JPH10335713A - 圧電体装置及びその製造方法 - Google Patents
圧電体装置及びその製造方法Info
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- JPH10335713A JPH10335713A JP13722197A JP13722197A JPH10335713A JP H10335713 A JPH10335713 A JP H10335713A JP 13722197 A JP13722197 A JP 13722197A JP 13722197 A JP13722197 A JP 13722197A JP H10335713 A JPH10335713 A JP H10335713A
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Abstract
エータ等に用いられる圧電体装置及びその製造方法に関
し、高性能な圧電特性を有する圧電体装置及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 結晶方向の異なる多数の単結晶ドメイン
が凝集してひとつのグレインを形成し、多数のグレイン
が凝集して圧電体材料を構成する。グレインが一定程度
以上の大きさになると、グレインの表面に亀裂のような
クラックが表れる。クラックが形成されると、隣接する
ドメインからの拘束力が弱くなり、圧電体材料から本来
生ずべき変位とほぼ同じ変位を得ることができる。
Description
た圧電体装置に係り、特に、インクジェットプリンタ用
ヘッドやアクチュエータ等に用いられる圧電体装置及び
その製造方法に関する。
チュエータ等に用いられる圧電体装置として、低電圧の
印加で高い変位を得ることができる高性能の圧電体装置
が求められている。このような高性能の圧電体装置を製
造するためには、焼結後に高い圧電特性を発現する焼結
性の高い原料粉末を製造しなければならない。
各原料を混合した後、仮焼きを複数回行うことにより、
高い圧電特性が発現するペロブスカイト相の比率を高め
るようにして、圧電特性の向上が試みられてきた。ま
た、原材料に、Fe2O3、Al2O3、Bi2O3、MnO
2などの様々な材料を添加して、圧電特性の向上が試み
られている。
より、圧電特性の向上が見られるものの、圧電体装置を
使用するインクジェットプリンタ等の装置側から更に高
性能な圧電体装置の実現が望まれている。また、従来
は、各原料を混合する際のボールミル混合にアルミナボ
ールを用いているため、アルミナボールが摩耗して原材
料にアルミナが混入し、圧電特性を低下させることがあ
った。
媒として水又はアルコールを用いて混合するため、混合
粉末を回収する際に、混合したはずの各粉末が沈殿によ
って分離し、焼成した圧電セラミックスの組成が不均質
化することがあった。組成が不均質化すると、全く圧電
特性を示さないパイロクロア相が生成され、圧電性能の
低下を招くことになる。
の向上は見られるものの、添加量が多くなると、添加物
質が粒界に偏析してセラミックスの焼結性が低下し、密
度が低くなって十分な圧電特性が実現されない。本発明
の目的は、高性能な圧電特性を有する圧電体装置及びそ
の製造方法を提供することにある。
インが凝集したグレインを有する圧電体材料からなる圧
電体装置であって、前記グレインの平均粒径は、約2μ
m以上であり、前記ドメインの平均粒径は、約0.1μ
m以上であり、前記ドメイン間にクラックが形成されて
いることを特徴とする圧電体装置によって達成される。
材料は、ペロブスカイト構造であることが望ましい。上
述した圧電体装置において、前記圧電体材料は、次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0<a<0.8、0.2<b<1.0、0.2<c<
0.8 で表される組成であることが望ましい。
材料は、次式 aPbMg1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0<a<0.8、0.2<b<1.0、0.2<c<
0.8 で表される組成であることが望ましい。
3 ただし、a+b+c=1 0.40<a<0.75、0.25<b<0.55、
0.05<c<0.45 で表される基本組成を有し、PbHfO3及び/又はP
bMg1/3Nb2/3O3が合計0−3mol%添加され、
酸化アルミニウムの含有量が0.2mol%以下である
圧電体材料からなることを特徴とする圧電体装置によっ
て達成される。
材料からなる圧電層を挟み、Ag−Pdペースト又はP
tペーストからなる電極層を更に有することが望まし
い。上述した圧電体装置において、前記圧電層と前記電
極層とが交互に積層され、前記圧電層が少なくとも2層
以上であることが望ましい。上記目的は、PbO以外の
圧電体原料を混合して第1の混合物を生成する第1の工
程と、前記第1の混合物を仮焼きする第2の工程と、仮
焼きされた前記第1の混合物とPbOとを混合して第2
の混合物を生成する第3の工程と、前記第2の混合物を
仮焼きして圧電体粉末を生成する第4の工程とを有する
圧電体装置の製造方法によって達成される。
前記第1の工程は、MgO、NiO、Nb2O5、TiO
2、ZrO2、及び/又はHfO2を混合するようにして
もよい。上述した圧電体装置の製造方法において、前記
第1の工程及び/又は第3の工程は、ジルコニア製のボ
ールを用いて混合することが望ましい。
前記第1の工程及び/又は前記第3の工程は、混合すべ
き原料をアセトンの溶媒中に分散して混合することが望
ましい。上記目的は、圧電体原料を混合し、この混合物
を仮焼きして圧電体粉末を生成する第1の工程と、前記
圧電体粉末から形成したグリーンシートを積層して加圧
し、積層体を形成する第2の工程と、前記積層体を、前
記圧電体粉末とほぼ同等な組成の焼成用粉末中に埋め込
み、前記積層体を焼成する第3の工程とを有することを
特徴とする圧電体装置の製造方法によって達成される。
前記圧電体原料は、PbOを含んでおり、前記第3の工
程における前記焼成用粉末は、前記圧電体粉末よりもP
bOが過剰であることが望ましい。
置の圧電体材料について図1乃至図5を用いて説明す
る。本実施形態の圧電体材料は、PbNi1/3Nb2/3O
3と、PbTiO3と、PbZrO3とが所定の組成比で
混合されたペロブスカイト構造、すなわち、次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a、b、cは組成比、a+b+c=1で表され
るペロブスカイト構造を基本構造としている。このペロ
ブスカイト構造の組成比a、b、cを適切な値にするこ
とにより、グレインの粒径が大きく、グレイン内のドメ
イン間にクラックが形成された圧電体装置が得られる。
る多数のドメインが凝集してひとつのグレインを形成し
ている。多数のグレインが凝集して圧電体材料を構成す
る。本願発明者等は、本実施形態の圧電体材料を製造し
て表面を観察したところ、グレインが一定程度以上の大
きさになると、図1(a)に示すように、グレインの表
面に亀裂のようなクラックが現れていることがわかっ
た。図1(b)の模式図に示すように、結晶方向の異な
る多数のドメインが凝集してひとつのグレインを形成す
る際に、ドメインが大きくなり、それに伴いグレインが
大きくなると、ドメイン同士が完全に密着することがで
きなくなり、ドメインの端部が離れて、クラックが形成
される。
定すると、クラックがある圧電体材料は、クラックがな
い圧電体材料に比較して、変位量が飛躍的に大きくな
る。これは、図2に示すようなメカニズムによるものと
思われる。図2(a)に示すように、外部からの拘束が
全くない単結晶圧電素子に電圧を印加した場合、圧電素
子の変位は、その圧電体材料の本来の変位となる。しか
しながら、クラックがない多結晶の圧電体材料の場合、
図2(b)に示すように、各グレインは隣接するグレイ
ンにより強く拘束されることになり、実際の変位は、圧
電体材料から本来生ずべき変位よりも非常に小さなもの
になってしまう。これに対し、本実施形態のようにグレ
イン間にクラックがあると、図2(c)に示すように、
隣接するグレインからの拘束力が弱くなり、圧電体材料
から本来生ずべき変位とほぼ同じ程度の変位を実際に得
ることができる。
晶構造にすることが圧電体材料として重要である。組成
比を変化させて様々な圧電体材料を製造して、クラック
の有無について調べたところ、グレインの粒径が大きく
なるとクラックが発生することがわかった。図3は、ク
ラックが発生する領域を示すと共に、グレインの平均粒
径とドメインの平均粒径との関係を示している。図3に
示すように、グレインの平均粒径が約2μm以上となる
と、ほとんどのグレインでクラックが生ずることがわか
った。そのときのドメインの平均粒径は約0.15μm
以上である。
a、b、cを変化させたところ、組成比a、b、cとグ
レインの平均粒径との間に、図4に示すような関係があ
ることがわかった。すなわち、組成比a、b、cに応じ
て、グレインの平均粒径が2μm以上になる領域、2.
5μm以上となる領域、3μm以上となる領域が存在す
る。
μm以上であると、ドメイン間にクラックが発生するか
ら、本実施形態の圧電体材料としては、図5に示すよう
な範囲の組成比の圧電体材料、すなわち、次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0<a<0.8、0.2<b<1.0、0.2<c<
0.8 で表される組成であれば、変位量が大きい高性能の圧電
特性を有する圧電体装置を実現できる。
よる圧電体装置の圧電体材料について図6及び図7を用
いて説明する。本実施形態の圧電体材料は、PbNi
1/3Nb2/3O3の代わりにPbMg1/3Nb2/3O3を用
い、PbTiO3と、PbZrO3とを所定の組成比で混
合したペロブスカイト構造、すなわち、次式 aPbMg1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a、b、cは組成比、a+b+c=1で表され
るペロブスカイト構造を基本構造としている。このペロ
ブスカイト構造の場合も、その組成比a、b、cを適切
な値にすることにより、グレインの粒径が大きく、グレ
イン内のドメイン間にクラックが形成された圧電体装置
が得られる。
a、b、cを変化させたところ、組成比a、b、cとグ
レインの平均粒径との間に、図6に示すような関係があ
ることがわかった。すなわち、組成比a、b、cに応じ
て、グレインの平均粒径が2μm以上になる領域、2.
5μm以上となる領域、3μm以上となる領域が存在す
る。
μm以上であると、ドメイン間にクラックが発生するか
ら、本実施形態の圧電体材料としては、図7に示すよう
な範囲の組成比の圧電体材料、すなわち、次式 aPbMg1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0<a<0.8、0.2<b<1.0、0.2<c<
0.8 で表される組成であれば、変位量が大きい高性能の圧電
特性を有する圧電体装置を実現できる。
よる圧電体装置の圧電体材料について図8及び図9を用
いて説明する。本実施形態の圧電体材料は、第1の実施
形態と同様に、PbNi1/3Nb2/3O 3と、PbTiO3
と、PbZrO3とが所定の組成比で混合されたペロブ
スカイト構造、すなわち、次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a、b、cは組成比、a+b+c=1で表され
るペロブスカイト構造を基本構造とし、更に、PbHf
O3及び/又はPbMg1/3Nb2/3O3が合計0−3mo
l%添加され、酸化アルミニウムの含有量が0.2mo
l%以下と従来よりも少ない圧電体材料である。
比a、b、cを適切な値にすることにより、従来では実
現できなかった電気機械結合係数k33が70%以上の圧
電体材料を得ることができた。本実施形態の圧電体材料
について、組成比a、b、cを変化させたところ、組成
比a、b、cと電気機械結合係数k33との間に、図8に
示すような関係があることがわかった。すなわち、組成
比a、b、cに応じて、電気機械結合係数k33が65%
以上となる領域、70%以上となる領域、75%以上と
なる領域が存在する。
示すような範囲の組成比の圧電体材料、すなわち、次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0.40<a<0.75、0.25<b<0.55、
0.05<c<0.45 で表される組成であれば、変位量が大きい高性能の圧電
特性を有する圧電体装置を実現できる。
0.155PbZrO3 で表される組成の場合には、電気機械結合係数k33が8
0.8%で、圧電定数が948pm/Vとなった。 [圧電体装置の製造方法]本発明の一実施形態による圧
電体装置の製造方法について、図10乃至図12を用い
て説明する。本実施形態では、前述した第1実施形態乃
至第3実施形態による圧電体装置を製造する場合を例と
して説明する。
O、Nb2O3、TiO2、ZrO2、HfO2の不純物を
徹底的に除去する。具体的には、Biが7000ppm
未満、Znが5000ppm未満、Feが6000pp
m未満、Coが2000ppm未満、Alが4000p
pm未満、Cuが12000ppm未満、Caが200
0ppm未満、その他の元素が100ppm未満となる
ように不純物を除去する。
必要な原材料MgO、NiO、Nb 2O3、TiO2、Z
rO2、HfO2の所定量を精密に計量後、約5mm径の
ジルコニアボールを入れたボールミルにより、アセトン
を溶媒として、約20時間粉砕混合して均質化する(ス
テップS10)。ボールミル混合とは、図11に示すよ
うに、円柱形の混合容器10内に、原材料粉末をアセト
ンを溶媒として分散させた原料12をジルコニアボール
14と共に入れ、混合容器10を回転して混合する処理
である。本実施形態では、ボール14の素材が原材料で
あるジルコニアであるので、ボールが摩耗して原材料に
混入しても不純物とはならない。なお、ジルコニアボー
ルの代わりに、プラスチックでコーティングした金属製
のボールを用いてもよい。
バスで8時間乾燥し、混合粉末を回収する(ステップS
11)。本実施形態では、溶媒としてアセトンを用いて
いるので、乾燥により短時間の内に溶媒が揮発する。し
たがって、溶媒として水又はアルコールを用いる従来の
方法のように、混合したはずの各粉末が沈殿によって分
離することがなく、しかも、短時間で回収処理が終了す
る。
(ステップS12)。次に、仮焼きして反応させて均質
性を高めた原材料に精密に計量したPbOを加え、ステ
ップS10と同様にして、約5mm径のジルコニアボー
ルを入れたボールミルにより、アセトンを溶媒として、
約20時間粉砕混合して均質化する(ステップS1
3)。
バスで8時間乾燥し、混合粉末を回収する(ステップS
14)。次に、850℃で約3時間、仮焼きして反応さ
せる(ステップS15)。その結果、混合量に応じた組
成比のPbNi1/3Nb2/3O3-PbMg1/3Nb2/3O3-
PbTiO3-PbZrO3-PbHfO3なる圧電体粉末
が完成する。
B:ポリビニルブチラール)と可塑剤(DBP:ジブチ
ルフタレート)と有機溶媒(エタノール)をボールミル
により混合してスラリーを作成する。次に、このスラリ
ーからドクターブレード法により厚さ50μmの圧電体
のグリーンシート20を成形する。このグリーンシート
20を約100mm四方に打ち抜く(ステップS1
6)。
Pdペースト又はPtペーストからなる電極層22をス
クリーン印刷する(ステップS17)。次に、電極層を
印刷していないグリーンシート20aを30枚積層し、
その上に電極層22を印刷したグリーンシート20bを
4枚積層し、更に、その上に電極層を印刷していないグ
リーンシート20cを8枚積層し、80℃の温度で、5
0MPaの圧力の一軸プレスにより加圧して一体化し、
積層体24を形成する(ステップS18)。
大気中で約4時間脱脂する(ステップS19)。次に、
高純度アルミナ磁器26中に、圧電体材料と同組成の粉
末28を入れ、その中に脱脂した積層体24を埋め込ん
で、高純度アルミナ磁器26に蓋30をして、電気炉に
て1100℃で約3時間焼成する(ステップS20)。
なお、積層体24を埋め込む圧電体粉末28について、
PbOの量を少し過剰に添加してもよい。焼結時のPb
Oの蒸気圧を制御して、十分に粒成長した圧電体を製造
できる。
加工して、個々の圧電体装置32を完成する(ステップ
S21)。本実施形態の製造方法によれば、パイロクロ
ア相の生成を抑制し、99%以上のペロブスカイト相を
有し、高性能な圧電特性を有する圧電体装置を製造する
ことができる。
て、積層体24を圧電体材料とほぼ同じ組成の粉末28
中で焼成することによりパイロクロア相の生成を効果的
に抑制することができる。図13に、大気中で焼成した
場合と、同組成の粉末中で焼成した場合の圧電体材料の
組成を比較して示す。図13の圧電体材料は、次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 で表される組成の圧電体材料である。図13(a)は大
気中で焼成した圧電体材料のX線回折の測定結果であ
り、図13(b)は本実施形態のように同組成の粉末中
で焼成した圧電体材料のX線回折の測定結果である。図
13(a)では、ペロブスカイト相(●)のピークと共
にパイロクロア相(▼)のピークも表れているいるが、
図13(b)では、ペロブスカイト相(●)のピークの
みが表れている。パイロクロア相の組成は、Pb1.86N
i0.24Nb1.76O6.5である。
組成の焼成用粉末中で焼成した場合の圧電体材料の電気
機械結合係数k33を比較して示す。PbTiO3のmo
l数とPbZrO3のmol数のモル比PZ/PTを変
化させ、大気中で焼成した場合を破線で示し、焼成用粉
末中で焼成した場合を実線で示す。図14から明らかな
ように、焼成用粉末中で焼成した場合の方が全体に亘っ
て電気機械結合係数k 33が大きく、特に、モル比PZ/
PTが0.45の場合に、80.8%もの高い電気機械
結合係数k33の圧電体材料を得ることができた。
0.155PbZrO3 で表される基本組成を有し、PbHfO3が0.12m
ol%、PbMg1/3Nb 2/3O3が0.01mol%添
加され、酸化アルミニウムの含有量が0.06mol%
である圧電体材料からなる圧電体装置を製造した。
33は80.8%、圧電定数(圧電体に電圧を印加したと
きに変位する割合)は948pm/Vであった。印加電
圧E(kV/cm)に対する分極P(μC/cm2)の
ヒステリシス曲線を図15に示す。実施例の圧電体材料
の顕微鏡写真を図16、図17に示す。図17は図16
の拡大写真である。図1は図17の拡大写真を線図とし
て描いたものである。グレインの粒径が大きく、グレイ
ンの表面に亀裂が表れていることがわかる。
0.155PbZrO3 で表される基本組成を有し、PbHfO3が0.12m
ol%、PbMg1/3Nb 2/3O3が0.01mol%添
加され、酸化アルミニウムの含有量が0.06mol%
である、上記実施例と同じ組成をもつ圧電体材料からな
る圧電体装置を製造した。すなわち、図10の工程図に
おいて、ステップS10〜S12を省略し、ステップS
13でPbOを含む全ての原材料を一度に水を溶媒とし
て混合した後、回収し(ステップS14)、仮焼きした
(ステップS15)。図12の工程図において、ステッ
プS20において空気中で焼成した。
33は69.5%、圧電定数は656pm/Vであった。
印加電圧E(kV/cm)に対する分極P(μC/cm
2)のヒステリシス曲線を図15に示す。実施例の圧電
体材料の顕微鏡写真を図18に示す。図18のグレイン
の粒径は図16の実施例と比べて小さいことがわかる。
メインが凝集したグレインを有する圧電体材料であっ
て、グレインの平均粒径が約2μm以上であり、ドメイ
ンの平均粒径が約0.1μm以上であり、ドメイン間に
クラックが形成されているので、隣接するグレインから
の拘束力が弱くなり、圧電体材料から本来生ずべき変位
とほぼ同じ程度の変位を得ることができる。
体原料を混合して第1の混合物を生成し、第1の混合物
を仮焼きし、仮焼きされた第1の混合物とPbOとを混
合して第2の混合物を生成し、第2の混合物を仮焼きし
て圧電体粉末を生成するようにしたので、PbOの蒸発
を防ぎ、所望の組成比の圧電体粉末を製造することがで
きる。
し、この混合物を仮焼きして圧電体粉末を生成し、圧電
体粉末から形成したグリーンシートを積層して加圧し、
積層体を形成し、積層体を、圧電体粉末とほぼ同等な組
成の焼成用粉末中に埋め込み、積層体を焼成するように
したので、圧電特性に寄与しないパイロクロア相の発生
を防ぎ、ペロブスカイト相の圧電体材料からなる圧電体
装置を製造することができる。
を示す模式図である。
のメカニズムを示す模式図である。
てクラックが生ずるグレインの粒径の範囲を示すグラフ
である。
分布を示すグラフである。
を示すグラフである。
分布を示すグラフである。
を示すグラフである。
機械結合係数k33分布を示すグラフである。
を示すグラフである。
方法の工程図(その1)である。
方法におけるボールミル混合を示す図である。
方法の工程図(その2)である。
方法により焼成した圧電体材料のX線回折の測定結果を
従来例と比較して示すグラフである。
方法により焼成した圧電体材料の電気機械結合係数k33
を従来例と比較して示すグラフである。
ス曲線を示すグラフである。
ある。
Claims (14)
- 【請求項1】 複数のドメインが凝集したグレインを有
する圧電体材料からなる圧電体装置であって、 前記グレインの平均粒径は、約2μm以上であり、 前記ドメインの平均粒径は、約0.1μm以上であり、 前記ドメイン間にクラックが形成されていることを特徴
とする圧電体装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の圧電体装置において、 前記圧電体材料は、ペロブスカイト構造であることを特
徴とする圧電体装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の圧電体装置において、 前記圧電体材料は、次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0<a<0.8、0.2<b<1.0、0.2<c<
0.8 で表される組成であることを特徴とする圧電体装置。 - 【請求項4】 請求項2記載の圧電体装置において、 前記圧電体材料は、次式 aPbMg1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0<a<0.8、0.2<b<1.0、0.2<c<
0.8 で表される組成であることを特徴とする圧電体装置。 - 【請求項5】 次式 aPbNi1/3Nb2/3O3-bPbTiO3-cPbZrO
3 ただし、a+b+c=1 0.40<a<0.75、0.25<b<0.55、
0.05<c<0.45 で表される基本組成を有し、 PbHfO3及び/又はPbMg1/3Nb2/3O3が合計0
−3mol%添加され、 酸化アルミニウムの含有量が0.2mol%以下である
圧電体材料からなることを特徴とする圧電体装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
圧電体装置において、 前記圧電体材料からなる圧電層を挟み、Ag−Pdペー
スト又はPtペーストからなる電極層を更に有すること
を特徴とする圧電体装置。 - 【請求項7】 請求項6記載の圧電体装置において、 前記圧電層と前記電極層とが交互に積層され、前記圧電
層が少なくとも2層以上であることを特徴とする圧電体
装置。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
圧電体装置を用いたインクジェットプリンタ用ヘッド。 - 【請求項9】 PbO以外の圧電体原料を混合して第1
の混合物を生成する第1の工程と、 前記第1の混合物を仮焼きする第2の工程と、 仮焼きされた前記第1の混合物とPbOとを混合して第
2の混合物を生成する第3の工程と、 前記第2の混合物を仮焼きして圧電体粉末を生成する第
4の工程とを有する圧電体装置の製造方法。 - 【請求項10】 請求項9記載の圧電体装置の製造方法
において、 前記第1の工程は、MgO、NiO、Nb2O5、TiO
2、ZrO2、及び/又はHfO2を混合することを特徴
とする圧電体装置。 - 【請求項11】 請求項9又は10記載の圧電体装置の
製造方法において、 前記第1の工程及び/又は第3の工程は、ジルコニア製
のボールを用いて混合することを特徴とする圧電体装置
の製造方法。 - 【請求項12】 請求項9乃至11のいずれか1項に記
載の圧電体装置の製造方法において、 前記第1の工程及び/又は前記第3の工程は、混合すべ
き原料をアセトンの溶媒中に分散して混合することを特
徴とする圧電体装置の製造方法。 - 【請求項13】 圧電体原料を混合し、この混合物を仮
焼きして圧電体粉末を生成する第1の工程と、 前記圧電体粉末から形成したグリーンシートを積層して
加圧し、積層体を形成する第2の工程と、 前記積層体を、前記圧電体粉末とほぼ同等な組成の焼成
用粉末中に埋め込み、前記積層体を焼成する第3の工程
とを有することを特徴とする圧電体装置の製造方法。 - 【請求項14】 請求項13記載の圧電体装置の製造方
法において、 前記圧電体原料は、PbOを含んでおり、 前記第3の工程における前記焼成用粉末は、前記圧電体
粉末よりもPbOが過剰であることを特徴とする圧電体
装置の製造方法。
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