JP4613032B2 - 圧電単結晶素子およびその製造方法 - Google Patents

圧電単結晶素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電単結晶素子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3で表わされるマグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛からなる固溶体(PMN−PT又はPMNTと呼称する。)であって、正方晶の複合ペロブスカイト構造を有する圧電体単結晶素子材料からなり、高温(具体的には150℃)使用環境下であっても、分極方向とほぼ直交する方向、いわゆる横方向の振動モードの電気機械結合係数k31を低下させずに安定して50%以上の高い値に維持できる、耐熱性に優れた圧電単結晶素子、及び該圧電単結晶素子の製造方法に関する。
圧電素子、例えば、ユニモルフ型またはバイモルフ型のアクチュエータに用いられる圧電素子は、分極方向と直交する方向、いわゆる横方向の振動モードの電気機械結合係数k31が大きいほど、リスポンスが高くなり、精密制御を行なう点で好ましい。
ここで、横方向の振動モードの電気機械結合係数k31は、例えば、図1に示すように、細長比(アスペクト比:a/b)が2.5以上の板状体(a/b≧2.5,a>>L,b>>L)について、その長手方向を分極方向3とし、分極方向3に電圧をかけた時の分極方向3に直交する方向1の振動(横方向振動)の大きさに関する電気的エネルギーと機械的エネルギーの変換効率の平方根に比例し、この数値が大きいほど効率が良いことを意味する。なお、圧電単結晶素子は、前述の棒状体や板状体のほか、方形板や円板等の形状でもよく、それぞれの形状についても同様に、電気機械結合係数k31を求めることができる。
上記圧電素子を構成する材料として、従来は、非特許文献1に記載されているようなジルコンチタン酸鉛(PZT)が広く用いられていた。しかしながら、非特許文献1に記載されたジルコンチタン酸鉛(PZT)は、横方向の振動モードの電気機械結合係数k31が29.1%であり、せいぜい30%程度である。
T.Ogawa, M.Matsushita, Y.Tachi and K.Echizenya, "Program Summary and Extended Abstracts of the 10th US-Japan Seminar on Dielectric and Piezoelectric Ceramics"Sept.26-29, (2001)pp245-248
また、横方向の振動モードの電気機械結合係数k31を高める研究を行なった事例としては、例えば特許文献1に、x(Pb2Me2O7)1/2・(1-x)[Pb(Zr1-yTiy)O3]を主成分とし、副成分としてCrとSiを添加して、横方向の振動モードの電気機械結合係数k31を高めた圧電磁器組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された圧電磁器組成物は、前記電気機械結合係数k31が40%以下であり、十分なリスポンスが得られているとは言い難い。
特開平11-171644号公報
さらに、単結晶素子材料としてマグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛からなる固溶体(PMN−PT又はPMNTと呼称する。)を用いた圧電単結晶素子において、横方向振動モードの電気機械結合係数k31を高める研究を行なった事例としては、例えば非特許文献2に、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31が59%(0.59)と高い値をもつ0.67Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−0.33PbTiO3 単結晶が開示されている。
しかしながら、非特許文献2記載の電気機械結合係数k31は、室温で測定したときのものであり、高温(具体的には150℃)環境下で使用した場合の電気機械結合係数k31の値は定かではない。例えば、圧電素子として使用するに際しては、はんだ付けを行なったり、樹脂などと接合することによって、圧電素子が室温と高温(具体的には150℃)までの温度変化のある環境下で使用される場合があり、かかる場合には、圧電素子が劣化して、電気機械結合係数k31の値が低下する傾向があるが、かかる点について、非特許文献2には示唆や開示がない。
Jpn.J.Appl.Phys.90(2001)p.3471-3475
本発明は、Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3で表わされるマグネシウムニオブ酸鉛とチタン酸鉛からなる固溶体(PMN−PT又はPMNTと呼称する。)であって、正方晶の複合ペロブスカイト構造を有する圧電体単結晶素子材料からなり、室温から高温(具体的には150℃)までの温度変化のある使用環境下であっても、分極方向と直交する方向、いわゆる横方向の振動モードの電気機械結合係数k31を低下させずに安定して50%以上の高い値に維持できる、耐熱性に優れた圧電単結晶素子とその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)Pb[(Mg, Nb) 1-X Ti X ]O 3 (但し、Xは、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときの、Tiのモル分率とする。)からなる固溶体であって、前記Xが、0.30<X<0.40の式を満足し、かつ、複合ペロブスカイト構造を有する単結晶素子材料からなる圧電単結晶素子であって、〔0 0 1〕軸をC軸(最も格子定数の大きな軸)とする正方晶の〔1 0 1〕軸を分極方向としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔-1 0 1〕軸を含んで該〔-1 0 1〕軸±25°の角度範囲内にあり、分極方向とほぼ直交する方向、いわゆる横方向の振動モードの電気機械結合係数k31が50%以上であることを特徴とする圧電単結晶素子。
(2)Pb[(Mg, Nb) 1-X Ti X ]O 3 (但し、Xは、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときの、Tiのモル分率とする。)からなる固溶体であって、前記Xが、0.30<X<0.40の式を満足し、かつ、複合ペロブスカイト構造を有する単結晶素子材料からなる圧電単結晶素子であって、〔0 0 1〕軸をC軸(最も格子定数の大きな軸)とする正方晶の〔0 1 1〕軸を分極方向としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔0 -1 1〕軸を含んで該〔0 -1 1〕軸±25°の角度範囲内にあり、分極方向とほぼ直交する方向、いわゆる横方向の振動モードの電気機械結合係数k31が50%以上であることを特徴とする圧電単結晶素子。
上記(1)または(2)記載の圧電単結晶素子を製造する方法であって、単結晶インゴットから所定形状の単結晶素子材料を所定方向に切り出す工程と、この単結晶素子材料の〔1 0 1〕または〔0 1 1〕方向に、所定の条件で電界を印加して単結晶素子材料を分極する主分極工程とを有することを特徴とする圧電単結晶素子の製造方法。
)前記主分極工程の前後いずれかに、分極方向と直交する方向に電界を印加して分極する補助分極工程をさらに有する上記()記載の圧電単結晶素子の製造方法。
)主分極工程は、切り出した単結晶素子材料の〔1 0 1〕または〔0 1 1〕方向に、20〜200℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を印加する工程、または該単結晶素子材料のキュリー温度(Tc)より高い温度で250〜500V/mmの直流電界を印加したまま室温まで冷却する工程である上記()又は()記載の圧電単結晶素子の製造方法。
なお、ここでいう「正方晶」は、直方体の単位格子を持ち、最も大きな格子定数を有する軸を〔0 0 1〕軸(c軸)としたときに、それに直交する等しい長さの〔100〕軸(a軸)及び〔0 1 0〕軸(b軸)を有する結晶構造を有するものであるが、上記(3)でいう固溶体において、チタン酸鉛(PT)のモル分率が0.30に近い場合は、熱力学的に低温相である擬立方晶を示す部分をその構造中に有するものを含む。
また、「ペロブスカイト構造」とは、固溶体単結晶の単位格子が図2に模式的に示したように、Rイオンが、単位格子の角に位置し、酸素イオンが、単位格子の面心に位置し、Mイオンが単位格子の体心に位置するような構造(RMO3)をなしていることを言う。なお、本発明が対象としている「複合ペロブスカイト構造」とは、図2の体心位置にあるMイオンが、1種類の元素イオンでなく、2種類以上の複数の元素イオンのいずれかの元素からなることを言う。
本発明は、分極方向にほぼ直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31:50%以上を安定して得るため、分極方向と圧電素子端面の法線方向を適正に制御した圧電体単結晶素子である。
なお、従来からよく知られている単結晶素子材料としては、例えば、マグネシウムニオブ酸鉛Pb(Mg1/3Nb2/3)O3と、チタン酸鉛PbTiO3との固溶体Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3(但し、Xは、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときの、Tiのモル分率とする。)からなる圧電体単結晶素子材料(PMN−PT又はPMNTと呼称する。)が挙げられる。本発明では、Tiモル分率Xの適正化を図った圧電体単結晶素子材料(PMN−PT)を単結晶素子材料として用いることが好ましい。なお、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときのTiのモル分率は、PMN−PT系のTiのモル分率とは同じ値になる。
上述した主分極工程は、圧電単結晶素子の主たる分極を行う工程であるが、該工程の実施前あるいは実施後に、分極方向と直交する方向に電界を印加し、分極方向と直交する方向の強誘電体ドメインの整列状態を制御する製造方法も有効である。
分極方向と直交する方向に印加する電界の種類としては、直流電界、パルス電界、交流電界、またこれらの定常電界のほか、減衰電界などがあり、電界の強さや印加時間、温度条件等は、個々の圧電単結晶素子の特性及び分極方向に直交する方向の電気機械結合係数k31の所望の値に応じて適正条件がある。これらは、実験等によって定めることができる。また、前記のパルス電界としては、直角波のほか、交流三角波などユニポーラ及びバイポーラパルスを用いることができる。
本発明によれば、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を積極的に利用するユニモルフ型またはバイモルフ型のアクチュエータを基本構成とする、例えば磁気ヘッド精密位置決めアクチュエータ、圧電ジャイロ素子、デジタルカメラの手振れ防止センサー、心臓ペースメーカー用センサー等の用途に使用される圧電単結晶素子(デバイス)の製造が可能である。特に、本発明の圧電単結晶素子は、室温から高温(具体的には150℃)までの温度変化のある使用環境下であっても、横方向振動モードの電気機械結合係数k31を低下させずに安定して50%以上の高い値に維持できる。
以下、本発明の圧電単結晶素子の限定理由について、説明する。
(1)圧電単結晶素子の結晶構造(擬立方晶の複合ペロブスカイト構造):
本発明が対象とする「正方晶」は、直方体の単位格子を持ち、最も大きな格子定数を有する軸を〔0 0 1〕軸(c軸)としたときに、それに直交する等しい長さの〔100〕軸(a軸)及び〔0 1 0〕軸(b軸)を有する結晶構造を有するものであるが、上記(3)でいう固溶体において、チタン酸鉛(PT)のモル分率が0.30に近い場合は、熱力学的に低温相である擬立方晶を示す部分をその構造中に有するものを含む。さらに固溶体単結晶の単位格子が図2に模式的に示したように、Pbイオンが、単位格子の角に位置し、酸素イオンが、単位格子の面心に位置し、Mイオンが単位格子の体心に位置するようなペロブスカイト構造(RMO3)であり、さらに、図2の体心位置にあるMイオンが、一種類の元素イオンでなく、2つ以上の複数の元素イオンのいずれかからなる複合ペロブスカイト構造であることが必要である。
(2)圧電単結晶素子の形状
本発明が対象とする「圧電単結晶素子」の形状は、図1に示すような板状体が、分極方向3に直交する方向1(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を効果的に大きくする点で望ましい。特に、望ましい素子の形状は、細長比(アスペクト比:a/b)が2.5以上の板状体(a/b≧2.5,a>>L,b>>L)、さらに望ましくは、細長比(アスペクト比:a/b)が3以上の板状体である。なお、本発明の板状体の両端部(短辺b)の形状は、用途に応じて、図3に示すように凸状に湾曲b´(破線)あるいは、凹状に湾曲b´´(一点鎖線)していても良い。また、a=bの方形板であっても良い。なお、本発明でいう圧電素子端面は、図3のような平面視で、長辺aに直角な短辺bで示される。従って、圧電素子端面の法線方向1は、圧電素子の長辺aに平行である。
(3)〔0 0 1〕軸をC軸(最も格子定数の大きな軸)とする正方晶の〔1 0 1〕軸を分極方向としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔-1 0 1〕軸を含んで該〔-1 0 1〕軸±25°の角度範囲内であるか、または、前記正方晶の〔0 1 1〕軸を分極方向としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔0 -1 1〕軸を含んで該〔0 -1 1〕軸±25°の角度範囲内であること:
このような角度範囲に横方向振動を利用する素子の端面の法線方向1が限られることの理由は、以下のように考えられる。即ち、分極方向を正方晶の〔1 0 1〕軸としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔-1 0 1〕軸を含んで該〔-1 0 1〕軸±25°の角度範囲外であるか、あるいは、分極方向を正方晶の〔0 1 1〕軸としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔0 -1 1〕軸を含んで該〔0 -1 1〕軸±25°の角度範囲外では、前者の場合には、〔-1 0 1〕軸方向に対し約35°の角度をなす〔-1 1 1〕軸又は〔-1 -1 1〕軸の影響により、また、後者の場合には、〔0 -1 1〕軸方向に対し約35°の角度をなす〔1 -1 1〕軸又は〔-1 -1 1〕軸の影響により、横方向振動が分散される。このことは、該〔-1 0 1〕方向又は〔0 -1 1〕方向の横方向振動モードのエネルギーが減少することを意味する。その結果、横振動モードの電気機械結合係数k31:50%以上が得られなくなるもの考えられる。
(4)単結晶素子の組成と構造:
本発明の圧電単結晶素子の組成は、Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3(但し、Xは、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときの、Tiのモル分率とする。)からなる固溶体であって、前記Xが、0.30<X<0.40の式を満足し、かつ、複合ペロブスカイト構造を有する単結晶素子材料を用いた場合に、横方向振動モードに適した素子となる。すなわち、固溶体単結晶の単位格子が図2に模式的に示したように、Pbイオンが、単位格子の角に位置し、酸素イオンが、単位格子の面心に位置し、Mイオンが単位格子の体心に位置するようなペロブスカイト構造(RMO3)であり、さらに、図2の体心位置にあるMイオンが、一種類の元素イオンでなく、二種類以上の元素イオン、具体的には、Mg,Nb及びTiのいずれかからなる複合ペロブスカイト構造であることが必要である。
特に、固溶体単結晶として、マグネシウム・ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PMN-PT)を用いる場合には、化学式:Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3で表わされるときのTiのモル分率Xが、0.30<X<0.40の式を満足することが必要であり、より好適には、0.34<X<0.38とする。前記モル分率Xが0.3以下だと、図4に示すように、ほぼ擬立方晶が固溶体素子の大部分を占め、しかも、相転移温度Trtが室温以上の比較的低温に存在するため、室温から高温(例えば150℃)までの温度範囲にわたって使用する場合には、正方晶と擬立方晶との間で相転移が生じやすくなり、その結果、正方晶圧電素子としての性能が劣化して、横振動モードの電気機械結合係数k31が低下するおそれがあるからであり、前記モル分率Xが0.40以上だと、擬立方晶と正方晶の相転移温度は室温以下になり、室温から150℃の範囲で相転移は生じないが、チタン酸鉛のモル分率が大きすぎるため、固溶体としての圧電特性が劣化する傾向があり、その結果、横振動モードの電気機械結合係数k31:50%以上が得られなくなるおそれがあるからである。
また、他の固溶体単結晶として、マグネシウム・ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PMN-PT)にインジウムInを、好適には0.05〜30mol%含有させた、インジウム・マグネシウム・ニオブ酸鉛−チタン酸鉛(PIMN-PT)を用いることもできる。
さらに、比誘電率εや機械的品質係数Qmを大きくする等の必要がある場合には、さらに、上記圧電単結晶素子の組成に、Mn,Cr,Sb,Ca,W,Al,La,Li,Taのうちの1又は複数の元素をそれぞれ0.5質量ppm〜5質量%添加しても良い。合計で、5質量%を超える添加は、単結晶とするのが難しく、多結晶となる恐れがある。これらの元素を添加する効果は、例えば、Mn,Crを添加することで、機械的品質係数Qmの向上や経時劣化の抑制を図ることができる。また、Sb,La,W,Taの添加により比誘電率εが向上する。
次に、本発明の圧電単結晶素子の好適な製造方法について、説明する。
本発明の圧電単結晶素子の製造方法は、単結晶のインゴットを製造する工程、その単結晶のインゴットから所定形状の単結晶素子材料を所定方向に切り出す工程と、この単結晶素子材料の〔1 0 1〕または〔0 1 1〕方向に、所定の条件で電界を印加して単結晶素子材料を分極する主分極工程、あるいは、この主分極工程の前後で補助分極工程を有することを特徴とするものである。
以下、各工程における本発明の製造方法の限定理由を説明する。
(5)単結晶インゴットの製造:
Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3(但し、Xは、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときの、Tiのモル分率とする。)からなる固溶体であって、前記Xが、0.30<X<0.40の式を満足する単結晶、あるいは、さらに、上記組成に、Inを0.05〜30mol%、及び/又は、Mn,Cr,Sb,Ca,W,Al,La,Li,Taのうちの1又は複数の元素を0.5ppm〜5質量%添加した単結晶のインゴットの製造方法は、上記の組成に調整された原料をフラックス中に溶解させた後、降温させて凝固させる方法か、融点以上に加熱して融解させた後、一方向に凝固させることにより単結晶を得る方法がある。前者の方法としては、フラックス法、融液ブリッジマン法、または、TSSG法(Top Seeded solution Growth)などがあり、後者としては、水平融解ブリッジマン法、CZ法(チョクラルスキー法)などがあるが、本発明では、特に限定しない。
(6)単結晶インゴットの結晶学的方位の決定:
単結晶インゴットの〔1 0 1〕軸方位または〔0 1 1〕軸方位をラウエ法によって概ね決定し、同時に〔1 0 1〕軸方位とほぼ直交する〔-1 0 1〕軸方位及び〔0 1 0〕軸方位、または〔0 1 1〕軸方位とほぼ直交する〔0 -1 1〕軸方位及び〔1 0 0〕軸方位を概ね決定する。
さらに、上記方位軸等のいずれかの結晶軸に直交する結晶学的面{1 1 0}面や{1 0 0}面を研磨し、エックス線方位測定機などを用いて正確な方位を決定し、上記の研磨面のズレを修正する。
(7)粗切断(適当な厚さのウェハー作製):
上記の単結晶インゴットの研磨面{1 1 0}面や{1 0 0}面に平行又はほぼ直交して単結晶インゴットをワイヤーソー又は内周刃切断機などの切断機を用いて切断し、適当な厚さの板材(ウェハー)を得る。尚、切断後に、必要に応じてエッチング液を用いて化学エッチングする工程を含むこともできる。
(8)研磨(所定厚さのウェハー作製):
上記のウェハーをラッピング機、ポリッシング機などの研削機又は研磨機によって研削又は研磨し、所定厚さのウェハーを得る。尚、研削、研磨後に、必要に応じてエッチング液を用いて化学エッチングする工程を含むこともできる。
(9)単結晶素子材料の製作:
上記のウェハーは、(1 0 1)面又は(0 1 1)面をウェハー面(もっとも広い面)に持つ。ウェハー面が(1 0 1)面の場合には、圧電素子端面の法線方向1が、〔-1 0 1〕軸を含んで該〔-1 0 1〕軸±25°の角度範囲内になるように、また、ウェハー面が(0 1 1)面の場合には、圧電素子端面の法線方向1が、〔0 -1 1〕軸を含んで該〔0 -1 1〕軸±25°の角度範囲内になるように、それぞれウェハーから所定形状の単結晶素子材料を、ダイシングソーやカッティングソーなどの精密切断機を用いて切り出して作製する。
図5は、(1 0 1)面をウェハー面(もっとも広い面)とし、横方向振動モードを利用する圧電素子端面の法線方向が〔-1 0 1〕方向となるように単結晶を切り出す状態を3軸直交座標系で示したものであり、図6は、(0 1 1)面をウェハー面(もっとも広い面)とし、横方向振動モードを利用する圧電素子端面の法線方向が〔0 -1 1〕方向となるように単結晶を切り出す状態を3軸直交座標系で示したものである。
(10)電極の作製:
主分極処理あるいは、さらに、補助分極処理で、印加電界を掛けるために必要な電極を事前に作製する必要がある。
主分極処理前に、作製した単結晶素子材料の上下面(図5では(1 0 1)面と(-1 0 -1)面、図6では(0 1 1)面と(0 -1 -1)面)に、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成するか、プラズマ蒸着で、金被膜を形成するか、あるいは、スクリーン印刷で銀被膜を形成した後、焼成して電極を作製する。
また、補助分極処理前では、補助分極方向に垂直な対向する2つの面に、上記と同じ方法で電極を形成する。
なお、補助分極処理後に主分極処理する場合、あるいは、主分極処理後に補助極処理する場合には、最初の分極処理に使用した電極が残っていると、後の分極処理を不安定にするので、適当な化学エッチング液および酸で完全に電極を除去しておく必要がある。
(11)主分極処理工程:
育成後の単結晶インゴットから切り出された単結晶のままでは、分極方向3及びこれと直交する方向において、同一方向の電気双極子の集合からなるドメイン内の電気双極子の向きがドメイン毎に種々の方向を向いているため、圧電性を示さず、未分極の状態にある。
本発明の主分極工程は、切り出した単結晶素子材料の分極方向3に、20〜200℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を印加するのが好適である。すなわち、上記の好適な温度範囲の下限値の20℃未満の場合や印加電界範囲の下限値350V/mm未満の場合には、分極が不十分である。上記の好適な温度範囲の上限値200℃を超える場合や印加電界範囲の上限値1500V/mmを超えた場合には、過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させる。また、過度の電界により、結晶中の歪が増大し、圧電単結晶素子にクラックが発生し、破断が生ずるおそれがある。
なお、分極時間は、上記の好適範囲内で選ばれた分極処理温度と印加電界に応じて調整し、その上限を180分とすることが好ましい。
あるいは、主分極工程は、切り出した単結晶素子材料の分極方向3に、該単結晶素子材料のキュリー温度Tcより高い温度、好適には、190〜220℃の温度範囲で250〜500V/mmの直流電界を印加したまま室温まで冷却(電界冷却)してもよい。キュリー温度Tcより高い温度にすることで、電気双極子の存在を一旦無くし、その後、キュリー温度以下に冷却することで、電気双極子の向きが、よりきれいに揃うためである。キュリー温度以下の低い温度の場合には、一部に、電気双極子が残るために、分極が不十分になるためである。また、上記の好適な印加電界範囲の下限値250V/mm未満の場合には、分極が不十分である。上記の好適な印加電界範囲の上限値500V/mmを超えた場合には、過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させる。また、過度の電界により、結晶中の歪が増大し、圧電単結晶素子にクラックが発生し、破断が生ずるおそれがある。なお、冷却速度は、冷却中に素子にクラックが生じない冷却速度が望ましい。
なお、キュリー温度Tcは、それ以上の温度になると電気双極子がそれぞれ無秩序な方向を向いて整列しなくなり、圧電性または、強誘電性を示さなくなる転移温度である。これは、組成や物質の構造により決まっている(図4参照)。
(12)補助分極処理工程:
上述した主分極工程は、圧電単結晶素子の主たる分極を行う工程であるが、該主分極工程の実施前あるいは実施後に、上記の分極方向3と直交する方向、望ましくは、横振動方向1に電界を印加し、上記の分極方向3と直交する方向の強誘電体ドメインの整列状態を制御する製造方法も有効である。
上記の分極方向3と直交する方向に印加する電界の種類としては、直流電界、パルス電界、交流電界、またこれらの定常電界のほか、減衰電界などがあり、電界の強さや印加時間、温度条件等は、個々の圧電単結晶素子の特性及び分極方向に直交する方向の電気機械結合係数k31の所望の値に応じて適正条件がある。これらは、実験等によって定めることができる。補助分極の効果を得るためには、補助分極処理温度は、25℃〜相転移温度(例えば、図4に示すTrt線)以下、印加電界範囲は、350〜1500V/mmが好ましい。なお、分極時間は、上記の好適範囲内で選ばれた分極処理温度と印加電界に応じて調整することが好ましいが、特に、10分〜2時間が望ましい。
また、前記のパルス電界としては、直角波のほか、図7に示すような交流三角波などユニポーラ及びバイポーラバルスを用いることができる。
使用したマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)+チタン酸鉛(PT)(PMN-PT)(組成式:Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3(但し、X=0.36))の単結晶素子材料10A,10Bからなり、2種類の方向に切り出した圧電単結晶素子10A´,10B´(キュリー温度Tc=186℃、素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚み)の形状等を、それぞれ図8(a)および図8(b)に示す。
なお、圧電単結晶素子10A´,10B´の製造は、前述の製造方法に従い、Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3(但し、X=0.36)の組成になるように調整された後、前述の融液ブリッジマン法により、単結晶インゴットを得た。次に、この単結晶インゴットの正確な結晶学的方位を決定し、研磨し、この研磨面である(1 0 1)面と(0 1 1)面とにそれぞれ直交して単結晶インゴットをワイヤーソーで切断し、0.5mm厚みの板材を得た。この板材をポリッシング機によって研磨し、0.36mm厚みのウェハーを得た。このウェハーから素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚みの単結晶素子材料10を、ダイシングソーを用いて切り出して作製した。
作製した圧電単結晶素子10A´,10B´は、前記研磨面が(1 0 1)面である場合には、分極方向を正方晶の〔1 0 1〕軸とし、前記研磨面が(0 1 1)面である場合には、分極方向を正方晶の〔0 1 1〕軸とし、圧電素子の端面方位(より厳密には、端面の法線方向1)を変化させ、このときの横方向の振動モードの電気機械結合係数k31の大きさを調べるため、単結晶素子材料10Aの場合には、図9(a)に示すように、横方向モード利用の圧電素子の端面の法線方向1が0°(〔-1 0 1〕方向)から5°ごとに90°(〔0 1 0〕方向)まで変化させ、単結晶素子材料10Bの場合には、図9(b)に示すように、横方向モード利用の圧電素子の端面の法線方向1が0°(〔0 -1 1〕方向)から5°ごとに90°(〔1 0 0〕方向)まで変化させて、ダイシングソーを用いて、切り出した種々の単結晶素子材料を作製し、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加する分極法を用いて図9(a)及び9(b)の紙面にそれぞれ垂直な方向(〔1 0 1〕方向及び〔0 1 1〕方向)に分極し、圧電単結晶素子10A´,10B´とした後、その横方向振動モードに関する電気機械結合係数k31は、既知の計算式(電子材料工業会標準規格:EMAS-6008,6100参照)によって算出した。その測定結果を表1及び表2に示す。
なお、上記分極に先立って、作製した単結晶素子材料の対向する上下面10a及び10bに、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成して金電極を作製した。また、上記分極は、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加する条件で行なった。
ここで、分極方向とほぼ直交する面内の〔-1 0 1〕軸方向(図9(a))または〔0 -1 1〕軸方向(図9(b))に対して0°から90°の範囲を選択したことは、正方晶の対称性から、分極方向と直交する前記結晶平面内のすべての方向に関する情報を得るに必要十分な角度範囲であるためである。なお、参考のため、従来例であるジルコン酸チタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)焼結体(PZT)で作製した圧電素子についての横方向振動モードに関する電気機械結合係数k31を表1及び表2に併記した。PZTは焼結体であり、ここに示した圧電単結晶のように結晶方位に伴う異方性を持たないので、横方向振動モードに関する電気機械結合係数k31は、端面の法線方向とは無関係で全結晶方位にわたって同じ値である。
Figure 0004613032
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表1に示す結果から、圧電単結晶素子10A´では、分極方向3と直交する面内の〔-1 0 1〕軸を含んで0〜25°(結晶(正方晶)の対称性から−25°〜+25°の範囲と同等)の角度範囲内である場合だけ、横方向振動モードに関する電気機械結合係数k31が50%以上を示し、横方向振動利用の圧電素子として好適であることがわかる。
また、表2に示す結果から、圧電単結晶素子10B´では、分極方向3と直交する面内の〔0 -1 1〕軸を含んで該〔0 -1 1〕軸±25°の角度範囲内である場合だけ、横方向振動モードに関する電気機械結合係数k31が50%以上を示し、横方向利用の素子として好適であることがわかる。
更に、前記角度範囲内において、角度を5°刻みでなく更に、その間の角度についてもk31を詳細に測定した結果、該範囲において、横方向振動モードの電気機械結合係数k31は常に50%以上であることも確認した。
また、インジウム・マグネシウム・ニオブ酸鉛(PIMN)+チタン酸鉛(PT)(PIMN-PT)についても、上記と同様の製造方法で圧電単結晶素子を作製し、上記と同様の試験条件で電気機械結合係数k31を調べたところ、高い電気機械結合係数k31が得られることが確かめられた。なお、インジウム含有量は、20mol%であった。
次に、単結晶素子材料10A,10Bとして、それぞれ表3及び表4に示すようなTiモル分率の異なる種々の組成を有するマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)+チタン酸鉛(PT)(PMN-PT)(組成式:Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3)の各単結晶素子材料No.1〜11を、実施例1と同様な方法で作製し、横方向振動モードの電気機械結合係数k31を実施例1と同様の方法によって算出した。その結果を表3及び表4に示す。尚、表3及び表4に示す電気機械結合係数k31の数値は、各単結晶素子材料について、サンプル数n=5である場合の平均値である。
Figure 0004613032
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表3および表4の結果から、圧電単結晶素子10A´および10B´はいずれも、Tiのモル分率Xが0.30<X<0.40の式を満足する発明例は、いずれも横方向振動モードの電気機械結合係数k31が約53〜63%と50%以上の高い値が安定して得られている。
次に、横方向振動モード利用に好適な圧電単結晶素子を製造する好適な分極処理方法について説明する。種々の分極処理条件で製造した圧電単結晶素子10A´,10B´の横方向振動モードの電気機械結合係数k31を測定した結果を表5に示す。なお、圧電単結晶素子の製造方法や素子寸法および、試験条件は、実施例1と同様に行った。また、圧電単結晶素子の組成及び方位は、実施例1と同じ組成で角度15°の素子を用いた。
Figure 0004613032
実施例1と同様の方法で製造された横方向振動モード利用に好適な単結晶素子材料の分極処理温度を25℃とし、印加電界を本発明範囲の下限値を下回る320V/mm、印加時間を30分から180分の間の数点とした場合は、表5の(1)に印加時間が最長の180分の場合を代表として示すように、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:36mol%)では、圧電単結晶素子10A´で47.6%、圧電単結晶素子10B´で46.8%と50%未満であり、横方向振動モード用の圧電素子の特性としては不十分であった。180分よりも短い印加時間においては、更に低い電気機械結合係数k31しか得られなかった。これは、該条件下では、分極が不十分なためであると考えられる。
また、実施例1と同様の方法で製造された横方向振動モード利用に好適な単結晶素子材料の温度を40℃とし、印加電界を本発明範囲の上限値を超える1700V/mmにし、印加時間を30分から180分の間の数点とした場合は、表5の(9)に印加時間最小の30分の場合を代表として示すように、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:36mol%)では、圧電単結晶素子10A´で45.3%、圧電単結晶素子10B´で43.6%と50%未満であった。加えて、印加時間が30分を超える場合では、印加中または印加終了直後に圧電単結晶素子中にクラックを発生する例が多く見られた。
これは、該条件下では過分極(オーバーポール)が起こり、圧電単結晶素子の圧電特性を劣化させたものと考えられる。また、圧電単結晶素子にクラックが発生したことは、過度の電界により、圧電単結晶中の歪が増大し、破断を生じたものと考えられる。
さらに、横方向振動モード利用に好適な単結晶素子材料を、図4に示すキュリー温度Tcより高い温度である210℃のシリコンオイル中で、400V/mmの直流電界を印加したまま、120分かけて、シリコンオイルの温度を室温(25℃)まで降下させると、表5の(10)に示すように、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:36mol%)では、圧電単結晶素子10A´で58.6%、圧電単結晶素子10B´で58.4%と50%以上であった。このことは、電界を印加したまま冷却する方法(電界冷却)が有効であることを示している。
表5の(2)〜(8)は、25〜60℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を30分から180分の範囲で印加する分極処理条件で圧電単結晶素子を作製した場合である。この場合において、横方向振動モード利用に好適な結晶の分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:36mol%)では、圧電単結晶素子10A´で51.6〜61.0%、圧電単結晶素子10B´で52.0〜61.2%といずれも50%以上であった。
また、インジウム・マグネシウム・ニオブ酸鉛(PIMN)+チタン酸鉛(PT)(PIMN-PT)についても、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)と同様の製造方法で圧電単結晶素子を作製し、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)と同様の試験条件で電気機械結合係数k31を調べたところ、表5に示すように、25〜60℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界において、電気機械結合係数k31が高い圧電単結晶素子が得られた。このように、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:45mol%)に、適正範囲内でIn(20mol%)を含有させた組成の圧電単結晶素子において、いずれもマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:36mol%)と同じ結果が得られた。
次に、横方向振動モード利用に好適な圧電単結晶素子を製造する好適な補助分極処理方法について説明する。種々の補助分極処理条件で製造した圧電単結晶素子の横方向振動モードの電気機械結合係数k31を測定した結果を表6に示す。なお、圧電単結晶素子の製造方法や素子寸法および、試験条件は、実施例1と同様に行った。また、圧電単結晶素子の組成及び方位は、実施例1と同じ組成の素子を用いた。なお、圧電素子端面10cの法線方向1が、15°になるように、素子形状:13mm長さ×4mm幅×0.36mm厚みの単結晶素子材料を、ダイシングソーを用いて切り出して作製した。
実施例1と同様の方法で製造された横方向振動モード利用に好適な結晶の両端面11cに、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成して電極を作製し、補助分極処理温度を25〜40℃とし、直流の印加電界を320〜1700V/mm、印加時間を10分〜150分とし、補助分極処理を行った。その後、上記の電極を化学エッチング液および酸で完全に溶かして除去した後、単結晶素子材料10の対向する上下面10a及び10bに、スパッタ法でCr-Au被膜(1層目にCr層:厚み約50Å、2層目にAu層:厚み約100〜200Å)を形成して電極を作製し、主分極処理で、25℃の大気中で700V/mmの直流電界を60分間印加した。分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を表6に示す。表6の(2)〜(6)は、25〜60℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を10分から120分の範囲で印加する補助分極処理条件で圧電単結晶素子を作製した場合である。
Figure 0004613032
この場合において、横方向振動モード利用に好適な結晶の分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31は、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:36mol%)では、補助分極処理を行わない未処理の(11)の場合のk31が、圧電単結晶素子10A´で59.8%、圧電単結晶素子10B´で59.1%であったのに対して、いずれも60%以上であった。この補助分極処理により、さらに高い電気機械結合係数k31が得られた。また、主分極工程の後に上記(3)と同様の条件で補助分極処理を行った(8)の場合も、圧電単結晶素子10A´で62.4%、圧電単結晶素子10B´で62.8%と、高い電気機械結合係数k31が得られた。
また、図7に示すようなバイポーラ三角波パルス電界を主分極工程の前後に10分間印加した場合も(9)及び(10)に示すように、高い電気機械結合係数k31が得られた。
また、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)(Tiモル分率X:45mol%)に、適正範囲内でIn(30mol%)を含有させた組成の圧電単結晶素子についても、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)同様の製造方法で圧電単結晶素子を作製し、マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)と同様の試験条件で電気機械結合係数k31を調べたところ、表6に示すように、横方向振動モード利用に好適な結晶では、主分極処理の前後において行われた補助分極処理条件の25〜40℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界の範囲やバイポーラ三角波パルス電界による印加電界処理において、電気機械結合係数k31が,マグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)−チタン酸鉛(PT)と同様に向上した。
次に、本発明に従って製造されたマグネシウム・ニオブ酸鉛(PMN)+チタン酸鉛(PT)(PMN-PT)(組成式:Pb[(Mg, Nb)1-XTiX]O3の単結晶素子材料10A,10Bからなり、Tiモル分率Xが0.30<X<0.40を満足する種々の圧電単結晶素子10A´,10B´を作製し、温度に対する誘電率の変化を測定し、キュリー温度Tcと相転移温度Trtを求めた。その結果を図10に示す。
なお、参考のため、Tiモル分率Xが0.3以下である種々の圧電単結晶素子についても同様に作製し、温度に対する誘電率の変化を測定し、キュリー温度Tcと相転移温度Trtを求めた。その結果を図11に示す。
Tiモル分率Xが0.30<X<0.40を満足する本発明の圧電単結晶素子10A´,10B´はいずれも、磁気変態点であるキュリー温度Tcが160℃以上と高く、しかも、正方晶構造が擬立方晶構造に優越して存在するため、相転移温度Trtが室温以下である。これは、室温と高温(例えば150℃)との温度範囲で使用した場合であっても、相転移することなく、室温と高温で常に同じ結晶構造(正方晶)を維持することができるため、高温においても圧電単結晶素子10A´,10B´の圧電特性が劣化しにくいことを意味する。
一方、Tiモル分率Xが0.3以下である圧電単結晶素子は、磁気変態点であるキュリー温度Tcが130〜155℃と低く、しかも、相転移温度Trtが90℃以下の低温に存在する。これは、室温と高温(例えば150℃)との温度範囲で使用した場合に、室温では菱面晶が優越した構造であるが、高温では正方晶が優越した構造に相転移し、室温と高温で同じ結晶構造を維持することができなくなるため、高温において圧電単結晶素子10A´,10B´の圧電特性が劣化することを意味する。
また、図12(a)は、Tiモル分率Xが0.30<X<0.40を満足する本発明の圧電単結晶素子10A´に対して、室温と高温(100℃、120℃、140℃)との間で熱サイクル試験を繰り返し行なったときの、横方向振動モードの電気機械結合係数k31の数値の変化をプロットしたものであり、図12(b)は、Tiモル分率Xが0.30<X<0.40を満足する本発明の圧電単結晶素子10B´に対して、室温と高温(100℃、120℃、140℃)との間で熱サイクル試験を繰り返し行なったときの、横方向振動モードの電気機械結合係数k31の数値の変化をプロットしたものである。なお、熱サイクル試験は、室温から、それぞれ100℃(保持時間:60分)、120℃(保持時間:30分)及び140℃(保持時間:15分)まで昇温保持後、室温まで冷却して測定した後、さらに同じ条件で熱処理するという条件で行なった。参考のため、Tiモル分率Xが0.3以下である圧電単結晶素子についても、同様に熱サイクル試験を行い、横方向振動モードの電気機械結合係数k31の数値の変化をプロットしたものを図13に示す。
Tiモル分率Xが0.30<X<0.40を満足する本発明の圧電単結晶素子10A´、10B´はいずれも、熱サイクル試験を繰り返し行なっても、横方向振動モードの電気機械結合係数k31の数値がほとんど低下していないことがわかる。
一方、Tiモル分率Xが0.3以下である圧電単結晶素子は、熱サイクル試験を繰り返し行なうことによって、横方向振動モードの電気機械結合係数k31の数値が顕著に低下している。
本発明によれば、分極方向に直交する方向(横方向振動モード)の電気機械結合係数k31を積極的に利用するユニモルフ型またはバイモルフ型のアクチュエータを基本構成とする、例えば磁気ヘッド精密位置決めアクチュエータ、圧電ジャイロ素子、デジタルカメラの手振れ防止センサー、心臓ペースメーカー用センサー等の用途に使用される圧電単結晶素子(デバイス)の製造が可能である。特に、本発明の圧電単結晶素子は、高温(具体的には150℃)使用環境下であっても、横方向振動モードの電気機械結合係数k31を低下させずに安定して50%以上の高い値に維持できる。
本発明に従う圧電単結晶素子の方位と形状を示す斜視図であり、分極するときの状態で示す。 ペロブスカイト結晶構造(RMO3)の模式的斜視図である。 本発明に従う圧電単結晶素子の横方向振動モードを利用する端面の種々の形状を示す図である。 PMN-PT(PMNT)の相図である。 (1 0 1)面をウェハー面(もっとも広い面)として単結晶を切り出す状態を3軸直交座標系で示したときの斜視図である。 (0 1 1)面をウェハー面(もっとも広い面)として単結晶を切り出す状態を3軸直交座標系で示したときの斜視図である。 バイポーラ三角波パルスの波形図である。 単結晶に直流電界を印加するときの説明図であり、(a)は単結晶素子材料10Aである場合、(b)は単結晶素子材料10Bである場合を示す。 単結晶ウェハー11から、圧電素子端面10cの法線方向1が0〜90°の範囲で種々の単結晶素子材料を切り出す方向を説明するための図であり、(a)は圧電単結晶素子10A´である場合、(b)は圧電単結晶素子10B´である場合を示す。 Tiモル分率Xが0.30<X<0.40を満足する本発明の圧電単結晶素子10A´,10B´について、温度に対する誘電率の変化をプロットした図である。 Tiモル分率Xが0.30以下である種々の圧電単結晶素子について、温度に対する誘電率の変化をプロットした図である。 Tiモル分率Xが0.30<X<0.40を満足する本発明の圧電単結晶素子に対して、熱サイクル試験を繰り返したときの、横方向振動モードの電気機械結合係数k31の数値の変化をプロットした図であり、(a)は圧電単結晶素子10A´である場合、(b)は圧電単結晶素子10B´である場合を示す。 Tiモル分率Xが0.30以下である圧電単結晶素子に対して、熱サイクル試験を繰り返したときの、横方向振動モードの電気機械結合係数k31の数値の変化をプロットした図である。
符号の説明
10 単結晶素子材料
10a 単結晶素子材料の上面(又は電極面)
10b 単結晶素子材料の下面(又は電極面)
10c 単結晶素子材料の横方向振動モードを利用する端面
11 単結晶ウェハー
10’,10A´,10B´ 分極処理後の圧電単結晶素子
a 圧電単結晶素子の横方向(横振動の方向1)寸法
b 圧電単結晶素子の端面の(奥行き(方向2))寸法
b’圧電単結晶素子の凸状の端面
b”圧電単結晶素子の凹状の端面
L 単結晶素子の縦方向(分極の方向3)寸法
V 直流電圧
1 圧電単結晶素子端面の法線方向(横振動方向)
3 分極方向(縦振動方向)

Claims (5)

  1. Pb[(Mg, Nb) 1-X Ti X ]O 3 (但し、Xは、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときの、Tiのモル分率とする。)からなる固溶体であって、前記Xが、0.30<X<0.40の式を満足し、かつ、複合ペロブスカイト構造を有する単結晶素子材料からなる圧電単結晶素子であって、〔0 0 1〕軸をC軸(最も格子定数の大きな軸)とする正方晶の〔1 0 1〕軸を分極方向としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔-1 0 1〕軸を含んで該〔-1 0 1〕軸±25°の角度範囲内にあり、分極方向とほぼ直交する方向、いわゆる横方向の振動モードの電気機械結合係数k31が50%以上であることを特徴とする圧電単結晶素子。
  2. Pb[(Mg, Nb) 1-X Ti X ]O 3 (但し、Xは、Mg,NbおよびTiのモル分率の合計を1としたときの、Tiのモル分率とする。)からなる固溶体であって、前記Xが、0.30<X<0.40の式を満足し、かつ、複合ペロブスカイト構造を有する単結晶素子材料からなる圧電単結晶素子であって、〔0 0 1〕軸をC軸(最も格子定数の大きな軸)とする正方晶の〔0 1 1〕軸を分極方向としたとき、圧電素子端面の法線方向が、分極方向にほぼ直交する方向である〔0 -1 1〕軸を含んで該〔0 -1 1〕軸±25°の角度範囲内にあり、分極方向とほぼ直交する方向、いわゆる横方向の振動モードの電気機械結合係数k31が50%以上であることを特徴とする圧電単結晶素子。
  3. 請求項1または2記載の圧電単結晶素子を製造する方法であって、
    単結晶インゴットから所定形状の単結晶素子材料を所定方向に切り出す工程と、
    この単結晶素子材料の〔1 0 1〕または〔0 1 1〕方向に、所定の条件で電界を印加して単結晶素子材料を分極する主分極工程と、
    を有することを特徴とする圧電単結晶素子の製造方法。
  4. 前記主分極工程の前後いずれかに、分極方向と直交する方向に電界を印加して分極する補助分極工程をさらに有する請求項記載の圧電単結晶素子の製造方法。
  5. 主分極工程は、切り出した単結晶素子材料の〔1 0 1〕または〔0 1 1〕方向に、20〜200℃の温度範囲で350〜1500V/mmの直流電界を印加する工程、または該単結晶素子材料のキュリー温度(Tc)より高い温度で250〜500V/mmの直流電界を印加したまま室温まで冷却する工程である請求項又は記載の圧電単結晶素子の製造方法。
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