JP2518703B2 - 積層型複合圧電体およびその製造方法 - Google Patents

積層型複合圧電体およびその製造方法

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JP2518703B2 JP28662489A JP28662489A JP2518703B2 JP 2518703 B2 JP2518703 B2 JP 2518703B2 JP 28662489 A JP28662489 A JP 28662489A JP 28662489 A JP28662489 A JP 28662489A JP 2518703 B2 JP2518703 B2 JP 2518703B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は積層型複合圧電体に係わり、詳しくは圧電特
性の温度依存性が低いことが要求される用途全般、特に
共振フィルター、電波フィルター等の電子回路素子とし
て用いて好適な積層型複合圧電体に関する。
〔従来の技術〕
近時、電気的エネルギー(電界)と機械的エネルギー
(歪み)との相互変換を可能にする圧電材料は、強誘電
体としてコンデンサー等に利用されている他、超音波洗
浄器、音叉フィルター、超音波発振子、圧電結合子、セ
ラミックスフィルター等の圧電振動子、圧電着火素子、
圧電トランス用素子、遅延素子などとしても賞用されて
おり、有用な機能材料の一種といえる。
この圧電材料は、形態面から、単結晶、薄膜およびセ
ラミックスの三種類に分類される。
このうち、圧電セラミックスとして最も多用されてい
るものが、強誘電体であるジルコン酸鉛(PbZrO3)と反
強誘電体であるチタン酸鉛(PbTiO3)との二成分系固溶
体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO3−PbTiO3、以
下、「PZT」と略記する)系圧電セラミックスである。
而して、PZT系圧電セラミックスの場合、ジルコニウ
ムとチタニウムとのモル比(以下、「Z/T」と記す)が5
3/47のときに、菱面体晶から正方晶へのモルフォトロピ
ックな相転移が起こり、この相転移境界(Morphotropic
Phase Boundary)付近で圧電定数および電気機械結合
係数が顕著に大きくなることが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、相転移境界近傍の組成のPZT系圧電セ
ラミックスは、圧電特性の温度依存性が高い。
第7図は、縦軸に周波数定数Np(単位:Hz・m)を、
また横軸に温度(単位:℃)をとった直交座標軸に、周
波数定数Npの温度特性を示したグラフであり、同グラフ
中の括弧内の数字は一定温度領域における周波数定数Np
の温度係数(TCNp)を示す。ここに、本明細書において
温度係数とは、格別の断りが無い場合、20〜100℃にお
ける周波数定数Npの最大値NpMaxと最小値NpMinとの差Np
Max−NpMinをその間の温度差ΔTで除し、それをさらに
温度30℃における周波数定数Np30で除し値(単位ppm)
をいうものとする。
ただし、PZT53については下に凸のカーブであるた
め、Np20およびNp70で除し、マイナス方向とプラス方向
の温度係数を併記した。
なお、温度範囲を100℃以下の範囲に特定して示した
のは、該温度範囲がPZT系圧電セラミックスの一般的実
用温度領域と考えられるからである。
図中、52、53、54、55は、試験に供した単一組成のPZ
T系圧電セラミックスを表し、各数字は該セラミックス
を表す一般式PbZrXTi1-XO3中のを100倍した数値に相
当し、例えば100X=53はPbZr0.53Ti0.47O3のPZT系圧電
セラミックスを表す(以下、「PZT53」と略記する)。
同図のグラフ中の括弧内に示すように、従来の単一組
成のPZT系圧電セラミックスは、その温度係数が3桁ppm
のオーダーになっている(PZT55:−160×10-6、PZT54:
−440×10-6、PZT53:−345×10-6、+348×10-6、PZT5
2:−460×10-6)。
圧電特性が温度に大きく依存するこのような圧電セラ
ミックスは、共振フィルター、電波フィルター等の電子
回路素子等の用途に用いるには通常適さない。
そこで、鋭意検討した結果、本発明者等は、固溶化し
ない温度で焼結し得て、且つ、少なくとも一種は温度係
数の符号の異なる二種以上の組成の圧電セラミックスを
積層し、前記固溶化しない程度の比較的低温で焼結して
層間で相互拡散が殆ど生じないようにすれば、温度依存
性の低い圧電セラミックスが、あえて第三成分を導入す
る必要なく容易に得られることを見出した。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであって、
その目的とするところは、温度依存性の低い積層型複合
圧電体およびその製造方法を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための請求項1記載の発明に係る
積層型複合圧電体は、各層が各層間で相互拡散を全くま
たは殆ど生ぜしめることなく焼結し得る低温焼結性のPZ
T系圧電セラミックスのグリーンシートで形成され、且
つ、少なくとも一層はその周波数定数の温度係数の正負
が他の層の温度係数の正負と異なるPZT系圧電セラミッ
クスのグリーンシートで形成された積層圧着体が、前記
各層間での相互拡散が全くまたは殆ど生じない温度で焼
結されて、いずれの層またはいずれかの層の周波数定数
の温度係数の絶対値よりも周波数定数の温度係数の絶対
値が小さくなるように構成してあることを骨子とし、 請求項4記載の発明に係る積層型複合圧電体の製造方
法は、少なくとも一種はその周波数定数の温度係数の正
負が他のものと異なり、且つ、各々を相互拡散が全くま
たは殆ど生じることのない温度で焼結し得る複数種のPZ
T系圧電セラミックスのグリーンシートを、積層圧着
し、次いでこの積層圧着体を前記相互拡散が全くまたは
殆ど生じない温度で焼結することにより、いずれの層ま
たはいずれかの層の周波数定数の温度係数の絶対値より
も周波数定数の温度係数の絶対値が小さい圧電体を得る
ことを骨子とする。
本発明に係る積層型複合圧電体において、積層圧着体
の少なくとも一層はその周波数定数の温度係数の正負が
他の層の該温度係数の正負と異なるように適宜構成され
ねばならない。これは、本発明が温度依存性の低い圧電
特性を示す圧電体を得ることを目的とするからである。
なお、ここで、温度係数の正負とは、実用領域とされる
温度範囲において周波数定数の温度係数が正または負の
ものを意味する。
また、積層圧着体の各層は低温焼結性のPZT系圧電セ
ラミックスのグリーンシートにて形成されねばならな
い。高温焼結性のものを用いたのでは、温度依存性の低
い圧電体を得ることができなくなる。積層体の焼結時に
層間でイオンの相互拡散が起きてしまうからである。
上記PZT系圧電セラミックスのグリーンシートの製造
においては、微細かつ低温焼結性に優れたPZT粉末を用
いる必要がある。かかる低温焼結性に優れたPZT粉末と
しては、本出願人が先に出願したところの、粒径0.3μ
m以下の一般式ZrXTi1-XO2で表される結晶質のチタン酸
ジルコニウムと酸化鉛とを800℃以下で熱処理し、さら
に粉砕して得た粒径0.5μm以下のチタン酸ジルコン酸
鉛が例示される(特願平1−64695号)。
その他、アルコキシド法(ゾル−ゲル法)、部分シュ
ウ酸法、水熱法、微細原料粉末の仮焼法等により得た微
細なPZT粉末を用いることもできる。
上記PZT系圧電セラミックスのいずれかの焼結温度が
高い場合は、積層体を高い温度で焼結せざるを得なくな
り、その結果、層間で相互拡散が起こる。
本発明において、積層圧着体の各層を低温焼結性のPZ
T系圧電セラミックス粉末のグリーンシートで形成する
とともに、層間で相互拡散が起きない温度で該積層圧着
体を焼結するようにした理由がここにある。
以下、本発明に係る積層型複合圧電セラミックスの製
造方法を、テープキャスティング法を一例として、第1
図に示すその製造フローシートに沿って説明する。
先ず、各層が所望の組成となるように各出発原料を秤
量し、これをアセトンとともに、ジルコニアボールの入
ったボールミルにて10時間程度湿式混合した後、700℃
前後の温度で1時間程度仮焼する。
次いで、得られたPZT仮焼粉末を再びボールミルおよ
び遊星ミルを用いて粒径1μm以下の大きさに微粉砕
し、これに溶剤およびバインダを適量添加して充分に撹
拌混合した後、減圧下で脱泡してスラリーを得る。
このようにして得られたスラリーを、ドクターブレー
ドを用いてテープキャスティング法により、厚さ100μ
m程度の圧電セラミックス粉末のグリーンシートに成形
する。
上記と同様の操作により、複合化を目的とする組成に
応じて、温度係数の符号および絶対値が異なるものを複
数種類、各適宜の枚数作製する。
最後に、上記温度係数の符号か異なる複数種のPZT系
圧電セラミックスのグリーンシートを、目的に応じた温
度係数を有する積層型複合圧電体を得ることができるよ
うに、各適宜の枚数選んで積層し、温度80℃程度、印加
圧力300kg/cm2程度の条件で熱圧着した後、800〜1150℃
程度、好ましくは1100℃を越えない温度で2時間程度焼
結(本焼)する。
なお、圧電セラミックスの焼結温度は通常1200℃以上
とされているが(岡崎清著、「セラミックス誘電体工
学」、347頁、学献社出版、1983年)、そのような高い
温度では層間の均一化を防止することはできない。
例えば、市販の酸化チタン(境化学工業社製、商品コ
ード「A−110」)2モルと市販の酸化鉛(大日本塗料
社製、特号L)2モルとをボールミルにて充分混合し、
1000℃で仮焼した後、成形して得た複数組成のグリーン
シートを、前記同様積層して得た積層圧着体の場合、そ
の焼結温度は1200℃以上になるため、完全固溶体になっ
てしまい、単に温度係数のピークが積層した各グリーン
シートの中間に位置する特性のものしか得られず、本発
明に係る積層型複合圧電体の如く、フラットなNp温度特
性を有するものは得られない。
以上のようにして、本発明に係る積層型複合圧電体は
作製されるが、作製するにあたり特に留意すべき点は、
焼結時に、異種組成の層間で成分の拡散が生じ、組成の
均一化が生じる(すなわち、層間で固溶化が起こる)の
を防止するため、異種組成の層間で固溶化が殆ど起こら
ずしかも各層が充分緻密化する温度で焼結する必要があ
ることである。層愛度で固溶化が起きてしまうと、目的
とする温度領域(通常、0〜100℃)において温度依存
性の低い圧電セラミックスを得ることができないからで
ある。
本発明において、積層する圧電セラミックスの組成を
つぶさに選択し、各組成の層厚を適宜選択するようにす
れば、積層型複合圧電体の全体の厚みを変えることな
く、さらに、温度依存性の低い圧電体を得ることができ
る。
なお、本発明に係る積層型複合圧電体の製造において
は、その圧電体特性等を改良すべく、稀土類元素、Cr、
Mn、Fe、Nb等の酸化物、Ba(Mg1/3Nb2/3)O3、チタン酸
バリウム等のペロブスカイト、さらにはPb(Mg1/3N
b2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Co1/3Nb2/3)O3
Pb(Fe1/2Nb1/2)O3等のリラクサーなどをPZT粉末に適
量添加してもよい。
また、本発明においては、焼結時に歪みおよび層間の
拡散が生じない積層圧着体であれば、各組成の積層順序
などは特に限定されない。
最後に、本発明は、いずれの層の周波数定数の温度計
数の絶対値よりも周波数定数の温度係数の絶対値が小さ
い積層型複合圧電体およびその製造方法のみを企図する
ものではなく、いずれかの層の周波数定数の温度係数の
絶対値よりも周波数定数の温度係数の絶対値が小さい積
層型複合圧電体およびその製造方法をも包含するもので
あることを述べておく。
すなわち、例えば温度係数+100の組成のものと温度
係数−10の組成のものとが各適宜の枚数積層されてなる
温度係数+20の積層型複合圧電体およびその製造方法も
本発明の範囲に含まれる。
コストの低廉化を図る等の目的のために、かかる複合
化も重要な有用性を有する場合があるのである。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、
その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能な
ものである。
A.圧電体セラミックスのグリーンシートの作製 湿式合成法で作製された平均粒径0.1μmのチタン酸
ジルコニウム(ZrXTi1-X)O2粉末と酸化鉛粉末(PbO)
との等モル量を出発原料とし、さらにテープキャスティ
ング法を用いて各組成の圧電体セラミックスのグリーン
シートを作製した。
(製造例1) Pb(Zr0.52Ti0.48)O3のグリーンシートを作製した。
すなわち、先ず、上記組成となるように出発原料を秤
量し、これをアセトンとともに、ジルコニアボールの入
ったボールミルにて10時間湿式混合した後、700℃の温
度で1時間仮焼した。
次いで、得られたPZTの仮焼粉末を再びボール、遊星
ミル等を用いて平均粒径0.2μmの大きさに微粉砕し、
本粉末100gに対して溶剤を30gおよびバインダを7g添加
してボールミル中で充分に混合した後、減圧下で脱泡し
てスラリーを得た。なお、本例で用いた溶剤およびバイ
ンダの各組成を下記に示す。なお、部は重量部を示す。
<溶剤> ブタノール 100部 トルエン 100部 メチルセロソルブ 100部 メチルエチルケトン 100部 シロキサン 100部 ジオクチルフタレート 50部 ガファックRE−610 5部 <バインダ> ポリビニルブチラール (電気化学工業社製、商品コード 「デンカ4000−1」 20部 前記溶剤 80部 このようにして得られたスラリーを、ドクターブレー
ドを用いてテープキャスティング法により成形した後、
一昼夜自然乾燥して、厚さ約100μmの圧電セラミック
スのグリーンシートを作製した。
(製造例2) Pb(Zr0.53Ti0.47)O3のグリーンシートを作製した。
すなわち、上記組成となるように、(Zr0.53Ti0.47
O2粉末と酸化鉛粉末(PbO)との等モル量を出発原料と
して用いたこと以外は、製造例1と同様にして厚さ約10
0μmの圧電セラミックスのグリーンシートを作製し
た。
(製造例3) Pb(Zr0.54Ti0.46)O3のグリーンシートを作製した。
すなわち、上記組成となるように(Zr0.54Ti0.46)O2
粉末と酸化鉛粉末(PbO)との等モル量を出発原料とし
て用いたこと以外は、製造例1と同様にして厚さ約100
μmの圧電セラミックスのグリーンシートを作製した。
(製造例4) Pb(Zr0.55Ti0.45)O3のグリーンシートを作製した。
すなわち、上記組成となるように、(Zr0.54Ti0.46
O2粉末と酸化鉛粉末(PbO)との等モル料を出発原料と
して用いたこと以外は、製造例1と同様にして厚さ約10
0μmの圧電セラミックスのグリーンシートを作製し
た。
B.積層型複合圧電体の作製 (実施例1) 製造例1で得たPb(Zr0.52Ti0.48)O3のグリーンシー
トと製造例3で得たPb(Zr0.54Ti0.46)O3のグリーンシ
ートとを積層枚数比1:1で、第2図にその断面を示すよ
うに積層し、この積層体をパンチ・アンド・ラミネータ
ーを用いて温度80℃、印加圧力300kg/cm2の条件で熱圧
着した後、1000℃の温度で2時間本焼(焼結)して、本
発明に係る積層型複合圧電体試料PZT52−54(1:1)を作
製した。
(実施例2) 製造例1で得たPb(Zr0.52Ti0.48)O3のグリーンシー
トと製造例4で得たPb(Zr0.55Ti0.45)O3のグリーンシ
ートとを積層枚数比1:2で、第3図にその断面を示すよ
うに積層したこと以外は、実施例1と同様にして、本発
明に係る積層型複合圧電体試料PZT−52−55(1:2)を作
製した。
(実施例3) 製造例1で得たPb(Zr0.52Ti0.48)O3のグリーンシー
トと製造例4で得たPb(Zr0.55Ti0.45)O3のグリーンシ
ートとを積層枚数比1:3で、第4図にその断面を示すよ
うに積層したこと以外は、実施例1と同様にして、本発
明に係る積層複合圧電体試料PZT52−55(1:3)を作製し
た。
(実施例4) 製造例1で得たPb(Zr0.52Ti0.48)O3のグリーンシー
トと製造例4で得たPb(Zr0.55Ti0.45)O3のグリーンシ
ートとを積層枚数比1:4で、第5図にその断面を示すよ
うに積層したこと以外は、実施例1と同様にして、本発
明に係る積層型複合圧電体試料PZT52−55(1:4)を作製
した。
C.圧電温度特性の測定 実施例1〜4で作製した各試料の両最外層に銀をスパ
ッタして電極を形成した試料について、LFインピーダン
ス・アナライザ(ヒューレットパッカー社製、型式「HP
4192A」)を用いて、圧電性の代表的指標である周波数
定数Npの温度特性を共振−反共振法により測定した。
第6図は、測定された各試料の周波数定数Npの温度特
性を、縦軸にNpを、また横軸に温度(℃)をとって示し
たグラフである。
なお、本明細書の〔従来の技術〕のところで第7図と
して示した単一組成のものの圧電温度特性曲線を比較の
ために併記した。
また、第6図および第7図をもとに算出した30℃にお
ける各試料の温度係数を次の表に示す。
第6図および表より、実施例1〜4で得た本発明に係
る積層型複合体電体はいずれも、実用温度領域における
温度係数が二桁ppmと小さく、極めて温度依存性の低い
圧電セラミックスであるのに対して、従来の単一組成の
圧電体は温度係数が三桁ppmと極めて大きく、温度依存
性の高い圧電セラミックスであることが分かる。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明したように、本発明に係る積層型複
合圧電体は、圧電性の温度依存性が低いため、かかる特
性が要求される用途全般、特に共振フィルター、電波フ
ィルター等の電子回路素子などに用いて好適である等、
本発明は優れた特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はテープキャスティング法の製造フローシート、
第2図〜第5図は実施例で作製した積層型複合圧電体の
模式的断面図、第6図は実施例で作製した各種積層型複
合圧電体の圧電温度特性を示すグラフ、第7図は単一組
成の圧電体の圧電温度特性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹中 正 千葉県柏市西町5―9

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各層が各層間で相互拡散を全くまたは殆ど
    生ぜしめることなく焼結し得る低温焼結性のPZT系圧電
    セラミックスのグリーンシートで形成され、且つ、少な
    くとも一層はその周波数定数の温度係数の正負が他の層
    の温度係数の正負と異なるPZT系圧電セラミックスのグ
    リーンシートで形成された積層圧着体が、前記各層間で
    の相互拡散が全くまたは殆ど生じない温度で焼結され
    て、いずれの層またはいずれかの層の周波数定数の温度
    係数の絶対値よりも周波数定数の温度係数の絶対値が小
    さくなるように構成してあることを特徴とする積層型複
    合圧電体。
  2. 【請求項2】前記PZT系圧電セラミックスのグリーンシ
    ートは、粒径0.3μm以下の一般式ZrXTi1-XO2で表され
    る結晶質のチタン酸ジルコニウムと酸化鉛との等モル量
    を800℃以下で熱処理し、さらにこれを粉砕して得た粒
    径0.5μm以下のチタン酸ジルコン酸鉛を成形して得た
    ものである請求項1記載の積層型複合圧電体。
  3. 【請求項3】前記積層圧着体が1100℃を越えない温度で
    焼結されてなる請求項1または2記載の積層型複合圧電
    体。
  4. 【請求項4】少なくとも一種はその周波数定数の温度係
    数の正負が他のものと異なり、且つ、各々を相互拡散が
    全くまたは殆ど生じることのない温度で焼結し得る複数
    種のPZT系圧電セラミックスのグリーンシートを、積層
    圧着し、次いでこの積層圧着体を前記相互拡散が全くま
    たは殆ど生じない温度で焼結することにより、いずれの
    層またはいずれかの層の周波数定数の温度係数の絶対値
    よりも周波数定数の温度係数の絶対値が小さい圧電体を
    得ることを特徴とする積層型複合圧電体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記PZT系圧電セラミックスのグリーンシ
    ートは、粒径0.3μm以下の一般式ZrXTi1-XO2で表され
    る結晶質のチタン酸ジルコニウムと酸化鉛との等モル量
    を800℃以下で熱処理し、さらにこれを粉砕して得た粒
    径0.5μm以下のチタン酸ジルコン酸鉛を成形して得た
    ものである請求項4記載の積層型複合圧電体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記積層圧着体を1100℃を越えない温度で
    焼結する請求項4または5記載の積層型複合圧電体の製
    造方法。
JP28662489A 1989-11-02 1989-11-02 積層型複合圧電体およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2518703B2 (ja)

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