JPH0551370U - 埋め込型スプリンクラーヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 埋め込型スプリンクラーヘッドをエスカレー
ターや階段の裏側のような傾斜した所に取り付けても、
作動時にデフレクターはフレームに対して略垂直状態で
落下することができる。 【構成】 デフレクター４を４〜６本の支柱８で吊設
し、該支柱をリング９に接続してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、消火用のスプリンクラーヘッド、特にスプリンクラーヘッド全体を 天井内に埋め込むことのできる埋め込型スプリンクラーヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

埋め込型スプリンクラーヘッドは、平時デフレクターがフレーム内に収納され ていて、火災が発生するとデフレクターが一定距離だけ落下し、本体のノズルか ら棒状で噴出してきた消火液をデフレクターに当てて四方に分散させることによ り、火元に消火液をかけて消火を行うものである。

【０００３】 従来の埋め込型スプリンクラーヘッドは、デフレクターが２〜３本の支柱でリ ングから吊設されていた。（参照：実開昭４８−５９３９８号、同５９−９３４ ５６号）

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで埋め込型スプリンクラーヘッドは、エスカレーターや階段の裏側のよ うな傾斜した所に取り付けても火災発生時にデフレクターがフレームに対して略 垂直状態になっていなければならない。なぜならば、落下したデフレクターがフ レームに対して垂直になっていないと、図４（支柱が２本の埋め込型スプリンク ラーヘッド）に示すようにノズルから棒状で噴出してきた消火液がデフレクター に当たらず、棒状のまま真っすぐに流出してゆき、火元に散布されなくなるから である。

【０００５】 従来の埋め込型スプリンクラーヘッドは、傾斜した所に取り付けるとデフレク ターがフレームに対して垂直に落下しないことがあった。

【０００６】 本考案は、傾斜箇所に取り付けてもデフレクターが常に垂直状態で落下するこ とのできる埋め込型スプリンクラーヘッドを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案者らが、傾斜箇所に取り付けた従来の埋め込型スプリンクラーヘッドに おいて、作動時にデフレクターが垂直落下しない原因について鋭意検討を重ねた 結果、それはデフレクターを吊設している支柱が関係していることをつきとめた 。つまり、デフレクターは、支柱が傾斜したフレームの下部に接することにより 垂直状態が保たれるものである。

【０００８】 従来の埋め込型スプリンクラーヘッドは、傾斜した箇所に取り付けると支柱の 数が２〜３本と少ないため、デフレクターがフレームの下部に接することができ なくなることがあり、そのような場合に傾斜するものであった。

【０００９】 そこで本考案者らは、支柱が傾斜したフレームの下部に接するようにするか、 或いは支柱が傾斜したフレームの下部に接しなくともフレーム下部近くで接する ことができれば、デフレクターは略垂直落下することに着目して本考案を完成さ せた。

【００１０】 本考案は、作動時にフレーム内に収納されていたデフクターが一定距離だけ落 下する構造の埋め込型スプリンクラーヘッドにおいて、デフレクターは４〜６本 の支柱でリングに吊設されていることを特徴とする埋め込型スプリンクラーヘッ ドである。

【００１１】 本考案では、支柱の数が４本よりも少ないと隣り合った支柱間の間隔が広くな るため、支柱はフレーム下部、あるいはその近辺に接することができなくなるこ とがある。しかるに支柱が６本よりも多くなると支柱が消火液散布の妨げとなっ てしまう。

【００１２】 なお、支柱の数は少なければ少ないほど消火液の均一散布には好ましいもので ある。そのため従来の埋め込型スプリンクラーヘッドでは支柱の数を２〜３本と いう少ない本数にしていたものである。本考案では支柱を４〜６本設置したこと による不均一散布を改良するため、デフレクターの羽根の形状を変えたり、支柱 の太さを細くすることにより解決した。しかしながら如何にデフレクターの羽根 を改善したり支柱の太さを細くしても実験上では支柱が７本以上になると消火液 の均一散布は得られず、支柱の設置本数は６本が限界であることが分かった。

【００１３】

【実施例】

以下図面に基づいて本考案を説明する。 図１は本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドの正面断面図、図２は本考案の 埋め込型スプリンクラーヘッドに使用する４本支柱のデフレクターの斜視図であ る。

【００１４】 本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドは、本体１、フレーム２、弁体３、デ フレクター４、分解部分５等から構成されている。

【００１５】 本体１は、上部外側が図示しない配管と螺合する牡ネジが螺設され、その下方 にフレームと螺合する牡ネジが螺設されており、また本体の下部には先端が弁座 となったノズルが形成されている。

【００１６】 フレーム２は、円筒状で上部内側に本体１と螺合する牝ネジが螺設されており 、下部内側には内方フランジ６が形成されている。

【００１７】 弁体３は、上側にパッキンが被着され、下側には先端が球状となった突出部が形 成されている。

【００１８】 デフレクター４は、図２に示すように周囲に多数の羽根７・・・を有する円盤 状で、４本の支柱８、８、８、８によりリング９に吊設されている。またデフレ クターの中心部には穴が穿設されていて、該穴には前述弁体の下側突出部が挿入 されデフレクターと弁体とが一体化されている。

【００１９】 分解部分５は、ガイドポスト、一対のレバー、サポートプレート、バランサー 、感熱体、集熱板、等から構成されている。分解部分の構造については周知であ り、本考案の要旨と関係ないため説明は省略する。

【００２０】 上記構成部品から成る本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドは、本体１の下 方の牡ネジにフレーム２が螺合されている。デフレクター４と一体となった弁体 ３はパッキンを介して本体のノズルの弁座を密閉し、弁体の下側の突出部は円盤 状のバネ部材を介して分解部分のガイドポストを押圧している。ガイドポストは 分解部分の一対のレバーの屈曲部の頂部を押圧し、レバーの屈曲部の下端がフレ ーム２の内方フランジ６に係合している。

【００２１】 次に本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドをエスカレーターのような傾斜し た所に取り付けた場合の作動について説明する。

【００２２】 図３に示すように、本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドは、傾斜した天井 板Ｔの内側にある配管Ｐに取り付けられている。火災が発生し、火災の異常高温 で分解部分５が分解すると、分解部分はフレーム２の内方フランジ６に係合して いたレバーが外れ分解部分を構成していた全ての部品が落下する。すると分解部 分で保持していた弁体３がノズルを開放して落下し、弁体３と共にデフレクター ４も落下する。デフレクター４とリング９は４本の支柱でつながっているためリ ング９はノズルに沿って落下するようになる。

【００２３】 リング９がノズルに沿って落下している時は、デフレクター４はフレーム２に 対して略垂直状態で落下しており、リングがノズルから離れると今度は支柱８が フレーム２の内方フランジ６に接して落下するようになる。

【００２４】 図３はデフレクターを吊設する４本の支柱のうち１本が傾斜したフレーム２の 内方フランジ６の下部に接して落下しているものである。

【００２５】 図３の状態からデフレクターが４５度回転して、フレームの内方フランジの下 部から２本の支柱が一番遠ざかったとしても、２本の支柱は内方フランジの下部 に近い所に接するため、ほとんど傾斜せず、デフレクターもフレームに対して略 垂直状態を保つことができる。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドは、エスカレーター や階段のような傾斜した所に取り付けても作動時にデフレクターがフレームに対 して略垂直状態で落下することができるため、ノズルから噴出してきた消火液を 均一散布するという信頼ある消火活動ができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドの正面
断面図である。

【図２】本考案の埋め込型スプリンクラーヘッドに使用
するデフレクターの斜視図である。

【図３】傾斜箇所に取り付けた本考案の埋め込型スプリ
ンクラーヘッドにおける消火液の散布状態を説明する図
である。

【図４】傾斜箇所に取り付けた従来の埋め込型スプリン
クラーヘッドにおける消火液の散布状態を説明する図で
ある。

【符号の説明】

２ フレーム ３ 弁体 ４ デフレクター ７ 羽根 ８ 支柱 ９ リング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 作動時にフレーム内に収納されていたデ
   フクターが一定距離だけ落下する構造の埋め込型スプリ
   ンクラーヘッドにおいて、デフレクター４は４〜６本の
   支柱８でリング９に吊設されていることを特徴とする埋
   め込型スプリンクラーヘッド。