JP2003046158A - 圧電素子用部材 - Google Patents

圧電素子用部材

Info

Publication number
JP2003046158A
JP2003046158A JP2001228020A JP2001228020A JP2003046158A JP 2003046158 A JP2003046158 A JP 2003046158A JP 2001228020 A JP2001228020 A JP 2001228020A JP 2001228020 A JP2001228020 A JP 2001228020A JP 2003046158 A JP2003046158 A JP 2003046158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
piezoelectric
piezoelectric ceramic
piezoelectric element
bonding surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001228020A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4931297B2 (ja
Inventor
Taiji Tateyama
泰治 立山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001228020A priority Critical patent/JP4931297B2/ja
Publication of JP2003046158A publication Critical patent/JP2003046158A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4931297B2 publication Critical patent/JP4931297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電素子用部材を形成する厚みの薄い圧電セラ
ミック板と厚みの厚い他の基板とを接着層を介して貼り
付けるにあたり、接着剤の収縮や圧電セラミック板の分
極処理により圧電素子用部材の外周部に反りが発生し、
また、うねりが発生するという課題があった。 【解決手段】圧電素子用部材1を形成する厚みの薄い圧
電セラミック板2と厚みの厚い他の基板3とを接着層4
を介して貼り付けるにあたり、圧電セラミックスからな
る基板2の少なくとも接着面2aと反対側の表面2bに
おける表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1μm以下と
するとともに、圧電セラミック板2には、接着面2aか
ら接着面と反対の表面2bに向けて分極処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータ、
ダイヤフラム、ブザー等の圧電素子に使用される、圧電
セラミック板と他の基板とを接着層を介して貼り合わせ
た圧電素子用部材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、アクチュエータ、ダイヤフラム、
ブザーなどには、上面に電極層を備えた圧電セラミック
板と、この圧電セラミック板を補強あるいは固定するた
めの補助板とを導電性を有する熱硬化性接着剤からなる
接着層を介して貼り付けた圧電素子が用いられている。 【0003】特に、アクチュエータに関しては、近年、
精密加工分野や光学分野において、サブミクロンオーダ
ーでの位置制御が求められており、この位置制御に圧電
セラミックスに電界を加えたときに起こる逆圧電効果や
電歪効果に基づく変位を利用したものが多く使用されて
いる。 【0004】このような圧電素子を製造するには、例え
ばアルミナ、ジルコニア、フォルステライト等の絶縁性
セラミックスや樹脂あるいは金属からなる補助板の接着
面に、スキージ法、スクリーン印刷法、オフセット印刷
法、デイスペンサー等の方法にてペースト状の導電性を
有する熱硬化性接着剤を塗布した後、予め厚み方向に分
極処理を施した圧電セラミック板を重ね、加圧しながら
接着剤を加熱硬化させ、しかる後、圧電セラミック板の
上面に電極層を形成するようになっていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した圧
電素子を形成する圧電セラミック板と補助板とを貼り付
けるにあたり、圧電セラミック板及び補助板の接着面に
はラップ式研磨加工や平面研削加工を施して平坦に仕上
げた後、補助板の接着面にペースト状の導電性を有する
熱硬化性接着剤を塗布し、次いで圧電セラミック板を重
ねた後、加圧しながら接着剤を加熱硬化させるのである
が、圧電セラミック板の厚みが補助板より薄い場合、接
着剤が収縮することで、補助板の外周部が接着層側に反
り、その結果、圧電素子全体に反りが発生するという課
題があった。しかも、圧電セラミック板に、その上面か
ら接着面に向かう分極処理を施すと、圧電素子の反りが
さらに大きくなるといった不都合があった。 【0006】また、圧電セラミックスからなる基板の厚
みが薄い場合、うねりを生じることがあり、このような
うねりを有する基板を補助板に貼り合わせると、圧電セ
ラミックスからなる基板はうねりを持ったまま貼り合わ
されることになり、接着層の厚みを均一にすることがで
きないといった課題があった。 【0007】その為、このような反りやうねりがある圧
電素子用部材をアクチュエータ等に使用すると、所望の
変位が得られなかったり、変位の精度が悪いといった課
題があった。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、厚みの異なる二枚の基板を接着層をを介して
貼り合わせてなり、上記二枚の基板のうち厚みの薄い基
板を圧電セラミックスにより形成した圧電素子用部材で
あって、上記圧電セラミックスからなる基板の少なくと
も接着面と反対側の表面における表面粗さを算術平均粗
さ(Ra)で1μm以下とするとともに、上記圧電セラ
ミックスからなる基板には、上記接着面から接着面と反
対の表面に向けて分極処理を施すようにしたことを特徴
とする。 【0009】なお、本発明において、「接着面から接着
面と反対の表面に向けて分極処理を施すようにした」と
は、圧電セラミックスからなる基板の接着面側に正の電
圧を、接着面と反対側の表面側に負の電圧をそれぞれ印
加して分極処理を施したことを言う。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。 【0011】図1は、本発明の圧電素子用部材の一例を
示す一部を破断した斜視図、図2は本発明の圧電素子用
部材の一例を示す断面図である。 【0012】この圧電素子用部材1は、厚みの薄い圧電
セラミックスからなる基板2と、基板2よりも厚みの厚
い他の基板3とを熱硬化性接着剤からなる接着層4を介
して貼り付けたもので、例えば、この圧電素子用部材1
をアクチュエータとして利用するには、他の基板3に、
アルミナ等の絶縁性セラミックス、あるいは金属や樹脂
を用いるとともに、接着層4に導電性を有する熱硬化性
接着剤を用い、かつ圧電セラミックスからなる基板2に
接着面2aから接着面2aと反対側の表面2bに向けて
分極処理を施し(接着面2aに正の電圧を、接着面2a
と反対側の表面2bに負の電圧をかけて分極処理す
る)、基板2の接着面2aと反対側の表面2bに、銀、
ニッケル等の金属あるいはこれらの合金を、蒸着法やメ
ッキ法にて被着して電極層を形成すれば良く、接着層4
と電極層との間に電圧を印加すれば、基板2の厚み方向
と垂直の横方向に基板2が屈曲変位をし、アクチュエー
タとして機能させることができる。 【0013】また、このような圧電素子用部材1を製造
するには、焼結された圧電セラミックスからなる基板2
を用意し、遊離砥粒として粒径が5〜10μmの炭化珪
素粒子を用いた両面ラップ盤によるラップ式研磨加工を
施すか、あるいは粒径が5〜10μmのダイヤモンド砥
粒を固着したダイヤモンドホイールを用いた平面研削盤
による平面研削加工を施して所定の厚みを持ち、少なく
とも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面粗さを
算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下にした圧電セラ
ミックスからなる基板2を製作する。 【0014】また、他の基板3も上述と同様な加工を行
い、基板2より厚くしたものを製作する。 【0015】次に、圧電セラミックスからなる基板2の
接着面2a及び接着面2aと反対側の表面2bにそれぞ
れ銀等の電極層を形成し、シリコンオイル中にて例えば
1.0〜3.0kV/mmの電界を印加し、接着面2a
に形成した電極層に正の電圧を、接着面2aと反対側の
表面2bに負の電圧を印加して分極処理を施した後、両
電極層を除去する。そして、他の基板3の接着面3aに
ペースト状の熱硬化性接着剤を塗布し、次いで圧電セラ
ミックスからなる基板2の接着面2aを基板3の接着面
3aと対向させて重ねた後、加圧しながら接着剤を加熱
硬化させることにより得ることができる。 【0016】そして、本発明の圧電素子用部材1によれ
ば、上述したように、厚みの薄い圧電セラミックスから
なる基板2に、接着面2aから接着面2aと反対側の表
面2bに向かう分極処理を施してあることを特徴とす
る。 【0017】即ち、圧電素子用部材1を形成する厚みの
薄い圧電セラミックス(分極処理なし)からなる基板2
と、厚みの厚い他の基板3の接着面2a,3a間にペー
スト状の熱硬化性接着剤を介在させ、加圧しながら加熱
硬化させる際、接着剤が収縮し、特に基板3の接着面3
a側には収縮応力が、基板3の接着面3aと反対側の表
面3bには引っ張りの応力が作用し、図4に示すように
圧電素子用部材1の外周部が接着層側に反ることにな
る。 【0018】一方、圧電セラミックスからなる基板2に
は圧電効果を発揮させるため、分極処理を施すのである
が、分極前は平坦な板であっても、分極後は図3に示す
ように、電圧のプラス極側からマイナス極側への分極方
向と反対方向に基板2の外周部が反る傾向がある。 【0019】そこで、本件発明者は、この両者の現象に
着目し、圧電素子用部材1における圧電セラミックスか
らなる基板2に、接着面2a(プラス極側)から接着面
2aの反対側の表面2b(マイナス極側)に向けて分極
処理を施すことで、接着剤の収縮に伴い反りを発生させ
ようとする力を、分極処理により基板2を変形させよう
とする力で相殺させ、図2に示すように、反りが少ない
圧電素子用部材1が得られることを見出した。 【0020】また、圧電セラミックスからなる基板2へ
の分極処理にあたっては、電界の強度を大きくすること
で分極の度合いが大きくなり、その結果、反り具合も大
きくなる。従って、分極処理時に加える電界強度を、圧
電セラミックスの圧電特性を損なわない範囲で制御する
ことにより、圧電素子用部材1の反りをさらに低減する
ことが可能となる。 【0021】ただし、圧電素子用部材1における圧電セ
ラミックスの圧電効果を十分に発揮させるためには、圧
電セラミックスからなる基板2に加える分極方向を設定
するだけでなく、圧電セラミックスからなる基板2の少
なくとも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面粗
さを算術平均粗さ(Ra)で1μm以下とすることが重
要である。 【0022】即ち、圧電セラミックスからなる基板2の
少なくとも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面
粗さが粗いと、分極処理により発生する引っ張り応力が
表面全体にわたって均一に発生せず、局部的に負荷され
るため、うねりを伴った反りが発生するものと考えられ
る。 【0023】そして、本件発明者の実験によれば、圧電
セラミックスからなる基板2の接着面2aと反対側の表
面2bにおける表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1.
0μmを超えると、うねりを伴った反りを十分に解消す
ることができず、圧電セラミックスからなる基板2の少
なくとも接着面2aと反対側の表面2bにおける表面粗
さを算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下とすること
で、圧電セラミックスからなる基板2の接着面2aと反
対側の表面2b全体に引っ張り応力を一様に発生させ、
うねりの度合いを十分に低減することができるため、他
の基板3に貼り合わせれば、接着層4の厚みを均一にす
ることができ、反りの少ない圧電素子用部材1が得られ
ることを見出し、本発明に至った。 【0024】好ましくは圧電セラミックスからなる基板
2の少なくとも接着面2aと反対側の表面2bにおける
表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.5μm以下とす
ることが良く、このようにすることで圧電素子用部材1
の反りをより一層低減することができる。 【0025】なお、基板3の表面粗さについては特に限
定するものではないが、圧電素子用部材1の安定した変
位が得られるようにするため、算術平均粗さ(Ra)で
5μm以下とすれば良い。 【0026】ところで、このような圧電素子用部材1の
基板2を形成する圧電セラミックスとしては、特に限定
するものではないが、アクチュエータ、ダイヤフラム、
ブザー等の振動源として一般的に用いられている、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT系)、チタン酸鉛(PT
系)、あるいはこれらを主成分とし、圧電定数等を高め
るためにMg、Nb、Ni、Zn、Sb、TeやSr、
Ba等を少なくとも一種以上置換した圧電セラミックス
を用いることができる。 【0027】また、圧電セラミックスからなる基板2に
貼り付ける他の基板3としては、目的や用途にあわせ
て、金属、樹脂、セラミックス等の材料の中から適宜選
択して用いれば良く、例えば、金属としては、スズ、ア
ルミニウム、銅、ニッケル、チタン、鉄、モリブデン、
あるいはこれらを含有した合金、さらにはステンレス等
を用いることができ、また、セラミックスとしては、ア
ルミナ、ジルコニア、フォルステライト、窒化珪素等を
主成分とする絶縁性セラミックスを用いることができ
る。なお、圧電素子用部材1を例えばブザー等に利用す
る場合、基板3のヤング率が高すぎると効率良く振動し
ない可能性があるため、このような場合、基板3をヤン
グ率が200GPa以下のジルコニア等のセラミックス
や金属等で形成することにより、圧電セラミックスから
なる基板2の電圧付加による振動が基板3によって減衰
されず、効率良く振動させることができ、好ましい。ま
た、高い接着強度が要求されるような場合には、基板2
を形成する圧電セラミックスとの熱膨張差ができるだけ
近似した材料を基板3に用いることが好ましい。 【0028】また、上記基板2及び3の寸法は用途によ
り様々であるが、例えば角板の場合、10mm〜250
mm×20mm〜300mm×厚さ0.1mm〜3mm
の寸法の基板を用いれば良い。 【0029】さらに、接着層4を形成する熱硬化性接着
剤としては、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、
フェノール系接着剤等の一般的な熱硬化性接着剤を用い
ることができ、中でも高い接着強度が得られるエポキシ
系接着剤が好適である。また、接着層4に導電性を持た
せる場合には、上記熱硬化性接着剤中に導電性を有する
導電性付与剤を添加したものを用いれば良い。 【0030】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は、図1及び図2に示す圧電素子用部材1に
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲であれば、改良や変更できることはいう迄もない。 【0031】 【実施例】ここで、圧電セラミックスからなる厚みの薄
い基板と、圧電セラミック製の基板より厚みの厚い他の
基板とを熱硬化性接着剤からなる接着層を介して貼り合
わせた圧電素子用部材において、圧電セラミックスから
なる基板の分極方向と、接着面と反対側の表面における
表面粗さを異ならせた時の反りの大きさやうねりの有無
ついて調べる実験を行った。 【0032】具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)を主成分とする圧電セラミックスからなり、その板
厚が0.7mmの基板を用意し、この基板の上下面に銀
の電極層をそれぞれ被着し、電極層間に通電して基板厚
み方向に2.0kV/mmの電界を負荷して分極処理を
施した後、上下の電極膜を取り除き、粒径5μmの炭化
珪素砥粒を用いてラップ加工を行うことにより、外形寸
法が50mm×50mmで、接着面と反対側の表面にお
ける表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.1μm〜
3.0μmの範囲で異ならせた板厚が0.2mmの基板
をそれぞれ製作した。 【0033】次に、ジルコニアセラミックス及びモリブ
デンからなり、外形寸法が50mm×50mm、板厚が
0.7mmである他の基板の接着面にエポキシ系接着剤
(商品名;EPOTEK353−ND)を転写法にて塗
布した後、上記圧電セラミックスからなる基板の接着面
を貼り合わせ、真空チャンバー内にて、8KPaの減圧
下で、加圧しながら100〜150℃の温度で熱処理す
ることによって、エポキシ系接着剤を硬化させることに
より、試料となる圧電素子用部材を製作した。 【0034】なお、他の基板の表面粗さは算術平均粗さ
(Ra)で1.0μmとなるようにした。 【0035】そして、得られた各圧電素子用部材の反り
の大きさとうねりの有無を測定した。 【0036】なお、圧電セラミックスからなる基板の反
りの大きさとうねりの有無、及び圧電素子用部材の反り
の大きさは、表面粗さ測定機を使用して、圧電セラミッ
クスからなる基板及び圧電素子用部材の表面上の対角線
上にて測定長さ50mmでの表面粗さ曲線の形状から測
定した。反りは表面曲線の最上部(測定開始点または終
了点)と最下部(測定中央部または基板の中央部付近)
の高さの差とした。また、うねりについては表面曲線の
形状を見て有るか無いかの判断をした。 【0037】また、圧電セラミックスからなる基板と貼
り合わせる他の基板については、基板表面の算術平均粗
さ(Ra)が0.1μm〜0.2μmのものを使用し
た。 【0038】それぞれの結果は表1に示す通りである。 【0039】 【表1】【0040】この結果、表1より判るように、試料N
o.1〜7のように、圧電セラミックスからなる基板
に、その接着面(正の電圧)から接着面と反対の表面
(負の電圧)に向けて分極処理を施せば、試料No.
8,9のように、圧電セラミックスからなる基板に、接
着面と反対の表面(正の電圧)から接着面(負の電圧)
に向けて分極処理を施したものと比較して圧電素子用部
材1の反りを大幅に低減できることが判る。 【0041】ただし、試料No.5〜7のように、圧電
セラミックスからなる基板の接着面と反対側の表面にお
ける表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1.0μmを超
えると、圧電セラミックスからなる基板にうねりを伴っ
た反りが発生し、その結果、この圧電セラミックスから
なる基板を貼り合わせた圧電素子用部材もまた反りが大
きくなっていた。 【0042】これに対し、試料No.1〜4に示すよう
に、圧電セラミックスからなる基板に、その接着面(正
の電圧)から接着面と反対の表面(負の電圧)に向けて
分極処理を施すとともに、圧電セラミックスからなる基
板の接着面と反対側の表面における表面粗さを算術平均
粗さ(Ra)で1.0μm以下とすれば、圧電セラミッ
クスからなる基板にうねりを生じることがなく、その結
果、この圧電セラミックスからなる基板を貼り合わせた
圧電素子用部材の反りを極めて小さくすることができ、
優れていた。 【0043】この結果、圧電セラミックスからなる基板
に、その接着面(正の電圧)から接着面と反対の表面
(負の電圧)に向けて分極処理を施すとともに、圧電セ
ラミックスからなる基板の接着面と反対側の表面におけ
る表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1.0μm以下と
すれば、反りの少ない圧電素子用部材を得ることがで
き、この圧電素子用部材をアクチュエータに用いれば、
安定して所望の変位を発生させることができることが判
る。 【0044】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、厚みの
異なる二枚の基板を接着層を介して貼り合わせてなり、
上記の基板のうち厚みの薄い基板を圧電セラミックスに
より形成した圧電素子であって、上記圧電セラミックス
からなる基板の少なくとも接着面と反対側の表面におけ
る表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1μm以下とする
とともに、上記圧電セラミックスからなる基板には、上
記接着面から接着面と反対の表面に向けて分極処理をす
ることにより、反りやうねりのない圧電素子用部材を提
供することができ、例えばこの圧電素子用部材をアクチ
ュエータに用いれば、安定して所望の変位が得られる信
頼性の高いアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の圧電素子用部材の一例を示す一部を破
断した斜視図である。 【図2】本発明の圧電素子用部材の一例を示す断面図で
ある。 【図3】分極処理した圧電セラミックスからなる基板の
反り状態を示す断面図である。 【図4】厚みの薄い圧電セラミックスからなる基板と厚
みの厚い他の基板とを貼り合わせた時の状態を示す断面
図である。 【符号の説明】 1:圧電素子用部材 2:圧電セラミックスからなる基
板 2a:接着面 2b:接着面と反対側の表面 3:他の基板 3a:接
着面 3b:接着面と反対側の表面 4:接着層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】厚みの異なる二枚の基板を接着層を介して
    貼り合わせてなり、上記二枚の基板のうち厚みの薄い基
    板を圧電セラミックスにより形成した圧電素子用部材で
    あって、上記圧電セラミックスからなる基板の少なくと
    も接着面と反対側の表面における表面粗さを算術平均粗
    さ(Ra)で1μm以下とするとともに、上記圧電セラ
    ミックスからなる基板には、上記接着面から接着面と反
    対の表面に向けて分極処理を施してあることを特徴とす
    る圧電素子用部材。
JP2001228020A 2001-07-27 2001-07-27 圧電素子用部材 Expired - Fee Related JP4931297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228020A JP4931297B2 (ja) 2001-07-27 2001-07-27 圧電素子用部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228020A JP4931297B2 (ja) 2001-07-27 2001-07-27 圧電素子用部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003046158A true JP2003046158A (ja) 2003-02-14
JP4931297B2 JP4931297B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=19060590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001228020A Expired - Fee Related JP4931297B2 (ja) 2001-07-27 2001-07-27 圧電素子用部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4931297B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005027404A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Kyocera Corp 圧電アクチュエータ装置及びインクジェットヘッド
WO2022230712A1 (ja) * 2021-04-27 2022-11-03 キヤノン株式会社 振動型アクチュエータ、光学機器および電子機器
JP7439415B2 (ja) 2019-08-28 2024-02-28 住友金属鉱山株式会社 圧電性基板、圧電性基板の製造方法、及び複合基板

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04298085A (ja) * 1991-03-26 1992-10-21 Kyocera Corp 圧電性磁器の製造方法
JPH05275764A (ja) * 1992-03-24 1993-10-22 Toyota Motor Corp 圧電積層体
JPH06151997A (ja) * 1992-11-09 1994-05-31 Murata Mfg Co Ltd セラミック基板の分極方法
JPH06196770A (ja) * 1992-12-24 1994-07-15 Murata Mfg Co Ltd 圧電素子の製造方法
JPH09239977A (ja) * 1996-03-06 1997-09-16 Seiko Epson Corp インクジェット記録ヘッド用圧電振動子ユニット、及びその製造方法
JPH1189254A (ja) * 1997-09-08 1999-03-30 Wac Data Service Kk 圧電アクチュエータ
JPH11252694A (ja) * 1998-03-05 1999-09-17 Toshiba Corp 超音波発生素子の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04298085A (ja) * 1991-03-26 1992-10-21 Kyocera Corp 圧電性磁器の製造方法
JPH05275764A (ja) * 1992-03-24 1993-10-22 Toyota Motor Corp 圧電積層体
JPH06151997A (ja) * 1992-11-09 1994-05-31 Murata Mfg Co Ltd セラミック基板の分極方法
JPH06196770A (ja) * 1992-12-24 1994-07-15 Murata Mfg Co Ltd 圧電素子の製造方法
JPH09239977A (ja) * 1996-03-06 1997-09-16 Seiko Epson Corp インクジェット記録ヘッド用圧電振動子ユニット、及びその製造方法
JPH1189254A (ja) * 1997-09-08 1999-03-30 Wac Data Service Kk 圧電アクチュエータ
JPH11252694A (ja) * 1998-03-05 1999-09-17 Toshiba Corp 超音波発生素子の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005027404A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Kyocera Corp 圧電アクチュエータ装置及びインクジェットヘッド
JP7439415B2 (ja) 2019-08-28 2024-02-28 住友金属鉱山株式会社 圧電性基板、圧電性基板の製造方法、及び複合基板
WO2022230712A1 (ja) * 2021-04-27 2022-11-03 キヤノン株式会社 振動型アクチュエータ、光学機器および電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4931297B2 (ja) 2012-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4349952B2 (ja) ウェハ支持部材とその製造方法
JP5421402B2 (ja) ウェハ支持部材
JP5466001B2 (ja) 圧電材料の処理
JP2003224180A (ja) ウエハ支持部材
GB2367532A (en) Layered piezoelectric unit with first and second members wherein recesses or protrusions are formed on the surface of the first member jointed to the second
WO2014129625A1 (ja) 試料保持具
JP4666903B2 (ja) ウェハ支持部材
JP5846186B2 (ja) 静電チャック装置および静電チャック装置の製造方法
JPH04333266A (ja) 被覆または積層ダイヤモンド基板及びその仕上方法
JP4931302B2 (ja) 圧電素子用部材
JP4931297B2 (ja) 圧電素子用部材
JP5476213B2 (ja) 圧電素子の製造方法
US20180072035A1 (en) Laminate material bonding
JP3979694B2 (ja) 静電チャック装置およびその製造方法
JPH10209256A (ja) 静電チャック装置およびその製造方法
JP4744015B2 (ja) ウエハ支持部材
JP2003110159A (ja) 圧電セラミックス同士の貼付構造体及びこれを用いたインクジェット記録ヘッド
JP4795529B2 (ja) セラミック基板、薄膜回路基板およびセラミック基板の製造方法
WO2001034870A1 (fr) Cible de pulverisation et procede de broyage d'une cible de pulverisation
JP2007302923A (ja) 成膜方法
JP7496250B2 (ja) 基板固定装置、静電チャック及び静電チャックの製造方法
JP4736315B2 (ja) 圧電素子及びその製造方法
JP4956875B2 (ja) 薄膜圧電体基板とこれを用いた電子部品、および薄膜圧電体基板の製造方法
JP4715128B2 (ja) 圧電素子の製造方法
JP2000246574A (ja) 静電チャックおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4931297

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees