JP2003069102A - 圧電素子用部材 - Google Patents

圧電素子用部材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電素子用部材を形成する厚みの厚い圧電セラ
ミック板と厚みの薄い他の基板とを接着層を介して貼り
付けるにあたり、接着剤の収縮や圧電セラミック板の分
極処理により圧電素子用部材の外周部に反りが発生し、
また、接着層の厚みが不均一になるといった課題があっ
た。 【解決手段】圧電素子用部材1を形成する厚みの厚い圧
電セラミック板2と厚みの薄い他の基板3とを接着層4
を介して貼り付けるにあたり、圧電セラミックスからな
る基板2の少なくとも接着面2aと反対側の表面2bに
おける表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1μm以下と
するとともに、圧電セラミック板2には、接着面2aと
反対側の表面2bから接着面2aに向けて分極処理を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータ、
ダイヤフラム、ブザー等の圧電素子に使用される、厚み
の厚い圧電セラミック板と厚みの薄い他の基板とを接着
層を介して貼り合わせた圧電素子用部材に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、アクチュエータ、ダイヤフラム、
ブザーなどには、上面に電極層を備えた圧電セラミック
板と、この圧電セラミック板を補強あるいは固定するた
めの補助板とを導電性を有する熱硬化性接着剤からなる
接着層を介して貼り合わせた圧電素子が用いられてい
る。 【0003】特に、アクチュエータに関しては、近年、
精密加工分野や光学分野において、サブミクロンオーダ
ーでの位置制御が求められており、この位置制御に圧電
セラミックスに電界を加えたときに起こる逆圧電効果や
電歪効果に基づく変位を利用したものが多く使用されて
いる。 【0004】このような圧電素子を製造するには、例え
ばアルミナ、ジルコニア、フォルステライト等を主成分
とする絶縁性セラミックスや樹脂あるいは金属からなる
補助板の接着面に、スキージ法、スクリーン印刷法、オ
フセット印刷法等の方法にて導電性を有する熱硬化性接
着剤のペーストを塗布した後、予め厚み方向に分極処理
を施した圧電セラミック板を重ね、加圧しながら接着剤
を加熱硬化させ、しかる後、圧電セラミック板の接着面
と反対側の表面に電極層を形成するようになっていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した圧
電素子を形成する圧電セラミック板と補助板とを貼り付
けるにあたり、圧電セラミック板と補助板の各接着面に
はラップ式研磨加工や平面研削加工を施して平坦に仕上
げた後、例えば、補助板の接着面に導電性を有する熱硬
化性接着剤のペーストを塗布し、次いで圧電セラミック
板を重ねた後、加圧しながら接着剤を加熱硬化させるの
であるが、圧電セラミック板の厚みが補助板より厚い場
合、接着剤が収縮することで、圧電セラミック板の外周
部が接着層側に反り、その結果、圧電素子全体に反りが
発生するという課題があった。しかも、圧電セラミック
板に接着面から接着面と反対側の表面に向かう分極処理
が施されていると、圧電素子の反りがさらに大きくなる
といった課題もあった。 【0006】また、圧電セラミックスからなる基板に分
極処理を施すとうねりを生じることがあり、このような
うねりを有する基板を補助板に貼り合わせると、圧電セ
ラミックスからなる基板はうねりを持ったまま貼り合わ
されることになり、接着層の厚みを均一にすることがで
きないといった課題があった。 【0007】その為、このような反りやうねりがある圧
電素子をアクチュエータ等に使用すると、所望の変位が
得られなかったり、変位のばらつきが大きいといった課
題があった。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、厚みの異なる二枚の基板を接着層を介して貼
り合わせてなり、上記二枚の基板のうち厚みの厚い基板
を圧電セラミックスにより形成した圧電素子用部材に関
し、上記圧電セラミックスからなる基板の少なくとも接
着面と反対側の表面における表面粗さを算術平均粗さ
(Ra)で1μm以下とするとともに、上記圧電セラミ
ックスからなる基板には、上記接着面と反対側の表面か
ら接着面に向けて分極処理を施すようにしたことを特徴
とする。 【0009】なお、本発明において、「接着面と反対側
の表面から接着面に向けて分極処理を施す」とは、圧電
セラミックスからなる基板の接着面と反対側の表面側に
正の電圧を、接着面側に負の電圧をそれぞれ印加して分
極処理を行うことを言う。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。 【0011】図1は、本発明の圧電素子用部材の一例を
示す一部を破断した斜視図である。 【0012】この圧電素子用部材1は、厚みの厚い圧電
セラミックスからなる基板2と、基板2よりも厚みの薄
い他の基板3とを熱硬化性接着剤からなる接着層4を介
して貼り合わせるとともに、上記圧電セラミックスから
なる基板2には、接着面2aと反対側の表面2bから接
着面2aに向けて分極処理を施した(接着面2aと反対
側の表面2bに正の電圧を、接着面2aに負の電圧を印
加して分極処理を施す)もので、例えば、この圧電素子
用部材1をアクチュエータとして利用する場合、他の基
板3に、アルミナ、ジルコニア、フォルステライト等を
主成分とする絶縁性セラミックスや単結晶アルミナ、あ
るいは金属や樹脂を用いるとともに、接着層4に導電性
を有する熱硬化性接着剤を用い、かつ基板2の接着面2
aと反対側の表面2bに、銀、ニッケル等の金属あるい
はこれらの合金を、蒸着法やメッキ法にて被着して電極
層(不図示)を形成すれば良く、接着層4と電極層(不
図示)との間に電圧を印加すれば、圧電素子用部材1を
屈曲変位させることができるため、アクチュエータとし
て機能させることができる。 【0013】また、このような圧電素子用部材1を製造
するには、焼結された圧電セラミックスからなる基板2
を用意し、遊離砥粒として粒径が5〜10μmの炭化珪
素粒子を用いた両面ラップ盤によるラップ式研磨加工を
施すか、あるいは粒径が5〜10μmのダイヤモンド砥
粒を固着したダイヤモンドホイールを用いた平面研削盤
による平面研削加工を施して所定の厚みを持ち、少なく
とも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面粗さを
算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下にした圧電セラ
ミックスからなる基板2を製作する。 【0014】また、他の基板3も基板2と同様の加工を
行い、基板2より薄くしたものを製作する。 【0015】次に、圧電セラミックスからなる基板2の
接着面2a及び接着面2aと反対側の表面2bにそれぞ
れ銀等の電極層(不図示)を形成し、シリコンオイル中
にて、接着面2aと反対側の表面2bに形成した電極層
に正の電圧を、接着面2aに形成した電極層に負の電圧
をそれぞれ印加して両電極層間に例えば1.0〜3.0
kV/mmの電界を与えることにより分極処理を施した
後、両電極層を除去する。そして、他の基板3の接着面
3aにペースト状の熱硬化性接着剤を塗布し、次いで圧
電セラミックスからなる基板2の接着面2aを基板3の
接着面3aと対向させて重ねた後、加圧しながら接着剤
を加熱硬化させることにより得ることができる。 【0016】そして、本発明の圧電素子用部材1によれ
ば、前述したように、厚みの厚い圧電セラミックスから
なる基板2に、接着面2aと反対側の表面2bから接着
面2aに向かう分極処理を施してあることを特徴とす
る。 【0017】即ち、分極処理をしていない厚みの厚い圧
電セラミックスからなる基板2と厚みの薄い他の基板3
の接着面2a,3a間に塗布した熱硬化性接着剤を加圧
しながら加熱硬化させると、接着剤の収縮により特に圧
電セラミックスからなる基板2の接着面2a側には収縮
応力が、基板2の接着面2aと反対側の表面2bには引
っ張りの応力が作用し、図3に示すように圧電素子用部
材1の外周部が反ることになる。 【0018】一方、圧電セラミックスからなる基板2に
は圧電効果を発揮させるため、分極処理を施すのである
が、分極前は平坦な板であっても、分極後は図4に示す
ように、分極方向(電圧のプラス極側からマイナス極
側)と反対方向に基板2の外周部が反る傾向がある。 【0019】そこで、本件発明者は、この両者の現象に
着目し、圧電素子用部材1における圧電セラミックスか
らなる基板2に、接着面2aと反対側の表面2b(プラ
ス極側)から接着面2a(マイナス極側)に向けて分極
処理を施すことで、接着剤の収縮に伴い反りを発生させ
ようとする力を、分極処理により基板2を変形させよう
とする力で相殺させ、図2に示すように、反りが少ない
圧電素子用部材1が得られることを見出した。 【0020】また、圧電セラミックスからなる基板2へ
の分極処理にあたっては、電界の強度を大きくすること
で分極の度合いが大きくなり、反り具合も大きくなる。
その為、分極処理時に加える電界強度を、圧電セラミッ
クスの圧電特性を損なわない範囲で制御することによ
り、圧電素子用部材1の反りをさらに低減することが可
能となる。 【0021】ただし、圧電素子用部材1における圧電セ
ラミックスの圧電効果を十分に発揮させるためには、圧
電セラミックスからなる基板2に施す分極方向を設定す
るだけでなく、圧電セラミックスからなる基板2の少な
くとも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面粗さ
を算術平均粗さ(Ra)で1μm以下とすることが重要
である。 【0022】即ち、圧電セラミックスからなる基板2の
少なくとも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面
粗さが粗いと、分極処理により発生する引っ張り応力が
表面全体にわたって均一に発生せず、うねりを伴った反
りが発生するからで、本件発明者の実験によれば、圧電
セラミックスからなる基板2の接着面2aと反対側の表
面2bにおける表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1.
0μmを超えると、うねりを伴った反りを十分に解消す
ることができず、圧電セラミックスからなる基板2の少
なくとも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面粗
さを算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下とすること
で、接着面2aと反対側の表面2b全体に引っ張り応力
を一様に発生させ、うねりの度合いを十分に低減するこ
とができるため、他の基板3に貼り合わせれば、接着層
4の厚みを均一にすることができ、反りの少ない圧電素
子用部材1が得られることを見出し、本発明に至った。 【0023】好ましくは圧電セラミックスからなる基板
2の少なくとも接着面2aと反対側の表面2bにおける
表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下とす
ることが良く、このようにすることで圧電素子用部材1
の反りをより一層低減することができる。 【0024】なお、基板3の表面粗さについては特に限
定するものではないが、圧電素子用部材1の安定した変
位が得られるようにするため、算術平均粗さ(Ra)で
5μm以下とすれば良い。 【0025】ところで、このような圧電素子用部材1の
基板2を形成する圧電セラミックスとしては、特に限定
するものではないが、アクチュエータ、ダイヤフラム、
ブザー等の振動源として一般的に用いられている、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT系)、チタン酸鉛(PT
系)、あるいはこれらを主成分とし、圧電定数等を高め
るためにMg、Nb、Ni、Zn、Sb、TeやSr、
Ba等を少なくとも一種以上置換した圧電セラミックス
を用いることができる。 【0026】また、圧電セラミックスからなる基板2に
貼り合わせる他の基板3としては、目的や用途にあわせ
て、金属、樹脂、セラミックス、単結晶アルミナ等の材
料の中から適宜選択して用いれば良く、例えば、金属と
しては、スズ、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、
鉄、モリブデン、あるいはこれらを含有した合金、さら
にはステンレス等を用いることができ、また、セラミッ
クスとしては、アルミナ、ジルコニア、フォルステライ
ト、窒化珪素等を主成分とする絶縁性セラミックスを用
いることができる。なお、圧電素子用部材1を例えばブ
ザー等に利用する場合、基板3のヤング率が高すぎると
効率良く振動しない可能性があるため、このような場
合、基板3をヤング率が200GPa以下のジルコニア
等のセラミックスや金属で形成することにより、圧電セ
ラミックスからなる基板2の振動が基板3によって減衰
されず、効率良く振動させることができ好ましい。ま
た、高い接着強度が要求されるような場合には、基板2
を形成する圧電セラミックスとの熱膨張差ができるだけ
近似した材料を基板3に用いることが好ましい。 【0027】また、基板2及び基板3の寸法は用途によ
り様々であるが、例えば角板の場合、10mm〜250
mm×20mm〜300mm×厚さ0.1mm〜3mm
の寸法の基板を用いれば良い。 【0028】さらに、接着層4を形成する熱硬化性接着
剤としては、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、
フェノール系接着剤等の一般的な熱硬化性接着剤を用い
ることができ、中でも高い接着強度が得られるエポキシ
系接着剤が好適である。また、接着層4に導電性を持た
せる場合には、上記熱硬化性接着剤中に導電性を有する
導電性付与剤を添加したものを用いれば良い。 【0029】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は、図1に示す圧電素子用部材1に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれ
ば、改良や変更したものにも適用できることはいう迄も
ない。 【0030】 【実施例】(実施例1)ここで、圧電セラミックスから
なる厚みの厚い基板と、圧電セラミック製の基板より厚
みの薄い他の基板とを熱硬化性接着剤からなる接着層を
介して貼り合わせた圧電素子用部材において、圧電セラ
ミックスからなる基板の分極方向と、接着面と反対側の
表面における表面粗さを異ならせた時の反りの大きさや
うねりの有無ついて調べる実験を行った。 【0031】具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)を主成分とする圧電セラミックスからなり、その板
厚が1.5mmの基板を用意し、この基板の上下面に銀
の電極層をそれぞれ被着して電極層間に通電し、基板厚
み方向に2.0kV/mmの電界を与えて分極処理を施
した後、上下の電極層を取り除き、粒径5μmの炭化珪
素砥粒を用いてラップ加工を行うことにより、外形寸法
が50mm×50mmで、接着面と反対側の表面におけ
る表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.1μm〜3.
0μmの範囲で異ならせた板厚が0.7mmの基板をそ
れぞれ製作し、得られた圧電セラミックスからなる基板
の反りの大きさとうねりの有無を測定した。 【0032】次に、ジルコニアセラミックス及びモリブ
デンからなり、外形寸法が50mm×50mm、板厚が
0.2mmである他の基板の接着面にエポキシ系接着剤
(商品名;EPOTEK353−ND)を転写法にて塗
布した後、上記圧電セラミックスからなる基板の接着面
を貼り合わせ、真空チャンバー内にて、8KPaの減圧
下で、加圧しながら100〜150℃の温度で熱処理す
ることにより、エポキシ系接着剤を硬化させ、試料とな
る圧電素子用部材を製作した。なお、他の基板の表面粗
さは算術平均粗さ(Ra)で1.0μmとなるようにし
た。 【0033】そして、得られた各圧電素子用部材の反り
の大きさを測定した。 【0034】圧電セラミックスからなる基板及び圧電素
子用部材の反りの大きさは、表面粗さ測定機を用い、圧
電セラミックスからなる基板の表面対角線上の測定長さ
50mmにおける表面粗さ曲線から測定し、表面粗さ曲
線の最上部(測定開始点又は終了点)と最下部(測定中
央部または基板の中央部付近)の高さの差として求め、
また、圧電セラミックスからなる基板のうねりについて
は表面曲線の形状を見て目視によるうねりの有無を測定
した。 【0035】それぞれの結果は表1に示す通りである。 【0036】 【表1】【0037】この結果、表1より判るように、試料N
o.1〜7のように、圧電セラミックスからなる基板
に、接着面と反対側の表面(正の電圧)から接着面(負
の電圧)に向けて分極処理を施せば、試料No.8,9
のように、圧電セラミックスからなる基板に、接着面
(正の電圧)から接着面と反対側の表面(負の電圧)に
向けて分極処理を施したものと比較して圧電素子用部材
1の反りを大幅に低減できることが判る。 【0038】ただし、試料No.5〜7のように、圧電
セラミックスからなる基板の接着面と反対側の表面にお
ける表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1.0μmを超
えると、圧電セラミックスからなる基板にうねりを伴っ
た反りが発生し、その結果、この圧電セラミックスから
なる基板を貼り合わせた圧電素子用部材もまた反りが大
きくなっていた。 【0039】これに対し、試料No.1〜4のように、
圧電セラミックスからなる基板に、接着面と反対側の表
面(正の電圧)から接着面(負の電圧)に向けて分極処
理を施すとともに、接着面と反対側の表面における表面
粗さを算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下とすれ
ば、圧電セラミックスからなる基板にうねりを生じるこ
とがなく、その結果、この圧電セラミックスからなる基
板を貼り合わせた圧電素子用部材の反りを極めて小さく
することができ、優れていた。 【0040】この結果、厚みの厚い圧電セラミックスか
らなる基板に厚みの薄い他の基板を貼り合わせて圧電素
子用部材を製作する場合、圧電セラミックスからなる基
板の接着面と反対の表面(正の電圧)から接着面(負の
電圧)に向けて分極処理を施すとともに、圧電セラミッ
クスからなる基板の接着面と反対側の表面における表面
粗さを算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下とすれ
ば、反りの少ない圧電素子用部材を得ることができ、こ
の圧電素子用部材をアクチュエータに用いれば、所望の
変位を安定して発生させることができる。 【0041】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、厚みの
異なる二枚の基板を接着層を介して貼り合わせてなり、
上記二枚の基板のうち厚みの厚い基板を圧電セラミック
スにより形成した圧電素子用部材であって、上記圧電セ
ラミックスからなる基板の少なくとも接着面と反対側の
表面における表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1μm
以下とするとともに、上記圧電セラミックスからなる基
板には、上記接着面と反対側の表面から接着面に向けて
分極処理を施すようにしたことから、反りやうねりが殆
どなく、接着層の厚みがほぼ均一な圧電素子用部材を提
供することができ、この圧電素子用部材をアクチュエー
タに用いれば、所望の変位が安定して得られる信頼性の
高いアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の圧電素子用部材の一例を示す一部を破
断した斜視図である。 【図2】本発明の圧電素子用部材を示す断面図である。 【図3】分極処理していない厚みの厚い圧電セラミック
スからなる基板と厚みの薄い他の基板とを貼り合わせた
時の状態を示す断面図である。 【図4】分極処理した圧電セラミックスからなる基板の
反り状態を示す断面図である。 【符号の説明】 1:圧電素子用部材 2:圧電セラミックスからなる基
板 2a:接着面 2b:接着面と反対側の表面 3:他の基板 3a:接
着面 4:接着層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】厚みの異なる二枚の基板を接着層を介して
    貼り合わせてなり、上記二枚の基板のうち少なくとも厚
    みの厚い基板を圧電セラミックスにより形成した圧電素
    子用部材であって、上記圧電セラミックスからなる基板
    の少なくとも接着面と反対側の表面における表面粗さを
    算術平均粗さ(Ra)で1μm以下とするとともに、上
    記圧電セラミックスからなる基板には、上記接着面と反
    対側の表面から接着面に向けて分極処理を施してあるこ
    とを特徴とする圧電素子用部材。
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