JP2000114611A - 多層圧電素子 - Google Patents

多層圧電素子

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JP2000114611A
JP2000114611A JP10286118A JP28611898A JP2000114611A JP 2000114611 A JP2000114611 A JP 2000114611A JP 10286118 A JP10286118 A JP 10286118A JP 28611898 A JP28611898 A JP 28611898A JP 2000114611 A JP2000114611 A JP 2000114611A
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Japan
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lamination
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piezoelectric ceramic
layers
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JP10286118A
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English (en)
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Hidetaka Nishijima
英孝 西島
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層数の多い多層圧電素子において、積層時
の加圧力のばらつきによる層間のデラミネーションや焼
成後の層間クラックを防止する。 【解決手段】 各層の圧電セラミック層21を、ニッケ
ル・ニオブ酸−チタン酸−ジルコン酸鉛系の圧電セラミ
ック材料により形成し、その積層数を100〜300層
とする。各層の圧電セラミック層21の表面に印刷・焼
成した電極層22は、層厚が従来より薄い2〜5μmで
あり、積層数が多くなっても、電極層22による積層厚
みの差があまり大きくならない。電極層22の印刷に用
いる導体ペーストはAg/Pd合金粒子を主成分とし、
その導体粒子の平均粒径が1〜2.5μmである。これ
により、2〜5μmの薄い電極層を均一に安定して形成
できると共に、導体粒子間に圧電セラミック層のガラス
成分が浸透するのに必要な隙間も確保でき、十分なアン
カー効果(接着強度)を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミック層
を多層化して変位量を増加させた多層圧電素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】圧電素子は、電気エネルギを圧電効果に
より機械的変位に変換する特性を利用して、種々の装置
の駆動源(圧電アクチュエータ)として用いられてい
る。一般的な圧電素子は、PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)等の圧電セラミック層の両面に導体ペーストを印刷
・焼成して電極層を形成した構造であり、1層分では、
変位量が小さいため、比較的大きな変位量を必要とする
場合には、図2に示すように、複数の圧電セラミック層
11を積層することで、変位量を拡大するようにしてい
る。高変位量を必要とする多層圧電素子は、100〜3
00層程度まで多層化しないと、要求される変位量を確
保することができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】多層圧電素子は、各層
の電極層12が交互に反対側の側面に導出されて側面電
極(図示せず)と接続される構造であるため、各層の電
極層12の片側が圧電セラミック層11よりも短く形成
されている。このため、各層の電極層12が相互に重な
り合った部分と重なり合っていない部分とが生じ、両者
間で積層厚みに差が生じる。この積層厚みの差は、積層
数が増加するほど大きくなり、高変位量用の燃料噴射弁
の駆動源として用いられる100〜300層程度の多層
圧電素子では、電極層12による積層厚みの差が0.3
〜1.0mm程度にもなってしまう。このため、各層の
圧電セラミック層11を積層する際に、加圧力が均一に
加わらず、積層厚みの薄い部分(電極層12が相互に重
なり合っていない周辺部分)には、積層時の加圧力が十
分に加わらず、層間接着力が不十分になりやすい。この
結果、積層後に層間のデラミネーション(剥離)が発生
したり、焼成後に層間クラックが発生しやすく、不良品
の発生率が高いという欠点がある。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、圧電セラミック層の
積層数を増加しても、積層時の加圧力のばらつきによる
層間のデラミネーションや焼成後の層間クラックを防止
することができ、製品歩留りを向上することができる多
層圧電素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の多層圧電素子は、各層の電極層
を平均粒径が1〜2.5μmの導体粒子を主成分とする
導体ペーストを印刷・焼成して層厚が従来より薄い2〜
5μmとなるように形成している。後述する本発明者の
実験結果によれば、電極層の層厚が5μmよりも厚くな
ると、積層数が多い場合に電極層による積層厚みの差が
大きくなり、積層時の加圧力のばらつきによる層間のデ
ラミネーションが発生したり、焼成後に層間クラックが
発生しやすくなる。また、電極層の層厚が2μmより薄
くなると、導体ペーストの印刷で電極層を均一に安定し
て形成することは困難である。従って、電極層の層厚は
2〜5μmが好ましい。このような薄い層厚であれば、
積層数が多くなっても、積層時の加圧力のばらつきによ
る層間のデラミネーションや焼成後の層間クラックが発
生しにくくなる。しかも、電極層の層厚が2μm以上で
あれば、導体ペーストの印刷で電極層を均一に形成する
ことも可能である。
【0006】但し、電極層の印刷に用いる導体ペースト
に含まれる導体粒子の粒径が大きいと、2〜5μmの薄
い電極層を均一に安定して形成することは困難である。
かといって、導体粒子の粒径が小さすぎると、導体粒子
間に形成される隙間が小さくなりすぎて、焼成時に圧電
セラミック層のガラス成分が電極層に浸透せず、十分な
アンカー効果(接着強度)を得ることができない。後述
する本発明者の実験結果によれば、平均粒径が1〜2.
5μmの導体粒子を主成分とする導体ペーストを用いれ
ば、2〜5μmの薄い電極層を均一に安定して形成でき
ると共に、導体粒子間に圧電セラミック層のガラス成分
が浸透するのに必要な隙間も確保することができ、十分
なアンカー効果(接着強度)を得ることができる。
【0007】本発明は、請求項2のように、圧電セラミ
ック層の積層数が100層以上の多層圧電素子に適用す
ると、大きな効果が得られる。つまり、本発明の多層圧
電素子は、電極層の層厚が2〜5μmと極めて薄いた
め、積層数を100層以上にしても、電極層による積層
厚みの差があまり大きくならず、積層時に加圧力がほぼ
均一に加わるようになり、積層時の加圧力のばらつきに
よる層間のデラミネーションや焼成後の層間クラックが
防止される。しかも、積層数を100層以上にすれば、
大きな変位量を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明
する。まず、多層圧電素子の構造を図1に基づいて説明
する。各層の圧電セラミック層21は、例えばニッケル
・ニオブ酸−チタン酸−ジルコン酸鉛系の圧電セラミッ
ク材料により形成され、その層厚が例えば80〜150
μmで、積層数が例えば100〜300層となってい
る。各層の圧電セラミック層21の表面には、導体ペー
ストを印刷・焼成して電極層22が形成されている。各
層の電極層22は、層厚が2〜5μmに形成されてい
る。各層の電極層22の印刷に用いる導体ペーストは、
導体粒子として例えばAg/Pd合金粒子を主成分と
し、その導体粒子の平均粒径が1〜2.5μmである。
各層の電極層22は、交互に反対側の側面に導出されて
側面電極(図示せず)と接続される。
【0009】次に、上記構成の多層圧電素子の製造方法
を説明する。例えば、ニッケル・ニオブ酸−チタン酸−
ジルコン酸鉛系の圧電セラミック材料のスラリーを用い
て、ドクターブレード法で圧電セラミックのグリーンシ
ートをテープ成形する。この後、平均粒径が1〜2.5
μmのAg/Pd合金粒子を主成分とする導体ペースト
を用いて、グリーンシートの表面に2〜5μmの薄い電
極層22を印刷する。印刷後、グリーンシートを製品サ
イズに切断して個々の圧電セラミック層21に分割し、
100〜300層の圧電セラミック層21を積層して熱
圧着する。この後、積層体をピーク温度1100℃で焼
成して多層圧電素子を製造する。
【0010】本発明者は、上記製造方法で製造する多層
圧電素子について、電極層22の層厚と、導体ペースト
の導体粒子の平均粒径と、焼成クラックの有無との関係
を考察する試験を行ったので、その試験結果を次の表1
に示す。
【0011】
【表1】
【0012】尚、各サンプルの電極層の印刷に用いた導
体ペーストは、AgとPdが7:3のAg/Pd合金粒
子を主成分とする導体ペーストを用い、積層数は100
層とした。
【0013】表1に示す試験結果から、電極層のパター
ン形成が可能で、かつ焼成クラックが発生しないサンプ
ルは、電極層の層厚が2〜5μmで、かつ、導体ペース
トの導体粒子の平均粒径が1〜2.5μmである。電極
層の膜厚が10μmのサンプル1,2は、電極層が厚い
ため、各層の電極層が相互に重なり合った部分と重なり
合っていない部分との間で積層厚みに比較的大きな差が
生じ、積層厚みの薄い部分(電極層が相互に重なり合っ
ていない周辺部分)には、積層時の加圧力が十分に加わ
らず、層間接着力が不十分になりやすく、焼成クラック
が発生した。尚、積層後のデラミネーションは、観察が
困難であるため、表1の焼成クラックの中には、積層後
のデラミネーションによるものも含まれている。また、
電極層の膜厚が1μmのサンプル15は、電極層が薄す
ぎるため、導体ペーストの印刷で電極層を形成すること
は不可能であった。
【0014】一方、電極層の層厚が2〜5μmのサンプ
ル3〜14の中で、導体ペーストの導体粒子の平均粒径
が1〜2.5μmのサンプル4,5,8,9,12,1
3は焼成クラックが発生しなかったが、導体粒子の平均
粒径が5μm又は0.5μmのサンプル3,6,7,1
0,11,14は、焼成クラックが発生した。つまり、
導体粒子の平均粒径が5μmのサンプル3,7,11
は、2〜5μmの薄い電極層を均一に安定して形成する
ことは不可能である。また、導体粒子の平均粒径が0.
5μmのサンプル6,10,14は、導体粒子の粒径が
小さすぎるため、導体粒子間に形成される隙間が小さく
なりすぎて、焼成時に圧電セラミック層のガラス成分が
電極層に浸透せず、十分なアンカー効果(接着強度)を
得ることができないため、焼成クラックが発生した。
【0015】以上の試験結果によれば、平均粒径が1〜
2.5μmの導体粒子を主成分とする導体ペーストを用
いれば、2〜5μmの薄い電極層を均一に安定して形成
することができると共に、導体粒子間に圧電セラミック
層のガラス成分が浸透するのに必要な隙間も確保するこ
とができ、十分なアンカー効果(接着強度)を得ること
ができる。これにより、積層数が100層以上になって
も、積層時の加圧力のばらつきによる層間のデラミネー
ションや焼成クラックが発生しにくくなり、製品歩留り
を向上することができる。
【0016】尚、導体ペーストの導体粒子として、Ag
/Pd合金粒子を用いた方がより好ましいが、Ag粒子
とPd粒子との混合物を用いても良く、或は、Ag、A
g/Pt、Ag/Au、Au、Cu等のいずれかの導体
ペーストを用いても良い。また、圧電セラミックは、ニ
ッケル・ニオブ酸−チタン酸−ジルコン酸鉛系に限定さ
れず、PZT、チタン酸バリウム、チタン酸鉛等を用い
ても良い。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の多層圧電素子によれば、各層の電極層を平
均粒径が1〜2.5μmの導体粒子を主成分とする導体
ペーストを印刷・焼成して層厚が2〜5μmとなるよう
に形成したので、圧電セラミック層の積層数を増加して
も、電極層による積層厚みの差があまり大きくならず、
積層時の加圧力のばらつきによる層間のデラミネーショ
ンや焼成後の層間クラックを防止することができ、製品
歩留りを向上することができる。
【0018】更に、請求項2では、圧電セラミック層の
積層数が100層以上の多層圧電素子に本発明を適用し
たので、デラミネーションや焼成クラックを防止しなが
ら、大きな変位量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す多層圧電素子の縦断
面図
【図2】(a)は従来の多層圧電素子の積層工程を説明
する縦断面図、(b)は従来の多層圧電素子の縦断面図
【符号の説明】
21…圧電セラミック層、22…電極層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミック層と電極層とを交互に多
    数積層してなる多層圧電素子において、 前記電極層は、平均粒径が1〜2.5μmの導体粒子を
    主成分とする導体ペーストを印刷・焼成して層厚が2〜
    5μmに形成されていることを特徴とする多層圧電素
    子。
  2. 【請求項2】 前記圧電セラミック層の積層数が100
    層以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層圧
    電素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002261345A (ja) * 2000-12-28 2002-09-13 Denso Corp 積層一体焼成型の電気機械変換素子
JP2007103676A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Tdk Corp 圧電磁器組成物、積層型圧電素子及びその製造方法
DE102005061816B4 (de) * 2004-12-24 2014-02-06 Denso Corporation Verfahren zur Herstellung eines gestapelten piezoelektrischen Elements

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