実に閉止するように構成されている(図1参照)。
図8(a)で示すように、セットピン52の軸方向における下端は、その軸心からの寸法が小さな細径部55となっている。細径部55よりも弁体3の側には、セットピン52の上側に向かって大径となる斜面56が形成されている。さらに、斜面56よりも弁体3の側には、セットピン52の軸方向でその軸心からの寸法が一定となるストレート部57が形成されている。これらの細径部55、斜面56及びストレート部57は、セットピン52の脚部を構成している。
図1で示すように、感熱分解部6は、複数のボール61と、スライダー62と、バランサー63と、プランジャー64と、シリンダー65とを備えている。感熱分解部6は、ノズル11に対する弁体3の閉止状態を保持し、スプリンクラーヘッドSの分解作動時に閉止状態を開放するものである。
図6で示すように、ボール61は、鋼製の球体であり、同じサイズのものが複数用いられている。図8(b)でも示すように、ボール61は、その下部が、フレーム2の段部22の上側傾斜面23に接触するように配置されている。
スライダー62は、皿ばね51a及び皿ばね51bと略同じ外径を有する円環平板状に形成されている。スライダー62は、皿ばね51bの内周縁側の下面と接触するように配置されている。スライダー62は、その下側の面における周縁に保持凹部62aを有している。保持凹部62aは、スライダー62の周縁に向かって板厚が薄くなるように傾斜している。保持凹部62aは、ボール61と同数設けられており、スライダー62の周方向に均等間隔で配置されている。複数の保持凹部62aのそれぞれには、複数のボール61のそれぞれが収容されている。
スライダー62は、皿ばね51bからの付勢力を受けてボール61を上方から押圧している。ボール61は、上側傾斜面23に接触するように配置されているため、ボール61には、下方かつスプリンクラーヘッドSの軸心側に移動する力が常時作用することとなる。このとき、複数のボール61がスライダー62の周方向に均等間隔で配置されているため、ボール61に印加される押圧荷重が均等になる。これによって、一部の部品へ押圧荷重が集中することを防いで部品の損傷を防止するとともに、押圧荷重の不均一によるスライダー62の傾きが防がれる。そして、スライダー62上に設けられたばね部材5によるノズル端11aを閉止する閉止荷重が、セットピン52を介して弁体3の軸心に印加されるので、ノズル端11aに均一に閉止荷重が印加され、ノズル11からの液漏れを防止できる。
スライダー62の軸心付近に形成されている孔には雌ねじが形成されている。フレーム2の内部空間に、ばね部材5、セットピン52及び複数のボール61とともに配置されたスライダー62に対し、バランサー63及びシリンダー65の取り付けられたプランジャー64が締結される。これによって、ばね部材5に付勢力を生じさせて弁体3がノズル端11aを閉止状態にするとともに、感熱分解部6が下方に押圧されながらフレーム2に取り付けられている。
バランサー63は、スライダー62よりも大きな外径を有する円筒状に形成されている。バランサー63の上面の外周部には、円環状に欠落した段部63bが形成されている。バランサー63は、段部63bの外周面でボール61と接触しており、下方かつスプリンクラーヘッドSの軸心側への力が作用するボール61の移動を阻止している。バランサー63がボール61の移動を押さえ込むことによって感熱分解部6はフレーム2と結合している。バランサー63の軸心付近には、プランジャー64の挿通される貫通孔が形成されている。
バランサー63の側面には、フレーム2のガイド部24と対向するガイド受け部63cが形成されている。ガイド受け部63cは、ガイド部24と摺動可能に構成されている。ガイド受け部63cは、感熱分解部6の作動の初期段階において、ガイド部24と摺動することによって、感熱分解部6の傾きを抑制する機能を有している。
プランジャー64は、スライダー62の内径と略同じ外径を有し、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向に比べてその軸方向により長い円筒状に形成されている。プランジャー64の上端側の外周には、スライダー62に接続する雄ねじが形成されている。プランジャー64は、スライダー62と接続した際に、スライダー62に積み重なっている皿ばね51bの孔を挿通するように構成されている。プランジャー64は、スライダー62と接続した際のスライダー62の上面からプランジャー64の上端までの長さが、皿ばね51bの厚さと同じか、それよりも僅かに長く形成されていると良い。この構成によって、感熱分解部6が作動してフレーム2から脱落する際に、皿ばね51bが支持され続け、プランジャー64から抜けてしまうことが防止される。
プランジャー64の下端には、スプリンクラーヘッドSの軸交差方向における外向きに突出する円環状の鍔部64aが形成されている。鍔部64aの上面には、リング状に形成された低融点合金66が置かれている。そして、この鍔部64aに置かれた低融点合金66を覆って引っ掛かるようにシリンダー65がプランジャー64に取り付けられている。
シリンダー65は、フレーム2と略同じ外径を有する有底筒状に形成されている。シリンダー65には、熱伝導率の高い材料として銅、銅合金等が用いられており、シリンダー65の表面から吸収した熱が低融点合金66に伝わりやすくなされている。シリンダー65は、その下(底)部の軸心付近に上方に向かってくぼんだ凹み65aを有している。低融点合金66は、凹み65aと鍔部64aとの間に収容されている。凹み65aの軸心付近には、プランジャー64の挿通される貫通孔が形成されている。凹み65aの外周縁には、外向きに伸長する円盤部65bが形成されており、円盤部65bの外周縁には、フレーム2の方向に起立するように伸長する側面部65cが形成されている。
側面部65cには、凹み65aの外周面と連通する長孔状の開口部65dが複数形成されている。このため、火災の際に、外部の気流(自然対流)は、開口部65dを通過して、低融点合金66のすぐそばに位置する凹み65aの外周面に到達して熱を伝達することができる。このように、感熱分解部6は、凹み65aの内部に収容された低融点合金66に気流からの熱が伝わりやすく構成されている。
凹み65aの上面とバランサー63の下端との間には、リング状に形成された断熱材67が装着されている。断熱材67は、シリンダー65に伝わった火災の熱がバランサー63に伝わるのを阻止している。
プランジャー64の内部には、軸方向に貫通する収容孔64bが形成されている。収容孔64bには、セットピン52の脚部である細径部55、斜面56及びストレート部57が収容されている。特に、ストレート部57は、収容孔64bにその周面と摺動可能に挿通されている。ここで、収容孔64bの周面に対して、ストレート部57が接触する配置であるセットピン52は、分解作動時に斜面56が接触するように移動する構成である。
すなわち、スプリンクラーヘッドSは、感熱分解部6の作動の初期状態においては、セットピン52のストレート部57が感熱分解部6のプランジャー64の内部における周面と接触するように配置されている。このため、感熱分解部6は、係止されているフレーム2からの分解作動が開始されると、プランジャー64に挿通されたストレート部57に沿った動きをすることとなる。したがって、スプリンクラーヘッドSは、感熱分解部6の分解作動の初期段階においては感熱分解部6の傾きを抑制する。
その上、感熱分解部6に設けられたガイド受け部63cがフレーム2のガイド部24から抜け出るまでの間には、ガイド受け部63cとガイド部24とが摺動するので、感熱分解部6が傾くのを抑制できる。このとき、セットピン52のストレート部57とプランジャー64の内周面とが摺動移動するので、感熱分解部6だけでなく、セットピン52の傾きも抑制される。セットピン52の傾きが抑制されることによって、ばね部材5の傾きや横ずれも抑制される。このように、感熱分解部6は、プランジャー64内部に挿通されたセットピン52のストレート部57と、フレーム2のガイド部24との2箇所で傾きが抑制されている。このため、本発明のスプリンクラーヘッドSは、安定した作動信頼性を得ることができる。
さらに、セットピン52は、感熱分解部6の分解作動時に、プランジャー64の内部における周面に対して斜面56が接触するように移動する構成である。このため、感熱分解部6は、プランジャー64の内部における周面に対して、セットピン52が斜面56である分だけ、所定の範囲内で傾斜可能である。すなわち、ストレート部57が収容孔64bから抜けた段階では、細径部55及び斜面56が収容孔64bによって変位が規制されることによって、感熱分解部6が過度に傾くことを抑制できるように構成されている。したがって、スプリンクラーヘッドSは、ストレート部57による傾きの規制の解除後においては、感熱分解部6の傾きを許容しつつ、過度な傾きを抑制する。
プランジャー64の軸方向における中間よりも下側かつ鍔部64aの上側には、外周と内周(収容孔64b)との間の肉厚が薄くなっている薄肉部64cが設けられている。薄肉部64cは、プランジャー64の上部や鍔部64aと比較して断面積が小さいため、熱伝導効率が良くない。プランジャー64は、薄肉部64cを有することで、鍔部64a(下)側で吸収した熱が雄ねじ(上)側に伝わりにくく構成されている。薄肉部64cは、鍔部64aの上端から上方に向かって断熱材67を越えてフレーム2の下端の高さ位置付近まで形成されている。
スプリンクラーヘッドSの動作〔図7〕
次に、スプリンクラーヘッドSの動作を図7により説明する。図7(a)〜(e)は、スプリンクラーヘッドSの作動過程を示す図である。
(a)スプリンクラーヘッドSによる火災の監視状態(平時)においては、本体1のノズル11には、給水配管を通じて加圧された消火水が供給されており、弁体3には消火水の圧力が継続的に作用している(図7(a)参照)。このとき、図8に示すように、セットピン52のストレート部57がプランジャー64の収容孔64bに差し込まれる長さL1(図8(a)参照)は、バランサー63のガイド受け部63cの長さL2(図8(b)参照)よりも短く構成されている。
さらに、プランジャー64の上端面とセットピン52との間には、スプリンクラーヘッドSの軸方向に僅かな隙間が設けてある。この隙間は、皿ばね51a及び皿ばね51bの付勢力によって形成されている。
(b)火災が発生し、その熱気流(自然対流)がシリンダー65に当たると、熱が低融点合金66に伝わる。そして、低融点合金66が周囲から加熱されて融解し始めると、液体となった低融点合金66は、プランジャー64とシリンダー65の凹み65aとの間に形成された隙間から流出する。この結果として、鍔部64aとシリンダー65との間を占める低融点合金66の体積が減少する(図7(b)参照)。
低融点合金66が融解して凹み65aの外部に流出すると、シリンダー65は、低融点合金66の流出量に対応して、フレーム2に対してスプリンクラーヘッドSの軸方向に降下する。シリンダー65が降下すると、シリンダー65に積み重なっている断熱材67及びバランサー63も降下する。このとき、バランサー63は、スライダー62に印加されたばね部材5の弾性力によって生じるボール61のスプリンクラーヘッドSの軸心方向(内側)への付勢力を受けながら下方に移動している。このように、バランサー63が、スプリンクラーヘッドSの軸方向とは異なる方向に作用する力を受けているため、感熱分解部6は、傾きが生じやすい状態になっている。しかしながら、バランサー63は、フレーム2の下部内周に形成されたガイド部24とガイド受け部63cとにより移動時の傾きが抑制される。それとともに、セットピン52のストレート部57は、プランジャー64の上端側の内周面にガイドされており、これによって、プランジャー64の挿通されたバランサー63は、その傾きが抑制される。こうして感熱分解部6は、フレーム2内における感熱分解部6の軸方向における上下2箇所により傾きが抑制される(図7(b)参照)。
さらに、低融点合金66が凹み65aの外部に流出してバランサー63が降下すると、バランサー63のガイド受け部63cがガイド部24から外れてフレーム2の外部に移動する。ガイド受け部63cがガイド部24から抜け出た後の感熱分解部6は、セットピン52に対して、分解作動前の状態に比べて弁体3から離れる側に移動している。このため、セットピン52の脚部のストレート部57よりも感熱分解部6側に形成されている斜面56は、プランジャー64の内周端に到達する。
本実施形態のスプリンクラーヘッドSは、プランジャー64の収容孔64bに挿通されるストレート部57の長さL1がガイド受け部63cの長さL2よりも短く構成されている。このため、ガイド受け部63cは、フレーム2のガイド部24から抜け出た時点で、既に傾きが許容された状態となっている状況を作り出すことができる。そして、感熱分解部6が傾く前の段階でセットピン52の傾きを所定範囲内で許容しているので、感熱分解部6がフレーム2から脱落するまでの動作をよりスムーズにすることができる。こうして、セットピン52の脚部とプランジャー64内部の収容孔64bの周面との間隔が広くなり、感熱分解部6は、傾きが許容された状態になる。
(c)他方で、感熱分解部6の傾きが大きくなると、収容孔64bにセットピン52の斜面56が接触してそれ以上傾くことが不可能となるので、その傾きが過度にならないように抑制される。このように、感熱分解部6がある程度の傾きが許容された状態で降下することでバランサー63とスライダー62との間隙は次第に広がる。その際に、スプリンクラーヘッドSの軸心方向(内側)に付勢されているボール61の軸心方向への移動を阻止するバランサー63の段部63bも降下している。このため、バランサー63とスライダー62との間隔が広がっていく領域に配置されているボール61は、段部63bよりも軸心側に移動しやすい状況となっている。こうした中で、一つのボール61が上側傾斜面23から外れて、落下する段部63bを越えて軸心側に移動し、フレーム2の段部22との係合が解かれる。その後、そのボール61は、上側傾斜面23の下方に形成されたガイド部24に到達し、一次的にバランサー63の段部63bとガイド部24との間に配置される(図7(c)参照)。
こうした1つのボール61の移動によってスライダー62が傾いて、感熱分解部6を支持していた各部品のバランスが崩れる。そして、感熱分解部6を構成する部品間の係合が解除され、個々の部品が移動可能となる。これにより残りのボール61の移動が促され、速やかにばね部材5及び感熱分解部6が降下する。このようにして、スプリンクラーヘッドSでは、感熱分解部6をフレーム2から円滑に脱落させることができる。
ボール61が段部22から外れてばね部材5及び感熱分解部6がフレーム2から脱落するまでの間においても、ばね部材5の作用により、弁体3は、ノズル端11aに圧接されてノズル11の閉止状態を維持し続ける。すなわち、ばね部材5のばね力がセットピン52を介して弁体3に印加されており、感熱分解部6が完全に落下するまで弁体3がノズル端11aを閉止し続ける。また、感熱分解部6は、セットピン52の斜面56によってある程度までの傾きが許容された状態となり、ボール61が段部22から外れやすくなる。細径部55の下端は、感熱分解部6がフレーム2から脱落するまでの間、プランジャー64の内部に収容された状態にある。
(d)弁体3の下に配置されていたばね部材5及び感熱分解部6がフレーム2から落下すると、コイルスプリング48の復元力による荷重がガイドリング44に作用してデフレクター41の傾きを抑制しながら弁体3が降下してノズル端11aを開放する。その際には、弁体3に取り付けられているデフレクター41と、デフレクター41に取り付けられているサポートリング42と、ガイドリング44も降下する(図7(d)参照)。このとき、ガイドリング44の外周面はフレーム2の内周面に沿って移動する。
ガイドリング44は、ノズル11の外周面に沿って変位する支柱43の外周に沿って設置されている。このため、スプリンクラーヘッドSが作動してデフレクター41及び支柱43が変位する際に、ガイドリング44は、ノズル11の外周面から所定間隔で、支柱43が移動する空間を保つことができる。それとともに、爪47aがノズル11と羽46との間に介在することでデフレクター41がノズル11に対して偏芯すること(横ずれ)を抑制できる。
デフレクター41を支持する支柱43に沿って移動可能に取り付けられたガイドリング44は、感熱分解部6の本体1からの離脱に伴ってデフレクター41及び支柱43が変位する際の横ずれや傾きを防ぐ。このため、スプリンクラーヘッドSが作動した際に、消火水が散布される所定の位置、すなわちフレーム2の下方の外部までデフレクター41を確実に変位させることができる。
(e)ガイドリング44がフレーム2の段部22まで降下すると、その上部にあるサポートリング42はさらに降下を続けてガイドリング44の上で止まり、弁体3及びデフレクター41が支柱43によりフレーム2からつりさげられた状態になる。以上のようにして弁体3が降下すると前述のようにノズル端11aは開放され、加圧された消火水がデフレクター41に衝突して四方へ飛散され火災を消火する(図7(e)参照)。
その際に、支柱43は、複数の羽46よりも軸交差方向でノズル11の軸寄りにずれた位置で、弁体支持部41a側から本体1側に向けて伸長するように構成されている。このため、スプリンクラーヘッドSでは、図4(b)において二点鎖線で示すように、支柱43に当たった消火水を支柱43の裏側(デフレクター41の外側面41b側)に回り込ませることができる。したがって、デフレクター41は、消火水が流れる際に支柱43が壁となって散布量が不足しがちな支柱43の裏側への消火水の散布量を増やすことができる。よって、スプリンクラーヘッドSは、その全周方向に亘って消火水をむらなく散布することができる。また、ノズル11から流れてデフレクター41に溜まる消火水は、高さの低い角縁欠落部46b(拡張流路45A)を通じて支柱43の裏側に流れやすくなる。これによっても、デフレクター41は、支柱43の裏側への散布量を改善することができる。
実施形態の変形例
次に前記実施形態の変形例を説明する。前記実施形態では、「保持部材」としての凸部材32に「柱部圧入孔」としてのディスク取付孔32aを形成し、ディスク3aに「柱部」としての突起31を設ける構成によって、突起31がディスク取付孔32aに嵌合する例を示した。しかしながら、弁体3は、凸部材32に「柱部」を設け、ディスク3aに「柱部圧入孔」を設ける構成であってもよい。但し、この変形例では、ディスク取付孔32aと同等の深さのディスク取付孔を形成できるように、ディスクの板厚を前記実施形態よりも厚くする必要がある。この変形例でディスク取付孔を深くする理由は、凸部材がノズル11からの消火水の流圧を受ける部分であり、凸部材が容易にディスクから外れないようにする必要があるからである。
前記実施形態では、デフレクター41に4本の支柱43を設ける構成によって、4本の支柱43がデフレクター41を支持する例を示した。しかしながら、支柱43は、1本以上であれば、それ以外の本数でもよい。さらに、隣接する支柱43間に配置する羽46の数を3本とする構成によって、3本の羽46が、ノズル11から放出された消火水をノズル11の軸交差方向で外向きに飛散させる例を示した。しかしながら、隣接する支柱43間に配置する羽46は、1本以上であれば、それ以外の本数でもよい。
前記実施形態では、凸部材32を樹脂成形体とする構成によって、凸部材32がディスク3aに対して圧入可能となって、その取付けを容易とする例を示した。しかしながら、ディスク3aに対して凸部材32が取り付けられて、「シート状止水部材」を保持可能であれば、凸部材32を金属製としてもよい。他方で、ディスク3aが金属製である例を示したが、樹脂成形体であってもよい。
前記実施形態では、ディスク3aの突起31を凸部材32のディスク取付孔32aに圧入する構成によって、凸部材32がディスク3aに容易に固定される例を示した。しかしながら、凸部材32のディスク3aへの固定方法は、圧入には限定されず、ねじによる螺合により固定してもよい。さらに、上述の変形例のように凸部材32に「柱部」を設け、ディスク3aに「柱部圧入孔」を設けた場合においても、凸部材32とディスク3aとは、ねじによる螺合により固定されてもよい。こうすることで凸部材32とディスク3aとを強固に固定することができる。
前記実施形態では、突起31が圧入されることでディスク取付孔32aの内部において高まる圧力を逃がす脱気孔32bを凸部材32の軸心上に設ける例を示した。しかしながら、突起31の外周面に長手方向に沿う脱気溝を設け、凸部材32の底面にその軸交差方向に沿う脱気溝を設けることで、ディスク取付孔32aの内部の空気が、突起31の外周面及び凸部材32の底面を通じて外部に排出されるような構成としてもよい。
1 本体
2 フレーム
3 弁体
3a ディスク
3b 外縁部
4 散液部
5 ばね部材(弾発体)
6 感熱分解部
11 ノズル
11a ノズル端
11b 環状係止溝
12 給水配管接続用ねじ部
13 フランジ部
14 フレーム接続用ねじ部
15 空隙部
21 本体接続用ねじ部
22 段部
23 上側傾斜面
24 ガイド部(下部内周面)
31 突起(柱部)
32 凸部材(保持部材)
32a ディスク取付孔(柱部圧入孔)
32b 脱気孔
33 止水シート(シート状止水部材)
33a 環状内縁(被保持部)
33b 環状外縁
34 ピン受け凹部
35 周壁
41 デフレクター
41a 弁体支持部(受け面)
41a1 取付孔
41a2 環状突出部(受け面)
41b 外側面
42 サポートリング
42a 係合孔
43 支柱
43A 第3の側縁部
43B 本体側端部(支柱43の先端)
43C デフレクター側端部
43D 屈曲部
43a 鍔部
44 ガイドリング
45 溝
45A 拡張流路
45B 流液スペース
45a 溝(支柱43と隣接する溝)
46 羽(複数の羽)
46A 第1の羽
46B 第1の側縁部
46C 第2の羽
46D 第2の側縁部
46b 角縁欠落部
47 ガイド凹部
47a 爪
47b 平面
48 コイルスプリング(弾性部材)
51 皿ばね
51a 皿ばね(第1の皿ばね)
51b 皿ばね(第2の皿ばね)
52 セットピン
53 フランジ
54 頭部
55 細径部
56 斜面
57 ストレート部
61 ボール
62 スライダー
62a 保持凹部
63 バランサー
63b 段部
63c ガイド受け部
64 プランジャー
64a 鍔部
64b 収容孔
64c 薄肉部
65 シリンダー
65a 凹み
65b 円盤部
65c 側面部
65d 開口部
66 低融点合金
67 断熱材
L1 ストレート部57の長さ
L2 ガイド受け部63cの長さ
S スプリンクラーヘッド

Claims (6)

  1. 消火液を放出するノズルを有する本体と、
    前記ノズルを閉止する弁体と、
    前記ノズルに対する前記弁体の閉止状態を保持し、分解作動時に前記閉止状態を開放する感熱分解部と、
    前記ノズルから放出される前記消火液を前記ノズルの軸交差方向で外向きに飛散させる複数の羽を有するデフレクターと、
    前記消火液を飛散させる前記デフレクターを支持する支柱とを備えるスプリンクラーヘッドにおいて、
    前記複数の羽は、前記ノズルから放出された前記消火液を受け止める前記デフレクターの受け面から前記本体側に向けて伸長しており、
    さらに、前記支柱の先端と前記羽の先端との間を前記支柱に沿って移動可能なガイドリングを備えることを特徴とするスプリンクラーヘッド。
  2. 前記支柱は、前記デフレクターの前記受け面から前記本体側に向けて前記ノズルの外周面に沿って伸長しており、
    前記ガイドリングは、前記支柱の外周に沿って設置される
    請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
  3. 前記ガイドリングは、前記支柱が内部に収容されるガイド凹部を有する
    請求項1又は請求項2記載のスプリンクラーヘッド。
  4. さらに、前記ガイドリングと前記本体との間に弾性部材を備える
    請求項1〜請求項3いずれか1項記載のスプリンクラーヘッド。
  5. 前記支柱の先端は、サポートリングに固定され、
    前記支柱と前記サポートリングとは、前記弾性部材の内周側に収容される
    請求項4記載のスプリンクラーヘッド。
  6. 前記ガイドリングは、前記ノズルと前記羽との間に介在する爪を有する
    請求項1〜請求項5のいずれか1項記載のスプリンクラーヘッド。
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