JP2012068652A - レジスト用化合物およびレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、(a)炭素数5〜45の芳香族ケトンまたは芳香族アルデヒド、および炭素数6〜15であり1〜3個のフェノール性水酸基を含有する化合物の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物に、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に架橋反応を起こす架橋反応性基を導入する試剤を反応させることにより製造され、(b)分子量が300〜5000であり、かつ(c)該架橋反応性基を分子中に少なくとも1個有するレジスト化合物(A)を一種以上含むレジスト組成物およびそれに用いる化合物である。
【選択図】なし
Description
しかしながら、高分子系レジストは分子量が1万〜10万程度と大きく、分子量分布も広いため、高分子系レジストを用いるリソグラフィでは、微細パターン表面にラフネスが生じ、パターン寸法を制御することが困難となり、歩留まりが低下する。従って、従来の高分子系レジスト材料を用いるリソグラフィでは微細化に限界がある。より微細なパターンを作製するために、種々の低分子量レジスト材料が開示されている。
すなわち、本発明は、(a)炭素数5〜45の芳香族ケトンまたは芳香族アルデヒド、および炭素数6〜15であり1〜3個のフェノール性水酸基を含有する化合物の縮合反応により製造されたポリフェノール化合物に、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に架橋反応を起こす架橋反応性基を導入する試剤を反応させることにより製造され、
(b)分子量が300〜5000であり、かつ
(c)該架橋反応性基を分子中に少なくとも1個有するレジスト化合物(A)を一種以上含むレジスト組成物に関するものである。
また、本発明は、このレジスト組成物に用いることができる化合物を提供するものである。
本発明の感放射線性レジスト組成物は、レジスト化合物(A)を含む。本発明におけるレジスト化合物(A)は、以下の条件(a)、(b)及び(c)を同時に満たす。
前記レジスト化合物(A)は、分子内に3級または4級炭素原子を有し、その3級または4級炭素原子に2個のフェノール類および1個以上の芳香環が結合している化学構造を有する。この化学構造により、長期間に渡って安定なアモルファス性(非晶性であり、結晶構造を取らない(取りにくい)性質)を付与することができ、レジスト材料としての、パターン形成に必要な成膜性、光透過性、溶剤可溶性、エッチング耐性に優れる等の特長を有する。
分子量は300〜5000であり、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは300〜1000、特に好ましくは300〜699である。上記の範囲にすることにより良好な成膜性を付与することが可能となり、解像性、アルカリ現像性能を向上させることが出来る。
前記架橋反応性基を有することにより、本発明のレジスト化合物は、かかる架橋反応により、露光部分を選択的に溶剤不溶化させることが可能であり、ネガ型レジスト組成物に利用される。なお、ここで架橋反応とは、レジスト化合物中の複数の反応点を共有結合で連結する化学反応を意味する。また、前記架橋反応性基は、分子中に、好ましくは2個、更に好ましくは2〜15個、特に好ましくは3〜15個有する。このような範囲にすることで、更に解像度、現像性能を向上することが可能となる。
この中で、炭素−炭素多重結合基、エポキシ基、およびハロゲン化メチル基が好ましく、炭素−炭素多重結合基およびハロゲン化メチル基がさらに好ましい。
炭素−炭素多重結合基としては、例えば、ビニル基(CH2=CH−)、アリル基(CH2=CH−CH2−)、ビニレン基含有基(R7−CH=CH−)、アクリロイル基(CH2=CH−CO−)、メタクリロイル基(CH2=C(CH3)−CO−)、クロトノイル基(CH3−CH2=CH−CO−)、フマロイル基(trans型R7−OC−CH=CH−CO−)、マレイノイル基(cis型R7−OC−CH=CH−CO−)等の炭素−炭素二重結合や、プロパルギル基(CH≡C−)、アセチレン基(R7−C≡C−)等の炭素−炭素三重結合等が挙げられる。このうち、ビニル基、アリル基、ビニレン基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の炭素−炭素二重結合や、プロパルギル基、アセチレン基等の炭素−炭素三重結合がさらに好適であり、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びプロパルギル基が最も好適である。エポキシ基としては、例えば、グリシジル基(CH2(−O−)CHCH2−)が挙げられる。長期安定性を必要とする場合は、エポキシ基は好ましくない。ハロゲン化メチル基としては、例えば、クロロメチル基(ClCH2−)、ブロモメチル基(BrCH2−)、ヨウ化メチル基(ICH2−)が挙げられる。
なお、前記R7は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、および炭素数6〜10のアリール基から選ばれる基である。
上記共役構造を有することにより、低分子化合物でありながら成膜性、高エッチング耐性、露光時の低アウトガス量、更に増感効果のため高感度等の性能が付与出来る。この増感効果は電子線、極端紫外線(EUV)などの放射線のエネルギーの一部を吸収し、次いで吸収されたエネルギーが架橋反応に寄与することによるものと考えられる。
縮合多環構造は、KrFエキシマレーザーの248nmおよびArFエキシマレーザーの193nmの光に対する吸収性が高いため、リソグラフィ行程における定在波の除去や反射防止膜用の材料として利用できる。
酸触媒縮合反応は公知であり、例えば、芳香族カルボニル化合物(A1)とフェノール性化合物(A2)をチオ酢酸またはβ−メルカプトプロピオン酸、および酸触媒(塩酸または硫酸)の存在下で反応させる(特開2001−206862号公報参照)。例えば、芳香族カルボニル化合物(A1)1モルに対しフェノール性化合物(A2)を1〜16モル、チオ酢酸またはβ−メルカプトプロピオン酸、および酸触媒を適量使用し、70〜120℃で20分〜20時間程度維持することにより、反応は有利に進行する。
次いで、アクリロイル基などの架橋反応性基を導入するために、アクリロイルクロライドなどの架橋反応性基導入試剤(A3)をトリエチルアミン等の塩基触媒存在下で常圧、室温で2〜4時間反応させる。反応溶液に蒸留水を加え結晶を析出させた後、蒸留水で洗浄および/またはカラムクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフ等で精製し、乾燥することでレジスト化合物(A)が得られる。
上記反応に用いる溶媒としては、芳香族カルボニル化合物(A1)とフェノール性化合物(A2)との酸触媒縮合反応により得られたポリフェノール化合物を溶解すれば、とくに制限は無く、従来公知の非プロトン性極性溶媒等を用いることができる。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等をあげることができる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
R2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
R4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり;
R5は、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、またはピレン構造を有する炭素数10〜30の一価の基であり;
または、R4およびR5が結合し、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、アセナフテン構造、1−ケトアセナフテン構造、9−ケト−9,10−ジヒドロフェナントレン構造、またはベンゾフェノン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
p1、q1は0〜3の整数であり;
p2、q2は0〜4の整数であり;
1≦p1+p2≦5、1≦q1+q2≦5、1≦p1+q1≦6であり、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い。
なお、式(1−1)において、2つのベンゼン環の、−CR4R5−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。)
e1、f1は0〜2の整数であり;
e2、f2は0〜3の整数であり;
1≦e1+e2≦4、1≦f1+f2≦4、1≦e1+f1≦2を満たし;
Xは酸素原子または硫黄原子である。但し、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い)。
式(1−2)の化合物は、低分子化合物でありながら、成膜性、耐熱性、ドライエッチング耐性が良好で、アウトガスが少ないので、主たるレジスト成分として使用でき、高解像性、高感度、低ラインエッジラフネスのレジスト組成物を得ることができる。
上記式中、R3は、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐アルキル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が;シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられる。
p3は0〜4の整数であり、q3は0〜3の整数であり、0≦p3+q3≦7を満たす。r3は0〜2の整数である。複数個のR3、p3、q3、r3は、各々同一でも異なっていても良い。
上記式中、R3、p3、q3、及びr3は前記と同様であり、Yは、単結合またはカルボニル基であり、Zは、メチレン基またはカルボニル基である。複数個のR3、p3、q3は、各々同一でも異なっていても良い。
上記二価の基は、芳香族カルボニル化合物(A1)として、9−フルオレノン、3−フェニル−9−フルオレノン、1,3−ジフェニル−9−フルオレノン、アセナフテノン、アセナフテンキノン、フェナントレンキノン等を使用することにより導入することができる。
前記芳香族ジケトン及び芳香族ジアルデヒドの例としては、ジフルオレノン、ジホルミルビフェニル、ジホルミルナフタレン、ジホルミルターフェニル、ジホルミルトリフェニレン等が挙げられる。
R2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
R4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり;
R6は、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、またはピレン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
または、2個のR4およびR6が結合し、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、アセナフテン構造、1−ケトアセナフテン構造、9−ケト−9,10−ジヒドロフェナントレン、またはベンゾフェノン構造を有する炭素数10〜30の四価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
m1、n1、t1、s1は0〜3の整数であり;
m2、n2、t2、s2は0〜4の整数であり;
1≦m1+m2≦5、1≦n1+n2≦5、1≦t1+t2≦5、1≦s1+s2≦5、1≦m1+n1+t1+s1≦6を満たし、複数個のR2は同一でも異なっていても良い。
なお、式(2−1)において、−CR4R6−を介して結合する2つのベンゼン環の、−CR4R6−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。)
a1、b1、c1、d1は0〜2の整数であり;
a2、b2、c2、d2は0〜3の整数であり;
1≦a1+a2≦4、1≦b1+b2≦4、1≦c1+c2≦4、1≦d1+d2≦4、1≦a1+b1+c1+d1≦4を満たし、複数個のR2、R4は、各々同一でも異なっていても良い)。
式(2−2)において、感度、解像度が向上することから、a1、b1、c1、d1はそれぞれ1であることが好ましい。
で表される基が好ましい。
上記構造は、芳香族カルボニル化合物(A1)としてジフルオレノン等を使用することにより導入することができる。
前記芳香族トリケトンまたは芳香族トリアルデヒドの例としては、トリホルミルベンゼン、トリホルミルビフェニル、トリホルミルナフタレン、トリホルミルターフェニル、トリホルミルトリフェニレン、トリアセチルベンゼン、トリアセチルビフェニル、トリアセチルナフタレン、トリアセチルターフェニル、トリアセチルトリフェニレン等が挙げられる。
R2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
R4は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり;
R8は、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、またはピレン構造を有する炭素数10〜30の三価の基であり;
または、2個のR4およびR8が結合し、フルオレン構造、フェニルフルオレン構造、ジフェニルフルオレン構造、アセナフテン構造、1−ケトアセナフテン構造、9−ケト−9,10−ジヒドロフェナントレン、またはベンゾフェノン構造を有する炭素数10〜30の6価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アクリロイルオキシ基、グリシジルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
m4、n4、j4、k4、x4、y4は0〜3の整数であり;
m5、n5、j5、k5、x5、y5は0〜4の整数であり;
1≦m4+m5≦5、1≦n4+n5≦5、1≦j4+j5≦5、1≦k4+k5≦5、1≦x4+x5≦5、1≦y4+y5≦5、1≦m4+n4+j4+k4+x4+y4≦18を満たし、複数個のR2は同一でも異なっていても良い)
前記レジスト化合物(A)の架橋反応性基Aが、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基、グリシジルオキシ基、およびクロロメチルオキシ基から選ばれる基であることがより好ましく、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基およびクロロメチルオキシ基から選ばれる基であることがさらに好ましい。このような架橋反応性基Aを用いると、高感度、高解像度が得られ、かつレジスト化合物(A)の保存安定性が向上する。
また、レジスト化合物(A)の量は、好ましくは固形成分全重量の3〜96.9重量%であり、より好ましくは50〜96.9重量%、さらに好ましくは65〜96.9重量%、特に好ましくは81〜96.9重量%である。上記配合割合であると、高解像度が得られ、ラインエッジラフネスが小さくなる。
前記式(56)で示される化合物は、モノクロロイソシアヌール酸、モノブロモイソシアヌール酸、ジクロロイソシアヌール酸、ジブロモイソシアヌール酸、トリクロロイソシアヌール酸、およびトリブロモイソシアヌール酸からなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
で示される基である。
本発明のレジスト組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、その他の成分(C)として、架橋剤、溶解促進剤、溶解制御剤、増感剤、及び界面活性剤等の各種添加剤を1種又は2種以上添加することができる。
本発明においては、感度を上げるため、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、ビニルシリル基、エポキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化フェニル基を有する化合物、または樹脂を添加することもできる。
これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。架橋剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、50重量部以下が好ましく、より好ましくは25重量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。
増感剤は、照射された放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを前記化合物(B)に伝達し、それによりラジカルまたはカチオンの生成量を増加する作用を有し、レジストの見掛けの感度を向上させる成分である。このような増感剤としては、例えば、米国特許第3,479,185号明細書に開示されているロイコクリスタルバイオレットやロイコマラカイトグリーンの様なトリフェニルメタン系ロイコ色素、エリスロシンやエオシンYのような光還元性染料、米国特許第3,549,367号明細書、米国特許第3,652,275号明細書等に開示されているミヒラーズケトンやアミノスチリルケトン、あるいはベンゾフェノン、ビアセチルの様な芳香族ケトン類、米国特許第3,844,790号明細書に示されるβ−ジケトン類、米国特許第4,162,162号明細書に見られるインダノン類、特開昭52−112681号公報に示されるケトクマリン類、特開昭59−56403号公報で開示されているアミノスチレン誘導体やアミノフェニルブタジエン誘導体、米国特許第4,594,310号明細書に見られるアミノフェニル複素環類、米国特許第4,966,830号明細書に示されるジュロリジン複素環類、特開平5−241338号公報に示されるピロメテン系色素、ピレン類、フェノチアジン類、フルオレン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。増感剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
界面活性剤は、本発明のレジスト組成物の塗布性やストリエーション、レジストとしての現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができる。これらのうち、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤は、レジスト組成物に用いる溶剤との親和性がよく、より効果がある。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等の他、以下商品名で、エフトップ(ジェムコ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業社製)、フロラード(住友スリーエム社製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子社製)、ペポール(東邦化学工業社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業社製)等の各シリーズを挙げることができるが、特に限定はされない。
界面活性剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、界面活性剤の有効成分として、2重量部以下が好ましい。
更に、本発明のレジスト組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、上記架橋剤、増感剤、及び界面活性剤以外のその他の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、溶解促進剤、溶解制御剤、染料、顔料、及び接着助剤等が挙げられる。例えば、染料又は顔料を配合すると、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できるので好ましい。また、接着助剤を配合すると、基板との接着性を改善することができるので好ましい。更に、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4'−メチルカルコン等を挙げることができる。
前記架橋反応性基としては、炭素−炭素多重結合基、シクロプロピル基、エポキシ基、アジド基、ハロゲン化フェニル基、およびハロゲン化メチル基等が挙げられ、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、ビニルシリル基、エポキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化フェニル基が好ましい。これらは一種以上を混合して用いても良い。
次いで、必要に応じ、塗布した基板を加熱する。その加熱条件は、レジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。加熱することによって、レジストの基板に対する密着性が向上する場合があり好ましい。次いで、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光する。露光条件等は、レジスト組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。本発明においては、露光における高精度の微細パターンを安定して形成するために、放射線照射後に加熱するのが好ましい。その加熱条件は、レジスト組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。
レジストパターンを形成した後、エッチングすることによりパターン配線基板が得られる。エッチングの方法はプラズマガスを使用するドライエッチングなど公知の方法で行うことが出来る。
レジストパターンを形成した後、めっきを行うことも出来る。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
本発明で得られる配線基板は、レジストパターン形成後、金属を真空中で蒸着し、その後レジストパターンを溶液で溶かす方法、すなわちリフトオフ法により形成することもできる。
<合成例1>〜<合成例54>
化合物の構造は元素分析および1H−NMR測定で確認した。それらの分析結果を第2表および第3表に示す。なお、第2表中、各化合物の原子数を示性式の値として示し、元素の重量百分率の値を計算値、実測値として示す。1H−NMR測定結果を第3表に示す。
レジスト化合物(A)である化合物5〜54を第1表記載の原料を用い、架橋反応性基導入試剤に応じて、合成例1〜4と同様に反応させ、目的生成物を得た。
化合物13、19、23、33および51の化学構造式を以下に示す。
第4表記載のレジスト化合物(A)、化合物(B)、架橋剤(C)、溶媒を均一溶液としたのち、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。得られたレジスト組成物をシリコンウエハーに回転塗布し、レジスト膜を形成した。得られた各レジスト膜の成膜性を第6表に示す。
レジスト化合物(A)の安全溶媒への溶解度試験を23℃で行った。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよび乳酸エチルから選択され、かつ、一番溶解する溶媒への溶解量を、下記基準で評価した。
A:5重量%以上溶解した
B:0.1重量%以上〜5重量%未満溶解した
C:溶解しなかった
(2)レジスト膜の成膜性評価
レジスト組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターで回転塗布し、レジスト膜を形成し、その後110℃のホットプレートで60分間加熱し、6インチシリコンウエハーのレジスト被膜を、下記基準で評価した。
A:表面性良好
C:一部、白化もしくは表面に凹凸が生じた
(3)レジストパターン評価
(3−1)5μmL&S
現像後のレジストパターンを光学顕微鏡で観察し、5μmのラインアンドスペースの形成の有無を確認し、下記基準で評価した。
A:確認
C:確認できず
(3−2)100nmL&S
現像後のレジストパターンを電子顕微鏡で観察し、100nmL&Sのラインアンドスペースの形成の有無を確認し、下記基準で評価した。
A:確認
C:確認できず
R-1:Irgacure 907(2−メチル−1−[(4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
架橋剤(C)
L-1:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業(株))
溶媒
S-1:プロピレングリコールモノメチルモノアセテート(東京化成工業(株))
S-2:塩化メチレン(関東化学(株))
Claims (14)
- 下記式(1−1)で表される化合物から選ばれるレジスト化合物(A)を一種以上含むレジスト組成物。
R2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
R4およびR5は結合し、フルオレン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
p1、q1は0〜3の整数であり;
p2、q2は0〜4の整数であり;
1≦p1+p2≦5、1≦q1+q2≦5、1≦p1+q1≦6を満たし、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い。
なお、式(1−1)において、2つのベンゼン環の、−CR4R5−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。) - 前記式(1−1)におけるAが、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基およびクロロメチルオキシ基である請求項1に記載のレジスト組成物。
- 前記レジスト化合物(A)を2種以上含む請求項1に記載のレジスト組成物。
- 可視光線、紫外線、エキシマレーザー、極端紫外線(EUV)、電子線、X線、およびイオンビームからなる群から選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的にラジカルまたはカチオンを発生する化合物(B)をさらに含む請求項1に記載のレジスト組成物。
- さらに炭素−炭素多重結合基、シクロプロピル基、エポキシ基、アジド基、ハロゲン化フェニル基、およびハロゲン化メチル基からなる群から選ばれる1種以上を有する化合物、または樹脂を含む請求項1に記載のレジスト組成物。
- 全固形分中、前記レジスト化合物(A)40〜99.998重量%、前記化合物(B)0.001〜10重量%、その他の成分(C)0.001〜50重量%である請求項6に記載のレジスト組成物。
- 全固形分中、前記レジスト化合物(A)90〜99.999重量%、前記化合物(B)0.001〜10重量%である請求項6に記載のレジスト組成物。
- 全固形分中、レジスト化合物(A)100重量%である請求項1に記載のレジスト組成物。
- 固形成分1〜80重量%および溶媒成分20〜99重量%からなる請求項1に記載のレジスト組成物。
- 下記式(1−1)で示される化合物。
R2は、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、シアノ基、およびニトロ基からなる群から選ばれる基であり;
R4およびR5は結合し、フルオレン構造を有する炭素数10〜30の二価の基であり;
Aは、アリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり、Aのうち少なくとも一つはアリールオキシ基、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、およびハロゲン化メチルオキシ基から選ばれる基であり;
p1、q1は0〜3の整数であり;
p2、q2は0〜4の整数であり;
1≦p1+p2≦5、1≦q1+q2≦5、1≦p1+q1≦6を満たし、複数個のR2およびAは、同一でも異なっていても良い。
なお、式(1−1)において、2つのベンゼン環の、−CR4R5−に対してオルト位にある炭素は酸素原子または硫黄原子を介して結合していてもよい。) - Aが、アクリロイルオキシ基、アリールオキシ基およびクロロメチルオキシ基から選ばれる基である請求項12に記載の化合物。
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