JPH06116024A - ビスマス層状化合物の製造方法 - Google Patents

ビスマス層状化合物の製造方法

Info

Publication number
JPH06116024A
JPH06116024A JP4259954A JP25995492A JPH06116024A JP H06116024 A JPH06116024 A JP H06116024A JP 4259954 A JP4259954 A JP 4259954A JP 25995492 A JP25995492 A JP 25995492A JP H06116024 A JPH06116024 A JP H06116024A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
sintering
sintered
bismuth
layered compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4259954A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhide Kaneko
和秀 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP4259954A priority Critical patent/JPH06116024A/ja
Publication of JPH06116024A publication Critical patent/JPH06116024A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ホットプレスより簡単な方法で、ビスマス層状
化合物の分極容易軸の配向性を高める。 【構成】ビスマス層状化合物となる組成比で混合された
粉末原料から形成された一次成形体を仮焼結し、それを
粉砕して形成された仮焼結粉末を用い一軸加圧して二次
成形体を形成し、それを焼結することを特徴とする。粉
砕により仮焼結で成長した板状結晶がほぐれ、二次成形
により分極容易軸が加圧方向に対して直角方向に配向す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力センサ、高周波フィ
ルタなどとして利用可能な、圧電性を有するビスマス層
状化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電性を有するセラミックスとしては、
チタン酸バリウム(BaTiO3 )、チタン酸鉛(Pb
TiO3 )、チタン酸ジルコン酸鉛固溶体(PZT)、
ビスマス層状化合物(SrBi4 Ti4 15)などが知
られている。例えばPZTは特に高い感度を有するた
め、圧電アクチュエータとして利用されている。またビ
スマス層状化合物は、感度はPZTほど高くないが強度
が大きく、キュリー温度が500〜800℃と高く広い
温度範囲で使用できるため、圧力センサとしての利用が
期待されている。
【0003】ビスマス層状化合物からなる圧力センサな
どは、酸化ビスマス(Bi2 3 )、酸化チタン(Ti
2 )、炭酸ストロンチウム(SrCO3 )などの原料
粉末を所定比率で混合して粉末原料を調製し、この粉末
原料から所定形状の成形体を形成した後焼結して焼結体
とし、それを分極処理して製造されている。ところでビ
スマス層状化合物は、高キュリー温度で高温特性に優れ
た圧電素子であるが、結晶異方性が大きいのに結晶がラ
ンダムに配向した状態で焼結されるため、圧電性の感度
が小さいという欠点がある。そこで、特開昭52−86
198号公報には、ホットプレスなどを用い、焼結時に
一方向に圧力を加えることにより、板状の結晶の結晶軸
を一方向に揃え、以て感度を向上させる製造方法が開示
されている。この製造方法によれば、ビスマス層状化合
物の板状結晶がプレス方向に直角な方向に配向した状態
で焼結され、分極容易軸がプレス方向に直角な方向に揃
うため、圧電性の感度が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記公報に開
示されたホットプレス法では、装置自体が高価であるば
かりでなく、一度にプレス処理できる焼結体が通常は1
個であり、生産性が低いため製造コストも高いものにな
っていた。本発明はこのような事情に鑑みてなされたも
のであり、上記ホットプレス法より簡単な方法で、ビス
マス層状化合物の分極容易軸の配向性を高めることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
発明のビスマス層状化合物の製造方法は、ビスマス層状
化合物となる組成比で複数の原料を混合して粉末原料と
する混合工程と、粉末原料から一次成形体を形成する一
次成形工程と、一次成形体を仮焼結して仮焼結体とする
仮焼結工程と、仮焼結体を粉砕して仮焼結粉末とする粉
砕工程と、仮焼結粉末を用い一軸加圧して二次成形体を
形成する二次成形工程と、二次成形体を焼結する本焼結
工程と、からなることを特徴とする。
【0006】また第2発明のビスマス層状化合物の製造
方法は、仮焼結粉末を作製するまでは第1発明と同様で
あるが、その後、仮焼結粉末を用いてグリーンシートを
作製し、グリーンシートを積層して積層体とする積層工
程と、積層体を焼結する本焼結工程と、を行うことを特
徴とする。混合工程及び一次成形工程は、従来の製造方
法と同様に行うことができる。またビスマス層状化合物
としては、一般式(Mx Biy )Ti4 15で表される
一般的なものを用いることができる。ここでMは1〜5
価の金属元素であり、Sr,Be,Mg,Ca,Ba,
Raなどのアルカリ土類金属、Li,Na,K,Rb,
Csなどのアルカリ金属あるいはPbなどから種々選択
できる。また、性能を損なわない範囲でMn,Ni,C
rなどの金属元素を共存させてもよい。
【0007】仮焼結工程は900〜1050℃の温度で
行うのが望ましい。この温度が900℃より低いと仮焼
結工程におけるビスマス層状化合物の生成が不十分とな
り、所望の効果を得にくい。また1050℃より高くな
ると焼結が進み過ぎて、本焼結工程時の焼結が不十分と
なり、本焼結体の強度などに不具合が生じる場合があ
る。
【0008】
【作用】ビスマス層状化合物は、その結晶構造から極め
て異方性の強い材料であり、分極容易方向が特定の方向
に限られる。また結晶の形状も板状であり、形状的にも
一方向に配向し易い。しかし通常の製造方法による成形
・焼結では、図2に示すように分極容易軸がランダムと
なってしまい、圧電特性の向上が望めない。
【0009】すなわち本発明においても、混合工程で得
られる粉末原料を成形し仮焼結することによって、ビス
マス層状化合物の板状結晶が成長する。しかしこの仮焼
結体中においては、ビスマス層状化合物の結晶軸はラン
ダムな方向となり、このままでは圧電性の感度の向上が
みられない。そこで本発明では、この仮焼結体を粉砕す
る粉砕工程を行う。これによりビスマス層状化合物の板
状結晶粒からなる仮焼結粉末が得られる。そしてこの仮
焼結粉末を一軸成形することにより、板状結晶粒の結晶
軸が加圧方向に対して直角方向に配向した成形体が得ら
れ、それを本焼結することで結晶軸の配向が揃ったビス
マス層状化合物が形成される。
【0010】また、仮焼結粉末にバインダと溶媒を加え
てスラリーとし、それを所定厚さに塗布し、乾燥してグ
リーンシートとする。このとき板状結晶粒は、結晶軸が
グリーンシートの厚さ方向に対して直角方向に配向す
る。したがって、このグリーンシートを複数枚積層して
所定厚さの積層体とし、それを本焼結することで結晶軸
の配向が揃ったビスマス層状化合物が形成される。
【0011】したがって本焼結体の分極容易軸は図3に
示すように加圧方向あるいは積層方向と直角方向に配向
し、圧電性の感度が向上する。
【0012】
〔実施例1〕
(1)混合工程 出発原料として、酸化ストロンチウム(SrCO3 ),
酸化ビスマス(Bi23 ),酸化チタン(TiO2
及び酸化マンガン(MnO)を用い、それぞれの原料粉
末を、組成比がSrBi4 Ti4 15となるように、か
つMnOをMn重量換算で0.1重量%含むように秤量
して、エタノールとともにポットミル中で48時間湿式
混合した。
【0013】混合粉末を脱エタノール乾燥し、800℃
で2時間仮焼した。この仮焼粉末を再びポットミル中で
48時間湿式混合し、脱エタノール乾燥して粉末原料と
した。 (2)一次成形工程 この粉末原料にポリビニルアルコール(PVA)を約3
重量%加えて造粒し、それを直径18mmの円柱状キャ
ビティをもつ金型中に供給して、1t/cm2の圧力で
成形した。 (3)仮焼結工程 得られた一次成形体を900℃〜1050℃で2〜10
時間加熱して仮焼結した。 (4)粉砕工程 仮焼結体をグラインダーで1〜10μmに粉砕し、仮焼
結粉末とした。 (5)二次成形工程 この仮焼結粉末に再びポリビニルアルコール(PVA)
を約3重量%加えて造粒し、それを金型中に供給して一
軸加圧しながら1辺10mmの立方体形状の二次成形体
を形成した。 (6)本焼結工程 二次成形体をZrO2 製パッド材の上に置き、それをア
ルミナ製容器内に収納しアルミナ製の蓋をして炉内に配
置し、昇降温速度200℃/h、温度保持は1100〜
1300℃で2時間大気中で加熱保持して焼結した。 (7)分極工程 得られた本焼結体1を、図1に示すように二次成形時の
加圧軸と平行な切り出し面10で厚さ1mmの板状に切
り出し、正方形形状の両表面に銀ペーストを塗布し、焼
き付けて銀電極を形成した。そして200℃に加熱され
たシリコンオイル中で、8kV/mmの電圧を10分間
印加してそれぞれ分極処理を行った。
【0014】本焼結体では分極容易軸は加圧方向と垂直
に配向しているので、この切り取られたビスマス層状化
合物では分極容易軸は厚さ方向に平行に配向しているこ
ととなる。 〔実施例2〕粉砕工程までは実施例1と同様である。 (5)積層工程 得られた仮焼結粉末にPVB(ポリビニルブチラール)
を添加し、これをエタノール中に分散させてスラリーと
した。次に、一般の積層セラミックコンデンサの製造に
用いられるキャスティング製膜装置を用い、このスラリ
ーをマイラフィルム上に100μmの厚さで塗布した。
そしてエタノールを乾燥させてグリーンシートを得た。
【0015】このグリーンシートを100枚積層して圧
着し、1辺10mmの立方体形状となるように切断し
た。 (6)本焼結工程 得られた積層体をZrO2 製パッド材の上に置き、それ
をアルミナ製容器内に収納しアルミナ製の蓋をして炉内
に配置し、昇降温速度200℃/h、温度保持は110
0〜1300℃で2時間大気中で加熱保持して焼結し
た。 (7)分極工程 得られた本焼結体1を、図1に示すように積層時の積層
方向と平行な切り出し面10で厚さ1mmの板状に切り
出し、正方形形状の両表面に銀ペーストを塗布し、焼き
付けて銀電極を形成した。そして200℃に加熱された
シリコンオイル中で、8kV/mmの電圧を10分間印
加してそれぞれ分極処理を行った。
【0016】本焼結体では分極容易軸は積層方向と垂直
に配向しているので、この切り取られたビスマス層状化
合物では分極容易軸は厚さ方向に平行に配向しているこ
ととなる。 〔比較例〕仮焼結工程、粉砕工程及び二次成形工程を行
わず、一次成形体をいきなり本焼結した。そして本焼結
体を厚さ1mmとなるまで研磨し、それについて分極工
程を行ったこと以外は実施例1と同様である。 (評価)得られたそれぞれの素子について、それぞれ圧
電性の感度を測定した。結果を表1に示す。ここで圧電
性の感度とは、図5に示すように、試料に力Fを加えた
場合に発生する電荷の量をEとしたときに、単位力当た
りの電荷(E/F,単位pC/N)をいう。
【0017】
【表1】 表1より、本発明の製造方法により得られた圧電素子
は、従来の製造方法である比較例で得られたものに比べ
て感度が約60%も向上している。これは、仮焼結体を
粉砕し、それを結晶軸が配向するように成形あるいは積
層して本焼結したことによる効果であることが明らかで
ある。
【0018】
【発明の効果】すなわち本発明の製造方法によれば、ホ
ットプレス法と同様に分極容易軸が一方向に配向したビ
スマス層状化合物を容易に製造することができる。そし
て成形工程で一軸加圧するだけでよいので、一度に多数
の成形体を処理することができ、生産性に優れているた
め、ホットプレス法に比べて生産コストを低減すること
ができる。
【0019】そして本発明により製造されたビスマス層
状化合物は、一方向に分極容易軸が配向しているので、
圧力−電荷出力のヒステリシスが小さくなり極めて優れ
た圧電特性をもつようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における本焼結体からの試験片
の切り出し位置を示す説明図である。
【図2】従来の製造方法で得られた焼結体の結晶構造の
説明図である。
【図3】本発明の製造方法で得られる本焼結体の結晶構
造の説明図である。
【図4】力と電荷出力の関係を示し、圧電性の感度の定
義を示す説明図である。
【符号の説明】
1:本焼結体 10:切り出し面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス層状化合物となる組成比で複数
    の原料を混合して粉末原料とする混合工程と、 該粉末原料から一次成形体を形成する一次成形工程と、 該一次成形体を仮焼結して仮焼結体とする仮焼結工程
    と、 該仮焼結体を粉砕して仮焼結粉末とする粉砕工程と、 該仮焼結粉末を用い一軸加圧して二次成形体を形成する
    二次成形工程と、 該二次成形体を焼結する本焼結工程と、からなることを
    特徴とするビスマス層状化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 ビスマス層状化合物となる組成比で複数
    の原料を混合して粉末原料とする混合工程と、 該粉末原料から一次成形体を形成する一次成形工程と、 該一次成形体を仮焼結して仮焼結体とする焼結工程と、 該仮焼結体を粉砕して仮焼結粉末とする粉砕工程と、 該仮焼結粉末を用いてグリーンシートを作製し、該グリ
    ーンシートを積層して積層体とする積層工程と、 該積層体を焼結する本焼結工程と、からなることを特徴
    とするビスマス層状化合物の製造方法。
JP4259954A 1992-09-29 1992-09-29 ビスマス層状化合物の製造方法 Pending JPH06116024A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4259954A JPH06116024A (ja) 1992-09-29 1992-09-29 ビスマス層状化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4259954A JPH06116024A (ja) 1992-09-29 1992-09-29 ビスマス層状化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06116024A true JPH06116024A (ja) 1994-04-26

Family

ID=17341230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4259954A Pending JPH06116024A (ja) 1992-09-29 1992-09-29 ビスマス層状化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06116024A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160333A (ja) * 1997-08-21 1999-03-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックス
KR100394348B1 (ko) * 1999-08-16 2003-08-09 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 압전 세라믹 제조 방법
JP2006083016A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Science Univ Of Tokyo 強誘電体材料の製造方法(放電プラズマ焼結による一軸配向性強誘電体セラミックスの合成)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160333A (ja) * 1997-08-21 1999-03-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 圧電セラミックス
KR100394348B1 (ko) * 1999-08-16 2003-08-09 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 압전 세라믹 제조 방법
JP2006083016A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Science Univ Of Tokyo 強誘電体材料の製造方法(放電プラズマ焼結による一軸配向性強誘電体セラミックスの合成)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5979992B2 (ja) 圧電材料
JP2001261435A (ja) 圧電セラミックス及びその製造方法
JP2518703B2 (ja) 積層型複合圧電体およびその製造方法
JP2001019542A (ja) 圧電セラミックスおよびこれを用いた圧電デバイス
JP2003026473A (ja) セラミックの製造方法
CN104844202B (zh) 一种锰锑酸铅掺杂的铌镍‑锆钛酸铅压电陶瓷
JP2002308672A (ja) 圧電セラミックの製造方法、圧電セラミック、および圧電セラミック素子
JPH08259323A (ja) 複合置換ランタン−鉛−ジルコニウム−チタンペロブスカイト、セラミック組成物およびアクチュエーター
JP3650872B2 (ja) 結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型化合物及びその製造方法
JP3080277B2 (ja) ビスマス層状化合物の製造方法
JPH06116024A (ja) ビスマス層状化合物の製造方法
JP3974952B2 (ja) 圧電体の製造方法
JPH11217262A (ja) 圧電磁器組成物
JP3020493B1 (ja) 圧電セラミックス
JP2006265055A (ja) 圧電セラミックスの製造方法
JP2000313662A (ja) 磁器組成物
JP2002348173A (ja) 圧電セラミック材料とその製造方法
JP3061224B2 (ja) ビスマス層状化合物の分極方法
JPH0782022A (ja) 配向性磁器およびその製造方法
JP2001048641A (ja) 圧電磁器組成物
JP3075448B2 (ja) ビスマス層状化合物−圧電高分子複合体の製造方法
JPH06107448A (ja) ビスマス層状化合物の製造方法
KR102628407B1 (ko) 배향 무연 압전 세라믹 조성물 및 이의 제조방법
JP3075447B2 (ja) ビスマス層状化合物−圧電高分子複合体
JP3117247B2 (ja) 圧電磁器の製造方法