JP6372569B2 - 誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサに関し、詳しくは、Ba、Ti、Zr、およびRe(La、Ce、Nd、Smの少なくとも1種の希土類元素)を含むペロブスカイト型化合物を含有する誘電体セラミックおよびそれを誘電体層の構成材料として用いた積層セラミックコンデンサに関する。
近年、電子機器の小型・軽量化にともない、小型で、大容量を取得することが可能な積層セラミックコンデンサが広く用いられている。この積層セラミックコンデンサは、例えば、複数の誘電体層と、誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを有する積層体の外表面に、上記内部電極と導通するように外部電極が配設された構造を有するものが広く知られている。
そして、特許文献1には、このような積層セラミックコンデンサに用いられる材料として、以下のような誘電体材料が提案されている。
すなわち、特許文献1には、「ABO3+aRe+bM+Zr酸化物(ただし、ABO3はチタン酸バリウム系固溶体をペロブスカイト構造を示す一般式で表したもの、ReはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu及びYから選ばれる少なくとも1種類の金属酸化物、MはMg、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu及びZnから選ばれる金属元素の酸化物であり、a、bはそれぞれの酸化物を金属元素が1元素含まれる化学式に換算したときの、ABO31molに対するmol数を示す)で表記したときに、
1.100≦Ba/Ti≦1.700
0.02≦a≦0.10
0.01≦b≦0.05
の範囲にあり、
Zr酸化物は、Tiに対するZrの比率で表記したとき、
Ti:Zr=95:5〜60:40
の範囲にある主成分と、
SiO2またはSiO2を主体とするガラス成分とで構成された焼結体であり、
前記SiO2またはSiO2を主体とするガラス成分は、前記チタン酸バリウム系固溶体100重量部に対して0.2〜5.0重量部の範囲にある」誘電体セラミックが開示されている。
そして、特許文献1によれば、上述の構成を備えた誘電体セラミックは、高温負荷寿命等の信頼性を示す特性が良好であるとされている。具体的には、150℃、25V/μmの負荷で、平均寿命が48時間以上であるとされている。
ところで、近年、自動車の電子化に伴い、上述のような積層セラミックコンデンサが自動車に搭載されることが多くなってきた。
そして、車載の用途の場合、積層セラミックコンデンサは、さらに高温で使用される可能性があり、保証温度が200℃以上というような、これまで以上の耐熱性を備えたものが求められるようになっている。
このような状況下、上述の特許文献1の誘電体セラミックを用いた積層セラミックコンデンサでは、必ずしも十分な高温負荷信頼性を実現することができず、さらに高温負荷信頼性の高い誘電体材料(誘電体セラミック)および積層セラミックコンデンサへの要求が大きくなっているのが実情である。
特開2008−201616号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、比誘電率が比較的大きく、良好な高温負荷寿命を有する誘電体セラミック、良好な高温負荷寿命を有する誘電体セラミックを用いた信頼性(寿命特性)に優れた積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の誘電体セラミックは、
Ba、Ti、Zr、およびRe(La、Ce、Nd、Smの少なくとも1種の希土類元素)を含むペロブスカイト型化合物を含有し、
TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあり、
Pbを含まないこと
を特徴としている。
また、本発明の積層セラミックコンデンサは、
誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、
前記誘電体層が、
Ba、Ti、Zr、およびRe(La、Ce、Nd、Smの少なくとも1種の希土類元素)を含むペロブスカイト型化合物を含有し、
TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にある誘電体セラミックから形成されたものであること
を特徴としている。
また、本発明の他の積層セラミックコンデンサは、
誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、
前記積層体についてみた場合に、
TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあること
を特徴としている。
また、本発明のさらに他の積層セラミックコンデンサは、
誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設されている複数の内部電極とを有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続されている外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、
前記積層体を溶解処理して溶液とした場合において、前記溶液中の
TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあること
を特徴としている。
本発明の誘電体セラミックは、Ba、Ti、Zr、およびRe(La、Ce、Nd、Smの少なくとも1種の希土類元素)を含むペロブスカイト型化合物を含有し、かつ、TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあるようにしているので、高温環境下においても特性の劣化の少ない誘電体セラミックを提供することが可能になる。
なお、本発明の(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域は、図1に示す領域となる。
上記構成を備えることにより、比誘電率が45以上と比較的大きく、250℃という高温での負荷寿命が良好な誘電体セラミックを得ることができる。
すなわち、本発明の誘電体セラミックにおいては、TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)を0.5〜0.95の範囲としたことにより、信頼性劣化の原因となる酸素空孔の発生を抑制しつつ、希土類としてLa、Ce、Nd、Smの軽希土類を所定量含有させることで酸素空孔の移動を抑制し、その相乗効果で信頼性を向上させることが可能になる。
また、本発明の積層セラミックコンデンサは、内部電極間に介在する誘電体層が、Ba、Ti、Zr、およびRe(La、Ce、Nd、Smの少なくとも1種の希土類元素)を含むペロブスカイト型化合物を含有し、かつ、TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にある誘電体セラミックから形成されているので、高温環境下においても良好な信頼性(寿命特性)を有する積層セラミックコンデンサを提供することができる。
また、本発明の他の積層セラミックコンデンサのように、誘電体層と内部電極とを有する積層体についてみた場合に、TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあるようにした場合も、高温環境下において良好な信頼性(寿命特性)を有する積層セラミックコンデンサを提供することができる。
また、本発明のさらに他の積層セラミックコンデンサのように、誘電体層と内部電極とを有する積層体を溶解処理して溶液とした場合において、溶液中のTiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、(x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあるようにした場合も、高温環境下において良好な信頼性(寿命特性)を有する積層セラミックコンデンサを提供することができる。
本発明の誘電体セラミックの組成を示す図である。 本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの内部構成を示す断面図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態]
<試料の作製>
まず、主成分原料として、BaCO3,La23、CeO2、Nd23、Sm23、Gd23、TiO2、ZrO2、および添加物原料としてSiO2の各粉末を準備した。
それから、主成分原料粉末を、組成を一般式(Ba,Re)(Ti,Zr)O3で表したとき(ReはLa、Ce、Nd、Smから選ばれた少なくとも1種の希土類元素)、TiとZrの合計に対するZrのモル比x、BaとReの合計に対するReのモル比yが、表1A,表1Bに示す割合となるように秤量した。さらに、主成分原料粉末を(Ba,Re)(Ti,Zr)O3に換算し、この換算量100重量部に対してSiO2を2重量部の割合で添加して秤量原料粉末を得た。
次いで、秤量原料粉末を純水およびPSZ(Partially Stabilized Zirconia)ボールと共に塩化ビニル製のポットミルに入れ、湿式で十分に混合粉砕し、これを蒸発乾燥させた後、1200℃の温度で仮焼し、仮焼物を得た。
そして、この仮焼物を酸により溶解し、ICP発光分光分析を行った。その結果、Zr/(Ti+Zr)モル比:x、および、Re/(Ba+Re)モル比:yは、表1A、表1Bに示した組成と殆ど同一であることが確認された。
次に、この仮焼物にポリビニルブチラール系バインダーと、エタノールなどの有機溶媒を加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。
それから、このセラミックスラリーをドクターブレード法により、焼成後の誘電体層(誘電体セラミック層)の厚さが2.0μmになるようにシート成形し、矩形のセラミックグリーンシートを得た。
次に、上記セラミックグリーンシート上に、Niを導電成分として含む導電ペーストをスクリーン印刷し、焼成後に内部電極となる内部電極パターンを形成した。
そして、この内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシート(パターン形成シート)を重ねあわせ、両側を内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシート(外層用シート)で挟み、圧着することにより未焼成の積層体を作製した。ここで、各セラミックグリーンシートの積層順序に特別の制約はなく、外層用シート、パターン形成シート、外層用シートの順で積層するようにしてもよい。
そして、この未焼成の積層体を空気中で270℃に加熱することにより、バインダーを除去した後、H2−N2−H2Oガスで酸素濃度を調整した還元性雰囲気にて、1200〜1300℃で2時間保持して焼成することにより、焼結済みの積層体を得た。
次に、焼結済みの積層体の端面にCu電極ペーストを塗布し、焼き付けて外部電極を形成することにより図2、図3に示すような積層セラミックコンデンサ(試料)を得た。
この積層セラミックコンデンサは、積層されている複数の誘電体層(誘電体セラミック層)11と、誘電体層11間の複数の界面に配設されている複数の内部電極12とを有する積層体10と、積層体10の両端面に、交互に逆側の端面に引き出された内部電極12と導通するように配設された一対の外部電極13a,13bとを備えた構造を有している。
得られた積層セラミックコンデンサの寸法は、幅(W)1.0mm、長さ(L)2.0mm、厚さ(T)0.4mmであり、誘電体層の厚さは2.0μmであった。
なお、得られた積層セラミックコンデンサの外部電極(Cu電極)を除去した後、外部電極が除去された後の積層体を酸により溶解し、ICP発光分光分析を行ったところ、Zr/(Ti+Zr)モル比:x、および、Re/(Ba+Re)モル比:yは、表1A、表1Bに示した組成と殆ど同一であることが確認された。
<評価>
作製した試料(積層セラミックコンデンサ)の静電容量を、LCRメータ(アジレント・テクノロジー社製4284A)を用い、25±2℃の温度、周波数1kHz、測定電圧1Vrmsの条件下で測定した。そして、測定した静電容量と試料の寸法値から比誘電率を算出した。
また、作製した試料(積層セラミックコンデンサ)について、高温負荷寿命試験を次の通り行った。高温負荷寿命試験では、各試料番号の試料50個について、温度250℃で、30Vの電圧を印加して、絶縁抵抗の経時変化を測定した。絶縁抵抗が100kΩ以下になった試料を故障と判定し、故障時間のワイブル解析から50%の平均故障時間(MTTF)を求めた。
上述のようにして求めた比誘電率と、高温負荷特性(平均故障時間(MTTF))を表1A、表1Bに併せて示す。
Figure 0006372569
Figure 0006372569
なお、表1A 表1Bにおいて、試料番号に*を付した試料は本発明の要件を備えていない比較用の試料であり、他の試料は本発明の要件を備えた本発明の実施形態にかかる試料である。
本発明の要件を備えた各試料の場合、比誘電率が45以上と大きく、250℃という高温での高温負荷寿命試験でもMTTFが100時間以上という信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることが確認できた。
また、希土類として、Laを用いた場合に限らず、Ce、Nd、Smを用いた場合にも良好な結果が得られることが確認された。
これに対して、本発明の要件を備えていない比較用の試料の場合、比誘電率と高温負荷特性のいずれかが不十分で、総合的に特性の良好な積層セラミックコンデンサを得ることができなかった。
なお、本発明の範囲よりもLa23の添加量が多い試料番号8,16,22の試料についてX線回折を行った結果、これら試料ではペロブスカイト結晶相以外にLa23相が析出していることが確認された。これらのLa23の添加量が多い試料番号8,16,22の試料においては、比誘電率の低いLa23相が析出することにより、材料全体としての比誘電率が低下するとともに、La23相の析出により、高温負荷寿命によるMTTFも100時間を下回る結果になったものと考えられる。
また、本発明の範囲よりもLa23の添加量が少ない試料番号3,12,19の試料の場合、高温負荷寿命によるMTTFが100時間を下回る結果となった。なお、試料番号3および12の試料では、比誘電率が100以上と大きかったが、試料番号19では比誘電率が55と低くなることが確認された。
また、試料番号1、2では本発明の範囲よりもZrO2の添加量が少ないため、高温負荷寿命によるMTTFも100時間を下回る結果となった。
また、本発明の範囲よりもZrO2の添加量が多く、Zr/(Ti+Zr)の値が大きい試料番号25,26の試料では、比誘電率が45を下回り、好ましくない結果となった。
また、希土類としてGdを使用した試料番号30の試料では、高温負荷寿命によるMTTFが100時間を下回る結果となり、好ましくないことが確認された。
なお、上記実施形態では、ペロブスカイト型化合物を(Ba,Re)(Ti,Zr)O3に換算し、この換算量100重量部に対してSiO2を1〜5重量部の割合で配合するようにしているが、SiO2をこの範囲で含有させることにより、焼結性を向上させて、高温負荷寿命を高める効果があることが確認されている。
なお、上記実施形態では、誘電体セラミック原料の配合割合から、誘電体層の組成および、積層体の組成を知ることができるが、上述のように、
(a)誘電体セラミックの製造工程で誘電体セラミック原料を仮焼して得られる仮焼物を酸に溶解して分析を行っても、誘電体層の組成、すなわち、Zr/(Ti+Zr)モル比:x、および、Re/(Ba+Re)モル比:yを確認することが可能であり、また、
(b)積層体を焼結し、外部電極を形成した後の試料(積層セラミックコンデンサ)から、外部電極を除去した後、積層体を酸に溶解し、ICP分析を行うことによっても、積層体における組成、すなわち、Zr/(Ti+Zr)モル比:x、および、Re/(Ba+Re)モル比:yを確認できることが可能であることが確認された。
すなわち、上記実施形態から、誘電体セラミック原料の配合割合から目標とする組成を達成して、本発明の組成を有する誘電体セラミックや、本発明の要件を備えた積層セラミックコンデンサを実現することが可能であること、および、上述の仮焼物や、焼結後の積層体を酸などに溶解させた溶液中の各成分の組成を確認して、本発明の組成を有する誘電体セラミックや、本発明の要件を備えた積層セラミックコンデンサを実現することが可能であることがわかった。
なお、上記実施形態では、本発明の誘電体セラミックを積層セラミックコンデンサに用いているが、本発明にかかる誘電体セラミックは、積層セラミックコンデンサに限らず、LC複合部品などの他の電子部品にも用いることが可能である。
本発明はさらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の誘電体セラミックを製造する場合の各原料の種類、仮焼工程における条件、副成分の割合などに関し、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
10 積層セラミック素子
11 セラミック層
12 内部電極層
13a,13b 外部電極

Claims (4)

  1. Ba、Ti、Zr、およびRe(La、Ce、Nd、Smの少なくとも1種の希土類元素)を含むペロブスカイト型化合物を含有し、
    TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
    BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
    (x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあり、
    Pbを含まないこと
    を特徴とする誘電体セラミック。
  2. 誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体層が、
    Ba、Ti、Zr、およびRe(La、Ce、Nd、Smの少なくとも1種の希土類元素)を含むペロブスカイト型化合物を含有し、
    TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
    BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
    (x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にある誘電体セラミックから形成されたものであること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  3. 誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体についてみた場合に、
    TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
    BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
    (x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  4. 誘電体層と、前記誘電体層間の複数の界面に配設されている複数の内部電極とを有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続されている外部電極とを備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体を溶解処理して溶液とした場合において、前記溶液中の
    TiとZrの合計に対するZrのモル比:Zr/(Ti+Zr)をxとし、
    BaとReの合計に対するReのモル比:Re/(Ba+Re)をyとしたとき、
    (x,y)がA(0.5,0.1)、B(0.95,0.1)、C(0.95,0.2)、D(0.9,0.2)、およびE(0.5,0.35)で囲まれた領域にあること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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