JP4715128B2 - 圧電素子の製造方法 - Google Patents
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Description
なお、圧電素子は使用される圧電体層の厚みが薄くなれば薄くなるほど、印加する電圧値を小さくすることが可能になり、小型化への対応性も向上する。
しかしながら、圧電体グリーンシートの厚みを薄くしてから焼成を行うようにした場合、焼結体に反りが発生するという問題点がある。
しかしながら、焼結体の厚みが薄く、機械的強度が小さい場合、この方法を用いて荷重をかけると、焼結体に割れや欠けが発生するという問題点がある。
また、再焼成工程において焼結体とセッタの間で融着や着合が生じることもあり、焼結体が薄くなればなるほど、融着、着合した焼結体を剥がす際に、割れや欠けが発生しやすくなるという問題点がある。
また、厚みが10μm程度の薄い圧電体グリーンシートを成型した場合、そのような薄いシートを焼成工程に搬送する際などにおけるハンドリングが難しいという問題点もある。
(a)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に配設された厚膜電極層と、
前記厚膜電極層上に配設された、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートとを備えた第1積層体を形成する工程と、
(b)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(g)前記第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去され、圧電体層の一方の主面に薄膜電極層が配設され、他方の主面に厚膜電極層が配設された積層体を形成する工程と
を具備することを特徴としている。
圧電体層の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する圧電素子の製造方法であって、
(a)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に配設された厚膜電極層と、
前記厚膜電極層上に配設された、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートとを備えた第1積層体を形成する工程と、
(b)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(j)第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去された積層体から前記厚膜電極層を除去する工程と、
(k)前記厚膜電極層が除去された前記圧電体層の表面に薄膜電極層を形成することにより前記圧電体層の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層体を形成する工程と、
を具備することを特徴としている。
内部に圧電体層を介して内部電極層が配設された積層体の表裏両主面に電極層が配設された構造を有する積層型の圧電素子の製造方法であって、
(a’)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に、厚膜電極層、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートの順で、複数回繰り返して厚膜電極層と圧電体グリーンシートとが積層された構造を有する第1積層体を形成する工程と、
(b’)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c’)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d’)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e’)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f’)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(g’)前記第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去され、圧電体層の一方の主面に薄膜電極層が配設され、他方の主面に厚膜電極層が配設された積層体を形成する工程と
を具備することを特徴としている。
内部に圧電体層を介して内部電極層が配設された積層体の表裏両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層型の圧電素子の製造方法であって、
(a’)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に、厚膜電極層、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートの順で、複数回繰り返して厚膜電極層と圧電体グリーンシートとが積層された構造を有する第1積層体を形成する工程と、
(b’)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c’)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d’)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e’)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f’)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(j’)第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去された積層体から前記厚膜電極層を除去する工程と、
(k’)前記厚膜電極層が除去された前記圧電体層の表面に薄膜電極層を形成することにより前記圧電体層の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層体を形成する工程と、
を具備することを特徴としている。
また、上述のように形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成し、薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層(例えば、焼成済みのセラミック板)を積層することにより第2積層体を形成した後、第2積層体から第1ダミー層を除去し、さらに、第2ダミー層を除去することにより得られる、圧電体層の一方の主面に薄膜電極層が配設され、他方の主面に厚膜電極層が配設された積層体を形成するようにしているので、圧電体層の両主面への電極の形成を効率よく行うことが可能になり、厚みが薄く、反りのない圧電体層を備えた薄型の圧電素子を効率よく製造することが可能になる。
さらに、圧電体グリーンシートの厚みが薄くても第1ダミー層を積層して全体の厚みを増した上で焼成を行うので、ハンドリングも容易になる。
また、第2積層体から第1ダミー層を除去する方法としては、第2積層体を構成する第1ダミー層を厚膜電極層との界面で剥離させて除去する方法、剥離液に浸漬して剥離する方法などが適用可能であるが、その具体的な方法に特別の制約はない。
なお、(g)の工程で形成された積層体から、圧電体層の一方の主面に配設された厚膜電極層を除去する方法には特別の制約はないが、例えば、研磨などの方法が挙げられる。
また、上述のように形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成し、薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層(例えば、焼成済みのセラミック板)を積層することにより第2積層体を形成した後、第2積層体から第1ダミー層を除去し、第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去した後、厚膜電極層を除去し、厚膜電極層が除去された圧電体層の表面に薄膜電極層を形成することにより得られる、圧電体層の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層体を形成するようにしているので、圧電体層の両主面への薄膜電極層の形成を効率よく行うことが可能になり、厚みの薄い圧電体層の両主面に薄膜電極が形成された圧電特性の良好な圧電素子を効率よく製造することが可能になる。
また、上述のように形成された圧電体層と厚膜電極層の積層体上に薄膜電極層を形成し、薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層(例えば、焼成済みのセラミック板)を積層することにより第2積層体を形成した後、第2積層体から第1ダミー層を除去し、第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去することにより得られる、一方の主面に薄膜電極層が配設され、他方の主面に厚膜電極層が配設された積層体を形成するようにしているので、圧電体層と厚膜電極層の積層体の両主面への電極の形成を効率よく行うことが可能になり、厚みが薄く反りのない圧電体層と内部電極層が交互に積層された積層体の表裏両主面に電極層が配設された構造を有する積層型の圧電素子を効率よく製造することが可能になる。
また、第2積層体から第1ダミー層を除去する方法としては、第2積層体を構成する第1ダミー層を厚膜電極層との界面で剥離させて除去する方法、剥離液に浸漬して剥離する方法などが適用可能であるが、その具体的な方法に特別の制約はない。
なお、(g’)の工程で形成された積層体から、圧電体層と厚膜電極層の積層体の一方の主面に配設された厚膜電極層を除去する方法には特別の制約はないが、例えば、研磨などの方法が挙げられる。
また、上述のように形成された積層体上に薄膜電極層を形成し、薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層(例えば、焼成済みのセラミック板)を積層することにより第2積層体を形成した後、第2積層体から第1ダミー層を除去し、第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去した後、厚膜電極層を除去し、厚膜電極層が除去された積層体の表面に薄膜電極層を形成することにより得られる、圧電体層と厚膜電極層の積層体の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層体を形成するようにしているので、厚みが薄く反りのない圧電体層と内部電極層が交互に積層された積層体の表裏両主面に薄膜電極が形成された圧電特性の良好な圧電素子を効率よく製造することが可能になる。
また、第1積層体を構成する他の厚膜電極層の構成材料として、銀パラジウムを主たる成分とするものを用いた場合、銀パラジウムが、白金およびパラジウムの少なくとも一方を主成分とするものよりもセラミックとの密着強度が高い電極材料であることから、第2積層体を構成する第1ダミー層を剥離して除去する場合、他の厚膜電極層と圧電体層との界面で剥離が発生することを防止して、第1ダミー層を確実に厚膜電極層との界面で剥離させて除去することができるようになる。
それから、このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形して厚み50μmの圧電体グリーンシートを作製し、この圧電体グリーンシートを複数枚積層することにより、焼成時に実質的に反りの生じない厚み(例えば1000μm)の圧電体グリーンシート積層体(第1ダミー層用の圧電体グリーンシート)を作製した。
また、上記50μmの厚みのシートとは別に、上記スラリーをドクターブレード法によりシート状に成形して厚み10μmの圧電体グリーンシート(圧電体層用の圧電体グリーンシート)を作製した。
(3)そして、図1(a)に示すように、切り出した第1ダミー層1用の圧電体グリーンシートの一方の主面に白金粉末を導電成分とする白金ペーストを2μmの厚みで塗布して、第1ダミー層1用の圧電体グリーンシートの表面に厚み2μmの白金電極(厚膜電極層)2を形成した。
なお、上述の厚み50μmの圧電体グリーンシートに白金電極(厚膜電極層)2を形成しておき、これを、厚膜電極層の形成されていない圧電体グリーンシート積層体(第1ダミー層1用の圧電体グリーンシート)の上に積層することによっても、図1(a)に示すような、表面に白金電極(厚膜電極層)2が配設された構造の第1ダミー層1を形成することが可能である。
このときの圧電体層3aの反りを測定したところ30μmであった。これに対し、比較のため、厚み10μmの圧電体グリーンシートを第1ダミー層で支持することなく焼成した後、反りを測定したところ、反りの大きさは250μmであった。
この除去工程においては、第1ダミー層1と第2ダミー層6は、支持部14上に載置するための領域として機能することになる。
一方、厚膜電極層2は、白金粉末を導電成分とする導電ペーストを第1ダミー層1上に印刷することにより形成されており、第1ダミー層(圧電体グリーンシート)に導電ペーストを印刷した場合、厚膜電極層2と、第1ダミー層1の界面は平坦であるが、印刷された厚膜電極層2の自由面(第1ダミー層1の界面とは逆側の面)には凹凸が生じる。したがって、厚膜電極層2と圧電体層3aの間の密着強度は、厚膜電極層2と第1ダミー層1の間の密着強度よりも大きくなる。
したがって、上述のようにして、矢印Aで示す方向から素子13に応力を加えことにより、第1ダミー層1と厚膜電極層2を両者の界面で剥離させて第1ダミー層1を除去することができる。
なお、圧電体グリーンシート3と薄膜電極層4との接合面、薄膜電極層4と仮止め接着剤5の接合面、仮止め接着剤5と第2ダミー層6の界面の密着強度は、厚膜電極層2と第1ダミー層1の間の密着強度よりも大きく、これらの界面で剥離することはない。
なお、本実施例と同じ10μmの厚みの圧電体グリーンシートを第1ダミー層により支持せずに焼成して比較しようとしたが、焼成後にセッタから取り外す際に割れてしまい、評価することができなかった。
また、分極処理は、図1(c)に示すように、第1積層体11の、圧電体グリーンシート3が焼成されることにより形成された圧電体層3a上に、スパッタリング法により銀の薄膜を成膜して、薄膜電極層(銀薄膜電極)4を形成した後に行うことも可能である。
それから、このスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形して厚み50μmの圧電体グリーンシートを作製し、この圧電体グリーンシートを複数枚積層することにより、焼成時に実質的に反りの生じない厚み(例えば1000μm)の圧電体グリーンシート積層体(第1ダミー層用の圧電体グリーンシート)を作製した。
また、上記50μmの厚みのシートとは別に、上記スラリーをドクターブレード法によりシート状に成形して厚み10μmの圧電体グリーンシート(圧電体層用の圧電体グリーンシート)を作製した。
なお、上述の厚み50μmの圧電体グリーンシートに白金電極(厚膜電極層)2を形成しておき、これを、厚膜電極層の形成されていない圧電体グリーンシート積層体(第1ダミー層1用の圧電体グリーンシート)の上に積層することによっても、図5(a)に示すような、表面に白金電極(厚膜電極層)2が配設された構造の第1ダミー層1を形成することも可能である。
また、図5(b)に示すように、厚みが10μmの圧電体層用の圧電体グリーンシート3の一方の主面に銀パラジウム粉末を導電成分とするAg/Pdペーストを2μmの厚みで塗布して、表面に厚み2μmのAg/Pd電極(厚膜電極層)2aを形成することにより、表面に厚膜電極層2aを備えた圧電体グリーンシート(電極配設シート)23を形成した。
この除去工程においては、第1ダミー層1と第2ダミー層6は、支持部14上に載置するための領域として機能することになる。
なお、第1ダミー層1と厚膜電極層2を、両者の界面で剥離させて除去することができる理由は、上記実施例1で説明した通りである。
なお、この実施例2の構成では、第1積層体11を構成する他の厚膜電極層2aと圧電体層3aとの界面における剥離も問題になりうるが、この実施例2では、第1積層体11を構成する他の厚膜電極層2aの構成材料として、銀パラジウムを用いており、この銀パラジウムは、白金およびパラジウムよりも圧電体層3aとの密着強度が高い電極材料であることから、第2積層体12を構成する第1ダミー層1を除去する工程で、他の厚膜電極層2aと圧電体層3aとの界面で剥離が発生することを防止して、第1ダミー層1を厚膜電極層2との界面で確実に剥離させて除去することが可能になる。
なお、圧電体層3aと薄膜電極層4の接合面、薄膜電極層4と仮止め接着剤5の接合面、仮止め接着剤5と第2ダミー層6の界面の密着強度も、厚膜電極層2と第1ダミー層1の間の密着強度より大きいため、これらの界面で剥離することはない。
この時、薄膜電極層4、他の厚膜電極層2a、厚膜電極層2には、プラスマイナスが交互に印加されるように分極処理を行った。
また、上記実施例2の方法によれば、さらにその他の点においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、分極処理は、図5(d)に示すように、焼成された第1積層体の、圧電体グリーンシート3が焼成されることにより形成された最上層の圧電体層3a上に、スパッタリング法により、銀の薄膜を成膜して、薄膜電極層(銀薄膜電極)4を形成した後に行うことも可能である。
したがって、本願発明は、種々の電子機器に広く用いられる圧電素子の製造工程に好適に利用することが可能である。
2 白金電極(厚膜電極層)
2a Ag/Pd電極(厚膜電極層)
3 圧電体グリーンシート
3a 圧電体層
4 薄膜電極層(銀薄膜電極)
5 仮止め接着剤
6 第2ダミー層
7 積層体
8 薄膜電極層
9 積層体
11 積層体(第1積層体)
12 第2積層体
13 個々の素子
14 支持部
23 圧電体グリーンシート(電極配設シート)
A 積層方向に直交する所定方向
Claims (10)
- 圧電体層の両主面に電極層が配設された構造を有する圧電素子の製造方法であって、
(a)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に配設された厚膜電極層と、
前記厚膜電極層上に配設された、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートとを備えた第1積層体を形成する工程と、
(b)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(g)前記第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去され、圧電体層の一方の主面に薄膜電極層が配設され、他方の主面に厚膜電極層が配設された積層体を形成する工程と
を具備することを特徴とする圧電素子の製造方法。 - (h)前記(g)の工程で形成された積層体から前記厚膜電極層を除去する工程と、
(i)前記厚膜電極層が除去された前記圧電体層の表面に薄膜電極層を形成する工程と
を具備することを特徴とする請求項1記載の圧電素子の製造方法。 - 圧電体層の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する圧電素子の製造方法であって、
(a)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に配設された厚膜電極層と、
前記厚膜電極層上に配設された、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートとを備えた第1積層体を形成する工程と、
(b)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(j)第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去された積層体から前記厚膜電極層を除去する工程と、
(k)前記厚膜電極層が除去された前記圧電体層の表面に薄膜電極層を形成することにより前記圧電体層の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層体を形成する工程と、
を具備することを特徴とする圧電素子の製造方法。 - 前記第1ダミー層上に配設された前記厚膜電極層が白金およびパラジウムの少なくとも一方を主たる成分とするものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
- 第1積層体を形成する工程において積層される圧電体グリーンシートの厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
- 内部に圧電体層を介して内部電極層が配設された積層体の表裏両主面に電極層が配設された構造を有する積層型の圧電素子の製造方法であって、
(a’)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に、厚膜電極層、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートの順で、複数回繰り返して厚膜電極層と圧電体グリーンシートとが積層された構造を有する第1積層体を形成する工程と、
(b’)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c’)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d’)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e’)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f’)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(g’)前記第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去され、圧電体層の一方の主面に薄膜電極層が配設され、他方の主面に厚膜電極層が配設された積層体を形成する工程と
を具備することを特徴とする圧電素子の製造方法。 - (h’)前記(g’)の工程で形成された積層体から前記厚膜電極層を除去する工程と、
(i’)前記厚膜電極層が除去された前記圧電体層の表面に薄膜電極層を形成する工程と
を具備することを特徴とする請求項6記載の圧電素子の製造方法。 - 内部に圧電体層を介して内部電極層が配設された積層体の表裏両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層型の圧電素子の製造方法であって、
(a’)焼成時に実質的な反りを生じない第1ダミー層と、
前記第1ダミー層上に、厚膜電極層、焼成後に圧電体層となる圧電体グリーンシートの順で、複数回繰り返して厚膜電極層と圧電体グリーンシートとが積層された構造を有する第1積層体を形成する工程と、
(b’)前記第1積層体を焼成する工程と、
(c’)焼成された前記第1積層体の、前記圧電体グリーンシートが焼成されることにより形成された圧電体層上に薄膜電極層を形成する工程と、
(d’)前記薄膜電極層上に、剥離可能な仮止め接着剤を介して第2ダミー層を積層することにより第2積層体を形成する工程と、
(e’)前記第2積層体から第1ダミー層を除去する工程と、
(f’)前記第1ダミー層が除去された第2積層体から第2ダミー層を除去する工程と、
(j’)第2積層体から前記第1ダミー層と前記第2ダミー層が除去された積層体から前記厚膜電極層を除去する工程と、
(k’)前記厚膜電極層が除去された前記圧電体層の表面に薄膜電極層を形成することにより前記圧電体層の両主面に薄膜電極層が配設された構造を有する積層体を形成する工程と、
を具備することを特徴とする圧電素子の製造方法。 - 前記第1積層体を構成する厚膜電極層のうち、第1ダミー層の表面に形成される厚膜電極層が白金およびパラジウムの少なくとも一方を主たる成分とするものであり、前記第1積層体を構成する他の厚膜電極層は、銀パラジウムを主たる成分であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
- 第1積層体を形成する工程において積層される圧電体グリーンシートの厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の圧電素子の製造方法。
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