JP2012054586A - 低比誘電率SiOx膜の製造方法 - Google Patents

低比誘電率SiOx膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ金属、フッ素等を用いることなしに、耐熱性に優れ、金属配線の層間絶縁膜として用いる低比誘電率SiOx膜を提供する。
【解決手段】上記低比誘電率SiOx膜はアルゴン、ヘリウム及び水素から選ばれる1種以上の非酸化性ガス雰囲気で蒸着し、SiOx(但し、1.8≧X≧1.0)を主成分とする多孔質物質からなり、1MHzにおける比誘電率が3以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、特にLSI等の搭載された半導体装置の層間絶縁膜として有用な低比誘電率SiOx膜、その製造方法、それを用いた半導体装置に関する。
半導体装置の高集積化を行うには、金属配線の間隔(すなわち、ローカル配線同士、グローバル配線同士、又はローカル配線とグローバル配線との間隔)を狭める必要がある。しかしながら、金属配線の間隔が狭くなると、R(配線抵抗)×C(配線容量)による配線の遅延が支配的となり、信号の高速動作が妨げられる。半導体装置の層間絶縁膜の形成位置を示す模式図を図1に示す。
そこで、この問題を解消するため、配線抵抗又は配線容量、又はその両方を少なくすることが行われており、配線抵抗の低下には、例えばAl材料からそれよりも低抵抗材料であるCu材料又はAu材料への変更が検討されている。しかし、これらの金属材料は、SiチップのSi成分によって拡散されやすいので、バリヤ層の形成等、新たな課題があり、その検討が進められている。
一方、配線容量を低下させるには、層間絶縁膜と呼ばれる絶縁層を介して上記金属配線を積層する際に、その絶縁膜として、通常はシリカガラスが用いられている。しかし、このものでは今日の要求には十分に応えることができなくなってきているので、更にフッ素をドープしたり、多孔質化したり、有機絶縁膜を用いるなどの提案がなされている。
たとえば、特開平1−235254号公報には、半導体基板上に多孔質絶縁膜を介して多層に金属配線を形成させた半導体装置が記載されている。この発明は、基板上に酸化ナトリウム、酸化カルシウム等の塩基性酸化物と、二酸化珪素、酸化ホウ素等の酸性酸化物との混合物からなる絶縁膜を堆積させてから熱処理を行い、塩基性酸化物又は酸性酸化物のみを析出・溶出させて膜内部に多孔を形成させるものであるので、塩基性酸化物等の混入によって、半導体装置の信頼性が著しく低下しまう。
特開2000−21245号公報には、中空ポリマー微粒子を有機シリコン化合物と共に用い、多孔を形成する方法が提案されている。しかし、有機化合物の利用は耐熱性の点で不安があり、その後の半導体製造過程におけるプロセス条件を著しく制約する。
さらに、特開平11−289013号公報には、金属シリコンを酸素含有雰囲気下で蒸発させ多孔質絶縁膜を形成させる方法が記載されている。この方法で形成される絶縁膜は、比誘電率が1.95以下と小さいものであるが、その膜組成は該公報の[0052]欄に、「SiO2 が大半を占めており全体に対するSiOx成分の積分強度は数%である」、と記載されているように、SiO2が主成分である。また、膜構造は、該公報の図15から分かるように粒状物の重なりから構成されているので機械的強度に不安がある。しかも、金属シリコンの蒸気圧が低いので、その蒸気化には高温と耐熱性治具等が必要となったり、蒸着時間が長く生産性が低いなどの問題もある。
一方、SiOx膜の用途としては、上記層間絶縁膜の他に、反射防止膜、ガスバリア膜などがある。とくに、SiOx膜の蒸着によってガスバリア性が改善されたプラスチックは、内容物の確認が容易であるので、医薬品、食品等の包装材として重宝されている。しかしその一方で、SiOx膜は茶褐色の色調であるため、その改善要求がある。
そこで、例えば特開平8−197675号公報には、SiOx蒸着膜に過酸化水素をコートする方法が提案されており、酸素及び水蒸気透過度の改善に効果があったことが記載されている。しかし、過酸化水素を用いることは、その後の洗浄が必要であり、半導体装置等においてはその完全な除去が困難である。また、該公報には、光を照射してプラスチックフィルム上のSiO膜の光透過度、酸素透過度を改善したことが記載されてているが、その効果は数%にしか過ぎない。
本発明の目的は、上記に鑑み、アルカリ金属、フッ素等を用いることなしに、耐熱性に優れ、SiO2への経時変化が小さく、金属配線の層間絶縁膜として信頼性が高い、低比誘電率SiOx膜、及びそれを用いた半導体装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、SiOx膜に電磁波を照射することによって、SiOx膜の酸素を増加させ、比誘電率の更なる低下と絶縁性を一段と向上させたSiOx膜を提供することである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(請求項1) SiOx(但し、1.8≧X≧1.0)を主成分とする多孔質物質からなり、1MHzにおける比誘電率が3以下であることを特徴とする低比誘電率SiOx膜。
(請求項2) 気孔率が20〜60%、1MHzにおける比誘電率が2.3以下であることを特徴とする請求項1記載のSiOx膜。
(請求項3) 比誘電性指数Vと、気孔率P(%)と、比誘電率Kとが1式を満たすものであることを特徴とする請求項2記載のSiOx膜。
V=K+0.0286×P=1.1〜3.5・・・(1)
(請求項4) SiOx粉末を加熱蒸発させて得られたSiOxガスを、−20℃以下の冷却基板上に沈着させることを特徴とする、クラスタービーム法による請求項1記載のSiOx膜の製造方法。
(請求項5) 蒸着雰囲気制御用ガスのガス圧を10〜100PaにしてSiOx粉末を蒸着することを特徴とする、抵抗発熱ヒーター法による請求項1記載のSiOx膜の製造方法。
(請求項6) 蒸着雰囲気制御用ガスが、アルゴン、ヘリウム及び水素から選ばれた1種以上の非酸化性ガスであることを特徴とする請求項5記載のSiOx膜の製造方法。
(請求項7) SiOx粉末の比表面積が10m2/g以上であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のSiOx膜の製造方法。
(請求項8) SiOx膜に波長400nm以下の電磁波を照射してそのX値を増加させることを特徴とするSiOx膜の改質方法。
(請求項9) 電磁波が照射されるSiOx膜が、請求項1記載の比誘電率SiOx膜であることを特徴とする請求項8記載のSiOx膜の改質方法。
(請求項10) 電磁波が照射されるSiOx膜が、1MHzにおける比誘電率が1.5〜3.0、SiOxのx値が0.5<x<2.0であることを特徴とする請求項9記載のSiOx膜の改質方法。
(請求項11) 電磁波照射量が、0.1≦照射時間(時間)×照射量(W/cm2)≦10であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のSiOx膜の改質方法。
(請求項12) 請求項1、2又は3記載のSiOx膜を金属配線の層間絶縁物として用いたことを特徴とする半導体装置。
半導体装置の層間絶縁膜の形成位置を示す模式図。 クラスタービーム法蒸着装置の概略図。
本発明の低比誘電率SiOx膜のx値は、1.8≧X≧1.0であることが必要である。このように限定した理由は、x値が低いほどすなわち1に近いほど加熱によるガス化が容易であり、従って生成膜が多孔質となりやすく膜の低比誘電率化が行いやすくなる。x値が1.0未満では金属シリコンが析出しやすくなるため、生成膜の絶縁性に問題が生じる。また、x値が1.8を超えると、更なる低比誘電率化が可能となるが、気孔率が著しく低下し、またその構造が粒状構造となって、機械的強度の小さな膜となる。好ましいx値は1.7≧x≧1.1であり、更に好ましくは1.6≧X≧1.2である。
SiOx膜のx値は、生成膜を基板より剥がした後、Siのモル量をJIS−R6124(炭化けい素質研削材の化学分析)に準じて測定し、また酸素のモル量をO/N同時分析装置(例えばLECO社「TC−136」)を用いて測定し、そのモル比から算出することができる。
SiOxが非化学量論的化合物の酸化ケイ素であり、SiとSiO2の混合物ではないことの確認は、X線光電子分光法分析を行い、Si2Pの結合エネルギー位置が、SiやSiO2のそれとは異なる位置に見いだされること、具体的には、SiとSiO2のSi2P結合エネルギーは、それぞれ99.1eV、103.6eVであるが、その間に結合エネルギーの単独ピークを見いだされることによって行うことができる。
本発明の低比誘電率SiOx膜は、蛍光X線法によっては、Si以外の金属成分が検出されないものであることが好ましい。金属成分以外の不純物の不可避的な混入、例えば窒素、炭素の固溶は許容され、SiOxNy,SiOxCy等の膜構造であっても良い。
SiOx膜は、通常、比誘電率が4〜10と高い値を持つので、緻密な膜では本発明のように比誘電率3以下とすることができない。そこで、本発明の低比誘電率SiOx膜では、その内部に多数の微細な空隙(細孔)を含有させ、比誘電率3以下としたものである。
単に空隙を多くし比誘電率を低下させることは、膜強度も低下し、層間絶縁膜等の剥離、脱落等の原因となるので、本発明のSiOx膜は、柱状のSiOxが網目状に絡まり、その柱状SiOx間に微細な空隙が保持されている構造となっていることが好ましい。このようなSiOx膜は、後記の第1の製造方法又は第2の製造方法によって製造することができる。
ここで、「柱状」は、長径/短径比が2以上、特に3以上であることが好ましい。このような柱状のSiOxが網目状に絡んだ構造とすることによって、機械的強度を著しく損なわせることなく、膜の気孔率を20%以上、特に30%以上とすることが可能となり、剥落、クラックのないSiOx膜とすることができる。特に好ましい本発明の低比誘電率SiOx膜は、気孔率が20〜60%、特に30〜55%で、しかも1MHzにおける比誘電率が3以下、特に2.3以下である。
本発明において、SiOx膜の気孔率の測定は、全反射X線法によって全反射の臨界角から求めた電子密度を利用して算出される。すなわち、膜の主成分がSiOxであることから、膜が緻密である時の電子密度が熱酸化SiO2の値と同じであるとして、実測された膜の電子密度が気孔の存在によって低下した結果であるとして求めた。X線は、CuのKα線をモノクロメータSi(111)で反射させたものを用いた。
さらに、本発明の低比誘電率SiOx膜は、(1)式で求められる低誘電率指数Vが1.1〜3.5であることが好ましく、特に1.3〜3.5、更に2〜3.5であることが好ましい。
V=K+0.0286×P ・・・・(1)
(但し、気孔率:P(%)は気孔率、Kは比誘電率)
低比誘電率指数Vは、SiOx膜の気孔率と比誘電率の関係を表すものであり、低誘電率指数Vが1.1〜3.5であるということは、低気孔率でありながら比誘電率が低いことを示している。V値が3.5よりも大きくなると、SiOx膜の強度が低くCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の耐研磨性に劣る。V値を1.1未満にすることは技術的に困難である。SiO2の多孔膜は、通常、v値が3.5よりも大きくなる。特に好ましいV値は2.5〜3.3である。
本発明の低比誘電率SiOx膜は、SiOx粉末の蒸着によって製造することができる。蒸着法には、抵抗発熱ヒーター法、クラスタビーム法、スパッター法、レーザービーム照射法を採用することができる。クラスタービーム法では、雰囲気ガス圧を低くし沈着させる基板温度を−20℃以下に冷却することが必要である。抵抗発熱ヒーター法では、クラスタビーム法よりも高いガス圧と高い基板温度が必要とされる。レーザービーム照射法では、不純物の混入を避けられ、雰囲気ガスの影響を受けにくい。本発明においては、クラスタービーム法、抵抗発熱ヒーター法が好ましい。とくに、上記(1)式の関係を有する低比誘電率SiOx膜は、抵抗発熱ヒーター法によって容易に製造することができる。
本発明の第1の製造方法は、クラスタービーム法であり、SiOx粉末原料を蒸着ルツボに入れ、加熱蒸発させて得られたSiOxガスを−20℃以下の冷却基板に沈着させる方法である。
この製造方法で使用されるSiOx粉末原料は、SiO2粉末とシリコン粉末又はカーボン粉末との混合粉末を加熱蒸発してSiOxガスを発生させ、それを冷却室に導いて冷却することによって製造される。SiOx粉末原料の比表面積(BET法)は、10m2/g以上、特に50m2/g以上が好ましく、それによって低温ガス化と、膜の均一化とが容易となる。SiOx粉末原料には、絶縁性、比誘電率に悪影響を与えない範囲で、不可避的な金属不純物、及び窒素、炭素を含有していても良い。
SiOx粉末原料はそのまま蒸着ルツボに入れても良く、また適度な大きさに成形してから入れても良い。後者によれば、製造されたSiOx膜には「ブツ」の発生が著しく少なくなるので好ましい。必要に応じて、更に500〜1250℃の窒素、アルゴン、ヘリウム、一酸化炭素、水素等の非酸化雰囲気下で焼結しておいても良い。
クラスタービーム法の概念図を図2に示す。クラスタービーム法とは、抵抗加熱による蒸着方法とは異なり、原料が充填された蒸着ルツボの上部に小孔を開けた蓋を設け、ルツボを加熱し原料をガス化する方法である。ガス化した原料は、蓋部の小孔を噴出ノズルとして真空チャンバー内にクラスターを生成しながら放出される。通常、小孔径は直径1mm以下であるため、ルツボ内は高圧となりクラスターは高速で真空チャンバー内に放出される。そのスピードは音速以上と極めて早いものである。
クラスタービーム法において、蒸着ルツボに入れられたSiOx粉末原料は、クラスターを生成しながら断熱膨張で急冷されて冷却基板上に沈着する。SiOxガスは比較的粘性の高いガラス状物質であり、形成されたクラスターは柱状となって冷却基板に突き刺さるように飛来していくので、形成された膜は柱状のSiOxが網目状に絡まった多孔質の膜構造となる。
本発明においては、蒸着時のチャンバー内に、積極的に酸素、窒素等の反応性ガスを導入することもできる。それによって、チャンバー内のSiOxガスのSi:O比を原料SiOx粉末原料のそれと異ならせることもできるし、またSiOxNyとすることもできる。さらには、クラスターのサイズを調整することもできる。
チャンバー内に導入するガスの種類・量は要求される膜の特性に応じて適宜決定されるが、10−5〜10−1Paの真空下に保持することが肝要なことである。たとえば、SiOx粉末原料として、x値が1.2のSiOx粉末を用い、蒸着時にチャンバー内に窒素をアルゴンと共に導入すると、窒素ガスの分圧に応じたSiOxNy膜を製造することができる。窒素ガスの導入は、絶縁性の向上には有利であるが、比誘電率を高める作用があるので、y≦1.0であることが好ましい。
本発明においては、蒸着膜を沈着させるのに用いられる冷却基板は、少なくとも−20℃以下、好ましくは−50℃以下、更に好ましくは−100℃以下に冷却されていることが必要である。この理由は、断熱膨張で冷却されたとはいえ、冷却基板に向かって飛来するSiOxクラスターは相当な熱及び運動エネルギーを保有しており、冷却基板と衝突した時点でそのエネルギーは自己拡散に消費される。すなわち、冷却基板温度が高い場合にはマイグレーションを生じて緻密な膜となり、比誘電率の高い膜となる。一方、冷却基板を冷却してそのエネルギーを熱として素早く回収すると、マイグレーションが防止され、クラスターが柱状を維持したまま多孔質膜となり、比誘電率が小さいものとなる。
蒸着ルツボの加熱温度は、800〜1500℃、特に900〜1200℃であることが好ましい。
以上のように、本発明の第1の製造方法で採用されるクラスタービーム法とは、ガス中に実際にクラスターがあるかどうかをいうのではなく、ガス化した原料を亜音速又は超音速という高速で噴出させながら蒸着させることに最も特徴が見いだされる方法である。本発明においては、クラスターをイオン化し運動エネルギ−を増加させる手段をも許容するものである。
本発明の第2の製造方法である抵抗発熱ヒーター法について説明する。
SiOx粉末原料の加熱は、チタンボライドとBNの複合焼結体からなる導電性セラミックス、PBNコートカーボン等のセラミックス、タングステン等高融点金属などの材質で構成された蒸着ボートが使用される。SiOx粉末原料は、上記本発明の第1の製造方法で説明したのと同様なものが用いられる。
加熱温度は、1000〜1600℃、特に1200〜1500℃であることが好ましい。1600℃より高温では突沸をして、粒子状のSiOを生成しやすくなり、また1000℃未満の低温ではSiOxの蒸発速度が遅くて膜形成に時間がかかりすぎる。
本発明の第2の製造方法の特徴は、上記冷却基板の温度よりも高い基板上にSiOx膜を沈着させることであり、蒸着室のガス圧を10〜1000Paに調整して行われることである。蒸着雰囲気制御用ガスとしては、水素、ヘリウム、アルゴンから選ばれた一種以上の非酸化性ガスが好ましく用いられるが、 さらに窒素、アンモニア等を適宜混合されていても良い。アルゴンガスは、価格、安全性、蒸着安定性の観点からもっとも好ましいガスである。酸素ガス、NO2 等の酸化性ガスは極力少なくされるが、生成するSiOxのx値が1.8をこえない程度の量は許容される。酸素分圧は、通常、0.1Pa以下とする。
蒸着膜の沈着に用いられる基板の温度は、−10℃〜500℃、特に100〜400℃であることが好ましい。−10℃よりも低温では、膜の基板への付着が弱くなり、また500℃よりも高いと、密着性は良好となるが、比誘電率が高くなる。
上記(1)式の関係を有する低比誘電率SiOx膜、特にV値が2.5〜3.3であるSiOx膜は、蒸着雰囲気制御用ガスとしてアルゴンガスを用い、そのガス圧25〜700Pa、基板温度10〜400℃とすることによって、容易に実現される。
本発明の低比誘電率SiOx膜には、半導体装置の層間絶縁膜、反射防止膜、ガスバリア膜等の用途がある。本発明の低比誘電率SiOx膜は、本質的に無機質であるので、シリコン樹脂系、ポリイミド系の高分子絶縁膜に比し熱伝導率が高く、熱膨張が低く、耐熱性に優れるという特長を有する。
つぎに、本発明のSiOx膜の改質方法について説明する。
上記本発明の低比誘電率SiOx膜は、多孔質構造であり、その1MHzにおける比誘電率が3以下、好ましくは2.3以下であるが、そのままでは半導体製造工程において外部環境からの薬液、腐食性のガスの浸透が懸念されることがある。また、SiOxのx値を増加させることは絶縁性の向上に有利である。このx値の増加を、空気中、外部加熱によって行うとなると、少なくとも700℃以上の高温加熱が必要であり、半導体装置の特性に悪影響を与える。さらには、高温加熱による酸化では、SiOxの焼結が始まり、微細な空隙が減少し材料自体の比誘電率は低下しても、膜全体としては空隙も減少するため比誘電率はかえって上昇することもある。
このような観点から、多孔質構造を維持したままで室温近辺での酸化方法(SiOxの絶縁改善方法)を検討した結果、1MHzにおける比誘電率が3以下のSiOx膜、好ましくは1MHzにおける比誘電率が1.5〜3.0で、SiOxのx値が0.5<x<2.0であるSiOx膜に、400nm以下の波長の電磁波を照射すると、比較的短時間に、SiOxの表面は緻密化するが他の大部分は多孔質構造を維持したままx値が増大することを見いだした。このことにより比誘電率が望ましく低下させることができ、絶縁性を向上させることが可能となった。
照射する電磁波は、波長400nm以下の波長を主成分とするものであることが好ましく、紫外光、軟X線に相当する光が望ましい。400nm超の電磁波は副成分として存在していても良いが、波長400nm超の可視光、赤外線等を主成分とする電磁波では、SiOx表面が緻密化するが、その内部までx値を増加させる作用には乏しい。
電磁波の照射量は、波長400nm以下の光の照射量を、例えばエプレイ社製の「サーモパイルNo17808」照度計によって得られる照射強度(W/cm2)と照射時間(時間)との積が0.1〜10、好ましくは0.2〜8、特に好ましくは0.5〜5となる量である。該照射量が0.1未満では酸化作用に乏しく十分な効果が得られず、また10超であると低比誘電率SiOx膜が基板から剥離しやすくなる。
電磁波照射による酸化の確認は、XPSにてSi2p結合エネルギーを測定することによって行うことができる。また、電磁波照射によってSiOx膜は厚さ方向に膨張するので、照射前後の膜厚を比較することによって、膜全体としてどの程度の酸化が行われたのかを知ることができる。
実施例
以下、実施例、比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
実施例1〜6 比較例1〜4
本例はクラスタービーム法による実験例である。
高純度金属シリコン粉末と高純度シリカ粉末(超微粉)を等モル混合し、黒鉛製蒸着ルツボ内で1800℃以上に高周波炉を用いて加熱しSiOxガスを発生させ、それをアルゴンガスに同伴させて冷却室に導き、SiOx粉末を回収した。このSiOx粉末のBET法による比表面積は80m2/gであり、Si、酸素の分析値より計算されたx値は1.2であった。
このSiOx粉末原料を図2に示すクラスタービーム蒸着装置を用い、シリコン単結晶基板(冷却基板)上に、表1に示す種々の条件でSiOx膜を生成させた。蒸着中に、酸素/アルゴンの1/99vol%混合気体を流し、その流量を変えることにより、生成したSiOx膜のx値を調節した。また、冷却基板の温度は、−190℃の極低温に設定するときには、冷却管に液体窒素を流し、−35〜50℃に設定するときには、グリコール質冷媒を流すことによって調整した。
得られたSiOx膜について、膜厚、比誘電率、SiOxのx値、及び膜表面のクラックと冷却基板に対する剥離の状況を以下の方法に従って評価した。それらの結果を表1に示す。なお、いずれのSiOx膜も多孔質であった。
(1)膜厚:DEKTAK社製のSTステップメータを用いて測定した。
(2)比誘電率:平行平板電極にSiOx膜が挟まれた形の素子を用いて容量をLCZメーターで測定し、電極面積及び膜厚から比誘電率を算出した。周波数は1MHzで測定を行った。
(3)SiOxのx値:上記に従い測定した。
なお、実施例2の膜については、XPS(X線光電子分光法)でSi2Pの結合エネルギーを測定した。その結果は102.4eVであった。x値が1.0のときの結合エネルギーは未測定であるが、Si及びSiO2 の値から推定して101.4eVとすると、得られた102.4eVは、x=1.5に相当する。
(4)クラック・剥離:膜の表面をSEM1000倍の写真によって判定した。
Figure 2012054586

表1から分かるように、実施例の低誘電率SiOx膜は、比誘電率が3以下であり、クラック・剥離のないものであった。
実施例7〜13 比較例5
本例は抵抗発熱ヒーター法による実験例である。
上記実験例で用いたのと同様のSiOx粉末原料をプレス成形しペレット(直径5mm×高さ5mm)にした。ペレットの比表面積は80m2 /gであり、成形前の比表面積とほぼ同じであった。このペレットを抵抗加熱蒸着装置を用い、直径2インチのシリコン単結晶基板上に、表2に示す種々の雰囲気制御用ガスと基板温度の条件でSiOx膜を生成させた。
なお、基板温度を室温よりも高温にするには、基板背後に電気加熱式ヒータと熱電対を配置して行った。
蒸着に用いた蒸着用ボートは、窒化硼素とチタンボライドの複合焼結体からなる市販品(電気化学工業社製商品名「デンカBNコンポジットEC」)であり、ボート両端から電圧をかけキャビティ部の温度が1325〜1380℃の範囲で制御しながら蒸着を行った。蒸着時間は10分とした。得られたSiOx膜について上記物性の他に気孔率を上記に従い測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 2012054586

表2から分かるように、本発明の実施例の低誘電率SiOx膜は、比誘電率が2.3以下、気孔率20〜60%、V値2.5〜3.3であり、クラック・剥離のない膜であった。
実施例14〜20 参考例1、2
本例は、SiOx膜の改質に関する実験例である。
SiOx粉末原料として、BET法比表面積は110m2/g、X線回折ではほぼアモルファスであり、シリコンと酸素の分析から計算されたSiOxのx値は1.05であるものを製造した。このSiOx粉末原料の蛍光X線による分析では、金属分の不純物はアルミニウム200ppm、Fe100ppmであり、SiOx純度は99%以上であった。さらには、XPSでSiの2p結合エネルギーをカーボンで補正して測定したところ、101.5evであった。このSiOx粉末原料を金型プレス及びCIPを用いて直径10mm×高さ10mm程度の円柱状に成形した。成形後の比表面積は103m2/gであり、成形前後で比表面積の変化はほとんどなかった。
このペレットを、上記蒸着ボート(デンカBNコンポジットEC)に入れ、通電加熱を行い、温度1100℃、圧力800Paの真空蒸着室で真空蒸着を行い、SiOx膜をシリコン基板上に沈着させた。なお、蒸着温度は、赤外輻射温度計で測定した。蒸着室内の圧力は、アルゴン/酸素比が0.05の混合ガスの流量を排気系のゲート及びガス流入用バルブの開度を調節して制御した。シリコン基板は蒸着による加熱を避けるため冷却水を流したホルダーに保持した。
10分間の蒸着後に、シリコン基板と共にSiOx膜を取り出し、膜物性を測定した。その結果、膜厚350nm、SiOxのx値1.5、比誘電率2.3、絶縁抵抗0.8nAであった。また、膜構造の観察結果は、膜表面にはクラック、「ブツ」のない多孔質構造であった。
ついで、上記で製造されたSiOx(x値1.5)膜に、400nm以下の紫外線(潮社製高圧水銀ランプ「USH−102D」を使用)、又は可視光(市販の白熱ランプを使用)を表3に示す条件で照射した。照射強度は、0.25W/cm2となるように照射計を用いてランプからの距離を調節した。
照射前後の膜について、上記物性の他にリーク電流を測定し、照射による影響を調べた。それらの結果を表3に示す。また、SEMによる膜断面の観察結果では膜は照射前後いずれにおいても蒸着面に対して垂直に伸びる柱状構造を有していた。
(6)リーク電流:直流電気抵抗法によって容量測定と同じ素子を用いて評価した。まず、主電極とガード電極を等電位にし、主電極−対向電極間に電圧を印可する。このときの主電極側のリーク電流だけを読み取れば、表面電流の影響が無い状態で測定することができる。面積0.03cm2 の平行平板電極を膜(素子)にあて、20Vの電圧を印可したときの漏れ電流はいずれも1nA以下であり、層間絶縁膜として十分な絶縁性を示した。
参考例3
温度1550℃、アルゴン/酸素比=0.1のガス圧力20Pa条件で金属シリコンの蒸着を行い、シリコン単結晶基板上に膜厚350nmのSiOx膜を形成させた。この膜は、x値0.9、比誘電率8.8であり、SEM観察の結果は緻密な膜であった。
このSiOx膜に、400nm以下の紫外線を実施例16と同一条件で照射した。その結果を表3に示す。膜表面にクラックが生じ、一部剥離が生じていた。
Figure 2012054586

表3から分かるように、実施例で改質された低誘電率SiOx膜は、比誘電率が2.0以下であり、絶縁性(リーク電流が小さい)が高く、クラック・剥離のないものであった。
本発明によれば、アルカリ金属、フッ素等を用いることなしに、耐熱性に優れた低比誘電率SiOx膜が提供される。また、本発明のSiOx膜の改質方法によれば、低比誘電率SiOx膜の更なる比誘電率の低下が達成され、絶縁性も増大する。本発明の低比誘電率SiOx膜を、金属配線の層間絶縁膜として用いれば、膜のクラック、剥離のない信頼性の高い半導体装置が提供される。
a シリコン基板
b 酸化シリコン膜
c 金属配線
d 層間絶縁膜
e 酸化シリコン膜
1 冷却管
2 基板ホルダー
3 基板
4 ゲートバルブ
5 シャッター
6 ルツボ
7 フィラメント
8 排気口
9 電子衝突用高圧電源
10 フィラメント電源
11 真空容器
本発明は、特にLSI等の搭載された半導体装置の層間絶縁膜として有用な低比誘電率SiOx膜の製造方法、その改質方法、及びそれを用いた半導体装置に関する。
半導体装置の高集積化を行うには、金属配線の間隔(すなわち、ローカル配線同士、グローバル配線同士、又はローカル配線とグローバル配線との間隔)を狭める必要がある。しかしながら、金属配線の間隔が狭くなると、R(配線抵抗)×C(配線容量)による配線の遅延が支配的となり、信号の高速動作が妨げられる。半導体装置の層間絶縁膜の形成位置を示す模式図を図1に示す。
そこで、この問題を解消するため、配線抵抗又は配線容量、又はその両方を少なくすることが行われており、配線抵抗の低下には、例えばAl材料からそれよりも低抵抗材料であるCu材料又はAu材料への変更が検討されている。しかし、これらの金属材料は、SiチップのSi成分によって拡散されやすいので、バリヤ層の形成等、新たな課題があり、その検討が進められている。
一方、配線容量を低下させるには、層間絶縁膜と呼ばれる絶縁層を介して上記金属配線を積層する際に、その絶縁膜として、通常はシリカガラスが用いられている。しかし、このものでは今日の要求には十分に応えることができなくなってきているので、更にフッ素をドープしたり、多孔質化したり、有機絶縁膜を用いるなどの提案がなされている。
たとえば、特開平1−235254号公報には、半導体基板上に多孔質絶縁膜を介して多層に金属配線を形成させた半導体装置が記載されている。この発明は、基板上に酸化ナトリウム、酸化カルシウム等の塩基性酸化物と、二酸化珪素、酸化ホウ素等の酸性酸化物との混合物からなる絶縁膜を堆積させてから熱処理を行い、塩基性酸化物又は酸性酸化物のみを析出・溶出させて膜内部に多孔を形成させるものであるので、塩基性酸化物等の混入によって、半導体装置の信頼性が著しく低下しまう。
特開2000−21245号公報には、中空ポリマー微粒子を有機シリコン化合物と共に用い、多孔を形成する方法が提案されている。しかし、有機化合物の利用は耐熱性の点で不安があり、その後の半導体製造過程におけるプロセス条件を著しく制約する。
さらに、特開平11−289013号公報には、金属シリコンを酸素含有雰囲気下で蒸発させ多孔質絶縁膜を形成させる方法が記載されている。この方法で形成される絶縁膜は、比誘電率が1.95以下と小さいものであるが、その膜組成は該公報の[0052]欄に、「SiOが大半を占めており全体に対するSiOx成分の積分強度は数%である」、と記載されているように、SiOが主成分である。また、膜構造は、該公報の図15から分かるように粒状物の重なりから構成されているので機械的強度に不安がある。しかも、金属シリコンの蒸気圧が低いので、その蒸気化には高温と耐熱性治具等が必要となったり、蒸着時間が長く生産性が低いなどの問題もある。
一方、SiOx膜の用途としては、上記層間絶縁膜の他に、反射防止膜、ガスバリア膜などがある。とくに、SiOx膜の蒸着によってガスバリア性が改善されたプラスチックは、内容物の確認が容易であるので、医薬品、食品等の包装材として重宝されている。しかしその一方で、SiOx膜は茶褐色の色調であるため、その改善要求がある。
そこで、例えば特開平8−197675号公報には、SiOx蒸着膜に過酸化水素をコートする方法が提案されており、酸素及び水蒸気透過度の改善に効果があったことが記載されている。しかし、過酸化水素を用いることは、その後の洗浄が必要であり、半導体装置等においてはその完全な除去が困難である。また、該公報には、光を照射してプラスチックフィルム上のSiO膜の光透過度、酸素透過度を改善したことが記載されているが、その効果は数%にしか過ぎない。
本発明の目的は、上記に鑑み、アルカリ金属、フッ素等を用いることなしに、耐熱性に優れ、SiOへの経時変化が小さく、金属配線の層間絶縁膜として信頼性が高い、低比誘電率SiOx膜の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、SiOx膜に電磁波を照射することによって、SiOx膜の酸素を増加させ、比誘電率の更なる低下と絶縁性を一段と向上させたSiOx膜の改質方法を提供することである。
発明は、以下の要旨を有する。
1.SiOx(但し、1.8≧X≧1.0)を主成分とする多孔質物質からなり、1MHzにおける比誘電率が3以下である低比誘電率SiOx膜の製造方法であって、蒸着雰囲気制御用ガスのガス圧を10〜100PaにしてSiOx粉末を蒸着することを特徴とする、抵抗発熱ヒーター法によるSiOx膜の製造方法。
2.蒸着雰囲気制御用ガスが、アルゴン、ヘリウム及び水素から選ばれる1種以上の非酸化性ガスであることを特徴とする上記1に記載SiOx膜の製造方法。
3.SiOx粉末の比表面積が10m /g以上であることを特徴とする上記1又は2に記載のSiOx膜の製造方法。
4.上記1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られるSiOx膜に波長400nm以下の電磁波を照射してそのX値を増加させることを特徴とするSiOx膜の改質方法。
5.電磁波が照射されるSiOx膜が、1MHzにおける比誘電率1.5〜3.0を有し、かつSiOxのx値が0.5<x<2.0であることを特徴とする上記4に記載のSiOx膜の改質方法。
6.電磁波照射量が、0.1≦照射時間(時間)×照射量(W/cm )≦10であることを特徴とする上記4又は5に記載のSiOx膜の改質方法。
7.上記1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られるSiOx膜を金属配線の層間絶縁物として用いたことを特徴とする半導体装置。
半導体装置の層間絶縁膜の形成位置を示す模式図。 参考例であるクラスタビーム法蒸着装置の概略図。
本発明の低比誘電率SiOx膜のx値は、1.8≧X≧1.0であることが必要である。このように限定した理由は、x値が低いほどすなわち1に近いほど加熱によるガス化が容易であり、従って生成膜が多孔質となりやすく膜の低比誘電率化が行いやすくなる。x値が1.0未満では金属シリコンが析出しやすくなるため、生成膜の絶縁性に問題が生じる。また、x値が1.8を超えると、更なる低比誘電率化が可能となるが、気孔率が著しく低下し、またその構造が粒状構造となって、機械的強度の小さな膜となる。好ましいx値は1.7≧x≧1.1であり、更に好ましくは1.6≧X≧1.2である。
SiOx膜のx値は、生成膜を基板より剥がした後、Siのモル量をJIS−R6124(炭化けい素質研削材の化学分析)に準じて測定し、また酸素のモル量をO/N同時分析装置(例えばLECO社「TC−136」)を用いて測定し、そのモル比から算出することができる。
SiOxが非化学量論的化合物の酸化ケイ素であり、SiとSiOの混合物ではないことの確認は、X線光電子分光法分析を行い、Si2Pの結合エネルギー位置が、SiやSiOのそれとは異なる位置に見いだされること、具体的には、SiとSiOのSi2P結合エネルギーは、それぞれ99.1eV、103.6eVであるが、その間に結合エネルギーの単独ピークを見いだされることによって行うことができる。
本発明の低比誘電率SiOx膜は、蛍光X線法によっては、Si以外の金属成分が検出されないものであることが好ましい。金属成分以外の不純物の不可避的な混入、例えば窒素、炭素の固溶は許容され、SiOxNy,SiOxCy等の膜構造であっても良い。
SiOx膜は、通常、比誘電率が4〜10と高い値を持つので、緻密な膜では本発明のように比誘電率3以下とすることができない。そこで、本発明の低比誘電率SiOx膜では、その内部に多数の微細な空隙(細孔)を含有させ、比誘電率3以下としたものである。
単に空隙を多くし比誘電率を低下させることは、膜強度も低下し、層間絶縁膜等の剥離、脱落等の原因となるので、本発明のSiOx膜は、柱状のSiOxが網目状に絡まり、その柱状SiOx間に微細な空隙が保持されている構造となっていることが好ましい。このようなSiOx膜は、後記の第1の製造方法又は第2の製造方法によって製造することができる。
ここで、「柱状」は、長径/短径比が2以上、特に3以上であることが好ましい。このような柱状のSiOxが網目状に絡んだ構造とすることによって、機械的強度を著しく損なわせることなく、膜の気孔率を20%以上、特に30%以上とすることが可能となり、剥落、クラックのないSiOx膜とすることができる。特に好ましい本発明の低比誘電率SiOx膜は、気孔率が20〜60%、特に30〜55%で、しかも1MHzにおける比誘電率が3以下、特に2.3以下である。
本発明において、SiOx膜の気孔率の測定は、全反射X線法によって全反射の臨界角から求めた電子密度を利用して算出される。すなわち、膜の主成分がSiOxであることから、膜が緻密である時の電子密度が熱酸化SiOの値と同じであるとして、実測された膜の電子密度が気孔の存在によって低下した結果であるとして求めた。X線は、CuのKα線をモノクロメータSi(111)で反射させたものを用いた。
さらに、本発明の低比誘電率SiOx膜は、(1)式で求められる低誘電率指数Vが1.1〜3.5であることが好ましく、特に1.3〜3.5、更に2〜3.5であることが好ましい。
V=K+0.0286×P ・・・・(1)
(但し、気孔率:P(%)は気孔率、Kは比誘電率)
低比誘電率指数Vは、SiOx膜の気孔率と比誘電率の関係を表すものであり、低誘電率指数Vが1.1〜3.5であるということは、低気孔率でありながら比誘電率が低いことを示している。V値が3.5よりも大きくなると、SiOx膜の強度が低くCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の耐研磨性に劣る。V値を1.1未満にすることは技術的に困難である。SiOの多孔膜は、通常、v値が3.5よりも大きくなる。特に好ましいV値は2.5〜3.3である。
本発明の低比誘電率SiOx膜は、抵抗発熱ヒーター法によるSiOx粉末の蒸着によって製造される。抵抗発熱ヒーター法では、クラスタビーム法よりも高いガス圧と高い基板温度が必要とされるが、本発明においては、とくに、上記(1)式の関係を有する低比誘電率SiOx膜は、抵抗発熱ヒーター法によって容易に製造することができる。
参考までに、クラスタービーム法による低比誘電率SiOx膜の製造法を説明するとこの方法は、SiOx粉末原料を蒸着ルツボに入れ、加熱蒸発させて得られたSiOxガスを−20℃以下の冷却基板に沈着させる方法である。
クラスタービーム法の製造方法で使用されるSiOx粉末原料は、SiO粉末とシリコン粉末又はカーボン粉末との混合粉末を加熱蒸発してSiOxガスを発生させ、それを冷却室に導いて冷却することによって製造される。SiOx粉末原料の比表面積(BET法)は、10m/g以上、特に50m/g以上が好ましく、それによって低温ガス化と、膜の均一化とが容易となる。SiOx粉末原料には、絶縁性、比誘電率に悪影響を与えない範囲で、不可避的な金属不純物、及び窒素、炭素を含有していても良い。
SiOx粉末原料はそのまま蒸着ルツボに入れても良く、また適度な大きさに成形してから入れても良い。後者によれば、製造されたSiOx膜には「ブツ」の発生が著しく少なくなるので好ましい。必要に応じて、更に500〜1250℃の窒素、アルゴン、ヘリウム、一酸化炭素、水素等の非酸化雰囲気下で焼結しておいても良い。
クラスタービーム法の概念図を図2に示す。クラスタービーム法とは、抵抗加熱による蒸着方法とは異なり、原料が充填された蒸着ルツボの上部に小孔を開けた蓋を設け、ルツボを加熱し原料をガス化する方法である。ガス化した原料は、蓋部の小孔を噴出ノズルとして真空チャンバー内にクラスターを生成しながら放出される。通常、小孔径は直径1mm以下であるため、ルツボ内は高圧となりクラスターは高速で真空チャンバー内に放出される。そのスピードは音速以上と極めて早いものである。
クラスタービーム法において、蒸着ルツボに入れられたSiOx粉末原料は、クラスターを生成しながら断熱膨張で急冷されて冷却基板上に沈着する。SiOxガスは比較的粘性の高いガラス状物質であり、形成されたクラスターは柱状となって冷却基板に突き刺さるように飛来していくので、形成された膜は柱状のSiOxが網目状に絡まった多孔質の膜構造となる。
着時のチャンバー内に、積極的に酸素、窒素等の反応性ガスを導入することもできる。それによって、チャンバー内のSiOxガスのSi:O比を原料SiOx粉末原料のそれと異ならせることもできるし、またSiOxNyとすることもできる。さらには、クラスターのサイズを調整することもできる。
チャンバー内に導入するガスの種類・量は要求される膜の特性に応じて適宜決定されるが、10−5〜10−1Paの真空下に保持することが肝要なことである。たとえば、SiOx粉末原料として、x値が1.2のSiOx粉末を用い、蒸着時にチャンバー内に窒素をアルゴンと共に導入すると、窒素ガスの分圧に応じたSiOxNy膜を製造することができる。窒素ガスの導入は、絶縁性の向上には有利であるが、比誘電率を高める作用があるので、y≦1.0であることが好ましい。
着膜を沈着させるのに用いられる冷却基板は、少なくとも−20℃以下、好ましくは−50℃以下、更に好ましくは−100℃以下に冷却されていることが必要である。この理由は、断熱膨張で冷却されたとはいえ、冷却基板に向かって飛来するSiOxクラスターは相当な熱及び運動エネルギーを保有しており、冷却基板と衝突した時点でそのエネルギーは自己拡散に消費される。すなわち、冷却基板温度が高い場合にはマイグレーションを生じて緻密な膜となり、比誘電率の高い膜となる。一方、冷却基板を冷却してそのエネルギーを熱として素早く回収すると、マイグレーションが防止され、クラスターが柱状を維持したまま多孔質膜となり、比誘電率が小さいものとなる。
蒸着ルツボの加熱温度は、800〜1500℃、特に900〜1200℃であることが好ましい。
以上のように、クラスタービーム法は、ガス中に実際にクラスターがあるかどうかをいうのではなく、ガス化した原料を亜音速又は超音速という高速で噴出させながら蒸着させることに最も特徴が見いだされる方法である。ここでは、クラスターをイオン化し運動エネルギーを増加させる手段をも許容するものである。
次いで、本発明の抵抗発熱ヒーター法による低比誘電率SiOx膜の製造法について説明する。
SiOx粉末原料の加熱は、チタンボライドとBNの複合焼結体からなる導電性セラミックス、PBNコートカーボン等のセラミックス、タングステン等高融点金属などの材質で構成された蒸着ボートが使用される。SiOx粉末原料は、上記クラスタービーム法による製造方法で説明したのと同様なものが用いられる。
加熱温度は、1000〜1600℃、特に1200〜1500℃であることが好ましい。1600℃より高温では突沸をして、粒子状のSiOを生成しやすくなり、また1000℃未満の低温ではSiOxの蒸発速度が遅くて膜形成に時間がかかりすぎる。
本発明の第2の製造方法の特徴は、上記冷却基板の温度よりも高い基板上にSiOx膜を沈着させることであり、蒸着室のガス圧を10〜1000Paに調整して行われることである。蒸着雰囲気制御用ガスとしては、水素、ヘリウム、アルゴンから選ばれた一種以上の非酸化性ガスが好ましく用いられるが、さらに窒素、アンモニア等を適宜混合されていても良い。アルゴンガスは、価格、安全性、蒸着安定性の観点からもっとも好ましいガスである。酸素ガス、NO等の酸化性ガスは極力少なくされるが、生成するSiOxのx値が1.8をこえない程度の量は許容される。酸素分圧は、通常、0.1Pa以下とする。
蒸着膜の沈着に用いられる基板の温度は、−10℃〜500℃、特に100〜400℃であることが好ましい。−10℃よりも低温では、膜の基板への付着が弱くなり、また500℃よりも高いと、密着性は良好となるが、比誘電率が高くなる。
上記(1)式の関係を有する低比誘電率SiOx膜、特にV値が2.5〜3.3であるSiOx膜は、蒸着雰囲気制御用ガスとしてアルゴンガスを用い、そのガス圧25〜700Pa、基板温度10〜400℃とすることによって、容易に実現される。
本発明の低比誘電率SiOx膜には、半導体装置の層間絶縁膜、反射防止膜、ガスバリア膜等の用途がある。本発明の低比誘電率SiOx膜は、本質的に無機質であるので、シリコン樹脂系、ポリイミド系の高分子絶縁膜に比し熱伝導率が高く、熱膨張が低く、耐熱性に優れるという特長を有する。
つぎに、本発明のSiOx膜の改質方法について説明する。
上記本発明の低比誘電率SiOx膜は、多孔質構造であり、その1MHzにおける比誘電率が3以下、好ましくは2.3以下であるが、そのままでは半導体製造工程において外部環境からの薬液、腐食性のガスの浸透が懸念されることがある。また、SiOxのx値を増加させることは絶縁性の向上に有利である。このx値の増加を、空気中、外部加熱によって行うとなると、少なくとも700℃以上の高温加熱が必要であり、半導体装置の特性に悪影響を与える。さらには、高温加熱による酸化では、SiOxの焼結が始まり、微細な空隙が減少し材料自体の比誘電率は低下しても、膜全体としては空隙も減少するため比誘電率はかえって上昇することもある。
このような観点から、多孔質構造を維持したままで室温近辺での酸化方法(SiOxの絶縁改善方法)を検討した結果、1MHzにおける比誘電率が3以下のSiOx膜、好ましくは1MHzにおける比誘電率が1.5〜3.0で、SiOxのx値が0.5<x<2.0であるSiOx膜に、400nm以下の波長の電磁波を照射すると、比較的短時間に、SiOxの表面は緻密化するが他の大部分は多孔質構造を維持したままx値が増大することを見いだした。このことにより比誘電率が望ましく低下させることができ、絶縁性を向上させることが可能となった。
照射する電磁波は、波長400nm以下の波長を主成分とするものであることが好ましく、紫外光、軟X線に相当する光が望ましい。400nm超の電磁波は副成分として存在していても良いが、波長400nm超の可視光、赤外線等を主成分とする電磁波では、SiOx表面が緻密化するが、その内部までx値を増加させる作用には乏しい。
電磁波の照射量は、波長400nm以下の光の照射量を、例えばエプレイ社製の「サーモパイルNo17808」照度計によって得られる照射強度(W/cm)と照射時間(時間)との積が0.1〜10、好ましくは0.2〜8、特に好ましくは0.5〜5となる量である。該照射量が0.1未満では酸化作用に乏しく十分な効果が得られず、また10超であると低比誘電率SiOx膜が基板から剥離しやすくなる。
電磁波照射による酸化の確認は、XPSにてSi2p結合エネルギーを測定することによって行うことができる。また、電磁波照射によってSiOx膜は厚さ方向に膨張するので、照射前後の膜厚を比較することによって、膜全体としてどの程度の酸化が行われたのかを知ることができる。
以下に、参考例、実施例、及び比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
参考例1〜6 比較例1〜4
本例はクラスタービーム法による実験例である。
高純度金属シリコン粉末と高純度シリカ粉末(超微粉)を等モル混合し、黒鉛製蒸着ルツボ内で1800℃以上に高周波炉を用いて加熱しSiOxガスを発生させ、それをアルゴンガスに同伴させて冷却室に導き、SiOx粉末を回収した。このSiOx粉末のBET法による比表面積は80m/gであり、Si、酸素の分析値より計算されたx値は1.2であった。
このSiOx粉末原料を図2に示すクラスタービーム蒸着装置を用い、シリコン単結晶基板(冷却基板)上に、表1に示す種々の条件でSiOx膜を生成させた。蒸着中に、酸素/アルゴンの1/99vol%混合気体を流し、その流量を変えることにより、生成したSiOx膜のx値を調節した。また、冷却基板の温度は、−190℃の極低温に設定するときには、冷却管に液体窒素を流し、−35〜50℃に設定するときには、グリコール質冷媒を流すことによって調整した。
得られたSiOx膜について、膜厚、比誘電率、SiOxのx値、及び膜表面のクラックと冷却基板に対する剥離の状況を以下の方法に従って評価した。それらの結果を表1に示す。なお、いずれのSiOx膜も多孔質であった。
(1)膜厚:DEKTAK社製のSTステップメータを用いて測定した。
(2)比誘電率:平行平板電極にSiOx膜が挟まれた形の素子を用いて容量をLCZメーターで測定し、電極面積及び膜厚から比誘電率を算出した。周波数は1MHzで測定を行った。
(3)SiOxのx値:上記に従い測定した。
なお、実施例2の膜については、XPS(X線光電子分光法)でSi2Pの結合エネルギーを測定した。その結果は102.4eVであった。x値が1.0のときの結合エネルギーは未測定であるが、Si及びSiOの値から推定して101.4eVとすると、得られた102.4eVは、x=1.5に相当する。
(4)クラック・剥離:膜の表面をSEM1000倍の写真によって判定した。
Figure 2012054586
表1から分かるように、参考例の低誘電率SiOx膜は、比誘電率が3以下であり、クラック・剥離のないものであった。
実施例1〜7 比較例5
本例は抵抗発熱ヒーター法による実験例である。
上記実験例で用いたのと同様のSiOx粉末原料をプレス成形しペレット(直径5mm×高さ5mm)にした。ペレットの比表面積は80m/gであり、成形前の比表面積とほぼ同じであった。このペレットを抵抗加熱蒸着装置を用い、直径2インチのシリコン単結晶基板上に、表2に示す種々の雰囲気制御用ガスと基板温度の条件でSiOx膜を生成させた。
なお、基板温度を室温よりも高温にするには、基板背後に電気加熱式ヒータと熱電対を配置して行った。
蒸着に用いた蒸着用ボートは、窒化硼素とチタンボライドの複合焼結体からなる市販品(電気化学工業社製商品名「デンカBNコンポジットEC」)であり、ボート両端から電圧をかけキャビティ部の温度が1325〜1380℃の範囲で制御しながら蒸着を行った。蒸着時間は10分とした。得られたSiOx膜について上記物性の他に気孔率を上記に従い測定した。それらの結果を表2に示す。
Figure 2012054586
表2から分かるように、本発明の実施例の低誘電率SiOx膜は、比誘電率が2.3以下、気孔率20〜60%、V値2.5〜3.3であり、クラック・剥離のない膜であった。
実施例8〜14 及び 参考例7〜9
本例は、SiOx膜の改質に関する実験例である。
SiOx粉末原料として、BET法比表面積は110m/g、X線回折ではほぼアモルファスであり、シリコンと酸素の分析から計算されたSiOxのx値は1.05であるものを製造した。このSiOx粉末原料の蛍光X線による分析では、金属分の不純物はアルミニウム200ppm、Fe100ppmであり、SiOx純度は99%以上であった。さらには、XPSでSiの2p結合エネルギーをカーボンで補正して測定したところ、101.5evであった。このSiOx粉末原料を金型プレス及びCIPを用いて直径10mm×高さ10mm程度の円柱状に成形した。成形後の比表面積は103m/gであり、成形前後で比表面積の変化はほとんどなかった。
このペレットを、上記蒸着ボート(デンカBNコンポジットEC)に入れ、通電加熱を行い、温度1100℃、圧力800Paの真空蒸着室で真空蒸着を行い、SiOx膜をシリコン基板上に沈着させた。なお、蒸着温度は、赤外輻射温度計で測定した。蒸着室内の圧力は、アルゴン/酸素比が0.05の混合ガスの流量を排気系のゲート及びガス流入用バルブの開度を調節して制御した。シリコン基板は蒸着による加熱を避けるため冷却水を流したホルダーに保持した。
10分間の蒸着後に、シリコン基板と共にSiOx膜を取り出し、膜物性を測定した。その結果、膜厚350nm、SiOxのx値1.5、比誘電率2.3、絶縁抵抗0.8nAであった。また、膜構造の観察結果は、膜表面にはクラック、「ブツ」のない多孔質構造であった。
ついで、上記で製造されたSiOx(x値1.5)膜に、400nm以下の紫外線(潮社製高圧水銀ランプ「USH−102D」を使用)、又は可視光(市販の白熱ランプを使用)を表3に示す条件で照射した。照射強度は、0.25W/cmとなるように照射計を用いてランプからの距離を調節した。
照射前後の膜について、上記物性の他にリーク電流を測定し、照射による影響を調べた。それらの結果を表3に示す。また、SEMによる膜断面の観察結果では膜は照射前後いずれにおいても蒸着面に対して垂直に伸びる柱状構造を有していた。
(6)リーク電流:直流電気抵抗法によって容量測定と同じ素子を用いて評価した。まず、主電極とガード電極を等電位にし、主電極−対向電極間に電圧を印可する。このときの主電極側のリーク電流だけを読み取れば、表面電流の影響が無い状態で測定することができる。面積0.03cmの平行平板電極を膜(素子)にあて、20Vの電圧を印可したときの漏れ電流はいずれも1nA以下であり、層間絶縁膜として十分な絶縁性を示した。
参考例
温度1550℃、アルゴン/酸素比=0.1のガス圧力20Pa条件で金属シリコンの蒸着を行い、シリコン単結晶基板上に膜厚350nmのSiOx膜を形成させた。この膜は、x値0.9、比誘電率8.8であり、SEM観察の結果は緻密な膜であった。
このSiOx膜に、400nm以下の紫外線を実施例10と同一条件で照射した。その結果を表3に示す。膜表面にクラックが生じ、一部剥離が生じていた。
Figure 2012054586
表3から分かるように、実施例で改質された低誘電率SiOx膜は、比誘電率が2.0以下であり、絶縁性(リーク電流が小さい)が高く、クラック・剥離のないものであった。
本発明によれば、アルカリ金属、フッ素等を用いることなしに、耐熱性に優れた低比誘電率SiOx膜が提供される。また、本発明のSiOx膜の改質方法によれば、低比誘電率SiOx膜の更なる比誘電率の低下が達成され、絶縁性も増大する。本発明の低比誘電率SiOx膜を、金属配線の層間絶縁膜として用いれば、膜のクラック、剥離のない信頼性の高い半導体装置が提供される。
a シリコン基板
b 酸化シリコン膜
c 金属配線
d 層間絶縁膜
e 酸化シリコン膜
1 冷却管
2 基板ホルダー
3 基板
4 ゲートバルブ
5 シャッター
6 ルツボ
7 フィラメント
8 排気口
9 電子衝突用高圧電源
10 フィラメント電源
11 真空容器

Claims (7)

  1. SiOx(但し、1.8≧X≧1.0)を主成分とする多孔質物質からなり、1MHzにおける比誘電率が3以下である低比誘電率SiOx膜の製造方法であって、蒸着雰囲気制御用ガスのガス圧を10〜100PaにしてSiOx粉末を蒸着することを特徴とする、抵抗発熱ヒーター法によるSiOx膜の製造方法。
  2. 蒸着雰囲気制御用ガスが、アルゴン、ヘリウム及び水素から選ばれる1種以上の非酸化性ガスであることを特徴とする請求項1に記載SiOx膜の製造方法。
  3. SiOx粉末の比表面積が10m/g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のSiOx膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られるSiOx膜に波長400nm以下の電磁波を照射してそのX値を増加させることを特徴とするSiOx膜の改質方法。
  5. 電磁波が照射されるSiOx膜が、1MHzにおける比誘電率1.5〜3.0を有し、かつSiOxのx値が0.5<x<2.0であることを特徴とする請求項4に記載のSiOx膜の改質方法。
  6. 電磁波照射量が、0.1≦照射時間(時間)×照射量(W/cm)≦10であることを特徴とする請求項4又は5に記載のSiOx膜の改質方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られるSiOx膜を金属配線の層間絶縁物として用いたことを特徴とする半導体装置。
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