JP5258743B2 - スプリンクラヘッド - Google Patents
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Description
このスプリンクラヘッド1は、ヘッド本体10、フレーム20、弁体30、散水部40及び弁体支持機構50(ボール保持機構60)を備えている。
ヘッド本体10の内側には円筒状の放水筒16が下方に突出して形成されている。また、放水筒16の下端部には、例えば、平らに形成された弁座17が形成されており、弁体30によって塞がれている。この放水筒16の下端部に、弁体30の外周が嵌るような段部を設けるようにしてもよい。なお、ヘッド本体10は、フランジ13の下側の内周部と放水筒16との間に略穴状または略リング状の空間18が形成されており、この空間18には後述のガイドロッド42が収納される。
なお、弁体30へのデフレクタ41の取付状態について詳述する。弁体30は弁座17と接触し、止水を保つためのフランジ部31と、フランジ部31の下側に突出した、円筒状の脚部とを有しており、この脚部は、その上部がデフレクタ41の中央開口部(穴)よりわずかに小径の溝部となっており、溝部の下側がデフレクタ41の中央開口部の穴径よりもわずかに大径の円筒形状となっている。このため、デフレクタ41は、弁体30への接続箇所(溝部)で、回動可能な状態となっている。
ストッパリング43には、ガイドロッド42を挿通させるための挿通穴(例えば3つ)が設けられており、この挿通穴により、ストッパリング43は、ガイドロッド42に対して上下動可能なように取り付けられている。なお、この挿通穴は、段部42aより小さく形成されている。このストッパリング43は、通常時は、デフレクタ41上に設置され、フレーム20の高さ方向のほぼ中間であって、フレーム20に設けたスリットに対向する位置に設けられている。なお、このスリットは、必ずしもストッパリング43と対向する位置に設けなくてよい。
通常時は、ストッパリング43の下面は、コイルばね44に押圧されてデフレクタ41の上面にほぼ重なる位置にあるが、放水動作時には、デフレクタ41とガイドロッド42が下降し、ガイドロッド42の上端の段部42aは、ストッパリング43にあたるまで下降する(図2(c)参照)。ストッパリング43の外径は、フレーム20の係止段部22の内径よりも大きく形成され、放水動作時に、弁体支持機構50が落下すると、ストッパリング43は、コイルバネ44に押されてフレーム20の係止段部22まで下降する。
なお、コイルバネ44は、フレーム20の内周面に接するような大きさ(外径)を有しており、ヘッド本体10の外周部の下方とストッパリング43の外周部との間に設けられており、コイルバネ44の設置には大きなスペースがいらないようになっている。
プランジャー52は、円筒状に形成され、下部にフランジ部52aが形成されている。また、フランジ部52aは、その下面が感熱板53下面より突出して形成されている。プランジャー52の内部には、雌ねじ52bが形成され、セットスクリュー65の脚部にある雄ねじがねじ込まれ両者は結合している。プランジャー52の上部からドーナツ状の感熱体(例えば半田等)55が挿入され、プランジャー52のフランジ52a上に載っている。この感熱体55の上部に、円板状であって、断面クランク型の感熱板53が設けられている。即ち、この感熱板53は、プランジャー52のフランジ部52aに設けられた感熱体55を覆う突部53aと、この突部53aに連続し、ヘッド本体10の軸芯に対して直交する方向に延びた円板部53bとを備えている。そして、感熱板53には、後述するボール保持機構60によって感熱体55を圧縮するように力がかかっている。
ボール61の外周下部は、フレーム20の係止段部22に係止されている。この状態で、ボール61を上から押さえるのがスライダー62であり、スライダー62からボール61に力がかかることで、ボール61には内側に入り込む方向に力が作用する。
バランサー63は、ボール61の内側に設けられ、この内側に入りこもうとするボール61の動きを規制する。スライダー62及びバランサー63ともに円板状に形成され、中央には貫通穴があり、バランサー63の貫通穴にはプランジャー52が貫通している。プランジャー52の外径は、バランサー63の貫通穴の内径よりもわずかに小さく、両者は結合していない。またスライダー62の貫通穴の内径は、セットスクリュー65の脚部の外径よりもわずかに大きく形成され、両者は結合していない。
皿バネ64は、貫通穴64a内にセットスクリュー65が挿通されて、弁体30とスライダー62との間に設けられる。つまり、皿バネ64の貫通穴64aは、セットスクリュー65の頭部の外径とほぼ同じか、それより少し大きく形成されている。また、セットスクリュー65の頭部の高さは、積層された複数枚の皿バネ64の自由高さよりも大きく形成されており、皿バネ64を重ね合わせた際にガイドの役割を果たす。セットスクリュー65の頭部の高さが低いと、組立て時に、皿バネ64を必要以上に潰すと機能しなくなることから、そのようなことがない程度にセットスクリュー65の頭部の高さを設定することで、安定した状態で皿バネ64を保持することが可能となる。
スプリンクラヘッド1の監視状態においては、ヘッド本体10の放水口12には加圧された消火水が供給されており、弁体30には消火水の圧力が加えられている(図1参照)。火災が発生し、その熱気流が感熱板53に当たると加熱され、感熱板53の熱は感熱体55へ伝播する。そして、感熱体55が周囲から加熱されて溶融し始めると、溶融した感熱体55はプランジャー52と感熱板53(突部53a)との間に形成された隙間から流出してその体積が減少する(図2(a))。
このときスライダー62によって上方から押されたボール61が内側に移動することになるが、ボール61が移動しても弁体30は弁座17に圧接されて、放水口12を塞いだ状態を維持する。これは、皿バネ64の作用によるもので、皿バネ64を複数枚重ねることで、皿バネ64が弁体30によるシールを維持できるだけの所定量のストロークを有するためである。こうしてボール保持機構60が完全に落下するまで弁体30が弁座17から離れるのを防止して、確実に動作できるようにしている。
本実施の形態では、放水動作時において、デフレクタ41は、ガイド部材43aによりガイドされながらガイドロッド42と共に下降するので、デフレクタ41の下降動作が円滑に行われる。またストッパリング43をフレーム20の高さ方向のほぼ中間に設けることで、ストッパリング43自体の下降量も減らせるので、放水時の動作がスムーズになる。
ところで、ストッパリング43のガイド部材43aは、上方に折り曲げられており、このため、放水時の散水障害となりにくい。この点について説明すると、従来のガイド部材は、下方に折り曲げられていたものがあるが、この場合、ガイド部材の長さが長かったり、太かったりすると、放水時、弁体にあたった水が反射する際など、ガイド部材に水があたって、ガイド部材が散水の障害となっていた。つまり、ガイド部材43aを上方に折り曲げ、放水時における弁体30との距離を離すことで、ガイド部材43aが散水障害となるのを防止できる。
図1のプランジャー52は、上記のように、その先端部が感熱板53よりも下方に突出して設けられている。図1からその該当部分を抽出すると、図3に示されるようになるが、何らかの物がスプリンクラヘッド1にぶつかった場合(特に下方から)には、プランジャー52がこのように突出しているので、その物がプランジャー52に当たり、感熱板53に、その物が当たるのが避けられる。プランジャー52は、感熱板53に比べてその剛性が高くなるような部材で構成されているので、変形するおそれがない。このため、プランジャー52が感熱板53に食い込むようなおそれがなく、作動不良が起きない。
プランジャー52のフランジ部52aに、このような段差52cを設けたことにより、外力は、まず角部(B点)にあたることから、下方及び斜め下方の外力により角部(A点)が変形することを防ぐことができる。また、角部(B点)はそれが仮に変形しても、その変形部分の上部側に拡径した段部52cが形成されていることから、その変形部分が、プランジャー52と感熱板53との間に形成されている隙間52dを塞いだり、変形によりプランジャー52と感熱板53がかみ合い、結合するおそれがなく、作動性に影響を与えない。
プランジャー52はフランジ部52aのその下端を、このようなフランジ部52aの上部よりも細径となる形状にしたことにより、下方及び斜め下方からの外力により下端部が仮に変形したとしても、その変形部分が隙間52dを塞いだり、変形によりプランジャー52と感熱板53がかみ合い、結合するおそれがなく、作動性に影響を与えない。
このように本発明のプランジャー52は、フランジ部52aの下端に段差又はテーパー面若しくはR面を備えることで、下方及び斜め下方からの外力により下端部が仮に変形したとしても、フランジ部52aの下部側と感熱板53の突部53aとが所定の間隙を介して配置されるので、言い換えれば、フランジ部52aの下部側が所定の間隙を介して感熱板53の突部53aと内接するように配置される位置関係を維持するので、感熱板53に外力がかかって変形しても作動性に影響を与えない。なお、間隙には半田を充填するようにしてもよい。
まず、スライダー62、ボール61などからなるボール保持機構60を有するスプリンクラヘッド1に求められる構成について説明する。ボール61がフレーム20の係止段部22から完全に外れる前に、弁体30が弁座17から離れると、作動途中の漏水によって不作動を生じるおそれがあることから、スプリンクラヘッド1には、弁体を支える残存荷重が必要となる。また、残存荷重を確保するためには、スライダー62の下降量(作動ストロークという)を抑える必要がある。このため、従来では、コイルバネのような変位量の大きいバネを使用することで、スライダー62の作動ストロークよりもコイルバネの変位量を大きくして、作動途中の水漏れを防止している。
本発明では、スライダー62の形状を変更することで、スライダー62の作動ストロークを小さくし、かつ、皿バネ64の形状を工夫することで、皿バネ自体の変位量を大きくして、嵩張るコイルバネを使わずに済むようにした。
ここで、図1に戻ってスライダー62の形状に着目すると、スライダー62の外周部側の凹部62aのボール61と接する面はテーパーが形成されており、このテーパー面がボール61と接触している。
スライダー62はこのような形状が採用されたことにより、ボール61がスライダー62の内側に入り込んでバランサー63に乗り上げるときの、スライダー62の軸方向の移動量(作動ストローク)が、スライダー62の内側に凹部が設けられずに平らになっている場合(従来例)に比べて少なくて済み、このため、皿バネ64に必要な変位量、つまりボール61が係止段部22から完全に外れるまで弁体30を弁座17に圧接しておくために必要なストロークを少なくすることが可能になっている。このスライダー62の変形例を図7及び図8に基づいて説明する。
次に、 図1の皿ばね64について説明する。
図9(a)(b)(c)(d)(e)は、皿ばねの平面図、正面図、側面図、斜視図、及びE−E断面図である。
この皿ばね64は、中央に貫通穴64aが設けられており、この貫通穴に連続するように放射状の6本のスリット64bが設けられている。スリット間には、三角形状で角が円弧状(扇型状)になった貫通穴64cが設けられている。
この皿ばね64は、上記のように、6本のスリット64bが設けられているが、このスリット64bの個数が例えば4本のように少ないと(従来例)、応力が高くなり皿ばねが割れる、バックリングを起こす、経年変化を起こしやすいという不具合がある。また、スリット64bが10本以上あると(従来例)、荷重不足、撓み量の不足、皿ばねが元の形状に戻らない、という不具合がある。このようなことから、本実施の形態においては、スリット64bの個数を例えば6個にしている。
また、スリット間の貫通穴64cの形状は、三角形で角を円弧状(扇型状)にしているが、これは各部にかかる応力を分散するためである。なお、この貫通穴の形状が、従来のように、長穴や四角であると応力が分散せず、大きな荷重がかかった際、皿ばねが割れることになる。
この皿ばね64は、荷重を受ける部分と、撓む部分とに分けられる。荷重を受ける部分は、皿ばねの円周部(外周部)が相当し、撓む部分はスリット部の形状が相当する。これらの2つの部分をバランス良く変化させることで、皿バネを任意の荷重と撓み量にすることが可能になっている。更に、応力を分散させるため、割れたりバックリングが発生したりすることはない。このため、従来の皿ばねでは達成できなかった高荷重と高変位量の2つを両立している。
本実施形態においては、皿バネを、放射状のスリットと、スリット間に設けられる貫通穴とからなる断面形状が蓮根型となるものを使用して、組立荷重と、止水に必要なストロークを確保をするようしたが、スプリンクラヘッドに使用される皿バネの形状は、この形状に限定されない。例えば、組立荷重と止水に必要なストロークを有するもので、かつ耐食性を考慮したものであれば、適時1枚から複数枚の類似の皿バネを組み合わせて使用するようにしてもよい。
また、弁体を、放水筒の下端にある弁座に圧接させたが、弁体は、放水筒の内側に設けるようにしてもよい。
Claims (2)
- 放水口を有するヘッド本体と、該放水口の下端又は内側に設けられた弁体と、該弁体を支持する弁体支持機構とを備え、
該弁体支持機構は、
下部にフランジ部を有する円筒状のプランジャーと、
該プランジャーのフランジ部に設けられる感熱体と、
前記感熱体に接し、前記ヘッド本体の軸芯に対して直交して設けられた感熱板と
を備え、
前記プランジャーは、その下端部が前記感熱板よりも下方に突出させるように設けられ、
さらに、前記弁体支持機構は、
前記弁体の下部に設けられたセットスクリューと、
前記弁体と前記感熱体の間に設けられ、内部の貫通穴に前記プランジャーと前記セットスクリューとが貫通されるバランサーと
を備え、
前記プランジャーは、その上端部が少なくとも前記バランサーの上端までの長さを有し、
前記バランサーは、前記貫通穴内で、前記プランジャーと前記セットスクリューとをネジ結合させて前記感熱体を圧縮する
ことを特徴とするスプリンクラヘッド。 - 前記感熱板は、プランジャーのフランジ部に設けられた感熱体を覆う突部と、
該突部に連続し、前記ヘッド本体の軸芯に対して直交する方向に延びた円板部と
を備え、
前記プランジャーは、フランジ部に段差又はテーパー面若しくはアール面を備え、フランジ部が間隙を介して感熱板の突部と内接するように配置されたことを特徴とする請求項1記載のスプリンクラヘッド。
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