JP2013241314A - 酸化物強誘電体およびその製造方法 - Google Patents

酸化物強誘電体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも高い誘電率と圧電定数とを有する酸化物強誘電体およびその製造方法を提案する。
【解決手段】ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶でなり、導入または低減された酸素空孔6により自発分極方向が制御され、第1相H1および第2相H2で自発分極方向が異なる方向に配向させるようにした。これにより、酸化物強誘電体1では、従来よりも高い誘電率と圧電定数とを実現し得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、酸化物強誘電体およびその製造方法に関する。
従来、酸化物強誘電体の代表的物質としては、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)が知られており、積層セラミックスコンデンサの材料や、圧電材料などに広く利用されている(例えば、非特許文献1参照)。ここで、BaTiO3は誘電率が3000程度であり、このBaTiO3などの酸化物強誘電体の課題の1つとして誘電率や圧電定数の向上が挙げられており、これら誘電率や圧電定数を向上させるべく、近年、種々の研究が盛んに行われている。
「ウィキペディア チタン酸バリウム」、[online]、平成24年5月20日検索、インターネット(URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%BF%E3%83%B3%E9%85%B8%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0)
このように、酸化物強誘電体では、コンデンサや圧電素子の性能を向上させるために、例えば分極の構造を制御するなどの種々の研究が行われており、高い誘電率や圧電定数が得られる新規な酸化物強誘電体の製造が望まれている。
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来よりも高い誘電率と圧電定数とを有する酸化物強誘電体およびその製造方法を提案することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の請求項1は、ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶でなる酸化物強誘電体であって、導入または低減された酸素空孔により自発分極方向が制御され、第1相および第2相で該自発分極方向が異なる方向に配向されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5は、ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶でなり、酸素空孔が導入または低減された酸化物構造体を生成する生成ステップと、前記酸化物構造体の生成時における自発分極方向とは異なる方向に電界を印加することにより、前記酸素空孔により前記自発分極方向が制御され、第1相および第2相で該自発分極方向を異なる方向に配向させる分極制御ステップとを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、従来よりも高い誘電率と圧電定数とを有する酸化物強誘電体およびその製造方法を実現できる。
本発明による酸化物強誘電体の構成と、PFM(Piezoresponse force microscope, 圧電応答顕微鏡)による観察結果を示す概略図である。 酸化物強誘電体の酸素空孔と自発分極とを示す概略図である。 BaTiO3の結晶格子を示す概略図である。 自発分極方向に対して異なる方向に印加した電界を示す概略図である。 誘電率増大メカニズムの説明に供する概略図である。 Mn量を変えたときの電界誘起歪み特性を示すグラフである。 圧電定数d33とMn量との関係を示すグラフである。 自発分極と電界との関係を示すグラフである。 図8に示したグラフの一部を拡大したグラフである。 誘電率とMn量との関係を示すグラフである。 自発分極と同じ方向に印加した電界を示す概略図である。 電界の印加方向を変えたときの電界誘起歪み特性を示すグラフである。 図12に示したグラフの一部を拡大したグラフである。 他の酸化物強誘電体の構成を示す概略図である。
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
図1において、1は本発明による酸化物強誘電体を示し、この酸化物強誘電体1は、酸化物構造体2からなり、分極界面を介して自発分極Psの方向(以下、自発分極方向とも呼ぶ)が異なる第1相H1と第2相H2とが酸化物構造体2内に形成されている。実際上、この実施の形態の場合、酸化物強誘電体1は、第1相H1の自発分極方向と、第2相H2の自発分極方向とが、互いに約70度または約90度または約110度をなした構成を有する。
なお、図1では、第1相H1と第2相H2とがそれぞれ所定幅の直方体状に形成され、これら第1相H1と第2相H2とが交互に並んだ板状の酸化物強誘電体1を示しているが、実際には、図1の右側に示すPFM(Piezoresponse force microscope :圧電応答顕微鏡)による観察結果のように、第1相H1と第2相H2とが不規則な形状でなり、これら第1相H1と第2相H2とが不規則に配置された分極構造となり得る。
実際上、この酸化物構造体2には、図2に示すように、酸素空孔6が導入されており、この酸素空孔6によって自発分極Psが制御され、第1相H1と第2相H2にて自発分極方向が異なる微細な自発分極Psが形成され、従来よりも高い誘電率と圧電定数とを実現している。ここで、酸化物構造体2に導入された酸素空孔6は、第1相H1と第2相H2との分極界面Sに沿って位置し、ドメイン壁エネルギーを低減し得るようになされている。
このように酸化物強誘電体1では、酸素空孔6によりドメイン壁エネルギーが低減されることから、生成時に、初期の自発分極方向とは異なる方向に電界が印加されることで、電界の影響を受けて自発分極方向が異なる微細な自発分極Psが形成され、安定した分極構造となり得る。実際上、この酸化物強誘電体1では、酸素空孔6を積極的に導入させたことで、自発分極Psの分極サイズdが30[nm]以下、好ましくは10[nm]未満、さらには3〜2[nm]まで微細化した分極構造を形成し得るようになされている。
ここで、この実施の形態の場合、酸化物構造体2は、ペロブスカイト構造を有する単結晶でなるBaTi(1-x)MnxO3(0.0005≦x、好ましくは0.0005≦x≦0.005、さらに好ましくは0.0005≦x≦0.01)からなり、BaTiO3に対して所定量のMnを固溶させることで、酸素空孔6が導入され得るようになされている。なお、図3は、酸化物構造体2の一例であるBaTiO3の結晶格子を示しており、例えばBサイトのTi4+にMn2+が入り、BaTiO3に酸素空孔6が導入され得る。なお、BaTiO3にMnを固溶させた場合には、下記の数1に示すように、1個のMn2+が1個のTi4+を置換し、0が1個不足する。
従って、BaTiO3におけるBサイトのTi4+に、アクセプタとしてMn2+を組成Mn0.005で固溶させた場合には、酸素空孔濃度が0.5[%]の酸化物構造体2が生成され得る。酸素空孔を考慮した組成式は,Ti4+にMn2+が入る場合,BaTi1-xMnxO3-xで表される。なお、ここでは,酸素空孔濃度は、アクセプタとなるイオン(この場合、Mn2+)固溶前の固溶サイトのイオン(この場合、Ti4+)の数に対する酸素空孔の割合となる。
酸化物構造体2としてBaTi(1-x)MnxO3を適用した場合には、Mnのドープ量を調整し、0.0005≦x、好ましくは0.0005≦x≦0.005、さらに好ましくは0.0005≦x≦0.01とし、酸素空孔濃度を0.05[%]以上、好ましくは0.05〜0.5[%]、さらに好ましくは0.05〜1.0[%]以下とすることが望ましい。このようにMnのドープ量を調整したBaTi(1-x)MnxO3を用いて後述する分極制御を行った場合には、酸化物構造体2の分極サイズを30[nm]以下に形成できるとともに、誘電率が20000以上に達する酸化物強誘電体1を形成し得る。
ここで、上述した実施の形態においては、酸化物構造体としてBaTiO3を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、下記の表1に示すようなBiFeO3やBi4Ti3O12などの酸化物構造体であってもよく、また鉛を含んだPbTiO3であってもよい。また、本発明による酸化物強誘電体1は、ペロブスカイト構造を有していれば、単結晶のみならず多結晶であってもよく、さらに、酸化物構造体としては、ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶の酸化物構造体を焼結してセラミックスとしたものであってもよい。
この表1には、本発明に適用可能な酸化物構造体の一例を示す他、各酸化物構造体の室温での晶系と、その強誘電歪みについても示している。強誘電歪みは、正方晶のときc/a、斜方晶のときc/b、菱面体晶のときc/(a*√6)、層状構造のときb/aにて算出した(なお、a,b,cは結晶軸を示す)。
また、この表1には、酸化物構造体に酸素空孔を含んでいないときのドメイン壁エネルギーEdwと、酸化物構造体に酸素空孔を含んでいるときのドメイン壁エネルギーEdw_Voも示している(酸素空孔濃度を5[%]と仮定)。なお、表1にあるPbTiO3のドメイン壁エネルギーEdwは、第一原理計算により求めた計算値であり、その他の酸化物構造体のドメイン壁エネルギーEdwは、強誘電歪みを変数とした一次近似による推定値である。
一方、酸化物構造体に酸素空孔を含む場合のドメイン壁エネルギーEdw_Voは、PbTiO3の第一原理計算で得られた「ドメイン壁エネルギーEdw_Vo ≒ 0.30 * ドメイン壁エネルギーEdw」の関係式から算出した計算値である。このように表1に示した酸化物構造体は、酸素空孔を含ませることで、ドメイン壁エネルギーがいずれも低減されていることが分かる。従って、表1に示す、いずれの酸化物構造体であっても、PbTiO3と同様に、酸素空孔によりドメイン壁エネルギーが低減され、これにより、生成時、初期の自発分極方向とは異なる方向に電界が印加されることで、電界の影響を受けて自発分極方向が異なる微細な自発分極Psが形成され、安定した分極構造となり、本発明の酸化物強誘電体となり得る。
次に、酸化物構造体に酸素空孔を導入させるためのイオンについて説明する。例えば、BaTiO3のTi4+サイトにアクセプタとしてイオンを固溶させ酸素空孔を導入する場合、Ti4+サイトに固溶させるイオンとしては、Mnの他、Ti4+の価数よりも小さい+3価以下のイオンであれば種々のイオンを適用できる。
アクセプタをMとして、酸素空孔を含む組成式を示す。MがTi4+サイトに固溶するケースにおいて、+3価(M3+)の場合BaTi1-xMxO3-x/2、Mが+2価(M2+)の場合BaTi1-xMxO3-xで表される。また、BaTiO3は、Ti4+サイトではなく、Ba2+サイトにアクセプタとしてイオンを固溶させることにより酸素空孔を導入でき、この場合、Ba2+の価数よりも小さい+1価のイオンであれば種々のイオンを適用できる。
なお、MがBa2+サイトに固溶するこのケースにおいて、+1価(M+)の場合Ba1-xMxTiO3-x/2で表される。因みに、この組成式は次のようにして得られる。この場合、酸素欠損量をyとすると、組成式Ba1-xMxTiO3-yとなり、Ba2+、M1+、Ti4+、O2-の価数で、電荷中性条件(総電荷は±0)を考慮すると、+2(1-x)+1(x)+4-2(3-y)=0、の式が成り立ち、この式からy=x/2が得られ、上記のBa1-xMxTiO3-x/2が得られる。
すなわち、表1のうち、BaTiO3やPbTiO3のようなA(2+)B(4+)O3系(ここでAは+2価の元素、Bは+4価の元素を示す)の酸化物構造体では、酸素空孔を導入するためのイオンとして、下記の表2に示すイオンを用いることができる。
表2に示すように、A(2+)B(4+)O3系の酸化物構造体では、固溶サイトとなる+2価のAサイトにアクセプタとして固溶させるイオンとして+1価のLi,Na,K,Agが挙げられる。一方、+4価のBサイトにアクセプタとしてイオンを固溶させる場合には、+3価のイオンであるFe3+,Al3+,Ni3+,Mn3+,Cr3+,Co3+,Y3+,Sc3+,In3+,Yb3+,Lu3+,Ho3+を用いることができ、また、+2価のイオンであるMg2+,Mn2+,Zn2+,Fe2+,Co2+,Ca2+,Sr2+,Ni2+を用いることができる。
また、表1のうち、例えばKNbO3のようなA(1+)B(5+)O3系(ここでAは+1価の元素、Bは+5価の元素を示す)の酸化物構造体に、酸素空孔を導入するイオンとしては、下記の表3に示すイオンを用いることができる。
さらに、表1のうち、例えばBiFeO3のようなA(3+)B(3+)O3系(ここでAは+3価の元素、Bは+3価の元素を示す)の酸化物構造体に、酸素空孔を導入するイオンとしては、下記の表4に示すイオンを用いることができる。
なお、(Bi(1/2)-δNa(1/2)+δ)TiO3(δは、0<δ<1/2)などの複合酸化物を酸化物構造体として用いた場合には、アクセプタを固溶させなくとも、組成不定比性(定比組成からのずれ)により酸素空孔濃度を制御し得る。また、後述するが、構成元素の揮発によって生じる格子空孔(Bi空孔、Pb空孔など)も、アクセプタとして機能し得る。
次に、本発明による酸化物強誘電体1の製造方法について説明する。この場合、先ず初めに、ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶でなり、酸素空孔が導入または低減された酸化物構造体を生成する。例えば、ペロブスカイト構造を有する単結晶でなり、酸素空孔が導入された酸化物構造体を生成する場合には、上述した表1の組成物と、アクセプタとしてのイオンとを原料として用意し、この原料を用いて、チョクラルスキー(Czochralski:Cz)法や、溶液引き上げ(Top-Seeded Solution Growth:TSSG)法や、フローティングゾーン(Floating Zone:FZ)法、移動帯溶融(Travelling-Solvent Floating Zone:TSFZ)法、静置除冷(Slow-Cooling:SC)法などその他種々の方法により、酸素空孔が導入された単結晶の酸化物構造体を生成する。
因みに、Cz法は、種結晶を融液に浸し、そこに結晶を育成させながら引き上げてゆく手法であり、TSSG法は、種結晶を溶液に浸し、そこに結晶を育成させながら引き上げてゆく手法である。また,FZ法は、原料棒と種結晶の間にある融液からなる溶融帯を順次移動させて種結晶上に単結晶を析出させる手法であり、TSFZ法は、原料棒と種結晶の間にある溶媒を含む溶融帯を順次移動させて種結晶上に単結晶を析出させる手法である。SC法は、容器中に溶融した融液または溶液を除冷してゆき単結晶を析出させる手法である。
次に、図4に示すように、室温にてこの酸化物構造体の生成時における自発分極方向(例えば<100>方向)とは異なる方向(例えば<110>方向)に電界を印加する。この際、酸化物構造体には、酸素空孔が導入され、ドメイン壁エネルギーが低減されていることから、自発分極Psが電界の影響を受けて所定方向に向いた微細な自発分極Psへと変わり、自発分極方向が異なる第1相および第2相でなる微細な分極構造が形成され得る。因みに、この場合、酸化物構造体に印加する電界は、酸化物構造体の生成時における初期の自発分極方向に対して、45度などの鋭角(0度<θ<90度)に印加し得る。
ここで、本発明による酸化物強誘電体1の誘電率の増大メカニズムについて説明する。先ず初めに、酸化物構造体に酸素空孔を導入していない場合に着目し、図5A及び図5Bを用いて分極界面Sの影響を述べる。自発分極Ps´と異なる方向に電界を印加した場合、その誘電率は、主に自発分極Ps´がどの程度回転するかによって決まる。すなわち、電界による自発分極Ps´の回転角が大きいほど、誘電率は大きくなる。自発分極Ps´の回転角は,小さい場合0.001度程度、大きい場合5度程度と予想される。
図5Aに示すように、分極界面が無い場合、自発分極Ps´の回転角は0.001〜0.01度と予想され、その誘電率は小さい。一方、図5Bに示すように、分極界面Sを持つ場合、分極界面S付近は高エネルギー状態にあり、自発分極Ps´は回転しやすい結晶構造になっている。電場を印加すると、分極界面S付近の自発分極Psは大きく回転し、その回転角は0.1〜5度程度と予想される。従って、分極界面Sがある場合には、誘電率が大きくなる。
次に、酸化物構造体2に酸素空孔6を導入する効果について、図5C及び図5Dを用いて説明する。図5Cに示すように、酸素空孔6がほとんど無い、もしくは酸素空孔濃度が小さい場合、分極サイズdは大きく、その分極サイズは1〜50[μm]程度である。分極界面S付近では、自発分極Psは大きく回転するが、分極界面S以外の領域では、自発分極Psの回転角は小さくなる。すなわち、この場合、誘電率は、分極界面Sが無い場合に比べて大きくはなるが、分極界面Sによる誘電率の増強効果は小さいものとなる。
一方、図5Dに示すように、酸素空孔6を導入し、酸素空孔濃度を制御して大きくした場合には、後述のように分極界面Sのエネルギーが酸素空孔6により低下するため、小さな分極サイズdをもつ構造体の形成が可能になる。具体的にはMnをドープしたBaTiO3結晶で、20〜30[nm]の分極サイズdが得られている。この場合、自発分極Psの回転が促進される分極界面Sの領域割合が大きくなり、誘電率も大きくなる。すなわち、分極サイズdが小さいほど、分極界面Sによる誘電率の増強効果が顕著に得られ、大きな誘電率が得られる。
本発明では、酸素空孔を導入(欠陥制御とも呼ぶ)するだけでなく、この欠陥制御を行った酸化物構造体の分極を電界により制御し、その相乗効果により、微細な分極サイズdで自発分極方向が異なる第1相H1および第2相H2を形成し得、これにより誘電率が20000以上に達し、かつ圧電定数d33が630[pm/V]以上に達する酸化物強誘電体1を製造し得る。
次に、本発明による酸化物強誘電体1(以下、これを実施例と呼ぶ)と、酸素空孔を導入していない酸化物強誘電体(以下、これを比較例1と呼ぶ)とを用意して各種検証試験を行った。ここでは、BaTiO3に対してアクセプタとしてMnを1.0[mol%]固溶させ、ペロブスカイト構造を有する単結晶の酸化物構造体を生成し、この酸化物構造体の一方向に揃った自発分極方向に対して45度の角度(E//<110>、図4参照)で電界を印加して、実施例1となる本発明の酸化物強誘電体1を生成した。
また、これとは別に、BaTiO3に対してアクセプタとして固溶させるMnの量を0.1[mol%]とし、その他全て実施例1と同じ製造方法で、実施例2となる本発明の酸化物強誘電体1を生成した。
さらに、これとは別に、BaTiO3に対してMnを固溶させることなく(すなわちMn 0[mol%])、ペロブスカイト構造を有する単結晶の酸化物構造体を生成し、同じくこの酸化物構造体の一方向に揃った自発分極方向に対して45度の角度で電界を印加して、比較例1となる酸化物強誘電体を生成した。
そして、これら実施例1,2および比較例1に対して、それぞれ25[℃]で1[Hz]の電界を0〜10[kV/cm]の間で印加し、各実施例1,2および比較例1の歪みを調べたところ、図6に示すような電界誘起歪み特性が得られた。図6では、一定電界にて実施例1,2および比較例1を比較すると、酸素空孔を導入した実施例1,2の方が、酸素空孔を導入していない比較例1よりも歪みが大きいことが確認でき、実施例1,2が優れた圧電特性を有していることが確認できた。
次に、図6の電界誘起歪み特性を基に、電界0.9〜1.0[kV/cm]でのデータを使用し、その電界範囲のデータと、原点とを結んで歪みの変化を直線近似し、得られた歪みの直線の傾きを圧電定数d33とし、これら実施例1,2および比較例1について、圧電定数d33と、Mnの固溶したMn量との関係を調べたところ、図7に示すような結果が得られた。図7から、Mnが0[mol%]のときは圧電定数d33が69[pm/V]であったが、Mnが0.1[mol%]のときは圧電定数d33が630[pm/V]となり、Mnが0[mol%]のときと比較して圧電定数d33が約9倍近く大きくなった。
このことから、酸化物構造体にMnを固溶させることで圧電定数d33が増加してゆき、Mnを0.1[mol%]固溶させたとき、圧電定数d33が特に増加することが確認できた。かくして、本発明の酸化物強誘電体では、酸化物構造体にMnを固溶させることで圧電特性が従来よりも飛躍的に向上することが確認できた。
次に、上述した実施例1,2および比較例1に加えて、BaTiO3に対して固溶させるMn量を、0.5[mol%]とし、上述と同じ条件にて製造した実施例3となる本発明の酸化物強誘電体1を生成した。そして、これら実施例1,2,3および比較例1に対して、それぞれ25[℃]で1[Hz]の電界を0〜5[kV/cm]の間で印加し、各実施例1,2,3および比較例1の自発分極を調べたところ、図8および図9に示すような結果が得られた。なお、図9は、図8における電界0.0〜1.0[kV/cm]までを拡大したグラフである。
図8および図9を基に、電界0.9〜1.0[kV/cm]でのデータを使用し、その電界範囲のデータと、原点とを結んで直線近似し、得られた自発分極Psの直線の傾きを誘電率とし、これら実施例1,2,3および比較例1について、誘電率と電界との関係について調べたところ、図10に示すような結果が得られた。
図10から、Mnが0[mol%]のときは誘電率が3670であったが、Mnが0.1[mol%]のときは誘電率が22800となり、Mnが0[mol%]のときと比較して誘電率が約6倍近く大きくなった。このことから、酸化物構造体にMnを固溶させることで誘電率が増加してゆき、特にMnを0.1[mol%]固溶させたとき誘電率が特に増加することが確認でき、かくして、Mnを固溶させることで誘電率が飛躍的に高くなることが確認できた。
次に、酸化物構造体に対して印加する電界の向きについて検証試験を行った。ここでは、実施例4と比較例2の生成に用いる酸化物構造体として、BaTiO3に対しアクセプタとしてMn0.001を固溶し、酸素空孔濃度が0.1[%]のBaTi0.999Mn0.001O3からなる酸化物構造体を生成した。なお、酸化物構造体の生成時における初期の自発分極方向は<100>とした。
次いで、実施例4として、図4に示したように、Mn0.001を固溶させた酸化物構造体に対して<110>の方向に電界を印加して、初期の自発分極方向に対して45度の角度で電界を印加した。一方、比較例2として、図11に示すように、Mn0.001を固溶した酸化物構造体に対して<100>の方向に電界を印加して、初期の自発分極方向に対して平行に電界を印加した。
そして、これら実施例4および比較例2に対して、それぞれ25[℃]で1[Hz]の電界を0〜10[kV/cm]の間で印加し、各実施例4および比較例2の歪みを調べたところ、図12および図13に示すような電界誘起歪み特性が得られた。なお、図13は、図12における電界0.0〜1.0[kV/cm]までを拡大したグラフである。
図12および図13の電界誘起歪み特性を基に、実施例4および比較例2について、低電界側である電界1[kV/cm]において直線近似可能な低電界側のデータを使用し、その電界範囲のデータと、原点とを結んで歪みの変化を直線近似し、得られた歪みの直線の傾きを圧電定数d33として算出した。その結果、比較例2では圧電定数d33が0[pm/V]であり、一方、実施例4では圧電定数d33が630[pm/V]であった。このことから、酸化物構造体に対して初期の自発分極方向と異なる方向に電界を印加することで、圧電定数d33が増加し、圧電特性が飛躍的に向上することが確認できた。
以上の構成において、この酸化物強誘電体1では、ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶でなり、導入または低減された酸素空孔6により自発分極方向が制御され、第1相H1および第2相H2で自発分極方向が異なる方向に配向させるようにした。これにより、酸化物強誘電体1では、従来よりも高い誘電率と圧電定数とを実現し得る。
また、このような酸化物強誘電体1では、酸化物構造体2の生成時に酸素空孔濃度を0.0005[%]以上、好ましくは0.05〜1.0[%]とすることで、分極界面におけるドメイン壁エネルギーを格段的に低減し得、かくして自発分極方向の配向状態を電界により確実に変えることができる。
さらに、酸化物強誘電体1では、Pbを含まない例えばBaTiO3などを酸化物構造体2とすることにより、各種圧電素子や、強誘電体素子の非鉛化を図ることができ、これら圧電素子や強誘電体素子の種々の分野への利用展開を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、上述したように、ペロブスカイト構造を有する酸化物構造体2としては単結晶だけでなく多結晶でもよく、この場合、固相反応法をベースにした種々の粉末プロセスにより得られる多結晶の酸化物構造体を生成できる。
また、上述した実施の形態においては、酸化物構造体に酸素空孔を導入して、分極界面のドメイン壁エネルギーを低減させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、酸化物構造体の酸素空孔を低減して、分極界面のドメイン壁エネルギーを低減させるようにしてもよい。
このように酸素空孔を低減させる酸化物構造体としては、表1中、Bi系の酸化物強誘電体であるBi4Ti3O12が該当し得る。実際上、Bi4Ti3O12は、生成時、アクセプタとしてイオンが固溶させることなく、例えば高圧酸素下溶融引き上げ(TSSG)法によって、高温処理(溶融)時の雰囲気の高酸素圧化がBiの揮発に伴う空孔生成を抑制し得る。これにより、高酸素圧化していない通常の雰囲気で生成した酸化物構造体に比して、酸素空孔が低減された酸化物構造体となり得る。ここで、酸化物構造体としてBi4Ti3O12を適用した場合には、酸素空孔濃度を0.5[%]以下、好ましくは0.05〜0.5[%]とすることが望ましい。
因みに、このような酸素空孔を低減させた酸化物構造体たるBi4Ti3O12の育成条件としては、熱処理時の酸素ガスの圧力を空気(0.02[MPa])よりも高くすることが望ましい。例えば、0.1[MPa]から1[MPa]に増加させると、酸素空孔濃度を0.5[%]以下にすることが可能になる。
そして、酸素空孔を低減させる酸化物構造体の生成時における自発分極方向とは異なる方向に電界を印加することにより、酸素空孔により自発分極方向を制御し得、第1相および第2相で自発分極方向を異なる方向に配向させた本発明の酸化物強誘電体となり得る。
なお、図14に示す酸化物強誘電体11は、分極サイズが訳20〜30[nm]としたときの第1相H1と第2相H2をイメージした概略図であり、この場合、誘電率〜24000に達し、従来にない高い誘電率を実現し得る。そして、図1に示した酸化物強誘電体1のように、第1相H1と第2相H2とをさらに微小にして分極サイズを2〜3[nm]とすることで、誘電率〜500000にまで達すると推測され、さらに一段と高い誘電率を有した酸化物強誘電体1を実現できる。
1,11 酸化物強誘電体
6 酸素空孔
H1 第1相
H2 第2相
Ps 自発分極

Claims (7)

  1. ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶でなる酸化物強誘電体であって、
    導入または低減された酸素空孔により自発分極方向が制御され、第1相および第2相で該自発分極方向が異なる方向に配向されている
    ことを特徴とする酸化物強誘電体。
  2. 前記ペロブスカイト構造を有する酸化物構造体の酸素空孔濃度が0.05〜0.5[%]である
    ことを特徴とする請求項1記載の酸化物強誘電体。
  3. 前記第1相および前記第2相に形成された分極サイズが30[nm]以下、好ましくは10[nm]未満である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の酸化物強誘電体。
  4. 前記第1相および前記第2相の分極界面に沿って前記酸素空孔が位置し、前記第1相の前記自発分極方向と、前記第2相の前記自発分極方向とが、互いに70度または90度または110度の角度をなしている
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の酸化物強誘電体。
  5. ペロブスカイト構造を有する単結晶または多結晶でなり、酸素空孔が導入または低減された酸化物構造体を生成する生成ステップと、
    前記酸化物構造体の生成時における自発分極方向とは異なる方向に電界を印加することにより、前記酸素空孔により前記自発分極方向が制御され、第1相および第2相で該自発分極方向を異なる方向に配向させる分極制御ステップと
    を備えることを特徴とする酸化物強誘電体の製造方法。
  6. 前記生成ステップでは、前記酸素空孔を導入または低減させることで、酸素空孔濃度を0.05〜0.5[%]とした前記酸化物構造体を生成する
    ことを特徴とする請求項5記載の酸化物強誘電体の製造方法。
  7. 前記分極制御ステップでは、前記酸化物構造体の生成時における自発分極方向に対して、鋭角に前記電界を印加し、前記第1相および前記第2相で前記自発分極方向を異なる方向に配向させる
    ことを特徴とする請求項5または6記載の酸化物強誘電体の製造方法。
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