JP2011218062A - スプリンクラーヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 スプリンクラーヘッドの作動時にスプリンクラーヘッド本体内部の部品がデフレクターやデフレクターを吊設しているロッドに係留されることを防止可能なスプリンクラーヘッドを提供する。
【解決手段】 本体内部の放水口を閉塞する弁体と、火災時に分解作動する一対のレバーを有する感熱分解部との間にサドルが設置されており、一対のレバーが係止される平面部と、平面部の縁から延出して形成された脚部を有しており、放水口とサドルの延長上にデフレクターが設けられており、感熱分解部が作動してサドルがデフレクター上に落下した際にデフレクター表面に脚部が接触してサドルの平面部が傾いた状態となるようにとした。
【選択図】 図5

Description

本発明は、消火用のスプリンクラーヘッドに関するものである。
スプリンクラーヘッドは、建物内の天井面や壁面に設置され、一端に給水源に続いた配管と接続可能な放水口を有し、他端には感熱作動部が設けられている。平時において感熱作動部は放水口を閉止する弁体を支持している。
上記スプリンクラーヘッドの一例として、特許文献1に記載されたスプリンクラーヘッドがある。図11に示す特許文献1のスプリンクラーヘッドは、スプリンクラー本体110の下部にフランジ140が形成されている。フランジ140の内周側にはオリフィス130を閉塞するシールキャップ135やフランジ140の内周下端に係止される一対のレバー325の一端が係止されている。レバーの他端側には2枚の薄板を低融点合金で接合したリンク320が係止されている。レバー325はヨーク710およびロードスクリュー740を介してシールキャップ135をオリフィス130側に押圧してオリフィス130の閉止状態を保持している。
フランジ140には2つの穴が穿設されており、該穴に筒部材155が設置されている筒部材155のフランジ140側の上端はフランジ140の表面に沿って折り曲げられている。反対側の下端は先端に向かうに従い内径が小さくなるように形成されている。筒部材155内にはロッド165が挿通されている。ロッド165の上端側は下端側と比べて直径が大きく、さらに上端部は筒部材155の下端内周に係止可能である。ロッド165の下端はデフレクター145に係止されており、デフレクター145はロッド165を介して筒部材155内をスライド移動可能である。
上記のスプリンクラーヘッドは火災の熱によって作動する。火災時においてリンク320を接合していた低融点合金が溶融することでリンク320が剥がれ、レバー320の他端側の係止が外れる。するとレバー320はフランジ140に係止された側も支えを失いレバー320がそれぞれ離れる方向へ回転してレバー320がフランジ140から外れる。レバー320によって支えられていたヨーク710、シールキャップ135もフランジ140の外部へ落下してオリフィス130が開放される。
開放されたオリフィス130からは水が放出される。放出された水はデフレクター145に衝突して四方に飛散され、火災を鎮静する。
米国明細書第7275603号
上記のスプリンクラーヘッドは、作動の際にヨーク710やシールキャップ135がデフレクター145上に落下・衝突して外部に放出される。デフレクター145にヨーク710やシールキャップ135等のスプリンクラーヘッド本体110内に設置されている部品が衝突した際にロッド165やデフレクター145に前述の構成品が引っ掛かって係留されると散水の障害となって規定の散水形状が得られない場合が、ごく少数の割合で発生する。この現象による消火への支障は少ないものの散水形状が乱れて散水密度に偏りが生じ、本来スプリンクラーヘッドが持っている性能が完全に発揮できないという問題があった。
そこで本発明では、上記問題に鑑み、スプリンクラーヘッドの作動時にスプリンクラーヘッド本体内部の部品がデフレクターやデフレクターを吊設しているロッド等のデフレクター支持部材に係留されることを防止可能なスプリンクラーヘッドを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明者はスプリンクラーヘッド本体内部の部品がデフレクターに引っ掛かるケースについて分析を重ねた結果、スプリンクラーヘッドが作動してスプリンクラーヘッド内部の部品が落下した際に不安定な状態でデフレクター上に載置されれば、放水口から放出されデフレクター上を沿って流れる水の勢いによりサドルがデフレクター上を移動して外部へ放出されると考えた。
本発明は、本体内部の放水口を閉塞する弁体と、火災時に分解作動する一対のレバーを有する感熱分解部との間にサドルが設置されており、一対のレバーが係止される平面部と、平面部の縁から延出して形成された脚部を有しており、放水口とサドルの延長上にデフレクターが設けられており、感熱分解部が作動してサドルがデフレクター上に落下した際にデフレクター表面に脚部が接触して平面部が傾いた状態となることを特徴とする。
上記によれば、感熱分解部が作動してサドルがデフレクター上に落下した際にデフレクター表面に脚部が接触してサドルの平面部が傾いた状態となることで、放水口から放出される水がサドルの平面部に衝突して水流により押し流され、デフレクター上から外部へ落下させることができる。
より詳しく説明すると、仮にサドルが落下してサドルの平面部がデフレクター表面と平行な状態でデフレクター上に載置された場合、放水口から放出された水流の勢いによりサドルをデフレクターに対して垂直に押圧してサドルがデフレクター上に係留された状態となる。サドルの平面部をデフレクター表面より傾いた状態でデフレクター上に載置させると、サドルに衝突した水流は傾いたサドルの平面部によって流れの抵抗が発生してサドルを水流方向に移動させることができる。
サドルの形状は、平面部を矩形とした場合には対向する2辺をレバー係止部とし、残りの2辺に脚部を延出させて形成する。または1辺のみに脚部を形成することも可能である。脚部の延出方向はサドルに対してデフレクター側である放水口からの放水方向に延出して形成するとスプリンクラーヘッドが作動した際に、脚部側からデフレクター表面に落下させることができる。また、サドルの平面部を円形にした場合には円の周縁部に対向して一対のレバー係止部を設け、一対のレバー係止部の間の周縁部から脚を延出して形成する。または円形にしたサドルの平面部の中心部に脚を形成することも可能であり、サドルの中心部に螺入される牝ネジに脚部の作用を持たせることも可能である。
脚部の設置個数は少ないほうが製造・コストにおいて都合がよいことから1箇所または2箇所が好ましい。また脚部を複数設置する場合には脚部の長さを同じにする必要は無い。さらに脚部の形状についても各々違った形状にすることも可能である。
本発明によれば、サドルに脚部を形成したことでスプリンクラーヘッドの作動時に、サドルがデフレクター上で傾いて載置されるのでサドルがデフレクター上に係留されることなく確実に外部へ放出可能とすることができる。
本発明のスプリンクラーヘッドの断面図 図1のスプリンクラーヘッドの本体の正面図 図2の側面図 感熱分解部の断面図 感熱分解部の分解斜視図 シリンダー・プランジャーの分解断面図 図1のスプリンクラーヘッドの施工時における断面図 図7のX−X断面図 図7のY部拡大図 サドルの他の実施形態 従来のスプリンクラーヘッドの断面図
以下、本発明のスプリンクラーヘッドについて図1〜図10を参照して説明する。
スプリンクラーヘッドAは、本体1、弁体3、感熱分解部4、デフレクター5、サポートカップ6、カバープレート7を備えており、コンシールド型スプリンクラーヘッドとして構成されている。
図1から図3に示す本体1は中空状であり、一端は充水された配管と接続可能な牡ネジが形成された配管接続部1Aとなっている。配管接続部1Aの他端側は放水口1Bとなっている。放水口1Bの端は弁体3によって閉塞されている。
配管接続部1Aと放水口1Bの間には外周部の断面形状が多角形であるサポートカップ係止部1Cが形成されている。サポートカップ係止部1Cより放水口1B側には、サポートカップ係止部1Cの外周部より大きな外周を有する鍔部が形成されており、その鍔部の縁から放水側に向けて筒状のフレーム部2が形成されている。本体1は前述の配管接続部1Aと配管接続部1Aより大きな外周面を有するフレーム部2とで構成されている。
フレーム部2の外周横断面形状は、円の2箇所を平行に切欠いた形状をしており、具体的には切欠かれた2箇所の直線部と各直線部の間の円弧部とが形成されている。従ってフレーム部2の外周面には断面円弧状の曲面部2Aと断面直線状の平面部2Bが形成されている。平面部2Bはフレーム部2の外周面を配管接続部1Aの側から後述する梁状部2Jまで切り欠くように形成された切欠面部として形成されており、そこに開口2Eが形成されている。フレーム部2の下部の外周断面形状は、平面部2Bが無くなり曲面部2Aと同じ半径寸法である円形となっている。即ち平面部2Bの下方にはフレーム部2の周方向に沿って架設した円弧状部分でなる梁状部2Jが形成されている。この梁状部2Jはフレーム部2の筒軸を中心とする対向位置に形成されている。
フレーム部2の内周下部(曲面部2Aの下部と梁状部2Jの内周面)には内側に向かって拡張して形成された内方フランジ2Cが形成されている。曲面部2Aの下部に位置する内方フランジ2Cにはレバー挿通溝2D、2Dが形成されている(図1)。
レバー挿通溝2Dから略90°回転したフレーム部2の平面部2Bには開口2Eが形成されている。開口2Eはフレーム部2の内側を曲線部2Aの外径寸法より小さく且つ2つの平面部2B間の寸法より大きい径寸法で切削することで形成される。
開口2Eの下方に位置する梁状部2Jの内方フランジ2Cは、後述する感熱分解部4のレバー11が係止されるレバー係止部2Fとなる。開口2Eの下方の梁状部2Jにレバー係止部2Fを設けたことで、レバー係止部2Fに放水口1B側からフレーム部2の下端側へ荷重を印加すると、梁状部2Jは印加された荷重によって弾性変形するが、開口2Eを設けない場合と比較して梁状部2Jの弾性変形による変形量を大きくすることができる。そしてこの梁状部2Jの弾性変形(たわみ)がバネ力となり、そのバネ力はスプリンクラーヘッドAが作動した際に感熱分解部4の構成部品を外へはね飛ばす作用を有しておりロッジメントの防止に機能する。
レバー挿通溝2Dの外周側にはフレーム部2の下端より下方へ垂下して形成されたデフレクター係止部2Gが形成されている。フレーム部2と放水口1Bとの境には、弁体3が収容可能な段部2Hが形成されている。段部2Hにより弁体3が振動や衝撃等によって放水口1Bから位置ずれした際の移動を段部2H内に留めて弁体3が放水口1Bから位置ずれして放水口1B内の水が漏れることを防止している。
弁体3は円盤形状であり、前述の段部2Hに収容される。弁体3は後述するコンプレッションスクリュー21により放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞している。
感熱分解部4はフレーム部2の梁状部2Jに形成された内方フランジ2C(レバー係止部2F)に係止され、火災時には火災の熱によって分解作動して弁体3を解放する。感熱分解部4は、レバー11、支持板12、バランサー13、シリンダー14、プランジャー15、低融点合金16、セットスクリュー17から構成される。
感熱分解部4は図4に示すようなユニット部品として構成され、ユニット部品として保管、運搬が可能である。スプリンクラーヘッドの組立時においても図4で示すユニット部品の状態で本体1に組み込まれる。
レバー11は、一対で用いられており一端が内方フランジ2Cに係止され外方に屈曲した形状をしている。レバー11の上部には左右対称に設けられた突起11Aが形成され(図5)、下部には矩形の穴11Bが穿設されている。一対のレバー11の間には支持板12とバランサー13が係止され、支持板12は突起11Aと係止し、バランサー13は下部の穴11Bに係止される。バランサー13の中心部には穴13Aが穿設されており、該穴13Aにシリンダー14が挿入される。
シリンダー14は円筒形状をしており、内部には段が形成され、大径部14Aと小径部14Bが形成されている。大径部14Aには円環状の低融点合金16が収容されている。また大径部14A側の端には鍔部14Cが形成されており、該鍔部14Cがバランサー13の穴13Aと係合する。小径部14Bの内径は環状の低融点合金16の内径と略等しい。
小径部14Bの先端はヒートコレクター18、19を挟んだ状態で折り曲げられ、ヒートコレクター18、19がシリンダー14に設置される。ヒートコレクター18、19は熱伝導性が良好な銅や銅合金等の金属から形成され、火災による熱を吸収してシリンダー14内の低融点合金16に伝える作用を有する。
プランジャー15の外周部は段により大径部15Aと小径部15Bが形成されている。大径部15の外径はシリンダー14の大径部14Aの内径より僅かに小さく形成される。小径部15Bの外径はシリンダー14の小径部の内径および低融点合金16の内径より僅かに小さく形成される。
プランジャー15は、シリンダー14の大径部14A側から挿通され、小径部15Bと、大径部15Aと小径部15Bの境の段部15Cとが低融点合金16に接触する。プランジャー15をシリンダー14に挿通した状態において、プランジャー15の外周面はシリンダー14Bおよび低融点合金16の内周面と摺動可能となっている。
プランジャー15には貫通穴15Dが穿設されており、貫通穴15Dの中間にはセットスクリュー17の先端が接触する段部15Eが形成されている。
セットスクリュー17は筒形をしており外部には牡ネジ17Aが螺刻されている。牡ネジ17Aを支持板12の牝ネジ12Aに螺入すると、セットスクリュー17の先端がプランジャー15の段部15Eを押圧するので低融点合金16はプランジャー15の段部15Eとシリンダー14の底部14Dにより圧縮方向の力が作用した状態にある。
また一対のレバー11に係合した支持板12とバランサー13もレバー11との係止が強まる方向へ力が印加され、レバー11と支持板12、バランサー13の係合状態が保持される。これにより感熱分解部4がユニットとして構成される。
感熱分解部4と弁体3の間にはサドル20が設置される。サドル20は金属の板材から形成されており、矩形状の平面部Hの一面には一対のレバー11が係合する凹部20Aが形成されている。平面部Hの凹部20Aが形成された辺と隣接した辺にはデフレクター5方向に垂下して設置された三角形状の脚部L、Lが形成されている。
脚部Lはサドル20がデフレクター5上に落下した際に、脚部Lの一辺がデフレクター5と接触して平面部Hが傾いた状態でデフレクター5上に載置される作用を有する。サドル20がデフレクター5上に載置した状態では、一方の脚部Lの斜辺L1がデフレクター5と接触され、他方の脚部Lの角部L2がデフレクター5と接触する。
矩形状の平面部Hは4つの角部を有しているが前述のようにサドル20の一方の脚部Lの斜辺L1がデフレクター5と接触され、他方の脚部Lの角部L2がデフレクター5と接触した状態において一つの角部がデフレクター5に近接して位置し、該角部と対角位置にある角部はデフレクター5から一番離れた状態となる。これにより平面部HはデフレクターHに対して傾いた状態で載置される。
サドル20の平面部Hがデフレクター5上に傾いて載置されることで放水口1Bから放出される水の流れに対して平面部Hおよび脚部Lが流れの抵抗となることでサドル20がデフレクター5から押し流されて外部に落下させることができる。本実施形態では平面部Hだけでなく脚部Lも放水口1Bから放出される水の流れの抵抗となるように形成している。
上記の実施形態について、図10(a)においては脚部Lを2箇所設けているが、これの変形例として同図(b)のように脚部Lを1箇所設けた形態でもよい。また凹部20Aが形成された平面部の形状について図10(a)(b)では矩形としているが、図10(c)(d)のように円形に構成することも可能である。さらに脚Lについて牝ネジ20Bを延長させて形成することも可能であり図10(d)はサドル20の断面状態であり牝ネジ20Bの先端面を斜めに形成して脚Lの作用を持たせたものである。
凹部20A、20Aの間には、牝ネジ20Bが螺刻されており、該牝ネジ20Bにはコンプレッションスクリュー21が螺入されている。
コンプレッションスクリュー21を感熱分解部4側から弁体3に向かって牝ネジ20Bに螺入すると、コンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧して、弁体3が放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞するとともに、一対のレバー11が係止されているフレーム部2の内方フランジ2Cを下方に押圧する。これによって梁状部2Jが弾性変形し極僅かな変位が生じる。このような梁状部2Jのたわみによる変位によって、分解作動時に感熱分解部4の構成部品をフレーム部2の外にはじき飛ばすバネ力が生じる。本実施形態ではコンプレッションスクリュー21とサドル20による簡易な部品構成と簡単な組立作業によって、弁体3の止水性と梁状部2Jのたわみ変形とに必要な荷重を得ることができる。
デフレクター5は、平板状で周囲に複数のスリット5Aが形成されている。デフレクター5にはガイドピン5Cが嵌合される穴5B、5Bが穿設されており、該穴5Bにガイドピン5Cの一端が挿通され、カシメ固定される。ガイドピン5Cは本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通されている。ガイドピン5Cは穴5Eに挿通された状態で摺動可能である。ガイドピン5Cの他端側には鍔部5Dが形成されており、本体1のデフレクター係止部2Gの穴5Eの端面に係止可能である。
サポートカップ6は、本体1のフレーム部2の外側を覆う有底円筒形状の部材である。サポートカップ6の底部6Aには前述の本体1のサポートカップ係止部1Cと嵌合可能な開口6Bが形成されている。サポートカップ係止部1Cと開口6Bを嵌合させることで、サポートカップ6が本体1に対して回転することを防止できる。
開口6Bの周縁には外側へ向かって立設した筒状部6Cが形成されている。筒状部6Cの端面の位置はサポートカップ係止部1Cの端面より配管接続部1A側にあり、筒状部6Cの端は本体1の配管接続部1Aとサポートカップ係止部1Cとの間の括れ部1D付近に位置する。筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを入れた後、切り込みの上部を外周側から括れ部1D側に押圧して切り込みの上部を括れ部1D側に変形させ係合部6Dを形成することで係合部6Dと括れ部1Dが係合され、サポートカップ6を本体1に固定設置することができる。
サポートカップ6の底面内側には前述の開口6Bと同様な開口が形成されたベースプレート6Eが設置されている。またサポートカップ6の底面6Aの周縁付近には均等間隔で複数の開口6Fが穿設されている。開口6Fはサポートカップの底面6Aから側面6Gにまで及んでいる。側面6Gの端面側には螺旋溝6Hが形成されている。
カバープレート7は、サポートカップ6内の本体1や感熱分解部4、デフレクター5を覆い隠す薄板状の蓋7Aと、円筒形状のリテーナー7Bから構成される。カバープレート7は、本体1の配管接続部1Aを消火設備配管に接続した後にサポートカップ6に接続されることから、前述の本体1やサポートカップ6とは別部品として組立てられる。
蓋7Aは円盤形状であり材質は熱を伝播しやすい銅や銅合金を用いる。リテーナー7Bは筒状であり下端から垂下した複数の脚の先端が折り曲げられ、蓋7Aとの接続面7Cが形成されている。接続面7Cと蓋7Aは低融点合金7Dにより接合される。低融点合金7Dは前述のシリンダー14内の低融点合金16より融点が低いものを用いる。
リテーナー7Bの周面には前述のサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合可能な突起7Eが形成されている。該突起7Eはリテーナー7Bの周面に切り込みを入れ、突起7Eが斜め下方に突出するように形成されている。突起7Eはストッパーの作用を有しておりサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合状態の際にリテーナー7Bを下方に引き抜こうとすると突起7Eが螺旋溝6Hに引っ掛かり抜け止めとなる。
逆にサポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め入れる際には突起7Eは螺旋溝6H上で弾性変形して螺旋溝6H上を通過することが可能である。従って、サポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め込む際にはリテーナー7Bをサポートカップ6に押し込むワンプッシュ操作で設置可能である。
続いて、第1実施形態のスプリンクラーヘッドの組立手順および施工手順について説明する。
先ず、本体1のフレーム部2の端から弁体3を段部2H内に嵌め入れる。続いてコンプレッションスクリュー21が螺合されたサドル20をフレーム部2内に入れる。
さらにサドル20の凹部20Aの位置にレバー11が係合するように、予め組立てておいた図4の状態の感熱分解部4をフレーム部2内に挿入する。その際、レバー11を内方フランジ2Cのレバー挿通溝2Dを通過させてフレーム部2内に挿入し、レバー11の先端が内方フランジ2Cより奥へ挿通した後に感熱分解部4を回転させて凹部20Aとレバー11を係合させる。さらに感熱分解部4を回転させ、レバー11の位置がレバー挿通溝2Dから略90°回転した位置にセットする。
続いて感熱分解部4のセットスクリュー17の貫通穴からコンプレッションスクリュー21を回転可能なレンチやドライバー等の工具を挿通させ、コンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺入させる。するとコンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧するとともにレバー11の先端が内方フランジ2Cを押圧して内方フランジ2Cを弾性変形させる。コンプレッションスクリュー21を所定のトルクで締め付けることにより弁体3が放出口1Bを押圧する荷重を所定範囲内にコントロールすることが可能である。このようにフレーム部2の内部に弁体3等の構成部品をすべて入れた後に、貫通穴に工具を挿入しコンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺合させることで組立作業が完了するので、組立作業を容易に行うことができる。
次にデフレクター5を本体1に設置する。ガイドピン5Cを本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通した後、ガイドピン5Cの端とデフレクター5の穴5Bをカシメ固定する。
続いて、サポートカップ6を本体1に設置する。本体1のサポートカップ係止部1Cとサポートカップ6の筒状部6Cを嵌め合わせた状態で、筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを穿設する。その後切り込みの上部を筒状部6Cの外周側から括れ部1Dに向かって押圧すると、切り込みの上部が括れ部1Dの外周形状に沿って変形され係合部6Dが形成される。係合部6Dと括れ部1Dが係合されてサポートカップ6が本体1に固定完了となる。ここまででスプリンクラーヘッドの製品としての組立手順は完了する。
カバープレート7は、上記の製品を配管に接続して天井ボードWを施工した後(図7の状態)にサポートカップ6に接続される。カバープレート7の設置は、カバープレート7の突起7Eをサポートカップ6の螺旋溝6Hに螺合させて接続する。
このとき消火設備配管の接続口と天井面との間の距離は、設計上や施工上、消火設備配管の接続口ごとに異なることがある。このような場合にはサポートカップ6に対するリテーナー7Bの差し込み長さを調整することで、個々の接続口と天井面との間の距離に対応して設置することが可能である。
例えば図1ではサポートカップ6に対してリテーナー7Bが最も深く差し込まれているが、図1よりも配管の接続口と天井面との間が離れている場合にはリテーナー7Bの差し込み長さを浅くすればよい。
そしてこの場合に、本実施形態ではデフレクター係止部2Gを天井面にできるだけ近いフレーム部2の開口端側に設けられており、デフレクター5の移動範囲が大きい。このためリテーナー7Bの差し込み長さが浅く、デフレクター5が図1よりも下方位置でカバープレート7の裏面に載置させた状態になったとしても問題なく施工することができる。即ちコンシールド型スプリンクラーヘッドAの施工上の取付調整代を大きく取ることができ施工が容易になる。
以上によって図1に示すスプリンクラーヘッドの組立および施工が完了する。
続いて、本発明のスプリンクラーヘッドの作動について説明する。
上記のスプリンクラーヘッドは本体1図示しない給水管と接続され、放水口1B内には水が充填された状態にある。火災が発生すると、蓋7Aとリテーナー7Bを接合している低融点合金7Dが溶融して蓋7Aが落下する。蓋7Aの落下により蓋7A上に載置されていたデフレクター5は自重によって図中下方へ移動する。デフレクター5はガイドピン5Cの一端に固定設置されており他端側に形成された鍔部5Dによりデフレクター係止部2Gに係止される。
火災の熱によって感熱分解部4内の低融点合金16が溶融すると低融点合金16を収容しているシリンダー14内のプランジャー15がシリンダー14の底面側に没入する。このプランジャー15の移動によって感熱分解部4の構成品は支えを失い分解作動する。
感熱分解部4が分解作動して外部に放出されると共に、サドル20および弁体3もフレーム部2から外部へ放出される。その際、サドル20はデフレクター5上に落下するが、サドル20がデフレクター5上に傾いた状態で落下して放水口1Bから放出される水の流れによってサドル20がデフレクター5から押し流されて外部に落下する。
放水口1Bより放出された水はデフレクター5に衝突して四方へ散布され、火災の抑制・消火が行われる。

1 本体
1A 配管接続部
1B 放水口
2 フレーム部
2B 平面部
2C 内方フランジ
2D レバー挿通溝
2E 開口(開口部)
2F レバー係止部
2G デフレクター係止部
2H 段部
2J 梁状部
3 弁体
4 感熱分解部
5、37 デフレクター
6 サポートカップ
7 カバープレート7
11 レバー
12 支持板
13 バランサー
14 シリンダー
15 プランジャー
16、32 低融点合金
17 セットスクリュー
20 サドル
20A 凹部
20B 牝ネジ
21 コンプレッションスクリュー
L 脚部

Claims (3)

  1. 本体内部の放水口を閉塞する弁体と、火災時に分解作動する一対のレバーを有する感熱分解部との間にサドルが設置されており、一対のレバーが係止される平面部と、平面部の縁から延出して形成された脚部を有しており、放水口とサドルの延長上にデフレクターが設けられており、感熱分解部が作動してサドルがデフレクター上に落下した際にデフレクター表面に脚部が接触してサドルの平面部が傾いた状態となることを特徴とするスプリンクラーヘッド。
  2. 脚部を複数設置して、それぞれ異なる長さに形成した第1項に記載のスプリンクラーヘッド。
  3. 脚部の形状をそれぞれ異なる形状にした第1項または第2項に記載のスプリンクラーヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015192859A (ja) * 2014-03-20 2015-11-05 千住スプリンクラー株式会社 スプリンクラーヘッド
WO2016030956A1 (ja) * 2014-08-26 2016-03-03 千住スプリンクラー株式会社 スプリンクラーヘッド

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