JP2005005698A - 圧電単結晶素子とその製造方法 - Google Patents

圧電単結晶素子とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を積極的に利用する圧電単結晶素子(デバイス)を提供するものである。
【解決手段】 分極方向3を擬立方晶の〔001〕軸としたとき、圧電素子端面の法線方向1が、分極方向3に直交する〔010〕及び〔100〕軸を含む結晶平面内に存在するドメイン構造と直交する方向nに対し0〜15°の範囲内、または、40〜50°の範囲内にあることを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は、圧電単結晶素子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、圧電単結晶材料からなる素子であって、分極方向に直交する方向、即ち横方向の振動モードの電気機械結合係数k31と該方向のドメイン構造に着目した圧電単結晶素子及び該圧電単結晶素子の製造方法に関する。
すなわち、本発明は分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31に着目したドメイン構造(素子表面の縞模様の線の延在方向)を適正に制御した圧電単結晶素子及び該圧電単結晶素子の製造方法に関するものである。
圧電単結晶素子は、例えば、図1に示すように、細長比(アスペクト比:L/a)が3以上の棒状体(a=b)について、その長手方向を分極方向3とし、分極方向3に電圧をかけた時の分極方向3の振動(縦方向振動)の大きさに関する電気的エネルギーと機械的エネルギーの変換効率の平方根に比例する縦方向振動モードの電気機械結合係数k33で表わしており、この数値が大きいほど効率が良いことを意味する。また、図2Aに示すような、細長比(アスペクト比:a/b)が2.5以上の板状体の圧電単結晶素子(a>>L,b>>L)について、その分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31に関しても、この数値が大きいほど効率が良いことを意味する。なお、圧電単結晶素子は、前述の棒状体や板状体のほか、方形板や円板等の形状でもよく、それぞれの形状についても同様に、電気機械結合係数を求めることができる。
なお、最もよく知られている圧電単結晶材料として、亜鉛ニオブ酸鉛Pb(Zn1/3Nb2/3)O3と、チタン酸鉛PbTiO3との固溶体(PZN-PT又はPZNTと呼ぶ)又はマグネシウムニオブ酸鉛Pb(Mg1/3Nb2/3)O3と、チタン酸鉛PbTiO3との固溶体(PMN-PT又はPMNTと呼ぶ)からなる圧電単結晶材料がある。
例えば、特許文献1には、亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PZN-PT)の固溶体単結晶からなる圧電体を用いた超音波プローブが開示されている。この技術は、このような圧電体が分極方向3、いわゆる縦方向3の振動モードの電気機械結合係数k33が80〜85%と大きく、この単結晶を使用することにより、感度の良いプローブが得られることを示している。従来、圧電単結晶素子は、このように分極方向3の電気機械結合係数k33について研究され、各種の用途も開発されているが、分極方向3に直交する方向の特性については、未開拓の技術分野である。
特開平6−38963号公報
尚、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31が80%超えと大きい圧電素子を開発した事例としては、小川等の非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。
Jpn.J.Appl.Phys.41(2002)L55 Jpn.J.Appl.Phys.41(2002)pp.7108-7112
しかしながら、かかる非特許文献にはいずれも、上述したように、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31がドメイン構造と関係がある点やk31が80%超える事の再現性についての記載が全くないことから、その他の公知文献と同様、再現性のない偶然得られた実験データであるものと考えられるものである。
ここで、ドメイン構造は、単結晶を素子に適する大きさに切り出したとき、図7(b),図7(c)および図9(b)に示すように、その単結晶材料の表面上に肉眼または、実体顕微鏡により観察できる縞模様を言う。この縞模様は濃淡の縞であり、その間隔は数マイクロメートルから百数十マイクロメートルであるが、1mm以上の間隔になることも観察されている。以下、本発明では、「ドメイン構造」とは、特に、断らない限り「素子表面の縞模様の線の延在方向」を意味する。
本発明は、このようなドメイン構造(素子表面の縞模様の線の延在方向)の向きを適正に制御した圧電単結晶素子とその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)分極方向を擬立方晶の〔001〕軸としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向に直交する〔010〕及び〔100〕軸を含む結晶平面内に存在するドメイン構造(前記結晶平面内に見える縞模様の線の延在方向)と直交する方向に対し0〜15°の範囲または40〜50°の範囲内にある分極方向と直交する方向で、横方向の振動モードの電気機械結合係数k31に優れた圧電単結晶素子である。
(2)上記(1)において、前記圧電単結晶素子が、xPb(A1,A2,…,B1,B2,…)O3+(1−x)PbTiO3(但し、xはモル分率であり、0<x<1とする。)からなる固溶体であって、A1,A2,…はZn,Mg,Ni,Lu,In及びScからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなり、B1,B2…はNb,Ta,Mo及びWからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなり、複合ペロブスカイト構造を有する圧電単結晶材料からなる圧電単結晶素子である。
(3)上記(2)において、前記圧電単結晶素子が、さらに、前記固溶体に、Mn,Cr,Sb,Ca,W,Al,La,Li及びTaからなる群から選ばれた1又は複数の元素を0.5質量ppm〜5質量%を含む圧電単結晶素子である。
(4)上記(1)、(2)又は(3)記載の圧電単結晶素子を製造する方法であって、ドメイン構造を有する単結晶インゴットから所定形状の圧電単結晶材料を所定方向に切り出す工程と、この圧電単結晶材料の[001]方向に、所定の条件で電界を印加して圧電単結晶材料を分極する主分極工程とを有することを特徴とする圧電単結晶素子の製造方法である。
(5)上記(4)において、主分極工程は、切り出した圧電単結晶材料の[001]方向に、20〜200℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を印加する工程である圧電単結晶素子の製造方法である。
(6)上記(4)において、主分極工程は、切り出した圧電単結晶材料の[001]方向に、該圧電単結晶材料のキュリー温度(Tc)より高い温度で250〜500V/mmの直流電界を印加したまま室温まで冷却する工程である圧電単結晶素子の製造方法である。
(7)上記(4)、(5)または(6)において、前記主分極工程の前後いずれかに、分極方向と直交する方向に電界を印加して分極する補助分極工程をさらに有する圧電単結晶素子の製造方法である。
なお、ここでいう「擬立方晶」は、立方晶の他、結晶学的な3軸のなす角度が90°±1°以内である菱面晶、及び菱面晶と正方晶が混合して存在するために、結晶学的に立方晶として取り扱える結晶を含むこととする。また、「ペロブスカイト構造」とは、固溶体単結晶の単位格子が図3に模式的に示したように、Rイオンが、単位格子の角に位置し、酸素イオンが、単位格子の面心に位置し、Mイオンが単位格子の体心に位置するような構造(RMO3)をなしていることを言う。また、本発明が対象としている「複合ペロブスカイト構造」とは、図3の体心位置にあるMイオンが、1種類の元素イオンでなく、2種類以上の複数の元素イオン(A1,A2,…,B1,B2,…)のいずれかの元素からなることを言う。
本発明によれば、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を積極的に利用する、例えば、精密機械の位置制御に用いられるアクチュエーターやトランスデューサーのような用途に使用される圧電単結晶素子(デバイス)の製造が可能である。
本発明者らは、圧電単結晶素子の分極方向3(縦方向振動モード)の電気機械結合係数k33が80%以上の値を持つ事により、多種の用途に供されているにも拘わらず、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31が、例えば、文献IEEE Proc.MEDICAL IMAGING 3664(1999)pp.239やその他の文献に示されるように、49〜62%と分極方向3(縦方向振動モード)の電気機械結合係数k33に比較して低い値であり、且つ文献によりばらつきのある値を示すことに着目した。
そして鋭意研究した結果、該圧電単結晶素子が分極方向3(縦方向振動モード)で大きな電気機械結合係数k33を有しながら、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31が小さく、又、その値に再現性がなく、しかもばらつきが大きいため、横方向振動モードを利用する圧電単結晶素子として適さない原因は、分極された圧電単結晶素子の分極方向3と直交する方向1に関する電気双極子により形成されるドメイン構造(素子表面の縞模様の線の延在方向)が、横方向振動の振動方向1に対し、適正な方向を有していない場合であることを発見した。
また、逆に、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31が大きく、又、その値に再現性があり、横方向振動モードを利用する圧電単結晶素子として適したものであるためには、分極された圧電単結晶素子の分極方向3と直交する方向に関する電気双極子により形成されるドメイン構造(素子表面の縞模様の線の延在方向)が、横方向振動の振動方向1に対し、適正な方向を有していなければならないことを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
例えば、亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PZN-PTまたはPZNTと言う)の固溶体単結晶は、その単位格子が図3に模式的に示したような複合ペロブスカイト構造(単位格子の角の位置にPbイオンがあり、単位格子の体心位置にZn,Nb,Tiのいずれかの元素イオンがある構造)をなしている。図4は、亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)とチタン酸鉛(PT)の組成比による相図を示したものである。尚、図4は、Nomura et al., J.Phys.(1969)等より引用したものである。なお、図4中の○印は、実施例1〜4に使用された0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)(x=0.91とモル分率で表現)の圧電単結晶素子(0.91PZN-0.09PT)の組成の一例である。なお、図4中のTcは、キュリー温度を示し、Trtは、菱面晶(広い概念では、擬立方晶という)から正方晶への相転移温度を示す。
特に、0.91PZN-0.09PTのような菱面晶のPZN-PTでは、擬立方晶と見た時の結晶の〈111〉方位の8つの方向に、電気双極子に相当する自発分極を有している。
また、これらの自発分極は、結晶中にばらばらに存在するのでなく、自発分極の揃った小さな領域(ドメイン)が互いに接して連続的に存在する構造(ドメイン構造)を作る。この構造は、固溶体単結晶を擬立方晶と見なしたとき、6つの{110}面の一つに平行な面の組として存在する。この様子は、前述のように単結晶を素子に適する大きさに切り出して素子材料としたとき、図5の擬立方晶の表面に示されているように、その素子材料の表面上に縞模様として肉眼または、実体顕微鏡(図7(b),図7(c)および図9(b)参照)により観察できる。この縞模様は濃淡の縞であり、その間隔は数マイクロメートルから百数十マイクロメートルであるが、1mm以上の間隔になることも観察されている。
この単結晶をその擬立方晶の[100],[010],[001]軸を独立の直交軸とし、6つの{100}面で囲まれた立方体に切り出した時、例えば、図5にあるように(001),(00-1),(100),(-100)面では、縞の方向は[010]軸に平行であり、(010),(0-10)面では、縞の方向は[10-1]軸に平行であるというように決まった方向を示す。
即ち、上記のような立方体の試料においては、ドメイン構造に対応する表面の縞模様の線の延在方向は、4つの{100}面(具体的には、(001),(00-1),(100),(-100)面では〈100〉軸(具体的には[010]軸)方向に平行であり、残りの2つの{100}面(具体的には、(010),(0-10)面)では〈110〉軸(具体的には、[10-1],[101]軸)に平行である。すなわち、立方体の各表面において、ドメイン構造(縞模様の線の延在方向)は、〈100〉軸方位に対し、平行又は直交ないしは45°の角度を成す。
このような自発分極状態において、ドメイン構造に考慮することなく〈100〉軸方向(例えば[001]軸)に電界を印加した場合でも、電気双極子は電界印加方向(分極方向3、例えば[001]軸)に回転し、自発分極方向が揃うようになる。
しかし、自発分極方向の揃い方には、素子材料のドメイン構造や電界の印加の態様等により種々の状態が生じ、その結果、たとえば、亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PZN-PT)の場合では、分極方向3の電気機械結合係数k33が80%以上の値を持つにもかかわらず、分極方向3に直交する方向1の電気機械結合係数k31が、前述の文献等(IEEE Proc.MEDICAL IMAGING 3664(1999)pp.239)によれば49〜62%の範囲でばらつきを持って分布することがわかった。
このような横方向振動モードの電気機械結合係数k31の値では、積極的にこの電気機械結合係数k31を利用した、例えば精密機械の位置制御に用いられるアクチュエーターやトランスデューサーのような用途に使用される圧電単結晶素子(デバイス)を作製することが困難であった。
この結果を与える要因は、前述のドメイン構造を考慮することにより、以下のように説明される。即ち、育成後の単結晶インゴットから切り出された単結晶のままでは、分極方向3及びこれと直交する方向において、同一方向の電気双極子の集合からなるドメイン内の電気双極子の向きがドメイン毎に種々の方向を向いているため、圧電性を示さず、未分極の状態にある。
通常用いられる一般的な分極条件である分極処理温度と印加電界を選択し、分極方向3に電界を印加して分極することにより、初めてドメイン毎に種々の方向を向く多くのドメイン内の電気双極子の向きを分極方向3(一方向)に揃えることができる。このことにより、分極方向3の電気機械結合係数k33は例えば、亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PZN-PT)の場合に、80%以上の大きな値を示すようになる。
しかし、分極方向3と直交する方向におけるドメインの配列は、上記の分極処理では制御できない。本来、切り出された素子材料の分極方向3と直交する面内のドメイン構造の適切な選択と、分極方向3での分極条件、即ち、分極処理温度と印加電界の適切な範囲内でのみ制御することが可能である。
以下、本発明の圧電単結晶素子の限定理由について、説明する。
(1)圧電単結晶素子の結晶構造(擬立方晶の複合ペロブスカイト構造):
本発明が対象とする「擬立方晶」は、立方晶の他、結晶学的な3軸のなす角度が90°±1°以内である菱面晶、及び菱面晶と正方晶が混合して存在するために、結晶学的に立方晶として取り扱える結晶を含むものである。さらに固溶体単結晶の単位格子が図3に模式的に示したように、Pbイオンが、単位格子の角に位置し、酸素イオンが、単位格子の面心に位置し、Mイオンが単位格子の体心に位置するようなペロブスカイト構造(RMO3)であり、さらに、図3の体心位置にあるMイオンが、一種類の元素イオンでなく、2つ以上の複数の元素イオン(A1,A2…,B1,B2…)のいずれかからなる複合ペロブスカイト構造であることが必要である。
(2)単結晶素子の形状
本発明が対象とする「圧電単結晶素子」の形状は、図2(a)に示すような板状体が、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を利用する場合にその効果を最も大きく発揮するので望ましい。特に、望ましい素子の形状は、細長比(アスペクト比:a/b)が2.5以上の板状体(a>>L,b>>L)、さらに望ましくは、細長比(アスペクト比:a/b)が3以上の板状体である。なお、本発明の板状体の両端部(短辺b)の形状は、用途に応じて、図2(b)に示すように凸状に湾曲b´(破線)あるいは、凹状に湾曲b´´(一点鎖線)していても良い。また、a=bの方形板であっても良い。なお、本発明で言う素子端面は、図2(b)の長辺aに直角な短辺bを言う。従って、素子端面(b)の法線方向1は、素子の長辺aに平行である。
(3)圧電素子端面の法線方向1が、分極方向3に直交する〔010〕及び〔100〕軸を含む結晶平面内に存在するドメイン構造と直交する方向nに対し0〜15°または、40〜50°の範囲内:
このような角度範囲に横方向振動を利用する素子の端面の法線方向1が限られることの理由は、以下のように考えられる。即ち、該範囲以外の角度θの範囲である、分極方向3である〔001〕軸に直交する〔010〕及び〔100〕軸を含む結晶平面内に存在するドメイン構造と直交する方向nに対し15°<θ<40°及び50°<θ<75°の範囲では、分極方向〈100〉軸(例えば〔001〕軸)に直交する平面内にある〈100〉方向(例えば〔010〕方向)と〈110〉方向(例えば〔110〕方向)の間に〈310〉,〈210〉,〈320〉等の低指数の結晶軸方位が存在し、それらの方向で、横振動モードが分散して生ずるため、横振動モードのインピーダンスカーブにスプリアス(曲線の乱れ)が発生したり、横振動モードの周波数範囲(より具体的には、共振周波数fと反共振周波数fの差)が狭まったりする。その結果、横振動モードの電気機械結合係数k31が低下するもと考えられる。なお、下記の(4)で述べるように、立方晶の対称性から、0°〜−15°または−40°〜−50°の角度範囲も、本発明の範囲内である。
(4)単結晶素子の組成と構造:
本発明の圧電単結晶素子の組成は、xPb(A1,A2,…,B1,B2,…)O3+(1−x)PbTiO3(但し、xはモル分率であり、0<x<1とする。)からなる組成の固溶体であって、A1,A2,…はZn,Mg,Ni,Lu,In及びScからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなり、B1,B2…はNb,Ta,Mo及びWからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなる複合ペロブスカイト構造の単結晶を用いた場合に、横方向振動モードに適した素子となる。すなわち、固溶体単結晶の単位格子が図3に模式的に示したように、Pbイオンが、単位格子の角に位置し、酸素イオンが、単位格子の面心に位置し、Mイオンが単位格子の体心に位置するようなペロブスカイト構造(RMO3)であり、さらに、図3の体心位置にあるMイオンが、一種類の元素イオンでなく、Zn,Mg,Ni,Lu,In及びScからなる群から選ばれた1又は複数の元素およびNb,Ta,Mo及びWからなる群から選ばれた1又は複数の元素のいずれかからなる複合ペロブスカイト構造であることが必要である。
特に、固溶体単結晶として、亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PZN-PT)を用いる場合には、前記モル分率xを0.80〜0.98、さらに好ましくは、0.89〜0.95の範囲にすることが好ましい。また、固溶体単結晶として、マグネシウム・ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PMN-PT)を用いる場合には、前記モル分率xを0.60〜0.98、さらに好ましくは、0.60〜0.80の範囲にすることが好ましい。また、固溶体単結晶として、イ ンジウム・マグネシウム酸鉛−チタン酸鉛(PIMN-PT)を用いる場合には、前記モル分率xを0.60〜0.80、さらに好ましくは、0.64〜0.76の範囲にすることが好ましい。
さらに、比誘電率εrや機械的品質係数Qを大きくする等の必要がある場合には、さらに、上記圧電単結晶素子の組成に、Mn,Cr,Sb,Ca,W,Al,La,Li,Taのうちの1又は複数の元素をそれぞれ0.5質量ppm〜5質量%添加しても良い。合計で、5質量%を超える添加は、単結晶とするのが難しく、多結晶となる恐れがある。これらの元素を添加する効果は、例えば、Mn,Crを添加することで、機械的品質係数Qの向上や経時劣化の抑制を図ることができる。また、Sb,La,W,Taの添加により比誘電率εrが向上する。
次に、本発明の圧電単結晶素子の好適な製造方法について説明する。
本発明の圧電単結晶素子の製造方法は、ドメイン構造を有する単結晶のインゴットを製造する工程、その単結晶のインゴットから所定形状の圧電単結晶材料を所定方向に切り出す工程と、この圧電単結晶材料の[001]方向に、所定の条件で電界を印加して圧電単結晶材料を分極する主分極工程、あるいは、この主分極工程の前後で補助分極工程を有することを特徴とするものである。
以下、各工程における本発明の製造方法の限定理由を説明する。
(5)ドメイン構造を有する単結晶インゴットの製造:
xPb(A1,A2,…,B1,B2,…)O3+(1-x)PbTiO3(但し、xはモル分率であり、0<x<1とする。)からなる固溶体であって、A1,A2,…はZn,Mg,Ni,Lu,In及びScからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなり、B1,B2…はNb,Ta,Mo及びWからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなる単結晶、あるいは、さらに、上記組成に、Mn,Cr,Sb,Ca,W,Al,La,Li,Taのうちの1又は複数の元素を0.5質量ppm〜5質量%添加した単結晶のインゴットの製造方法は、上記の組成に調整された原料をフラックス中に溶解させた後、降温させて凝固させる方法か、融点以上に加熱して融解させた後、一方向に凝固させることにより単結晶を得る方法がある。前者の方法としては、フラックス法、融液ブリッジマン法、または、TSSG法(Top Seeded Solution Growth)などがあり、後者としては、水平融解ブリッジマン法、CZ法(チョクラルスキー法)などがあるが、本願発明では、特に規定しない。
(6)単結晶インゴットの結晶学的方位の決定:
単結晶インゴットの[001]軸方位をラウエ法によって概ね決定し、同時に[001]軸方位と直交する[010]軸方位及び[100]軸方位又は、必要に応じて[110]、[101]、[011]軸方位などの結晶学的方位を概ね決定する。
さらに、[001]軸、[010]軸及び[100]軸等のいずれかの結晶軸に直交する結晶学的面{100}面を研磨し、エックス線方位測定機などを用いて正確な方位を決定し、上記の研磨面のズレを修正する。
(7)粗切断(適当な厚さのウェハーへの切断):
上記の単結晶インゴットの研磨面{100}面に平行又は直交して単結晶インゴットをワイヤーソー又は内周刃切断機などの切断機を用いて切断し、適切な厚さの板材(ウェハー)を得る。尚、切断後に、必要に応じてエッチング液を用いて化学エッチングする工程を含むこともできる。
(8)研磨(所定の厚さのウェハーへの切断):
上記のウェハーをラッピング機、ポリッシング機などの研削機又は研磨機によって研削又は研磨し、所望の厚さのウェハーを得る。尚、研削、研磨後に、必要に応じてエッチング液を用いて化学エッチングする工程を含むこともできる。
(9)圧電単結晶材料の製作:
上記のウェハーは、{100}面をウェハー面(もっとも広い面)に持つ。このウェハーのドメイン構造(縞模様の線の延在方向)は、図5に示すように、[100]軸方位に対し、平行又は直交(図7(a))ないしは45°の角度を成す。{100}面内に存在するドメイン構造(縞模様の線の延在方向)と直交する方向nに対し、素子端面の法線方向1が、0〜15°あるいは、40〜50°になるように、このウェハーから所定形状の圧電単結晶材料を、ダイシングソーやカッティングソーなどの精密切断機を用いて切り出して作製する。
(10)電極の作製:
主分極処理あるいは、さらに、補助分極処理で、印加電界を掛けるために必要な電極を事前に作製する必要がある。
主分極処理前に、作製した圧電単結晶材料の対向する{100}面である上下面に、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成するか、プラズマ蒸着で金被膜を形成するか、あるいは、スクリーン印刷で銀被膜を形成した後、焼成して電極を作製する。
また、補助分極処理前では、補助分極方向に垂直な対向する2つの面に、上記と同じ方法で電極を形成する。
なお、補助分極処理後に主分極処理する場合、あるいは、主分極処理後に補助分極処理する場合には、最初の分極処理に使用した電極が残っていると、後の分極処理を不安定にするので、適当な化学エッチング液および酸で完全に電極を除去しておく必要がある。
(11)主分極処理工程:
育成後の単結晶インゴットから切り出された単結晶のままでは、分極方向3及びこれと直交する方向において、同一方向の電気双極子の集合からなるドメイン内の電気双極子の向きがドメイン毎に種々の方向を向いているため、圧電性を示さず、未分極の状態にある。
通常用いられる一般的な分極条件である分極処理温度と印加電界を選択し、分極方向3に電界を印加して分極することにより、初めてドメイン毎に種々の方向を向く多くのドメイン内の電気双極子の向きを分極方向3(一方向)に揃えることができる。このことにより、分極方向3の電気機械結合係数k33は、例えば亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛の場合に、80%以上の大きな値を示すようになる。
しかし、分極方向3と直交する方向におけるドメインの配列は、上記の分極処理では制御できない。本来、切り出された素子材料の分極方向3と直交する面内のドメイン構造の適切な選択と、分極方向3での分極条件、即ち、分極処理温度と印加電界および分極処理時間の適切な範囲内でのみ制御することが可能である。
本発明の主分極工程は、切り出した圧電単結晶材料の分極方向3に、20〜200℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を印加するのが好適である。すなわち、上記の好適な温度範囲の下限値の20℃未満の場合や、印加電界範囲の下限値350V/mm未満の場合には、分極が不十分である。上記の好適な温度範囲の上限値200℃を超える場合や印加電界範囲の上限値1500V/mmを超えた場合には、過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させる。また、過度の電界により、結晶中の歪が増大し、破断を生じさせる可能性があり、圧電単結晶素子にクラックが発生する。
なお、分極時間は、上記の好適範囲内で選ばれた分極処理温度と印加電界に応じて調整することが好ましい。分極時間は、最大でも180分である。
あるいは、主分極工程は、切り出した圧電単結晶材料の分極方向3に、該圧電単結晶材料のキュリー温度Tcより高い温度、好適には、180〜300℃の温度範囲で250〜500V/mmの直流電界を印加したまま室温まで冷却(電界冷却)してもよい。キュリー温度より高い温度にすることで、電気双極子の存在を一旦無くし、その後、キュリー温度以下に冷却することで、電気双極子の向きが、よりきれいに揃うためである。キュリー温度以下の温度の場合には、一部に、電気双極子が残り、分極が不十分になるためである。また、上記の好適な印加電界範囲の下限値250V/mm未満の場合には、分極が不十分である。上記の好適な印加電界範囲の上限値500V/mmを超えた場合には、過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させる。また、過度の電界により、結晶中の歪が増大し、圧電単結晶素子にクラックが発生し、破断が生ずるおそれがある。なお、冷却速度は、冷却中に素子にクラックが生じない冷却速度が望ましい。
なお、キュリー温度は、それ以上の温度になると電気双極子がそれぞれ無秩序な方向を向いて整列しなくなり、圧電性または、強誘電性を示さなくなる転移温度である。これは、組成や物質の構造により決まっている。
(12)補助分極処理工程:
上述した主分極工程は、圧電単結晶素子の主たる分極を行う工程であるが、該主分極工程の実施前あるいは実施後に、上記の分極方向3と直交する方向、望ましくは、横振動方向1に電界を印加し、上記の分極方向3と直交する方向の強誘電体ドメインの整列状態を制御する製造方法も有効である。
上記の分極方向3と直交する方向に印加する電界の種類としては、直流電界、パルス電界、交流電界、またこれらの定常電界のほか、減衰電界などがあり、電界の強さや印加時間、温度条件等は、個々の圧電単結晶素子の特性及び分極方向に直交する方向の電気機械結合係数k31の所望の値に応じて適正条件がある。これらは、実験等によって定めることができる。補助分極の効果を得るためには、補助分極処理温度は、25℃〜相転移温度(例えば、図4に示すTrt線)以下、印加電界範囲は、350〜1500V/mmが好ましい。なお、分極時間は、上記の好適範囲内で選ばれた分極処理温度と印加電界に応じて調整することが好ましいが、特に、10分〜2時間が望ましい。
また、前記のパルス電界としては、直角波のほか、図10に示すような交流三角波などユニポーラ及びバイポーラパルスを用いることができる。
分極方向に直交する方向(横方向振動モード)を利用する圧電単結晶素子として好適である高い電気機械結合係数k31の圧電単結晶素子を得るための、ドメイン構造(結晶平面上では、平行な濃淡の縞模様)の選択及び分極条件を制御する方法について、以下に、実施例をあげて説明する。
(実施例1)
使用した0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)(x=0.91とモル分率で表現)の圧電単結晶素子(キュリー温度Tc=175℃、素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚み)の形状等を図6(a)に示す。
なお、圧電単結晶素子の製造は、前述の製造方法に従い、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)(x=0.91とモル分率で表現)の組成になるように調整された後、前述の融液ブリッジマン法により、単結晶インゴットを得た。次に、この単結晶インゴットの正確な結晶学的方位を決定し、研磨し、この研磨面{100}面に直交して単結晶インゴットをワイヤーソーで切断し、0.5mm厚みの板材を得た。この板材をポリッシング機によって研磨し、0.36mm厚みのウェハーを得た。このウェハーから素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚みの圧電単結晶材料を、ダイシングソーを用いて切り出して作製した。
作製した6面が{100}面で囲まれた圧電単結晶材料10,11において、分極方向を上面10a又は11aと下面10b又は11bとの間の[00-1]軸方向(図6(a)の上下方向)とする。
尚、圧電単結晶材料10は、その上面10aのドメイン構造(表面上の縞模様の線の延在方向)に直交する方向nが素子端面10cの法線方向1と直交する(図6(b)及び図7(b))ように、図7(a)に示す大きな単結晶ウェハー12からダイシングソーを用いて切り出したものであり、圧電単結晶材料11は、その上面11aのドメイン構造(表面上の縞模様の線の延在方向)に直交する方向nが素子端面11cの法線方向1と平行になる(図6(c)及び図7(c))ように、図7(a)に示す大きな単結晶ウェハー12からダイシングソーを用いて切り出したものである。
作製したそれぞれの圧電単結晶材料10、11の対向する{100}面である上下面10a及び10b又は11a及び11bに、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成して金電極を作製し、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加して分極することによって、圧電単結晶素子10′及び11′を製造した。
製造した2種類の分極処理後の圧電単結晶素子10′及び11′について、インピーダンス・フェイズ・ゲイン・アナライザー(HP社製、装置番号:HP4912)を用いて得られたk31モードのインピーダンスカーブと位相を、それぞれ図8(a)及び図8(b)に示す。なお、これらの図8(a)および図8(b)において、位相が0°であるときの2つの周波数、すなわち、共振周波数fと反共振周波数fの差が大きいほど、電気機械結合係数k31が大きいことを示している。なお、k31は、既知の計算式(電子材料工業会標準規格:EMAS-6008,6100参照)によって算出した。その測定結果を表1に示す。
Figure 2005005698
図8(a)に示す圧電単結晶素子10′(その上面10aのドメイン構造(表面上の縞模様の線の延在方向)と直交する方向nが素子端面10cの法線方向1となす角度が90°)では、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、50.7%と55%以下であり、横方向振動モード用の素子の特性としては不十分であった(図8(a))。
一方、図8(b)に示す圧電単結晶素子11′(その上面11aのドメイン構造(表面上の縞模様の線の延在方向)と直交する方向nが素子端面11cの法線方向1となす角度が0°)では、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31も86.2%と80%以上であり、横方向振動モード用の素子の特性としては十分であった(図8(b))。
また、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)(x=0.91とモル分率で表現)の固溶体に、Mn,Cr,Sb,Ca,W,Al、La,Li及びTaからなる群から選ばれた1又は複数の元素を0.5質量ppm〜5質量%をさらに添加した組成についても、0.91PZN−0.09PTと同様の製造方法で素子を作製し、0.91PZN−0.09PTと同様の試験条件で電気機械結合係数k31を調べたところ、表1に示すように、いずれも圧電単結晶素子11′(その上面11aのドメイン構造(表面上の縞模様の線の延在方向)と直交する方向nが素子端面11cの法線方向1と0°の場合に、高い電気機械結合係数k31が得られた。特に、MnやCrを添加した場合には、機械的品質係数Qは、65.0から120.0〜150.0と格段に向上し、Sb、W,La、Taの添加により比誘電率εrが、3500から4300〜4700と大幅に向上した。なお、機械的品質係数Qおよび比誘電率εrは、電子材料工業会標準規格(:EMAS-6008,6100参照)に準拠して、インピーダンスアナライザー(HP社製、装置番号:HP4192A)を用いて求めた。
(実施例2)
本発明者は、更に、横方向振動モード利用の素子の端面方位1(より厳密には、端面の法線方向)とドメイン構造との相関を詳細に調べるため,図9(a)で示すように、ドメイン構造(表面上の縞模様の線の延在方向)と直交する方向nに対し、横方向モード利用の素子の端面11c等の法線方向1が0°(図9(a)に示す[100]方向)から5°ごとに90°(図9(a)に示す[010]方向)まで変化させて、ダイシングソーを用いて切り出した種々の単結晶素材料11、13等を作製し、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加する分極方法を用いて図9(a)の紙面に垂直な方向に分極し、圧電単結晶素子11′、13′とした後、その横方向振動モードに関する電気機械結合係数k31を測定した。その測定結果を表2に示す。なお、圧電単結晶素子の製造方法や素子寸法および、試験条件は、実施例1と同様に行った。
ここで、分極方向と直交する面内(図9(a)では紙面、厳密には、分極方向3に直交する[010]軸と[100]軸を含む結晶平面内)の[100]軸方向に対して0°から90°の範囲を選択したことは、立方晶の対称性から、分極方向と直交する{100}面内のすべての方向に関する情報を得るのに必要十分な角度範囲とするためである。
Figure 2005005698
表2に示す結果から、分極方向3と直交する面内の[100]軸方向に対して0°〜15°と40〜50°において、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)が、横方向振動モードに関する電気機械結合係数k31が70%以上を示し、横方向利用の素子として好適であることがわかる。なお、図9(b)は、ドメイン構造と直交する方向nに対する素子端面の法線方向1が48°になるようにダイシングソーを用いて切り出された単結晶素子の表面写真である。
更に、角度0〜15°の範囲と角度40〜50°の範囲において、角度を5°刻みでなく更に、その間の角度についても、k31を詳細に測定した結果、該範囲において、横方向振動モードの電気機械結合係数k31は常に70%以上であることも確認した。
また、x亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+(1−x)チタン酸鉛(PT)(PZN-PT)の亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)のモル分率xが、0.80と0.95の2つの場合(0.80PIMN-0.20PTおよび、0.95PZN-0.05PT)および、亜鉛ニオブ酸鉛以外の材料のマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)+チタン酸鉛(PT)(PMN−PT)および、インジウム・マグネシウム酸鉛(PIMN)+チタン酸鉛(PT)(PIMN−PT)についても、0.91PZN-0.09PTと同様の製造方法で素子を作製し、0.91PZN−0.09PTと同様の試験条件で電気機械結合係数k31を調べたところ、表2に示すように、いずれも角度0〜15°の範囲と角度40〜50°の範囲において、高い電気機械結合係数k31が得られた。なお、ここで、0.70PMN-0.30PTは、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)のモル分率xが0.70であり、0.70PIMN-0.30PTは、インジウム・マグネシウム酸鉛(PIMN)のモル分率xが0.70である。
一方、分極方向3と直交する面内の[100]軸方向に対して0〜15°の範囲及び40〜50°の範囲からなる適正範囲においては、横振動モードを分散して発生させる前述した〈310〉,〈210〉,〈320〉等の低指数の結晶軸方位が存在しないため、高い横振動モードの電気機械結合係数k31が得られるものと考えられる。また、前記角度θの範囲が、75°≦θ≦90°の範囲では、ドメイン構造と横方向振動を利用する素子端面の法線方向との相関が0≦θ≦15°と逆の相関となるため、低い横振動モードの電気機械結合係数k31しか得られないものと考えられる。
(実施例3)
次に、横方向振動モード利用に好適な圧電単結晶素子を製造する好適な分極処理方法について実施例3を用いて説明する。種々の分極処理条件で製造した圧電単結晶素子10′,11′の横方向振動モードの電気機械結合係数k31を測定した結果を表3に示す。なお、圧電単結晶素子の製造方法や素子寸法および、試験条件は、実施例1と同様に行った。また、圧電単結晶素子の組成は、実施例2と同じ組成の素子を用いた。その測定結果を表3に示す。
Figure 2005005698
実施例1と同様の方法で製造された横方向モード利用に好適な結晶11の分極処理温度を25℃とし、印加電界を本発明範囲の下限値を下回る320V/mm、印加時間を30分から180分の間の数点とした場合は、表3の(1)に印加時間が最長の180分の場合を代表として示すように、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、58%と60%以下であり、横方向振動モード用の素子の特性としては不十分であった。180分よりも短い印加時間においては、更に低い電気機械結合係数k31しか得られなかった。これは、該条件下では、分極が不十分なためであると考えられる。
一方、実施例1と同様の方法で製造された横方向モード利用に適さない結晶10では、いずれの場合でも、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、55%以下であり、分極処理条件での改善は得られなかった。
また、実施例1と同様の方法で製造された横方向振動モード利用に好適な結晶11の温度を40℃とし、印加電界を本発明範囲の上限値を超える1700V/mmにし、印加時間を30分から180分の間の数点とした場合は、表3の(9)に印加時間最小の30分の場合を代表として示すように、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、53%であった。加えて、印加時間が30分を超える場合では、印加中または印加終了直後に圧電単結晶素子中にクラックが発生する例が多く見られた。
これは、該条件下では過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させたものと考えられる。また、圧電単結晶素子にクラックが発生したことは、過度の電界により、結晶11中の歪が増大し、破断を生じたものと考えられる。
結晶10ではいずれの場合でも、分極方向に直交する方向〈横方向振動モード〉の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、55%以下であり、分極処理条件での改善は得られなかった。
さらに、横方向振動モード利用に好適な結晶11を、図4に示すキュリー温度Tcより高い温度の200℃のシリコンオイル中で、400V/mmの直流電界を印加したまま、120分掛けて、シリコンオイルの温度を室温(25℃)まで降下させると、表3の(10)に示すように、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、80%と70%以上であった。このことは、電界を印加したまま冷却する方法(電界冷却(electric field cooling))が、有効であることを示している。しかし、結晶10では該条件下で、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は55%以下であり、電界冷却による分極処理条件での改善は得られなかった。
表3の(2)〜(8)は、25〜60℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を30分から180分の範囲で印加する分極処理条件で圧電単結晶素子を作製した場合である。この場合において、横方向振動モード利用に好適な結晶11の分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、78〜86%といずれも70%以上であった。しかし、結晶10では該条件下で、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、55%以下であり、分極処理条件での改善は得られなかった。
また、x亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+(1−x)チタン酸鉛(PT)(PZN−PT)の亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)のモル分率xが、0.80と0.95の2つの場合(0.80PZN−0.20PTおよび、0.95PZN−0.05PT)および、亜鉛ニオブ酸鉛の代わりにマグネシウム・ニオブ酸鉛を用いたマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)+チタン酸鉛(PT)(0.70PMN-0.30PT)および、マグネシウム・ニオブ酸鉛にインジウムを添加したインジウム・マグネシウム酸鉛(PIMN)+チタン酸鉛(PT)(0.70PIMN-0.30PT)についても、0.91PZN-0.09PTと同様の製造方法で素子を作製し、0.91PZN−0.09PTと同様の試験条件で電気機械結合係数k31を調べたところ、表3に示すように、横方向振動モード利用に好適な結晶11の方が、結晶10よりも電気機械結合係数k31が高く、また、25〜60℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界において、電気機械結合係数k31が高い素子が得られた。このように、0.91PZN-0.09PT以外の組成の素子において、いずれも0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)と同じ結果が得られた。なお、ここで、0.70PMN-0.30PTは、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)のモル分率xが0.70であり、0.70PIMN-0.30PTは、インジウム・マグネシウム酸鉛(PIMN)のモル分率xが0.70である。
(実施例4)
次に、横方向振動モード利用に好適な圧電単結晶素子を製造する好適な補助分極処理方法について実施例4を用いて説明する。種々の補助分極処理条件で製造した圧電単結晶素子11′の横方向振動モードの電気機械結合係数k31を測定した結果を表4に示す。なお、圧電単結晶素子11の製造方法や素子寸法および、試験条件は、実施例1と同様に行った。また、圧電単結晶素子の組成は、実施例2と同じ組成の素子を用いた。なお、{100}面内に存在するドメイン構造(縞模様の線の延在方向)と直交する方向nに対し、素子端面11cの法線方向1が、15°になるように、素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚みの圧電単結晶材料を、ダイシングソーを用いて切り出して作製した。
Figure 2005005698
実施例1と同様の方法で製造された横方向モード利用に好適な結晶11の両端面11cに、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成して電極を作製し、補助分極処理温度を25〜40℃とし、直流の印加電界を320〜1700V/mm、印加時間を10分〜150分とし、補助分極処理を行った。その後、上記の電極を化学エッチング液および酸で完全に溶かして除去した後、圧電単結晶材料11の対向する{100}面である上下面11a及び11bに、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成して電極を作製し、主分極処理で、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加した。分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を表4に示す。表4の(2)〜(6)は、25〜60℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を10分から120分の範囲で印加する補助分極処理条件で圧電単結晶素子を作製した場合である。この場合において、横方向振動モード利用に好適な結晶11の分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)では、補助分極処理を行わない未処理の表4の(11)の場合のk31が、74%であったのに対して、いずれも78%以上であった。この補助分極処理により、さらに高い電気機械結合係数k31が得られた。また、主分極工程の後に表4の(3)と同様の条件で補助分極処理を行った表4の(8)の場合も83%と、高い電気機械結合係数k31が得られた。
また、図10に示すようなバイポーラ三角波パルス電界を主分極工程の前後に10分間印加した場合も表4の(9)及び(10)に示すように、高い電気機械結合係数k31が得られた。
さらに、x亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+(1−x)チタン酸鉛(PT)(PZN−PT)の亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)のモル分率xが、0.80と0.95の2つの場合(0.80PZN-0.20PTおよび、0.95PZN-0.05PT)および、亜鉛ニオブ酸鉛の代わりにマグネシウム・ニオブ酸鉛を用いたマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)+チタン酸鉛(PT)(0.70PMN-0.30PT)および、マグネシウム・ニオブ酸鉛にインジウムを添加したインジウム・マグネシウム酸鉛(PIMN)+チタン酸鉛(PT)(0.70PIMN-0.30PT)についても、0.91PZN-0.09PTと同様の製造方法で素子を作製し、0.91PZN-0.09PTと同様の試験条件で電気機械結合係数k31を調べたところ、表4に示すように、横方向振動モード利用に好適な結晶11では、主分極処理の前後において行われた補助分極処理条件の25〜40℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界の範囲やバイポーラ三角波パルス電界による印加電界処理において、電気機械結合係数k31が向上した。このように、0.91PZN−0.09PT以外の組成の素子において、いずれも0.91亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)+0.09チタン酸鉛(PT)と同じ結果が得られた。なお、ここで、0.70PMN−0.30PTは、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)のモル分率xが0.70であり、0.70PIMN−0.30PTは、インジウム・マグネシウム酸鉛(PIMN)のモル分率xが0.70である。
本発明によれば、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を積極的に利用する、例えば、精密機械の位置制御に用いられるアクチュエーターやトランスデューサーのような用途に使用される圧電単結晶素子(デバイス)の製造が可能である。
縦方向振動モードの電気機械結合係数k33を利用する圧電単結晶素子の方位と形状を示す一例である。 (a)は、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を利用する圧電単結晶素子の方位と形状を示す一例であり、(b)は、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を利用する圧電単結晶素子の端面の形状を示す図である。 ペロブスカイト結晶構造(RMO3)の模式的斜視図である。 PZN−PT(PZNT)の相図である。 6面が{100}面である立方体表面のドメイン構造の模式図である。 (a)は、単結晶に直流電界を印加するときの説明図であり、(b)は、圧電単結晶材料10の端面10cの法線方向1と、ドメイン構造と直交する方向nとの角度が90°を示す図であり、(c)は、圧電単結晶材料11の端面11cの法線方向1と、ドメイン構造と直交する方向nとの角度が0°を示す図である。 (a)は、(001)面(紙面)を分極方向3に直交する面とする圧電単結晶材料10および11とドメイン構造との関係図であり、(b)は、圧電単結晶材料10のドメイン構造を示す表面写真(背景の方眼紙の1つの桝目は1mm)であり、(c)は、圧電単結晶材料11のドメイン構造を示す表面写真(背景の方眼紙の1つの桝目は1mm)である。 (a)は、圧電単結晶素子10′の場合のk31振動モードのインピーダンスカーブと位相を示す図であり、(b)は、圧電単結晶素子11′の場合のk31振動モードのインピーダンスカーブと位相を示す図である。 (a)は、単結晶ウェハー12から、ドメイン構造と直交する方向nに対する素子端面(11c,13c)の法線方向1が0〜90°の範囲で種々の圧電単結晶材料を切り出す方向を説明するための図であり、(b)は、ドメイン構造と直交する方向nに対する素子端面の法線方向1が48°になるように切り出された単結晶素子の表面写真(背景の方眼紙の1つの桝目は1mm)である。 バイポーラ三角波パルスの波形図である。
符号の説明
10、11、13 単結晶素子材料
10a,11a 電極面(001)
10b,11b 電極面(00-1)
10c,11c 切り出した圧電単結晶材料の端面
12 単結晶ウエーハ
10’、11’、13’:分極処理後の圧電単結晶材料
a 単結晶素子の横方向(横振動の方向1)寸法
b 単結晶素子の端面の(奥行き(方向2))寸法
b´ 単結晶素子の凸状の端面
b´´ 単結晶素子の凹状の端面
L:単結晶素子の縦方向(分極の方向3)寸法
V:直流電圧
1:素子端面の法線方向(横振動方向)
3:分極方向(縦振動方向)
n:ドメイン構造(縞模様の線の延在方向)と直交する方向

Claims (7)

  1. 分極方向を擬立方晶の〔001〕軸としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向に直交する〔010〕及び〔100〕軸を含む結晶平面内に存在するドメイン構造と直交する方向に対し0〜15°の範囲内、または、40〜50°の範囲内にある分極方向と直交する方向で、横方向の振動モードの電気機械結合係数k31に優れた圧電単結晶素子。
  2. 請求項1において、前記圧電単結晶素子が、xPb(A1,A2,…,B1,B2,…)O3+(1−x)PbTiO3(但し、xはモル分率であり、0<x<1とする。)からなる固溶体であって、A1,A2,…はZn,Mg,Ni,Lu,In及びScからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなり、B1,B2…はNb,Ta,Mo及びWからなる群から選ばれた1又は複数の元素からなり、複合ペロブスカイト構造を有する圧電単結晶材料からなる圧電単結晶素子。
  3. 請求項2において、前記圧電単結晶素子が、さらに、前記固溶体に、Mn,Cr,Sb,Ca,W,Al,La,Li及びTaからなる群から選ばれた1又は複数の元素を0.5質量ppm〜5質量%を含む圧電単結晶素子。
  4. 請求項1、2または3記載の圧電単結晶素子を製造する方法であって、
    ドメイン構造を有する単結晶インゴットから所定形状の圧電単結晶材料を所定方向に切り出す工程と、
    この圧電単結晶材料の[001]方向に、所定の条件で電界を印加して圧電単結晶材料を分極する主分極工程と、
    を有することを特徴とする圧電単結晶素子の製造方法。
  5. 請求項4において、主分極工程は、切り出した圧電単結晶材料の[001]方向に、20〜200℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を印加する工程である圧電単結晶素子の製造方法。
  6. 請求項4において、主分極工程は、切り出した圧電単結晶材料の[001]方向に、該圧電単結晶材料のキュリー温度(Tc)より高い温度で250〜500V/mmの直流電界を印加したまま室温まで冷却する工程である圧電単結晶素子の製造方法。
  7. 請求項4、5または6において、前記主分極工程の前後いずれかに、分極方向と直交する方向に電界を印加して分極する補助分極工程をさらに有する圧電単結晶素子の製造方法。

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