JP5211262B1 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化・大容量化の要求にこたえるための、高誘電率化と薄層化を達成し、しかも絶縁信頼性にも優れた積層セラミックコンデンサを提供すること。
【解決手段】誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体と、前記積層体の積層方向上下の最外層として形成されるカバー層とを有する積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体層がチタン酸バリウム及びケイ素化合物を含む焼結体からなり、前記誘電体層には、平均粒子径が1μm以下のフレスノイト相が存在している、積層セラミックコンデンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、高誘電率、高信頼性の積層セラミックコンデンサに関するものである。
近年、携帯電話などのデジタル電子機器に使用される電子回路の高密度化に伴う電子部品の小型化に対する要求は高く、当該回路を構成する積層セラミックコンデンサの小型化、大容量化が急速に進んでいる。
積層セラミックコンデンサの容量は、当該コンデンサを構成する誘電体層を構成する材料の誘電率や誘電体層の積層数に比例し、誘電体層一層あたりの厚みに反比例する。そこで、小型化の要求にもこたえるため、材料の誘電率を高め、かつ誘電体層の厚みを薄くしてその積層数を増加させることが求められる。
この小型化(例えば、誘電体層の厚みを3μm以下とすることが求められている)、及び大容量化の要求に対応するために、積層セラミックコンデンサの誘電体層を構成する誘電体磁器組成物の誘電率を向上させることが試みられている。
誘電率を向上させる方法として、予め副成分の原料について焙焼処理を施し、焙焼粉とした状態で主成分原料に添加して、副成分原料の分散性を高める方法や、副成分をそれぞれ単独の酸化物として添加して、所定の組成になるように調整することにより高誘電率化を図る方法などが行われている(特許文献1及び2)。
しかしながら、特に、副成分の組成比を変更することにより誘電率を向上させる方法を採用した場合には、高誘電率化の一方で、他の特性が低下してしまうという不具合等があった。そこで、他の特性を低下させずに誘電率を向上させる方法として、所望の偏析を生成させ、添加元素の固溶状態を制御する方法が行われている。
小型化・大容量化の要求にこたえるためには、誘電率の向上だけでなく前述の通り薄層化、多積層化が必要となる。特許文献3では、他の特性を低下させずに誘電率の向上を行う方法として、誘電体層形成材料にMgTiOを添加してMgとSiを含む偏析相を生成させて、誘電率の向上を図っている。
特開平10−255549号公報 特許第3326513号公報 特開2006−173352号公報
誘電体層の薄層化を行うには、誘電体粒子の粒子径を可能な限り微細化することが求められる。しかしながら、粒子径を微細化すると、サイズ効果によって、一粒子あたりの誘電率が低下してしまう。特許文献3に開示されたMgTiOを添加する方法では、Mgが誘電体粒子の粒成長を抑制する作用を有するため、一粒子あたりの誘電率が低い状態で焼結されてしまい、十分な誘電率が得られないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決して、小型化・大容量化の要求にこたえるための、高誘電率化と薄層化を達成し、しかも絶縁信頼性にも優れた積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、誘電体層中もしくは内部電極界面に、平均粒子径が1μm以下のフレスノイト相が存在している積層セラミックコンデンサが、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明は、誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体と、前記積層体の積層方向上下の最外層として形成されるカバー層とを有する積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体層がチタン酸バリウム及びケイ素化合物を含む焼結体からなり、前記誘電体層には、平均粒子径が1μm以下のフレスノイト相が存在している、積層セラミックコンデンサである。
前記フレスノイト相の少なくとも一部は、前記誘電体層と前記内部電極層との界面に存在している。
前記誘電体層は、フレスノイト相の良好な形成および適正な粒成長の観点から、酸化マグネシウムを前記ケイ素化合物1モルに対して0〜4モル含んでいることが好ましい。
前記ケイ素化合物は、良好なフレスノイト相の形成の観点からは、二酸化ケイ素であることが好ましい。また同様な観点から、前記誘電体層におけるケイ素化合物の量は、前記チタン酸バリウム100モルに対して0.5〜5モルであることが好ましい。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層におけるフレスノイト相の存在割合は、通常0.5〜3%である。
本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、前記焼結体の構成粒子に種々の特性を持たせるため、前記誘電体層が種々の添加化合物を含んでいてもよい。特に積層セラミックコンデンサの寿命の観点から、前記誘電体層はさらに希土類元素の酸化物を含むことが好ましい。
本発明の積層セラミックコンデンサにおける誘電体層にはフレスノイト相が存在しているため、当該誘電体層は誘電率に優れ、さらに前記フレスノイト相の平均粒子径は1μm以下であって、過度な偏析が起こらず誘電体層中に分散している。このため、高誘電率を達しつつ、同時に誘電体層の厚みを薄くすることができ、しかもフレスノイト相は絶縁性が高いため、本発明の積層セラミックコンデンサは絶縁信頼性にも優れている。
図1は、本発明の一実施形態による、積層セラミックコンデンサの概略の縦断面図である。 図2は、本発明の積層セラミックコンデンサの、図1と同様の縦断面図における誘電体層と内部電極層の積層部分の拡大模式図である。
以下、本発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサを説明する。図1は、本発明の積層セラミックコンデンサ1の概略縦断面図である。
積層セラミックコンデンサ1は、規格で定められたチップ寸法及び形状(例えば1.0×0.5×0.5mmの直方体)を有するセラミック焼結体10と、セラミック焼結体10の両側に形成される一対の外部電極20とから概ね構成される。セラミック焼結体10は、チタン酸バリウムの粒子結晶を主成分とし、内部に誘電体層12と内部電極層13とが交互に積層されてなる積層体11と、積層方向上下の最外層として形成されるカバー層15とを有している。
積層体11は、静電容量や要求される耐圧等の仕様に応じて、2枚の内部電極層13で挟まれる誘電体層12の厚さが3μm以下(例えば1μm程度)であって、全体の積層数が数十〜数百の高密度多層構造を有している。
積層体11の最外層部分に形成されるカバー層15は、誘電体層12及び内部電極層13を外部からの湿気やコンタミ等の汚染から保護し、それらの経時的な劣化を防ぐ。
積層セラミックコンデンサ1は、例えば次のようにして製造される。まず、チタン酸バリウムを主成分とする微粒子の原料粉末を添加化合物とともに湿式混合し、得られた混合物を乾燥、粉砕してセラミック粉末を調製する。
チタン酸バリウムはペロブスカイト構造を有する正方晶化合物であって、高い誘電率を示す。このチタン酸バリウムは、一般的に、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させてチタン酸バリウムを合成することで得られる。このチタン酸バリウムを所望の粒径の粉末とするため、熱処理して焼成を行う。
前記チタン酸バリウムの合成方法としては従来種々の方法が知られており、例えばゾルゲル法、水熱法、固相法等が知られている。本発明においては、これらのいずれも採用可能である。
このようにして得られたチタン酸バリウム粉末を、必要に応じて粉砕処理して粒径を調節したり、あるいは分級処理と組み合わせることで粒径を整える。なお、このチタン酸バリウム粉末の平均粒子径は通常0.2μm以下、好ましくは0.08〜0.15μmである。さらにチタン酸バリウム粉末を種々の添加化合物と混合して、上記の通りセラミック粉末が調製される。
本発明においては、この添加化合物としてケイ素化合物を使用する。チタン酸バリウムとケイ素化合物とを含む原料粉末を焼成すると、これらが反応し、前記焼成により得られる焼結体においてフレスノイト相が形成され、高い誘電率と絶縁性が達成される。
前記ケイ素化合物としては、二酸化ケイ素及びBaSiOが挙げられ、これらの中でも、原料の入手の容易性及び良好なフレスノイト相形成の観点から、二酸化ケイ素が好ましい。
前記焼結体は本発明の積層セラミックコンデンサ1における誘電体層12を構成するものであるが、この誘電体層12における前記ケイ素化合物の量は、チタン酸バリウム100モルに対して通常0.5〜5モルである。ケイ素化合物の量が多い方がフレスノイト相が形成されやすいので好ましいが、一方配合量が多くなりすぎると、フレスノイト相が多く形成されて積層セラミックコンデンサの特性が悪化する傾向がある。そこで、前記ケイ素化合物の量は、好ましくはチタン酸バリウム100モルに対して0.5〜3モルである。
上記添加化合物としてはさらに、MgO、MnO、希土類元素(Y,Dy,Tm,Ho及びEr)の酸化物、並びにY,Sm,Eu,Gd,Tb,Er,Tm,Cr,V,Mn,Co,Ni,Nb,Ta,Mo,W,Li,B,Na又はKの酸化物が挙げられる。
MgO(酸化マグネシウム)は、積層セラミックコンデンサの製造にあたって内部電極を還元焼成する際の酸素欠陥の発生を抑制するために重要な元素である。しかしながらMgOは一方で、チタン酸バリウムに固溶しやすく、これによりチタン酸バリウムのケイ素化合物との反応性を低下させ、フレスノイト相を形成しにくくする作用を有している。またMgOには、誘電体層12を形成する際の焼成プロセスにおいて誘電体層構成粒子の粒成長を抑制する作用もある。
そこで、MgOの誘電体層12における量は一般にチタン酸バリウム100モルに対して2モル以下であり、さらにケイ素化合物1モルに対して0〜4モルであることが好ましい。特に好ましくは、MgOの誘電体層12における量はケイ素化合物1モルに対して0〜0.3モルである。
また、上記MnO(酸化マンガン)は積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗と高温負荷寿命を向上させる作用を有しており、その誘電体層12における量は、通常チタン酸バリウム100モルに対して0.5モル以下である。
さらに、上記希土類元素の酸化物は積層セラミックコンデンサの高温負荷寿命を向上させる作用を有しており、その誘電体層12における量は、通常チタン酸バリウム100モルに対して通常2モル以下である。
以上説明したケイ素化合物以外の種々の添加化合物の中でも、前記焼結体からなる誘電体層12に高温負荷寿命の特性を持たせるために、希土類元素の酸化物を添加することが好ましい。
以上説明した添加化合物をケイ素化合物とともにチタン酸バリウムに添加配合する。得られるセラミック粉末を焼成して誘電体層12としたときに、これらの含有割合が上記した割合となるように各成分を配合し、湿式混合して乾燥、粉砕してセラミック粉末を調製する。
以上の通りにして得られたセラミック粉末に、ポリビニルブチラール樹脂等のバインダ、エタノール及びトルエン等の有機溶剤並びにフタル酸ジオクチル(DOP)等の可塑剤を加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、基材上に厚み3μm以下の帯状の誘電体グリーンシートを塗工して乾燥させる。そして、誘電体グリーンシートの表面に、有機バインダを含む金属導電ペーストをスクリーン印刷やグラビア印刷により印刷することで内部電極層13のパターンを配置する。前記金属として、コストの観点からニッケルが広く採用されている。
なお、前記金属導電ペーストには共材として、平均粒径が50nm以下のチタン酸バリウムを均一に分散させてもよい。その後、例えば15cm×15cmの大きさに打ち抜いて揃えられた誘電体グリーンシートを内部電極層13と誘電体層12とが互い違いになるように所定層数(例えば10〜500層)だけ積層する。積層した誘電体グリーンシートの上下にカバー層15となるカバーシートを圧着させ、所定チップ寸法(例えば4.0mm×2.0mm)にカットし、その後に外部電極20となるNi導電ペーストを、カットした積層体の両側面に塗布して乾燥させる。これにより、積層セラミックコンデンサ1の成型体が得られる。
このようにして得られた積層セラミックコンデンサ1の成型体を、約350℃のN雰囲気中で脱バインダした後に、N、H、HOの混合ガス(酸素分圧が約1.0×10−11MPa)下において通常1100〜1300℃で10分〜2時間焼成することで、前記誘電体グリーンシートを構成する各化合物(チタン酸バリウムやケイ素化合物等)が焼結して、さらにチタン酸バリウム及びケイ素化合物の少なくとも一部が反応してフレスノイト相(BaTiSi)が形成される。このようにして、内部に焼結体からなる誘電体層12と内部電極層13とが交互に積層されてなる積層体11と、積層方向上下の最外層として形成されるカバー層15とを有する積層セラミックコンデンサ1が得られる。なお、フレスノイト相の例としてBaTiSiを挙げたが、フレスノイト相は前記例におけるBaの一部をSrまたはCaで置換したものや、Tiの一部をZrで置換したもの、すなわち式Ba2−x−yCaSrTi1−zZrSi(0≦x<2,0≦y<2,0≦x+y<2,0≦z<1)で表されるものであってもよい。
さらに本発明においては、600〜1000℃で再酸化処理を実施することにより、積層セラミックコンデンサの絶縁性を改善できる。
前記フレスノイト相は、誘電体層12中もしくは誘電体層12と内部電極層13との界面に存在し、かつケイ素化合物は誘電体層12中に均一に分散しているため、フレスノイト相の偏析はそれほど大きくならない。
例えば図2に示すように、フレスノイト相32は、チタン酸バリウムからなる誘電体粒子34と、その他の化合物からなる誘電体粒子34とに接するように存在し、あるいは誘電体粒子34と内部電極36と接するように(これらの界面に)存在する。フレスノイト相はどのような形態で存在していてもよい。なお図2は、本発明の積層セラミックコンデンサの図1と同様の縦断面図における誘電体層と内部電極層の積層部分の拡大模式図である。
本発明において、フレスノイト相のTEM(透過電子顕微鏡)−EDS(エネルギー分散型X線分析)で測定した平均粒子径は1um以下であり、誘電体層12中にフレスノイト相が細かく存在しているほど、高誘電率が得られやすい。このような観点から、フレスノイト相の平均粒子径は好ましくは300〜600nmである。
なお、フレスノイト相の平均粒子径は、次のようにして測定する。まず、TEM−EDSで15μm×15μmの範囲に誘電体層12および内部電極層13が写真に入るように積層セラミックコンデンサ1の縦断面を撮影する。次に、撮影した15μm×15μmの範囲内にあるフレスノイト相すべてについて、内部電極層13に対して平行な方向の最大径aと内部電極層13に対して垂直な方向の最大径bとを測定して(a+b)/2を計算する。これを粒子径とする。次にフレスノイト相の粒子径の平均値Aを算出する。同様の測定を少なくとも20か所行って各測定個所について平均値Aを求め、それらの平均値Bをフレスノイト相の平均粒子径とする。
フレスノイト相は絶縁性が高いため、前記積層セラミックコンデンサ1は絶縁信頼性に優れ、長寿命のコストパフォーマンスに優れた製品である。特に、フレスノイト相が誘電体層12と内部電極層13との界面に存在する場合、その効果はさらに高くなる。
また、フレスノイト相が形成されると、フレスノイト相の周囲のチタン酸バリウム(ペロブスカイト構造を有している)の結晶格子においてAサイトが欠陥したものが存在する状態となる。そのため添加化合物のチタン酸バリウムへの固溶が促進され、焼成による粒成長が促進されて、一粒子当たりの誘電率が上昇する。その結果得られる積層セラミックコンデンサ1における誘電率が上昇する。
本発明の積層セラミックコンデンサ1において、誘電体層12中のフレスノイト相の存在割合は通常0.5〜3%であり、良好な誘電率及び絶縁性の観点からは、好ましくは0.5〜1%である。なお、前記存在割合の測定方法は以下の通りである。誘電体層12の内部電極層13と平行な面について、TEM−EDSでSiの濃度の高い部分が高い明度を示すように設定し、15μm×15μmの視野において、二値化した画像を写真撮影する。得られた写真において、明度の高い部分の面積の前記視野における誘電体層全体の面積に対する比をフレスノイト相の面積比とする。同様の測定を少なくとも20か所で行って各測定個所についてフレスノイト層の面積比を求め、それらの平均値をフレスノイト相の存在割合とする。
フレスノイト相の形成の程度は、上記で説明したとおり、チタン酸バリウム及びケイ素化合物の量、さらに酸化マグネシウムの量を調節することによって、調節可能である。
また、フレスノイト相の同定は種々の方法により行うことができるが、TEM−EDS組成分析を用いて調べることが出来る。また、電子線回折パターンから結晶構造を確認することによってもフレスノイト相を確認することが出来る。さらに、フレスノイト相はTiO 6−構造を有し、周囲のBaTiOのTiO 8−構造とは異なることからEELS(電子エネルギー損失分光法)スペクトルによるTi−L2,3edgeの形状変化でも同定が可能である。
次に、本発明の積層セラミックコンデンサ1において、内部電極層13は誘電体層12の長さ方向両端面に端縁が交互に露出するように埋設されている。そして内部電極層13の端縁に露出した部分が、外部電極20と接続している。
また、前記誘電体層12の厚みは通常3μm以下、好ましくは0.5〜1μmであり、前記内部電極層13の厚みは通常0.5〜3μmである。本発明の積層セラミックコンデンサ1において、誘電体層12を主に構成するチタン酸バリウムの粒子結晶の平均粒径は、通常800nm以下にコントロールされており、さらに前記の通り、誘電体層12においてフレスノイト相も平均粒子径が1μm以下と小さく制御されているため、このような薄層誘電体層であっても、その表面において優れた平滑性が達成され、ショート等の不具合が起きにくい積層セラミックコンデンサが得られる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらにより何ら限定されるものではない。
主成分としてBaTiO粉末、副成分としてSiO、MgO、Ho、MnOを準備した。これらを下記表1の組成になるように秤量し、ボールミルにて湿式混合し、乾燥後400℃にて仮焼し、セラミック粉末を得た。
Figure 0005211262
上記のセラミック粉末に、ポリビニルブチラール樹脂、トルエン、エタノール、DOPを加えて混合し、セラミックスラリーを調製した。このセラミックスラリーをロールコータにてシート化し、厚みが3μmの誘電体グリーンシートを得た。
この誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷でNi内部電極ペーストを塗布して、内部電極パターンを形成した。これにより得られたセラミックグリーンシートを21枚積み重ね、圧着し、4.0×2.0mmの大きさに切断分割して生チップを形成した。
この生チップを窒素雰囲気中で脱バインダー処理し、前記生チップにNi外部電極ペーストを塗布して、還元雰囲気中にて1300℃で2時間焼成した。さらに、これを1000℃にて再酸化処理することにより、3.2×1.6mmサイズで誘電体層の厚み2umの積層セラミックコンデンサを得た。
これについて、LCRメータ(ヒューレットパッカード社製HP4284)で静電容量測定を行い、誘電体層の厚みと有効電極面積から比誘電率を算出した。
さらに、絶縁信頼性の評価として高温加速寿命試験を行い(n=15)、150℃−25V/μmの負荷で、積層セラミックコンデンサの抵抗値が1MΩ以下になった時間の平均値を寿命として求めた。
更に、これら積層セラミックコンデンサ試料(サンプル1〜3)について、透過電子顕微鏡(TEM)観察するために、それぞれの積層セラミックコンデンサから誘電体層を切り出した。これをArイオンミリング法にて200nmの厚みまで薄片化させ、EDS組成分析と組み合わせてフレスノイト相の有無を確認した。
このときにTEM−EDSでランダムに20視野(15μm×15μm)を確認したときの、誘電体層全体に対するフレスノイト相の面積比からフレスノイト相の割合を求め、その平均値をフレスノイト相の存在割合として評価した。
これらの結果を下記表2に示す。また、TEM−EDS組成分析の結果も表2に併せて示す。
Figure 0005211262
以上の結果から、誘電体層中に平均粒子径が1μm以下のフレスノイト相が存在していることで、積層セラミックコンデンサにおいて高誘電率、高絶縁性(高信頼性)を達成することが出来ることがわかる。
1 積層セラミックコンデンサ
10 セラミック焼結体
11 積層体
12 誘電体層
13 内部電極層
15 カバー層
20 外部電極
32 フレスノイト相
34 誘電体粒子
36 内部電極

Claims (7)

  1. 誘電体層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層体と、前記積層体の積層方向上下の最外層として形成されるカバー層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体層がチタン酸バリウム及びケイ素化合物を含む焼結体からなり、
    前記誘電体層には、平均粒子径が1μm以下のフレスノイト相が存在している、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記フレスノイト相の少なくとも一部は、前記誘電体層と前記内部電極層との界面に存在している、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記誘電体層がさらに酸化マグネシウムを、前記ケイ素化合物1モルに対して0〜4モル含む、請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記ケイ素化合物が二酸化ケイ素である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記誘電体層におけるケイ素化合物の量が、前記チタン酸バリウム100モルに対して0.5〜5モルである、請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記誘電体層におけるフレスノイト相の存在割合が、0.5〜3%である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記誘電体層が、さらに希土類元素の酸化物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
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