JP2012099251A - リチウム二次電池用正極、導電剤組成物、リチウム二次電池正極用組成物、及びリチウム二次電池用正極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極に、導電剤と、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体と、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、前記芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体と、正極活物質とを含ませる。
【選択図】なし
Description
この際、多くの導電剤は、結着剤が吸着し難く、また凝集が解け難い傾向があるので、前記の混練では、大きな力で長時間をかけて行うことが求められる。
混練時間の短縮のためには、例えば、正極活物質と導電剤と結着剤とを従来よりも大きな力で混練することにより、混練時間を短縮することも考えられる。この点、例えばカーボンで形成された導電剤は大きな力で混練しても破砕され難いので、大きな力で混練しても一次粒子径が小さくならず、電池の性能を損なうことはないとも考えられる。ところが、実際に大きな力で混練すると、例え導電剤が破砕されないとしても、正極活物質が破砕されることにより、正極活物質の粒径が小さくなって電池容量が低下することになる。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔7〕を要旨とする。
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体と、
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、前記芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体と、
正極活物質とを含む、リチウム二次電池用正極。
〔2〕 正極活物質100重量部に対する前記アクリル系重合体及び水添ブロック共重合体の合計量が、0.5重量部以上5重量部以下であり、
前記水添ブロック共重合体を、前記アクリル系重合体の2倍以上7倍以下の量で含む、〔1〕記載のリチウム二次電池用正極。
〔3〕 前記アクリル系重合体が、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであって前記アルキルエステルのアルキル基の炭素原子数が1個以上18個以下である(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位を50重量%以上95重量%以下含み、
さらに前記アクリル系重合体は、α,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を、5重量%以上50重量%以下含む、〔1〕又は〔2〕に記載のリチウム二次電池用正極。
〔4〕 ポリフッ化ビニリデンを含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用正極。
〔5〕 導電剤と、
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体と、
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、前記芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体と、
溶媒とを含む、導電剤組成物。
〔6〕 〔5〕記載の導電剤組成物と、
正極活物質とを含む、リチウム二次電池正極用組成物。
〔7〕 集電体と、前記集電体の表面に設けられた正極活物質層とを備えるリチウム二次電池用正極を製造する製造方法であって、
導電剤;(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体;芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、前記芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体;及び溶媒を混合して、導電剤組成物を調製する工程と、
調製した前記導電剤組成物及び正極活物質を混合して、リチウム二次電池正極用組成物を調製する工程と、
前記集電体の表面に、調製した前記リチウム二次電池正極用組成物を塗布して前記正極活物質層を形成する工程とを含む、リチウム二次電池用正極の製造方法。
本発明の導電剤組成物、リチウム二次電池正極用組成物及びリチウム二次電池用正極の製造方法によれば、リチウム二次電池用正極を従来よりも短時間で製造できる。
本発明のリチウム二次電池用正極(以下、適宜「本発明の正極」という。)は、下記(i)〜(iv)の成分を含む。
(i)導電剤。
(ii)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体。
(iii)芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体。
(iv)正極活物質。
導電剤としては、導電性を有する材料を用いる。導電剤を用いることにより、正極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、特に放電レート特性を顕著に改善できる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の導電性カーボン;黒鉛などの炭素粉末;各種金属のファイバー及び箔;などが挙げられる。中でも、本発明のリチウム二次電池用正極の製造方法(以下、適宜「本発明の製造方法」という。)による製造時間の短縮の効果が顕著に得られることから、導電剤として導電性カーボンを用いることが好ましい。なお、導電剤の材料は、1種類を単独で含むものを用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて含むものを用いてもよい。さらに、導電剤として、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るアクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位およびα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含む重合体である。アクリル系重合体は、通常、本発明の正極において結着剤として機能する。また、本発明に係るアクリル系重合体は結着力が強いので、充放電を繰り返しても正極活物質及び導電剤を正極活物質層に安定して保持できるため、リチウム二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
なお、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
1つのオレフィン性二重結合を持つ単官能性単量体に含まれる熱架橋性の架橋性基としては、例えば、エポキシ基、N−メチロールアミド基、オキセタニル基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単量体が挙げられる。これらの中でも、エポキシ基を含有する単量体が架橋及び架橋密度の調節が容易な点でより好ましい。
炭素−炭素二重結合およびエポキシ基を含有する単量体としては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテル;ブタジエンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,5−エポキシ−2−ペンテン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのジエンまたはポリエンのモノエポキシド;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステルなどの不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;などが挙げられる。
本発明に係る水添ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、共役ジエンに由来する単量体単位の一部又は全部が水添(すなわち、水素添加)された重合体である。本発明に係る水添ブロック共重合体を含むことにより、本発明の製造方法において調製されるリチウム二次電池正極用組成物(以下、適宜「正極用組成物」という。)のチクソ性を低減させることができるので、正極用組成物の塗工性を改善して正極活物質層を容易に製造できるようになる。
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの重合反応は、乳化重合法により行うことが好ましい。ただし、目的とするブロック構造を形成するため、各ブロックを得るためのモノマーは、通常は段階的に反応系に供給される。乳化重合法により粒子状のブロック共重合体が得られるが、得られたブロック共重合体の個数平均粒子径は、通常、本発明に係るアクリル系重合体と同様になる。
また、ブロック共重合体に対する水素添加は、例えば、ブロック共重合体を適切な溶媒に溶解させた状態において、水素化触媒の存在下で水素ガスで処理することにより行う。前記の水素化触媒としては、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、銅等が挙げられる。
正極活物質としては、リチウムイオンを可逆に放出及び吸蔵できる材料を用いればよいが、中でも電子輸送を容易に行えるように電子伝導度が高い材料が好ましい。このような正極活物質としては、例えば、遷移金属酸化物;リチウムと遷移金属との複合酸化物;遷移金属硫化物;リチウムリン酸化物等の、各種の無機化合物が挙げられる。ここで遷移金属としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等が挙げられる。
さらに、前記の化合物を部分的に元素置換したものを正極活物質として用いてもよい。
なお、正極活物質は、1種類だけを用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明の正極は、更にポリフッ化ビニリデン(以下、適宜「PVDF」という。)を含むことが好ましい。ポリフッ化ビニリデンを結着剤として用いることにより、電池容量を大きくできる。本発明において使用されるポリフッ化ビニリデンは、フッ化ビニリデンのホモポリマーであっても、マレイン酸などを共重合したコポリマーであってもよい。
本発明の正極においては本発明に係るアクリル系重合体及び本発明に係る水添ブロック共重合体が結着剤として機能する。これらのアクリル系重合体及び水添ブロック共重合体は高い結着力を有する優れた結着剤であるが、正極活物質の表面の広い面積を覆う傾向があり、特にアクリル系重合体ではその傾向が顕著である。仮に、正極活物質の表面のほぼ全体が結着剤で覆われると、リチウム二次電池の電池容量は小さくなる可能性がある。これに対し、ポリフッ化ビニリデンは正極活物質の表面に部分的に結着する傾向があるので、ポリフッ化ビニリデンを結着剤として用いれば正極活物質の表面全体が結着剤によって覆われることを安定して防止できるので、電気容量を大きくできる。
本発明の正極では、通常、上述した導電剤、アクリル系重合体、水添ブロック共重合体および正極活物質、並びに必要に応じてポリフッ化ビニリデンを正極活物質層に含む。この際、正極活物質は、本発明の効果を著しく損なわない限り、導電剤、アクリル系重合体、水添ブロック共重合体、正極活物質およびポリフッ化ビニリデン以外に、他の成分を含んでいてもよい。
また、例えば、正極活物質層が、補強剤を含んでいてもよい。補強剤としては、例えば、無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーなどが挙げられる。補強剤の使用量は、正極活物質100重量部に対して、通常0重量部より多く、好ましくは1重量部以上であり、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下である。
正極活物質層は、上述した導電剤、アクリル系重合体、水添ブロック共重合体および正極活物質、並びに必要に応じてポリフッ化ビニリデンを含む層であり、通常は、集電体の表面に設けられる。
正極活物質層の厚みは、通常5μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは250μm以下である。
集電体の材料は、電気導電性を有し、かつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されない。集電体の材料の例を挙げると、耐熱性を有するとの観点から、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金等の金属材料が好ましく、中でもアルミニウムが特に好ましい。
また、集電体の厚みは、0.001mm〜0.5mmが好ましい。
また、正極活物質層の接着強度や導電性を高めるために、集電体の表面に中間層を形成してもよい。
本発明の正極は、通常、以下に説明する本発明のリチウム二次電池用正極の製造方法(すなわち、本発明の製造方法)によって製造する。
本発明の製造方法は、集電体と、前記集電体の表面に設けられた正極活物質層とを備える本発明の正極を製造する方法であって、
(I)導電剤、本発明に係るアクリル系重合体、本発明に係る水添ブロック共重合体、及び溶媒を混合して、導電剤組成物を調製する工程と、
(II)調製した導電剤組成物及び正極活物質を混合して、リチウム二次電池正極用組成物を調製する工程と、
(III)集電体の表面に、調製したリチウム二次電池正極用組成物を塗布して正極活物質層を形成する工程と、
を含む方法である。
本発明の製造方法では、導電剤、本発明に係るアクリル系重合体、本発明に係る水添ブロック共重合体、及び溶媒を混合して、導電剤組成物を調製する工程(I)を行う。導電剤、本発明に係るアクリル系重合体及び本発明に係る水添ブロック共重合体は、上述したとおりである。
TI値=η50/η100
本発明の製造方法では、工程(I)を行った後で、調製した導電剤組成物及び正極活物質を混合して、正極用組成物を調製する工程(II)を行う。また、ポリフッ化ビニリデンを用いる場合には、工程(II)において導電剤組成物とポリフッ化ビニリデンとを混合することが好ましい。導電剤組成物、正極活物質及びポリフッ化ビニリデンは、上述したとおりである。
増粘剤としては、通常、正極用組成物の溶媒に可溶な重合体が用いられる。増粘剤の例を挙げると、(変性)ポリ(メタ)アクリル酸およびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリビニルアルコール、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、無水マレイン酸又はマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体などのポリビニルアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、変性ポリアクリル酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、水添ニトリル−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。本発明において、「(変性)ポリ」は「未変性ポリ」又は「変性ポリ」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタアクリル」を意味する。なお、増粘剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
増粘剤の使用量は、正極活物質100重量部に対して、0.5重量部〜1.5重量部が好ましい。増粘剤の使用量がこの範囲であると、正極用組成物の塗工性が良好となり、正極活物質層と集電体との結着性を良好にできる。
なお、正極用組成物は、その他の成分を1種類だけ含んでいてもよく、2種類以上を含んでいてもよい。
本発明の製造方法では、工程(II)を行った後で、集電体の表面に、調製した正極用組成物を塗布して正極活物質層を形成する工程(III)を行う。正極用組成物を集電体に塗布し、必要に応じて乾燥させることにより、集電体の表面に正極用組成物の固形分を層状に結着させて、正極活物質層を形成することができる。
本発明の製造方法では、上述した工程(I)〜工程(III)に加えて、更に別の工程を行ってもよい。
例えば、正極活物質層に対して加熱処理を施してもよい。加熱処理は、通常、120℃以上の温度で、1時間以上行う。
本発明の正極は、リチウム二次電池の正極として用いることにより、通常は、当該リチウム二次電池の電池容量及びサイクル特性を高くできる。このように電池容量及びサイクル特性に優れる二次電池を短時間で効率よく製造できる点で、本発明の正極及び本発明の製造方法は、生産上の大きな意義を有するものである。
以下、本発明の正極を備えるリチウム二次電池の構成の一例について説明する。
正極としては、本発明の正極を用いる。
負極としては、例えば、集電体と、集電体の表面に設けられた負極活物質層とを備えるものが挙げられる。集電体としては好ましくは銅箔を用いる。また、負極活物質層は、通常、負極活物質と結着剤とを含む層である。
電解液は、通常のリチウム二次電池に用いられるものであれば、液状でもゲル状でもよい。通常、電解液としては、電解質と溶媒とを含むものを用いる。
電解液としては、通常、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、例えば、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すので、LiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。なお、電解質は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。通常は、解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなる傾向があるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
セパレーターは、電極の短絡を防止するため正極と負極の間に設けられる部材である。このセパレーターとしては、通常、気孔部を有する多孔性基材が用いられる。セパレーターの例を挙げると、(a)気孔部を有する多孔性セパレーター、(b)片面または両面上に高分子コート層が形成された多孔性セパレーター、(c)無機フィラーや有機フィラーを含む多孔質のコート層が形成された多孔性セパレーター、などが挙げられる。
リチウム二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、負極と正極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口すればよい。さらに、必要に応じてエキスパンドメタル、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを設け、電池内部の圧力上昇及び過充放電を防止することもできる。リチウム二次電池の形状は、ラミネートセル型、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、いずれであってもよい。
〔粘度の評価方法〕
導電剤スラリーについて温度23℃にてBM型粘度計を用いて回転数50rpmでの粘度を測定し、測定開始60秒後の値を評価した。
導電剤スラリーについて温度23℃にてBM型粘度計を用いて、ローター回転数50rpm、60秒後の粘度η50と、回転数100rpm、60秒後の粘度η100とから、下記式を用いてTI値を算出した。
TI値=η50/η100
得られた正極を幅2.5cm×長さ10cmの矩形に切って試験片とし、正極活物質層面を上にして固定した。試験片の正極活物質層の表面にセロハンテープを貼り付けた後、試験片の一端からセロハンテープを50mm/分の速度で180°方向に引き剥がしたときの応力を測定した。測定を10回行い、その平均値を求めてこれをピール強度とした。ピール強度が大きいほど正極活物質層の集電体への結着力が大きいことを示す。
得られたコイン型電池を用いて、それぞれ20℃で0.1Cの定電流で4.3Vまで充電し、0.1Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電サイクルを行った。充放電サイクルは25サイクルまで行い、5サイクル目の放電容量と、25サイクル目の放電容量を測定した。
(1)アクリル系重合体の用意
攪拌機付き5MPa耐圧オートクレーブに、α,β−不飽和ニトリル化合物としてアクリロニトリル15部と、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしてアクリル酸ブチル85部と、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部と、溶媒としてイオン交換水150部と、重合開始剤として過硫酸カリウム1部とを入れ、十分に攪拌した後、70℃に加温して重合を開始した。モノマー消費量が96.0%になった時点で冷却して反応を止め、アクリル系重合体粒子の水分散液を得た。
このアクリル系重合体粒子の水分散液100部に、N−メチルピロリドン320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、アクリル系重合体1のNMP溶液を得た。得られたアクリル系重合体1のNMP溶液の固形分濃度は10%であった。
攪拌機付き50MPa耐圧オートクレーブで、窒素ガス雰囲気下において、スチレン100部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウム0.1部と、極性化合物としてテトラメチルエチレンジアミン0.2部を添加し、60℃で1時間重合した後、1,3−ブタジエン100部を含むシクロヘキサン溶液を加えて60℃で2時間重合した。その後スチレン100部を含むシクロヘキサン溶液を添加して60℃で1時間重合してブロック共重合体を得た。
次に、上記で得られたブロック共重合体をTi系水素添加触媒で水添して、水添ブロック共重合体Aを得た。水添ブロック共重合体Aの水添率を、核磁気共鳴装置を用いて測定したところ、水添率は98%であった。
用意したアクリル系重合体1のNMP溶液を固形分換算で1部と、水添ブロック共重合体Aを4部と、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製「デンカブラック」;結晶層厚みLc=3.5nm、DBP吸油量=160ml/100g)10部と、これらの組成物(即ち、アクリル系重合体1のNMP溶液、水添ブロック共重合体A及びアセチレンブラック)と同重量の粒径3mmのジルコニアビーズとを容器に入れ、さらに、NMPを入れて、組成物の固形分濃度が16%となるように調整した。ペイントシェーカー(東洋精機製作所社製)を用いて、1時間混練し、導電剤組成物として導電剤スラリー1を得た。得られた導電剤スラリー1において、「水添ブロック共重合体の重量/アクリル系重合体1の重量」で表される比は4であった。
製造した導電剤スラリー1について、粘度及びTI値を測定した。結果を表1に示す。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(セルシード社製「C−10N」)を100部と、調製した導電性スラリー1を固形分換算で3部と、ポリフッ化ビニリデン1部とを混合し、さらにN−メチルピロリドンを固形分濃度が80%になるように混合し、プラネタリーミキサーで混練して、正極用組成物として正極用スラリー1を調製した。前記の混練は、混練温度30℃、回転速度60rpmにて1時間行った。
上記正極用スラリー1をコンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミ箔上に、乾燥後の膜厚が120μm程度になるように塗布した。その後、60℃で20分間乾燥させ、150℃で2時間加熱処理を施して、電極原反を得た。この電極原反をロールプレスで圧延し、正極の密度が3.5g/cm3、アルミ箔および正極活物質層の合計厚みが100μmに制御された板状の正極を製造した。作製した正極の結着性を評価するため、ピール強度を測定した。
得られた正極を、直径15mmの円形シートに切り抜いた。この正極の正極活物質層面側に、直径18mm、厚さ25μmの円形ポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーターと、負極として用いる金属リチウムと、エキスパンドメタルとを順に積層し、これをポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器中にECとDECを体積で1:2の比で混合した液にLiPF6を1M溶解させた電解液を、空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約2mmのコイン型電池を製造した。作製したコイン型電池について、電池特性を評価した。その結果を表1に示す。
(1)アクリル系重合体の用意
アクリロニトリルの量を20部に変更したこと、及び、アクリル酸ブチルの量を80部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、アクリル系重合体2のNMP溶液を得た。
水添ブロック共重合体としては、水添ブロック共重合体Aを用意した。
アクリル系重合体1のNMP溶液の代わりにアクリル系重合体2のNMP溶液を固形分換算で1部用いたこと、並びに水添ブロック共重合体Aの量を2.5部にしたこと以外は実施例1と同様にして、導電剤組成物として導電剤スラリー2を得た。得られた導電剤スラリー2において、「水添ブロック共重合体の重量/アクリル系重合体2の重量」で表される比は2.5であった。
製造した導電剤スラリー2について、粘度及びTI値を測定した。結果を表1に示す。
導電性スラリー1の代わりに導電性スラリー2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、正極用スラリー2を調製した。
正極用スラリー1の代わりに正極用スラリー2を用いたこと以外は実施例1と同様にして正極を製造した。作製した正極の結着性を評価するため、ピール強度を測定した。
得られた正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン型電池を製造した。作製したコイン型電池について、電池特性を評価した。その結果を表1に示す。
(1)アクリル系重合体の用意
アクリロニトリルの量を30部に変更したこと、及び、アクリル酸ブチルの量を70部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、アクリル系重合体3のNMP溶液を得た。
水添ブロック共重合体としては、水添ブロック共重合体Aを用意した。
アクリル系重合体1のNMP溶液の代わりにアクリル系重合体3のNMP溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電剤組成物として導電剤スラリー3を得た。
製造した導電剤スラリー3について、粘度及びTI値を測定した。結果を表1に示す。
導電性スラリー1の代わりに導電性スラリー3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、正極用スラリー3を調製した。
正極用スラリー1の代わりに正極用スラリー3を用いたこと以外は実施例1と同様にして正極を製造した。作製した正極の結着性を評価するため、ピール強度を測定した。
得られた正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン型電池を製造した。作製したコイン型電池について、電池特性を評価した。その結果を表1に示す。
水添ブロック共重合体として、実施例1で使用した水添ブロック共重合体Aの水添率を85モル%とした水添ブロック共重合体Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリー4及び正極用スラリー4を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表1に示す。
なお、水添ブロック共重合体として用意した水添ブロック共重合体Bは、芳香族ビニル化合物であるスチレンと、共役ジエンである1,3−ブタジエンとのブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量は67重量%、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が1モル%であり、共役ジエンに由来する単量体単位の85モル%が水添されている。
2回に分けて添加したスチレンの量をそれぞれ20部、1,3−ブタジエンの量を60部としたこと以外は、実施例1と同様にして、水添ブロック共重合体Cを得た。
水添ブロック共重合体として、上記水添ブロック共重合体Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリー5及び正極用スラリー5を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表1に示す。
なお、水添ブロック共重合体として用意した水添ブロック共重合体Cは、芳香族ビニル化合物であるスチレンと、共役ジエンである1,3−ブタジエンとのブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量は42重量%、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が1モル%であり、共役ジエンに由来する単量体単位の99モル%が水添されている。
1,3−ブタジエンをイソプレンに代えたこと以外は、実施例1と同様にして、ブロック共重合体Dを得た。
水添ブロック共重合体として、上記水添ブロック共重合体Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリー6及び正極用スラリー6を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表1に示す。
なお、水添ブロック共重合体として用意した水添ブロック共重合体Dは、芳香族ビニル化合物であるスチレンと、共役ジエンであるイソプレンとのブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量は67重量%、イソプレンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が1モル%であり、イソプレンに由来する単量体単位の99モル%が水添されている。
アクリロニトリルの量を40部に変更したこと、及び、アクリル酸ブチルの量を60部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、アクリル系重合体7のNMP溶液を得た。
アクリル系重合体1のNMP溶液の代わりにアクリル系重合体7のNMP溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリー7及び正極用スラリー7を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表2に示す。
ポリフッ化ビニリデンの量を0.5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリー8及び正極用スラリー8を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表2に示す。
アクリル系重合体1と水添ブロック共重合体Aの合計量に対するポリフッ化ビニリデンの量を0.6倍に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリー9及び正極用スラリー9を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表2に示す。
正極活物質100部に対する、アクリル系重合体および水添ブロック共重合体Aの合計量を1.3部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリー10及び正極用スラリー10を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表2に示す。
正極活物質、ポリフッ化ビニリデン、アセチレンブラック、アクリル系重合体1、及び水添ブロック共重合体Aを実施例1と同じ量で混練容器に一括して配合して導電性スラリーを調整したこと以外は実施例1と同様にして、正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表2に示す。
アクリル系重合体1と水添ブロック共重合体Aの合計量に対するポリフッ化ビニリデンの量を2.2倍に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電剤スラリー12及び正極用スラリー12を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表2に示す。
攪拌機付き50MPa耐圧オートクレーブで、窒素ガス雰囲気下において、スチレン100部を含むシクロヘキサン溶液にテトラヒドロフラン1部を加え、次いでn−ブチルリチウム0.1部を添加し、40℃で1時間重合した後、1,3−ブタジエン100部を含むシクロヘキサン溶液を加えて10℃で2時間重合した。その後スチレン100部を含むシクロヘキサン溶液を添加して10℃で5時間重合してブロック共重合体を得た。
次に、上記で得られたブロック共重合体をTi系水素添加触媒で水添して、水添ブロック共重合体Eを得た。
なお、水添ブロック共重合体として用意した水添ブロック共重合体Eは、芳香族ビニル化合物であるスチレンと、共役ジエンである1,3−ブタジエンとのブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量は67重量%、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が20モル%であり、共役ジエンに由来する単量体単位の98モル%が水添されている。
水添ブロック共重合体として実施例1で使用した水添ブロック共重合体Aの水添率を60モル%とした水添ブロック共重合体Fを用いたこと以外は実施例1と同様にして正極用スラリーC2を調製し、それを用いて正極及びコイン型電池を製造した。評価結果を表3に示す。
なお、水添ブロック共重合体として用意した水添ブロック共重合体Fは、芳香族ビニル化合物であるスチレンと、共役ジエンである1,3−ブタジエンとのブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量は67重量%、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が1モル%であり、共役ジエンに由来する単量体単位の60モル%が水添されている。
2回に分けて添加したスチレンの量をそれぞれ15部、1,3−ブタジエンの量を70部としたこと以外は、実施例1と同様にして、水添ブロック共重合体Gを得た。
水添ブロック共重合体として上記水添ブロック共重合体Gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、導電剤スラリーを調製しようとしたが、導電剤が均一に分散した導電剤スラリーが得られず、正極を製造できなかった。
なお、水添ブロック共重合体として用意した水添ブロック共重合体Gは、芳香族ビニル化合物であるスチレンと、共役ジエンである1,3−ブタジエンとのブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量は30重量%、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が1モル%であり、共役ジエンに由来する単量体単位の98モル%が水添されている。
表1及び表2に示したように、実施例においては短時間の混練によって塗工に適した粘度及びチクソ性を有する導電剤スラリーが得られ、それを用いて、電池容量の大きいリチウム二次電池が得られた。また、得られたリチウム二次電池は25サイクル目になっても放電容量の低下が小さく、サイクル特性にも優れていた。なお、実施例11においては導電剤スラリー11が他の実施例ほど短時間の混練では液状のスラリーとはならなかったが、更に混練を続けていれば従来よりは短時間で液状のスラリーになったものと考えられる。
また、比較例2では、導電剤スラリーC2の粘度が高く、導電剤を分散させることが難しかったので、導電剤スラリーC2をスラリー化するのに長時間を要した。
さらに、比較例3では、導電剤スラリーC3が液状のスラリーとならず、このため正極用スラリーが得られなかったので、正極を製造できなかった。
Claims (7)
- 導電剤と、
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体と、
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、前記芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体と、
正極活物質とを含む、リチウム二次電池用正極。 - 正極活物質100重量部に対する前記アクリル系重合体及び水添ブロック共重合体の合計量が、0.5重量部以上5重量部以下であり、
前記水添ブロック共重合体を、前記アクリル系重合体の2倍以上7倍以下の量で含む、請求項1記載のリチウム二次電池用正極。 - 前記アクリル系重合体が、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルであって前記アルキルエステルのアルキル基の炭素原子数が1個以上18個以下である(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位を50重量%以上95重量%以下含み、
さらに前記アクリル系重合体は、α,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を、5重量%以上50重量%以下含む、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極。 - さらにポリフッ化ビニリデンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用正極。
- 導電剤と、
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体と、
芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、前記芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体と、
溶媒とを含む、導電剤組成物。 - 請求項5記載の導電剤組成物と、
正極活物質とを含む、リチウム二次電池正極用組成物。 - 集電体と、前記集電体の表面に設けられた正極活物質層とを備えるリチウム二次電池用正極を製造する製造方法であって、
導電剤;(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する単量体単位及びα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する単量体単位を含むアクリル系重合体;芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体であって、前記芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上75重量%以下であり、共役ジエンに由来する単量体単位における1,2結合体単位の量が15モル%以下であり、且つ、共役ジエンに由来する単量体単位の70モル%以上が水添されている、水添ブロック共重合体;及び溶媒を混合して、導電剤組成物を調製する工程と、
調製した前記導電剤組成物及び正極活物質を混合して、リチウム二次電池正極用組成物を調製する工程と、
前記集電体の表面に、調製した前記リチウム二次電池正極用組成物を塗布して前記正極活物質層を形成する工程とを含む、リチウム二次電池用正極の製造方法。
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