JP7439415B2 - 圧電性基板、圧電性基板の製造方法、及び複合基板 - Google Patents

圧電性基板、圧電性基板の製造方法、及び複合基板 Download PDF

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Description

本発明は、圧電性基板、圧電性基板の製造方法、及び複合基板に関する。
近年、ニオブ酸リチウム単結晶から得られるニオブ酸リチウム単結晶基板や、タンタル酸リチウム単結晶から得られるタンタル酸リチウム単結晶基板は、主に移動体通信機器に用いられる電気信号ノイズ除去用の表面弾性波素子(SAWフィルター)用材料として用いられている。
上記SAWフィルターは、圧電性基板上に、アルミニウム、銅及びその合金等の金属薄膜で櫛形電極を形成した構造となっており、この櫛形電極がデバイスの特性を左右する重要な役割を担っている。また、上記櫛形電極は、スパッタ法等により圧電性基板上に金属薄膜を成膜した後、櫛形パターンを残してフォトリソグラフ技術により不要な部分をエッチング除去することにより形成される。この櫛形電極の間隔は数ミクロンレベルであり、温度が変化すると圧電性基板、さらには櫛形電極の間隔が変化して、その結果、周波数通過領域が移動してしまうという問題がある。そこで、特許文献1には、圧電性基板より熱膨張係数の小さいシリコン、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを圧電性基板に貼り合わせる(接合する)ことにより周波数通過領域の移動を低減する内容が記載されている。
圧電性基板と支持基板とを貼り合わせた複合基板の比較的簡便な製造方法として、有機系の接着剤を用いて接合する方法が検討されている。例えば、特許文献2では、支持基板上にエポキシ系接着剤をスピンコートで塗布し、圧電性基板と支持基板とを貼り合わせて180℃で加熱硬化することにより、有機接着層の厚さを0.1μmから1.0μmと薄くかつ均一となるようにして温度特性に優れた複合基板が得られることについて記載されている。
しかし、特許文献2に記載されたように、有機系の接着剤を用いて圧電性基板と支持基板とを貼り合わせる場合、接着時において有機接着層内に気泡が発生し易い。そこで、特許文献3では、有機接着層中の気泡の発生を抑えることができ、薄く均一な有機接着層を形成する方法として、圧電性基板及び支持基板の少なくとも一方の貼り付け面における算術平均粗さ(Ra)を0.01μm以上1.0μm以下にすることが記載されている。
特開2006-319679号公報 特開2010-153961号公報 特開2017-079439号公報
しかしながら、特許文献3に記載された方法では、圧電性基板の少なくとも一方の面を研削して所望の算術平均粗さ(Ra)に制御する必要があり、圧電性基板の加工コストが高くなり、ひいては表面弾性波デバイスの製造コストが上昇してしまう。
本発明は、複合基板の製造に用いられる圧電性基板の加工コストを比較的安価にするとともに、圧電性基板と支持基板とを貼り合わせるときの有機接着層内の気泡の発生を抑制することが可能な圧電性基板、圧電性基板の製造方法、及び複合基板を提供することを目的とする。
本発明に係る態様では、有機接着層を介して支持基板に貼り合わされる圧電性基板であって、有機接着層に接触する面は平面研削面であり、平面研削面と反対側の面は、ワイヤーソーによる切断面であり、平面研削面は、凸状の5μmから15μmの反りを有する、圧電性基板が提供される。
また、上記態様において、平面研削面の算術平均粗さ(Ra)は、40nmから90nmであり、切断面の算術平均粗さ(Ra)は、200nmから500nmであってもよい。
本発明に係る他の態様では、育成された圧電性の単結晶から圧電性基板を製造する方法であって、単結晶をワイヤーソーで切断して圧電性基板を得る切断工程と、圧電性基板の一方の面を固定具に固定して他方の面を平面研削する平面研削工程と、圧電性基板の内部歪を除去するエッチング工程と、を含み、エッチング工程では、他方の面が凸状に反るエッチング時間に設定する、圧電性基板の製造方法が提供される。
また、上記態様において、平面研削工程は、圧電性基板の一方の面と前記固定具との間に所定の樹脂を介在させて、圧電性基板を変形させずに固定具に固定することを含んでもよい。また、上記態様において、エッチング工程は、切断工程の後であって平面研削工程の前と、平面研削工程の後とにおいて行ってもよい。
本発明に係る他の態様では、上記態様における圧電性基板と、支持基板とが有機接着層を介して貼り合わされた、複合基板が提供される。
上記態様によれば、圧電性基板において有機接着層に接触する面(貼り付け面)を平面研削面とするので、この圧電性基板と支持基板との貼り合わせ時に発生する気泡の原因となる貼り付け面の段差、いわゆるソーマーク(ワイヤーソーによる単結晶切断時に発生する起伏、段差、凹凸等の切断痕)が除去されている。さらに、平面研削面が凸状の所定の反りを有するので、圧電性基板と支持基板との貼り合わせ時に有機接着層内における気泡の発生を抑制できる。また、単結晶切断後の加工は貼り付け面の平面研削のみのため、圧電性基板の加工コストを比較的安価にすることができ、ひいては表面弾性波デバイス等の製造コストを低減できる。
実施形態に係る圧電性基板及び複合基板の一例を示す断面図であり、(A)は圧電性基板と支持基板との貼り合わせ前の状態を示し、(B)は圧電性基板に形成された有機接着層と支持基板との接触時を示し、(C)は圧電性基板と支持基板とを貼り合わせて複合基板とした状態を示している。 実施形態に係る圧電性基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。 ワイヤーソー装置の一例を示す斜視図である。 (A)はワイヤーソーで切断された圧電性基板の切断面の一例を示す平面図であり、(B)は(A)のA-A線に沿った断面図である。 平面研削装置の一例を示す斜視図である。 圧電性基板を研削している状態を示す断面図である。 平面研削後の圧電性基板の一例を示す断面図である。 (A)は平面研削後の圧電性基板をエッチング工程により処理している状態を示す図であり、(B)はエッチング工程後の圧電性基板の一例を示す断面図である。 実施形態に係る圧電性基板の製造方法の他の例を示すフローチャートである。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品等と大きさ、形状等が異なっている場合がある。
[第1実施形態]
実施形態に係る圧電性基板1について説明する。図1は、実施形態に係る圧電性基板1及び複合基板Xの一例を示す断面図であり、(A)は圧電性基板1と支持基板2との貼り合わせ前の状態を示し、(B)は圧電性基板1に形成された有機接着層3と支持基板2との接触時を示し、(C)は圧電性基板1と支持基板2とを貼り合わせて複合基板Xとした状態を示している。図1(A)に示すように、圧電性基板1は、有機接着層3を介して支持基板2に貼り合わされる。圧電性基板1において、有機接着層3に接触する面は、平面研削面1aである。また、圧電性基板1において、平面研削面1aと反対側の面は、後述するワイヤーソーによる切断面1bである。平面研削面1aは、凸状の所定の反りを有している。
本実施形態における凸状の反りは、平面視において平面研削面1aの中央部分を頂部とする凸状である。すなわち、平面研削面1aは、曲面形状又は球面形状となっている。また、図1(A)に示すように、平面研削面1aは、断面を見ると円弧状となっている。ただし、凸状の所定の反りは図示の形態に限定されない。例えば、平面視において平面研削面1aの中央部分以外を頂部とする凸状であってもよい。また、平面研削面1aは、断面において円弧状以外の曲線であってもよいし、一部に直線部分が含まれてもよい。
平面研削面1aにおける所定の反りは、平面研削面1aの頂部と縁部との厚さ方向の距離である反り量として示される。以下、この「反り量」を用いて説明する。本実施形態において、平面研削面1aにおける反り量は、例えば5μmから20μmである。反り量が5μmより小さいと、支持基板2と貼り合わせた際に有機接着層3内に多くの気泡が生じた状態となる。また、反り量が20μmより大きいと、圧電性基板1に残留応力が残り、後工程での加工中に圧電性基板1に割れ等の不具合が発生しやすくなる。また、反り量は、5μmから15μmの範囲であることが好ましい。この範囲とすることで、支持基板2と貼り合わせた際の有機接着層3内の気泡の発生を抑制しつつ、支持基板2に対して適切に貼り合わせることができる。
また、圧電性基板1は、平面研削面1aと切断面1bとで算術平均粗さ(Ra)が異なる。平面研削面1aの算術平均粗さ(Ra)は、切断面1bの算術平均粗さ(Ra)より小さい。切断面1bの算術平均粗さ(Ra)は、例えば200nmから500nmである。平面研削面1aの算術平均粗さ(Ra)は、40nmから90nmである。この数値範囲とすることにより、支持基板2と貼り合わせた際に有機接着層3内に発生する気泡を抑制して、圧電性基板1と支持基板2との貼り合わせを強固にすることができる。また、平面研削面1aの算術平均粗さ(Ra)は、70nmから90nmであることが好ましい。この数値範囲にすることで、圧電性基板1と支持基板2との貼り合わせをより強固にすることができる。
図1(B)に示すように、平面研削面1aの凸状の反りは、支持基板2と貼り合わせた際に、まず平面研削面1a(有機接着層3)の中央部分が支持基板2に接触する。さらに、図中の白抜き矢印で示すように、圧電性基板1を支持基板2に押し付けることで、平面研削面1a(有機接着層3)の中央部分から順次外側に向けて支持基板2に接触することになる。この過程で有機接着層3に発生した気泡bは、中央部分から順次外側に向けて押し出されることになる。
その結果、図1(C)に示すように、圧電性基板1と支持基板2とが有機接着層3を介して貼り合わされた複合基板Xが製造される。この複合基板Xでは、有機接着層3内に発生した気泡bの大部分が複合基板Xの外側へ押し出されている。従って、気泡bの大部分が残存しないことから均一な有機接着層3が形成され、有機接着層3を介して圧電性基板1と支持基板2とが強固に接着された複合基板Xを得ることができる。
次に、上述した圧電性基板1、支持基板2、及び有機接着層3に使用される有機系の接着剤の材質等について説明する。圧電性基板1としては表面弾性波を伝搬可能な基板が挙げられる。この圧電性基板1の材質としては、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸リチウム-タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム、ランガサイト、水晶などが挙げられる。特に、SAWフィルターを製造する用途では、タンタル酸リチウム単結晶基板又はニオブ酸リチウム単結晶基板を好適に使用することができる。圧電性基板1は、上記材質の基板であれば特に限定するものではない。この圧電性基板1の大きさは、例えば直径が150mm以上200mm以下、厚さが200μm以上500μm以下の基板が好適に用いられる。
支持基板2の材質としては、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、アルミナ、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、水晶など、圧電性基板1よりも熱膨張係数が小さい材料が挙げられる。なお、支持基板2の材質は、コスト、品質の安定性の面からシリコン、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスが好ましく用いられる。支持基板2は、上記材質の基板であれば特に限定するものではない。この支持基板2の大きさは、例えば直径が150mm以上200mm以下、厚さが200μm以上500μm以下の基板を好適に用いられる。
有機接着層3を形成する有機系の接着剤としては、圧電性基板1と支持基板2との接着可能であれば特に限定するものではなく、任意の有機系の接着剤が用いられる。また、有機系の接着剤としては、圧電性基板1と支持基板2との接着性に優れるエポキシ樹脂系接着剤が好ましい。また、エポキシ樹脂系接着剤としては、常温で接着可能な常温硬化型、2液混合型などが用いられてもよい。
本実施形態の圧電性基板1は、上記したように、支持基板2と貼り合わせる面(有機接着層3と接触する面)が平面研削面1aであり、平面研削面1aと反対側の面がワイヤーソーによる切断面1bである。一般的な圧電性基板は、育成された圧電性の単結晶をワイヤーソーで切断し、ラッピング装置等で両面を研磨し、その後、一方の面をポリッシュ加工により鏡面研磨して作製される。また、この間、基板割れを防止するためベベル加工、エッジポリッシュ加工等を行う場合もある。例えば、上記した特許文献3に記載の圧電性基板では、少なくとも一方の面を所定の粗さに整える必要があり、加工コストを増加させてしまう。
また、例えば上記した特許文献2に記載の複合基板においては、圧電性基板を支持基板に接着層を介して貼り合わせた後、さらに研削・研磨加工され、所定の厚さ、所定の表面に整える複合基板としている。最終的な複合基板における圧電性基板の厚さは、支持基板の厚さの1/3以下、好ましくは1/10以下の厚さとしている。この特許文献2のような複合基板に用いる圧電性基板は、貼り合わせ前に所定の厚みに表面を整える必要がなく、例えば、圧電性基板の加工コストを低くして、切断後の圧電性基板を直接、支持基板と貼り合わせて複合基板とすることもできる。ただし、圧電性基板の貼り付け面の凹凸、いわゆるソーマーク部分で気泡の発生を抑えることができず、SAWデバイス等を作製するときの熱処理プロセスで気泡の破裂が起こり、デバイスの歩留まり低下を引き起こすとともに、パーティクルの発生による製造プロセス中の汚染源になるという不都合が生じる。なお、ソーマークについては後述するが、単結晶切断時のワイヤーソーのブレに起因し、圧電性基板の両面において相反する方向に略同一の大きさで発生する。ソーマークの深さ又は高さは0.1μmから10μmになることがある。
本実施形態では、上記したように、圧電性基板1の両面のうち支持基板2と貼り合わせる面(有機接着層3と接触する面)が平面研削面1aであり、平面研削面1aと反対側の面がワイヤーソーによる切断面1bとしている。すなわち、本実施形態は、圧電性基板1の両面に対してラッピング装置等による研磨を省略して低コストを実現し、支持基板2と貼り合わせる面を、ソーマークを除去した平面研削面1aとして、支持基板2と貼り合わせた際の気泡bの発生を抑制している。
<圧電性基板の製造方法>
図2は、実施形態に係る圧電性基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。図2示すように、実施形態に係る圧電性基板の製造方法は、切断工程S1と、平面研削工程S2と、エッチング工程S3と、検査工程S4とを含む。なお、切断工程S1に先立って、単結晶のインゴット(以下、「単結晶」という)が作製される。例えば、上述した、原料であるタンタル酸リチウムの単結晶を育成し、育成された単結晶の形状を整えるため面出、円筒加工を行う。切断工程S1は、面出、円筒加工された単結晶をワイヤーソー装置を用いて切断することにより複数の円形板状の圧電性基板を得る工程である。平面研削工程S2は、得られた圧電性基板の片面を研削する工程である。エッチング工程S3は、切断工程S1及び(又は)平面研削工程S2の各工程で生じた圧電性基板の内部歪みを除去する工程である。検査工程S4は、製品として出荷するためにエッチング工程S3後の圧電性基板の形状、外観等を検査する工程である。以下、各工程について説明する。
<切断工程>
切断工程S1について説明する。図3は、ワイヤーソー装置4の一例を示す斜視図である。切断工程S1は、上述したように、円筒加工された単結晶Cをワイヤーソー装置4を用いて切断することにより円形板状の圧電性基板10(図4参照)を得る。ワイヤーソー装置4は、図3に示すように、いわゆるマルチワイヤーソー装置である。なお、切断工程S1をワイヤーソー装置4により行うことに限定されず、他の切断装置が用いられてもよい。例えば、他の切断装置は、ブレードにより切断する装置であってもよいし、ワイヤー放電加工により切断する装置であってもよい。
ワイヤーソー装置4は、図3に示すように、3組の回転ローラR1、R2、R3間に互いに所定の間隔で張り渡された複数のワイヤー(ワイヤーソー)5からなるワイヤー列6を備えている。このワイヤー列6と単結晶Cとを切断方向(図3ではZ方向)に相対的に移動させて、単結晶Cをワイヤー列6へ押し付けながら、各ワイヤー5(ワイヤー列6)を一方向あるいは往復方向へ移動させる。その結果、単結晶Cは、各ワイヤー5に切断されて複数の圧電性基板10となる。このようなワイヤーソー装置4(マルチワイヤーソー装置)を用いる場合、1回の切断作業で単結晶Cのより多くの部位を切断できるので、単結晶Cから複数の圧電性基板10を効率よく得ることができる。
ワイヤーソー装置4による切断では、ワイヤー5と単結晶Cが接触する部分に砥粒を含む加工液を供給する方式(遊離砥粒方式)と、予めワイヤー5に砥粒を固着させたものを用いる方式(固定砥粒方式)とがあるが、本実施形態の圧電性基板の製造方法においては、上記の切断方式のいずれも用いることができる。
ワイヤーソー装置4は、単結晶Cが固定されたスライス台42を装着し、装着したスライス台42とワイヤー列6とを鉛直方向(Z方向)に相対的に移動させることにより、ワイヤー列6で単結晶Cを切断する。単結晶Cは、スライス台42に台座43(スライスベッド)を介して固定される。台座43は板状であり、上面及び下面が水平面である。台座43の一方の水平面(本実施形態では下面)には単結晶Cが接着剤44によって固定され、台座43の他方の水平面(本実施形態では上面)はスライス台42に固定される。スライス台42は、ワイヤーソー装置4の装着部41に装着される。この装着部41は、装着したスライス台42の位置及び角度を調整可能であり、この調整により単結晶Cを位置決めすることができる。なお、スライス台42は、装着部41から取り外し可能である。この構成により、スライス台42をワイヤーソー装置4から取り外してスライス台42に台座43を介して単結晶Cを固定することができ、また、単結晶Cを切断して形成された圧電性基板10を、スライス台42及び台座43とともに、ワイヤーソー装置4から取り外すことができる。
ワイヤーソー装置4によって切断された圧電性基板10の両面にはソーマークmが形成される。ソーマークは、切断時のワイヤー5のブレによるものであり、圧電性基板10のワイヤーの走行方向と同一の方向に、両面に相反する方向に略同一の大きさで発生する。図4(A)は、ワイヤー5で切断された圧電性基板10の切断面(スライス加工面)の一例を示す平面図である。図4(B)は、図4(A)のA-A線に沿った断面図である。図4(A)、(B)に示すように、圧電性基板10の両面には、ソーマークmと呼ばれるワイヤー5の走行した跡が残っている。ソーマークmの深さ又は高さは、数μm(0.1μmから10μm)になることがある。なお、圧電性基板10の両面のうち、平面研削面1aとなる一方を面10aとし、面10aと反対側を面10bとしている。なお、ソーマークmの部分に気泡b(図1(B)参照)が発生し易い。
ここで、上記したように、一般的な圧電性基板の製造方法では、ラッピング装置で圧電性基板10の両面をラップ加工することによりソーマークmを除去している。本実施形態では、圧電性基板10に対してラッピング装置によるラップ加工を行わず、次の平面研削工程S2を行う。その結果、圧電性基板10に対する加工工数を減らして、圧電性基板1の加工コストを下げることができる。
<平面研削工程>
次に、平面研削工程S2について説明する。図5は、平面研削装置7の一例を示す斜視図である。図6は、平面研削装置7により圧電性基板10を研削している状態を示す断面図である。平面研削工程S2では、ワイヤーソー装置4によって切断された圧電性基板10の一方の面10aのみを研削し、面10aに形成されているソーマークmを除去する。この平面研削工程S2により、面10aは、算術平均粗さ(Ra)が40nmから90nm、好ましくは70nmから90nmとなる。なお、切断後の面10a、10bの算術平均粗さ(Ra)は、例えば200nmから500nmである。なお、圧電性基板10の他方の面10bに対しては、研削加工を行わない。
その結果、上記したラッピング装置等によるラップ加工の省略、及び片面の研削加工の省略により、一般的な圧電性基板の製造方法よりも、加工コストを下げることができる。さらに、面10aの算術平均粗さ(Ra)が上記した数値範囲となることで、支持基板2(図1参照)との張り合わせを強固にすることができる。なお、面10bの算術平均粗さ(Ra)は、切断時と同様の例えば200nmから500nmである。
平面研削装置7は、例えばカップ砥石を用いた研削装置が用いられる。平面研削工程S2は、平面研削装置7の固定具71に圧電性基板10の面10bを固定し、反対側の面10aを砥石72で研削することにより行う。平面研削装置7は、図5に示すように、固定具71と、砥石72とを備える。固定具71は、例えば、ガラス円盤等が用いられる。固定具71は、軸AX1まわりに回転可能である。砥石72は、ホイール73を介して支持部74に支持されており、軸AX2まわりに回転可能である。砥石72は、圧電性基板10の面10aが所定の算術平均粗さ(Ra)になるように選定される。なお、軸AX1と軸AX2とは、例えば、平行又はほぼ平行である。また、固定具71と砥石72とは、軸AX1と直交する面方向(水平方向)に相対的に移動可能である。
圧電性基板10は、面10aを上面にして面10bが固定具71に固定される。平面研削装置7は、固定具71とともに圧電性基板10を軸AX1まわりに回転させ、砥石72を軸AX1まわりに回転させる。この状態で砥石72を面10aに押し付けつつ、図6の矢印に示すように、砥石72は、固定具71(圧電性基板10)に対して水平方向に相対的に移動する。なお、砥石72は、面10aの全面を研削できるように、水平方向の移動経路が予め設定されている。このような平面研削装置7の動作により、圧電性基板10の面10aが研削される。
なお、固定具71に圧電性基板10を固定する方法は任意であるが、固定具71と圧電性基板10の一方の面10bとの間に固定剤(樹脂)Wを介して圧電性基板10を固定することが好ましい。固定剤Wとしては、例えば固形ワックス類が用いられ、その他に紫外線硬化樹脂等の樹脂類も使用することができる。この固定剤Wにより、圧電性基板10は、面10bの凹凸形状を変形させずに固定具71に固定される。例えば、圧電性基板10の面10bを真空吸着して固定具71に固定する方法では、真空吸着により面10bの凹凸を矯正して固定することになる。この状態で研削した後に吸着を解放すると、矯正が戻り、研削後の面10a(圧電性基板10)に凹凸が残る場合がある。
固定剤Wにより圧電性基板10を固定する方法は、固定具71であるガラス円盤上に固定剤Wである固形ワックスを塗布した後に融解させ、圧電性基板10の面10bを融解したワックスの上に載せて冷却する。なお、ガラス円盤上に塗布するワックスの厚さは10μmから50μmが好ましく、特に30μmが好ましい。溶融したワックスが固化することにより、圧電性基板10は、固形ワックスを介してガラス円盤上に固定される。この固定方法であれば、面10bの凹凸を矯正せずに圧電性基板10を固定することができる。なお、
図7は、平面研削工程S2後の圧電性基板11の一例を示す断面図である。圧電性基板11は、図7に示すように、面10aが研削されて面11aとなっており、面10bがワイヤー5で切断された切断面のままとなっている。上記したように、面11aは、算術平均粗さ(Ra)が40nmから90nm、好ましくは70nmから90nmとなっている。また、面10bの算術平均粗さ(Ra)は、例えば200nmから500nmとなっている。さらに、面10bは、切断面のままであるため、ソーマークmを有している。なお、面10bは、支持基板2と貼り合わせた後に研削・研磨加工され、所定の厚さ、所定の表面に整えられる。
また、圧電性基板11の面11aは、図7に示すように、平面研削工程S2において砥石72で研削されることで研削面の内部歪により凸状の反りが生じている。平面研削工程S2後において、圧電性基板11の面11aにおける反り量は、反り量H1となっている。この反り量H1は、例えば70μmから90μmである。
<エッチング工程>
次に、エッチング工程S3について説明する。図8(A)は、平面研削工程S2後の圧電性基板11をエッチング工程S3により処理している状態を示す図である。図8(B)は、エッチング工程S3後の圧電性基板1の一例を示す断面図である。エッチング工程S3は、エッチングによって圧電性基板11の面11a側に生じた内部歪を除去する。上記のように、平面研削工程S2後の圧電性基板11は、研削面である面11a側に内部歪を有している。一般に研削加工面側に凸方向に反る傾向がある。エッチング工程S3は、エッチングにより面11a側の内部歪を除去し、面11aが凸状の所定の反り(例えば5μm以上15μm以下)となるように調整する。
エッチング工程S3は、例えば、ウェットエッチングが用いられる。ウェットエッチングの場合、図8(A)に示すように、エッチング液81を貯留するエッチング槽8が用いられる。エッチング液81は、例えばフッ酸及び硝酸の混合液が使用され、その混合比は任意である。例えば、混合液の混合比は、フッ酸:硝酸=1:1とするのが好ましい。なお、エッチング液81は、面11aの内部歪を除去可能であれば、フッ酸及び硝酸の混合液以外が用いられてもよい。エッチング工程S3は、エッチング槽8のエッチング液81に圧電性基板11を浸漬することにより行う。エッチング時間(エッチング液81への浸漬時間)は、例えば、タンタル酸リチウムの場合、室温において1時間から12時間が好ましく、さらに1時間から9時間が特に好ましい。ニオブ酸リチウムの場合、室温において10分から120分が好ましく、さらに10分から90分が特に好ましい。
エッチング工程S3後の圧電性基板1は、図8(B)に示すように、面11a側の内部歪の一部が除去された平面研削面1aとなっている。平面研削面1aは、凸状の反りを有している。その反り量H2は、例えば、5μm以上15μm以下が好ましい。反り量H2が5μ未満では、気泡b発生の抑制効果が少ない場合がある。また、反り量H2が15μm超える場合、圧電性基板1に残留応力が残り、後工程での加工中に圧電性基板1に割れ等の不具合が発生しやすい。なお、エッチング工程S3後の圧電性基板1の反り量H2は、平面研削工程S2後の圧電性基板11の面11aの反り量H1より小さい(反り量H2<反り量H1)。すなわち、本実施形態におけるエッチング工程S3は、平面研削工程S2等による研削側の面11aの反り量を、所定の反り量に調整した平面研削面1aとする点に特徴がある。
なお、平面研削面1aは、中央部分が凸状の曲面である。また、圧電性基板11の面11bは、エッチング液81によりエッチングされるが、ワイヤー5により切断された形態を残した切断面1bとなる。また、エッチング工程S3は、ウェットエッチングが用いられることに限定されず、ドライエッチングが用いられてもよい。
<検査工程>
次に、検査工程S4について説明する。検査工程S4は、切断工程S1、平面研削工程S2、エッチング工程S3を経て製造された圧電性基板1(図8(B)参照)を製品として出荷するために検査する。検査工程S4では、例えば、圧電性基板1の形状検査、洗浄を行い、外観検査等を行う。なお、この検査工程S4を行うか否かは任意である。従って、検査工程S4が行われなくてもよい。
上記した製造方法により作製された圧電性基板1は、平面研削面1aが凸状の所定の反りを有するので、支持基板2(図1参照)と貼り合わせた際に、中央付近より両者が接着する。そのため、圧電性基板1の中央部分に発生し易い気泡bが中央付近より外周部に向けて押し出されて排出され、有機接着層3内に気泡bの発生を抑制することができる。なお、上記した切断工程S1後又は平面研削工程S2後において、圧電性基板10(11)の割れを防止するため、ベベル加工、エッジポリッシュ加工等を行う場合もある。
<複合基板の製造方法>
次に、複合基板Xの製造方法について説明する。まず、エッチング工程S3後(検査工程S4後)の圧電性基板1の平面研削面1aに、有機接着層3が形成される(図1(A)参照)。接着剤の塗布方法としては、例えばスピンコート法が用いられる。スピンコート法は、ノズルを有する装置(コーター)から有機系の接着剤(エポキシ樹脂系接着剤)を平面研削面1aの中央付近に吐出しつつ、圧電性基板1を軸まわりに回転させる。接着剤は、遠心力により平面研削面1aを拡がって有機接着層3を形成する(図1(A)参照)。なお、有機接着層3の厚さは、例えば1.0μm以下が好ましい。
続いて、支持基板2を用意し、有機接着層3が形成された圧電性基板1を支持基板2に貼り合わせる。このとき、有機接着層3の中央部分が先に支持基板2に接触し、さらに、圧電性基板1を支持基板2に押し付けることにより気泡bが外側に押し出されて外部に排出される(図1(B)参照)。その後、圧電性基板1及び支持基板2を加熱して有機接着層3を硬化させることにより、有機接着層3を介して圧電性基板1と支持基板2とが貼り合わされた複合基板Xが製造される(図1(C)参照)。
この複合基板Xは、有機接着層3の厚さが0.1μmから1.0μmの範囲で薄くかつ均一となるように製造されることが好ましい。有機接着層3の厚さが0.1μm未満では接着強度が不足する場合があり、有機接着層3の厚さが1.0μmを超えると圧電性基板1と支持基板2との熱膨張係数の差が有機接着層3に吸収され、支持基板2で圧電性基板1の熱膨張を抑える効果がなくなる場合がある。
[第2実施形態]
図9は、実施形態に係る圧電性基板の製造方法の他の例を示すフローチャートである。図9に示すように、実施形態に係る圧電性基板の製造方法は、切断工程S11と、第1エッチング工程S12と、平面研削工程S13と、第2エッチング工程S14と、検査工程S15とを含む。切断工程S11、平面研削工程S13、及び検査工程S15は、第1実施形態の切断工程S1、平面研削工程S2、及び検査工程S4とそれぞれ同様の処理が行われるため、説明を省略する。なお、本実施形態では、第1実施形態のエッチング工程S3を、第1エッチング工程S12と第2エッチング工程S14とに分けて行っている。
<第1エッチング工程>
第1エッチング工程S12について説明する。切断工程S11により得られた圧電性基板10は、第1エッチング工程S12によりエッチングされる。第1エッチング工程S12は、切断工程S11により圧電性基板10の面10a等(図4参照)に生じた内部歪みを除去する工程である。切断工程S11において、ワイヤー5により単結晶Cが切断されて得られた圧電性基板10には、内部歪が発生する。この内部歪を第1エッチング工程S12により除去することで、平面研削工程S13後は平面研削のみの内部歪が圧電性基板11に発生するだけとなり、後述する第2エッチング工程S14での調整が容易になる。
上記のように、切断工程S11後の圧電性基板10は、内部歪を有している。第1エッチング工程S12は、エッチングにより圧電性基板10の内部歪を除去する。第1エッチング工程S12は、例えば、ウェットエッチングが用いられる。ウェットエッチングの場合、図8と同様に、エッチング液81を貯留するエッチング槽8が用いられる。エッチング液81は、例えばフッ酸及び硝酸の混合液が使用され、その混合比は任意である。例えば、混合液の混合比は、フッ酸:硝酸=1:1とするのが好ましい。なお、エッチング液81は、圧電性基板10の内部歪を除去可能であれば、フッ酸及び硝酸の混合液以外が用いられてもよい。第1エッチング工程S12は、エッチング槽8のエッチング液81に圧電性基板10を浸漬することにより行う。エッチング時間(エッチング液81への浸漬時間)は、例えば、室温において9時間以上が好ましく、さらに12時間以上が特に好ましい。また、第1エッチング工程S12は、ウェットエッチングが用いられることに限定されず、ドライエッチングが用いられてもよい。
次に、圧電性基板12は、平面研削工程S13により面12bが固定された状態で、面12aが平面研削される。その結果、圧電性基板12は、面12a側に内部歪が生じ、面12aに凸状の反りが生じている。なお、面12aの反り量は、第1実施形態における圧電性基板11の面11a(図7参照)より小さい。
<第2エッチング工程>
次に、第2エッチング工程S14について説明する。第2エッチング工程S14は、第1実施形態のエッチング工程S3と同様に行われる。第2エッチング工程S14は、エッチングによって圧電性基板12の面12a側に生じた内部歪を除去する。なお、上記したように、圧電性基板12の面12aの反り量は、第1実施形態における圧電性基板11の面11a(図7参照)より小さい。従って、第2エッチング工程S14では、第1実施形態のエッチング工程S3より短いエッチング時間で面12a側の内部歪を除去し、面12aが凸状の所定の反り(例えば5μm以上15μm以下)となるように調整することができる。
第2エッチング工程S14は、例えば、ウェットエッチングが用いられる。第2エッチング工程S14で用いられるエッチング液は、第1エッチング工程S12と同一のエッチング液が用いられてもよいし、第1エッチング工程S12とは異なるエッチング液が用いられてもよい。また、第2エッチング工程S14は、ウェットエッチングが用いられることに限定されず、ドライエッチングが用いられてもよい。
次に、任意の検査工程S15を経て、圧電性基板1(図8(B)参照)が作製される。本実施形態の製造方法により作製された圧電性基板1は、第1実施形態と同様に、平面研削面1aが凸状の所定の反りを有するので、支持基板2(図1参照)と貼り合わせた際に、中央付近より両者が接着する。そのため、圧電性基板1の中央部分に発生し易い気泡bが中央付近より外周部に向けて押し出されて排出され、有機接着層3内に気泡bの発生を抑制することができる。また、本実施形態により作製された圧電性基板1と、支持基板2とを有機接着層3を介して貼り合わせることにより複合基板Xとする点は、第1実施形態と同様である。
以下に、本発明の実施例、及び比較例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
タンタル酸リチウムの単結晶をワイヤーソー装置を用いて切断し、圧電性基板として直径200mm、厚さ530μmのタンタル酸リチウム単結晶42°RYアズスライス基板(以下、基板1という)を用意した。このときの基板1の反り量は30μmであった。この基板1を、エッチング液であるフッ酸:硝酸=1:1の混合液中において室温で12時間エッチングしたところ、エッチング開始後、9時間以降の反り量は一定となり、20μmとなった。
次に、固定具であるガラス円盤上に、固形ワックスを厚さ約30μmになるように融解し、エッチング後の基板1における、支持基板と接着する側の面と反対側の面を、融解したワックスの上に載せて、基板1を押し付けて変形させることなくワックスを冷却し、ガラス円盤に基板1を固定した。基板1の支持基板と接着する側の面を、#2000の平面研削砥石により厚さ500μmまで平面研削した後、ワックスを融解して基板1をガラス円盤から剥離し、従来の方法で洗浄して基板1に付着しているワックスを除去した。平面研削後の基板1の反り量は80μmであった。
ワックスを除去した基板1を、エッチング液であるフッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で7時間エッチングした。2回目のエッチング後における基板1の平面研削面の反り量は、80μmから10μmまで減少した。基板1の平面研削面は、凸状であり、球面状であった。このときの平面研削面の算術平均粗さ(Ra)は80nmであった。なお、エッチング時間と反り量との関係を調べたところ、エッチング時間が9時間までは反り量は減少し、9時間以降では反り量は3μmで一定となった。また、平面研削面と反対側の切断面は、ソーマークが複数残存していた。反り量が10μmとなった基板1の平面研削面にエポキシ樹脂系接着剤をスピンコートで塗布し、支持基板である直径200mm、厚さ500μmのホウ珪酸ガラスに貼り合わせて180℃で加熱し、接着剤を硬化することにより有機接着層の厚さ0.9μmの複合基板を得た。複合基板の接着面を確認したところ、気泡は見られなかった。
(実施例2)
ニオブ酸リチウムの単結晶をワイヤーソー装置を用いて切断し、圧電性基板として直径200mm、厚さ530μmのニオブ酸リチウム単結晶128°RYアズスライス基板(以下、基板2という)を用意した。このときの基板2の反り量は25μmであった。この基板2を、エッチング液であるフッ酸:硝酸=1:1の混合液中において室温で120分エッチングしたところ、エッチング開始後90分以降の反り量は一定となり、15μmとなった。
次に、固定具であるガラス円盤上に、固形ワックスを厚さ約20μmになるように融解し、エッチング後の基板2における、支持基板と接着する側の面と反対側の面を、融解したワックスの上に載せて、基板2を押し付けて変形させることなくワックスを冷却し、ガラス円盤に基板2を固定した。基板2の支持基板と接着する側の面を、#2000の平面研削砥石により厚さ500μmまで平面研削した後、ワックスを融解して基板2をガラス円盤から剥離し、従来の方法で洗浄して基板2に付着しているワックスを除去した。平面研削後の基板2の反り量は75μmであった。
ワックスを除去した基板2を、エッチング液であるフッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で70分エッチングした。2回目のエッチング後における基板2の平面研削面の反り量は、75μmから10μmまで減少した。基板2の平面研削面は、凸状であり、球面状であった。このときの平面研削面の算術平均粗さ(Ra)は80nmであった。なお、エッチング時間と反り量との関係を調べたところ、エッチング時間が90分までは反り量は減少し、90分以降では反り量は4μmで一定となった。また、平面研削面と反対側の切断面は、ソーマークが複数残存していた。反り量が10μmとなった基板2の平面研削面にエポキシ樹脂系接着剤をスピンコートで塗布し、支持基板である直径200mm、厚さ500μmのホウ珪酸ガラスに貼り合わせて180℃で加熱し、接着剤を硬化することにより有機接着層の厚さ0.9μmの複合基板を得た。複合基板の接着面を確認したところ、気泡は見られなかった。
(比較例1)
タンタル酸リチウムの単結晶をワイヤーソー装置を用いて切断し、圧電性基板として直径200mm、厚さ530μmのタンタル酸リチウム単結晶42°RYアズスライス基板(以下、基板3という)を用意した。このときの基板3の反り量は30μmであった。この基板3を、エッチング液であるフッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で12時間エッチングしたところ、エッチング開始後9時間以降の反り量は一定となり、20μmとなった。
次に、固定具であるガラス円盤上に、固形ワックスを厚さ約30μmになるように融解し、エッチング後の基板3における、支持基板と接着する側の面と反対側の面を、融解したワックスの上に載せて、基板3を押し付けて変形させることなく冷却し、ガラス円盤に基板3を固定した。基板3の支持基板と接着する側の面を、#2000の平面研削砥石により厚さ500μmまで平面研削した後、ワックスを融解して基板3をガラス円盤から剥離し、従来の方法で洗浄して基板3に付着しているワックスを除去した。平面研削後の基板3の反り量は80μmであった。
ワックスを除去した基板3を、エッチング液であるフッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で12時間エッチングした。2回目のエッチング後における基板3の平面研削面の反り量は、80μmから3μmまで減少した。基板2の平面研削面は、平面に近い凸状であり、球面状であった。このときの平面研削面の算術平均粗さ(Ra)は80nmであった。なお、エッチング時間と反り量との関係を調べたところ、エッチング時間9時間までは反り量は減少し、9時間以降では反り量は3μmで一定となった。また、平面研削面と反対面の切断面は、ソーマークが複数残存していた。反り量が3μmとなった基板3の平面研削面にエポキシ樹脂系接着剤をスピンコートで塗布し、支持基板である直径200mm、厚さ500μmのホウ珪酸ガラスに貼り合わせて180℃で加熱し、接着剤を硬化することにより有機接着層の厚さ0.9μmの複合基板を得た。複合基板の接着面を確認したところ、複合基板の一部である中心付近に気泡の残存が見られた。
(比較例2)
タンタル酸リチウムの単結晶をワイヤーソー装置を用いて切断し、圧電性基板として直径200mm、厚さ500μmのタンタル酸リチウム単結晶42°RYアズスライス基板(以下、基板4という)を用意した。このときの基板1の反り量は30μmであった。なお、基板4は、実施例1の基板1と同一である。基板4をエッチング液であるフッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で12時間エッチングしたところ、エッチング開始後9時間以降の反り量は一定となり20μmとなった。このときの基板4の両面の算術平均粗さ(Ra)はそれぞれ400nmであった。また、基板4の両面には、ソーマークが複数残存していた。
この基板4の一方の面にエポキシ樹脂系接着剤をスピンコートで塗布し、支持基板である直径200mm、厚さ500μmのホウ珪酸ガラスに貼り合わせて180℃で加熱し、接着剤を硬化することにより有機接着層の厚さ0.9μmの複合基板を得た。複合基板の接着面を確認したところ、切断方向に(ソーマークに沿った)細長い気泡が複数見られた。
以上より、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの圧電性基板のエッチングは、例えば、タンタル酸リチウムの場合、フッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で9時間以上エッチングする。このとき、基板の反り量は、エッチング開始から9時間までは減少したが、9時間以降は変わらなかった。この特性を用い、平面研削後、エッチング時間を調整することにより、圧電性基板の平面研削面に凸状の所定の反りを形成させることが確認された。また、平面研削面が凸状の所定の反りを有することで、複合基板における有機接着層内に気泡の発生を抑制することが確認された。なお、平面研削後のエッチング時間を調整することにより、反り量が5μm以上15μm以下になるように設定できることが確認された。例えば、フッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で7時間エッチングすることで、平面研削面の反り量が10μmの圧電性基板を得られることが確認された。
ニオブ酸リチウムの場合は、フッ酸:硝酸=1:1混合液中において室温で90分以上エッチングする。このとき、基板の反り量は、エッチング開始から90分までは減少したが、90分以降は変わらなかった。この特性を用い、平面研削後、エッチング時間を調整することができる。
本発明によれば、複合基板用の圧電性基板の加工コストを比較的安価にするとともに、圧電性基板と支持基板とを貼り合わせるときの気泡の発生を抑制することができ、各種デバイスを作製するときの熱処理プロセスでの気泡の破裂によるデバイスの歩留まり低下、及びパーティクルによるプロセスの汚染を抑制でき、ひいては安価に温度補償用表面弾性波フィルターを提供できるという産業上の利用可能性を有している。
1、10、11・・・圧電性基板 1a・・・平面研削面 1b・・・切断面 2・・・支持基板 3・・・有機接着層 4・・・ワイヤーソー装置 5・・・ワイヤー(ワイヤーソー) 7・・・平面研削装置 71・・固定具 72・・砥石 8・・・エッチング槽 81・・・エッチング液 C・・・単結晶 m・・・ソーマーク W・・・固定剤(樹脂)

Claims (5)

  1. 有機接着層を介して支持基板に貼り合わされる圧電性基板であって、
    前記有機接着層に接触する面は平面研削面であり、前記平面研削面と反対側の面は、ワイヤーソーによる切断面であり、
    前記平面研削面は、凸状の5μm以上15μm以下の反りを有し、
    前記平面研削面の算術平均粗さ(Ra)は、40nmから90nmであり、前記切断面の算術平均粗さ(Ra)は、200nmから500nmである、圧電性基板。
  2. 育成された圧電性の単結晶から圧電性基板を製造する方法であって、
    前記単結晶をワイヤーソーで切断して圧電性基板を得る切断工程と、
    前記圧電性基板の一方の面を固定具に固定して他方の面を平面研削する平面研削工程と、
    前記平面研削工程の後に前記圧電性基板の内部歪を除去するエッチング工程と、を含み、
    前記エッチング工程では、前記他方の面が凸状に5μm以上15μm以下反るようにエッチング時間設定し、
    前記エッチング工程の後において、前記他方の面の算術平均粗さ(Ra)は、40nmから90nmであり、前記一方の面の算術平均粗さ(Ra)は、200nmから500nmである
    圧電性基板の製造方法。
  3. 前記平面研削工程は、前記圧電性基板の一方の面と前記固定具との間に所定の樹脂を介在させて、前記圧電性基板を変形させずに前記固定具に固定することを含む、請求項に記載の圧電性基板の製造方法。
  4. 記切断工程の後であって前記平面研削工程の前前記圧電性基板の内部歪を除去することを含むエッチングをすることを備える、請求項又は請求項に記載の圧電性基板の製造方法。
  5. 請求項1に記載の圧電性基板と、支持基板とが有機接着層を介して貼り合わされた、複合基板。
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