JP2012091956A - 複合酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Mnが均一に固溶し、正方晶性が高く、かつ、結晶性に優れたペロブスカイト型複合酸化物を効率よく製造できるようにする。また、得られるペロブスカイト型複合酸化物を誘電体セラミック層として用いて特性の良好な積層セラミック電子部品を提供する。
【解決手段】ABO3(AはBaおよび/またはCaであり、Bは少なくともTiを含む)で表されるペロブスカイト型複合酸化物を製造するにあたって、少なくとも酸化チタン粉末と、酸化チタン粉末に由来するTi元素100モルに対してMn元素が0.05〜0.30モルとなるような割合のマンガン成分とを含む原料液に、少なくとも水酸化バリウムを加えて反応させる。
さらに、前記反応により生成する反応生成物を熱処理する。
また、マンガン成分として、水溶性のマンガン化合物を用いる。
また、誘電体セラミック層として、前記方法で製造されるペロブスカイト型複合酸化物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミック電子部品用のセラミック原料として好適に用いることが可能なペロブスカイト型複合酸化物の製造方法および該製造方法により製造されるペロブスカイト型複合酸化物、それを用いた積層セラミック電子部品に関する。
微粒で結晶性に優れたペロブスカイト型複合酸化物(例えば、チタン酸バリウムなど)を経済的に製造することが可能な複合酸化物粉末の製造方法として、以下に説明するような方法が提案されている。
一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有する複合酸化物粉末の製造するにあたって、水酸化バリウム水溶液と、チタンアルコキシドのアルコール溶液と、カルシウム塩のアルコール溶液との混合溶液を作製し、前記混合溶液を60〜100℃で反応させることにより、微粒なチタン酸バリウム粉末や、カルシウム変性チタン酸バリウム粉末を製造する方法が提案されている(特許文献1、請求項1,3参照)。また、その後、これら反応物を熱処理することにより、X線回折によるc/a軸比が大きい正方晶性の高いチタン酸バリウム粉末や、カルシウム変性チタン酸バリウム粉末を得る方法が提案されている(特許文献1、請求項2,4参照)。
そして、この特許文献1の方法によれば、「誘電体素子の絶縁不良を起こしにくい高信頼性のカルシウム変性微粒チタン酸バリウム粉末が得られ、小型高集積化ならびに大容量化を達成し得る積層セラミック電子部品が得られる」とされている。
しかし、近年、積層コンデンサの薄層化にともない、より高い信頼性が得られる微粒チタン酸バリウム粉末やカルシウム変性微粒チタン酸バリウム粉末が求められるに至っている。
また、他の複合酸化物の製造方法として、二酸化炭素が存在しない雰囲気下において、酸化チタン粒子に対して、水溶性バリウム化合物を等モルの割合で加え、pHが11.5以上、13.0以下の水溶液中にて、100℃以下の温度で反応させる反応工程を有するチタン酸バリウム粉末の製造方法が提案されている(特許文献2、請求項1,2参照)。
この特許文献2の方法によれば、酸化チタンと水溶性バリウム化合物(水酸化バリウム)を100℃以下の比較的低い温度で反応させることから、塩素不純物の混入を防止しつつ、粒度分布の狭いチタン酸バリウム粉末を安価に製造することができるとされている。
しかし、特許文献2に開示された方法では、得られるチタン酸バリウム粉末の正方晶性は低いと考えられ、近年の高特性が求められる積層セラミックコンデンサ用の誘電体としては、電気特性が必ずしも十分ではないものと考えられる。
特許第3780405号公報 特許第4057475号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、複合酸化物粒子の内部まで均一にMnが固溶したペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法、さらには、正方晶性が高く、かつ、結晶性に優れたペロブスカイト型複合酸化物の製造方法、および該製造方法により製造されるペロブスカイト型複合酸化物、該ペロブスカイト型複合酸化物を用いた誘電体セラミック層を備える特性の良好な積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法は、
ABO3(AはBaおよび/またはCaであり、Bは少なくともTiを含む)で表されるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法であって、
酸化チタン粉末と、前記酸化チタン粉末に由来するTi元素100モルに対するMn元素の割合が0.05〜0.30モルとなるような割合で配合されたマンガン成分とを含む原料液に、水酸化バリウムを加えて反応させる反応工程を備えていること
を特徴としている。
また、前記反応工程で得られる反応生成物を熱処理する熱処理工程を備えていることが好ましい。
また、前記マンガン成分として、水溶性のマンガン化合物を用いることが好ましい。
また、本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、請求項1〜3のいずれかに記載の方法により製造されたものであることを特徴としている。
また、本発明の積層セラミック電子部品は、
複数の内部電極が、誘電体セラミック層を介して互いに対向するように積層された構造を有する積層セラミック電子部品であって、
前記の誘電体セラミック層として、請求項4記載のペロブスカイト型複合酸化物を用いてなる誘電体セラミック層を備えていること
を特徴としている。
本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法は、酸化チタン粉末と、酸化チタン粉末に由来するTi元素100モルに対するMn元素の割合が0.05〜0.30モルとなるような割合で配合されたマンガン成分とを含む原料液に、水酸化バリウムを加えて反応させる反応工程を備えているので、複合酸化物粒子の内部にまで均一にMnが固溶したペロブスカイト型複合酸化物粉末を効率よく製造することができる。
なお、Mnはそのイオン半径から、ABO3で表されるペロブスカイト型複合酸化物のBサイト(Tiサイト)に固溶すると考えられる。そして、MnがTiサイトを占め、格子が歪むことにより、酸素欠陥などの移動が抑制され、絶縁抵抗や信頼性に優れたペロブスカイト型複合酸化物を得ることが可能になる。
なお、本発明においては、Mn成分の含有量を、Ti元素100モルに対し、Mn元素が0.05〜0.30モルとなるような割合とすることが望ましいが、これは、Mn元素の割合が0.05モル未満になると、例えば、積層セラミックコンデンサの誘電体として用いた場合における耐用性に問題が生じるばかりでなく、絶縁抵抗も低下する傾向があり、また、0.30モルを超えた場合には、例えば、積層セラミックコンデンサの誘電体として用いた場合における耐用性が大幅に低下するとともに、絶縁抵抗も低下するという問題があることによる。
また、反応工程を経て得られる反応生成物を熱処理することにより、正方晶性の高い、高性能のペロブスカイト型複合酸化物を得ることが可能になる。
なお、上記の熱処理工程における温度は850〜1000℃の範囲とすることが好ましい。これは、850〜1000℃の範囲で熱処理することにより、Mnで変性され、正方晶性が高い、特性の良好なペロブスカイト型複合酸化物が得られることによる。
また、Mn成分として、水溶性のマンガン化合物を用いることにより、Mnと他の成分との反応を均一にして、複合酸化物粒子の内部にまで、より均一にMnが固溶したペロブスカイト型複合酸化物粉末を効率よく製造することができる。
また、本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、本発明にかかるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法により製造されたものであり、複合酸化物粒子の内部にまで均一にMnが固溶した、高特性のペロブスカイト型複合酸化物を提供することが可能になる。
本発明の積層セラミック電子部品は、誘電体セラミック層として、本発明にかかる、正方晶性に優れた高特性のペロブスカイト型複合酸化物を用いているので、特性が良好で、信頼性の高い積層セラミック電子部品(例えば、多層化、薄層化された高特性の積層セラミックコンデンサなど)を提供することが可能になる。
本発明の方法により製造されたペロブスカイト型複合酸化物を誘電体材料として用いた積層セラミックコンデンサを示す図である。 比較用の試料(表1の試料番号1の試料)について行った加速寿命試験(HALT)における絶縁抵抗(logIR)の変化を示す図である。 本発明の実施例にかかる試料(表1の試料番号2の試料)について行った加速寿命試験(HALT)における絶縁抵抗(logIR)の変化を示す図である。 本発明の実施例にかかる他の試料(表1の試料番号4の試料)について行った加速寿命試験(HALT)における絶縁抵抗(logIR)の変化を示す図である。
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
(1)主成分粉末の作製
まず、比表面積が300m2/gのTiO2粉末、30m2/gのCaCO3粉末、およびBa(OH)2粉末を準備し、Ti100モルに対し、Baが95.0モル、Caが5.0モル、Aサイト成分(Ba,Ca)とBサイト成分(Ti)のモル比が0.995になるように秤量した。
また、硝酸マンガン6水和物(Mn(NO32・6H2O)粉末を、Ti100モルに対するMnのモル数が表1の値になるような割合で秤量した。
Figure 2012091956
次に、容積が5リットルのガラス容器を準備し、秤量したTiO2粉末、CaCO3粉末を入れた後、所定量の純水を投入し、スラリーとした。
それから、得られたスラリーを撹拌しながら加熱し、Mn(NO33・6H2O粉末を投入した。
さらに、スラリー温度が70℃に達した時点で、秤量しておいたBa(OH)2粉末を投入し、撹拌しながら1時間反応させた。
次に、得られたスラリーを排出し、乾燥機で乾燥した後、整粒し、850〜1000℃の温度で熱処理することにより、Ca、およびMnで変性したチタン酸バリウム粉末(主成分粉末)(表1のBCT−1〜BCT−5)を得た。
上記の熱処理前の粉末と、熱処理後の粉末(主成分粉末)について、X線回折による、結晶軸のa軸に対するc軸の比(c/a軸比)を測定するとともに、ガス吸着法により比表面積を測定した。その結果は、概略、以下の通りであった。
<熱処理前>
c/a軸比=1.0000
比表面積SS=55〜60m2/g
<熱処理後>
c/a軸比=1.0082〜1.0090
比表面積SS=7〜10m2/g
(2)積層コンデンサの作製
上述のようにして作製した主成分粉末(BCT−1〜BCT−5)100モルに対し、添加物としてMgOを1.0モル、Dy23を0.8モル、SiO2を1.3モルの割合で秤量し、添加した。
また、モル比調整用のBaCO3を、A/B比が1.007になるように添加した。
さらに、Mnを含まない主成分粉末((BCT−1)については、上記添加物に加え、Ti100モルに対してMnが0.05モルとなるような割合でMnCO3を添加した。
それから、上述のようにして得た配合物、有機バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂、有機溶剤としてエタノール、直径が2mmのPSZメディア(粉砕メディア)をボールミルに投入し、混合、粉砕し、スラリー化した。
そして、このスラリーを、ドクターブレード法を用いて、シート厚みが焼成後に0.8μmとなるようにシート成形し、これを所定の大きさに打ち抜き、矩形状のグリーンシートを得た。
次に、上記グリーンシート上に、ニッケル粉末を導電成分とする導電ペーストをスクリーン印刷し、焼成後に内部電極となる導電ペースト層(内部電極パターン)を形成した。
そして、内部電極パターンが形成されたグリーンシートを、積層し、さらに、上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないグリーンシートを外層として積層し、圧着することにより、積層ブロックを作製した。
それから、この積層ブロックを所定の寸法となるようにカットして得た未焼成の積層体を、大気中で熱処理して脱バインダーした後、還元性雰囲気中で焼成し、焼成済みの積層体(セラミック積層体)を得た。
それから焼成済みの積層体の両端面に、外部電極形成用の導電ペーストを塗布して焼き付けることにより、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成した。
これにより、図1に示すような積層セラミックコンデンサ(表2の試料番号1〜5の試料)20が得られる。なお、この積層セラミックコンデンサ20は、積層セラミック素子11中に、セラミック誘電体層12を介して、複数の内部電極13a,13bが積層され、かつ、互いに対向する内部電極13a,13bが交互に積層セラミック素子11の異なる側の端面14a,14bに引き出されている。そして、積層セラミック素子11の端面14a,14bには、内部電極13a,13bと電気的に接続する外部電極15a,15bが形成されている。
なお、この積層セラミックコンデンサ20の素子厚み(誘電体層の厚み)は0.8μm、誘電体層の積層数は100層である。
(3)特性の評価
上述のようにして作製した積層セラミックコンデンサについて、周囲温度150℃で、16Vの直流電圧を印加し、加速寿命試験(HALT)を行った。初期の絶縁抵抗(LogIR)と、IRが100kΩにまで低下した時間を故障時間とした平均故障発生時間(MTTF)を表2に示す。
また、試料番号1,2,4の試料についてのHALT試験結果を図2,3,4に示す。
なお、表2の試験結果は、各試料につき、それぞれ10個のサンプルを用意して試験を行うことにより得た結果である。
Figure 2012091956
表2に示すように、Ti100モルに対しMnを0.05〜0.30モルの範囲で含有させた試料番号2〜4の試料の場合、絶縁抵抗IRは1桁以上向上することが確認された(表2および図3,4参照)。
また、Mnを0.05〜0.15モルの範囲で含有させることにより(試料番号2,3)、平均故障発生時間(MTTF)が2倍以上に向上し、より好ましいことが確認された(表2および図3参照)。
一方、Mnの含有量が0.30モルを超えた試料番号5の試料(Mnの含有量が0.50モルの主成分粉末を用いた試料)の場合、平均故障発生時間(MTTF)が短くなり、好ましくないことが確認された。
また、試料番号1の試料(積層セラミックコンデンサ)は、Mnを含まない主成分粉末(表1のBCT−1)に、Mnを、Ti100モルに対してMnが0.05モルとなるような割合で後添加したものを用いて作製した試料であるが、この試料番号1の試料では、主成分に同量のMnを含有させたBCT−2を用いた、表2の試料番号2の試料に比べて、平均故障発生時間(MTTF)が短くなっており、信頼性が低いことが確認された(表2および図2参照参照)。
これは、本発明の要件を満たすBCT-2のペロブスカイト型複合酸化物粉末においては、Mnが粒子の表面から内部まで均一に固溶しているためであると考えられる。
上記の結果より、Mnの含有量は、Ti100モルに対し、Mn0.05〜0.30モルの範囲とすることが望ましいことがわかる。
なお、Mnはそのイオン半径から、ABO3で表されるペロブスカイト型複合酸化物のBサイト(Tiサイト)に固溶すると考えられ、適量のMnがTiサイトを占め、格子が歪むことにより、酸素欠陥などの移動が抑制され、絶縁抵抗IRや信頼性(平均故障発生時間(MTTF))が向上するものと推測される。
一方、Mn含有量が過剰になる(0.30モルを超える)と、平均故障発生時間(MTTF)が短くなる(信頼性が低下する)のは、格子に固溶しないMnが増加することによるものと考えられる。
なお、本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法においては、添加するMn成分として、水溶性のマンガン化合物を用いることが好ましい。具体的には、硝酸マンガン、硫酸マンガンなどが例示されるが、取り扱いの容易さから硝酸マンガンを用いることがより好ましい。
また、この実施例では、Ca源としてCaCO3を用いているが、炭酸塩の他に、水溶性、非水溶性は問わず、酢酸塩、硝酸塩などの化合物を用いることができる。これらの化合物を添加することにより、Ca元素が固溶したペロブスカイト型複合酸化物を製造することができる。
または、この実施例のように、Ba源として水酸化バリウムの無水物(Ba(OH)2粉末)を用いた場合、固体のまま直接TiO2などが分散したスラリーに添加することができる。また、スラリーに添加した時点で、その溶解熱により、100℃付近までの急激な温度上昇が起きるため、合成反応が促進される。
これらの理由から、Ba源としては水酸化バリウムの無水物を用いることが好ましい。
なお、上記実施例では、本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法により製造される複合酸化物粉末を用いて積層セラミックコンデンサを作製したが、本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、積層セラミックコンデンサに限らず、多層部品などに広く用いることが可能である。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、酸化チタン粉末と、マンガン成分とを含む原料液に、水酸化バリウムを加えて反応させる反応工程における条件、反応生成物を熱処理する熱処理工程における条件、各成分の原料化合物の種類、本発明のペロブスカイト型複合酸化物を用いて得られる積層セラミック電子部品の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
11 積層セラミック素子
12 セラミック誘電体層
13a,13b 内部電極
14a,14b 積層セラミック素子の端面
15a,15b 外部電極
20 積層セラミックコンデンサ

Claims (5)

  1. ABO3(AはBaおよび/またはCaであり、Bは少なくともTiを含む)で表されるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法であって、
    酸化チタン粉末と、前記酸化チタン粉末に由来するTi元素100モルに対するMn元素の割合が0.05〜0.30モルとなるような割合で配合されたマンガン成分とを含む原料液に、水酸化バリウムを加えて反応させる反応工程を備えていること
    を特徴とするペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  2. 前記反応工程で得られる反応生成物を熱処理する熱処理工程を備えていることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  3. 前記マンガン成分として、水溶性のマンガン化合物を用いることを特徴とする請求項1または2記載のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により製造されたものであることを特徴とするペロブスカイト型複合酸化物。
  5. 複数の内部電極が、誘電体セラミック層を介して互いに対向するように積層された構造を有する積層セラミック電子部品であって、
    前記の誘電体セラミック層として、請求項4記載のペロブスカイト型複合酸化物を用いてなる誘電体セラミック層を備えていること
    を特徴とする積層セラミック電子部品。
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