JP4744015B2 - ウエハ支持部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に半導体ウエハや液晶基板等のウエハを静電吸着力によって吸着保持するのに使用するウエハ支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、半導体装置の製造工程において、シリコンウエハ等の半導体ウエハ(以下、単にウエハという)に微細加工を施すエッチング工程、ウエハに薄膜を形成する成膜工程、あるいは各種処理工程間への搬送等においては、ウエハを高精度に保持する必要があることから静電チャックを使用したウエハ支持部材が使用されている。
【0003】
このようなウエハ支持部材の構造は、図4に示すように、板状セラミック体11の一方の主面を、ウエハWを載せる設置面11aとするとともに、上記板状セラミック体11中に静電吸着用電極12を内蔵した静電チャック10と、この静電チャック10を形成する板状セラミック体11の他方の主面に接合された金属台座13とからなり、静電チャック10と金属台座13とは、アルミニウム合金からなるロウ材、有機接着剤、ガラス等からなる接合層14を介して接合したものがあった。
【0004】
そして、このウエハ支持部材20を用いてウエハWを保持するには、静電吸着用電極12とウエハWとの間に電圧を印加することによって、両者間に静電吸着力を発現させ、ウエハWを設置面11に吸着固定するようになっていた。
【0005】
また、金属台座13は、装置への組み付けを容易にするとともに、金属台座13の内部に冷却用水路等の冷却機構を設けることにより、静電チャック10に吸着保持したウエハWを冷却したり、あるいは金属台座13に高周波電力を印加したりすることにより、別に設けたプラズマ発生用電極との間でプラズマを発生させ、各種処理速度を高めるようになっていた。
【0006】
しかしながら、接合層14として、アルミニウム合金からなるロウ材、有機接着剤、ガラス等を用いたものでは、温度変化が生じると、金属台座13と静電チャック10を形成する板状セラミック体11との熱膨張差によって接合部に発生した熱応力によって静電チャック10が割れたり、あるいは接合層14の剥離が発生したりするといった課題があった。
【0007】
そこで、静電チャック10と金属台座13との間の熱膨張差に伴う熱応力を吸収緩和するため、接合層14として層厚みを20〜100μmとした軟質のインジウム又はインジウム合金を用いることが提案されている(特開平9−45757号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、接合層14に軟質のインジウム又はインジウム合金を用いたとしても、その層厚みが50μm未満では、温度変化が発生した時に静電チャック10と金属台座13との間に発生する熱応力を十分に吸収緩和することができず、依然として静電チャック10が割れたり、あるいは接合層14の剥離が発生したりするといった課題があり、逆に、接合層14の層厚みを50μm以上とすると、静電チャック10が金属台座13の接合面に対して傾いて接合され、金属台座13の接合面に対して静電チャック10の設置面11aの平行度が損なわれたり、あるいは応力の偏りが発生したりした状態で接合され、設置面11aの平面度が損なわれるといった課題があった。
【0009】
即ち、静電チャック10と金属台座13とをインジウムロウ又はインジウム合金ロウによって接合する接合温度が高いと、インジウムロウ又はインジウム合金ロウが軟質材であること、及び接合層14の層厚みが厚いことによって静電チャック10と金属台座13との間隔を一定に保つことが難しく、静電チャック10の傾きが発生し易く、また、接合温度をインジウムロウ又はインジウム合金ロウの軟化点より若干高い程度の温度に制御して接合すると、部分的に接合層14の層厚みに偏りが発生し、この状態で静電チャック10が接合されると、静電チャック10反ったり、歪んだりした状態で接合されるため、設置面11aの平面度が損なわれていた。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、その目的は静電チャックを金属台座に精度良く接合することができ、且つ繰り返し熱サイクルが加わっても剥離することなく長期間にわたって使用することができるウエハ支持部材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、板状セラミック体の一方の主面を、ウエハを載せる設置面とするとともに、上記板状セラミック体中に静電吸着用電極を内蔵した静電チャックと、該静電チャックを形成する板状セラミック体の、表面が平坦な他方の主面にインジウム又はインジウム合金からなり、端部が外部に露出した接合層を介して接合した、接合面が平坦な金属台座とからなるウエハ支持部材において、上記接合層の層厚みを50μm以上とするとともに、上記接合層中に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫等の金属またはこれらを主成分とする合金からなり、上記接合層の層厚みより厚みの小さいスペーサを配置し、上記静電チャックと上記金属台座との間隔を等間隔に保持するようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は本発明に係るウエハ支持部材を示す断面図、図2は図1のA部を拡大した断面図である。なお、従来例と同一部分については同一符号で示す。
【0014】
このウエハ支持部材1は、板状セラミック体11の一方の主面を、ウエハWを載せる設置面11aとするとともに、上記板状セラミック体11中に静電吸着用電極12を内蔵した静電チャック10と、この静電チャック10を形成する板状セラミック体11の他方の主面に接合された金属台座13とからなり、静電チャック10と金属台座13とを、インジウム又はインジウム合金からなる接合層14を介して接合したもので、その詳細は図2に示すように、静電チャック10を形成する板状セラミック体11の他方の主面にメタライズ層3を形成するとともに、金属台座13の接合面にメッキ層4を形成し、これらの間にインジウム又はインジウム合金からなる接合層14を介して接合してある。なお、メタライズ層3及びメッキ層4には、インジウムとの塗れ性の良い、銀、銅、ニッケル等を主体とする金属を用いてある。
【0015】
また、接合層14の層厚みTは50μm以上とするとともに、接合層14中には、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫等の金属またはこれらを主成分とする合金からなるスペーサ2を配置し、静電チャック10と金属台座13との間隔を等間隔に保持するようにしてある。
【0016】
そして、このウエハ支持部材1を用いてウエハWを保持するには、静電吸着用電極12とウエハWとの間に電圧を印加することによって、両者間に静電吸着力を発現させ、ウエハWを設置面11に吸着固定するようになっている。
【0017】
また、静電チャック10の設置面11aと反対側の面には金属台座13を接合してあることから、各種装置への組み付けを容易に行うことができるとともに、金属台座13の内部に冷却用水路等の冷却機構を設ければ、静電チャック10に吸着保持したウエハWを効率良く冷却することができ、また金属台座13に高周波電力を印加すれば、別に設けたプラズマ発生用電極との間でプラズマを発生させ、ウエハWへの各種加工速度を高めることができる。
【0018】
さらに、本発明のウエハ支持部材1は、静電チャック10と金属台座13とを接合する接合層14に、軟質のインジウム又はインジウム合金を用いるとともに、接合層14の層厚みTを50μm以上と十分な厚みを持たせてあることから、温度変化によって静電チャック10と金属台座13との間に熱応力が作用しても、熱応力を接合層14によって吸収緩和し、静電チャック10が破損したり、接合層14が剥離したりすることを効果的に防止することができる。
【0019】
ただし、接合層14に軟質のインジウム又はインジウム合金を用い、その層厚みTを50μm以上と厚くすると、接合層14に部分的な偏りが発生し、厚みバラツキを生じるため、金属台座13の接合面に対して静電チャック10の設置面11aの平行度が損なわれたり、あるいは設置面11aの平面度が損なわれたりするといった問題が発生するのであるが、本発明のウエハ支持部材1は、接合層14中にスペーサ2を介在させ、静電チャック10と金属台座13との間隔を等間隔に保持するようにしてあることから、静電チャック10を金属台座13に対して精度良く保持することができるとともに、設置面11aの平面度が損なわれるようなことがない。
【0020】
即ち、静電チャック10と金属台座13とをインジウムロウ又はインジウム合金ロウによって接合する接合温度がインジウムロウ又はインジウム合金ロウの軟化点より若干高い温度に制御して接合すると、部分的に接合層14の層厚みTに偏りが発生し、設置面11aの平面度が損なわれるおそれがあるが、本発明では、接合温度をインジウムロウ又はインジウム合金ロウの軟化点よりも高くしてもスペーサ2の介在によって静電チャック10と金属台座13の間隔を一定に保つことができるため、接合層14の層厚みTにばらつきを生じたり、偏りが発生するようなことがない。
【0021】
また、スペーサ2を形成する材質として、接合層14を形成するインジウムやインジウム合金との濡れ性の良い、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫等の金属またはこれらを主成分とする合金を用いていることから、インジウムやインジウム合金との間で反応層を形成し、強固に密着させることができるため、接合層14とスペーサ2との熱膨張差によって作用する熱応力により、接合層14とスペーサ2との接合部に剥離が発生し、この剥離が進展して静電チャック10と接合層14との間や金属台座13と接合層14との間にも剥離が発生することを効果的に防止することができる。
【0022】
しかも、スペーサ2を形成する、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫等の金属またはこれらを主成分とする合金は、接合層14を形成するインジウムやインジウム合金と同様に優れた熱伝導性を有することから、静電チャック10と金属台座13との間の熱伝達性能を阻害するようなことがなく、かつ接合部全体にわたって一様に熱伝達を行うことができるため、例えば、金属台座13に冷却用水路等の冷却機構を設けたものにおいては、静電チャック10に吸着保持したウエハWを効率良く冷却することができるとともに、ウエハWの温度分布を一様にすることができる。その為、ウエハWへの成膜やエッチング等の各種加工精度を高めることができる。
【0023】
なお、インジウム又はインジウム合金との濡れ性が良い金属とは、インジウムやインジウム合金と反応層を形成することができるような金属のことであり、例えば、スペーサ2の材質としてWやMoを用いたものでは、インジウムやインジウム合金と反応性が悪く、スペーサ2を起点として破損するために用いることができない。
【0024】
ところで、このようなウエハ支持部材1の静電チャック11を形成する板状セラミック体11としては、アルミナ(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si34)、サイアロン、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(以下、YAGという)等を主成分とするセラミック焼結体を用いることができるが、これらの中でもウエハWを吸着した際に高い均熱性が要求されるような場合には、優れた熱伝導率を有する窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミック焼結体を用いることが好ましく、また、安価なものが要求されるような場合には、アルミナ(Al23)を主成分とするセラミック焼結体を用いることが好ましい。しかも、これら窒化アルミニウム(AlN)やアルミナ(Al23)を主成分とするセラミック焼結体は、優れた耐食性や耐プラズマ性も兼ね備えていることから、ハロゲン系腐食性ガスが用いられるような成膜工程やエッチング工程等においても好適に用いることができる。
【0025】
また、板状セラミック体11中に埋設する静電吸着用電極12を形成する材質としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属を用いれば良く、これらは上述したセラミック焼結体との熱膨張差が小さいため、板状セラミック体11中に密着性良く埋設することができる。
【0026】
さらに、金属台座13を形成する材質としては、熱伝導率の高いアルミニウム(Al)や銅(Cu)あるいはこれらを主体とする合金を用いることができるが、さらにハロゲン系ガスに曝されるような場合には、これらのガスに対して腐食性の高いアルミニウム(Al)又はアルミニウム合金を用いることが良い
なお、接合層14を形成するインジウムとは、インジウムの含有量が100重量%であるものであり、また、インジウム合金とは、40〜99重量%のインジウム(In)に対し、Sn、Ag、Pb、Ab、Zn、Al等の少なくとも一種の金属を含んだもののことを言い、軟質であるとは、各種金属のなかでも硬度が低く、柔軟性に優れていることを言う。
【0027】
また、スペーサ2の形状としては、静電チャック10を金属台座13上に精度良く接合することができる形状であれば、特に限定するものではなく、リング状体や板状体をしたものでも良いが、この場合、リング状体や板状体の上下面に平面度を高精度に仕上げることが難しいため、スペーサ2の形状を円柱状体や球状体とし、3点以上で支持するようにすることが好ましく、その際、静電チャック10の中心線が3つのスペーサ2を結ぶ三角形の内側に位置するように配置すれば良い。
【0028】
次に、本発明のウエハ支持部材1の製造方法を説明する。
【0029】
まず、静電チャック10は、複数枚のセラミックグリーンシートの間に静電吸着用電極12を挟み込んで積層し、一体焼結することによって板状セラミック体を製作し、一方の主面に研磨加工を施してウエハWの設置面11aを形成することにより製作する。
【0030】
そして、この静電チャック10の設置面11aと反対側の表面に、銀、銅、ニッケル等を主体とする金属ペーストを塗布し、焼き付けることによりメタライズ層3を形成する。
【0031】
一方、金属台座13の接合面には、銀、銅、ニッケル等を主体とする金属のメッキ層4を形成する。
【0032】
そして、静電チャック10に形成したメタライズ層3及び金属台座13のメッキ層14上にそれぞれインジウム又はインジウム合金の粉末をアルコールで溶かしたペーストを塗布する。塗布する方法としてはスクリーン印刷法を用いれば良く、最終的な厚みが所定の厚みとなるように印刷する。その後、アルコールを乾燥蒸発させる。
【0033】
次に、静電チャック10と金属台座13を貼り合わせるのであるが、この間に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫等の金属またはこれらを主成分とする合金からなるスペーサ2を配置し、インジウムやインジウム合金の軟化温度(157℃)よりも高い温度まで加熱してインジウムやインジウム合金がメタライズ層3やメッキ層4と充分にれた状態とした後、冷却して硬化させることにより図1に示すウエハ支持部材1を製造することができる。
【0034】
なお、接合層14の形成にあたってはインジウムの箔を用いても構わない。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
ここで、静電チャックと金属台座を接合する接合層にインジウムを用いたウエハ支持部材を製作し、上記接合層の層厚みを異ならせた時に接合部に作用する応力を有限要素法による解析と実験による検証を行った。
【0036】
測定条件としては、静電チャックを形成する板状セラミック体を、直径200mm、厚み3mmの円板状体とし、その材質として窒化アルミニウム質焼結体とアルミナ質焼結体を用い、また、金属台座を、直径200mm、厚み50mm、鍔部の直径300mmの略円板状体とし、その材質としてアルミニウムを用いた。
なお、アルミニウムの熱膨張係数は15×10-6/℃、アルミナ質焼結体の熱膨張係数は7×10-6/℃、窒化アルミニウム質焼結体の熱膨張係数は5×10-6/℃とした。
【0037】
そして、常温(25℃)から100℃の熱サイクルを加えた時に静電チャックと金属台座との間に作用する熱応力を有限要素法により算出した。
結果は表1に示す通りである。
【0038】
【表1】
Figure 0004744015
【0039】
この結果、表1より判るように、接合層の層厚みを厚くすることにより応力を小さくできることが判る。そして、接合層の層厚みを50μm以上とすることで、応力を60MPa以下にまで小さくすることができ、接合層の層厚みを100μm以上とすれば、応力を30〜40MPaにまで小さくすることができた。
【0040】
そこで、ウエハ支持部材を実際に製作し、その時の設置面の平面度を測定するとともに、熱サイクルを加えた時の耐久性について調べる実験を行った。
【0041】
本実験にあたり、静電チャックを形成する板状セラミック体は、直径200mm、厚み3mmの円板状体とし、窒化アルミニウム質焼結体により形成したものを用いた。また、金属台座は、直径200mm、厚み50mm、鍔部の直径300mmの略円板状体とし、アルミニウムにより形成したものを用いた。
【0042】
そして、静電チャックと金属台座を接合する接合層としてインジウムを用い、接合層中には材質を異ならせたスペーサを配置したものと、スペーサを介在させないものを用意した。なお、スペーサを用いたものにあっては、スペーサを、直径120μmの円柱状体とし、このスペーサを3つ金属台座の接合面に等配置するようにした。
【0043】
そして、得られたウエハ支持部材の設置面の平面度を3次元測定機によって測定した後、図3に示すように、半導体製造プロセスに用いられるプラズマエッチング装置の真空処理室内に搭載し、ウエハ支持部材にウエハを吸着保持させた後、真空処理室内に設置されたプラズマ発生用電極とウエハ支持部材の金属台座との間に高周波電力を印加してプラズマを発生させるとともに、エッチングガスとしてCF3ガスを流してエッチング処理を施し、このエッチング処理時に作用する熱によってウエハ支持部材の静電チャックが破損するか、あるいは接合層に剥離が見られるまでの処理回数を調べ、耐久性を評価した。
【0044】
なお、エッチング処理におけるプラズマの出力は4kWとし、エッチング処理時間はウエハ1枚当たり3分とした。
【0045】
結果は表2に示す通りである。
【0046】
【表2】
Figure 0004744015
【0047】
この結果、接合層の層厚みが50μm以下である試料No.1,2は、設置面の平面度を5μm以下とできるものの、表1に見られたように、静電チャックと金属台座との接合部に作用する熱応力が大きいため、1000回程度のエッチング処理により接合層の剥離が見られ、使用不能となった。
【0048】
また、接合層の層厚みを50μm以上とし、スペーサ材としてモリブデンやタングステンを用いた試料No.6,7は、設置面の平面度が30μmと悪かった。しかも、接合層のインジウムとの濡れ性も悪いため、1500回程度のエッチング処理により接合層に剥離が発生し、使用不能となった。
【0049】
これに対し、接合層の層厚みを50μm以上とするとともに、スペーサ材として銅、ニッケル、銀、金、アルミニウム、錫を用いた試料No.3〜5,8〜12は、設置面の平面度が5μm以下と、精度良く静電チャックと金属台座とを接合できるとともに、接合層の層厚みを50μm以上としたものでは、表1に見られるように、静電チャックと金属台座との接合部に作用する熱応力が小さいため、5000回以上のエッチング処理においても耐え得るものであった。
【0050】
この結果、静電チャックと金属台座との接合層の層厚みを50μm以上とするとともに、接合層中に、銅、ニッケル、銀、金、アルミニウム、錫からなるスペーサを介在させることにより、静電チャックを金属台座上に精度良く接合することができ、かつ熱サイクルが加わる環境下でも長期間にわたって使用できることが判る。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、板状セラミック体の一方の主面を、ウエハを載せる設置面とするとともに、上記板状セラミック体中に静電吸着用電極を内蔵した静電チャックと、該静電チャックを形成する板状セラミック体の、表面が平坦な他方の主面にインジウム又はインジウム合金からなり、端部が外部に露出した接合層を介して接合した、接合面が平坦な金属台座とからなるウエハ支持部材において、上記接合層の層厚みを50μm以上とするとともに、上記接合層中に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫等の金属またはこれらを主成分とする合金からなり、上記接合層の層厚みより厚みの小さいスペーサを配置し、上記静電チャックと上記金属台座との間隔を等間隔に保持するようにしたことから、静電チャックを変形させることなく、金属台座に精度良く接合することができるとともに、熱サイクルが繰り返し加わるような環境下で用いたとしても静電チャックの破損や接合層の剥離を防止し、長期間にわたって使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウエハ支持部材を示す断面図である。
【図2】図1のA部を拡大した断面図である。
【図3】耐久性を調べるための実験装置の概略を示す断面図である。
【図4】従来のウエハ支持部材を示す断面図である。
【符号の説明】
1,20:ウエハ支持部材 2:スペーサ 3:メタライズ層 4:メッキ層
10:静電チャック 11:板状セラミック体 11a:設置面
12:静電吸着用電極 13:金属台座 W:ウエハ

Claims (1)

  1. 板状セラミック体の一方の主面を、ウエハを載せる設置面とするとともに、上記板状セラミック体中に静電吸着用電極を内蔵した静電チャックと、該静電チャックを形成する板状セラミック体の、表面が平坦な他方の主面にインジウム又はインジウム合金からなり、端部が外部に露出した接合層を介して接合した、接合面が平坦な金属台座とからなるウエハ支持部材において、上記接合層の層厚みを50μm以上とするとともに、上記接合層中に、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、錫等の金属またはこれらを主成分とする合金からなり、上記接合層の層厚みより厚みの小さいスペーサを配置し、上記静電チャックと上記金属台座との間隔を等間隔に保持するようにしたことを特徴とするウエハ支持部材。
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