JP2017092791A - 複合基板の製造方法 - Google Patents

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安宏 大保
飯塚 誠
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飯塚  誠
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勇樹 村山
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Abstract

【課題】高額な設備投資を必要とせず、簡便で効率的な高特性の表面弾性波デバイス用複合基板の製造方法を提供する。【解決手段】圧電基板と支持基板とを有機接着剤層を介して貼り合せて複合基板を作製する際に、いずれの基板の接着面とも0.01μm以上1.0μm以下の範囲の平均表面粗さ(Ra)を有する基板とすることにより、有機接着剤層を0.1μm以上1.0μm以下の厚さにすることができ、有機接着剤層の外周部を無機有機複合接着剤によりシールすることで、接着層中の気泡の発生を抑えることができ、薄く均一な有機接着剤層を形成することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、複合基板の製造方法に関し、さらに詳しくは表面弾性波デバイス用に使用する圧電基板と支持基板とを接着剤層を介して貼り合せることにより得られる複合基板の製造方法に関する。
従来、圧電基板と支持基板とを貼り合わせた複合基板に、電極を設けて表面弾性波デバイスを作製することが知られている。ここで、表面弾性波デバイスは、例えば、携帯電話などの通信機器におけるバンドパスフィルタとして使用されている。また、圧電基板と支持基板との複合基板は、圧電基板としてはニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムが用いられ、支持基板としてはシリコンや石英などが用いられている。ここで、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムは、温度が上がると膨張し、櫛形電極間の拡大と圧電基板自体の音速低下により、バンドバスフィルタが、低周波側にずれてしまうことが問題となるが、熱膨張係数の小さいシリコンや石英基板と接合することにより周波数低下を改善できることが特許文献1に記載されている。
このように、圧電基板と支持基板とを貼り合せた複合基板が検討されているが、この貼り合せ方法として、例えば、真空中で接合面に不活性ガスのイオンビーム、または中性ビーム、あるいはプラズマを照射し、活性化させた後に接合する方法が特許文献2に開示されている。
一方、圧電基板と支持基板とを貼り合せた複合基板の比較的簡便な製造方法として、有機系接着剤を用いて接合する方法も検討されている。支持基板上にエポキシ系接着剤をスピンコートで塗布し、圧電基板と支持基板とを貼り合せて180℃で加熱硬化することにより、有機接着層の厚さを0.1〜1.0μmと薄くかつ均一な層となるようにして温度特性に優れた複合基板が得られるという複合基板の製造方法が特許文献3や特許文献4に開示されている。
このように、有機接着層を介して圧電基板と支持基板とを貼り合せた複合基板が比較的簡便な方法で得られるため、その温度特性の優れた複合基板の製造方法が検討されている。
例えば、特許文献5では、気泡を巻き込まない基板の貼り合せ方法として、2枚の基板を凸球面状に変形させてから、互いの中心付近から外周部に向かって漸次接触させ、接触スピードが中心付近と外周部でほぼ同じに、又は外周部で遅くなるようにして、前記2枚の基板を 貼り合せる半導体基板の製造方法が開示されている。
特開2006−319679号公報 特開2004−343359号公報 特開2010−153961号公報 特開2010−171955号公報 特開2000−348992号公報
しかしながら、特許文献2の方法では、装置が大掛かりになるだけでなく、活性化した接合面を接合するまで維持するためには高真空が要求されるため、高真空にするまでに時間がかかるなど、工業的に生産性が悪いという問題がある。また、高度な真空設備が必須であるため、設備投資コストが大きくなってしまうという問題もある。
一方、特許文献3や特許文献4に開示されている有機接着剤を用いて接合する方法では、接着剤の層が厚い場合、接着剤の熱膨張により周波数の低下を抑制できなくなるため、接着層を1.0μm以下に薄くする必要がある。しかしながら、エポキシ樹脂など構造接着剤として使用できるものは、表面張力が高く、接着層を薄く均一に塗布することは難しいため、単にエポキシ樹脂を接着剤層として使用することには問題がある。
また、特許文献5に開示されている基板の貼り合せ方法によれば、基板を凸球面状に反らせてから2枚の基板を貼り合せるが、その際に基板が薄いためその応力により破損するおそれがある。
さらに、一般的な基板を貼り合わせる方法として、通常雰囲気下で圧電基板または支持基板の中心に接着剤を塗布し、圧電基板と支持基板を貼り合わせて中心から加圧することによって、気泡を追い出しながら接着層の厚みを薄くすることも提案されている。しかしながら、特許文献5にも記載されている通り、接着剤が基板の間に入る前に基板同士が接触すると、基板同士が弱く結合し、その間に接着剤が入り込まなくなり、その部分のみ接着されなくなる。また、加圧によっても基板間の接着剤が押し出されて基板同士が接触してしまうことがあり、同様にその部分が接着されなくなるなど、種々の問題が生じるため、これらの課題を解消できる簡便で効率的な表面弾性波デバイス用複合基板の製造方法が望まれていた。
本発明は、これらの種々の課題に鑑みてなされたものであり、高額な設備投資を必要とせず、簡便で効率的な表面弾性波デバイス用複合基板の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上述の目的を達成するために鋭意検討した結果、圧電基板と支持基板とを有機接着剤層を介して貼り合せて複合基板を作製する際に、それぞれの基板の接着面が特定の範囲の平均表面粗さ(Ra)を有する基板とすることにより、有機接着剤層を0.1μm以上1.0μm以下の厚さにすることができ、かつ有機接着層中の気泡の発生を抑えることができ、薄く均一な有機接着層を形成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明は、
圧電基板と支持基板とを、厚さが0.1μm以上1.0μm以下の有機接着剤層を介して貼り合せる複合基板の製造方法であって、以下の工程[A]、工程[B]、工程[C]を有することを特徴とする複合基板の製造方法である。
工程[A]:タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム、ランガサイト、水晶の群から選択される圧電基板と、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、アルミナ、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、水晶の群から選択される支持基板を出発材料として準備し、前記圧電基板と前記支持基板とを有機接着剤を用いて貼り合せるいずれの基板の平均表面粗さ(Ra)ともに0.01μm以上1.0μm以下である、圧電基板および支持基板を準備する工程。
工程[B]:前記圧電基板と前記支持基板との接着面にエポキシ接着剤を塗布し、圧力をかけて貼り合わせ、0.1μm以上1.0μm以下の厚さの有機接着剤層を形成し、さらに、無機有機複合接着剤で有機接着剤層の外周部をシールした後に、熱硬化させて、圧電基板と支持基板とを貼り合わせる工程。
工程[C]:貼り合せた圧電基板の厚さを支持基板の厚さの1/5以下に研磨加工する工程。
また、本発明では、工程[B]において、エポキシ接着剤が常温硬化型二液混合型エポキシ接着剤であることが好ましい。
本発明の複合基板の製造方法によれば、圧電基板及び支持基板のいずれの基板の接合面の平均表面粗さ(Ra)とも0.01μm以上1.0μm以下とすることで圧電基板と支持基板が直接密着することなく均一な有機接着層が形成され、かつ気泡の発生を抑え、未接着部分の無い良好な常温での接合が行われるため、反りがなく、クラックの発生を抑制される。また、接合部分の外周を耐熱性に優れた無機有機複合接着剤でシールすることで、表面研磨時におきるクラック発生を抑制することができ、ポストキュアや250〜300℃の高温プロセスにも耐えることができる。このように、様々な改善を施すことで、温度変化による周波数特性の変動を極めて小さく抑えることができ、温度特性に優れた表面弾性波デバイス用複合基板として使用することができる。
また、本発明の複合基板の製造方法によれば、高額な設備投資を必要とせず、簡便で効率的な高特性の表面弾性波デバイス用複合基板の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施例1の工程B後の複合基板の断面図である。 図2は、本発明の実施例2の工程C後の複合基板の断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。また、本明細書において、「x〜y」(x、yは任意の数値)との表記は、特に断らない限り「x以上y以下」の意味である。
[1.複合基板]
本実施の形態に係る複合基板は、圧電基板と支持基板と、両者を貼り合せる有機接着剤層とからなる構成の複合基板である。
ここで、圧電基板としては、弾性表面波を伝搬することが可能な基板が挙げられ、この圧電基板の材質としては、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム、ランガサイト、水晶などが挙げられる。
また、支持基板の材質としては、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、アルミナ、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、水晶など圧電基板よりも熱膨張係数が小さい材料が挙げられる。
圧電基板は、上記材質の基板であれば、特に限定しないが、この圧電基板の大きさは、例えば、直径が50 〜 150 mm 、厚さが150 〜 500μmの基板を好適に使用することができる。
支持基板は、上記材質の基板であれば、特に限定しないが、この支持基板の大きさは、例えば、直径が50 〜 150 mm 、厚さが150 〜 500μmの基板を好適に使用することができる。半導体デバイス用に最も実用化されているシリコン基板は、コスト的にも、品質安定性の面からも、最も好ましい。
これらの圧電基板、支持基板は、いずれも基板表面を研磨して、所望の平均表面粗さ(Ra)に制御している。通常、研磨加工を繰り返すことで数μmから0.000nμmまでコントロールすることができる。
また、圧電基板は、最初に準備した基板を支持基板に有機接着層および無機有機複合接着剤シール層を介して貼り合せた後にさらに研磨加工され、最終的な複合基板としての圧電基板の厚さは、支持基板の厚さの1/5以下の厚さとすることが好ましく、1/10以下の厚さであることがさらに好ましい。具体的には、圧電基板の厚さは、5〜100μmとすることが好ましい。また、5〜30μmとすることがより好ましい。5μmより薄いと、研磨加工するときにクラックが生じる恐れがあり、100μmより厚いと、複合基板が加熱されたときに割れる恐れがあるため好ましくない。
有機接着剤層を形成する有機接着剤としては、基板との接着性に優れるエポキシ接着剤が好ましく、中でも常温で接着できる常温硬化型ニ液混合型エポキシ接着剤が特に好ましい。また、有機接着剤層の外周部をシールするシール層を形成する接着剤は、気密性がよく耐熱性にも優れた接着剤が好ましく、無機有機複合接着剤が特に好ましい。
[2.複合基板の製造方法]
次に、本発明に係る複合基板の製造方法について説明する。本発明に係る複合基板の製造方法は、少なくとも[A]圧電基板と支持基板とを準備する工程と、[B]圧電基板と支持基板とを有機接着剤を用いて貼り合わせる工程と[C]貼り合せた圧電基板の厚さを所望の厚さに研磨加工する工程を有する。
すなわち、本発明に係る複合基板の製造方法は、
圧電基板と支持基板とを、厚さが0.1μm以上1.0μm以下の有機接着剤層を介して貼り合せる複合基板の製造方法であって、以下の工程[A]、工程[B]、工程[C]を有することを特徴とする複合基板の製造方法である。
工程[A]:タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム、ランガサイト、水晶の群から選択される圧電基板と、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、アルミナ、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、水晶の群から選択される支持基板を出発材料として準備し、前記圧電基板と前記支持基板とを有機接着剤を用いて貼り合せるいずれの基板の平均表面粗さ(Ra)ともに0.01μm以上1.0μm以下である、圧電基板と支持基板を準備する工程。
工程[B]:前記圧電基板と前記支持基板との接着面にエポキシ接着剤を塗布し、圧力をかけて貼り合わせ、0.1μm以上1.0μm以下の厚さの有機接着剤層を形成し、さらに、無機有機複合接着剤で有機接着剤層の外周部をシールした後に、熱硬化させて、圧電基板と支持基板とを貼り合わせる工程。
工程[C]:貼り合せた圧電基板の厚さを支持基板の厚さの1/5以下に研磨加工する工程を含む。
以下に、各工程について詳細に説明する。
<[A]圧電基板と支持基板を準備する工程>
工程[A]においては、圧電基板と支持基板を準備する。
本発明に係る圧電基板は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム、ランガサイト、水晶の群から選択することができる。
本発明に係る支持基板は、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、アルミナ、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、水晶の群から選択することができる。
ここで、前述したとおり、上記材料の基板であれば特に制限されないが、次の工程[B]で有機接着剤を用いて貼り合せる接着面の平均表面粗さ(Ra)を所定の範囲とすることが重要である。すなわち、圧電基板と支持基板の内、いずれの基板の接着面の平均表面粗さ(Ra)とも0.01μm以上1.0μm以下とする。
通常市販されている基板は、鏡面研磨されている場合は、基板表面の平均表面粗さ(Ra)は数nmレベルである。従って、本実施における所定の接着面の平均表面粗さ(Ra)でなければ、粗面化処理などにより所定の平均表面粗さ(Ra)は0.01μm以上1.0μm以下とする必要がある。粗面化処理は、機械加工やブラスト加工など公知の方法により行うことができる。
<[B]圧電基板と支持基板とを貼り合わせる工程>
次の工程[B]では、工程[A]で準備した圧電基板と支持基板とをエポキシ接着剤を用いて貼り合わせる。有機接着剤層の厚さを0.1〜1.0μmと薄くしなければ、表面弾性波デバイス用に使用する場合、温度変化による周波数特性の変動を抑えることは難しい。有機接着剤層の厚さが0.1μm未満では接着強度が不足し、1.0μmを超えると圧電基板と支持基板との熱膨張係数の差がこの有機接着剤層に吸収され、支持基板で圧電基板の熱膨張を抑える効果がなくなってしまう。従って、有機接着剤層の厚さを0.1〜1.0μmの範囲とすることが重要である。
貼り合せに使用する有機接着剤としては、基板との接着性に優れるエポキシ接着剤が好ましく、中でも常温で接着できる常温硬化型ニ液混合型エポキシ接着剤が特に好ましい。例えば、太陽金網株式会社製耐熱エポキシ接着剤Duralco4461IP、東亜合成株式会社製エポキシ接着剤AP−209などがあげられる。
有機接着層を、この所定の厚さに薄くするにはプレスすることが有効であり、1.25MPa程度の圧力をかけることで、0.1μm以上1.0μm以下の層厚にすることができる。この圧力で圧電基板と支持基板とを貼り合わせる場合に、接着面の平均表面粗さ(Ra)が、0.01μmより小さくなると、圧電基板と支持基板が直接接触し、その間に接着剤が入らなくなり、接着されない部分が多くなり、接着強度不足となり、歩留りが低下して好ましくない。また、接着面の平均表面粗さが1.0μmを越えると、有機接着層の厚さを1.0μm以下に抑えることが難しくなり、温度変化による周波数特性の変動を抑える効果が不十分となる。
このように、適度な表面粗さを有する基板の接着面とすることにより、有機接着層の厚さを0.1μm以上1.0μm以下の薄さで均一な層厚を形成することができ、温度変化による圧電基板の周波数特性の変動を抑えることができ、表面弾性波デバイス用基板として好適に使用することができる。
具体的な圧電基板と支持基板の接着方法は、以下の通りである。まず、圧電基板または支持基板の中心にエポキシ接着剤を塗布し、両者を重ね合わせた状態で1.25MPa程度の圧力でプレスし、エポキシ接着剤を硬化させることにより貼り合わせ基板を作製する。
中心より外側に押し広げることによって、気泡を含まずに接着することができる。ここで、好ましいエポキシ接着剤の滴下方法としては、ディスペンサー等が挙げられる。また常温で接着できる常温硬化型ニ液混合型エポキシ樹脂を使用することで、加熱などの処理が不要で常温のまま硬化できるのでより好ましい。
次に、圧電基板と支持基板を貼り合わせた後、複合基板の有機接着剤層の外周全面にシール材として耐熱性接着剤を塗布し、熱硬化させる。この時、大気雰囲気中で行うと複合基板の接着剤に気泡が入ったりする恐れがあるので、真空雰囲気中で熱硬化させるのがより好ましい。
シール材としては、気密性がよく、かつ耐熱性がある接着剤が必要であるため、耐熱性エポキシ接着剤の中で、有機成分と無機成分とを含有し通常のエポキシでは達成できない300℃以上の耐熱性を有する無機有機複合接着剤を使用する。例えば、太陽金網株式会社製耐熱エポキシ接着剤Duralco4700、太陽金網株式会社製耐熱エポキシ接着剤Duralco4703などがあげられる。
<[C]貼り合せた圧電基板の厚さを所望の厚さに研磨加工する工程>
最後に、貼り合せた圧電基板の厚さを所望の厚さに研磨加工する工程について説明する。温度特性に優れた表面弾性波デバイス用に適した基板として使用することから、支持基板との強固な接着により圧電基板の膨張を抑制するためには、圧電基板の厚さを支持基板の厚さより薄くすることが必要となる。最終的な複合基板としての圧電基板の厚さは、支持基板の厚さの1/5以下の厚さとすることが好ましく、1/10以下の厚さであることがさらに好ましい。具体的には、圧電基板の厚さは、5〜100μmとすることが好まし、5〜30μmとすることがより好ましい。圧電基板の厚さが5μmより薄いと、研磨加工するときにクラックが生じる恐れがあり、100μmより厚いと、複合基板が加熱されたときに割れる恐れがあるため好ましくない。
当初から、所定の厚さの薄い圧電基板を準備することができれば、研磨加工は不要であるが、貼り合わせる際に、圧電基板が薄いために破損する恐れがあるので、厚い圧電基板を貼り合わせた後、圧電基板を研磨加工することにより所望の厚さとすることができるため、貼り合せた後に研磨加工する。
このようにして得られた複合基板は、圧電基板が強固に支持基板に接合しており、温度変化による圧電基板の周波数特性の変動を抑え、温度特性に優れた表面弾性波デバイス用に適した基板として使用することができる。
以下に、本発明の実施例を示してさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、支持基板として、オリエンテーションフラット部(OF部)を有し、直径が100mm(4インチ)、厚さが350μmのシリコン基板を準備した。また、圧電基板として、OF部を有し、直径が100mm、厚さが350μmのタンタル酸リチウム基板を準備した。ここでシリコン基板は、接合面の平均表面粗さ(Ra)が、0.15μmであり、タンタル酸リチウム基板は接合面の平均表面粗さ(Ra)が、0.2μmであった。接着の前に濡れ性を改善する目的で、低圧水銀ランプにより紫外光5mWを5分間照射した。
照射後の表面エネルギーはシリコン基板の接合面で46dynであり、タンタル酸リチウム基板の接合面で42dynであった。シリコン基板の接合面に耐熱性二液性エポキシ接着剤(太陽金網株式会社製耐熱エポキシ接着剤Duralco4461IP)を50mg塗布し、上からタンタル酸リチウム基板を重ねてプレス圧1.25MPaでプレスし、その状態で16時間放置し、エポキシ接着剤を硬化させて複合基板を得た。この時、エポキシ接着剤層の厚さは、およそ1.0μmであり、接着剤層の厚みはほぼ均一であった。
次に、複合基板の有機接着剤層の外周部を耐熱性エポキシ接着剤(Duralco4700、太陽金網株式会社製)でシールし、減圧下、120℃で4時間加熱硬化した。この時、貼り合わせ時の耐熱性エポキシ樹脂のポストキュアを同時に行った。
次に、圧電基板を厚さが35μmになるまで研磨し、複合基板を得た。
得られた複合基板を300℃の電気炉に30分間放置したが、貼り合わせ時の耐熱性エポキシ接着剤層に変色、質量の減少などはなく、十分せん断強度を保持していた。
[比較例1]
実施例1と同様にシリコン基板とタンタル酸リチウム基板を準備し、耐熱性二液性エポキシ接着剤(太陽金網株式会社製耐熱エポキシ接着剤Duralco4461IP)を塗布して接合させたのみで、耐熱性エポキシ接着剤による外周部のシールを行わずに、圧電基板を厚さが35μmになるまで研磨して、複合基板を得た。
比較例1の複合基板を300℃の電気炉に30分間放置したところ、接合面にあるエポキシ接着剤層は変色し、シリコン基板とタンタル酸リチウム基板が剥離した。また表面研磨時に圧電基板端部にクラックが発生していた。
10 複合基板、
・ 圧電基板、
・ 2 支持基板、
・ 3 有機接着剤層(エポキシ接着剤)、
・ 4 シール材(無機有機複合接着剤)

Claims (2)

  1. 圧電基板と支持基板とを、厚さが0.1μm以上1.0μm以下の有機接着剤層を介して貼り合せる複合基板の製造方法であって、以下の工程[A]、工程[B]、工程[C]を有することを特徴とする複合基板の製造方法。
    工程[A]:タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム、ランガサイト、水晶の群から選択される圧電基板と、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、アルミナ、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、水晶の群から選択される支持基板を出発材料として準備し、前記圧電基板と前記支持基板とを有機接着剤を用いて貼り合せるいずれの基板の平均表面粗さ(Ra)ともに0.01μm以上1.0μm以下である、圧電基板と支持基板を準備する工程。
    工程[B]:前記圧電基板と前記支持基板との接着面にエポキシ接着剤を塗布し、圧力をかけて貼り合わせ、0.1μm以上1.0μm以下の厚さの有機接着剤層を形成し、さらに、無機有機複合接着剤で有機接着剤層の外周部をシールした後に、熱硬化させて、圧電基板と支持基板とを貼り合わせる工程。
    工程[C]:貼り合せた圧電基板の厚さを支持基板の厚さの1/5以下に研磨加工する工程。
  2. 前記エポキシ接着剤が常温硬化型二液混合型エポキシ接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の複合基板の製造方法。
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