JP4658773B2 - 圧電単結晶素子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電単結晶素子に係り、特に、室温よりも高い温度、具体的には、擬立方晶と正方晶との間の変態温度をTrtとするとき、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)で使用する場合であっても、高い感度で圧電特性を発揮できる圧電単結晶素子に関するものである。
圧電単結晶素子は、電気的エネルギーと機械的エネルギーとの変換を可能とするものであり、磁気ヘッドの精密位置決め用アクチュエータ、圧電ジャイロ素子、デジタルカメラの手振れ防止センサー、心臓ペースメーカー用センサー等の用途に広く使われている。
こうした圧電単結晶素子は、単結晶素子材料としてマグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛からなる固溶体[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X)(PMN−PT又はPMNTと呼称する。)を用いたものが従来から知られている。
例えば、特許文献1には、Pb(Mg1/3 Nb2/3)1-yTiyO3からなる組成をもち、擬立方晶の<001>方向への圧電特性に優れた単結晶を用い、高い感度で圧電特性を発揮できる変換器が開示されている。
米国特許第5,998,910号公報
ところで、圧電単結晶素子の圧電特性は、比誘電率εrと圧電歪定数d33の値によって評価することができ、これらの値が大きいほど圧電特性が優れていることを意味する。ここで、比誘電率εrと圧電歪定数d33の値は、温度によって変化するが、温度が一定である場合には、ほぼ比例関係にある。
また、マグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛の組成からなる圧電単結晶素子では、室温での圧電特性よりも、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)での圧電特性の方が優れている。
このため、上記組成をもつ圧電単結晶素子の場合、前記特定の高温域(例えば50〜70℃程度)で使用することが、優れた圧電特性を得るのには有利である。しかしながら、特許文献1記載の変換器は、前記特定高温域における比誘電率が、最大でも13000程度であり、また、室温(約30℃)での比誘電率も5000未満と小さい。
本発明の目的は、特定の狭い範囲の組成比をもつ[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X)からなる単結晶を用いることによって、特に、室温よりも高い温度、具体的には、擬立方晶と正方晶との間の変態温度Trtとするとき、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)で、圧電特性に優れた圧電単結晶素子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X):(X=0.26〜0.29でかつMgのNbに対するモル比率が0.45〜0.55の範囲)の組成をもち、かつ複合ペロブスカイト構造を有する単結晶からなり、25℃における比誘電率の値が5000以上であり、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度における比誘電率の値が、25℃における比誘電率の値の2.5倍以上であることを特徴とする圧電単結晶素子。
(2)前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度における比誘電率の値が、20000以上であることを特徴とする上記(1)記載の圧電単結晶素子。
(3)前記単結晶を擬立方晶とするとき、<100>方向への分極により形成してなることを特徴とする上記(1)または(2)記載の圧電単結晶素子が、X=0.27〜0.29の組成をもち、かつ25℃における比誘電率の値が6500以上である圧電単結晶素子。
(4)前記単結晶を擬立方晶とするとき、<110>方向への分極により形成してなる上記(1)または(2)記載の圧電単結晶素子が、X=0.26〜0.29の組成をもち、かつ25℃における比誘電率の値が5000以上である圧電単結晶素子。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の圧電単結晶素子において、前記圧電単結晶素子が、さらにインジウムニオブ酸鉛[Pb(In1/2Nb1/2)O3]:0.05〜30mol%を含有する圧電単結晶素子。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項記載の圧電単結晶素子において、前記圧電単結晶素子の該組成物中の鉛の0.05〜10mol%がカルシウムと置換されている圧電単結晶素子。
本発明の圧電単結晶素子により、特に、室温よりも高い温度、具体的には、擬立方晶と正方晶との間の変態温度をTrtとするとき、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)で、圧電特性に優れた圧電単結晶素子を提供することが可能になる。また、室温での圧電特性も優れているため、室温から前記特定の高温域までの広い温度域で使用した場合にも、高い感度で安定した圧電特性が得られる。
以下、本発明の圧電単結晶素子の限定理由について、説明する。
(1)圧電単結晶素子の組成と構造:
本発明の圧電単結晶素子は、[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X)からなる固溶体であって、前記Xが0.26〜0.29の式を満足し、MgのNbに対するモル比率が0.45〜0.55の範囲である組成をもち、かつ、複合ペロブスカイト構造を有する圧電単結晶材料を用いた場合に、特に、室温よりも高い温度、具体的には、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)で、優れた圧電特性を有する。すなわち、固溶体単結晶の単位格子が、図1に模式的に示したように、Pbイオンが、単位格子の角に位置し、酸素イオンが、単位格子の面心に位置し、Mg、Nb、Ti等のMイオンが、単位格子の体心に位置するようなペロブスカイト構造(RMO3)であり、さらに、図1の体心位置にあるMイオンが、一種類の元素イオンでなく、二種類以上の元素イオン、具体的には、Mg、Nb及びTiのいずれかからなる複合ペロブスカイト構造であることが必要である。
特に、固溶体単結晶として、マグネシウム・ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PMN-PT)を用いる場合には、化学式:[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X)で表わされるときのチタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xが、0.26〜0.29の式を満足することが必要である。
図2は、マグネシウム・ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PMN−PT)の相図を示したものである。
本発明者は、擬立方晶として安定に存在できる温度範囲において、室温での圧電特性よりも、室温よりも高い温度、具体的には、擬立方晶と正方晶との間の変態温度Trtとするとき、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)での圧電特性の方が優れていることに着目し、図2に示す相図をもとに、常温よりも高い温度範囲にわたって、擬立方晶が安定に存在できる組成比、すなわち、チタン酸鉛PbTiO3のモル分率X:0.23〜0.33の範囲で変化させた複数の圧電単結晶素子を作製し、これらの圧電特性を調べた結果、チタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xが0.26〜0.29の狭い特定範囲であるときに、比誘電率が格段に大きくなり、優れた圧電特性が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本発明でいうチタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xの値は、従来から既知である下記の式により算出した。

X/100=(Y−9.6267)/4.8591
但し、Yは単結晶素子材料のキュリー温度Tc(℃)である。
また、前記単結晶は、MgのNbに対するモル比率が0.45〜0.55の範囲であるMgのNbに対するモル比率の目標値は、0.50であるが、製造途中の材料のロスにより、必ずしも0.50とはならず、外れる場合が多い。このため、MgのNbに対するモル比率は、0.45〜0.55の範囲とした。また、前記比率が上記範囲を外れると、複合ペロブスカイト構造を形成できず、圧電特性が格段に劣るパイロクロア構造などの本発明に適さない結晶構造となる傾向があるためである。
尚、上記組成に下記のものを含んでも良い。
・インジウムニオブ酸鉛[Pb(In1/2Nb1/2)O3]:0.05mol%〜30mol%:
インジウムニオブ酸鉛中のインジウム(In)のイオン半径は、マグネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)よりは大きいがニオブ(Nb)よりは小さいイオン半径を有するため、ペロブスカイト構造の単位格子の体心位置に配置されるニオブ(Nb)とマグネシウム(Mg)または亜鉛(Zn)とのイオン半径の差に起因する格子歪が緩和され、単結晶育成時のクラック発生や圧電素子加工時のチッピング発生が生じにくくする作用を有する。
このため、本発明では、上記作用を発揮させるため、インジウムニオブ酸鉛は0.05mol%以上添加することが必要であるが、30mol%を超える添加は、単結晶育成時の原料の融点が上昇し、製造に当たり工程管理が難しくなるため好ましくない。
なお、インジウムニオブ酸鉛Pb(In1/2Nb1/2)O3中のInとNbの比率In/Nbのモル比は、1となっているが、これに限るものではなく、In/Nbのモル比は、0.95〜1.04の範囲であれば、本発明の範囲である。このため、インジウムニオブ酸鉛をPb(In,Nb)O3という表現にしても良い。
・結晶格子中の鉛の0.05〜10mol%がカルシウムと置換:
単結晶インゴットの組成物中(結晶格子中)の鉛の0.05〜10mol%をカルシウムと置換させるためには、単結晶育成中のカルシウムの蒸発量を考慮して、カルシウムを添加する必要がある。カルシウムを添加する方法は、特に規定されない。例えば、カルシウム置換マグネシウムニオブ酸鉛やカルシウム置換亜鉛ニオブ酸鉛あるいは、カルシウム置換チタン酸鉛を使用しても良い。あるいは、酸化カルシウムや炭酸カルシウムを原料に添加する方法でも良い。
原料中に酸化カルシウムを添加した場合は、単結晶を育成中に、酸化カルシウム中のカルシウム(Ca)は、3種の鉛系ペロブスカイト構造化合物(マグネシウムニオブ酸鉛または亜鉛ニオブ酸鉛およびチタン酸鉛、インジウムニオブ酸鉛)の固溶体からなる結晶格子の鉛(Pb)サイト(図1のRイオン)の一部に置換型原子として配置され、高温での酸化鉛の蒸発を抑止する作用がある。このCaの作用によって、パイロクロア相の生成が抑制できる結果、所望の複合ペロブスカイト相の単結晶の生成を容易にする。本発明では、上記Caの作用を発揮させるため、カルシウムは0.05mol%以上置換することが必要であるが、10mol%を超える置換は、単結晶の育成が困難となる。このため、結晶格子中の鉛の0.05mol%〜10mol%がカルシウムと置換されているのが好ましい。さらに、結晶格子中の鉛の0.05mol%〜5mol%がカルシウムと置換されているのが好ましい。
・Mn、Cr、Sb、W、Al、La、LiおよびTaの内から選ばれる1種以上の元素を合計で5mol
%以下:
比誘電率とεrや機械的品質係数Qmを大きくする等の必要がある場合には、さらにMn、Cr、Sb、W、Al、La、LiおよびTaの内から選ばれる1種以上の元素を合計で5mol%以下添加してもよい。合計で5mol%を超える添加は、単結晶を得るのが難しく、多結晶となるおそれがあるからである。
これらの元素を添加する効果は、たとえばMn、Crを添加することで機械的品質係数Qmの向上や経時劣化の抑制を図ることができる。この効果を得るためには、Mn、Crの内から選ばれる1または2以上の元素を合計で、0.05mol%以上の添加が好ましい。またSb、La、W、Taの添加により比誘電率が向上する。この効果を得るためには、Sb、La、W、Taの内から選ばれる1または2以上の元素を合計で、0.05mol%以上の添加が好ましい。またAl、Liは、単結晶の成長時の安定化に寄与する。その効果を得るためには、Al、Liの一種以上を合計で0.05mol%以上の添加が好ましい。
・その他不純物
また、Fe、Pt、Au、Pd、Rhなどの不純物は、圧電単結晶の製造過程で、原料やルツボ等から混入する可能性があるが、これらの不純物は単結晶の生成を妨げるので、合計で0.5mol%以下に抑えておくことが望ましい。
本発明の圧電単結晶素子は、分極方向PDによらず、前記特定の高温域で優れた圧電特性が得られる。すなわち、25℃における比誘電率の値が5000以上であり、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度における比誘電率の値が、25℃における比誘電率の値の2.5倍以上となる。特に、チタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xが、0.27〜0.29で、分極方向PDを<100>方向とした場合に、25℃における比誘電率の値が6500以上であり、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度における比誘電率の値が、25℃における比誘電率の値の2.5倍以上である、格段に優れた圧電特性が安定して得られる上で好ましい。
加えて、分極方向PDを<100>方向とした場合には、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度Trtにおける比誘電率の値が20000以上と顕著に高くなる。このため、前記特定の高温域で使用する場合には、非常に高感度の圧電特性が得られる点で好ましい。
さらに、分極方向PDを<110>方向とした場合にも、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度Trtにおける比誘電率の値が20000以上と顕著に高くなる。このため、前記特定の高温域で使用する場合には、非常に高感度の圧電特性が得られる点で好ましい。
(2) 単結晶素子の形状:
本発明が対象とする「圧電単結晶素子」の形状は、その用途に応じて、下記の2種類に分けられる。
(a)分極方向PDの方向(縦方向振動モード)の電気機械結合係数k33を利用する場合:
圧電単結晶のインゴットの[001]方向を分極方向PDとし、それに平行な方向の振動モード、即ち、(001)面を端面Tとする縦方向振動モードの電気機械結合係数(k33)を利用する圧電単結晶素子を作製する場合には、図6AのAまたはCに示すような直方体や棒状体あるいは、板状体が、その効果を最も大きく発揮するので望ましい。特に、望ましい素子の形状は、分極方向に直交する素子端面Tの最小辺の長さ又は直径をaとし、分極方向PDに平行な方向の素子長さをbとするとき、aとbがb/a≧2.0、好ましくはb/a≧2.5、より好適にはb/a≧3.0の関係式を満足することが好ましい。b/a<2.0の場合には、素子長さbが他の長さ(aまたは、c)と近くなり、固有振動数が接近するため、縦方向の振動だけを有効に取り出すことができなくなるおそれがあるからである。
また、上記の圧電単結晶を用いて、そのインゴットの[110]方向を分極方向PDとし、それに平行な方向の振動モード、即ち、(110)面を端面Tとする縦方向振動モードの電気機械結合係数k33を利用する図6AのBに示すような圧電単結晶素子を作製する場合も、上述と同様な理由から、aとbがb/a≧2.0、好ましくはb/a≧2.5、より好適にはb/a≧3.0の関係式を満足することが好ましい。
(b)分極方向PDに直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を利用する場合:
[001]方向を分極方向PDとし、それにはぼ垂直な方向[100]の振動モード、即ち、(100)面を端面Tとする横方向振動モードの電気機械結合係数k31を利用する圧電単結晶素子を作製する場合には、図6BのDに示すような板状体が、その効果を最も大きく発揮するので望ましい。特に、望ましい素子の形状は、細長比(アスペクト比:a/c)が2.0以上、好ましくは2.5以上の板状体、さらに望ましくは3以上の板状体である。尚、[001]にほぼ垂直である[010]方向の振動モード、即ち、(010)面を端面Tとする横方向振動モードの電気機械結合係数k31を利用する圧電単結晶素子を作製する場合も同様である。
また、上記の図6BのEに示すような板状体の圧電単結晶を用いて、そのインゴットの[110]方向を分極方向PDとし、それにほぼ垂直な方向の振動モード、即ち、(−110)面を端面Tとする横方向振動モードの電気機械結合係数k31を利用する結晶素子を作製する場合も、上述と同様な理由から、細長比(アスペクト比:a/c)が2.0以上、好ましくは2.5以上の板状体、さらに望ましくは3以上の板状体であることが好ましい。尚、同じ分極方向PDを持ち、それにほぼ垂直な方向の振動モード、即ち、(001)面を端面とする図6BのFに示す板状体の圧電単結晶素子に関しても同様である。
次に、本発明に従う圧電単結晶素子の好適な製造方法について以下で説明する。
本発明の圧電単結晶素子の製造方法は、単結晶のインゴットを製造する工程と、その単結晶のインゴットから所定形状の単結晶素子材料を所定方向に切り出す工程と、この単結晶素子材料の[001]方向または[110]方向に、所定の条件で電界を印加して単結晶素子材料を分極する主分極工程(図3)、あるいは、さらに必要に応じて、この主分極工程の前後いずれかで分極する補助分極工程とで主として構成されている。
以下、各工程を具体的に説明する。
(1)単結晶インゴットの製造:
[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X)(但し、Xは、PbTiO3のモル分率とする。)からなる固溶体であって、前記Xが、0.26〜0.29の式を満足する単結晶のインゴットの製造方法は、上記の組成に調整された原料をフラックス中に溶解させた後、降温させて凝固させる方法か、融点以上に加熱して融解させた後、一方向に凝固させることにより単結晶を得る方法がある。前者の方法としては、フラックス法、融液ブリッジマン法、または、TSSG法(Top Seeded solution Growth)などがあり、後者としては、水平融解ブリッジマン法、CZ法(チョクラルスキー法)などがあるが、本発明では、特に限定しない。
なお、本発明でいうチタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xの値は、従来から既知である下記の式により算出した。

X/100=(Y−9.6267)/4.8591
但し、Yは単結晶素子材料のキュリー温度Tc(℃)である。
(2)圧電単結晶インゴットの結晶学的方位の決定:
本発明では、圧電単結晶インゴットの結晶学的方位の決定方法については特に規定しない。例えば、単結晶インゴットの[001]方向を分極方向PDとする場合は、単結晶インゴットの[001]軸方位をラウエ法によって概ね決定し、同時に[001]軸方位とほぼ直交する[010]軸方位及び[100]軸方位又は、必要に応じて[110]、[101]、[011]軸方位などの結晶学的方位を概ね決定する。
さらに、[001]軸、[010]軸及び[100]軸等のいずれかの結晶軸に直交する結晶学的面{100}面を研磨し、エックス線方位測定機(X−ray direction finder)などを用いて正確な方位を決定し、上記の研磨面のズレを修正する。さらに、単結晶インゴットの[110]方向を分極方向PDとする場合も、基本的に、上記方法と同様にして行う。
(3)粗切断(適当な厚さのウェハー作製):
上記の単結晶インゴットの研磨面{100}面あるいは{110}面に平行又は直交して単結晶インゴットをワイヤーソー又は内周刃切断機などの切断機を用いて切断し、適当な厚さの板材(ウェハー)を得る。尚、切断後に、必要に応じてエッチング液を用いて化学エッチングする工程を含むこともできる。
(4)研磨(所定厚さのウェハー作製):
上記のウェハーをラッピング機、ポリッシング機などの研削機又は研磨機によって研削又は研磨し、所定厚さのウェハーを得る。尚、研削、研磨後に、必要に応じてエッチング液を用いて化学エッチングする工程を含むこともできる。
(5)単結晶素子材料の製作:
上記のウェハーは、(001)面または(110)面をウェハー面(もっとも広い面)に持つ。素子端面Tの法線方向が、<100>軸または<110>と一致するように、このウェハーから所定形状の単結晶素子材料を、ダイシングソーやカッティングソーなどの精密切断機を用いて切り出して作製する。なお、上記(3)〜(5)の方法は、板状体の加工方法について示したが、棒状体の加工方法も基本的に、板状体と同様の加工方法である。
(6)電極の作製:
主分極処理あるいは、さらに、補助分極処理で、印加電界を掛けるために必要な電極を事前に作製する必要がある。
主分極処理前に、例えば、図3に示すように、作製した単結晶素子材料の対向する(001)面及び(00−1)面である上下面(上下面の法線方向が、分極方向PDである。)に、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50nm、2層目にAu層:厚み約100〜200nm)を形成するか、プラズマ蒸着で、金被膜を形成するか、あるいは、スクリーン印刷で銀被膜を形成した後、焼成して電極を作製する。
また、補助分極処理前では、補助分極方向に垂直な対向する2つの面に、上記と同じ方法で電極を形成する。
なお、補助分極処理後に主分極処理する場合、あるいは、主分極処理後に補助極処理する場合には、最初の分極処理に使用した電極が残っていると、後の分極処理を不安定にするので、適当な化学エッチング液および酸で完全に電極を除去しておく必要がある。
(7)主分極処理工程:
育成後の単結晶インゴットから切り出された単結晶のままでは、分極方向及びこれと直交する方向において、同一方向の電気双極子の集合からなるドメイン内の電気双極子の向きがドメイン毎に種々の方向を向いているため、圧電性を示さず、未分極の状態にある。
本発明の主分極工程は、切り出した単結晶素子材料の分極方向PDに、20〜200℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を印加するのが好適である。すなわち、上記の好適な温度範囲の下限値の20℃未満の場合や、印加電界範囲の下限値350V/mm未満の場合には、分極が不十分である。上記の好適な温度範囲の上限値200℃を超える場合や、印加電界範囲の上限値1500V/mmを超えた場合には、過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させる。また、過度の電界により、結晶中の歪が増大し、圧電単結晶素子にクラックが発生し、破断が生ずるおそれがある。
なお、分極時間は、上記の好適範囲内で選ばれた分極処理温度と印加電界に応じて調整し、その上限を180分とすることが好ましい。
あるいは、主分極工程は、切り出した単結晶素子材料の分極方向PDに、該単結晶素子材料のキュリー温度Tcより高い温度、好適には、170〜200℃の温度範囲で250〜500V/mmの直流電界を印加したまま室温まで冷却(電界冷却)してもよい。
キュリー温度Tcより高い温度にすることで、電気双極子の存在を一旦無くし、その後、キュリー温度以下に冷却することで、電気双極子の向きが、よりきれいに揃うためである。キュリー温度以下の低い温度の場合には、一部に、電気双極子が残るために、分極が不十分になるためである。また、上記の好適な印加電界範囲の下限値250V/mm未満の場合には、分極が不十分である。上記の好適な印加電界範囲の上限値500V/mmを超えた場合には、過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させる。また、過度の電界により、結晶中の歪が増大し、圧電単結晶素子にクラックが発生し、破断が生ずるおそれがある。なお、冷却速度は、冷却中に素子にクラックが生じない冷却速度が望ましい。
なお、キュリー温度Tcは、それ以上の温度になると電気双極子がそれぞれ無秩序な方向を向いて整列しなくなり、圧電性または、強誘電性を示さなくなる転移温度である。これは、組成や物質の構造により決まっている。
なお、圧電単結晶素子は、分極方向PDによらず、前記特定の高温域で優れた圧電特性が得られるが、特に、分極方向PDを、<100>方向または<110>方向とした場合に、25℃における比誘電率の値が、<100>方向とした場合が6500以上、<110>方向とした場合が5000以上であり、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度における比誘電率の値が、25℃における比誘電率の値の2.5倍以上である、格段に優れた圧電特性が安定して得られる上で好ましい。
加えて、分極方向PDを、<100>方向または<110>方向とした場合には、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度Trtにおける比誘電率の値が20000以上と顕著に高くなる。このため、前記特定の高温域で使用する場合には、非常に高感度の圧電特性が得られる点で好ましい。
(8)補助分極処理工程:
上述した主分極工程は、圧電単結晶素子の主たる分極を行う工程であるが、該主分極工程の実施前あるいは実施後に、上記の分極方向PDと直交する方向に電界を印加し、上記の分極方向PDと直交する方向の強誘電体ドメインの整列状態を制御する製造方法も有効である。
上記の分極方向PDと直交する方向に印加する電界の種類としては、直流電界、パルス電界、交流電界、またこれらの定常電界のほか、減衰電界などがあり、電界の強さや印加時間、温度条件等は、所望の圧電特性に応じて適正条件がある。これらは、実験等によって定めることができる。補助分極の効果を得るためには、補助分極処理温度は、25℃〜相転移温度(例えば、図2に示すTrt線)以下、印加電界範囲は、350〜1500V/mmが好ましい。なお、分極時間は、上記の好適範囲内で選ばれた分極処理温度と印加電界に応じて調整することが好ましいが、特に、10分〜2時間が望ましい。
また、前記のパルス電界としては、直角波のほか、交流三角波などユニポーラ及びバイポーラパルスを用いることができる。
上述したところは、この発明の実施の形態の一部を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
チタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xが0.267、0.270、0.278、0.283、0.290および0.300の6種類の組成をもつマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)(MgのNbに対するモル比率=0.5)+チタン酸鉛(PT)(PMN-PT)の圧電単結晶材料からなる圧電単結晶素子(素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚み)を作製した。
なお、圧電単結晶素子の製造は、前述の製造方法に従った。原料を[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X):(X=0.267〜0.300)の組成になるように調整した。前述の融液ブリッジマン法により、単結晶インゴットを得た。次に、この単結晶インゴットの正確な結晶学的方位を決定し、研磨し、この研磨面である(0 0 1)面に直交して単結晶インゴットをワイヤーソーで切断し、0.5mm厚みの板材を得た。この板材をポリッシング機によって研磨し、0.36mm厚みのウェハーを得た。このウェハーから素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚みの圧電単結晶材料を、ダイシングソーを用いて切り出して作製した。
該圧電単結晶材料を作製し、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加する分極法を用いて分極し、圧電単結晶素子とした後、各圧電単結晶素子について、室温(25℃)から220℃までの温度範囲で圧電特性を測定し、比誘電率を算出した。算出した比誘電率と温度の関係をプロットしたものを図4に示す。また、25℃における比誘電率εr25と変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値、及びそれらの比誘電率の比εrTrt/εr25については表1に示す。なお、比誘電率は、横河ヒューレットパッカード社製のインピーダンスアナライザ(型番4192A)によって測定した。また、チタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xの値は、従来から既知である下記の式により算出した。

X/100=(Y−9.6267)/4.8591
但し、Yは単結晶素子材料のキュリー温度Tc(℃)である。
なお、上記分極に先立って、作製した単結晶素子材料の対向する上下面である(001)面および(00-1)面に、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50nm、2層目にAu層:厚み約100〜200nm)を形成して金電極を作製した。
Figure 0004658773
表1に示す結果から、本発明例であるサンプルNo.2〜5は、25℃における比誘電率εr25の値が7599〜7945の範囲にあっていずれも6500以上であり、前記変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値が22520〜25452の範囲であっていずれも20000以上であり、これらの比誘電率の比εrTrt/εr25が2.88〜3.35の範囲であっていずれも2.5以上であり、室温と特定高温域(Trt〜(Trt−20)℃)の双方において、感度の高い圧電特性が得られた。
一方、比較例であるサンプルNo.1および6は、25℃における比誘電率εr25の値がそれぞれ5395および5931といずれも6500よりも小さく、前記変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値もそれぞれ13335および10321といずれも20000よりも小さく、これらの比誘電率の比εrTrt/εr25もそれぞれ2.47および1.74といずれも2.50よりも小さく、室温と特定高温域(Trt〜(Trt−20)℃)の双方において、圧電特性が劣っていた。
チタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xが0.253、0.256、0.268、0.279、0.290及び0.300の6種類の組成をもつマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)(MgのNbに対するモル比率=0.5)+チタン酸鉛(PT)(PMN−PT)の圧電単結晶材料からなる圧電単結晶素子(素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚み)を作製した。
なお、圧電単結晶素子の製造は、前述の実施例1の製造方法に従い、[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X):(X=0.253〜0.300)の組成になるように調整された後、前述の融液ブリッジマン法により、単結晶インゴットを得た。次に、この単結晶インゴットの正確な結晶学的方位を決定し、研磨し、この研磨面である(110)面に直交して単結晶インゴットをワイヤーソーで切断し、0.5mm厚みの板材を得た。この板材をポリッシング機によって研磨し、0.36mm厚みのウェハーを得た。このウェハーから素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚みの圧電単結晶材料を、ダイシングソーを用いて切り出して作製した。
該圧電単結晶材料を作製し、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加する分極法を用いて分極し、圧電単結晶素子とした後、各圧電単結晶素子について、室温(25℃)から220℃までの温度範囲で圧電特性を測定し、比誘電率を算出した。算出した比誘電率と温度の関係をプロットしたものを図5に示す。また、25℃における比誘電率とεr25と変態温度Trtにおける比誘電率とεrTrtの値、及びそれらの比誘電率の比εrTrt/εr25については表2に示す。なお、比誘電率は、横河ヒューレットパッカー社製のインピーダンスアナライザ(型番4192A)によって測定した。また、チタン酸鉛PbTiO3のモル分率Xの値は、従来から既知である下記の式により算出した。

X/100=(Y−9.6267)/4.8591
但し、Yは単結晶素子材料のキュリー温度Tc(℃)である。
なお、上記分極に先立って、作製した単結晶素子材料の対向する上下面である(110)面および(−1−10)面に、スパッタ法でCr−Au被膜(1層目にCr層:厚み約50nm、2層目にAu層:厚み約100〜200nm)を形成して電極を作製した。
Figure 0004658773
表2に示す結果から、本発明例であるサンプルNo.2〜5は、25℃における比誘電率εr25の値が5973〜7452の範囲といずれも5000以上であり、前記変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値が33074〜35491の範囲といずれも20000以上であり、これらの比誘電率の比とεrTrt/εr25が4.60〜5.56の範囲といずれも2.5以上であり、室温と特定の高温域Trt〜(Trt−20)℃)の双方において、感度の高い圧電特性が得られた。
一方、比較例であるサンプルNo.1および6は、25℃における比誘電率とεr25の値がそれぞれ4860および4547といずれも5000よりも小さく、前記変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値もそれぞれ11216および10908といずれも20000よりも小さく、これらの比誘電率の比εrTrt/εr25もそれぞれ2.31および2.40といずれも2.5よりも小さく、室温と特定の高温域(Trt〜(Trt−20)℃)の双方において、圧電特性が劣っていた。
なお、上述した実施例1および2ではいずれも、[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X):(X=0.26〜0.29)の組成の結晶について説明してきたが、インジウムニオブ酸鉛、および/またはカルシウム(Ca)添加量を種々変更した結晶の場合についても、実施例1および2と同様の製造方法で素子を作製し、25℃における比誘電率εr25と変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値、及びそれらの比誘電率の比εrTrt/εr25を測定した。その結果をそれぞれ表3と表4に示す。
Figure 0004658773
Figure 0004658773
分極方向PDを擬立方晶の〔001〕軸とする場合は、表3に示すように、25℃における比誘電率εr25の値が7329〜7683の範囲といずれの場合も6500以上であり、前記変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値が24108〜27368の範囲といずれの場合も20000以上であり、これらの比誘電率の比εrTrt/εr25が3.16〜3.61の範囲といずれの場合も2.5以上であり、室温と特定の高温域(Trt〜(Trt−20)℃)の双方において、感度の高い圧電特性が得られた。
また、分極方向PDを擬立方晶の〔110〕軸とする場合は、表4に示すように、25℃における比誘電率εr25の値が6873〜7283の範囲といずれの場合も5000以上であり、前記変態温度Trtにおける比誘電率εrTrtの値が30189〜32486の範囲といずれの場合も20000以上であり、これらの比誘電率の比εrTrt/εr25が4.36〜4.58の範囲といずれの場合も2.5以上であり、室温と特定の高温域(Trt〜(Trt−20)℃)の双方において、感度の高い圧電特性が得られた。
したがって、これらの結晶を用いた圧電素子についても実施例1と2と同様な特性を有することを確認した。
本発明の圧電単結晶素子により、特に、室温よりも高い温度、具体的には、擬立方晶と正方晶との間の変態温度Trtとするとき、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)で、圧電特性に優れた圧電単結晶素子を提供することが可能になる。また、室温での圧電特性も優れているため、室温から前記特定の高温域までの広い温度域で使用した場合にも、高い感度で安定した圧電特性が得られる。
本発明の圧電単結晶素子により、特に、室温よりも高い温度、具体的には、擬立方晶と正方晶との間の変態温度をTrtとするとき、Trt〜(Trt−20)℃の特定の高温域(例えば50〜70℃程度)で、圧電特性に優れた圧電単結晶素子を提供することが可能になる。また、室温での圧電特性も優れているため、室温から前記特定の高温域までの広い温度域で使用した場合にも、高い感度で安定した圧電特性が得られる。
ペロブスカイト結晶構造(RMO)の模式的斜視図である。 PMN-PT(PMNT)の相図である。 本発明に従う圧電単結晶素子の方位と形状を示す斜視図であり、分極するときの状態で示す。 分極方向を擬立方晶の[001]軸になるようにした[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X):(X=0.267〜0.300)の組成の単結晶素子の、比誘電率と温度の関係を示すグラフである。 分極方向を擬立方晶の[110]軸になるようにした[Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X):(X=0.256〜0.300)の組成の単結晶素子の、比誘電率と温度の関係を示すグラフである。 本発明の圧電単結晶素子A、B、Cの形状と位置関係を示す図である。 本発明の圧電単結晶素子D、E、Fの形状と位置関係を示す図である。

Claims (6)

  1. [Pb(Mg, Nb)O3(1-X)・[PbTiO3(X):(X=0.26〜0.29でかつMgのNbに対するモル比率が0.45〜0.55の範囲)の組成をもち、かつ複合ペロブスカイト構造を有する単結晶からなり、25℃における比誘電率の値が5000以上であり、前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度における比誘電率の値が、25℃における比誘電率の値の2.5倍以上であることを特徴とする圧電単結晶素子。
  2. 前記単結晶の擬立方晶と正方晶との間の変態温度における比誘電率の値が、20000以上であることを特徴とする請求項記載の圧電単結晶素子。
  3. 前記単結晶を擬立方晶とするとき、<100>方向への分極により形成してなることを特徴とする請求項1または2記載の圧電単結晶素子が、X=0.27〜0.29の組成をもち、かつ25℃における比誘電率の値が6500以上である圧電単結晶素子。
  4. 前記単結晶を擬立方晶とするとき、<110>方向への分極により形成してなる請求項1または2記載の圧電単結晶素子が、X=0.26〜0.29の組成をもち、かつ25℃における比誘電率の値が5000以上である圧電単結晶素子。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の圧電単結晶素子において、前記圧電単結晶素子が、さらにインジウムニオブ酸鉛[Pb(In1/2Nb1/2)O3]:0.05〜30mol%を含有する圧電単結晶素子。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の圧電単結晶素子において、前記圧電単結晶素子の該組成物中の鉛の0.05〜10mol%がカルシウムと置換されている圧電単結晶素子。
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