JP2000246574A - 静電チャックおよびその製造方法 - Google Patents

静電チャックおよびその製造方法

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JP2000246574A
JP2000246574A JP4769499A JP4769499A JP2000246574A JP 2000246574 A JP2000246574 A JP 2000246574A JP 4769499 A JP4769499 A JP 4769499A JP 4769499 A JP4769499 A JP 4769499A JP 2000246574 A JP2000246574 A JP 2000246574A
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electrode
electrostatic chuck
plate
dummy
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JP4769499A
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English (en)
Inventor
Ichiro Uchiyama
一郎 内山
Koichi Terao
公一 寺尾
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りが小さく、かつ静電吸着力の面内均一性
が高い静電チャックを提供する。 【解決手段】 静電チャック10は、電気絶縁性セラミ
ックスからなる板状体1中に電極2が埋め込まれた構造
を有する。電極2は、静電吸着面1bと板状体1の中心
との間に配置される。また、静電吸着面1bに対向する
裏面1cと該中心との間に少なくとも、セラミックスよ
りも電極2の材料に近い熱膨張係数を有する材料または
電極2の材料と同じ熱膨張係数を有する材料からなる層
4が配置される。層4は、該中心に対して、電極2と対
称的であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気力により材
料を吸着保持する静電チャックおよびその製造方法に関
し、特に、半導体製造装置、スパッタリング装置、蒸着
装置等においてシリコンウェーハ等を保持するために用
いられる静電チャックおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電チャックは、図13に示すように、
基材101に支持される電極102上に誘電体層101
aを設け、誘電体層101aに覆われた電極102と誘
電体層101a上に置かれた材料103との間に電圧を
印加し、両者の間に発生した静電気力によって材料10
3を吸着保持する装置である。たとえば半導体製造プロ
セスにおいて用いられる静電チャックは、プラズマ等の
苛酷な環境下で使用されるため、耐熱性や耐食性が要求
される。また、ウェーハのエッチング処理等において処
理面の均質性を向上させるため、ウェーハの均熱性に寄
与できる材料を静電チャックに用いることが望ましい。
さらに、吸着力の面内均一性を確保するため、電極上に
設けられる誘電体層の厚みを均一にすることが要求され
る。
【0003】特開昭62−157752号公報は、静電
チャックの製造に関し、セラミック絶縁基板の表面に形
成した電極をセラミック未焼成シートで覆ってホットプ
レスしセラミック絶縁保護膜を形成する方法、セラミッ
クス絶縁基板の表面に形成した電極上にセラミックを溶
射した後、金属アルコキシドなどのアモルファスをコー
トする方法、およびCVD法やPVD法等によりセラミ
ックス絶縁保護膜を形成する方法を開示する。これらの
方法によれば、比較的平滑な吸着面を形成することがで
きる。しかし、ホットプレス、セラミックス溶射、CV
DまたはPVDを用いると、製造コストがかさむように
なる。また、これらの方法により、絶縁膜を別に形成す
ると、電極を覆う絶縁膜の密着性は、劣るようになる。
特に大型の静電チャックの場合、繰り返される熱サイク
ルによって、電極周辺の絶縁膜にクラックが発生しやす
くなる。
【0004】一方、静電チャックは、セラミックスのグ
リーンシートを、内部電極層とともに積層し、得られる
積層体を焼成することにより、製造することができる。
この場合、一体的な焼結体として静電チャックを得るこ
とができ、電極を覆う絶縁部の密着性は、比較的優れて
いる。しかし、グリーンシートを用いる方法により、6
インチを超える大型ウェーハ用の静電チャックを製造す
ると、反りが発生しやすかった。発生した反りを解消す
るために、吸着面を研磨等の方法により加工すると、電
極と吸着面との距離が不均一になり、吸着力の面内均一
性が、不十分になりやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した反りの発生を効果的に防止することができる静電チ
ャックの構造および製造方法を提供することである。
【0006】本発明のさらなる目的は、抜熱および吸着
力について面内均一性に優れた静電チャックを提供する
ことである。
【0007】本発明のさらなる目的は、熱サイクルに対
し耐熱性や耐久性に優れた静電チャックを提供すること
である。
【0008】本発明のさらなる目的は、一般的なカーボ
ン焼成炉を用いて低コストで製造できる信頼性の高い静
電チャックおよびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による静電チャッ
クは、電気絶縁性セラミックスからなる板状体中に電極
が埋め込まれた構造を有する静電チャックであって、板
状体の静電吸着を行なうべき面と板状体の厚み方向にお
ける中心との間に、電極が配置されており、さらに、板
状体の静電吸着を行なうべき面に対向する面と、板状体
の厚み方向における中心との間に少なくとも、電気絶縁
性セラミックスよりも電極の材料に近い熱膨張係数を有
する材料からなる層または電極の材料と同じ熱膨張係数
を有する材料からなる層が配置されていることを特徴と
する。
【0010】本発明による静電チャックにおいて、上記
層は、厚み方向における中心に対し、電極と略対称的な
位置に配置されていることが好ましい。
【0011】また、本発明により静電チャックの製造方
法が提供され、この方法は、セラミックス粉末を主成分
とする複数枚のグリーンシートを、電極用材料を主成分
とする第1の層、およびセラミックスよりも電極用材料
に近い熱膨張係数を有する材料または電極用材料と同じ
熱膨張係数を有する材料を主成分とする第2の層ととも
に、重ねて、第1の層および第2の層が内部に存在し、
かつ第1の層と第2の層との間に存在するすべてのグリ
ーンシートの厚みの合計が第1の層の上に存在するすべ
てのグリーンシートの厚みの合計よりも大きい積層体を
得る工程と、得られた積層体を焼成する工程とを備え
る。焼成工程において、第2の層は、セラミックスと第
1の層の電極用材料との間の焼成収縮差または熱膨張差
に起因する反りの発生を抑制するよう働くことができ
る。
【0012】本発明による製造方法において、第2の層
は、積層体の厚み方向における中心に対し、第1の層と
略対称的な位置に配置されることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】セラミックス内部に電極が埋設さ
れた静電チャックにおいて、たとえば、ウェーハを吸着
する表面から電極までの距離は、通常50〜500μm
であり、一方、電極から裏面までの距離は、セラミック
スの機械的強度を確保するため通常2〜5mmである。
このような構造の静電チャックを、セラミックスのグリ
ーンシートと電極材料とを積層し焼成する方法によって
製造すると、セラミックスと電極材料との間の焼結収縮
差や熱膨張係数差に起因して反りが発生しやすかった。
そこで、本発明者は、積層体内の適当な位置に、内部電
極と熱的挙動が類似するかほぼ等しいダミー層をさらに
設けることによって、焼成時の反りを低減できることを
見出した。ダミー層は、積層体の厚み方向における中心
に対し、電極材料層と対称な位置に配置することが好ま
しいが、吸着面に対向する面(裏面)と積層体の厚み方
向における中心との間に少なくとも配置されていれば、
電極材料層による影響を少なくとも部分的に相殺するこ
とができ、反りを低減する効果を得ることができる。ダ
ミー層は、電極材料と同じ材質であることが好ましい
が、セラミックスより電極材料に近い熱膨張係数を有す
る材料によっても、反りを低減する効果を得ることがで
きる。
【0014】図1は、本発明による静電チャックの一具
体例を示す。静電チャック10は、電気絶縁性セラミッ
クスからなる板状体1を本体として有し、板状体1の内
部には、所定の大きさおよび形状の内部電極2が設けら
れている。内部電極2上には、板状体1の一部であり所
定の厚みを有する誘電体層(電気絶縁層)1aが存在す
る。誘電体層1aの表面1bは、ウェーハ等の材料を保
持するための吸着面として機能することができる。板状
体1の内部には、必要に応じて、内部電極2に接続され
る配線部(図示省略)が設けられる。内部電極2には静
電吸着力を発生させるため電圧が印加される。
【0015】板状体1の内部には、さらにセラミックス
より電極に近い熱膨張係数を有する材料または電極と同
じ熱膨張係数を有する材料からなるダミー層4が配置さ
れている。ダミー層4は、板状体1の厚み方向における
中心(点線で示される)と板状体の裏面1cとの間にお
いて、該中心に対し、内部電極2と対称な位置に設けら
れている。ダミー層4は、該中心に対し内部電極2と面
対称な関係にある。ダミー層4は、内部電極2とほぼ同
じ大きさおよび/または形状を有する。内部電極から表
面1bまでの距離をX、ダミー層4から裏面1cまでの
距離をYとすると、YはXにほぼ等しい。ダミー層4
は、製造過程における静電チャックの反りを制御するよ
う機能する。
【0016】このような構造の静電チャックにおいて、
板状体は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素
(Si34)、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、
炭化ケイ素(SiC)等の炭化物系セラミックス、酸化
アルミニウム(Al23)、酸化ケイ素、酸化マグネシ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の酸化物系セラ
ミックス等からなる。高い熱伝導率を有する窒化アルミ
ニウムは、より好ましい材料である。板状体は、通常、
焼結助剤成分を含むかまたは含まない焼結体である。
【0017】板状体の内部に設けられる電極の材質は、
タングステン、モリブデン、銅、銀、パラジウム、金、
白金およびそれらの合金からなる群より選ぶことが好ま
しいが、これらに限定されるものではない。ダミー層の
材質も同様にタングステン、モリブデン、銅、銀、パラ
ジウム、金、白金およびそれらの合金からなる群より選
ぶことが好ましいが、これらに限定されるものではな
い。タングステンまたはモリブデンは、適当な導電率を
有しかつ高い融点を有するため、本発明において好まし
い材料である。ダミー層は、電極と同じ材質であること
がより好ましいが、セラミックスより電極に近い熱膨張
係数を有する材料をダミー層に用いることにより、本発
明の目的を達することができる。熱膨張係数としては、
線膨張係数が一般に用いられる。
【0018】図1に示すような構造の静電チャックにお
いて、内部電極上に存在する誘電体層の厚みのばらつき
は、できるだけ小さいことが望ましい。本発明では、内
部電極上に存在する誘電体層の厚みの分布を、10%以
下にすることができる。誘電体層の厚みの分布は、以下
の式に従って求めることができる。
【0019】厚みの分布(%)=(最大厚み−最小厚
み)×100(%)/平均厚み (式中、最大厚みおよび最小厚みは、誘電体層において
最も厚い部分の厚みおよび最も薄い部分の厚みであり、
平均厚みは、誘電体層の厚みの平均である。) 誘電体層の厚みは、静電チャックの吸着面から内部電極
までの距離(深さ)に相当する。
【0020】また、図1に示すような構造において、X
およびYはそれぞれ50〜500μmとすることができ
る。また板状体の厚みtは、2〜5mmとすることがで
き、電極とダミー層との間の間隔Zは、500〜300
0μmとすることができる。
【0021】本発明において必要に応じて板状体の内部
には、配線部が設けられる。配線部の材質も、タングス
テン、モリブデン、銅、銀、パラジウム、金、白金およ
びそれらの合金からなる群より選ぶことが好ましいが、
これらに限定されるものではない。配線部は、内部電極
と同一または同種の材料からなってもよいし、異なる材
料からなってもよい。
【0022】板状体の適当な位置たとえば裏面には、必
要に応じて端子部を設けてもよい。端子部は、内部電極
または配線部と同一または同種の材料からなってもよい
し、異なる材料からなってもよい。
【0023】本発明において、ダミー層と電極とは、図
2および図3に示すように、板状体11の中心に対して
非対称であってもよい。図2に示す静電チャック20で
は、裏面11cからダミー層14までの距離Yは、表面
(吸着面)11bから内部電極12までの距離Xよりも
大きい。図3に示す静電チャック30では、板状体21
の裏面21cからダミー層24までの距離Yは、表面
(吸着面)21bから内部電極22までの距離Xよりも
小さい。ただし、いずれの場合も、ダミー層は、点線で
示される中心と裏面との間にある。このような場合にお
いて、Xは50〜500μmであることが好ましく、Y
は25〜1000μmであることが好ましい。また、ダ
ミー層と電極との距離Zは、500〜3000μmとす
ることができる。さらにYの値は、X/2〜2Xの範囲
にあることが好ましい。板状体、電極等の材質は、上記
と同様とすることができる。
【0024】本発明によれば、図4に示すように複数の
ダミー層を有する静電チャックを提供することもでき
る。静電チャック40において、板状体31中には、表
面31bからXの距離に内部電極32が配置されてい
る。さらに、板状体31の中心、および中心と裏面31
cとの間に、ダミー層34aおよび34bが設けられて
いる。ダミー層34bと裏面31cとの距離はYで表わ
される。ダミー層34bと内部電極32とは、中心に対
して対称、特に面対称であることが好ましいが、非対称
であってもよい。XおよびYの値は、上述と同様の範囲
とすることができ、Yの値は、X/2〜2Xの範囲にあ
ることが好ましい。2またはそれ以上のダミー層を配置
することによって、熱に対する材料分布の対称性は、さ
らに向上し、反りを抑制する効果を高めることができ
る。
【0025】上述したように、1またはそれ以上のダミ
ー層と、電極とは、板状体の厚み方向における中心に対
して、対称、特に面対称な位置に配置することが好まし
い。また、ダミー層の大きさおよび/または形状は、電
極とほぼ同じであることが好ましい。さらに、必要に応
じて所定の配置および形状で、板状体内に配線層が設け
られる場合、そのような配線層に対応するダミー層を設
けてもよい。そのような例を図5(a)および図5
(b)に示す。図5(a)の静電チャック50aにおい
て、板状体41a中には、内部電極42aに接続された
配線層46aが設けられている。この配線層46aに対
応して、板状体41a中には、ダミー層44aに接続さ
れたダミー配線層48aが設けられている。ダミー配線
層48aは、板状体41aの厚み方向における中心に対
して、配線層46aと対称に配置されることが好まし
い。ダミー配線層48aは、配線層46aと同じ熱膨張
係数を有する材料またはセラミックスよりも配線層46
aに近い熱膨張係数を有する材料で構成される。とく
に、ダミー配線層48aは、配線層46aと同じ材料で
構成されることが好ましい。図5(b)の静電チャック
50bにおいて、板状体41b中には、内部電極42b
に接続された配線層46bが設けられている。この配線
層46bに対応して、板状体41b中には、ダミー層4
4bとダミー配線層48bが設けられている。ダミー配
線層48bは、板状体41bの面方向における中心に対
して、配線層46bと対称に配置されることが好まし
い。ダミー配線層48bは、配線層46bと同じ熱膨張
係数を有する材料またはセラミックスよりも配線層46
bに近い熱膨張係数を有する材料で構成される。とく
に、ダミー配線層48bは、配線層46bと同じ材料で
構成されることが好ましい。ダミー配線層48aとダミ
ー配線層48bの具体的な材質は、上述したような配線
層の材質と同様とすることができる。
【0026】一方、本発明において、ダミー層は、電極
と異なる大きさおよび/または形状を有していてもよ
い。図6は、その一例を示している。静電チャック60
において、板状体51の裏面51cと中心との間に配置
されるダミー層54は、内部電極52と異なる形状を有
している。このようなダミー層は、中心に対して、内部
電極52と対称的な位置に設けられることが好ましい
が、非対称的な位置に設けられてもよい。このような構
造は、配線部等の配置によりダミー層を電極と同じ形状
にすることができないとき便利である。
【0027】図7に、本発明による製造方法の一例を示
す。まず、図7(a)に示すようなセラミックス粉末を
主成分とするグリーンシート71aを与える。グリーン
シートは、複数枚用意される。グリーンシートは市販の
ものを用いてもよいし、静電チャックの製造のため特別
に調製してもよい。グリーンシートは、たとえばセラミ
ックス粉末を有機結合剤、溶剤、必要に応じて可塑剤な
どと混合したスラリーをドクターブレード法に従って薄
いシート状にしたものである。セラミックス粉末は、一
般に、焼結体を調製するための無機材料である。グリー
ンシート中のセラミックス粉末として、窒化アルミニウ
ム焼結体、窒化ケイ素焼結体、炭化ケイ素焼結体、アル
ミナ焼結体、酸化ケイ素焼結体、酸化マグネシウム焼結
体、酸化ジルコニウム焼結体、酸化チタン焼結体、窒化
ホウ素焼結体等を生成させるための材料(各主成分の粉
末および必要に応じて焼結助剤)が好ましく用いられ
る。たとえば、窒化アルミニウム焼結体を得たい場合、
グリーンシートのセラミックス粉末として、AlN粉末
およびCaO、Y23等の焼結助剤の粉末が用いられ
る。グリーンシートのための結合剤には、ポリビニルブ
チラール、エチルセルロースなどが用いられる。グリー
ンシートには、必要に応じてポリアルキレングリコー
ル、フタール酸エステルなどの可塑剤、グリセリン、オ
レイン酸、オレイン酸エチルなどの解こう剤などが添加
される。スラリーを調製するための溶剤には、トルエ
ン、メチルエチルケトンなどが用いられる。セラミック
ス粉末、結合剤、溶剤などを含むスラリーは、ドクター
ブレード法によって一定の厚さの層にされ、乾燥工程の
後グリーンシートが得られる。本発明に用いるグリーン
シートの厚みは、たとえば50〜500μmとすること
ができる。
【0028】また、図7(b)に示されるように、同様
に調製されたグリーンシート71b上に、電極材料層7
2を所定のパターンで形成する。電極材料層72は、金
属粉末、樹脂等の有機結合剤、溶剤等を含むペーストを
スクリーン印刷法等によって所定のパターンでグリーン
シート71b上に塗布することにより形成することがで
きる。金属は、たとえば、タングステン、モリブデン、
銅、銀、パラジウム、金、白金およびそれらの合金から
なる群から選択することができる。
【0029】さらに、図7(c)に示すように、グリー
ンシート71c上にダミー材料層74を所定のパターン
で形成する。ダミー材料層は、グリーンシート中の主成
分であるセラミックスよりも電極材料層の主成分である
金属に近い熱膨張係数を有する材料または当該金属と同
じ熱膨張係数を有する材料を主成分とする。特に、ダミ
ー材料層は、電極材料層と同じ材料で構成されることが
好ましい。ダミー材料層は、上述した電極材料層と同様
の材料を用いて同様の方法により好ましく調製すること
ができる。
【0030】次いで、図7(d)に示すように、電極材
料層72およびダミー材料層74とともに複数枚のグリ
ーンシート71a、71b、71d、71e、71fお
よび71cを重ね合わせる。電極材料層72およびダミ
ー材料層74は、グリーンシート71aとグリーンシー
ト71bとの間に挟み込まれる。電極材料層72を覆う
ためのグリーンシート71aは、導電材料を有しておら
ず、焼成工程の後、静電吸着のための誘電体層をもたら
す。なお、図7には示していないが、必要に応じて所望
の長さの配線部を得るため、貫通孔や表面に配線用材料
が設けられたグリーンシートを1枚またはそれ以上積層
することができる。
【0031】図7(d)においては、グリーンシート7
1aの下に、電極材料層72が設けられたグリーンシー
ト71b、その下に、グリーンシート71d、71eお
よび71f、その下に、ダミー材料層74が設けられた
グリーンシート71cが重ねられている。グリーンシー
ト71cは、ダミー材料を覆い、ダミー材料を表面に露
出させない役割を果たす。本発明において、重ねられる
グリーンシートの枚数は任意であり、必要な静電チャッ
クのサイズ等に応じて変えることができる。すなわち、
電極材料層72を覆うため複数枚のグリーンシートを用
いてもよいし、電極材料層72とダミー材料層74との
間の複数枚のグリーンシートは、1枚のシートに置換え
てもよい。さらに、最下層に複数枚のグリーンシートを
設けてもよい。
【0032】重ね合わされたグリーンシートは、加熱下
で圧力を印加することにより接着させることができる。
このような熱圧着の工程では、グリーンシートに含まれ
る樹脂等の有機結合剤の粘性を高めることによって、接
着効果を得ることができる。このような接着効果を得る
ため、たとえば75〜150℃の温度での加熱が一般に
行なわれる。印加される圧力は、たとえば50〜150
kgf/cm2 である。このとき、グリーンシートは塑
性変形するが、その変形量は温度と圧力に依存する。し
たがって、圧着されるものの部分部分で温度が異なって
いると、それらの部分における変形量は異なり、特に厚
みについてばらつきが生じる。また、圧着されるものの
外周部は内部に比べて付与される拘束力が小さい傾向に
あるため、外周部の変形量は大きくなる傾向にある。5
インチ程度のサイズの静電チャックを製造する場合、一
般的な温度分布5%の条件下であっても、電極上に形成
される誘電体層の厚みの分布を10%以下にすることが
できる。一方、8インチまたは12インチのウェーハの
ための静電チャックを製造する場合、被圧着物における
温度のばらつきおよび圧力のばらつきは大きくなる傾向
にあり、また外周部と内部との間の拘束力の差もより大
きくなってくる。これらのばらつきおよび拘束力の差が
顕著になると、誘電体層の厚みの分布は10%を超える
ようになる。したがって、このような熱圧着の工程にお
いて、重ね合わされたものの各部分の温度は、その平均
温度×0.98〜その平均温度×1.02の範囲に入る
よう加熱温度を制御することが好ましい。この制御によ
って、熱と圧力によるシート変形量の面内均一性を保
ち、特に、6インチを超える大型製品においても焼結体
における誘電体層の厚みの分布を10%以下にできる。
すなわち、たとえば重ね合わせられたものの平均温度が
100℃である場合、その各部分の温度は98〜102
℃の範囲に入ることが好ましい。
【0033】図7(e)は、熱圧着により得られた積層
体を示している。積層体80内は、電極材料層72およ
びダミー材料層74が設けられる。電極材料層72およ
びダミー材料層74は、各グリーンシートに覆われてい
る。電極材料層72とダミー材料層74(ダミー材料層
が複数ある場合、裏面に最も近いダミー材料層)との間
にある全グリーンシートの厚みの合計D2は、電極材料
層72を覆う全グリーンシートの厚みの合計D1よりも
大きい。厚みD1(導電材料から積層体表面までの最短
距離)は、100μm以上であることが好ましい。ま
た、ダミー材料層を覆うグリーンシートの厚みD3は、
100μm以上であることが好ましい。グリーンシート
積層体の焼成にカーボン焼成炉を使用する場合、タング
ステンやモリブデンは炭化され、抵抗値の高い炭化物が
生成されるおそれがある。この問題に対し、100μm
以上の厚みの保護層で導電材料を覆えば、このような炭
化の影響を排除することができる。これにより、一般的
なカーボン焼成炉を用いて低コストで焼成を行なうこと
ができる。このような炭化の影響を排除して、電気抵抗
率が20μΩ・cm以下の電極および配線を形成するこ
とができ、グリーンシート内に配置された導電材料を有
効に用いることができる。
【0034】次に、得られた積層体を焼成する。積層体
の温度を上昇させていき、グリーンシート中のセラミッ
クス粉末について焼結体が得られる温度において焼成が
行なわれる。たとえば窒化アルミニウム焼結体を得る場
合、1600〜1900℃の範囲の温度において焼成が
行なわれる。焼成により、積層体全体を焼結させること
ができ、独立した材料同士の接着部を実質的に有しない
一体焼結型の静電チャック構造を得ることができる。こ
のような構造は、吸着面の均一性に優れ、プラズマ雰囲
気、高温などの苛酷な環境下で使用できるものである。
また、焼成工程において、ダミー材料層は、セラミック
スと電極用材料との間の焼成収縮差または熱膨張差に起
因する反りの発生を抑制するよう働くことができる。焼
成工程の後、必要に応じて研削加工等の加工を施し、必
要に応じて適当な箇所に端子部等を設ければ、静電チャ
ックを得ることができる。
【0035】
【実施例】市販の窒化アルミニウム粉末(平均粒径約2
μm)に、焼結助剤として炭酸カルシウム粉末3重量%
および酸化イットリウム粉末1.5重量%を添加し、バ
インダとしてポリビニルブチラール、溶剤としてトルエ
ンおよびキシレンを添加し、ボールミル中で混合するこ
とによりスラリーを調製した。得られたスラリーからド
クターブレード法によりグリーンシートを作製した。グ
リーンシートの厚みは300μmであった。
【0036】一方、市販のタングステン粉末と適当な担
体(ビヒクル)を混合することにより、導電ペーストを
調製した。次いで、グリーンシートの表面に導電ペース
トをスクリーン印刷法により、φ240mmの所定のパ
ターンで印刷し、電極材料層およびダミー材料層とし
た。図8〜12に示すように、そのままのグリーンシー
ト、電極材料層が設けられたグリーンシート、およびダ
ミー材料層が設けられたグリーンシートを積重ね、10
0℃において100kgf/cm2で圧着し一体化し
た。得られた積層体をカーボン焼成炉において窒素雰囲
気中1650℃の温度で焼成し、円板上の焼結体を得
た。
【0037】得られた焼結体の反りを、レーザー変位計
を用いて測定した。また、焼結体の表面および裏面を平
行研磨した後、電極層を覆う誘電体層の厚み分布を測定
した。吸着面内の静電容量の分布を測定し、その測定値
から厚み分布を求めた。
【0038】測定の結果を表1に示す。本発明に従う実
施例1〜4では、反りが50μm以下であり、誘電体層
の厚み分布は10%以下であった。一方、比較例1で
は、100μmを上回る反りが発生し、誘電体層の厚み
の分布は10%を上回った。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、反りや
誘電体層の厚みの分布が小さく、静電吸着力の均一性に
優れた静電チャック、特に大型の静電チャックを提供す
ることができる。また本発明によれば、熱サイクルによ
って内部電極とセラミックスとの密着性の低下が起こり
難い一体化された静電チャックを提供することができ
る。本発明は、高品質で大型の静電チャックを低コスト
で製造するのに適している。本発明は、たとえば8イン
チおよび12インチの大型ウェーハを保持する静電チャ
ックの製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静電チャックの一具体例を模式的
に示す断面図である。
【図2】本発明による静電チャックのもう一つの具体例
を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明による静電チャックの他の具体例を模式
的に示す断面図である。
【図4】本発明による静電チャックの他の具体例を模式
的に示す断面図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明による静電チャ
ックのさらなる具体例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明による静電チャックのさらなる具体例を
模式的に示す断面図である。
【図7】(a)〜(e)は本発明による製造方法の一具
体例を模式的に示す断面図である。
【図8】比較例におけるグリーンシート積層体の構造を
模式的に示す断面図である。
【図9】実較例1におけるグリーンシート積層体の構造
を模式的に示す断面図である。
【図10】実較例2におけるグリーンシート積層体の構
造を模式的に示す断面図である。
【図11】実較例3におけるグリーンシート積層体の構
造を模式的に示す断面図である。
【図12】実較例4におけるグリーンシート積層体の構
造を模式的に示す断面図である。
【図13】静電チャックの機構を模式的に示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1、11、21、31、41a、41b、51 板状体 2、12、22、32、42a、42b、52 内部電
極 4、14、24、34、44a、44b、54 ダミー
層 10、20、30、40、50a、50b、60 静電
チャック 80 グリーンシート積層体 82 電極材料層 84 ダミー材料層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性セラミックスからなる板状体
    中に電極が埋め込まれた構造を有する静電チャックにお
    いて、 前記板状体の静電吸着を行なうべき面と前記板状体の厚
    み方向における中心との間に、前記電極が配置されてお
    り、かつ前記板状体の静電吸着を行なうべき面に対向す
    る面と、前記板状体の厚み方向における中心との間に少
    なくとも、前記電気絶縁性セラミックスよりも前記電極
    の材料に近い熱膨張係数を有する材料からなる層または
    前記電極の材料と同じ熱膨張係数を有する材料からなる
    層が配置されていることを特徴とする、静電チャック。
  2. 【請求項2】 前記層は、前記厚み方向における中心に
    対し、前記電極と略対称的な位置に配置されていること
    を特徴とする、静電チャック。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の静電チャック
    の製造方法であって、 セラミックス粉末を主成分とする複数枚のグリーンシー
    トを、電極用材料を主成分とする第1の層、および前記
    セラミックスよりも前記電極用材料に近い熱膨張係数を
    有する材料または前記電極用材料と同じ熱膨張係数を有
    する材料を主成分とする第2の層とともに、重ねて、前
    記第1の層および前記第2の層が内部に存在し、かつ前
    記第1の層と前記第2の層との間に存在するすべてのグ
    リーンシートの厚みの合計が前記第1の層の上に存在す
    るすべてのグリーンシートの厚みの合計よりも大きい積
    層体を得る工程と、 前記積層体を焼成する工程とを備え、 前記焼成工程において、前記第2の層は、前記セラミッ
    クスと前記第1の層の電極用材料との間の焼成収縮差ま
    たは熱膨張差に起因する反りの発生を抑制するよう働く
    ことを特徴とする、静電チャックの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の層は、前記積層体の厚み方向
    における中心に対し、前記第1の層と略対称的な位置に
    配置されることを特徴とする、請求項3に記載の製造方
    法。
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